JP2004207492A - 半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1導電型の基板1上に形成された第2導電型のボディ領域3内に注入マスクを用いたイオン注入により第1導電型のソース領域4を形成する第1の工程と、前記注入マスクを用いて第2導電型のボディ領域3内にアクセプタ不純物を注入することによりドーピングされた領域13を形成する第2の工程とを含む。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、情報処理デバイスやパワーデバイスをはじめとする半導体デバイスを構成する金属−酸化膜−半導体(MOS)構造を有する半導体素子について動作電圧を向上させる半導体素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭化ケイ素(SiC)を用いた従来のMOS電界効果トランジスタ(FET)としての半導体素子は、n型サブストレート上へエピタキシャル成長により堆積したn型ドリフト層(耐圧層)の表面層に、ホウ素(B)のイオン注入により形成されたp型ベース(ボディ)領域、およびその内部に燐(P)のイオン注入により形成されたn型ソース領域を有している。
【0003】
さらに、2つのn型ソース領域間のp型ベース領域とその間のn型ドリフト層の表面露出部上にゲート絶縁膜を介して多結晶シリコンのゲート電極を有し、n型ソース領域とp型ベース領域との表面に共通に接触するソース電極とn型サブストレートの裏面に接触するドレーン電極を有する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、従来の他の半導体素子は、n型ドリフト層と、n型ドリフト層の表面または中に配置されたp型ベース領域と、p型ベース領域によってn型ドリフト層から隔てられているn型ソース領域と、n型ソース領域とp型ベース領域とを電気的に互いに接続するソース電極と、n型ソース領域とn型ドリフト層とを接続するp型ベース領域のチャネル領域と、チャネル領域の電気抵抗を制御し、チャネル領域とゲート電極との間に配置された酸化膜により形成された絶縁体領域上にあるゲート絶縁膜とを有する。
【0005】
なお、この従来の半導体装置におけるn型ドリフト層とn型ソース領域とはそれぞれn導電形の炭化ケイ素で作られ、p型ベース領域はp導電形の炭化ケイ素で作られ、チャネル領域内においてホウ素がドーピングされている。また、p型ベース領域には、部分的にn型ソース領域の下側に延び直接n型ソース領域に接している部分領域が設けられている。この部分領域がアルミニウムによりドーピングされてベース領域のチャネル領域よりも高いキャリア濃度を持っている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3206727号公報(第4頁、第1図)
【特許文献2】
特許第3022598号公報(第1頁、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に係る半導体素子によれば、ゲート電極に印加させる電圧によって、p型ベース領域のゲート絶縁膜との界面付近に電子が流れるチャネル領域の形成を制御することができ、ソース電極とドレーン電極との間の電流の導通、遮断を制御することができる。
【0008】
しかしながら、本構成ではソース電極とドレーン電極との間に高電圧が印加された場合には、p型ベース領域がエピタキシャル成長で形成されているだけであるため、空乏層がn型ソース領域とn型ドリフト層との間で突き抜けてしまう。そのため、高電圧での遮断が不可能であるといった問題点があった。
【0009】
この問題を回避するには、p型ベース領域中に1cm3当たり1017台の高濃度にドーピングされた領域をエピタキシャル成長で形成し、かつ高濃度の1cm3当たり1018台のイオン注入でデプレッション領域を形成することになる。
【0010】
この場合には、空乏層がn型ソース領域とn型ドリフト層との間で突き抜けてしまう問題は回避されるが、高電圧印加時に電界強度が最も大きくなるデプレッション領域を高濃度のイオン注入で形成しているため、注入により導入された損傷が素子特性に悪影響を及ぼすという問題点があった。
【0011】
また、上記特許文献2に係る半導体素子によれば、p型ベース領域中に高濃度にドーピングされた領域の形成に際して不純物としてアルミニウム(Al)を用い、p型ベース領域のゲート絶縁膜との界面付近にはホウ素(B)を用いているが、アルミニウムに比べてホウ素はアクセプタとしての活性化エネルギーが大きく、半導体素子中の伝導度分布の制御が困難であるといった問題点があった。
