JP2004245165A - エンジンの気化器 - Google Patents
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Abstract
【課題】経験や勘に頼ることなく、始動操作に不慣れな作業者であっても、簡単で、しかも予め設定したエンジン回転数の範囲でエンジンを確実に始動させることができるようにする。
【解決手段】チョーク操作レバー15を閉位置に回動させると、係合ピン14を介して連設するチョークレバー10が反時計回り方向へ回動してチョーク弁6が閉弁すると共に、チョークレバー10にロッド17を介して連設するアイドルアップレバー16が時計回り方向へ回動する。すると、アイドルアップレバー16に突設したボス16aがスロットルレバー9に形成したリブ9aを押圧し、スロットル弁5をアイドルアップ開度に強制開弁させる。そして、エンジン始動後、チョーク操作レバー15を初期位置に戻すと、チョーク弁6が全開位置に戻ると共に、アイドルアップレバー16が反時計回り方向へ回動し、ボス16aをリブ9aから離間させて、スロットル弁5の強制開弁を解除する。
【選択図】図2
【解決手段】チョーク操作レバー15を閉位置に回動させると、係合ピン14を介して連設するチョークレバー10が反時計回り方向へ回動してチョーク弁6が閉弁すると共に、チョークレバー10にロッド17を介して連設するアイドルアップレバー16が時計回り方向へ回動する。すると、アイドルアップレバー16に突設したボス16aがスロットルレバー9に形成したリブ9aを押圧し、スロットル弁5をアイドルアップ開度に強制開弁させる。そして、エンジン始動後、チョーク操作レバー15を初期位置に戻すと、チョーク弁6が全開位置に戻ると共に、アイドルアップレバー16が反時計回り方向へ回動し、ボス16aをリブ9aから離間させて、スロットル弁5の強制開弁を解除する。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョークレバーの閉弁動作に連動してスロットル弁をアイドルアップ開度まで開弁させるようにしたエンジンの気化器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、作業機を動作させる汎用エンジン等に採用されている気化器は、燃料と空気とを混合するベンチュリの上流側にチョーク弁を配設し、下流側にスロットル弁を配設し、冷態始動の際には、チョーク弁を閉じて混合気をリッチ化させると共に、スロットル弁をやや開いて、暖機運転時のエンジン回転数をやや高めに設定することで、良好な始動性を得るようにしている。
【0003】
又、汎用エンジンには、エンジンの負荷変動に応じてスロットル弁の開度を制御し、エンジン回転数を負荷変動に影響されることなく一定回転数に制御するガバナ機構を併設しているものがある。
【0004】
ガバナ機構付きエンジンの冷態始動に際しては、上述したチョーク弁の閉弁操作を行い、又、ガバナ機構を操作してスロットル弁を全開とした状態で始動操作を行うようにしている。
【0005】
しかし、冷態始動に際して、チョーク弁とスロットル弁とを別々に操作する作業が煩わしいため、例えば、特許文献1には、冷態始動に際し、ガバナ機構のコントロールレバーを停止位置から高速運転位置を越えてチョーク閉弁位置にセットすることで、チョーク弁を閉弁させると共にスロットル弁を全開動作させるようにした技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−220478号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1に記載されている技術では、冷態始動に際して、スロットル弁を全開とするため、始動後にエンジン回転数が急激に上昇して、騒音が発生するばかりでなく、燃費悪化の原因となる。
【0008】
又、例えば作業機とエンジンとが遠心クラッチを介して接続されている場合、エンジン回転数がある設定回転数以上となったとき遠心クラッチが自動的に接続されてしまう。そのため、スロットル弁を全開させた状態で始動させると、始動直後のエンジン回転数の上昇により遠心クラッチが接続されて、作業機側に動力が伝達されるため、暖機運転時のエンジン負荷が増大し燃費悪化を一層助長することになる。
【0009】
これを防止するためには、始動に際して、作業者がスロットルレバーを操作して、スロットル弁の開度を遠心クラッチが接続されないエンジン回転数に微調整する必要があるが、作業には、ある程度の経験や勘を必要とし、操作に不慣れな作業者は、遠心クラッチが接続されることのないエンジン回転数領域で、エンジンを容易に始動させることが困難となり、スムーズな始動操作性を得ることができないという問題がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、経験や勘に頼ることなく、始動操作に不慣れな作業者であっても、簡単で、しかも予め設定したエンジン回転数の範囲でエンジンを確実に始動させることができ、良好な始動操作性を得ることのできるエンジンの気化器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、気化器本体に設けたベンチュリの上流側にチョーク弁を配設し、下流側にスロットル弁を配設したエンジンの気化器において、上記スロットル弁を固設するスロットル軸にアイドルアップ部材を回動自在に軸装し、上記アイドルアップ部材に係合部を設け、上記スロットル軸に軸着するスロットルレバーに上記係合部に当接して上記スロットル弁を開弁方向へ付勢する受け部を設け、上記チョーク弁を固設するチョーク軸に軸着するチョークレバーと上記アイドルアップ部材とをリンク部材を介して連設し、上記チョークレバーを閉弁動作させると上記係合部が上記受け部を付勢して上記スロットル弁をアイドルアップ開度に設定することを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記チョークレバーの、上記チョーク弁の全開位置と閉弁位置とに対応する位置に位置決め部を各々形成し、上記気化器本体に上記位置決め部に係合する掛止部材を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1或いは2記載の発明において、上記アイドルアップ回転数は上記エンジンの出力軸に連設する遠心クラッチを接続させることのない値に設定されていることを特徴とする。
