JP2004240189A - 識別情報記録方法 - Google Patents

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Abstract

【課題】多様な識別情報を少ないフォトマスクを用いて板状部材に記録する。
【解決手段】文字列Bに用いられ得る異なる種類の文字を規定する開口パターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列されたフォトマスクを用いて文字列Bを構成するべき文字の潜像をフォトレジスト層の所定領域に必要な回数だけ形成するとともに、文字列Bを構成しない文字をフォトレジスト層の所定領域の外側に形成する。その後、現像を行う工程と、フォトレジスト層上にレジスト層とは異なる材料の膜を堆積する工程と、フォトレジスト層を除去することにより、膜のリフトオフを行い、膜から文字列Bを規定する第1のパターンと文字列Bを構成しない第2のパターンを形成する工程とから構成する。
【選択図】 図9A

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状部材に識別情報を記録する方法、および、この方法に使用するフォトマスクセットに関している。本発明は、磁気ヘッドなどに使用されるセラミックス基板への識別情報の刻印に好適に用いられるだけでなく、半導体ウェハその他の板状部材に対して識別情報を記録する場合に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスクドライブ(HDD)装置、テープストレージ装置、およびフレキシブルディスクドライブ(FDD)装置などに使用される磁気ヘッドスライダには、種々の構成からなる薄膜磁気ヘッドが使用されている。このような薄膜磁気ヘッドに用いられる基板としては、例えば、Al−TiC系、SiC系、ZrO系等の組成からなる焼結体基板が用いられている。
【0003】
図1(a)は、典型的な薄膜磁気ヘッドスライダ10を示している。この磁気ヘッドスライダ10のトラック側は、磁気ディスクの表面に対向する2本のサイドレール11を有しており、これらのサイドレール11が形成されている面はエア・ベアリング面(ABS)と称されることがある。ヘッドサスペンションによって磁気ヘッドスライダ10のサイドレール11が磁気ディスク表面を軽く押す状態で、磁気ディスクをモータなどによって高速回転させると、磁気ディスク表面にできる空気の層がスライダ10のエア・ベアリング面直下に入り込み、磁気ヘッドスライダ10を僅かに持ち上げることになる。こうして、磁気ヘッドスライダ10は磁気ディスクの表面近くを「飛行」するようにして記録/再生動作を行うことができる。
【0004】
磁気ヘッドスライダ10の一端面には、磁気ディスクなどの記録媒体との間で磁気的相互作用を行うための薄膜12が堆積されている。薄膜12は電気/磁気トランスデューサ素子を構成するために用いられる。一方、磁気ヘッドスライダ10の他の端面には、製品種を確認するために、認識番号(シリアルナンバー)などの識別情報13が刻印されている。識別情報13を焼結体基板に刻印する方法は、例えば、特許文献1、特許文献2、およびに特許文献3等に開示されている。
【0005】
磁気ヘッドスライダ10は、典型的には、図1(c)に示されるような焼結体基板(ウェハ)1から図1(b)に示されるようなバー20を切り出した後、そのバー20を多数のチップに分離することによって作製される。図1(c)に示されるウェハ1の端面4は、図1(a)に示される磁気ヘッドスライダ10のエア・ベアリング面に平行な位置関係にある。
【0006】
電子機器の小型軽量化のために薄膜ヘッドの寸法が小さくなるに従い、ウェハ1の厚さ(磁気ヘッドスライダ10の長さLに相当)が薄くなるとともに、各バー20の厚さT(磁気ヘッドスライダ10の高さに相当)も薄くなってきている。例えば、ピコスライダと呼ばれる磁気ヘッドスライダの場合、Lは1.2mm程度であり、Tは0.3mm程度である。このように小型化された磁気ヘッドスライダに刻印されるべき文字のサイズも当然に小さくする必要がある。
【0007】
識別情報13の刻印にはレーザマーキング法が広く用いられている。レーザマーキング法による場合、図1(b)や図1(c)に示される識別情報13は、各バー20に分割される前のウェハ1の裏面3に対して印字される。印字工程の後、ウェハ1の表面2には、種々の薄膜12が積層されることになる。
【0008】
次に、図2を参照しながら、従来のレーザマーキング法を簡単に説明する。
【0009】
レーザマーキング法では、ウェハ1の裏面3に対して、レンズ5で収束されたレーザビーム6を照射し、それによって、ウェハ1の照射部分を急速に加熱し、蒸発させる。このとき、ウェハ1の裏面3には小さな凹部が形成されるとともに、ウェハ1を構成していた焼結体材料が周囲に飛散し、その一部は再びにウェハ1に付着する。レーザビーム6でウェハ1の裏面3を走査することによって、凹部の平面パターンを任意に描くことができる。英文字、数字、またはバーコードなどの凹部パターンを形成すれば、種々の識別情報13をウェハ1の任意の位置に書きこむことができる。
【0010】
このようなレーザマーキング法によれば、(1)レーザ照射によって発生する飛散物がダスト化し、印字溝内などに吸着・集積するため、コンタミネーションとなるおそれが高く、(2)レーザ光の照射によって印字溝のエッジ部分にバリが発生するため、バリ除去のための工程が必要となる、などの問題点があった。
【0011】
上記の問題が生じない識別情報記録方法として、フォトリソグラフィ法が開発されている(特許文献4)。フォトリソグラフィ法による場合、まずウェハ1の裏面3上にレジスト層を塗布形成した後、特定のフォトマスクを用いてレジスト層を露光することにより、レジスト層の所望の領域に識別情報の潜像が書き込まれる。その後、露光されたレジスト層を現像することより、識別情報に対応するパターンがレジスト層に転写される。パターニングされたレジスト層をマスクとしてウェハをエッチングすることにより、識別情報をウェハに書き込むことが可能である。フォトリソグラフィ法によれば、形成するパターンの細線化が可能であり、種々の識別情報を狭い領域内でも明瞭に記録することが可能である。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−81922号公報
【特許文献2】
特開平10−134317号公報
【特許文献3】
特開平11−126311号公報
【特許文献4】
特開2002−75817号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のフォトリソグラフィ法によれば、ウェハごとに異なる識別情報を記録するには、ウェハの枚数だけ種類の異なるフォトマスクを用意する必要がある。フォトマスクは高価であり、例えば、1枚で数十万円程度もする場合がある。このため、フォトリソグラフィ法による場合は、大量に必要なフォトマスクの価格に起因するコストの大きな上昇が問題になる。
【0014】
本出願人は、必要なフォトマスクの数を大幅に低減できる技術を特願2001−269291号明細書に開示している。以下、この技術を説明する。
【0015】
特願2001−269291号明細書に開示した技術は、複数のセラミックス製ウェハに対して、相互に異なる識別情報を記録する方法である。この識別情報記録方法では、各ウェハに記録する識別情報は、z桁(zは自然数)の文字列A、および、z桁(zは自然数)の文字列Bを含む文字列群によって表現される。ここでは、図3(a)に示すように、文字列Aが1桁の文字A1から構成され、文字列Bが2桁の文字B1・B2から構成される場合を説明する。文字A1、B1およびB2の各々は、0〜9までの10種類の数字を取り得るものとする。すなわち、文字列Aおよび文字列Bから構成される識別情報は、「000」〜「999」の1000通りある。なお、文字列を構成する各文字は、数字だけではなく、アルファベット、かな、漢字、記号など、識別情報を表現し得る符号単位であれば何でも良い。
【0016】
識別情報ABは、図3(b)に示すように各ウェハの複数の領域に記載することが好ましいが、図3(c)に示すように各ウェハのどこか1箇所に記載するようにしてもよい。図3(c)のようにして識別情報をウェハに記録した場合、識別情報はウェハ単位で種々の製造プロセスを行う各工程で利用され得るが、ウェハを複数のチップ部品に分割したあとは、識別情報の機能を発揮しなくなる。
