JP2004240045A - 熱現像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱現像記録材料3を露光して潜像を形成する記録部Bと、熱現像記録材料3を加熱して熱現像を行なう熱現像部Cと、熱現像後の熱現像記録材料3を冷却する徐冷部Dとを備えた熱現像記録装置100であって、徐冷部Dの温度に基づき熱現像部Cの温度を補正する温度設定部75を備えた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱現像記録材料に対して加熱処理を行うことで、湿式処理が行われない乾式材料を用いる所謂ドライシステムの記録に適用される熱現像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルラジオグラフィーシステム、CT、MRなどの医療用の画像を記録する画像記録装置として、従来、銀塩写真式感光材料に撮影または記録後、湿式処理して再現画像を得るウエットシステムが用いられている。これに対して近年、湿式処理を行うことがないドライシステムによる記録装置が注目されている。このような記録装置では、感光性および感熱性記録材料(感光感熱記録材料)や熱現像感光材料のフィルム(以下、「熱現像記録材料」と言う。)が用いられている。また、このドライシステムによる記録装置では、露光部において熱現像記録材料にレーザービームを照射(走査)して潜像を形成し、その後、熱現像部において熱現像記録材料を加熱手段に接触させて熱現像を行い、その後、冷却し、画像が形成された熱現像記録材料を装置外に排出している。このようなドライシステムは、湿式処理に比べて廃液処理の問題を解消することができる。
【0003】
ところが、従来の画像記録装置では、熱現像記録材料の連続処理によって、徐冷部入口の温度などが変化し、その結果、画像の濃度が変動してしまうという問題点があった。即ち、熱現像記録材料の連続処理によって徐冷部内の温度が熱現像記録材料から与えられた熱量分ずつ上昇してゆき、そのため画像の濃度を所定の濃度よりも濃くしてしまう不具合を生じさせた。そこで、熱現像記録材料を連続処理しても、画像の濃度が変化しないようにした画像記録装置が提案された。
【0004】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】
特開2000−284382号公報
【0005】
上記特許文献1に開示される画像記録装置は、熱現像記録材料を露光して潜像を形成する記録部と、記録部の制御を行なう制御部と、熱現像記録材料を加熱媒体により加熱して熱現像を行なう熱現像部と、熱現像後の熱現像記録材料を冷却する徐冷部とを有し、熱現像部進入前の熱現像記録材料の温度を測定する温度センサと、徐冷部入口の温度を測定する温度センサと、これら温度センサの出力を基にして熱現像記録材料の記録光量を補正する光量補正回路とを備える。光量補正回路の光量の補正は、熱現像部進入の熱現像記録材料の温度が高いほど及び熱現像後の徐冷部入口の温度が高いほど光量を下げるようにしている。
【0006】
これにより、熱現像記録材料の記録枚数が増加しても、濃度を常に一定とすることができた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の画像記録装置は、熱現像記録材料の温度が高いほど及び熱現像後の徐冷部入口の温度が高いほど光量を下げることで濃度を一定にしていたが、この場合においても色調が変化してしまうことがあった。即ち、連続記録によって、徐冷部の温度が高くなるということは、実質的に熱現像時間が長くなっていることを意味している。そして、熱現像時間が長くなることで、感材の特性として色調の変化することが明らかとなった。例えば、図3(a)に示すように、前段の記録部で潜像の記録された熱現像記録材料が熱現像部に入り、加熱されて時刻t10で現像進行温度に達して、熱現像の進行が始まる。その後温度は上昇し、温度調整により現像進行温度以上で一定に維持されたあと、熱現像部から出て徐冷部へと移る。その途中の時刻t11で熱現像の進行が止まる。この場合、熱現像記録材料の現像進行時間t1 は、t1 =t11−t10となる。ところが、熱現像記録材料の連続処理により徐冷部の入口温度が上昇していると、熱現像記録材料の現像進行停止時刻はt21となり、t1で現像進行する熱現像記録材料と比べ、t21−t11の差だけ現像進行時間が長くなり、その分、色調が変化した。つまり、色調は熱現像時間に依存し、露光量を変化させたとしても一定にすることができなかった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、熱現像記録材料の記録枚数に依存せずに、濃度を一定にでき、しかも、露光量の調整によっては変化を抑止することのできなかった色調も一定できる熱現像記録装置を提供し、濃度及び色調を共に安定化させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記構成の熱現像記録装置により達成することができる。