【0014】
請求項1記載の発明では、始動時においてチョークレバーを操作してチョーク弁を閉弁させると、チョークレバーにリンク部材を介して連設すると共にスロットル軸に回動自在に軸装されているアイドルアップ部材が回動し、アイドルアップ部材に設けた係合部がスロットル軸に設けた受け部を付勢する。すると、受け部を介してスロットル軸に固設したスロットル弁がアイドルアップ開度に設定される。そして、エンジンが始動して所定時間経過後、チョークレバーを操作してチョーク弁を全開させると、チョークレバーにリンク部材を介してアイドルアップ部材が回動し、係合部がスロットル軸に設けた受け部から離間してスロットル弁の強制開弁が解除される。
【0015】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、チョークレバーの、チョーク弁の全開位置と閉弁位置とに対応する位置に位置決め部を各々形成し、気化器本体に、位置決め部に係合する掛止部材を設けたので、チョークレバーの全開位置と閉弁位置とを容易に判別することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、請求項1或いは2に記載の発明において、アイドルアップ回転数をエンジンの出力軸に連設する遠心クラッチを接続させることのない値に設定したので、エンジン始動後、暖機運転へ移行した場合にも遠心クラッチが接続されることがなく、エンジン負荷を軽減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1はチョーク弁を閉弁した状態のガバナ機構付きエンジンの要部概略図、図2は図1に示す気化器の拡大図、図3は気化器の要部を示す一部断面側面図、図4はチョーク弁を開弁した状態の図2相当の一部断面拡大図である。尚、図1、図2、図4においては気化器本体を便宜的に断面で示す。
【0018】
図1の符号1は汎用エンジン等のエンジン、2はエンジン1の吸気系に接続される気化器である。図2、図4に示すように、気化器2の気化器本体3に吸気通路3aが形成されている。吸気通路3aにベンチュリ4が形成され、ベンチュリ4の下流にスロットル弁5、上流にチョーク弁6が各々配設されている。
【0019】
スロットル弁5、チョーク弁6は、スロットル軸7、チョーク軸8にそれぞれ固設されており、各軸7,8が気化器本体3に回動自在に支持されている。更に、各軸7,8の気化器本体3から外方に突出されている軸端にスロットルレバー9、チョークレバー10が各々軸着されている。
【0020】
又、スロットルレバー9の一端にスロットルアイドル調整ねじ11が螺入されており、スロットルアイドル調整ねじ11の先端を、気化器本体3に突設されているストッパプレート12に当接させることで、スロットル弁5の最小開度が設定される。尚、図2、図4においては、ストッパプレート12を一点鎖線で示す。
【0021】
スロットルアイドル調整ねじ11によりスロットル弁5の最小開度を調整することで、アイドル回転数が気化器本体3側でダイレクトに設定される。尚、図示しないがスロットル軸7にはスロットル弁5を閉弁方向へ付勢するスロットルスプリングが介装されている。
【0022】
更に、チョークレバー10の外周には、チョーク弁6の全開位置と閉弁位置とを設定する位置決め部としての第1、第2のノッチ10a,10bが各々形成されており、各ノッチ10a,10bに係合する掛止部材としての位置決めローラ13が気化器本体3に設けられている。又、チョークレバー10の端部に略法線方向へ延出する長孔10cが穿設されており、長孔10cに係入されている係合ピン14の一端が、チョーク操作レバー15の一端に植設されている。チョーク操作レバー15はベルクランク状に形成されており、その回転中心が気化器本体3に支持されている。
【0023】
又、スロットル軸7には、アイドルアップ部材としてのアイドルアップレバー16が回動自在に軸装されており、アイドルアップレバー16の一端と、チョークレバー10とが、リンク部材としてのロッド17を介して連設されている。更に、アイドルアップレバー16には係合部としてのボス16aが突設されている。一方、スロットルレバー9には、ボス16aに当接する受け部としてのリブ9aが形成されている。
【0024】
以下においては、チョークレバー10と、チョークレバー10にロッド17を介して連設するアイドルアップレバー16と、アイドルアップレバー16に突設されているボス16aと、スロットルレバー9に形成されているリブ9aとの位置関係について説明する。
【0025】
図1、図4において、スロットル弁5は時計回り方向への回動で開弁され、一方、チョーク弁6は反時計回り方向への回動で閉弁される。
【0026】
図2に示すように、チョークレバー10に形成されている第2のノッチ10bが位置決めローラ13に係合されている状態(チョーク弁6が閉弁状態)では、アイドルアップレバー16に突設されているボス16aが、スロットルレバー9に形成されているリブ9aを付勢して、スロットル弁5をやや開弁させた開度(アイドルアップ開度)に強制的開弁させる。
【0027】
ロッド17はくの字状に曲げ形成されており、その一端が、チョークレバー10に対しチョーク軸8を挟んで長孔10cと反対側で支持されている。又、ロッド17の他端は、チョーク軸8とスロットル軸7とを結ぶ直線を横切って図の上方へ延出され、その端部がアイドルアップレバー16に支持されている。従って、図2に示すように、チョークレバー10を反時計回り方向(閉弁方向)へ回転させると、アイドルアップレバー16が時計回り方向へ引かれる。又、図4に示すように、チョークレバー10を時計回り方向(開弁方向)へ回転させると、アイドルアップレバー16が反時計回り方向へ押し上げられる。