【0017】
従来のフォトリソグラフィ方法を用いて、1000通りの識別情報を1000枚のウェハに刻印するには、1000枚のフォトマスク(レチクル)が必要であった。この場合、例えば150枚目のフォトマスクには「150」の文字列を規定する遮光パターンが形成されるというように、各フォトマスクに異なる識別情報が割り当てられることになる。
【0018】
これに対して、特願2001−269291号明細書に開示した識別情報記録方法では、2種類のフォトマスク(第1フォトマスクと第2フォトマスク)を含むフォトマスクセットを用いてフォトレジスト層に複数回の露光工程を行うことにより、従来よりも格段に少ない枚数のフォトマスクで必要な識別情報をウェハに刻印することが可能になる。
【0019】
以下、図4(a)および(b)を参照しながら、上記識別情報記録方法に用いるフォトマスクを説明する。
【0020】
図4(a)に示す第1フォトマスクでは、文字列Aを規定する遮光パターンが形成されている。ここで、「文字列Aを規定する遮光パターン」とは、フォトマスク上における遮光層の開口部によって文字列Aの文字部分が形成されたパターンを意味している。図4(a)および(b)においては、各フォトマスクの白い部分が遮光層であり、黒い文字(数字)の部分が遮光層中の開口部である。
【0021】
ウェハ毎に異なる識別情報をウェハ内の複数の領域に対して書き込む場合、各第1フォトマスク上において、上記の文字列Aの遮光パターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列される。この例では、文字A1は「0」〜「9」の数であるため、10種類の第1フォトマスクが必要になる。もしも、文字列Aが2桁の数字であれば、文字列「00」〜「99」に対応して、100枚の第1フォトマスクが必要になる。
【0022】
一方、図4(b)に示す第2フォトマスクでは、文字列Bに用いられる文字(1桁分)を規定するパターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列されている。この周期は、文字列Aの周期と同一であり、第2フォトマスク上の文字は、第1フォトマスクの遮光マスクによって遮光された領域(非露光領域)に重ね合わせられるように配置される。
【0023】
図4の例では、第1フォトマスクと第2フォトマスクが同一の遮光パターンを有しているので、第1フォトマスクが第2フォトマスクを兼ねても良い。ただし、第1フォトマスクと第2フォトマスクが同一の遮光パターンを有している必要はなく、例えば、第1フォトマスクはアルファベットの文字を規定し、第2フォトマスクが数字を規定していも良い。
【0024】
次に、図5〜図7を参照しながら、上記のフォトマスクセットを用いて行う露光方法を説明する。
【0025】
ここでは、図5(a)に示す第1フォトマスク62を用いる。この第1フォトマスク62上には、文字A1を規定するパターンを有する遮光膜62aが設けられている。このようなフォトマスクは、ガラスなどの透明基板上に遮光性を有する金属膜や樹脂膜を形成し、その膜から文字部分をくり抜くことによって得られる。遮光膜62aの開口部62bが文字の形状を有している。図では、簡単化のため、1つの識別情報に関する開口部62bのみを示しているが、現実のフォトマスク62上には同様の形状を有する開口部62bが周期的に配列されている。
【0026】
次に、図5(b)に示すように、ポジ型フォトレジスト層61が塗布されたウェハ60を用意し、第1フォトマスク62を用いてウェハ60上のフォトレジスト層61を露光する。この露光により、フォトレジスト層61の複数の領域の各々に、文字A1を規定する開口部62bの形状を持つ潜像(文字A1の潜像)が形成される。具体的には、0〜9のうちのいずれかの文字A1(図では「1」の文字)の領域が露光されるため、遮光膜62aの開口部62bを透過した光により、フォトレジスト層61が部分的に露光される(図5(c))。図5(c)では、ポジ型フォトレジスト層61の露光部分をドットで示している。フォトレジスト層61の露光部分は、ポジ型レジストの性質上、あとで行う現像工程で現像液に溶解し、開口部を形成する。その結果、本実施形態ではフォトレジスト層61の文字部分がくり抜かれることになる。
【0027】
なお、上記の露光を行うに際しては、例えばアライナを用いて、ウェハ60の全面に対して文字列Aを規定する潜像を形成することが効率的である。
【0028】
次に、現像工程を行う前に、文字列Bの記録を行う。具体的には、図4(b)に示すような10枚の第2フォトマスクから適切な第2フォトマスクを選択し、選択した第2フォトマスクを用いて、文字B1の潜像をレジスト層61に形成する。図6(a)は、選択した第2フォトマスク63の一部を示している。第2フォトマスク63には、文字列Bの文字を規定するパターンを有する遮光膜63aが設けられている。遮光膜63aには文字B1の形状を持つ開口部63bが形成されている。
【0029】
第2フォトマスク63のアライメントを適切に行うことにより、文字B1の位置を文字A1の潜像位置に対して適切な関係を持つ位置に合わせ、図6(b)に示すように、光を照射する。フォトレジスト層61の文字列A以外の領域は未露光領域であったため、文字B1を規定するパターンを持った光で照射されると、遮光膜63aの開口部63bに対応した形状の潜像が形成される(図6(c))。
【0030】
次に、図7(a)〜図7(d)を参照する。上記の露光工程の後、前述の第2フォトマスクから適切な第2フォトマスク64を選択し、選択した第2フォトマスク64を用いて文字B2の潜像をレジスト層61に形成する。第2フォトマスク64には、文字列Bの文字を規定する遮光膜aが設けられている。遮光膜64aには文字B2の形状を持つ開口部64bが形成されている。このとき、第2フォトマスク64のアライメントを適切に行うことにより、文字A1の潜像位置に対して適切な関係を持つ位置に文字B2の位置を合わせ、図7(b)に示すように、光を照射する。これにより、文字B2を規定するパターンを持った光でレジスト層61の未露光領域が照射され、遮光膜64aの開口部64bに対応した形状を持つ潜像がレジスト層61に形成されることになる(図7(c))。
【0031】
以上の露光工程により、フォトレジスト層61における複数の領域の各々に対して、図7(d)に示すように識別情報が書き込まれる。この後、現像工程を経て、露光部分(図のドット部分)がフォトレジスト層61から除去され、文字を規定する開口部がフォトレジスト層61に形成される。図8(a)は、現像後のフォトレジスト層61の断面を模式的に示している。
【0032】
図8(b)〜(e)を参照しながら、パターニングされたフォトレジスト61を用いてウェハ60に識別情報を記録する方法を説明する。
【0033】
まず、エッチング法による場合を説明する。この場合、レジスト付きウェハ60を不図示のエッチング装置内にロードし、適切なエッチャントとウェハ表面とを反応させる。こうすることにより、図8(b)に示すように、ウェハ60のレジスト層61によって覆われていない表面部分がエッチングされ、文字列AおよBがウェハ61に転写される。エッチングは、被エッチング対象であるウェハの材料に応じて適宜好ましいエッチング条件が選択される。プラズマを用いたRIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチングの他、ウェットエッチングを行ってもよい。
【0034】
現像後のフォトレジスト層61を用いて、ウェハ60に識別情報を記録する方法は上記のエッチング方法に限定されない。図8(c)に示すように、パターニングされたフォトレジスト層61で覆われたウェハ61に対して金属膜などの薄膜65を堆積し、その後、フォトレジスト層61を除去することによっても識別情報をウェハ61に転写することができる。このような方法は「リフトオフ」と呼ばれ、フォトレジスト層61上に堆積した薄膜65はレジスト層61とともにウェハ表面から取り除かれる。その結果、図8(d)に示すように、フォトレジスト層61の開口部(本実施形態では「文字部分」)に薄膜65が残存し、文字部分が他の面から凸状に突出する。
【0035】
