JP2004237904A - 板ばね式懸架装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の板ばね式懸架装置において、板ばねの曲げ剛性を大きくすることなく、ワインドアップに伴う車軸のストローク量を抑制する。
【解決手段】ワインドアップ状態では板ばね21の前端部が持ち上がり、この変位を連結部材2を介してコの字型のスタビライザ4の脚部4aに入力する。一方,板ばね21の後端部は下がり、この変位を連結部材6を介してコの字型スタビライザ4の脚部4cに入力する。これにより、捻り基部4bにはねじれが生じ,ねじれに対する復元力を上記逆経路で板ばね21に返すことにより、ワインドアップに伴うリアアクスル20のストローク量を抑制する。
【選択図】 図4
【解決手段】ワインドアップ状態では板ばね21の前端部が持ち上がり、この変位を連結部材2を介してコの字型のスタビライザ4の脚部4aに入力する。一方,板ばね21の後端部は下がり、この変位を連結部材6を介してコの字型スタビライザ4の脚部4cに入力する。これにより、捻り基部4bにはねじれが生じ,ねじれに対する復元力を上記逆経路で板ばね21に返すことにより、ワインドアップに伴うリアアクスル20のストローク量を抑制する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の板ばね式懸架装置に関し、特に、スタビライザを用いて板ばね式懸架装置のワインドアップを抑制する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
板ばね式懸架装置を具えた車両において、スタビライザのねじりに伴う復元力を利用し車両の走行安定性を改善する技術としては従来、例えば特許文献1に記載のごとき板ばね式懸架装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−048739号公報
【0004】
1本の車軸を懸架するため左右一対として設けられる板ばね式懸架装置を具えた車両においては、車両の旋回走行に伴うロール運動時に、車軸両端のうちの一方が前方に変位し、他方が後方に変位するロールステア状態が生じ、上記一対の板ばねの変形が相互に逆位相になることから走行安定性を悪化させる。
そこで特許文献1に記載の板ばね式懸架装置では、上記一対の板ばねの端部をそれぞれ支持するシャックルをスタビライザーバーで連結し、該スタビライザーバーのねじり復元力を利用してロールステア状態を抑制するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のような板ばね式懸架装置あっては、以下に説明するような問題を生ずる。
つまり、車軸へのトルク反力により板ばねがワインドアップ状態になった場合には左右一対の板ばねの変形が同位相となるため、上記のスタビライザーバーの復元力を利用して上記板ばねの変形を抑制することはできず、走行安定性を改善することができない。
【0006】
また、板ばねのワインドアップに伴う車軸のストローク量を抑制するために、補助リーフの両端部をストッパでメインリーフに固定するなどの手段により板ばねの曲げ剛性を大きくすると、乗り心地性能が悪化するといった問題が新たに生じるため、ワインドアップに伴う車軸のストローク量を抑制することには限界があった。
本発明は、乗り心地性能を損なうことなく板ばねのワインドアップを抑制して、このワインドアップに伴う車軸のストローク量を抑制することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明による板ばね式懸架装置は、請求項1に記載のごとく、車両前後方向に延在するよう配置された板ばねを具え、該板ばねの前後両端をそれぞれ車体に連結し、該板ばねの両端間箇所に車軸を取り付けて懸架した板ばね式懸架装置において、
弾性棒材をコの字型に造形して作ったスタビライザを、両脚部が車軸の軸線方向に延在するよう、また、両脚部間における捻り基部が車両前後方向に延在するよう配して設け、
該スタビライザの捻り基部を車体に取り付け、両脚部のうち、車軸よりも車両前方に位置する前側脚部の先端を板ばねの前端と車軸取り付け部の間において板ばねに連結し、車軸よりも車両後方に位置する後側脚部の先端を板ばねの後端と車軸取り付け部の間において板ばねに連結したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の効果】
かかる本発明の構成によれば、ワインドアップ時などに生じる板ばねの前端部と後端部の上下逆向き変位がスタビライザの両脚部を介して捻り基部の両端に相互逆向きの捻りとして伝達され、該スタビライザの捻り基部によるねじり復元力を利用して上記板ばね前端部と板ばね後端部の上下逆向き変位を抑制することができ、板ばねのワインドアップに伴う車軸のストローク量を抑制することができる。