【0028】
図4に示すように、チョーク操作レバー15が開位置にセットされた状態では、チョークレバー10に形成されている第1のノッチ10aが、気化器本体3に設けられている位置決めローラ13に係合されると共に、チョーク弁6が全開位置となる。操作者は第1のノッチ10aを位置決めローラ13に係合させることで、その節度感によりチョーク弁6の全開位置を容易に判別できる。
【0029】
又、チョークレバー10にロッド17を介して連設するアイドルアップレバー16に突設されているボス16aは、スロットルレバー9に形成されているリブ9aから所定に離間された位置に配置されている。
【0030】
一方、図2に示すように、チョーク操作レバー15が閉位置にセットされた状態では、チョークレバー10に形成されている第2のノッチ10bが、気化器本体3に設けられている位置決めローラ13に係合されると共に、チョーク弁6が閉弁位置となる。操作者は第2のノッチ10bを位置決めローラ13に係合させることで得られる節度感によりチョーク弁6の閉弁位置を容易に判別できる。
【0031】
又、チョークレバー10にロッド17を介して連設するアイドルアップレバー16に突設されているボス16aが、スロットルレバー9に形成されているリブ9aを押圧し、スロットル弁5をやや開弁させた開度(アイドルアップ開度)に強制開弁する。
【0032】
冷態始動時におけるエンジン回転数(アイドルアップ回転数)は、例えばエンジン1の出力軸が遠心クラッチを介して作業機に接続されている場合であっても、遠心クラッチが接続動作することのない値に設定する。すなわち、チョーク弁6を閉弁した際に、ロッド17を介して、アイドルアップレバー16のボス16aによりスロットルレバー9のリブ9aを押圧して開弁されるスロットル弁5のアイドルアップ開度が、遠心クラッチが接続しないアイドルアップ回転数を得るに適正な開度が得られるように、ロッド17を介しての各レバー10,16のレバー比、ロッド17の長さ、アイドルアップレバーに突設するボスの位置、及びスロットルレバー9に固設するリブの位置をそれぞれ設定する。
【0033】
チョークレバー10に形成されている第2のノッチ10bが、気化器本体3に設けられている位置決めローラ13に係合されている状態では、ロッド17のチョークレバー10に掛止されている一端が、ほぼチョーク軸8を挟んでアイドルアップレバー16に掛止されている他端に対向する位置に配設されるように設定されている。
【0034】
従って、この状態でアイドルアップレバー16に、スロットル弁5を閉弁させる方向(図の反時計回り方向)への力が作用しても、チョークレバー10に回転力が付勢され難く、スロットル弁5はアイドルアップ開度を保持した状態を維持する。
【0035】
又、図1に示すように、スロットルレバー9にはガバナ動作レバー18が固設されている。更に、ガバナ動作レバー18に、ガバナ機構21を構成するガバナロッド22の一端が掛止されている。尚、図2、図4においては、ガバナ動作レバー18を便宜的に省略する。
【0036】
以下、ガバナ機構21の構成について簡単に説明する。ガバナ機構21は、エンジン負荷の変動に影響されることなく、エンジン回転数を一定値に制御するもので、本実施の形態では遠心式式ガバナ機構を示す。
【0037】
図1に示すように、エンジン1のクランク室1aには、その内壁にガバナ支持軸23が植設されており、ガバナ支持軸23にカップ状のガバナホルダ24が回動自在に支持されている。又、ガバナホルダ24の先端にガバナスリーブ25が進退自在に挿通されている。ガバナホルダ24内には、ガバナウエイト26が遠心力で拡開自在に支持されている。
【0038】
ガバナホルダ24の外周には、エンジン1のクランク軸やカム軸等の回転軸に形成したドライブギヤに噛合するドリブンギヤ24aが形成されている。又、ガバナウエイト26には、ガバナスリーブ25に形成したフランジに係合する爪を有しており、ガバナウエイト26が遠心力で拡開すると、その爪がフランジを軸方向へ付勢してガバナスリーブ25に突出方向への付勢力を発生させる。
【0039】
ガバナスリーブ25の先端には、ガバナ軸27の先端が当接されている。ガバナ軸27は、エンジン1のクランクケース(図示せず)に回動自在に支持されており、ガバナ軸27のクランクケースから外方へ突出された軸端部にガバナレバー28の基部が軸着されている。更に、ガバナレバー28の先端に、ガバナロッド22の他端が掛止されている。
【0040】
一方、符号31はスピードコントロールレバーであり、エンジン1に固設されているコントロールブラケット(図示せず)に支持されている。スピードコントロールレバー31は、エンジン1の運転状態をアイドル運転と定速運転との何れか一方に設定するためのもので、アイドル運転に際しては、スピードコントロールレバー31を、図1の反時計回り方向(ガバナレバー28に近接する方向)へ回動させて、スピードコントロールレバー31に螺装されているガバナアイドル調整ねじ32を、コントロールブラケット(図示せず)等に形成されているアイドルストッパ35aに当接させる。一方、定速運転に際しては、スピードコントロールレバー31を、図1の時計回り方向(ガバナレバー28から離間する方向)へ回転させて、スピードコントロールレバー31に螺装されているガバナ調整ねじ33を、コントロールブラケット(図示せず)等に形成されているガバナストッパ35bに当接させる。
【0041】
スピードコントロールレバー31とガバナレバー28とはガバナスプリング34を介して連設されており、スピードコントロールレバー31に螺装されているアイドル調整ねじ32がアイドルストッパ35aに当接された状態では、ガバナスプリング34がガバナレバー28を弱い力で引張し、ガバナ機構21が殆ど動作しないアイドル運転状態となる。一方、スピードコントロールレバー31を操作し、スピードコントロールレバー31に螺設されているガバナ調整ねじ33をガバナストッパ35bに当接させると、ガバナスプリング34が比較的強く引かれ、ガバナスプリング34の付勢力とガバナウエイト26に発生する遠心力により突出するガバナスリーブ25に発生する押圧力との釣り合いでスロットル弁5を開閉動作させて、エンジン回転数が一定に保持されるように制御される定速運転状態となる。