エッチング法やリフトオフ法によってウェハ表面に凹凸を形成する方法以外の方法でも、識別情報の記録を行うことは可能である。図8(e)に示すように、パターニングされたフォトレジスト層61で覆われたウェハ60に対して、例えばイオンビームなどのエネルギビームを照射し、それによってウェハ60の露出表面領域を改質しても、識別情報をウェハに転写することも可能である。表面の改質により、反射率特性や導電性などの物理的パラメータが変化するため、この変化を検知すれば、識別情報をウェハから再生することが可能である。
【0036】
上記の識別情報記録方法によれば、各フォトマスクに1種類の文字しか割り当てられていないため、用いる文字の種類だけフォトマスクが必要になる。例えば「A」から「Z」のアルファベット26文字で文字列Bを表現する場合、26枚のフォトマスクが必要になるが、現在は、フォトマスクの数を更に減らすことが強く求められている。
【0037】
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、多様な識別情報を少ないフォトマスクを用いて板状部材に記録することができる識別情報記録方法を提供することにある。
【0038】
本発明の他の目的は、上記識別情報記録方法で行う新規な露光方法を提供するとともに、この露光方法に用いられるフォトマスクの組(フォトマスクセット)を提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明の識別情報を記録する方法は、複数の板状部材に対して相互に異なる識別情報を記録する方法であって、前記識別情報は、z桁の文字列A、およびz桁の文字列Bを含む文字列群(zおよびzは1以上の整数)であり、(a)文字列Aを規定する開口パターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列された第1フォトマスクと、文字列Bに用いられ得る異なる種類の文字を規定する開口パターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列された第2フォトマスクを用意する工程と、(b)前記板状部材の表面にポジ型フォトレジスト層を形成する工程と、(c)前記第1フォトマスクを用い、前記フォトレジスト層を露光することにより、前記文字列Aの潜像を前記フォトレジスト層に形成する工程と、(d)前記第2フォトマスクを用い、前記文字列Bを構成するべき文字の潜像を前記フォトレジスト層の所定領域に形成するとともに、前記文字列Bを構成しない文字を前記フォトレジスト層の前記所定領域の外側に形成する工程と、(e)前記工程(d)を必要な回数だけ行うことにより、前記文字列Bを構成する文字の潜像を全て前記第ポジ型フォトレジスト層の前記所定領域内に形成した後、前記フォトレジスト層に対する現像を行う工程と、(f)前記フォトレジスト層上に前記レジスト層とは異なる材料の膜を堆積する工程と、(g)前記フォトレジスト層を除去することにより、前記膜のリフトオフを行い、それによって、前記膜から前記文字列Aおよび文字列Bを規定する第1のパターンと前記文字列Aおよび前記文字列Bを構成しない第2のパターンを形成する工程とを含む。
【0040】
本発明による他の識別情報を記録する方法は、複数の板状部材に対して相互に異なる識別情報を記録する方法であって、前記識別情報は、文字列Bを含み、(a)文字列Bに用いられ得る異なる種類の文字を規定する開口パターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列されたフォトマスクを用意する工程と、(b)前記板状部材の表面にポジ型フォトレジスト層を形成する工程と、(c)前記フォトマスクを用い、前記文字列Bを構成するべき文字の潜像を前記フォトレジスト層の所定領域内に形成するとともに、前記文字列Bを構成しない文字を前記フォトレジスト層の前記所定領域の外側に形成する工程と、(d)前記工程(c)を必要な回数だけ行うことにより、前記文字列Bを構成する文字の潜像を全て前記第ポジ型フォトレジスト層の前記所定領域内に形成した後、前記フォトレジスト層に対する現像を行う工程と、(e)前記フォトレジスト層上に前記レジスト層とは異なる材料の膜を堆積する工程と、(f)前記フォトレジスト層を除去することにより、前記膜のリフトオフを行い、それによって、前記膜から前記文字列Bを規定する第1のパターンと前記文字列Bを構成しない第2のパターンを形成する工程とを含む。
【0041】
本発明の識別情報を記録する方法は、複数の板状部材に対して相互に異なる識別情報を記録する方法であって、前記識別情報は、z桁の文字列A、z桁の文字列B、およびz桁の文字列Cを含む文字列群(zは0以上の整数、zおよびzは1以上の整数)によって表現されており、(a)文字列Aおよび文字列Cを規定する開口パターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列された第1フォトマスクと、文字列Bに用いられ得る異なる種類の文字を規定する開口パターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列された第2フォトマスクを用意する工程と、(b)前記板状部材の表面にポジ型フォトレジスト層を形成する工程と、(c)前記第1フォトマスクを用い、前記フォトレジスト層を露光することにより、前記フォトレジスト層の複数の領域の各々に対し、前記文字列Aおよび文字列Cの潜像を形成する第1露光工程と、(d)前記第2フォトマスクを用い、前記複数の領域の各々における前記文字列Bが形成されるべき領域に対して、前記文字列Bを構成する文字の潜像を1桁ずつ形成するとともに、前記文字列Bを構成しない文字を前記フォトレジスト層の前記所定領域の外側に形成する第2露光工程とを含み、(e)前記工程(d)を必要な回数だけ行うことにより、前記文字列Bを構成する文字の潜像を全て前記第ポジ型フォトレジスト層の前記所定領域内に形成した後、前記フォトレジスト層に対する現像を行う工程と、(f)前記フォトレジスト層上に前記レジスト層とは異なる材料の膜を堆積する工程と、(g)前記フォトレジスト層を除去することにより、前記膜のリフトオフを行い、それによって、前記膜から前記文字列Aおよび文字列Bを規定する第1のパターンと、前記文字列Aおよび前記文字列Bを構成しない第2のパターンを形成する工程とを含む。
【0042】
好ましい実施形態では、前記フォトマスク上において、文字列Bに用いられ得る文字のY軸方向サイズをy1とし、同一の文字のY軸方向周期をy2とした場合、Y軸方向に沿って計測した距離がy2の区間内に、文字列Bに用いられる異なる種類のm個(mは2以上の整数)の文字が配列されており、m≦y2/y1の関係が成立している。
【0043】
好ましい実施形態では、前記フォトマスク上において、文字列Bに用いられ得る文字のX軸方向サイズをx1とし、同一の文字のX軸方向周期をx2とした場合、X軸方向に沿って計測した距離がx2の区間内に、文字列Bに用いられる異なる種類のm’個(m’は2以上の整数)の文字が配列されており、m’≦x2/x1の関係が成立している。
【0044】
好ましい実施形態では、前記第2のパターンの少なくとも一部を除去する工程を更に含む。
【0045】
好ましい実施形態では、前記文字列Bは2桁以上であり、前記工程(d)は、前記文字列Bを構成する文字の潜像を1桁ずつ、前記フォトレジスト層に形成することを含む。
【0046】
好ましい実施形態においては、同一のフォトマスクの異なる部分を用いて前記文字列Bを構成する文字の潜像を1桁ずつ、前記フォトレジスト層に形成する。
【0047】
好ましい実施形態においては、前記第2フォトマスク上の選択された文字が所定の位置に投影されるように、前記第2フォトマスクを前記フォトレジスト層に対して位置あわせを行う。
【0048】
好ましい実施形態においては、前記板状部材の表面に前記フォトレジスト層を形成する前にアライメントマークを形成する工程を更に包含し、前記位置あわせ工程は前記アライメントマークを用いて実行する。
【0049】
好ましい実施形態において、前記露光を行うとき、マスクアライナを用い、前記フォトレジスト層の全面に前記文字列の潜像を形成する。
【0050】
好ましい実施形態において、前記露光を行うとき、ステッパを用い、前記フォトレジスト層の区分された複数の領域に対して、前記文字列の潜像を順次形成する。
【0051】
好ましい実施形態において、前記文字列Cは、前記レジスト層の前記複数の領域毎に異なっている文字列から構成されている。
【0052】
好ましい実施形態において、前記複数の領域は、行および列からなるマトリックス状に配列されており、前記複数の領域のうち、第M行第N列(MおよびNは自然数)に位置する領域に割り当てられる文字列CをCMNで表記した場合、M≠Jおよび/またはN≠K(JおよびKは自然数)とすると、CMN≠CJKが成立する。
【0053】
好ましい実施形態において、前記複数の領域のうち、第M第N列(MおよびNは自然数)に位置する領域に割り当てられる文字列AをAMNで表記した場合、M≠Jおよび/またはN≠K(JおよびKは自然数)とすると、AMN=AJKが成立する。
【0054】
好ましい実施形態では、前記第1露光工程において、マスクアライナを用い、前記フォトレジスト層の全面に前記文字列Aおよび文字列Cの潜像を形成する。
【0055】
好ましい実施形態では、前記第2露光工程において、ステッパを用い、各々が前記フォトレジスト層の複数の領域を含む更に広い複数の領域の各々に対して、前記文字列Bの潜像を順次形成する。
【0056】
好ましい実施形態において、文字列Bは、前記更に広い複数の領域毎に異なる文字列から構成されている。
【0057】
本発明による電子部品の製造方法は、上記いずれかの方法で識別情報が記録された前記板状部材を用意する工程と、前記板状部材の選択された面上に薄膜を堆積する工程と、前記板状部材を切断することにより、複数の分割部品に分割する工程とを包含する。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0059】
(実施形態1)
まず、本発明による識別情報記録方法の第1の実施形態を説明する。
【0060】
本実施形態では、複数のセラミックス製ウェハに対して、相互に異なる識別情報を記録する。各ウェハに記録する識別情報は、z桁(zはゼロ以上の整数)の文字列A、および、z桁(zは1以上の整数)の文字列Bを含む文字列群によって表現される。
【0061】
ここでは、文字列Aは、例えばウェハの種類や企業名などを示す文字列を示す情報を示し、あるウェハの群について共通の情報を示すが、文字列Bは、ウェハ毎に異なる情報を示すものとする。
【0062】
以下、簡単化のため、文字列Aが0桁であり、文字列Bが3桁の文字B1・B2・B3から構成される場合を説明する。また、文字B1〜B3の各々は、0〜9までの10種類の数字を取り得るものとする。すなわち、文字列Bから構成される識別情報は、「000」〜「999」の1000通りある。なお、文字列を構成する各文字は、数字だけではなく、アルファベット、かな、漢字、記号など、識別情報を表現し得る符号単位であれば何でも良い。
【0063】
まず、図9A(a)を参照する。
【0064】
図9A(a)は、本実施形態で用いるフォトマスク90の一部を模式的に示している。このフォトマスク90には、遮光膜(クロスハッチング領域で図示されている)が形成されており、この遮光膜の存在しない領域(光透過領域)が、文字列Bを構成し得る各文字を規定している。
【0065】
フォトマスク90の文字(くり抜き部分)は、X軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列されている。この例では、1枚のフォトマスク90に「1」〜「3」の文字が配列されている。文字B1として「0」から「9」の10個の文字を使用する場合、1枚のフォトマスクに「0」から「9」の10個の文字を配列しても良いし、2枚以上のフォトマスクに「0」から「9」の10個を分けて配列してもよい。
【0066】
フォトマスク90における文字のサイズ、および同一文字の配列ピッチを図11に示す。図11では、代表的に選んだ文字「1」の配列の一部を示している。文字「1」は、X軸方向にx1のサイズを持ち、x2のピッチで周期的に配列されている。また、文字「1」は、Y軸方向にy1のサイズを持ち、y2のピッチで周期的に配列されている。
【0067】
本実施形態で用いるフォトマスク90では、Y軸方向に沿って隣接する2つの文字「1」の間に、文字「2」および「3」が存在している。文字「2」および「3」の各々も、X軸方向にx1のサイズを持ち、x2のピッチで周期的に配列され、Y軸方向にy1のサイズを持ち、y2のピッチで周期的に配列されている。すなわち、このフォトマスクでは、Y軸方向に沿って計測した距離がy2の区間内に、文字列Bに用いられる異なる種類の3個の文字が配列されている。本発明は、この場合に限定されず、Y軸方向に沿って計測した距離がy2の区間内に、文字列Bに用いられる異なる種類のm個(mは2以上の自然数)の文字が配列されていてもよい。ここで、m≦y2/y1の関係が成立している。
【0068】
なお、図9A(a)に示すフォトマスク10では、X軸方向に沿って隣接する2つの文字「1」の間には、他の文字は存在していない。
【0069】
次に、図9A(b)を参照する。この図は、ポジ型フォトレジスト91が塗布され、フォトマスク90を用いた露光が行われたウェハ92の上面および断面を模式的に示している。ポジ型フォトレジスト91のうち、フォトマスク90における遮光膜の開口部を透過してきた光に照射された部分には、文字例Bを構成する文字B1の潜像が形成されている。なお、フォトレジスト91に形成された潜像は、フォトマスク90の文字と等しい大きさを持つ必要はない。微細な文字をウェハ92上に記録したい場合、フォトマスク90のパターンは露光装置の光学系によってフォトレジスト91に縮小投影されることが好ましい。
【0070】
図9A(b)には、破線で囲んだ矩形領域が示されている。この矩形領域は、識別情報(この場合、文字列B)が記録されるべき領域であり、最終的にウェハから分離される多数のチップの各々に1つの割合で割り当てられている。図示している例では、矩形領域に「1」の文字の潜像が形成されている。すなわち、この例では、文字B1は「1」である。「1」の文字の潜像を上記矩形領域に形成するには、フォトマスク90上の「1」の文字を規定する開口部を透過した光が上記矩形領域内の所定部分に入射するようにマスクアライメントを行う必要がある。
【0071】
上記露光により、「1」以外の文字(「2」および「3」)の潜像も同時にフォトレジスト91に形成されるが、その潜像は、上記矩形領域の外側に位置している。
【0072】
次に、図9A(c)を参照する。図9A(c)は、文字列Bを構成する文字B2の潜像を形成するための露光を行った後のウェハ92の上面および断面を模式的に示している。図示する例では、文字B2は「3」である。「3」の文字は、図9A(a)のフォトマスク90に規定されているため、このフォトマスク90を用いて「3」の文字の潜像をフォトレジスト91中に形成することができる。ただし、フォトマスク90の「3」の文字を規定する開口部を透過した光がフォトレジスト91の上記矩形領域内に所定部分に入射するようにマスクアライメントを行う。具体的には、文字「1」の潜像の隣に文字「3」の潜像を形成するようにフォトマスク90とウェハ92との配置関係を決定する。
【0073】
次に、図9B(a)に示すように文字B3の潜像をフォトレジスト91に形成する。図示する例では、文字B3は「2」である。「2」の文字も、図9A(a)のフォトマスク90に規定されているため、このフォトマスク90を用いて「2」の文字の潜像をフォトレジスト91中に形成することができる。フォトマスク90の「2」の文字を規定する開口部を透過した光がフォトレジスト91の上記矩形領域内に所定部分に入射するようにマスクアライメントを行う。具体的には、文字「3」の潜像の隣に文字「2」の潜像を形成するようにフォトマスク90とウェハ92との配置関係を決定する。
【0074】
上記の露光工程を一桁ずつ繰り返すことにより、フォトレジスト91には、文字列Bの潜像だけではなく、文字例B以外の文字列の不要な潜像も形成される。
【0075】
次に、フォトレジスト91を現像し、露光部分を除去することにより、図9B(b)に示すように、露光部分がくり抜かれたレジストパターン91aを形成する。露光するフォトレジスト91がポジ型であるため、文字部分はレジストパターン91aの開口部によって構成されている。
【0076】
次に、図9B(c)に示すように、レジストパターン91a上にCr、Cu、Ti、Alなどの金属から形成した膜93を堆積する。金属膜93の厚さは、例えば5nm〜1μmの範囲に設定され、スパッタ法や他の薄膜堆積方法によって堆積される。金属膜の一部は、レジストパターン91aの開口部を介してウェハ92の表面に接触している。なお、膜93の材料は、金属に限定されず、セラミックスなどであってもよい。