【0012】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、高電界部となるデプレッション領域の形成において高濃度のイオン注入を避け、高性能な素子特性を有する半導体素子を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る半導体装置の製造方法は、第1導電型の基板上に形成された第2導電型のボディ領域内に注入マスクを用いたイオン注入により第1導電型のソース領域を形成する第1の工程と、前記注入マスクを用いて前記第2導電型のボディ領域内にアクセプタ不純物を注入することによりドーピングされた領域を形成する第2の工程とを含むものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る半導体素子について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る半導体素子の部分断面図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0015】
図1において、炭化ケイ素(SiC)n型基板(第1導電型の基板)1の上面には炭化ケイ素n型耐圧層(第1導電型の耐圧層)2がエピタキシャル成長により堆積され、さらに炭化ケイ素n型耐圧層2の表面層にはエピタキシャル成長により炭化ケイ素p型ボディ領域(第2導電型のボディ領域)3が堆積されている。
【0016】
炭化ケイ素p型ボディ領域3の内部には、イオン注入により形成されたn型ソース領域(第1導電型のソース領域)4、注入マスクを用いたイオン注入により選択的に形成されたn型デプレッション領域(第1導電型のデプレッション領域)5、およびアクセプタ不純物によりドーピングされた領域13がある。
【0017】
また、炭化ケイ素p型ボディ領域3には、図示しないもう1つのn型ソース領域4が形成されており、2つのn型ソース領域4間の炭化ケイ素p型ボディ領域3の表面露出部上にゲート酸化膜6を介してゲート電極23が設けられている。さらに、このゲート電極23の上面は酸化膜7により覆われている。なお、炭化ケイ素p型ボディ領域3のゲート酸化膜6との界面付近には電子が流れるチャネル領域8が形成されている。
【0018】
また、ドレーン電極21が炭化ケイ素n型基板1の下面には設けられており、ソース電極22がn型ソース領域4と炭化ケイ素p型ボディ領域3との双方の表面に接触するように設けられている。
【0019】
次に、上記構成を有する半導体素子の製造工程について説明する。
まず、本実施の形態1に係る半導体素子は、炭化ケイ素n型基板1上に炭化ケイ素n型耐圧層2、および炭化ケイ素p型ボディ領域3をエピタキシャル成長で形成する。
【0020】
その後、炭化ケイ素p型ボディ領域3内にn型デプレッション領域5をイオン注入により選択的に形成する。
【0021】
ここで、炭化ケイ素p型ボディ領域3のエピタキシャル成長による形成は、アルミニウム(Al)によるドーピングが施されるが、このドーピングは後に高電圧印加時の空乏層の突き抜けを防止するためのドーピングされた領域13をイオン注入により形成するため、1cm3当たり1016程度の濃度で良い。したがって、n型デプレッション領域5の注入は1cm3当たり1016〜1017程度の濃度に抑えることができる。
【0022】
次いで、炭化ケイ素p型ボディ領域3内にn型ソース領域4をn型デプレッション領域5の両脇に図示しない注入マスク(イオン非透過性マスク)31を用いて、半導体素子の表面に対して垂直方向からイオン注入により形成する。
【0023】
つづいて、その注入マスク31を用いて高電圧印加時の空乏層の突き抜けを防止するためのアクセプタ不純物としてアルミニウムによりドーピングされた領域13を炭化ケイ素p型ボディ領域3内に形成する。
【0024】
その後、ゲート酸化膜6、ゲート電極23、酸化膜7,ソース電極22,ドレーン電極21を形成することにより本実施の形態1に係る半導体素子構造が得られる。
【0025】
次に、図2および図3は、本実施の形態1に係る半導体素子にドーピングされた領域13をイオン注入により形成する工程を示した部分断面図である。
ドーピングされた領域13を形成するためのイオン注入の角度は、図2に示すように領域13を形成するイオン注入をn型ソース領域4を形成するイオン注入の角度(半導体素子の表面に対して垂直方向)と同一にしてもよいし、図3に示すように領域13を形成するイオン注入を半導体素子の表面に対して所定の角度をもたせた斜め注入としてもよい。
【0026】