【0042】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
エンジン停止時を含め通常時は、気化器本体3に併設されているチョーク操作レバー15を、図4に示すように開位置にセットする。この状態では、チョーク操作レバー15に係合ピン14を介して連設するチョークレバー10の外周に形成した第1のノッチ10aが、気化器本体3に支持する位置決めローラ13に係合されて、チョーク軸8がチョーク弁6を全開状態とした位置で固定される。
【0043】
一方、チョークレバー10にロッド17を介して連設すると共にスロットル軸7に回動自在に支持されているアイドルアップレバー16に突設されているボス16aは、スロットルレバー9に形成されているリブ9aに対し、所定に離間して位置する。
【0044】
停止状態からエンジン1を始動する場合は、先ず、スピードコントロールレバー31を、図1の反時計回り方向へ回動させて、スピードコントロールレバー31に螺装されているアイドル調整ねじ32の先端をアイドルストッパ35aに当接させる。その結果、ガバナレバー28が、スロットル軸7に固設されているガバナ動作レバー18をガバナスプリング34による比較的弱い付勢力で、図1の時計回り方向へ回動させて、スロットル弁5を微小開弁させる。
【0045】
又、エンジン冷態始動時は、さらに、気化器本体3に併設されているチョーク操作レバー15を時計回り方向へ回動させる。すると、チョーク操作レバー15の先端に植設されている係合ピン14が、チョーク軸8に軸着されているチョークレバー10に穿設されている長孔10cを、図4の上方へ押圧してチョークレバー10を反時計回り方向へ回動させる。その結果、チョーク軸8に固設されているチョーク弁6が閉弁動作される。
【0046】
更に、チョークレバー10の回転により、チョークレバー10に対し、ロッド17を介して連設すると共に、スロットル軸7に回動自在に支持されているアイドルアップレバー16が、時計回り方向へ回動する。その際、アイドルアップレバー16に突設されているボス16aが、スロットルレバー9に形成されているリブ9aに当接し、次いで、アイドルアップレバー16の更なる回動によりリブ9aが押圧付勢され、スロットルレバー9が時計回り方向へ回動する。
【0047】
そして、図2に示すように、チョークレバー10に形成した第2のノッチ10bが、気化器本体3に支持されている位置決めローラ13に係合されて位置決めされると、チョーク操作レバー15が閉位置にセットされると共に、チョーク弁6が閉弁する。
【0048】
又、チョークレバー10にロッド17を介して連設するアイドルアップレバー16に突設されているボス16aが、スロットルレバー9に形成されているリブ9aを押圧し、スロットルレバー9を軸着するスロットル軸7を僅かに回動させる。その結果、スロットル弁5はアイドルアップ開度に固定される。
【0049】
そして、冷態状態でエンジン1を始動すると、チョーク弁6の閉弁による濃空燃比と、スロットル弁5の開度によりエンジン回転数が所定のアイドルアップ回転数に立ち上がり、スムーズな始動性を得ることがでできる。又、上述のようにアイドルアップ回転数は、例えばエンジン1が遠心クラッチを介して作業機に接続されている場合には、遠心クラッチを接続させることのない値に設定されているため、エンジン1に無駄な負荷が印加されることが無く、エンジン騒音を低減させることができると共に、燃費を向上させることができる。
【0050】
尚、アイドルアップ回転数は、ロッド17の長さや各レバー10,16のレバー比等を変更することで、エンジン1に接続するクラッチ、或いは作業機等に応じて適宜設定することができる。
【0051】
又、エンジン1が回転すると、ガバナ機構21に設けられているガバナホルダ24の外周に形成されているドリブンギヤ24aが、クランク軸、カム軸等の回転軸に設けたドライブギヤに噛合されているため、ガバナホルダ24が回転し、ガバナホルダ24に拡開自在に支持されているガバナウエイト26が遠心力を受けて拡開動作してガバナスリーブ25を突出動作させる。
【0052】
ガバナスリーブ25が突出動作すると、ガバナスリーブ25の先端に当接するガバナ軸27を基部に軸着するガバナレバー28が、ガバナロッド22、ガバナ動作レバー18、スロットル軸7を介してスロットル弁5を閉弁方向へ回動させようとする。しかし、スロットルレバー9に形成したリブ9aがアイドルアップレバー16に突設されているボス16aにて掛止されているため、スロットル弁5は閉弁することなく、アイドルアップ開度が保持されて、通常のアイドル回転数よりも高いアイドルアップ回転数に維持される。
【0053】
そして、エンジン1の暖機運転が所定に終了した場合、チョーク操作レバー15を、図4に示す開位置に戻す。これにより、チョーク操作レバー15の回動に連動してチョークレバー10が時計回り方向へ回動し、外周に形成した第1のノッチ10bに位置決めローラ13が係合し、チョークレバー10が位置決めされると共にチョーク弁6が全開となる。
【0054】
同時に、チョークレバー10にロッド17を介して連設するアイドルアップレバー16が反時計回り方向へ回動する。アイドルアップレバー16はスロットル軸7に回動自在に支持されているため、ボス16aのみが、スロットルレバー9に形成されているリブ9aから離間され、スロットル弁5の強制開弁が解除される。その結果、スロットル弁5は、ガバナスプリング34の付勢力とガバナウエイト26に作用する遠心力との釣り合いで開閉動作されて、アイドル回転数が制御される。
【0055】