【0077】
次に、図9B(d)に示すように、レジストパターン91aを除去することにより、金属膜93のリフトオフを行う。このリフトオフにより、金属膜93のうちレジストパターン91a上に存在した部分は選択的に取り除かれ、レジストパターン91aの開口部内に存在した部分はウェハ92上に留まることになる。このようして、レジストパターン91aの開口部の形状に対応する形状を持つ金属パターン93a〜93cが得られる。
【0078】
次に、図9C(a)に示すように、金属パターン93a〜93cのうち、文字列Bを規定する部分(93a)を選択的に覆うマスク94をウェハ92上に形成する。このマスク94は、好ましくは、新たに塗布したフォトレジストを露光・現像することによって作製される。
【0079】
図9C(b)に示すように、金属パターン93a〜93cのうち、マスク94で覆われていない部分を除去した後、図9C(c)に示すように、マスク94を除去する。不要な金属パターンの除去には、ウェハ92の表面をエッチングしないように、金属パターンを選択的に溶かす薬液を用いて行うことが好ましい。
【0080】
以上の工程により、ウェハ92の表面には、所定の間隔で配置された文字列B(金属パターン93a)を形成することができる。
【0081】
本実施形態によれば、1枚のフォトマスク90で多種類の文字をウェハ92上に形成できる。識別情報の配列ピッチに比べて各文字のサイズを充分に小さくすれば、識別情報を構成する文字の全てを1枚のフォトマスク上に配置することも可能である。
【0082】
本実施形態では、識別情報を構成しない不要な文字をウェハ92から除去しているが、このような文字を除去する必要はない。例えば、図9D(a)に示すように、識別情報を構成しない文字を選択的に何らかのマスク95によって覆ってもよい。マスク95は、例えば、マスク材料膜の堆積工程、フォトリソグラフィ工程、およびエッチング工程などによって形成され得る。この場合、マスク材料膜をエッチングすることにより、識別情報を構成する文字を露出させる必要がある。このため、マスク材料膜は、識別情報を構成する文字の形成に用いた金属膜とは異なるエッチング特性を有することが好ましい。マスクをパターニングするとき、マスク材料膜のうち識別情報を構成する文字を覆っている部分が選択的にエッチングされ、識別情報を構成する文字はほとんどエッチングされないことが望ましいからである。このマスク95は、ウェハ92からチップが分割された後も除去されず、不要な文字を覆ったままである。
【0083】
また、図9D(b)および図9D(c)に示すように、識別情報を構成しない文字が視認され得る状態に置かれたままであっても、識別情報を構成する文字と区別可能であれば問題ない。図9D(b)の例では、識別情報が書き込まれる領域またはその近傍に特別のパターン96を形成している。図9D(c)の例では、識別情報を取り囲むパターン97を形成している。このようなパターン96、97の形成は、金属その他の膜の堆積工程、フォトリソグラフィ工程、およびエッチング工程などを付加することによって行うことができる。これらの工程は、識別情報を構成する文字列のパターンを形成する前に行ってもよいし、後に行ってもよい。
【0084】
更に、図9D(d)に示すように、識別情報を構成しない文字上に特別のパターン98を形成しても良い。このパターン98の形成も、識別情報を構成する文字列のパターンを形成する前に行ってもよいし、後に行ってもよい。また、図9D(e)に示すように、識別情報を構成しない文字の一部だけを加工または除去しても、識別情報を構成する文字と区別可能になる。識別情報を構成しない文字の一部だけを加工または除去する場合、図9C(b)に示すマスク94のパターンを改変したパターンを有するマスクを形成し、その後、金属膜のエッチングを行えばよい。図9C(b)に示す例では、識別情報を構成しない文字を完全に除去しているが、不要な文字の一部が残存したとしても、識別情報と誤認されなければ問題はない。
【0085】
なお、識別情報に文字列Aを含める場合、文字列Aを規定するフォトマスクを用意する。文字列Aを規定するフォトマスクは、多数のウェハに共通して用いることが可能である。このため、文字列Aが複数の文字から構成されている場合でも、1枚のフォトマスクに文字列Aそのものを周期的に配列しておけばよく、文字列を構成する文字の1桁ごとに露光を行う必要もない。
【0086】
文字列Aが複数の文字、例えば文字A1およびA2から構成されている場合、それらの文字A1およびA2は、ウェハ上で隣接して配置される必要はない。文字A1およびA2が文字列Bを間に挟むように配置されていても良い。文字列Aが複数の文字A1〜Anから構成されている場合、それらの文字A1〜Anは、直線上に1列で配置されている必要はない。文字A1〜Anは、行および列に分けられて2次元的に配置されていても良いし、曲線上に配置されていても良い。これらの文字配置形態については、文字列Bも文字列Aと同様である。
【0087】
このような文字列Aをウェハ上に形成する際、同時に、図9D(b)〜(d)に示すようなパターンを形成しても良い。あるいは、文字列A自体を利用して、識別情報を他の不要な文字列から区別することも可能である。すなわち、識別情報が記録される領域内にのみ文字列Aを形成すれば、文字列Aの存在に基づいても識別情報を構成する文字列Bを他の不要な文字列から区別して認識することが可能である。
【0088】
(実施形態2)
図10A〜図10Cを参照しながら、本発明の第2の実施形態を説明する。
【0089】
図10Aは、本実施形態で用いるフォトマスク100のレイアウトを示している。本実施形態においても、フォトマスク100上の文字のサイズおよび同一文字の配列ピッチを図11に示すように規定する。
【0090】
本実施形態で用いるフォトマスク100では、Y軸方向に沿って計測した距離がy2の区間内に、文字列Bに用いられる異なる種類のm個(mは2以上の自然数)の文字が配列されているだけでなく、X軸方向に沿って計測した距離がx2の区間内に、文字列Bに用いられる異なる種類のm’個(m’は2以上の自然数)の文字が配列されている。ここでは、m≦y2/y1、およびm’≦x2/x1の関係が成立している。
【0091】
図10Bは、上記のフォトマスク100を用いてウェハ101上に形成したパターンの平面レイアウトを示している。破線で囲んだ矩形領域内に識別情報を構成する文字列Bが書き込まれている。この例では、フォトマスク100を用いる露光工程を3回行うことにより、「1」、「3」、「5」の3つの文字からなる文字列を識別情報として記録している。
【0092】
ウェハ101には、図10Bから明らかなように、識別情報を構成しない文字例も多数存在している。第1の実施形態では、X軸方向に沿って隣接する2つの識別情報を構成する文字列の間には、不要な文字列は存在していないが、本実施形態では、そのような位置にも不要な文字列が存在している。
【0093】
不要な文字例は、第1の実施形態で行った工程と同様の工程を実行することにより、図10Cに示すように除去することができる。もちろん、図9Dを参照しながら説明した各種の方法を行うことにより、不要な文字列の全体または一部をウェハ101上に残しても良い。
【0094】
本実施形態によれば、より多くの種類の文字を1枚のフォトマスク上に配列することができる。本実施形態は、微細な文字列からなる識別情報をウェハ上に充分な間隔を置いて記録する場合に特に有効である。
【0095】
なお、識別情報に文字列Aを含める場合、文字列Aを規定するフォトマスクを用意する。文字列Aを形成するためのフォトマスクを用いて、図9D(b)〜(d)に示すようなパターンを文字列Aとともに形成しても良いことなどは、第1の実施形態と同様である。
【0096】
(実施形態3)
本実施形態において各ウェハに記録する識別情報は、z桁の文字列Bおよびz桁の文字列C(zおよびzは1以上の整数)によって表現される。
【0097】
ここでは、ウェハ内の位置に応じて異なる文字列Cを用いて識別情報を構成する例について説明する。ウェハ内の複数の領域に対して異なる識別情報を付与すれば、図1に示すように1枚のウェハから複数の分割部品を切り出す場合、各分割部品に固有の識別情報を割り当てることができる。
【0098】
説明を簡単にするため、図12(a)に示す4桁の識別情報を用いる場合を説明する。この識別情報における文字列Bは2桁の文字B1・B2から構成され、文字列Cは2桁の文字C1・C2から構成されている。ここでは、文字B1・B2の各々がa〜zまでの26種類のアルファベット記号を取り得るものとし、文字C1・C2文字の各々が0〜9までの10種類の数字を取り得るものとする。すなわち、文字列BおよびCから構成される識別情報は、「aa00」〜「zz99」の26×10通りある。2桁の文字列Cは、例えば、マトリクス状に配列された10行×10列(=100個)の領域に対して異なる識別情報を与えるために用いられ得る。図12(b)は、上記識別情報が記録されたウェハ面を模式的に示している。文字列Cの桁数を増やせば、更に多数の領域に異なる識別情報を付与することが可能になる。
【0099】
なお、図12(b)は、識別情報を構成しない不要な文字列を除去した場合のウェハ表面を模試的に示している。識別情報の現実の間隔は、図示している間隔よりも広く、その間隔部分に不要な文字列が形成される。
【0100】
本明細書では、行列状に配列された複数の領域のうちの第M行第N列(MおよびNは自然数)に位置する領域に割り当てられる文字列CをCMNで表記する。すなわち、C1・C2=CMNである。本実施形態では、M≠Jおよび/またはN≠K(JおよびKは自然数)であれば、CMN≠CJKが成立する。このような文字列Cを見れば、ウェハのどの行および列の位置に割り当てられた識別情報かがわかるため、文字列Cを「行列番号(コラム・ロウ・ナンバー)」と称することとする。ウェハが複数の部品に小さく分割される場合、各分割部品に対して上記識別情報が刻印されていれば、その分割部品がどのウェハのどの部分から切り出されものかが特定される。
【0101】
以下、図12(c)を参照しながら、本実施形態で使用するフォトマスクを説明する。
【0102】
本実施形態における第1フォトマスクにおいて、文字列Cの文字を規定する遮光パターンが形成されている。ここで、「文字列Cの文字を規定する遮光パターン」とは、フォトマスク上における遮光層の開口部によって文字列Cの文字部分が形成されたパターンを意味している。第1フォトマスク上においては、上記文字列Cの開口部パターンが、X軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列される。
【0103】
文字列Aと本実施形態の文字列Cとの違いは、2桁の文字列Cが1枚のウェハの位置に応じて異なる値を持つ点にある。また、文字列Cは、ウェハ毎に異なる値を持つ必要はない。故に、文字列Cを書き込むためのフォトマスクは1種類で足りる。
【0104】
一方、第2フォトマスクは、実施形態1で用いたフォトマスク90や実施形態2で用いたフォトマスク100と同様の構成を有している。このような第2フォトマスクを用いることによって、図12(b)に示す文字「a」や文字「b」が1桁ずつレジスト層に書き込まれることになる。
【0105】
次に、本実施形態における露光方法を説明する。
【0106】
まず、ポジ型フォトレジスト層が塗布されたウェハを用意し、第1フォトマスクを用いてフォトレジスト層の複数の領域の各々に対する露光を行う。この露光により、文字列C(「00」〜「99」)の潜像がそれぞれレジスト層の異なる位置に形成される。
【0107】
次に、第1または第2の実施形態で用いたフォトマスクと同様のフォトマスクを用いて、文字B1の潜像をレジスト層に形成する。このとき、フォトマスクのアライメントを適切に行うことにより、文字B1の位置を文字列Cの潜像の位置に対して合わせ、ポジ型レジスト層の未露光部分に光を照射する。このとき、前述したように、識別情報を構成しない不要な文字の潜像もフォトレジストに形成される。
【0108】
更に、第1または第2の実施形態で用いたフォトマスクと同様のフォトマスクを用いて、文字B2の潜像をレジスト層に形成する。このとき、フォトマスクのアライメントを適切に行うことにより、文字B2の位置を文字列Cの潜像の位置に対して合わせ、レジスト層の未露光部分に光を照射する。このとき、識別情報を構成しない不要な文字の潜像もフォトレジストに形成される。
【0109】
以上の方法により、ポジ型レジスト層における複数の領域の各々に対して、文字列Bおよび文字列C、ならびに不要な文字が書き込まれる。この後、現像工程を経て、露光部分がレジスト層から除去されることにより、文字部がレジスト層からくり抜かれる。その後の工程は、第1実施形態および第2実施形態と同様にして行うことができる。
【0110】
上記の識別情報には文字列Aを含めなかったが、文字列Aを含めてもよい。この場合、文字列Aのためのフォトマスクによって、文字列Cのための第1フォトマスクを兼用することができる。ただし、その場合は、文字列Aの形成に用いるフォトマスクの遮光膜に文字列Cを規定する開口部パターンを形成する必要がある。一方、文字列Cを形成すためのフォトマスクと、文字列Aを形成するために用いるフォトマスクとを別々にしてもよい。
【0111】
(実施形態4)
以下、識別情報が、z桁の文字列A、z桁の文字列B、およびz桁の文字列Cを含む文字列群(zは0以上の整数、zおよびzは1以上の整数)によって表現される実施形態を説明する。
【0112】
本実施形態では、図13に示すように、文字列ABCを形成す領域が複数個集まって1つのクラスタ領域を形成している。1枚のウェハには、複数のクラスタ領域が割り当てられ、クラスタ領域毎に異なる文字列Bが割り当てられている。具体的には、1枚のウェハ上の第L番目のクラスタ領域における第M行第N列の領域には、文字列AMNMNによって表現される識別情報が記録される。ここで、Lは整数である。文字列AMNMNのうち、文字列CMNはクラスタ領域が異なっていても同じであるが、文字列Bはクラスタ領域ごとに異なっている。このため、文字列Bによって、クラスタ領域を特定することができ、文字列Cによって各クラスタ領域内の位置を特定することができる。
【0113】
各クラスタ領域内において、M≠Jおよび/またはN≠K(JおよびKは自然数)の場合、AMN≠AJKが成立するようにしてもよいし、AMN=AJKが成立するようにしてもよい。文字列Aは、ウェハを識別するための情報を表現する。文字列CMNについては、M≠Jおよび/またはN≠K(JおよびKは自然数)の場合、CMN≠CJKが成立するため、各クラスタ内の位置による識別は文字列CMNによって可能であるため、クラスタ内の位置に応じて文字列AMNを変化させる必要はない。
【0114】
なお、文字列A、文字列B、および文字列Cの配列順序や、クラスタ領域の配置形態は、図13に示す例に限定されない。
【0115】
本実施形態では、第1フォトマスクを用いて、ポジ型フォトレジスト層の複数の領域の各々に対し、文字列Aおよび文字列Cの潜像を形成する第1露光工程を行う。
【0116】
その後、上記ポジ型レジストの未露光部分に対し、文字列Bを構成する文字の潜像を1桁ずつ形成する第2露光工程を行う。第2露光工程は、文字列Bの桁数だけ行うことになる。文字列Bは1桁である必要はない。
【0117】
第1露光工程では、アライナを用い、ウェハ全面のレジスト層に対して文字列Aおよび文字列Cの潜像を形成することが好ましい。これに対して、第2露光工程では、ステッパを用い、クラスタ領域毎に文字列Bの露光を行うことが好ましい。なお、文字列Aと文字列Cの潜像は、別々のフォトマスクを用いて別々に形成しても良い。
【0118】
本実施形態でも、文字列Bの露光工程を行う際、図9A(a)に示すフォトマスクや図10Aに示すフォトマスクを用いる。このため、不要な文字列が形成されるが、不要な文字列は、他の実施形態で行ったようにして除去され得る。
【0119】
各フォトマスクによるパターンの位置あわせ(アライメント)は、ウェハ上に形成したアライメントマークを基準にして実行する。例えば、図14(a)に示すようなアライメントマークを前もってウェハ上に形成しておく。このようなアライメントマークは、レジストパターンから形成することが好ましい。一方、第1フォトマスクや第2フォトマスクには、上記アライメントマークに重ね合わせられるべき他のアライメントマークを設けている。フォトマスクに設けられるアライメントマークとしては、図14(b)に示すような複数のパターンを採用することが好ましい。図14(b)に示すようなアライメントマークを採用すれば、マスクアライメントを高い精度で実行できる。
【0120】