(1)熱現像記録材料を露光して潜像を形成する記録部と、前記熱現像記録材料を加熱して熱現像を行なう熱現像部と、熱現像後の前記熱現像記録材料を冷却する徐冷部とを備えた熱現像記録装置であって、前記徐冷部の温度に基づき前記熱現像部の温度を補正する温度設定手段を備えたことを特徴とする熱現像記録装置。
(2)熱現像記録材料を露光して潜像を形成する記録部と、前記熱現像記録材料を加熱して熱現像を行なう熱現像部と、熱現像後の前記熱現像記録材料を冷却する徐冷部との各部に対して前記熱現像材料を順次搬送して熱現像記録を行う熱現像記録装置であって、前記徐冷部の温度に基づき前記熱現像記録材料の搬送速度を補正する搬送速度補正手段を備えたことを特徴とする熱現像記録装置。
(3)前記(1)又は(2)記載の熱現像記録装置であって、前記熱現像部が、前記熱現像記録材料の送り方向に並んで固定配置され該熱現像記録材料に所定温度の加熱処理を施す複数の加熱手段と、前記熱現像記録材料に対して前記加熱体表面上で滑らせて搬送する移送手段と、前記移送手段へ送り駆動力を供給する駆動伝達手段と、前記熱現像記録材料を各加熱体表面に押し付ける押さえ手段とを備えていることを特徴とする熱現像記録装置。
(4)前記(3)記載の熱現像記録装置であって、前記複数の加熱手段が円弧状に配置されていることを特徴とする熱現像記録装置。
(5)前記(3)記載の熱現像記録装置であって、前記複数の加熱手段が直線状に配置されていることを特徴とする熱現像記録装置。
(6)前記(3)〜(5)のいずれか1項記載の熱現像記録装置であって、前記温度設定手段が、前記複数の加熱手段のうち、前記熱現像記録材料の搬送方向最上流側の加熱手段の温度を補正することを特徴とする熱現像記録装置。
(7)前記(1)又は(2)記載の熱現像記録装置であって、前記熱現像部が、周面で前記熱現像記録材料に所定温度の加熱処理を施す加熱手段を有して回転自在に支持されたドラムと、前記熱現像記録材料を前記ドラムの周面上に押し付ける押さえ手段とを備え、前記ドラムの回転によって前記熱現像記録材料を該ドラムの周面に沿わせて搬送することを特徴とする熱現像記録装置。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る熱現像記録装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る熱現像記録装置のドラムタイプの概略構造を説明する構成図、図2は徐冷部温度とプレートヒータ温度との相関を表す説明図、図3は熱現像記録材料が熱現像部に入ってから出るまでの熱現像記録材料上のある点の温度対時間の推移を示す説明図である。
【0010】
この熱現像記録装置100は、入力される画像信号に基づいて画像露光部の出力光を変調しつつ走査露光し、熱現像記録材料上に潜像を形成した後、この熱現像記録材料を熱現像処理するものである。
【0011】
熱現像記録装置100は、湿式の現像処理を必要としない熱現像感光材料又は感光感熱記録材料等からなる熱現像記録材料を用い、レーザ光からなる光ビームによる走査露光によって熱現像記録材料を露光して潜像を形成した後に、熱現像処理を行うことで可視像を得、その後、常温まで冷却する装置である。
従って、この熱現像記録装置100は、基本的に、熱現像記録材料の搬送方向順に、熱現像記録材料供給部Aと、画像露光部Bと、熱現像部Cと、徐冷部Dとを備えており、また、各部間の要所に設けられ熱現像記録材料を搬送するための移送手段と、各部を駆動し制御する電源/制御部Eを備えている。
【0012】
この熱現像記録装置100では、最下段に電源/制御部E、その上段に熱現像記録材料供給部A、更にその上段に画像露光部(記録部)Bと熱現像部Cと徐冷部Dとを配置した構成となっており、画像露光部Bと熱現像部Cとを隣接させた配置としている。
この構成によれば、露光工程と熱現像工程を短い搬送距離内で行うことができ、熱現像記録材料の搬送パス長を最短化し、1枚の出力時間を短縮することができる。また、1枚の熱現像記録材料に対して露光工程と熱現像工程との両工程を同時に実施することが可能となる。
【0013】