また、板ばね本体の曲げ剛性を大きくすることなく上記の作用効果が得られるため、板ばね本体のばね特性による柔らかいサスペンション特性を犠牲にすることがなく、総合的に乗り心地性能を向上することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1〜図3は本発明の一実施の形態である板ばね式懸架装置を車両のリアアクスルに適用したもので、図1は車両左斜め後方からみた斜視図であり、図2は平面図であり、図3は側面図である。
【0010】
平行リーフスプリング型の板ばね懸架装置の一部をなす板ばね21はメインリーフ21aおよび補助リーフ21bを積層して構成される。
該板ばね21は車両前後方向に延在させて配置し、その前端を、車体前後方向に延在する車体フレーム11に設けたブラケット16に枢支し、板ばね21の後端は、シャックル24を介して上記車体フレーム11に設けたブラケット17に枢支する。
そして板ばね21の前後端間における箇所には、図1および図2のごとくリーフスプリング受け金25を介してボルト26によりリアアクスル(車軸)20を取り付けたり、或いは図3のごとく、板ばね21に横方向に跨るUボルト29によりリアアクスル20を取り付け、以上によりアクスル20を車体に懸架する。
【0011】
板ばね21の車体側取り付け前端部とリアアクスル取り付け中間部との間における箇所にはブラケット22を設け、板ばね21の車体側取り付け後端部とリアアクスル取り付け中間部との間における箇所にはブラケット23を立設する。
【0012】
本実施の形態においては、弾性棒材をコの字型に造形して作ったスタビライザ4を設け、このスタビライザ4は、コの字の両脚部4a,4cがリアアクスル20の軸線方向に延在するよう、また、両脚部4a,4c間を結ぶ捻り基部4bが車両前後方向に延在するよう配置する。
そして好ましくは、両脚部4a,4cを同長かつ相互に平行とし、車両上方から見て、前方の脚部4aがブラケット22に整列し、後方の脚部4cがブラケット23に整列するようスタビライザ4を配置する。
【0013】
スタビライザ4の捻り基部4bは、前後2箇所において車体クロスメンバ12,13に留め具14,15で回転自在に取り付け、両脚部4a,4cのうち、前側脚部4aの先端は連結部材2を介して板ばね21上のブラケット22に連結し、後側脚部4cの先端は連結部材6を介して板ばね21上のブラケット23に連結する。
ところで、連結部材2および6の両端にはそれぞれボールジョイント(自在継手)1,3および5,7を設け、これらを介して連結部材2および6を対応する上記のブラケットおよび両脚部に連節する。
【0014】
上記した本実施の形態になる板ばね式懸架装置の作用を、図3〜図5により以下に説明するに、図3は、板ばね式懸架装置がストロークを行っていない時の状態を示し、図4は、プロペラシャフト28からディファレンシャルギヤ装置27を経て車輪31を駆動するときの反力αで板ばね式懸架装置がワインドアップした時の状態を示し、図5は、板ばね式懸架装置がバウンドした時の状態を示したものである。
【0015】
非ストローク状態では図3に示すように、板ばね21の両端部に車両上下方向の相対変位が生じないため、連結部材2,6を介して板ばね21の両端部と連結されたコの字型スタビライザ4の両脚部4a,4cも車両上下方向に相対変位しないことから、スタビライザ4の捻れ基部4bにねじれは発生しない。
【0016】
図4に示すワインドアップ時は、板ばね21の前端部が持ち上がる一方、後端部が下がるため、これらの間に車両上下方向の相対変位が生じ、連結部材2,6を介してコの字型スタビライザ4の両脚部4a,4cも車両上下方向に同様の相対変位を生ずる。
かかる両脚部4a,4cの車両上下方向相対変位は、スタビライザ4の捻れ基部4bにねじれを生じさせる。このため、スタビライザ4の捻れ基部4bはねじれに対し元に戻ろうとする復元力を発生し、該復元力が両脚部4a,4cおよび連結部材2,6を介して板ばね21の前後端部間における上記の上下方向相対変位を抑制し、ワインドアップに伴う車軸20ストローク量を抑制する。
【0017】
しかして、バウンド時には(リバウンド時も同じ)図5に示すように、板ばね21の前端部および後端部が共に持ち上がる(リバウンド時は共に低下する)ため、連結部材2,6を介してコの字型スタビライザ4の両脚部4a,4cの遊端もそれぞれ共に上方移動(リバウンド時は共に下方移動)する。
