JP2004201366A - 整流子モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】回転子の温度上昇を招くことなく、電動工具使用時に発生する粉塵の衝突や電動工具の振動等によって生じるコイルの損傷を簡便に防止することができる整流子モータを提供すること。
【解決手段】網目を有する伸縮性シート4をコア14の端部から露出しているコイルエンド5表面から整流子12のコイル接続部13の全面または一部を覆い、従来回転子コイル巻線後に行うワニス等の樹脂含浸・硬化により伸縮性シート4を固着させる。
【選択図】 図1
【解決手段】網目を有する伸縮性シート4をコア14の端部から露出しているコイルエンド5表面から整流子12のコイル接続部13の全面または一部を覆い、従来回転子コイル巻線後に行うワニス等の樹脂含浸・硬化により伸縮性シート4を固着させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動工具等で使用される整流子モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の整流子モータの回転子1は、図6に示す如く、ラジアル方向外側に開き軸方向に沿って延びる複数のスロット2を有し、回転軸3に装着されるコア14、スロット2内に巻回されるコイル、回転軸3に圧入される冷却ファン7、整流子12等により構成され、絶縁性や機械的強度向上のため巻回されたコイルはワニス等の樹脂を含浸・硬化させスロット2内に固定している。図7に示すように、整流子モータを運転すると冷却ファン7によって冷却風がハウジング8に設けられた吸気口9を経て整流子モータに流れ、冷却風の一部は回転子1のコア14より露出したコイルエンド5のコイルに当りコイルを冷却する。この冷却風は切削粉等の粉塵をも吸引するため、整流子モータ内に運ばれた粉塵の一部は固定子10と回転子1の隙間に流れ込み、その際一部はコイルエンド5に衝突するため、コイルにワニス等の樹脂を含浸させて固めただけの従来の整流子モータでは、コイルが摩耗し、ひいては断線に至るという問題があった。
また、電動工具使用時に発生する振動により、コイルと整流子12の接続部13が断線するという問題もあった。
【0003】
これらの問題に対し、
(1)特開平8−322178号の図1に示すような、コイルエンド5にワニスなどの樹脂を含浸できるシート材で形成されたリブ付き帯状部材を巻いて部分的にコイルエンド5を覆った後に、ワニス等の樹脂を含浸、乾燥炉にて樹脂を硬化させコイルエンド5に固着し、粉塵によるコイル断線を防ぐ方法や、
(2)特開平8−322178号の図2に示すような、コイルエンド5に液状の熱硬化性樹脂を滴下し、乾燥炉にて樹脂を硬化させ保護膜11を形成する方法が開示されている。
【特許文献1】
特開平8−322178号公報(図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術において、
(1)においては、コイルエンド全体をシート材で覆うとコイルエンド5の冷却効果が低下するため、回転子1の冷却のため単なる帯状ではなくリブ付き部材を用いているが、このリブ部は粉塵の衝突により磨耗、剥離し易く、高速回転した回転子を粉塵から保護するには強度的に弱く不充分である。またシート材の材料として、剥離しにくいようにワニス等の樹脂をよく含浸できるフェルトが挙げられているが、フェルトは通気性が悪いので、回転子1の温度上昇を招いてしまう。
(2)においては、保護膜11が整流子モータ運転中の回転子1の発熱でひび割れが生じ易く、保護膜11がひび割れた回転子1は回転バランスが崩れ振動増大や雑音問題などを引き起こす。
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、回転子の温度上昇を招くことなく、粉塵の衝突や振動等によって生じるコイルの損傷を簡便に防止することができる整流子モータを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、網目を有する伸縮性シートでコイルエンド表面から整流子のコイル接続部の全面または一部を覆い、回転子コイル巻線後に行うワニス等の樹脂含浸・硬化により固着させることにより達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図1から図5を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明整流子モータを構成する回転子1は、図1に示すように、回転軸3に複数のスロット2を有するコア14と整流子12を挿入した後、スロット2内にコイルを巻回し、整流子12のコイル接続部13に溶着接続する。巻回作業の後、本発明シートを構成する布製テープ4でコイルエンド5を覆い、ワニス等の樹脂を含浸・硬化させ、布製テープ4の固着とコイルの固定を同時に行う。その後冷却ファン7圧入等の工程を経て回転子1が完成する。
【0008】
布製テープ4でコイルエンド5を覆うことにより、回転子1のコイルは電動工具使用中に吸引してしまう粉塵の衝突を防ぐことができ、整流子モータ運転中のコイルで発生する熱は網目の隙間から放出することができるので回転子1の冷却を妨げない。
【0009】
布製テープ4は例えば伸縮性を有するポリウレタン繊維等を含む織布で、伸縮性を有することでコイルエンド5の複雑な表面形状に沿って覆うことができる。布製テープ4のコイルエンド5接触面に接着性を持たせることにより、布製テープ4をコイルエンド5に覆い、樹脂を含浸させるまでの間、仮止めすることができるため容易に回転子1に取付けが可能となる。布製テープ4の固着は、従来行っていた回転子1の樹脂の含浸・硬化の工程で行うため、大きな設備変更を伴なうことなく実施可能であり、また布製テープ4でコイルエンド3を覆っても、網目により樹脂は含浸することができるので、コイルエンド5に簡便に固着することができる。
【0010】
布製テープ4の覆う範囲は、粉塵や振動といった整流子モータの想定される使用環境によって、図1から3に示す例や、コイルエンド5の片側だけに設ける等様々な例が考えられる。