熱現像記録材料としては、前述の熱現像感光材料又は感光感熱記録材料等を使用することができる。熱現像感光材料は、光ビーム(例えば、レーザビーム)によって画像を記録(露光)し、その後、熱現像して発色させる記録材料である。また、感光感熱記録材料は、光ビームによって画像を記録し、その後、熱現像して発色させるか、あるいは、レーザビームのヒートモード(熱)によって画像を記録すると同時に発色させ、その後、光照射で定着する記録材料である。
【0014】
熱現像記録材料供給部Aは、熱現像記録材料を一枚ずつ取り出して、熱現像記録材料の搬送方向の下流に位置する画像露光部Bに供給する部分であり、三つの装填部10a,10b,10cと、各装填部にそれぞれ配置される供給ローラ対13a,13b,13cと、不図示の搬送ローラ及び搬送ガイドとを有して構成される。また、三段構成となっている各装填部10a,10b,10cの内部には、異なる熱現像記録材料(例えば、B4サイズ、半切サイズ等)が収容されたマガジン15a,15b,15cが挿入され、各段に装填されたサイズや向きの、いずれかを選択的に使用できるようにしている。
【0015】
なお、上記熱現像記録材料は、シート状に加工され、通常、100枚等の所定単位の積層体(束)とされ、袋体や帯等で包装されてパッケージとされている。パッケージはそれぞれマガジンに収容されて熱現像記録材料供給部Aの各段に装填される。面倒
【0016】
画像露光部Bは、熱現像記録材料供給部Aから搬送されてきた熱現像記録材料に対して光ビームLBを主走査方向に走査露光し、また、主走査方向に略直交する副走査方向(即ち、熱現像記録材料の搬送方向)に搬送することで、所望の画像を熱現像記録材料に記録して潜像を形成する。
【0017】
熱現像部Cは、走査露光後の熱現像記録材料を搬送しながら昇温処理して、熱現像を行う。そして、徐冷部Dにおいて現像処理後の熱現像記録材料を冷却して、排出トレイ16に搬出する。
【0018】
ここで、熱現像記録材料供給部Aと画像露光部Bとの間の搬送路には幅寄せ機構66が設けられており、熱現像記録材料供給部Aから搬入されてきた熱現像記録材料を、その幅方向端部を揃えた状態で画像露光部Bへ供給している。
【0019】
次に、画像露光部Bについて具体的に説明する。
画像露光部Bは、光ビーム走査露光によって熱現像記録材料を露光する部位であり、熱現像材料の搬送面からのばたつきを防止しつつ搬送するばたつき防止機構を有した副走査搬送部(副走査手段)17と、走査露光部(レーザ照射手段)19とを備えている。走査露光部19は、別途用意された画像データに従ってレーザの出力を制御しつつ、このレーザを走査(主走査)させる。このとき熱現像記録材料3を副走査搬送部17によって副走査方向に移動させる。
【0020】
副走査搬送部17は、照射するレーザ光の主走査ラインを挟んで、軸線がこの走査ラインに対して略平行に配置された2本の駆動ローラ61、62と、これら駆動ローラ61、62に対向して配置され、熱現像記録材料3を支持するガイド板63を備えている。ガイド板63は、各駆動ローラ61、62との間に挿入される熱現像記録材料3を、並設されたこれら駆動ローラ同士間の外側で該駆動ローラ周面の一部に沿って撓ませて、駆動ローラ同士間で熱現像記録材料3の撓みによる弾性反発力を当接して受け止めるようにしている。
【0021】
この撓みにより熱現像記録材料自身に弾性反発力が発生する。この弾性反発力により、熱現像記録材料3と駆動ローラ61、62との間に所定の摩擦力が生じ、駆動ローラ61、62から熱現像記録材料3へ確実に搬送駆動力が伝達されて、熱現像記録材料3が搬送されるようになる。従って、熱現像記録材料3の搬送面からのばたつき、即ち、上下方向のばたつきが確実に抑制される。この駆動ローラ同士間の熱現像記録材料3に向けてレーザ光を照射することで、露光位置ずれのない良好な記録が行えることになる。
【0022】
なお、駆動ローラ61、62は、図示しないモータ等の駆動手段の駆動力を、歯車やベルト等の伝達手段を介して受け、図1の時計回り方向へ回転するようになっている。
【0023】
次に、熱現像部Cについて説明する。
熱現像部Cは、潜像が形成された熱現像記録材料3を加熱し、潜像を顕像に変換する画像現像部である。熱現像部Cは、駆動伝達手段としての円筒状の回転ドラム52と、回転ドラム52により回転駆動され、回転ドラム52の外周形状に沿って円弧状に配列された複数の搬送ローラ55と、複数のローラ55の外径方向に、ローラ55の配列方向、即ち、熱現像記録材料3の送り方向に沿って配置された、熱現像記録材料3加熱用の加熱手段としての第1プレートヒータ51a、第2プレートヒータ51b、第3プレートヒータ51cとを有している。
【0024】