このため、バウンド時やリバウンド時はスタビライザ4が捻れ基部4bを中心として上下方向に揺動するだけで、スタビライザ4の捻れ基部4bにねじれが発生することはなく、板ばね21のサスペンション性能に悪影響を与えることはない。
【0018】
ところで本実施の形態においては、コの字型スタビライザ4を、両脚部4a,4cが車軸20の軸線方向に延在するよう、また、両脚部4a,4c間における捻り基部4bが車両前後方向に延在するよう配して設け、
スタビライザ4の捻り基部4cを車体クロスメンバ12,13に取り付け、車軸20よりも車両前方に位置する前側脚部4aの先端を板ばね21の前端および車軸取り付け部間におけるブラケット22を介して板ばね21に連結し、車軸20よりも車両後方に位置する後側脚部4cの先端を板ばね21の後端および車軸取り付け部間におけるブラケット23を介して板ばね21に連結したため、
ワインドアップ時などに生じる板ばね21の前端部と後端部の上下逆向き変位がスタビライザ4の両脚部4a,4cを介して捻り基部4bの両端に相互逆向きの捻りとして伝達され、捻り基部4bによるねじり復元力を利用して板ばね前端部と板ばね後端部の上下逆向き変位を抑制することができ、板ばね21のワインドアップに伴う車軸20のストローク量を抑制することができる。
【0019】
また、板ばね21の曲げ剛性を大きくすることなく上記の作用効果が得られるため、板ばね21のばね特性による柔らかいサスペンション特性を犠牲にすることがなく、総合的に乗り心地性能を向上することができる。
【0020】
本実施の形態においては更に、コの字型スタビライザ4の両脚部4a,4cが同長かつ相互に平行であることから、
図4にαで示す方向のワインドアップ時におけるワインドアップ抑制性能と全く同じワインドアップ抑制性能を、逆方向のワインドアップ時においても達成することができ、ワインドアップ方向によって性能が異なるという弊害を回避することができる。
【0021】
また、スタビライザ両脚部4a,4cの先端と、板ばね21上におけるブラケット22,23との間における連結を、これら脚部先端およびブラケットに自在継手で連接した連結部材2,6を介して行うことから、
当該連結を直接的に行う場合に較べて、スタビライザ4の配置に関する自由度が高まり、本実施の形態になる板ばね式懸架装置は汎用性に優れたものとなる。
また、ワインドアップ状態で板ばねが変形する場合に、板ばね21とスタビライザ4との連結部にこじりが発生するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる板ばね式懸架装置を、車両の左斜め後方から見て示す斜視図である。
【図2】図1の板ばね式懸架装置を車両の上方から見て示す平面図である。
【図3】図1の板ばね式懸架装置を車両の右側から見て示す側面図である。
【図4】図1の板ばね式懸架装置を、ワインドアップ状態で示す図3と同様な側面図である。
【図5】図1の板ばね式懸架装置を、車輪がバウンドした時の状態で示す図3と同様な側面図である。
【符号の説明】
1,3,5,7 ボールジョイント
2,6 連結部材
4 スタビライザ
4a,c 脚部
4b 捻り基部
11 車体フレーム
12,13 車体クロスメンバ
20 リアアクスル
21 板ばね
24 シャックル
27 リアデフ
28 プロペラシャフト
29 Uボルト
31 車輪
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の板ばね式懸架装置に関し、特に、スタビライザを用いて板ばね式懸架装置のワインドアップを抑制する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
板ばね式懸架装置を具えた車両において、スタビライザのねじりに伴う復元力を利用し車両の走行安定性を改善する技術としては従来、例えば特許文献1に記載のごとき板ばね式懸架装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−048739号公報
【0004】
1本の車軸を懸架するため左右一対として設けられる板ばね式懸架装置を具えた車両においては、車両の旋回走行に伴うロール運動時に、車軸両端のうちの一方が前方に変位し、他方が後方に変位するロールステア状態が生じ、上記一対の板ばねの変形が相互に逆位相になることから走行安定性を悪化させる。
そこで特許文献1に記載の板ばね式懸架装置では、上記一対の板ばねの端部をそれぞれ支持するシャックルをスタビライザーバーで連結し、該スタビライザーバーのねじり復元力を利用してロールステア状態を抑制するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のような板ばね式懸架装置あっては、以下に説明するような問題を生ずる。