そして、スピードコントロールレバー31を、図1の時計回り方向へ回動させて、ガバナ調整ねじ33をガバナストッパ35bに当接すると、エンジン1は定速運転となる。定速運転では、ガバナスプリング34の張力の増加によりスロットル弁5の開度が増加して、エンジン回転数が上昇する。それに伴い、ガバナウエイト26に作用する遠心力が増加するため、スロットル弁5は、ガバナスプリング34の付勢力とガバナウエイト26に作用する遠心力との釣り合いで開閉動作されて、エンジン回転数が所定の定速回転数に保持されるように制御される。
【0056】
本実施の形態では、エンジン1の始動に際し、チョーク操作レバー15を閉位置にセットすることで、チョーク弁6を閉弁させると共に、スロットル弁5をアイドルアップ開度に固定させることができるので、良好な始動操作性を得ることができる。
【0057】
又、例えばエンジン1が作業機に対して遠心クラッチを介して接続されている場合、アイドルアップ回転数は、遠心クラッチが接続されない値に設定されているので、エンジン1を始動させた後、エンジン回転数が上昇しても、作業機にエンジン出力が伝達されることがないので、エンジン1に不要な負荷が印加されることが無く、その結果、エンジン騒音の低減、燃費の向上を図ることができる。
【0058】
更に、経験や勘に頼ることなく、始動操作に不慣れな作業者であっても、簡単でしかも確実に始動操作を行うことができる。
【0059】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、始動操作に不慣れな作業者であっても、簡単で、しかも予め設定したエンジン回転数の範囲でエンジンを確実に始動させることができ、良好な始動操作性を得ることができる等、優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】チョーク弁を閉弁した状態のガバナ機構付きエンジンの要部概略図
【図2】図1に示す気化器の拡大図
【図3】気化器の要部を示す一部断面側面図
【図4】チョーク弁を開弁した状態の図2相当の一部断面拡大図
【符号の説明】
1 エンジン
2 気化器
3 気化器本体
4 ベンチュリ
5 スロットル弁
6 チョーク弁
7 スロットル軸
8 チョーク軸
9a リブ(受け部)
10 チョークレバー
10a 第1のノッチ(位置決め部)
10b 第2のノッチ(位置決め部)
13 位置決めローラ(掛止部材)
16 アイドルアップレバー(アイドルアップ部材)
16a ボス(係合部)
17 ロッド(リンク部材)
21 ガバナ機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョークレバーの閉弁動作に連動してスロットル弁をアイドルアップ開度まで開弁させるようにしたエンジンの気化器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、作業機を動作させる汎用エンジン等に採用されている気化器は、燃料と空気とを混合するベンチュリの上流側にチョーク弁を配設し、下流側にスロットル弁を配設し、冷態始動の際には、チョーク弁を閉じて混合気をリッチ化させると共に、スロットル弁をやや開いて、暖機運転時のエンジン回転数をやや高めに設定することで、良好な始動性を得るようにしている。
【0003】
又、汎用エンジンには、エンジンの負荷変動に応じてスロットル弁の開度を制御し、エンジン回転数を負荷変動に影響されることなく一定回転数に制御するガバナ機構を併設しているものがある。
【0004】
ガバナ機構付きエンジンの冷態始動に際しては、上述したチョーク弁の閉弁操作を行い、又、ガバナ機構を操作してスロットル弁を全開とした状態で始動操作を行うようにしている。
【0005】
しかし、冷態始動に際して、チョーク弁とスロットル弁とを別々に操作する作業が煩わしいため、例えば、特許文献1には、冷態始動に際し、ガバナ機構のコントロールレバーを停止位置から高速運転位置を越えてチョーク閉弁位置にセットすることで、チョーク弁を閉弁させると共にスロットル弁を全開動作させるようにした技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−220478号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1に記載されている技術では、冷態始動に際して、スロットル弁を全開とするため、始動後にエンジン回転数が急激に上昇して、騒音が発生するばかりでなく、燃費悪化の原因となる。
【0008】
又、例えば作業機とエンジンとが遠心クラッチを介して接続されている場合、エンジン回転数がある設定回転数以上となったとき遠心クラッチが自動的に接続されてしまう。そのため、スロットル弁を全開させた状態で始動させると、始動直後のエンジン回転数の上昇により遠心クラッチが接続されて、作業機側に動力が伝達されるため、暖機運転時のエンジン負荷が増大し燃費悪化を一層助長することになる。
【0009】
これを防止するためには、始動に際して、作業者がスロットルレバーを操作して、スロットル弁の開度を遠心クラッチが接続されないエンジン回転数に微調整する必要があるが、作業には、ある程度の経験や勘を必要とし、操作に不慣れな作業者は、遠心クラッチが接続されることのないエンジン回転数領域で、エンジンを容易に始動させることが困難となり、スムーズな始動操作性を得ることができないという問題がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、経験や勘に頼ることなく、始動操作に不慣れな作業者であっても、簡単で、しかも予め設定したエンジン回転数の範囲でエンジンを確実に始動させることができ、良好な始動操作性を得ることのできるエンジンの気化器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、気化器本体に設けたベンチュリの上流側にチョーク弁を配設し、下流側にスロットル弁を配設したエンジンの気化器において、上記スロットル弁を固設するスロットル軸にアイドルアップ部材を回動自在に軸装し、上記アイドルアップ部材に係合部を設け、上記スロットル軸に軸着するスロットルレバーに上記係合部に当接して上記スロットル弁を開弁方向へ付勢する受け部を設け、上記チョーク弁を固設するチョーク軸に軸着するチョークレバーと上記アイドルアップ部材とをリンク部材を介して連設し、上記チョークレバーを閉弁動作させると上記係合部が上記受け部を付勢して上記スロットル弁をアイドルアップ開度に設定することを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記チョークレバーの、上記チョーク弁の全開位置と閉弁位置とに対応する位置に位置決め部を各々形成し、上記気化器本体に上記位置決め部に係合する掛止部材を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1或いは2記載の発明において、上記アイドルアップ回転数は上記エンジンの出力軸に連設する遠心クラッチを接続させることのない値に設定されていることを特徴とする。
【0014】
請求項1記載の発明では、始動時においてチョークレバーを操作してチョーク弁を閉弁させると、チョークレバーにリンク部材を介して連設すると共にスロットル軸に回動自在に軸装されているアイドルアップ部材が回動し、アイドルアップ部材に設けた係合部がスロットル軸に設けた受け部を付勢する。すると、受け部を介してスロットル軸に固設したスロットル弁がアイドルアップ開度に設定される。そして、エンジンが始動して所定時間経過後、チョークレバーを操作してチョーク弁を全開させると、チョークレバーにリンク部材を介してアイドルアップ部材が回動し、係合部がスロットル軸に設けた受け部から離間してスロットル弁の強制開弁が解除される。
【0015】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、チョークレバーの、チョーク弁の全開位置と閉弁位置とに対応する位置に位置決め部を各々形成し、気化器本体に、位置決め部に係合する掛止部材を設けたので、チョークレバーの全開位置と閉弁位置とを容易に判別することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、請求項1或いは2に記載の発明において、アイドルアップ回転数をエンジンの出力軸に連設する遠心クラッチを接続させることのない値に設定したので、エンジン始動後、暖機運転へ移行した場合にも遠心クラッチが接続されることがなく、エンジン負荷を軽減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1はチョーク弁を閉弁した状態のガバナ機構付きエンジンの要部概略図、図2は図1に示す気化器の拡大図、図3は気化器の要部を示す一部断面側面図、図4はチョーク弁を開弁した状態の図2相当の一部断面拡大図である。尚、図1、図2、図4においては気化器本体を便宜的に断面で示す。
【0018】
図1の符号1は汎用エンジン等のエンジン、2はエンジン1の吸気系に接続される気化器である。図2、図4に示すように、気化器2の気化器本体3に吸気通路3aが形成されている。吸気通路3aにベンチュリ4が形成され、ベンチュリ4の下流にスロットル弁5、上流にチョーク弁6が各々配設されている。
【0019】
スロットル弁5、チョーク弁6は、スロットル軸7、チョーク軸8にそれぞれ固設されており、各軸7,8が気化器本体3に回動自在に支持されている。更に、各軸7,8の気化器本体3から外方に突出されている軸端にスロットルレバー9、チョークレバー10が各々軸着されている。
【0020】
又、スロットルレバー9の一端にスロットルアイドル調整ねじ11が螺入されており、スロットルアイドル調整ねじ11の先端を、気化器本体3に突設されているストッパプレート12に当接させることで、スロットル弁5の最小開度が設定される。尚、図2、図4においては、ストッパプレート12を一点鎖線で示す。
【0021】
スロットルアイドル調整ねじ11によりスロットル弁5の最小開度を調整することで、アイドル回転数が気化器本体3側でダイレクトに設定される。尚、図示しないがスロットル軸7にはスロットル弁5を閉弁方向へ付勢するスロットルスプリングが介装されている。
【0022】
更に、チョークレバー10の外周には、チョーク弁6の全開位置と閉弁位置とを設定する位置決め部としての第1、第2のノッチ10a,10bが各々形成されており、各ノッチ10a,10bに係合する掛止部材としての位置決めローラ13が気化器本体3に設けられている。又、チョークレバー10の端部に略法線方向へ延出する長孔10cが穿設されており、長孔10cに係入されている係合ピン14の一端が、チョーク操作レバー15の一端に植設されている。チョーク操作レバー15はベルクランク状に形成されており、その回転中心が気化器本体3に支持されている。
【0023】
又、スロットル軸7には、アイドルアップ部材としてのアイドルアップレバー16が回動自在に軸装されており、アイドルアップレバー16の一端と、チョークレバー10とが、リンク部材としてのロッド17を介して連設されている。更に、アイドルアップレバー16には係合部としてのボス16aが突設されている。一方、スロットルレバー9には、ボス16aに当接する受け部としてのリブ9aが形成されている。
【0024】
以下においては、チョークレバー10と、チョークレバー10にロッド17を介して連設するアイドルアップレバー16と、アイドルアップレバー16に突設されているボス16aと、スロットルレバー9に形成されているリブ9aとの位置関係について説明する。
【0025】
図1、図4において、スロットル弁5は時計回り方向への回動で開弁され、一方、チョーク弁6は反時計回り方向への回動で閉弁される。
【0026】
図2に示すように、チョークレバー10に形成されている第2のノッチ10bが位置決めローラ13に係合されている状態(チョーク弁6が閉弁状態)では、アイドルアップレバー16に突設されているボス16aが、スロットルレバー9に形成されているリブ9aを付勢して、スロットル弁5をやや開弁させた開度(アイドルアップ開度)に強制的開弁させる。