熱現像記録材料の送り方向に並ぶ各プレートヒータ51a,51b,51cは、湾曲された凹面状の加熱面を有しており、これらのプレートヒータ51a,51b,51cを、一連の円弧状に配置している。
【0025】
熱現像記録材料3の搬送方向最上流側のプレートヒータ51aは予備加熱ヒータであり、常温の熱現像記録材料3を加熱して、熱現像温度まで徐々に昇温させる。一方、後段のプレートヒータ51b,51cは現像加熱ヒータであり、熱現像記録材料3を現像温度に保持するよう加熱する。
【0026】
このプレートヒータ51a,51b,51cを含む熱現像部Cにおいては、図示されるように、押さえローラ55が、ドラム52の周面に当接してドラム52の回転に従動して回転駆動されることで、各プレートヒータの加熱面である凹面に、熱現像記録材料3が押し付けられ、かつ滑りつつ相対的に搬送される。このときの熱現像記録材料3の移送手段としては、供給ローラ53と、各プレートヒータから熱現像記録材料3への伝熱用でもある複数の押さえローラ(押さえ手段)55が相当している。
【0027】
なお、押さえローラ55の駆動源としては、ドラム52の代わりにドラム52の軸上に駆動伝達手段としての歯車を設けて、この歯車によって押さえローラ55を回転駆動する構成としてもよい。その場合にはドラム52は不要となる。また、複数の押さえローラ55のそれぞれには、プレートヒータ側へ付勢するバネ材等の付勢手段が設けられ、プレートヒータとの間に挟まれる熱現像記録材料3をプレートヒータの加熱面に押し付けている。これらの押さえローラ55としては、金属ローラ、樹脂ローラ、ゴムローラ等が利用できる。この構成により、搬送される熱現像記録材料3がプレートヒータ51a,51b,51cに押し付けられつつ搬送されるので、熱現像記録材料3の座屈が防止される。
【0028】
そして、熱現像部C内における熱現像記録材料3の搬送路の終端には、熱現像記録材料を移送する排出ローラ57が配設されている。
勿論、上記の湾曲プレートヒータは一例であり、他の平坦なプレートヒータや加熱ドラムを用いてエンドレスベルトと剥離爪とを備える構成のものであってもよい。
【0029】
そして、熱現像部Cから搬出された熱現像記録材料3は、徐冷部Dによってシワが発生しないように、かつ湾曲ぐせが付かないように注意しながら冷却される。徐冷部Cから排出された熱現像記録材料3は搬送路途中に設けられた冷却ローラ対59によりガイドプレート64内に案内され、さらに、排出ローラ対65から排出トレイ16に排出される。
【0030】
徐冷部D内には、複数の冷却ローラ対59が熱現像記録材料3の搬送経路に所望の一定曲率Rを与えるように配置されている。これは、熱現像記録材料3がその材料のガラス転移点以下に冷却されるまで一定の曲率Rにより搬送されるということであり、このように意図的に熱現像記録材料に曲率を付けることで、ガラス転移点以下に冷却される前に余計なカールが付かなくなり、ガラス転移点以下となれば、新たなカールが付くこともなく、カール量がばらつかない。
【0031】
次に、電源/制御部Eについて説明する。
電源/制御部Eは、図示しない電源部と、各部を統括して制御する制御装置71と、駆動部73とを備えている。制御装置71は、更に温度設定手段としての温度設定部75と、搬送速度補正手段としての搬送速度補正部77とを備えている。これら制御装置71内の温度設定部75と搬送速度補正部77は、例えばシーケンサーや、コンピュータに格納されるプログラムとして構成することができる。なお、温度設定手段や搬送速度補正手段は、制御装置71により機能させる以外にも、制御装置71とは別個に設けた他の副制御装置により機能させる構成としてもよい。
【0032】
温度設定部75には温度センサ79が接続されている。この温度センサ79は、徐冷部Dの温度を検出し、その検出値を温度設定部75に送出するようになっている。本実施の形態では、徐冷部Dの入口温度を検出するために、温度センサ79が徐冷部Dの搬送方向上流側に配置されている。この温度設定部75は、温度センサ79から入力された徐冷部Dの温度に基づき、熱現像部Cの主に第1プレートヒータ51a(予備加熱ヒータ)の温度を補正する。
【0033】
温度設定部75による温度補正は、図2に示すように、徐冷部Dの温度上昇に伴って、プレートヒータ51aの温度を徐々に下降させるような制御となる。即ち、このようなプレートヒータ51aの温度を下降させる補正を行うことにより、図3(b)に示すように、熱現像記録材料3が熱現像部Cに入り、加熱されて現像進行が始まるまでの現像開始時刻t10が、t12に遅延されることとなる。
【0034】
次に、このように構成された熱現像記録装置100の作用を説明する。