つまり、車軸へのトルク反力により板ばねがワインドアップ状態になった場合には左右一対の板ばねの変形が同位相となるため、上記のスタビライザーバーの復元力を利用して上記板ばねの変形を抑制することはできず、走行安定性を改善することができない。
【0006】
また、板ばねのワインドアップに伴う車軸のストローク量を抑制するために、補助リーフの両端部をストッパでメインリーフに固定するなどの手段により板ばねの曲げ剛性を大きくすると、乗り心地性能が悪化するといった問題が新たに生じるため、ワインドアップに伴う車軸のストローク量を抑制することには限界があった。
本発明は、乗り心地性能を損なうことなく板ばねのワインドアップを抑制して、このワインドアップに伴う車軸のストローク量を抑制することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明による板ばね式懸架装置は、請求項1に記載のごとく、車両前後方向に延在するよう配置された板ばねを具え、該板ばねの前後両端をそれぞれ車体に連結し、該板ばねの両端間箇所に車軸を取り付けて懸架した板ばね式懸架装置において、
弾性棒材をコの字型に造形して作ったスタビライザを、両脚部が車軸の軸線方向に延在するよう、また、両脚部間における捻り基部が車両前後方向に延在するよう配して設け、
該スタビライザの捻り基部を車体に取り付け、両脚部のうち、車軸よりも車両前方に位置する前側脚部の先端を板ばねの前端と車軸取り付け部の間において板ばねに連結し、車軸よりも車両後方に位置する後側脚部の先端を板ばねの後端と車軸取り付け部の間において板ばねに連結したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の効果】
かかる本発明の構成によれば、ワインドアップ時などに生じる板ばねの前端部と後端部の上下逆向き変位がスタビライザの両脚部を介して捻り基部の両端に相互逆向きの捻りとして伝達され、該スタビライザの捻り基部によるねじり復元力を利用して上記板ばね前端部と板ばね後端部の上下逆向き変位を抑制することができ、板ばねのワインドアップに伴う車軸のストローク量を抑制することができる。
また、板ばね本体の曲げ剛性を大きくすることなく上記の作用効果が得られるため、板ばね本体のばね特性による柔らかいサスペンション特性を犠牲にすることがなく、総合的に乗り心地性能を向上することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1〜図3は本発明の一実施の形態である板ばね式懸架装置を車両のリアアクスルに適用したもので、図1は車両左斜め後方からみた斜視図であり、図2は平面図であり、図3は側面図である。
【0010】
平行リーフスプリング型の板ばね懸架装置の一部をなす板ばね21はメインリーフ21aおよび補助リーフ21bを積層して構成される。
該板ばね21は車両前後方向に延在させて配置し、その前端を、車体前後方向に延在する車体フレーム11に設けたブラケット16に枢支し、板ばね21の後端は、シャックル24を介して上記車体フレーム11に設けたブラケット17に枢支する。
そして板ばね21の前後端間における箇所には、図1および図2のごとくリーフスプリング受け金25を介してボルト26によりリアアクスル(車軸)20を取り付けたり、或いは図3のごとく、板ばね21に横方向に跨るUボルト29によりリアアクスル20を取り付け、以上によりアクスル20を車体に懸架する。
【0011】
板ばね21の車体側取り付け前端部とリアアクスル取り付け中間部との間における箇所にはブラケット22を設け、板ばね21の車体側取り付け後端部とリアアクスル取り付け中間部との間における箇所にはブラケット23を立設する。
【0012】
本実施の形態においては、弾性棒材をコの字型に造形して作ったスタビライザ4を設け、このスタビライザ4は、コの字の両脚部4a,4cがリアアクスル20の軸線方向に延在するよう、また、両脚部4a,4c間を結ぶ捻り基部4bが車両前後方向に延在するよう配置する。
そして好ましくは、両脚部4a,4cを同長かつ相互に平行とし、車両上方から見て、前方の脚部4aがブラケット22に整列し、後方の脚部4cがブラケット23に整列するようスタビライザ4を配置する。
【0013】
スタビライザ4の捻り基部4bは、前後2箇所において車体クロスメンバ12,13に留め具14,15で回転自在に取り付け、両脚部4a,4cのうち、前側脚部4aの先端は連結部材2を介して板ばね21上のブラケット22に連結し、後側脚部4cの先端は連結部材6を介して板ばね21上のブラケット23に連結する。