【0011】
布製テープ4の形状は、帯状のものの他、予め図5、図6で示すような環状や円筒状形状にし、コイルエンド5を覆うものであっても良く、その形状は限定されない。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、回転子の温度上昇を招くことなく粉塵の衝突や振動等による回転子コイルの損傷を簡便に防止することが可能な整流子モータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明整流子モータを構成する回転子の一実施形態を示す側面図。
【図2】本発明回転子の他の実施形態を示す側面図。
【図3】本発明回転子の他の実施形態を示す側面図。
【図4】本発明シートの一実施形態を示す斜視図。
【図5】本発明シートの他の実施形態を示す斜視図。
【図6】従来の回転子の一例を示す側面図。
【図7】モータ内の気流及び粉塵の流れを示す説明用断面図。
【符号の説明】
1は回転子、2はスロット、3は回転軸、4は布製テープ、5はコイルエンド、7は冷却ファン、8はハウジング、9は吸気口、10は固定子、11は熱硬化性樹脂の保護膜、12は整流子、13はコイル接続部、14はコアである。
【発明の属する技術分野】
本発明は電動工具等で使用される整流子モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の整流子モータの回転子1は、図6に示す如く、ラジアル方向外側に開き軸方向に沿って延びる複数のスロット2を有し、回転軸3に装着されるコア14、スロット2内に巻回されるコイル、回転軸3に圧入される冷却ファン7、整流子12等により構成され、絶縁性や機械的強度向上のため巻回されたコイルはワニス等の樹脂を含浸・硬化させスロット2内に固定している。図7に示すように、整流子モータを運転すると冷却ファン7によって冷却風がハウジング8に設けられた吸気口9を経て整流子モータに流れ、冷却風の一部は回転子1のコア14より露出したコイルエンド5のコイルに当りコイルを冷却する。この冷却風は切削粉等の粉塵をも吸引するため、整流子モータ内に運ばれた粉塵の一部は固定子10と回転子1の隙間に流れ込み、その際一部はコイルエンド5に衝突するため、コイルにワニス等の樹脂を含浸させて固めただけの従来の整流子モータでは、コイルが摩耗し、ひいては断線に至るという問題があった。
また、電動工具使用時に発生する振動により、コイルと整流子12の接続部13が断線するという問題もあった。
【0003】
これらの問題に対し、
(1)特開平8−322178号の図1に示すような、コイルエンド5にワニスなどの樹脂を含浸できるシート材で形成されたリブ付き帯状部材を巻いて部分的にコイルエンド5を覆った後に、ワニス等の樹脂を含浸、乾燥炉にて樹脂を硬化させコイルエンド5に固着し、粉塵によるコイル断線を防ぐ方法や、
(2)特開平8−322178号の図2に示すような、コイルエンド5に液状の熱硬化性樹脂を滴下し、乾燥炉にて樹脂を硬化させ保護膜11を形成する方法が開示されている。
【特許文献1】
特開平8−322178号公報(図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術において、
(1)においては、コイルエンド全体をシート材で覆うとコイルエンド5の冷却効果が低下するため、回転子1の冷却のため単なる帯状ではなくリブ付き部材を用いているが、このリブ部は粉塵の衝突により磨耗、剥離し易く、高速回転した回転子を粉塵から保護するには強度的に弱く不充分である。またシート材の材料として、剥離しにくいようにワニス等の樹脂をよく含浸できるフェルトが挙げられているが、フェルトは通気性が悪いので、回転子1の温度上昇を招いてしまう。
(2)においては、保護膜11が整流子モータ運転中の回転子1の発熱でひび割れが生じ易く、保護膜11がひび割れた回転子1は回転バランスが崩れ振動増大や雑音問題などを引き起こす。
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、回転子の温度上昇を招くことなく、粉塵の衝突や振動等によって生じるコイルの損傷を簡便に防止することができる整流子モータを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、網目を有する伸縮性シートでコイルエンド表面から整流子のコイル接続部の全面または一部を覆い、回転子コイル巻線後に行うワニス等の樹脂含浸・硬化により固着させることにより達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図1から図5を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明整流子モータを構成する回転子1は、図1に示すように、回転軸3に複数のスロット2を有するコア14と整流子12を挿入した後、スロット2内にコイルを巻回し、整流子12のコイル接続部13に溶着接続する。巻回作業の後、本発明シートを構成する布製テープ4でコイルエンド5を覆い、ワニス等の樹脂を含浸・硬化させ、布製テープ4の固着とコイルの固定を同時に行う。その後冷却ファン7圧入等の工程を経て回転子1が完成する。
【0008】
布製テープ4でコイルエンド5を覆うことにより、回転子1のコイルは電動工具使用中に吸引してしまう粉塵の衝突を防ぐことができ、整流子モータ運転中のコイルで発生する熱は網目の隙間から放出することができるので回転子1の冷却を妨げない。
【0009】
布製テープ4は例えば伸縮性を有するポリウレタン繊維等を含む織布で、伸縮性を有することでコイルエンド5の複雑な表面形状に沿って覆うことができる。布製テープ4のコイルエンド5接触面に接着性を持たせることにより、布製テープ4をコイルエンド5に覆い、樹脂を含浸させるまでの間、仮止めすることができるため容易に回転子1に取付けが可能となる。布製テープ4の固着は、従来行っていた回転子1の樹脂の含浸・硬化の工程で行うため、大きな設備変更を伴なうことなく実施可能であり、また布製テープ4でコイルエンド3を覆っても、網目により樹脂は含浸することができるので、コイルエンド5に簡便に固着することができる。