図3による斜め注入とした場合には、n型ソース領域4よりも広いドーピングされた領域13を形成することができ、この場合には図2による注入に比べて、より低濃度のイオン注入が可能となる。
また、n型ソース領域4を形成するイオン注入も斜め注入としてもよく、その場合には、アクセプタの注入のときのイオン注入方向と炭化ケイ素p型ボディ領域3表面とのなす角度を、n型ソース領域4のイオン注入のときのイオン注入方向と炭化ケイ素p型ボディ領域3表面とのなす角度よりも小さくすることで、広いドーピング領域13を形成することができる。
【0027】
また、図4は、本実施の形態1に係る半導体素子に領域13をイオン注入により形成する工程であり、注入マスクを炭化ケイ素p型ボディ領域3の表面に接触し、注入されるイオンを略完全に透過させる第1の注入マスク層32bと、この第1の注入マスク層32bの上面に接触し、第1の注入マスク層32bよりもイオンが透過しない(注入されるイオンの透過を略完全に遮る)第2の注入マスク層32aとを含む複層構造注入マスク32とした場合の部分断面図である。すなわち、第2の注入マスク層32aは注入されるイオンのうち約99パーセントのイオンの透過を遮る。
【0028】
図4に示すような複層構造注入マスク32を用いることにより、第1の注入マスク層32bよりもイオンを透過しにくい第2の注入マスク層32aが炭化ケイ素p型ボディ領域3の表面から第1の注入マスク層32bの厚み分だけ離れているため、図2,3に示したイオン注入による場合よりもさらに広いドーピング領域13を形成することができる。なお、イオン透過性マスク層32bは1層でなく2層以上の構成としてもよい。
【0029】
以上のように、本実施の形態1に係る半導体素子の製造方法によれば、ソース電極22とドレーン電極21との間に高電圧が印加された場合でも、炭化ケイ素p型ボディ領域3中に高濃度にドーピングされた領域13が存在するため、空乏層が炭化ケイ素n型ソース領域4と炭化ケイ素n型耐圧層2との間で突き抜けを防げる半導体素子を構成することができる。
【0030】
さらに、高電圧印加時に電界強度が最も大きくなるn型デプレッション領域5のイオン注入の濃度も低いため、注入により導入された損傷が素子特性に悪影響を及ぼすことがない。
【0031】
また、炭化ケイ素p型ボディ領域3の中に高濃度にドーピングされた領域13、および炭化ケイ素p型ボディ領域3のゲート酸化膜6との界面付近のいずれについても不純物としてアルミニウムを用いているので、アクセプタの活性化エネルギーも小さく、半導体素子中の伝導度分布の制御にも問題が生じない。
【0032】
なお、上記実施の形態1に係る半導体素子によれば、炭化ケイ素p型ボディ領域3をエピタキシャル成長でp型層を形成した後、n型デプレッション領域5をイオン注入で形成することにより、炭化ケイ素n型耐圧層2上に炭化ケイ素p型ボディ領域3が選択的に形成された構成のものについて説明したが、炭化ケイ素n型耐圧層2の成長後、比較的低濃度のイオン注入によってp型ボディ領域3を形成した構成でもよく、同様の効果が期待できる。
【0033】
また、炭化ケイ素p型ボディ領域3のイオン注入による形成の場合、全面注入としてイオン注入でn型デプレッション領域5を形成する構成でも、選択的注入としてn型デプレッション領域5にp型不純物が入らない構成でも同様の効果が期待できる。
以上は炭化ケイ素n型ソース領域4を形成する第1の工程のあとに、アクセプタドーピングされた領域13を形成する第2の工程を行なう方法を示したが、この2つの工程の順序を入れ換えても同様の効果を得ることができる。
【0034】
また、本実施の形態1に係る半導体素子では、チャネル領域8は炭化ケイ素p型ボディ領域3と同様、本来の導電型がp型である場合について説明したが、チャネル領域8にドナー不純物をドーピングした構成として本来の導電型がn型の領域を薄く形成した場合でも同様の効果が期待できる。
【0035】
なお、チャネル領域8をn型としたこの構成においても、チャネル領域8の厚さとドーピングを適切に制御することによって、制御用端子であるゲート電極23への電圧印加がない場合に遮断状態とすることが可能である。
【0036】