本発明が適用される板状部材は、セラミックスウェハに限定されず、その材料は任意である。また、板状部材とは、ウェハに限定されず、識別情報が書き込まれる2次元的な広がりを有する表面をもつ部材であれば何でも良い。識別情報が書き込まれる表面は、平面である必要はなく、曲面であってもよい。また、識別情報は平坦な領域に書き込まれることが望ましいが、板状部材の表面のすべてが平坦である必要はない。識別情報が書き込まれる領域以外の領域には、既に何らなの凹凸や段差か形成されてもよい。
【0121】
識別情報をセラミックスウェハやシリコンウェハに書き込む場合、識別情報の記録は、ウェハ上に種々の薄膜を堆積するプロセスを開始する前に行うことに限定されない。識別情報は、一連の薄膜堆積プロセスやパターニングプロセスの途中または終了後の任意の段階でウェハに記録することが可能である。
【0122】
なお、識別情報は、図1に示すようにウェハの裏面側リーディングエッジ側)に形成される代わりに、ウェハの表面側(パターニングされた磁性膜なとが配置される側)に形成されても良い。
【0123】
磁気へッドのスライダをセラミックス基板(セラミックスウェハ)から形成する場合、ウェハの表面側(トレーリングエッジ側)には、記録媒体に対してデータの記録/再生を行う素子(トランスデューサ素子)が形成される。
【0124】
データの記録/再生のための素子(電気/磁気トランスデューサ素子)や端子などをウェハの表面側に形成すると、その後、ウェハの裏面を研磨することによって基板を薄くしても、識別情報が消失してしまうことがないという利点が得られる。
【0125】
識別情報は、識別情報を読み取るために基板に照射される光(読み取り光)が到達できる位置(例えば、電気/磁気トランスデューサ素子などの光を遮断し得る部材が形成されない位置)に記録される。識別情報は、例えば、線幅が数μm程度のパターンによって表現されるため、識別情報の記録に必要な領域の面積は小さくても済む。このため、パターニングされた磁性膜や端子などが形成される基板表面においても、識別情報を記録するため空き領域を確保することは可能である。
【0126】
図15は、ウェハ表面の一部を示す平面図であり、図16は、基板表面における一つのチップに対応する領域を拡大表示した平面図である。
【0127】
図15からわかるように、基板表面は、それぞれが磁気ヘッドのチップ基板に対応する複数の領域46に区画されている。図16では、8個の完全な領域46が記載されている。この基板は、最終的には、各領域46の境界線に沿って分離され、1枚の基板(ウェハ)から多数のチップ基板が作製される。図16に示される1つのチップ基板は、1つの領域46に相当し、基板上の各領域46には、識別情報の記録された矩形領域45が存在する。図16のハッチングされた領域には、電気/磁気トランスデューサ素子を構成する磁性膜や端子などが記載されている。この結果、読み取り光を識別情報に照射することができる。なお、電気/磁気トランスデューサ素子や他の素子を構成する部材の一部が識別情報を覆う位置に存在したとしても、その部材が読み取り光を透過すれば問題ない。
【0128】
このように、ウェハの表面に識別情報を記録する場合、識別情報が書き込まれる領域は相対的に狭い範囲に制限され、かつ、それらの領域は図15に示すように離散的に配列される。このため、図10Aに示すようなフォトマスクを用いた実施形態を好適に適用することができる。
【0129】
【発明の効果】
本発明によれば、多様な識別情報を少ないフォトマスクを用いて板状部材に記録することが可能であり、フォトマスクの価格に起因する製造コストの上昇を大きく抑制することができる。
【0130】
本発明は、ウェハなどの板状部材から複数の部品を切り出す製造方法に対して好適に適用される。特に、本発明によれば、識別情報が基板裏面側(リーディングエッジ側)ではなく表面側(トレーリングエッジ側)に記録された薄膜磁気ヘッド用基板を少ないフォトマスクで製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は磁気ヘッド用スライダの斜視図であり、(b)は磁気ヘッド用スライダが分離される前のバーを示す斜視図であり、(c)は矩形の焼結体基板を示す斜視図である。
【図2】レーザマーキング工程を模式的に示す図である。
【図3】(a)は識別情報を示す図であり、(b)および(c)は、複数のウェハにそれぞれ異なる識別情報が記録された状態を示す図である。(b)は、各ウェハの1箇所に識別情報が記録された場合を示し、(c)は、各ウェハの複数の箇所に識別情報が書き込まれた場合を示している。
【図4】(a)は、実施形態1における第1フォトマスクの構成を模式的に示し、(b)は第2フォトマスクの構成を模式的に示している。
【図5】(a)は、実施形態1における第1フォトマスクの一部を示す平面図であり、(b)および(c)は、第1フォトマスクを用いて行う第1露光工程を示す断面図である。
【図6】(a)は、実施形態1における第2フォトマスクの一部を示す平面図であり、(b)および(c)は、第2フォトマスクを用いて行う第2露光工程を示す断面図である。
【図7】(a)は、実施形態1における第2フォトマスクの一部を示す平面図であり、(b)および(c)は、第2フォトマスクを用いて行う第2露光工程を示す断面図であり、(d)は、露光工程後のレジスト層を示す平面図である。
【図8】(a)から(e)現像されたレジスト層を有するウェハに対して、識別情報を記録する方法を示す工程断面である。(a)は、現像直後のウェハを示し、(b)はエッチング後のウェハを示す。(c)〜(d)は、リフトオフ法を示し、(e)は表面改質法を示している。
【図9A】(a)は、本発明の識別情報記録方法の第1の実施形態に用いられ得るフォトマスクの構成を示す平面図であり、(b)および(c)は、第1の実施形態の工程途上のウェハを示す図である。
【図9B】(a)から(d)は、第1の実施形態の工程途上のウェハを示す図である。
【図9C】(a)から(c)は、第1の実施形態の工程途上のウェハを示す図である。
【図9D】(a)から(e)は、それぞれ、識別情報を構成する文字列を他の不要な文字列と区別するようにした例を示す平面図である。
【図10A】本発明の識別情報記録方法の第2の実施形態に用いられ得るフォトマスクの構成を示す平面図である。
【図10B】第2の実施形態の工程途上のウェハ表面を示す平面図である。
【図10C】第2の実施形態におけるウェハ表面に形成した文字列Bを示す平面図である。
【図11】本発明の実施形態で用いら得るフォトマスク上における文字のサイズと配列ピッチを示す平面図である。
【図12】(a)は、実施形態3で使用する識別情報のひとつを示す図であり、(b)は、識別情報が書き込まれた状態のウェハを示す平面図であり、(c)は実施形態3で使用する第1フォトマスクの構成を示す図である。
【図13】実施形態4で使用する文字列群の構成を模式的に示す平面図である。
【図14】(a)および(b)はアライメントマークの構成を示すレイアウト図である。
【図15】ウェハ表面の一部を示す平面図である。
【図16】ウェハ表面における一つのチップに対応する領域を拡大表示した平面図である。
【符号の説明】
1 セラミックスウェハ(焼結体基板)
2 表面
3 基板裏面
4 基板端面
5 レンズ
6 レーザビーム
10 磁気ヘッドスライダ
11 エア・ベアリング面(ABS)のサイドレール
12 基板表面がらの積層薄膜
13 識別情報(IDまたはIDマーク)
20 バー

Claims (19)

  1. 複数の板状部材に対して相互に異なる識別情報を記録する方法であって、
    前記識別情報は、z桁の文字列A、およびz桁の文字列Bを含む文字列群(zおよびzは1以上の整数)であり、
    (a)文字列Aを規定する開口パターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列された第1フォトマスクと、文字列Bに用いられ得る異なる種類の文字を規定する開口パターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列された第2フォトマスクを用意する工程と、
    (b)前記板状部材の表面にポジ型フォトレジスト層を形成する工程と、
    (c)前記第1フォトマスクを用い、前記フォトレジスト層を露光することにより、前記文字列Aの潜像を前記フォトレジスト層に形成する工程と、
    (d)前記第2フォトマスクを用い、前記文字列Bを構成するべき文字の潜像を前記フォトレジスト層の所定領域内に形成するとともに、前記文字列Bを構成しない文字を前記フォトレジスト層の前記所定領域の外側に形成する工程と、