熱現像記録装置100は、熱現像の開始された当初では、徐冷部Dに除却により受ける熱が蓄積されていない。従って、画像露光部Bで潜像を記録された熱現像記録材料3が熱現像部Cに入り、プレートヒータ51aによって加熱されて、図3(a)に示すように、時刻t10で現像進行温度に達し現像進行が始まる。その後、温度は上昇し、プレートヒータ51b、51cによる温調により現像進行温度以上で一定に維持されたあと、熱現像部Cから出て徐冷部Dへと移る。その途中の時刻t11で熱現像進行が止まる。この結果、熱現像記録材料3の現像進行時間t1 は、t1 =t11−t10となる。
【0035】
一方、熱現像記録材料3の連続処理により徐冷部Dの入口温度が上昇すると、従来装置では熱現像記録材料の現像進行停止時刻がt21に遅延されようとするが、本実施の形態による熱現像記録装置100では、この徐冷部Dの温度上昇が温度センサ79によって検出され、その検出値が温度設定部75へ送られる。温度設定部75は、この検出値に基づき、熱現像記録材料3の搬送方向最上流側のプレートヒータ51aのみの加熱温度を低下させる。
【0036】
すると、図3(b)に示すように、いままで時刻t10であった現像進行開始温度がt12に遅延される。この遅延時間t12−t10は、長くなった現像進行時間t21−t11と等しくなるように補正される。従って、熱現像部Cでは、プレートヒータ51aが温度補正されることにより、熱現像記録材料3の現像進行時間t1 は、t1 =t21−t12となって、変化しないことになる。
【0037】
また、図4は従来装置(温度補正をしない場合)の濃度−熱現像記録材料記録枚数の推移を示す説明図であり、図5は本発明装置(温度補正をする場合)の濃度−熱現像記録材料記録枚数の推移を示す説明図である。また、いずれも「◆」は周囲温度が13°Cの場合、「■」は32°Cの場合である。図4によると、熱現像記録材料記録枚数が増えてゆくにつれて周囲温度が13°Cの場合も32°Cの場合も、濃度は次第に増加してゆくことがわかる。これに対して、図5では熱現像記録材料記録枚数が増えていっても、周囲温度が13°Cの場合も32°Cの場合も、濃度は常に一定となることがわかる。
【0038】
このように、上記の熱現像記録装置100によれば、徐冷部Dの温度に基づき熱現像部Cの温度を補正する温度設定部75を備えたので、熱現像記録材料3の記録枚数が増え、徐冷部Dの温度が上昇すると、それに応じて、熱現像部Cの温度が補正され、実質的な熱現像時間の増大が生じなくなり、実質的な熱現像時間を常に一定に保つことができる。この結果、熱現像記録材料3の記録枚数に依存せずに、濃度を一定にできるのはもとより、露光量の調整によっては変化を抑止することのできなかった色調も一定でき、濃度及び色調を共に安定化させることができる。
なお、プレートヒータ51aのみ加熱温度を低下させる以外にも、プレートヒータ51b,51cの加熱温度も低下させて現像進行時間t1を一定になるよう調整してもよい。
【0039】
次に、本発明に係る熱現像記録装置の第2の実施の形態を説明する。
図6は本発明に係る熱現像記録装置の面状ヒータタイプの熱現像部を表す要部構成図である。
この実施の形態による熱現像記録装置200は、熱現像部Cが、同一平面上の直線方向に間隔を有して複数配設された加熱手段としてのプレートヒータ81a,81b,81cと、これらのプレートヒータ81a,81b,81のそれぞれに設けられ、プレートヒータの加熱面との間に挟まれる熱現像記録材料3を加熱面側に押し付ける押さえ手段としての押さえローラ82a,82b,82cと、プレートヒータ81a、81b、81cと交互に配設され熱現像記録材料3を表裏から挟んで直線方向に移送する移送手段としての複数の搬送ローラ93a,93b,95a,95b,97a,97bとを備えている。これら搬送ローラは、上下一対のローラ対とされて、図示しない歯車等の駆動伝達手段によりモータ等の駆動源から回転駆動力が供給されて回転駆動されている。また、押さえローラ82a,82b,82cは、駆動ローラとしてもよく、熱現像記録材料3のシワ発生の防止効果が高めている。
【0040】
本実施形態においても、プレートヒータ81a,81b,81cのうち、熱現像記録材料3の搬送方向最上流側のプレートヒータ81aが予備加熱ヒータとなり、後段のプレートヒータ81b,81cが熱現像ヒータとなる。また、熱現像部Cの下流側(図6の右側)には、図示は省略するが徐冷部が設けられている。そして、前述の第1実施形態と同様に、この熱現像記録装置200には、温度センサ79、温度設定部75が備えられ、温度センサ79は徐冷部の入口温度を検出し、温度センサ79は、温度センサ79から入力された徐冷部の温度に基づき、熱現像部Cの主にプレートヒータ81a(予備加熱ヒータ)の温度を補正する。