ところで、連結部材2および6の両端にはそれぞれボールジョイント(自在継手)1,3および5,7を設け、これらを介して連結部材2および6を対応する上記のブラケットおよび両脚部に連節する。
【0014】
上記した本実施の形態になる板ばね式懸架装置の作用を、図3〜図5により以下に説明するに、図3は、板ばね式懸架装置がストロークを行っていない時の状態を示し、図4は、プロペラシャフト28からディファレンシャルギヤ装置27を経て車輪31を駆動するときの反力αで板ばね式懸架装置がワインドアップした時の状態を示し、図5は、板ばね式懸架装置がバウンドした時の状態を示したものである。
【0015】
非ストローク状態では図3に示すように、板ばね21の両端部に車両上下方向の相対変位が生じないため、連結部材2,6を介して板ばね21の両端部と連結されたコの字型スタビライザ4の両脚部4a,4cも車両上下方向に相対変位しないことから、スタビライザ4の捻れ基部4bにねじれは発生しない。
【0016】
図4に示すワインドアップ時は、板ばね21の前端部が持ち上がる一方、後端部が下がるため、これらの間に車両上下方向の相対変位が生じ、連結部材2,6を介してコの字型スタビライザ4の両脚部4a,4cも車両上下方向に同様の相対変位を生ずる。
かかる両脚部4a,4cの車両上下方向相対変位は、スタビライザ4の捻れ基部4bにねじれを生じさせる。このため、スタビライザ4の捻れ基部4bはねじれに対し元に戻ろうとする復元力を発生し、該復元力が両脚部4a,4cおよび連結部材2,6を介して板ばね21の前後端部間における上記の上下方向相対変位を抑制し、ワインドアップに伴う車軸20ストローク量を抑制する。
【0017】
しかして、バウンド時には(リバウンド時も同じ)図5に示すように、板ばね21の前端部および後端部が共に持ち上がる(リバウンド時は共に低下する)ため、連結部材2,6を介してコの字型スタビライザ4の両脚部4a,4cの遊端もそれぞれ共に上方移動(リバウンド時は共に下方移動)する。
このため、バウンド時やリバウンド時はスタビライザ4が捻れ基部4bを中心として上下方向に揺動するだけで、スタビライザ4の捻れ基部4bにねじれが発生することはなく、板ばね21のサスペンション性能に悪影響を与えることはない。
【0018】
ところで本実施の形態においては、コの字型スタビライザ4を、両脚部4a,4cが車軸20の軸線方向に延在するよう、また、両脚部4a,4c間における捻り基部4bが車両前後方向に延在するよう配して設け、
スタビライザ4の捻り基部4cを車体クロスメンバ12,13に取り付け、車軸20よりも車両前方に位置する前側脚部4aの先端を板ばね21の前端および車軸取り付け部間におけるブラケット22を介して板ばね21に連結し、車軸20よりも車両後方に位置する後側脚部4cの先端を板ばね21の後端および車軸取り付け部間におけるブラケット23を介して板ばね21に連結したため、
ワインドアップ時などに生じる板ばね21の前端部と後端部の上下逆向き変位がスタビライザ4の両脚部4a,4cを介して捻り基部4bの両端に相互逆向きの捻りとして伝達され、捻り基部4bによるねじり復元力を利用して板ばね前端部と板ばね後端部の上下逆向き変位を抑制することができ、板ばね21のワインドアップに伴う車軸20のストローク量を抑制することができる。
【0019】
また、板ばね21の曲げ剛性を大きくすることなく上記の作用効果が得られるため、板ばね21のばね特性による柔らかいサスペンション特性を犠牲にすることがなく、総合的に乗り心地性能を向上することができる。
【0020】
本実施の形態においては更に、コの字型スタビライザ4の両脚部4a,4cが同長かつ相互に平行であることから、
図4にαで示す方向のワインドアップ時におけるワインドアップ抑制性能と全く同じワインドアップ抑制性能を、逆方向のワインドアップ時においても達成することができ、ワインドアップ方向によって性能が異なるという弊害を回避することができる。
【0021】
また、スタビライザ両脚部4a,4cの先端と、板ばね21上におけるブラケット22,23との間における連結を、これら脚部先端およびブラケットに自在継手で連接した連結部材2,6を介して行うことから、
当該連結を直接的に行う場合に較べて、スタビライザ4の配置に関する自由度が高まり、本実施の形態になる板ばね式懸架装置は汎用性に優れたものとなる。
また、ワインドアップ状態で板ばねが変形する場合に、板ばね21とスタビライザ4との連結部にこじりが発生するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる板ばね式懸架装置を、車両の左斜め後方から見て示す斜視図である。
【図2】図1の板ばね式懸架装置を車両の上方から見て示す平面図である。
【図3】図1の板ばね式懸架装置を車両の右側から見て示す側面図である。