また、本実施の形態1に係る半導体素子では、アクセプタ不純物としてアルミニウムの場合を説明したが、他の不純物でも活性化エネルギーの小さいものであれば素子中の伝導度分布の制御にも問題が生じないため、同様の効果が期待できる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る半導体素子によれば、p型ボディ領域を低濃度ドーピングのエピタキシャル成長により形成した後、デプレッション領域を比較的低濃度のイオン注入により形成するため、イオン注入量を比較的低濃度で行うことが可能であるため、イオン注入による損傷の影響を軽減できる。さらに、n型ソース領域の注入用マスクを用いて、空乏層突き抜け防止のためのアクセプタ不純物のp型ボディ領域への注入を行うため、写真製版工程数を増加させることもなく、単純な作製プロセスで、高性能の素子特性を実現することができるとともに、p型ボディ領域に用いるアクセプタ不純物を1種類とすることで、伝導度制御を容易にし、高性能な素子特性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る半導体素子の部分断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る半導体素子に高濃度にドーピングされた領域をイオン注入により形成する工程を示した部分断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る半導体素子に高濃度にドーピングされた領域をイオン注入により形成する工程を示した部分断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る半導体素子に高濃度にドーピングされた領域をイオン注入により形成する工程で注入マスクを複層構造とした場合の部分断面図である。
【符号の説明】
1 炭化ケイ素n型基板、2 炭化ケイ素n型耐圧層、3 炭化ケイ素p型ボディ領域(第2導電型のボディ領域)、4 n型ソース領域、5 n型デプレッション領域、6 ゲート酸化膜、7 酸化膜、8 チャネル領域、13 ドーピングされた領域、21 ドレーン電極、22 ソース電極、23 ゲート電極、31 注入マスク、32 複層構造の注入マスク。
Claims (7)
- 第1導電型の基板上に形成された第2導電型のボディ領域内に注入マスクを用いたイオン注入により第1導電型のソース領域を形成する第1の工程と、
前記第1の工程で用いた前記注入マスクを用いて前記第2導電型のボディ領域内にアクセプタ不純物を注入することによりドーピングされた領域を形成する第2の工程と
を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。 - 前記第1の工程では、前記第2導電型のボディ領域表面に対して前記注入マスクを用いて垂直方向からイオン注入し、
前記第2の工程では、前記注入マスクを用いて前記垂直方向から前記第2導電型のボディ領域内にアクセプタ不純物を注入することにより前記第1導電型のソース領域と同じ広さの前記ドーピングされた領域を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の製造方法。 - 前記第2の工程では、前記注入マスクを用いて前記第2導電型ボディ領域内にアクセプタ不純物を注入するイオン注入方向と前記第2導電型のボディ領域表面とのなす角度を、前記第1の工程によるイオン注入方向と前記第2導電型のボディ領域表面とのなす角度よりも小さくすることにより前記第1導電型のソース領域よりも広い前記ドーピングされた領域を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の製造方法。 - 前記注入マスクは、前記第2導電型のボディ領域の表面に接触する少なくとも1層の第1の注入マスク層と、この第1の注入マスク層の上面に接触する前記第1の注入マスク層よりイオンが透過しない第2の注入マスク層とを含む複層構造注入マスクからなり、
前記第2の工程では、前記複層構造注入マスクを用いて前記第2導電型ボディ領域内にアクセプタ不純物を注入するイオン注入方向と前記第2導電型のボディ領域表面とのなす角度を、前記第1の工程によるイオン注入方向と前記第2導電型のボディ領域表面とのなす角度よりも小さくすることにより前記第1導電型のソース領域よりも広い前記ドーピングされた領域を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の製造方法。 - 前記第2導電型のボディ領域をエピタキシャル成長により形成した後に、前記第2の工程を行う
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。 - 前記第2の工程では、前記第2導電型のボディ領域に注入するアクセプタ不純物として1種類の不純物を用いる
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。 - 前記第2の工程では、前記1種類の不純物としてアルミニウムを用いる
ことを特徴とする請求項6に記載の半導体素子の製造方法。
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