【0041】
この熱現像記録装置200の作用を説明する。
潜像の形成された熱現像記録材料3は熱現像部Cに侵入し、まず先端がローラ対93a,93bに挟持される。熱現像記録材料3は、ローラ対93a,93bの回転駆動により図中右方向に搬送される。次に、熱現像記録材料3の先端はプレートヒータ81aに至り、予備加熱される。次いで、熱現像記録材料3の先端はローラ対95a,95bに至り、ローラ対95a、95bの回転駆動により図中右方向に搬送され、プレートヒータ81bに至り、更に、ローラ対97a,97bの回転駆動によりプレートヒータ81cに至る。
【0042】
熱現像記録材料3の連続処理により徐冷部の入口温度が上昇すると、上記と同様に、この徐冷部の温度上昇が温度センサ79によって検出され、その検出値が温度設定部75へ送られる。温度設定部75は、この検出値に基づき、最上流側のプレートヒータ81aのみの加熱温度を低下させる。すると、現像進行開始温度が遅延され、この結果、上記と同様に、熱現像記録材料3の現像進行時間は変化しないことになる。
【0043】
これにより、直線状にプレートヒータ81a,81b,81cを設けた構成の熱現像記録装置200においても、熱現像記録材料3の記録枚数に依存せずに、濃度を一定にでき、しかも、露光量の調整によっては変化を抑止することのできなかった色調も一定にでき、濃度及び色調を共に安定化させることができる。
また、プレートヒータ81aのみ加熱温度を低下させる以外にも、プレートヒータ81b,81cの加熱温度も低下させて現像進行時間を一定になるよう調整してもよい。
【0044】
次に、本発明に係る熱現像記録装置の第3の実施の形態を説明する。
図7は本発明に係る熱現像記録装置の加熱ドラムタイプの熱現像部を表す要部構成図である。
この実施の形態による熱現像記録装置300は、熱現像部Cに熱現像記録材料3を外周に保持しつつ加熱可能なドラム91と、このドラム91の外方に、ドラム91に対して平行にかつドラム91の周方向に等間隔あるいは異なる間隔で配置され、熱現像記録材料3をドラム91の周面に押し付けて案内する押さえ手段としての複数のローラ93とを備えて成る。
【0045】
ドラム91は、図7において時計回りに回転し、熱現像記録材料3を同方向に移送する。この移送方向の下流側には図示しない徐冷部を備えている。そして、この熱現像記録装置300においても、温度センサ79、温度設定部75が備えられ、温度センサ79は徐冷部の入口温度を検出し、温度設定部75は上記と同様に、温度センサ79から入力された徐冷部の温度に基づき、熱現像部Cにおけるドラム91の温度を補正する。
【0046】
ドラム91は、熱現像記録材料3と密着した状態で回転し、熱現像記録材料3を加熱し熱現像する。即ち、熱現像記録材料3の潜像を可視画像として形成する。ドラム91は、熱現像記録材料3を所定の最低熱現像温度以上の温度に、所定の熱現像時間維持することによって、熱現像記録材料3を熱現像する。
【0047】
ドラム91の両端には、図示しないフレームに支持されている案内ブラケット95が片側に3個ずつ備えられ、案内ブラケット95は図示しないコイルばねの付勢力でローラ93をドラム91の外周に付勢している。従って、熱現像記録材料3は、ドラム91の外周とローラ93との間に侵入したときに、この付勢力でドラム91の外周面に対して押圧され、それにより全面的に均一に加熱熱現像されるようになっている。
【0048】
ドラム91の内周には、加熱手段として、図示しないプレートヒータ等が全周にわたって取り付けられており、温度設定部75の制御下で、ドラム91の外周を加熱するようになっている。
【0049】
次に、この熱現像記録装置300の作用を説明する。
潜像の形成された熱現像記録材料3は、熱現像部Cに侵入すると、ドラム91とローラ93との間に挿入される。そして、ドラム91の外周面に接触した状態で、ドラム91の回転と共に同方向に、つまりドラム91の周面に沿わせて搬送される。これと同時に、熱現像記録材料3はローラ93の付勢力によってドラム91の外周面に対して押圧され、それにより熱現像記録材料3の全面が均一に加熱されて熱現像される。ドラム91の回転と共に移送された熱現像記録材料3は、加熱現像された後、排出部99に至ると、案内板101によってドラム91の外周から剥がされ、図示しない徐冷部へと搬送される。
【0050】