【図4】図1の板ばね式懸架装置を、ワインドアップ状態で示す図3と同様な側面図である。
【図5】図1の板ばね式懸架装置を、車輪がバウンドした時の状態で示す図3と同様な側面図である。
【符号の説明】
1,3,5,7 ボールジョイント
2,6 連結部材
4 スタビライザ
4a,c 脚部
4b 捻り基部
11 車体フレーム
12,13 車体クロスメンバ
20 リアアクスル
21 板ばね
24 シャックル
27 リアデフ
28 プロペラシャフト
29 Uボルト
31 車輪
Claims (3)
- 車両前後方向に延在するよう配置された板ばねを具え、該板ばねの前後両端をそれぞれ車体に連結し、該板ばねの両端間箇所に車軸を取り付けて懸架した板ばね式懸架装置において、
弾性棒材をコの字型に造形して作ったスタビライザを、両脚部が前記車軸の軸線方向に延在するよう、また、両脚部間における捻り基部が車両前後方向に延在するよう配して設け、
該スタビライザの捻り基部を車体に取り付け、両脚部のうち、車軸よりも車両前方に位置する前側脚部の先端を板ばねの前端と車軸取り付け部の間において板ばねに連結し、車軸よりも車両後方に位置する後側脚部の先端を板ばねの後端と車軸取り付け部の間において板ばねに連結したことを特徴とする板ばね式懸架装置。 - 請求項1に記載の板ばね式懸架装置において、前記両脚部は同長かつ相互に平行であることを特徴とする板ばね式懸架装置。
- 請求項1または2に記載の板ばね式懸架装置において、前記両脚部の先端と、板ばねとの間における前記連結を、これら脚部先端および板ばねに連接した連結部材を介して行ったことを特徴とする板ばね式懸架装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003030695A JP2004237904A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 板ばね式懸架装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003030695A JP2004237904A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 板ばね式懸架装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004237904A true JP2004237904A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32957507
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003030695A Pending JP2004237904A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 板ばね式懸架装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004237904A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN116494699A (zh) * | 2023-05-18 | 2023-07-28 | 潍柴新能源商用车有限公司 | 一种商用车后悬架系统 |
| US12330471B1 (en) * | 2024-08-13 | 2025-06-17 | Ford Global Technologies, Llc | Horizontal damper for a suspension assembly of an electrified vehicle |
-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003030695A patent/JP2004237904A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN116494699A (zh) * | 2023-05-18 | 2023-07-28 | 潍柴新能源商用车有限公司 | 一种商用车后悬架系统 |
| US12330471B1 (en) * | 2024-08-13 | 2025-06-17 | Ford Global Technologies, Llc | Horizontal damper for a suspension assembly of an electrified vehicle |
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