【0027】
ロッド17はくの字状に曲げ形成されており、その一端が、チョークレバー10に対しチョーク軸8を挟んで長孔10cと反対側で支持されている。又、ロッド17の他端は、チョーク軸8とスロットル軸7とを結ぶ直線を横切って図の上方へ延出され、その端部がアイドルアップレバー16に支持されている。従って、図2に示すように、チョークレバー10を反時計回り方向(閉弁方向)へ回転させると、アイドルアップレバー16が時計回り方向へ引かれる。又、図4に示すように、チョークレバー10を時計回り方向(開弁方向)へ回転させると、アイドルアップレバー16が反時計回り方向へ押し上げられる。
【0028】
図4に示すように、チョーク操作レバー15が開位置にセットされた状態では、チョークレバー10に形成されている第1のノッチ10aが、気化器本体3に設けられている位置決めローラ13に係合されると共に、チョーク弁6が全開位置となる。操作者は第1のノッチ10aを位置決めローラ13に係合させることで、その節度感によりチョーク弁6の全開位置を容易に判別できる。
【0029】
又、チョークレバー10にロッド17を介して連設するアイドルアップレバー16に突設されているボス16aは、スロットルレバー9に形成されているリブ9aから所定に離間された位置に配置されている。
【0030】
一方、図2に示すように、チョーク操作レバー15が閉位置にセットされた状態では、チョークレバー10に形成されている第2のノッチ10bが、気化器本体3に設けられている位置決めローラ13に係合されると共に、チョーク弁6が閉弁位置となる。操作者は第2のノッチ10bを位置決めローラ13に係合させることで得られる節度感によりチョーク弁6の閉弁位置を容易に判別できる。
【0031】
又、チョークレバー10にロッド17を介して連設するアイドルアップレバー16に突設されているボス16aが、スロットルレバー9に形成されているリブ9aを押圧し、スロットル弁5をやや開弁させた開度(アイドルアップ開度)に強制開弁する。
【0032】
冷態始動時におけるエンジン回転数(アイドルアップ回転数)は、例えばエンジン1の出力軸が遠心クラッチを介して作業機に接続されている場合であっても、遠心クラッチが接続動作することのない値に設定する。すなわち、チョーク弁6を閉弁した際に、ロッド17を介して、アイドルアップレバー16のボス16aによりスロットルレバー9のリブ9aを押圧して開弁されるスロットル弁5のアイドルアップ開度が、遠心クラッチが接続しないアイドルアップ回転数を得るに適正な開度が得られるように、ロッド17を介しての各レバー10,16のレバー比、ロッド17の長さ、アイドルアップレバーに突設するボスの位置、及びスロットルレバー9に固設するリブの位置をそれぞれ設定する。
【0033】
チョークレバー10に形成されている第2のノッチ10bが、気化器本体3に設けられている位置決めローラ13に係合されている状態では、ロッド17のチョークレバー10に掛止されている一端が、ほぼチョーク軸8を挟んでアイドルアップレバー16に掛止されている他端に対向する位置に配設されるように設定されている。
【0034】
従って、この状態でアイドルアップレバー16に、スロットル弁5を閉弁させる方向(図の反時計回り方向)への力が作用しても、チョークレバー10に回転力が付勢され難く、スロットル弁5はアイドルアップ開度を保持した状態を維持する。
【0035】
又、図1に示すように、スロットルレバー9にはガバナ動作レバー18が固設されている。更に、ガバナ動作レバー18に、ガバナ機構21を構成するガバナロッド22の一端が掛止されている。尚、図2、図4においては、ガバナ動作レバー18を便宜的に省略する。
【0036】
以下、ガバナ機構21の構成について簡単に説明する。ガバナ機構21は、エンジン負荷の変動に影響されることなく、エンジン回転数を一定値に制御するもので、本実施の形態では遠心式式ガバナ機構を示す。
【0037】
図1に示すように、エンジン1のクランク室1aには、その内壁にガバナ支持軸23が植設されており、ガバナ支持軸23にカップ状のガバナホルダ24が回動自在に支持されている。又、ガバナホルダ24の先端にガバナスリーブ25が進退自在に挿通されている。ガバナホルダ24内には、ガバナウエイト26が遠心力で拡開自在に支持されている。
【0038】
ガバナホルダ24の外周には、エンジン1のクランク軸やカム軸等の回転軸に形成したドライブギヤに噛合するドリブンギヤ24aが形成されている。又、ガバナウエイト26には、ガバナスリーブ25に形成したフランジに係合する爪を有しており、ガバナウエイト26が遠心力で拡開すると、その爪がフランジを軸方向へ付勢してガバナスリーブ25に突出方向への付勢力を発生させる。
【0039】
ガバナスリーブ25の先端には、ガバナ軸27の先端が当接されている。ガバナ軸27は、エンジン1のクランクケース(図示せず)に回動自在に支持されており、ガバナ軸27のクランクケースから外方へ突出された軸端部にガバナレバー28の基部が軸着されている。更に、ガバナレバー28の先端に、ガバナロッド22の他端が掛止されている。
【0040】
一方、符号31はスピードコントロールレバーであり、エンジン1に固設されているコントロールブラケット(図示せず)に支持されている。スピードコントロールレバー31は、エンジン1の運転状態をアイドル運転と定速運転との何れか一方に設定するためのもので、アイドル運転に際しては、スピードコントロールレバー31を、図1の反時計回り方向(ガバナレバー28に近接する方向)へ回動させて、スピードコントロールレバー31に螺装されているガバナアイドル調整ねじ32を、コントロールブラケット(図示せず)等に形成されているアイドルストッパ35aに当接させる。一方、定速運転に際しては、スピードコントロールレバー31を、図1の時計回り方向(ガバナレバー28から離間する方向)へ回転させて、スピードコントロールレバー31に螺装されているガバナ調整ねじ33を、コントロールブラケット(図示せず)等に形成されているガバナストッパ35bに当接させる。