熱現像記録材料3の連続処理により徐冷部の入口温度が上昇すると、上記と同様に、この徐冷部の温度上昇が温度センサ79によって検出され、その検出値が温度設定部75へ送られる。温度設定部75は、この検出値に基づき、ドラム91の加熱温度を低下させる。すると、現像進行開始温度が遅延され、この結果、上記と同様に、熱現像記録材料3の現像進行時間は変化しないことになる。
【0051】
これにより、加熱ドラム91を備えた熱現像記録装置300においても、熱現像記録材料3の記録枚数に依存せずに、濃度を一定にでき、しかも、露光量の調整によっては変化を抑止することのできなかった色調も一定にでき、濃度及び色調を共に安定化させることができる。
【0052】
次に、本発明に係る熱現像記録装置の第4の実施の形態を説明する。
この実施の形態による熱現像記録装置は、徐冷部Dの温度に基づき、移送手段による熱現像記録材料3の搬送速度を補正する構成を有している。この構成を、例えば図1に示した熱現像記録装置に採用した場合を例に説明する。図1に示すように、この熱現像記録装置には、温度センサ79、搬送速度補正部77が備えられ、温度センサ79は徐冷部Dの入口温度を検出する。
【0053】
そして、搬送速度補正部77は、温度センサ79から入力された徐冷部Dの温度に基づき、各移送手段を駆動制御する駆動部73へドラム52の回転制御信号を送出し、少なくとも熱現像部Cにおけるドラム52の回転速度を変更して、熱現像記録材料の搬送速度を補正するようになっている。なお、本実施の形態による構成を採用した場合には、図1に示した温度設定部75による動作は休止させる。つまり、熱現像記録装置は、温度設定部75又は搬送速度補正部77のいずれか一方の機能により動作されることになる。
【0054】
搬送速度補正部77による補正は、徐冷部Dの温度上昇に伴って、ドラム52の回転速度を徐々に速めるような制御となる。即ち、このような搬送速度を速める補正を行うことにより、図3(a)に示すように、熱現像記録材料3が熱現像部Cに入り、現像進行停止時刻がt21に遅延し、現像進行時間がt2に増加しても、搬送速度が速まるため、実質の現像進行時間がt1に短縮されることとなる。
【0055】
次に、このように構成された熱現像記録装置の作用を説明する。
熱現像記録装置は、熱現像の開始された当初では、徐冷部Dに除却により受ける熱が蓄積されていない。従って、図3(a)に示すように、画像露光部Bで潜像を記録された熱現像記録材料3が熱現像部Cに入り、プレートヒータ51aによって加熱されて、時刻t10で現像進行温度に達し現像進行が始まる。その後、温度は上昇し、プレートヒータ51b、51cによる温調により現像進行温度以上で一定に維持されたあと、熱現像部Cから出て徐冷部Dへと移る。その途中の時刻t11で熱現像進行が止まる。この場合、熱現像記録材料3の現像進行時間t1 は、t1 =t11−t10となる。
【0056】
一方、熱現像記録材料3の連続処理により徐冷部Dの入口温度が上昇すると、従来では、熱現像記録材料3の現像進行停止時刻がt21となり、その結果、現像進行時間は、t2 =t21−t10となるが、本実施の形態による熱現像記録装置では、この徐冷部Dの温度上昇が温度センサ79によって検出され、その検出値が搬送速度補正部77へ送られる。搬送速度補正部77は、この検出値に基づき、駆動部73へ回転速度増加信号を送出し、ドラム52の搬送速度を速める。
【0057】
すると、いままでt2であった現像進行時間がt1に短縮され、熱現像記録材料3の現像進行時間t1 は変化しないことになる。
【0058】
このように、本実施の形態による熱現像記録装置によれば、徐冷部Dの温度に基づきドラム52の搬送速度を補正する搬送速度補正部77を備えたので、熱現像記録材料3の記録枚数が増え、徐冷部Dの温度が上昇すると、それに応じて搬送速度が補正され、実質的な熱現像時間の増大が生じなくなり、実質的な熱現像時間を常に一定に保つことができる。この結果、熱現像記録材料3の記録枚数に依存せずに濃度を一定にできるのはもとより、露光量の調整によっては変化を抑止することのできなかった色調も一定にでき、濃度及び色調を共に安定化させることができる。また、搬送速度の補正は、場合によっては、装置内における熱現像記録材料3の搬送路全体に対して、その搬送速度を補正するものであってもよい。その場合には、熱現像処理をより高速にでき、処理能力の向上も図られる。
【0059】
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態による熱現像記録装置100に適用した場合を例に説明したが、その他、上記の第2、第3の実施の形態で説明した熱現像記録装置200、熱現像記録装置300に適用しても、上記と同様の作用、効果を奏するものである。
