JP2004232809A - Cvt用伝動チェーンのピン - Google Patents

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Eiji Nishimoto
栄司 西本
Jacobus Hubertus Maria Van Rooij
フベルタス マリア ファン ローエイ ヤコブス
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Abstract

【課題】CVTの動作中おける騒音の発生を効果的に抑制する。
【解決手段】ピンの接触端面において、(a)移動方向に延在して湾曲部または進入側に収斂する少なくとも1段の傾斜部が形成されている、および/または(b)ピンの接触端面上において、上下方向の少なくとも一部に亙って延在して湾曲部または傾斜部が形成されている、および/または(c)上下方向と移動方向の少なくとも一方に延在する凹溝が少なくとも1本形成されている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はCVT用伝動チェーンのピンに関するものであり、特に車両用CVT(連続無段変速伝動装置)の伝動チェーンに用いられるピンの改良に関するものである。
【0002】
この明細書において「接触端面」とはピンのコーンプーリー作用面に接触する端面を言い、「軸方向」とはピンについて両接触端面を指向する方向を言い、「移動方向」とはピンのチェーンへの装着状態においてチェーンの周行方向と平行で軸方向と直交する方向を言い、「上下方向」とは軸方向および移動方向と直交する方向を言う。
【0003】
【従来技術】
CVTにおいては2組の離間するコーンプーリー対間に複数の並設された無端状の伝動チェーンが巻回されており、各コーンプーリー対は離間相対向する円錐台状の2個のコーンプーリーから構成されている。並設されたチェーンは連設された多数のリンクから構成されていて、これらのリンクを共通のピンが貫通延在している。
【0004】
CVTの動作時にはピンの接触端面と回転するコーンプーリー作用面との摩擦接触により駆動されて、チェーンが周行する。このコーンプーリー作用面との接触のためにピンの接触端面は上下方向に通常11度の傾斜を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような構成においてチェーンが周行してあるリンクがコーンプーリーに近づくとそれに係合するピンがコーンプーリー対に進入していく。このときピンの接触端面がコーンプーリーの作用面と激しく打撃接触して、騒音を発生する。
【0006】
この騒音は単位時間当たりの打撃エネルギーの大きさによって決まってくる。また打撃エネルギーの大きさはピンの持つ運動エネルギーすなわち移動速度の二乗に比例する。したがってCVTの動作が高速化するほど騒音の発生も大きくかつ激しくなる。しかし従来のCVTにあってはこのような騒音の発生に対する効果的な対策は殆ど採られていないのである。
【0007】
かかる従来技術の現状に鑑みてこの発明の目的は、CVTの動作中における騒音の発生を効果的に抑制することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このためこの発明のCVT用伝動チェーンのピンはピンの接触端面において、(a)移動方向に延在して湾曲部または進入側に収斂する少なくとも1段の傾斜部が形成されている、および/または(b)ピンの接触端面上において、上下方向の少なくとも一部に亙って延在して湾曲部または傾斜部が形成されている、および/または(c)上下方向と移動方向の少なくとも一方に延在する凹溝が少なくとも1本形成されていることを要旨とするものである。
【0009】
【作用】
湾曲部または傾斜部または凹溝の存在によりコーンプーリーの作用面とピンの接触端面との間にオイル溜りが形成されこれが一種のクッション作用をする。湾曲部または傾斜部の存在によりピンがコーンプーリー間にスムースに進入する。また凹溝間に存在する凸条または突起部分が振動して打撃エネルギーを吸収する。これらの結果騒音の発生が効果的に抑制される。
【0010】
【実施例】
図1に示すのはコーンプーリーと接触状態にあるチェーンであって、図中1はリンクを、3はピンを、5はストリップをそれぞれ示す。
【0011】
また図2に示すのはピン3であってA−Aで示すのが軸方向、B−Bで示すのが移動方向、C−Cで示すのが上下方向である。
【0012】
図3に示すのは第1の発明の第1の実施例であって、ピン3の接触端面において移動方向に延在する湾曲部31が形成されている。この湾曲部31は接触端面の移動方向全域に亙って形成してもよく、移動方向の一部に形成してもよい。湾曲部31の曲率半径Rは湾曲部の幅dが0.05〜0.2mmになるように定めるのが望ましい。
【0013】
このような湾曲部31の存在によりコーンプーリーの作用面とピンの接触端面との間にオイル溜りが形成されこれが一種のクッション作用をする。湾曲部または傾斜部の存在によりピンがコーンプーリー間にスムースに進入する。その結果騒音の発生が効果的に抑制される。
【0014】