【0010】
布製テープ4の覆う範囲は、粉塵や振動といった整流子モータの想定される使用環境によって、図1から3に示す例や、コイルエンド5の片側だけに設ける等様々な例が考えられる。
【0011】
布製テープ4の形状は、帯状のものの他、予め図5、図6で示すような環状や円筒状形状にし、コイルエンド5を覆うものであっても良く、その形状は限定されない。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、回転子の温度上昇を招くことなく粉塵の衝突や振動等による回転子コイルの損傷を簡便に防止することが可能な整流子モータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明整流子モータを構成する回転子の一実施形態を示す側面図。
【図2】本発明回転子の他の実施形態を示す側面図。
【図3】本発明回転子の他の実施形態を示す側面図。
【図4】本発明シートの一実施形態を示す斜視図。
【図5】本発明シートの他の実施形態を示す斜視図。
【図6】従来の回転子の一例を示す側面図。
【図7】モータ内の気流及び粉塵の流れを示す説明用断面図。
【符号の説明】
1は回転子、2はスロット、3は回転軸、4は布製テープ、5はコイルエンド、7は冷却ファン、8はハウジング、9は吸気口、10は固定子、11は熱硬化性樹脂の保護膜、12は整流子、13はコイル接続部、14はコアである。
Claims (4)
- 回転子のコアに巻回されたコイルのコア端面と整流子のコイル接続部との間にあるコイルエンド部およびファン側のコイルエンド部および整流子のコイル接続部の少なくともいずれかの一部を、網目を有する伸縮性シートで覆い、樹脂により固着させたことを特徴とする整流子モータ。
- 前記シートのコイル接触面に接着性を持たせたことを特徴とする請求項1記載の整流子モータ。
- 前記シートを円筒状に形成したことを特徴とする請求項1乃至2記載の整流子モータ。
- 前記シートを環状に形成したことを特徴とする請求項1乃至2記載の整流子モータ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002363978A JP2004201366A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 整流子モータ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002363978A JP2004201366A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 整流子モータ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004201366A true JP2004201366A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32761978
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002363978A Pending JP2004201366A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 整流子モータ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004201366A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007166683A (ja) * | 2005-12-09 | 2007-06-28 | Hitachi Koki Co Ltd | 整流子電動機およびそれを用いた電動工具 |
| JP2014064443A (ja) * | 2012-09-19 | 2014-04-10 | Sunonwealth Electric Machine Industry Co Ltd | モーターステータ |
| WO2019044957A1 (ja) * | 2017-09-04 | 2019-03-07 | 株式会社デンソー | 電機子、モータ及び電機子の製造方法 |
-
2002
- 2002-12-16 JP JP2002363978A patent/JP2004201366A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007166683A (ja) * | 2005-12-09 | 2007-06-28 | Hitachi Koki Co Ltd | 整流子電動機およびそれを用いた電動工具 |
| JP2014064443A (ja) * | 2012-09-19 | 2014-04-10 | Sunonwealth Electric Machine Industry Co Ltd | モーターステータ |
| WO2019044957A1 (ja) * | 2017-09-04 | 2019-03-07 | 株式会社デンソー | 電機子、モータ及び電機子の製造方法 |
| JP2019047651A (ja) * | 2017-09-04 | 2019-03-22 | 株式会社デンソー | 電機子、モータ及び電機子の製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050909 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080909 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081106 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081202 |