【0060】
【実施例】
以下、本発明に係る熱現像記録装置により連続記録を行った際の記録画像の濃度及び色調を調べた結果を示す。
【表1】
【0061】
徐冷部の温度で露光量を補正制御する比較例では、連続記録時の濃度は良好であったが、色調が連続記録とともに赤みが強くなった。これに対して本発明の熱現像記録装置による結果である実施例では、連続記録時において、濃度、色調共に良好となる結果が得られた。
【0062】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る熱現像記録装置によれば、徐冷部の温度に基づき熱現像部の温度を補正する温度設定部を備えたので、熱現像記録材料の記録枚数が増え、徐冷部の温度が上昇すると、それに応じて、熱現像部の温度が補正され、実質的な熱現像時間の増大が生じなくなり、実質的な熱現像時間を常に一定に保つことができる。この結果、熱現像記録材料の記録枚数に依存せずに、濃度を一定にできるのはもとより、露光量の調整によっては変化を抑止することのできなかった色調も一定でき、濃度及び色調を共に安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱現像記録装置のドラムタイプの概略構造を説明する構成図である。
【図2】は徐冷部温度とプレートヒータ温度との相関を表す説明図である。
【図3】熱現像記録材料が熱現像部に入ってから出るまでの熱現像記録材料上のある点の温度対時間の推移を示す説明図である。
【図4】従来装置(温度補正をしない場合)の濃度−熱現像記録材料記録枚数の推移を示す説明図である。
【図5】本発明装置(温度補正をする場合)の濃度−熱現像記録材料記録枚数の推移を示す説明図である。
【図6】本発明に係る熱現像記録装置の面状ヒータタイプの熱現像部を表す要部構成図である。
【図7】本発明に係る熱現像記録装置の加熱ドラムタイプの熱現像部を表す要部構成図である。
【符号の説明】
3…熱現像記録材料
75…温度設定部
77…搬送速度補正部
51a、51b、51c…プレートヒータ
52…ドラム
81a、81b、81c…面状ヒータ
91…加熱可能なドラム
93…ローラ
93a、93b、95a、95b、97a、97b…ローラ対
100、200、300…熱現像記録装置
B…画像露光部(記録部)
C…熱現像部
D…徐冷部
Claims (7)
- 熱現像記録材料を露光して潜像を形成する記録部と、前記熱現像記録材料を加熱して熱現像を行なう熱現像部と、熱現像後の前記熱現像記録材料を冷却する徐冷部とを備えた熱現像記録装置であって、
前記徐冷部の温度に基づき前記熱現像部の温度を補正する温度設定手段を備えたことを特徴とする熱現像記録装置。 - 熱現像記録材料を露光して潜像を形成する記録部と、前記熱現像記録材料を加熱して熱現像を行なう熱現像部と、熱現像後の前記熱現像記録材料を冷却する徐冷部との各部に対して前記熱現像材料を順次搬送して熱現像記録を行う熱現像記録装置であって、
前記徐冷部の温度に基づき前記熱現像記録材料の搬送速度を補正する搬送速度補正手段を備えたことを特徴とする熱現像記録装置。 - 請求項1又は請求項2記載の熱現像記録装置であって、
前記熱現像部が、
前記熱現像記録材料の送り方向に並んで固定配置され該熱現像記録材料に所定温度の加熱処理を施す複数の加熱手段と、
前記熱現像記録材料に対して前記加熱体表面上で滑らせて搬送する移送手段と、
前記移送手段へ送り駆動力を供給する駆動伝達手段と、
前記熱現像記録材料を各加熱体表面に押し付ける押さえ手段とを備えていることを特徴とする熱現像記録装置。 - 請求項3記載の熱現像記録装置であって、
前記複数の加熱手段が円弧状に配置されていることを特徴とする熱現像記録装置。 - 請求項3記載の熱現像記録装置であって、
前記複数の加熱手段が直線状に配置されていることを特徴とする熱現像記録装置。 - 請求項3〜請求項5のいずれか1項記載の熱現像記録装置であって、
前記温度設定手段が、前記複数の加熱手段のうち、前記熱現像記録材料の搬送方向最上流側の加熱手段の温度を補正することを特徴とする熱現像記録装置。 - 請求項1又は請求項2記載の熱現像記録装置であって、
前記熱現像部が、
周面で前記熱現像記録材料に所定温度の加熱処理を施す加熱手段を有して回転自在に支持されたドラムと、
前記熱現像記録材料を前記ドラムの周面上に押し付ける押さえ手段とを備え、
前記ドラムの回転によって前記熱現像記録材料を該ドラムの周面に沿わせて搬送することを特徴とする熱現像記録装置。
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