    を含み、
    (e)前記工程(d)を必要な回数だけ行うことにより、前記文字列Bを構成する文字の潜像を全て前記第ポジ型フォトレジスト層の前記所定領域内に形成した後、前記フォトレジスト層に対する現像を行う工程と、
    (f)前記フォトレジスト層上に前記フォトレジスト層とは異なる材料の膜を堆積する工程と、
    (g)前記フォトレジスト層を除去することにより、前記膜のリフトオフを行い、それによって、前記膜から前記文字列Aおよび文字列Bを規定する第1のパターンと前記文字列Aおよび前記文字列Bを構成しない第2のパターンを形成する工程と、
    を含む方法。
  2. 複数の板状部材に対して相互に異なる識別情報を記録する方法であって、
    前記識別情報は、文字列Bを含み、
    (a)文字列Bに用いられ得る異なる種類の文字を規定する開口パターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列されたフォトマスクを用意する工程と、
    (b)前記板状部材の表面にポジ型フォトレジスト層を形成する工程と、
    (c)前記フォトマスクを用い、前記文字列Bを構成するべき文字の潜像を前記フォトレジスト層の所定領域内に形成するとともに、前記文字列Bを構成しない文字を前記フォトレジスト層の前記所定領域の外側に形成する工程と、
    を含み、
    (d)前記工程(c)を必要な回数だけ行うことにより、前記文字列Bを構成する文字の潜像を全て前記第ポジ型フォトレジスト層の前記所定領域内に形成した後、前記フォトレジスト層に対する現像を行う工程と、
    (e)前記フォトレジスト層上に前記フォトレジスト層とは異なる材料の膜を堆積する工程と、
    (f)前記フォトレジスト層を除去することにより、前記膜のリフトオフを行い、それによって、前記膜から前記文字列Bを規定する第1のパターンと前記文字列Bを構成しない第2のパターンを形成する工程と、
    を含む方法。
  3. 複数の板状部材に対して相互に異なる識別情報を記録する方法であって、
    前記識別情報は、z桁の文字列A、z桁の文字列B、およびz桁の文字列Cを含む文字列群(zは0以上の整数、zおよびzは1以上の整数)によって表現されており、
    (a)文字列Aおよび文字列Cを規定する開口パターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列された第1フォトマスクと、文字列Bに用いられ得る異なる種類の文字を規定する開口パターンがX軸方向およびY軸方向に沿って周期的に配列された第2フォトマスクを用意する工程と、
    (b)前記板状部材の表面にポジ型フォトレジスト層を形成する工程と、
    (c)前記第1フォトマスクを用い、前記フォトレジスト層を露光することにより、前記フォトレジスト層の複数の領域の各々に対し、前記文字列Aおよび文字列Cの潜像を形成する第1露光工程と、
    (d)前記第2フォトマスクを用い、前記複数の領域の各々における前記文字列Bが形成されるべき領域に対して、前記文字列Bを構成する文字の潜像を1桁ずつ形成するとともに、前記文字列Bを構成しない文字を前記フォトレジスト層の前記所定領域の外側に形成する第2露光工程と、
    を含み、
    (e)前記工程(d)を必要な回数だけ行うことにより、前記文字列Bを構成する文字の潜像を全て前記第ポジ型フォトレジスト層の前記所定領域内に形成した後、前記フォトレジスト層に対する現像を行う工程と、
    (f)前記フォトレジスト層上に前記フォトレジスト層とは異なる材料の膜を堆積する工程と、
    (g)前記フォトレジスト層を除去することにより、前記膜のリフトオフを行い、それによって、前記膜から前記文字列A、文字列B、および文字列Cを規定する第1のパターンと、前記文字列A、文字列B、および文字列Cを構成しない第2のパターンを形成する工程と、
    を含む方法。
  4. 前記フォトマスク上において、文字列Bに用いられ得る文字のY軸方向サイズをy1とし、同一の文字のY軸方向周期をy2とした場合、Y軸方向に沿って計測した距離がy2の区間内に、文字列Bに用いられる異なる種類のm個(mは2以上の整数)の文字が配列されており、m≦y2/y1の関係が成立している、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記フォトマスク上において、文字列Bに用いられ得る文字のX軸方向サイズをx1とし、同一の文字のX軸方向周期をx2とした場合、X軸方向に沿って計測した距離がx2の区間内に、文字列Bに用いられる異なる種類のm’個(m’は2以上の整数)の文字が配列されており、m’≦x2/x1の関係が成立している、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記第2のパターンの少なくとも一部を除去する工程を更に含む請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記文字列Bは2桁以上であり、
    前記工程(d)は、前記文字列Bを構成する文字の潜像を1桁ずつ、前記フォトレジスト層に形成することを含む請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 同一のフォトマスクの異なる部分を用いて、前記文字列Bを構成する文字の潜像を1桁ずつ、前記フォトレジスト層に形成する請求項7に記載の方法。
  9. 前記フォトマスク上の選択された文字が所定の位置に投影されるように、前記フォトマスクを前記フォトレジスト層に対して位置あわせする工程を包含する請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記板状部材の表面に前記フォトレジスト層を形成する前にアライメントマークを形成する工程を更に包含し、前記位置あわせ工程は前記アライメントマークを用いて実行する請求項9に記載の方法。
  11. 前記露光を行うとき、マスクアライナを用い、前記フォトレジスト層の全面に前記文字列の潜像を形成する請求項8から10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記露光を行うとき、ステッパを用い、前記フォトレジスト層の区分された複数の領域に対して、前記文字列の潜像を順次形成する請求項8から10のいずれかに記載の方法。
  13. 前記文字列Cは、前記フォトレジスト層の前記複数の領域毎に異なっている文字列から構成されている請求項3に記載の方法。
  14. 前記複数の領域は、行および列からなるマトリックス状に配列されており、
    前記複数の領域のうち、第M行第N列(MおよびNは自然数)に位置する領域に割り当てられる文字列CをCMNで表記した場合、M≠Jおよび/またはN≠K(JおよびKは自然数)とすると、CMN≠CJKが成立する請求項13に記載の方法。
  15. 前記複数の領域のうち、第M行第N列(MおよびNは自然数)に位置する領域に割り当てられる文字列AをAMNで表記した場合、M≠Jおよび/またはN≠K(JおよびKは自然数)とすると、AMN=AJKが成立する請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1露光工程において、マスクアライナを用い、前記フォトレジスト層の全面に前記文字列Aおよび文字列Cの潜像を形成する請求項13から15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記第2露光工程において、ステッパを用い、各々が前記フォトレジスト層の複数の領域を含む更に広い複数の領域の各々に対して、前記文字列Bの潜像を順次形成する請求項13から15のいずれかに記載の方法。
  18. 文字列Bは、前記更に広い複数の領域毎に異なる文字列から構成されている請求項17に記載の方法。
  19. 請求項1から18のいずれかに記載の方法で識別情報が記録された前記板状部材を用意する工程と、
    前記板状部材の選択された面上に薄膜を堆積する工程と、
    前記板状部材を切断することにより、複数の分割部品に分割する工程と、
    を包含する電子部品の製造方法。
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