図4に示すのは第1の発明の第2の実施例であって、ピン3の接触端面において進入側に収斂する1段の傾斜部32が形成されている。図中移動方向(B−B)の右側がコーンプーリーへの進入側である。傾斜部32の幅dは約0.2mmに設定するのが望ましい。
【0015】
このような傾斜部32の存在によりコーンプーリーの作用面とピンの接触端面との間にオイル溜りが形成されこれが一種のクッション作用をする。また傾斜部32の存在によりピンがコーンプーリー間にスムースに進入する。その結果騒音の発生が効果的に抑制される。
【0016】
図5に示すのは第1の発明の第3の実施例であって、ピン3の接触端面において進入側に収斂する2段の傾斜部33、34が連続して形成されている。図中移動方向(B−B)の右側がコーンプーリーへの進入側である。各傾斜部33、34の幅dは0.1〜0.3mmに設定するのが望ましい。
【0017】
このような傾斜部33、34の存在によりコーンプーリーの作用面とピンの接触端面との間にオイル溜りが形成されこれが一種のクッション作用をする。また傾斜部の存在によりピンがコーンプーリー間にスムースに進入する。その結果騒音の発生が効果的に抑制される。
【0018】
図6に示すのは第2の発明の第1の実施例であって、ピン3の接触端面上において、上下方向(C−C)の少なくとも一部に亙って延在して湾曲部35が形成されている。
【0019】
このような湾曲部35の存在によりコーンプーリーの作用面とピンの接触端面との間にオイル溜りが形成されこれが一種のクッション作用をする。その結果騒音の発生が効果的に抑制される。
【0020】
図7に示すのは第2の発明の第2の実施例であって、ピン3の接触端面上において、上下方向(C−C)の少なくとも一部に亙って延在して傾斜部36が形成されている。
【0021】
このような傾斜部36の存在によりコーンプーリーの作用面とピンの接触端面との間にオイル溜りが形成されこれが一種のクッション作用をする。その結果騒音の発生が効果的に抑制される。
【0022】
この第2の発明の構成は適宜第1の発明と組み合わせることが可能である。
【0023】
図8に示すのは第3の発明の第1の実施例であって、ピン3の接触端面には上下方向に延在して複数の凹溝37が互いに平行に刻設されている。また図9に示すのは第3の発明の第2の実施例であって、ピン3の接触端面には移動方向に延在して複数の凹溝38が互いに平行に刻設されている。さらに図10に示すのは第3の発明の第3の実施例であって、ピン3の接触端面には上下方向および移動方向に延在して複数の凹溝37、38が互いに平行にまた互いに直交して刻設されている。
【0024】
以上第3の発明の場合には、凹溝37、38の存在によりコーンプーリーの作用面とピンの接触端面との間にオイル溜りが形成されこれが一種のクッション作用をする。またコーンプーリーの作用面との打撃接触の際に凹溝間の凸状部分または突起部分が振動する。つまり打撃エネルギーが振動エネルギーに変換されてそれだけ音エネルギーへの変換が低減されるので、その結果騒音の発生が効果的に抑制される。
【0025】
また第3の発明の他の実施例として図11に示すようにピン3の接触端面の一部または全体に亙って凹部39を形成してオイル溜りとしてもよい。さらにこのような凹部39を図8〜10に示すような凹溝と適宜組み合わせて形成してもよい。
【0026】
以上記載した第1、第2および第3の発明と適宜組合せて採用してもよい。さらに1個のピン3の両接触端面を異なる構成(例えば一方の接触端面には第1の発明を採用し、他方の接触端面には第2の発明を採用するなどの組合せ)として、そのようなピン3をランダムに連設するようにしてもよい。
【0027】
さらに以上の実施例においては、1個のリンクに2個の孔を形成し、それぞれの孔に1個のピンを配置してある。しかし1個の孔に2個のピンを配置した構成の場合にもこの発明は適用できる。つまり1個の孔に配置するピンの個数に関係なく、この発明の適用により所期の効果、すなわち騒音の抑制効果を奏することができるのである。
【0028】
【発明の効果】
オイル溜りのクッション作用および/またはコーンプーリー間へのスムースな進入および/またはピンの一部の振動などにより騒音の発生が大幅に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】コーンプーリーと接触状態にあるチェーンの側面図である。
【図2】ピンの端部の斜視図である。
【図3】第1の発明の第1の実施例の平面図である。
【図4】第1の発明の第2の実施例の平面図である。
【図5】第1の発明の第3の実施例の平面図である。
【図6】第2の発明の第1の実施例の側面図である。
【図7】第2の発明の第2の実施例の側面図である。
【図8】第3の発明の第1の実施例の接触端面図である。
【図9】第3の発明の第2の実施例の接触端面図である。
【図10】第3の発明の第3の実施例の接触端面図である。
【図11】第3の発明の第4の実施例の接触端面図である。
【符号の説明】
1: リンク
3: ピン
31: 湾曲部
32、33、34: 傾斜部
35: 湾曲部
36: 傾斜部
37、38: 凹溝
39: 凹部

Claims (10)

  1. ピンの接触端面上において、移動方向に延在して湾曲部または進入側に収斂する少なくとも1段の傾斜部が形成されていることを特徴とするCVT用伝動チェーンのピン。
  2. ピンの接触端面上において、移動方向の全域に延在して湾曲部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のピン。
  3. 1段の傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のピン。
  4. 2段の傾斜部が連続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のピン。
  5. ピンの接触端面上において、上下方向の少なくとも一部に亙って延在して湾曲部または傾斜部が形成されていることを特徴とするCVT用伝動チェーンのピン。
  6. ピンの接触端面上において、上下方向と移動方向の少なくとも一方に延在する凹溝が少なくとも1本形成されていることを特徴とするCVT用伝動チェーンのピン。
  7. ピンの接触端面上において、上下方向に延在する凹溝が少なくとも1本形成されていることを特徴とする請求項6に記載のピン。
  8. ピンの接触端面上において、移動方向に延在する凹溝が少なくとも1本形成されていることを特徴とする請求項6に記載のピン。
  9. ピンの接触端面上において、上下方向と移動方向に延在する凹溝が少なくとも1本ずつ形成されていることを特徴とする請求項6に記載のピン。
  10. ピンの接触端面において、移動方向に延在して湾曲部または進入側に収斂する少なくとも1段の傾斜部が形成されているとともに、上下方向の少なくとも一部に亙って延在して湾曲部が形成され、さらに上下方向と移動方向の少なくとも一方に延在する凹溝が少なくとも1本形成されていることを特徴とするCVT用伝動チェーンのピン。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008019987A (ja) * 2006-07-13 2008-01-31 Jtekt Corp 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
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JP2008523335A (ja) * 2004-12-08 2008-07-03 ロベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミト ベシュレンクテル ハフツング 凸状プーリー・シーブを持つ変速機のドライブベルト
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CN116066523A (zh) * 2021-10-29 2023-05-05 大同工业株式会社 链条

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