【0041】
スピードコントロールレバー31とガバナレバー28とはガバナスプリング34を介して連設されており、スピードコントロールレバー31に螺装されているアイドル調整ねじ32がアイドルストッパ35aに当接された状態では、ガバナスプリング34がガバナレバー28を弱い力で引張し、ガバナ機構21が殆ど動作しないアイドル運転状態となる。一方、スピードコントロールレバー31を操作し、スピードコントロールレバー31に螺設されているガバナ調整ねじ33をガバナストッパ35bに当接させると、ガバナスプリング34が比較的強く引かれ、ガバナスプリング34の付勢力とガバナウエイト26に発生する遠心力により突出するガバナスリーブ25に発生する押圧力との釣り合いでスロットル弁5を開閉動作させて、エンジン回転数が一定に保持されるように制御される定速運転状態となる。
【0042】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
エンジン停止時を含め通常時は、気化器本体3に併設されているチョーク操作レバー15を、図4に示すように開位置にセットする。この状態では、チョーク操作レバー15に係合ピン14を介して連設するチョークレバー10の外周に形成した第1のノッチ10aが、気化器本体3に支持する位置決めローラ13に係合されて、チョーク軸8がチョーク弁6を全開状態とした位置で固定される。
【0043】
一方、チョークレバー10にロッド17を介して連設すると共にスロットル軸7に回動自在に支持されているアイドルアップレバー16に突設されているボス16aは、スロットルレバー9に形成されているリブ9aに対し、所定に離間して位置する。
【0044】
停止状態からエンジン1を始動する場合は、先ず、スピードコントロールレバー31を、図1の反時計回り方向へ回動させて、スピードコントロールレバー31に螺装されているアイドル調整ねじ32の先端をアイドルストッパ35aに当接させる。その結果、ガバナレバー28が、スロットル軸7に固設されているガバナ動作レバー18をガバナスプリング34による比較的弱い付勢力で、図1の時計回り方向へ回動させて、スロットル弁5を微小開弁させる。
【0045】
又、エンジン冷態始動時は、さらに、気化器本体3に併設されているチョーク操作レバー15を時計回り方向へ回動させる。すると、チョーク操作レバー15の先端に植設されている係合ピン14が、チョーク軸8に軸着されているチョークレバー10に穿設されている長孔10cを、図4の上方へ押圧してチョークレバー10を反時計回り方向へ回動させる。その結果、チョーク軸8に固設されているチョーク弁6が閉弁動作される。
【0046】
更に、チョークレバー10の回転により、チョークレバー10に対し、ロッド17を介して連設すると共に、スロットル軸7に回動自在に支持されているアイドルアップレバー16が、時計回り方向へ回動する。その際、アイドルアップレバー16に突設されているボス16aが、スロットルレバー9に形成されているリブ9aに当接し、次いで、アイドルアップレバー16の更なる回動によりリブ9aが押圧付勢され、スロットルレバー9が時計回り方向へ回動する。
【0047】
そして、図2に示すように、チョークレバー10に形成した第2のノッチ10bが、気化器本体3に支持されている位置決めローラ13に係合されて位置決めされると、チョーク操作レバー15が閉位置にセットされると共に、チョーク弁6が閉弁する。
【0048】
又、チョークレバー10にロッド17を介して連設するアイドルアップレバー16に突設されているボス16aが、スロットルレバー9に形成されているリブ9aを押圧し、スロットルレバー9を軸着するスロットル軸7を僅かに回動させる。その結果、スロットル弁5はアイドルアップ開度に固定される。
【0049】
そして、冷態状態でエンジン1を始動すると、チョーク弁6の閉弁による濃空燃比と、スロットル弁5の開度によりエンジン回転数が所定のアイドルアップ回転数に立ち上がり、スムーズな始動性を得ることがでできる。又、上述のようにアイドルアップ回転数は、例えばエンジン1が遠心クラッチを介して作業機に接続されている場合には、遠心クラッチを接続させることのない値に設定されているため、エンジン1に無駄な負荷が印加されることが無く、エンジン騒音を低減させることができると共に、燃費を向上させることができる。
【0050】
尚、アイドルアップ回転数は、ロッド17の長さや各レバー10,16のレバー比等を変更することで、エンジン1に接続するクラッチ、或いは作業機等に応じて適宜設定することができる。
【0051】
又、エンジン1が回転すると、ガバナ機構21に設けられているガバナホルダ24の外周に形成されているドリブンギヤ24aが、クランク軸、カム軸等の回転軸に設けたドライブギヤに噛合されているため、ガバナホルダ24が回転し、ガバナホルダ24に拡開自在に支持されているガバナウエイト26が遠心力を受けて拡開動作してガバナスリーブ25を突出動作させる。
【0052】
ガバナスリーブ25が突出動作すると、ガバナスリーブ25の先端に当接するガバナ軸27を基部に軸着するガバナレバー28が、ガバナロッド22、ガバナ動作レバー18、スロットル軸7を介してスロットル弁5を閉弁方向へ回動させようとする。しかし、スロットルレバー9に形成したリブ9aがアイドルアップレバー16に突設されているボス16aにて掛止されているため、スロットル弁5は閉弁することなく、アイドルアップ開度が保持されて、通常のアイドル回転数よりも高いアイドルアップ回転数に維持される。
【0053】
そして、エンジン1の暖機運転が所定に終了した場合、チョーク操作レバー15を、図4に示す開位置に戻す。これにより、チョーク操作レバー15の回動に連動してチョークレバー10が時計回り方向へ回動し、外周に形成した第1のノッチ10bに位置決めローラ13が係合し、チョークレバー10が位置決めされると共にチョーク弁6が全開となる。
【0054】
同時に、チョークレバー10にロッド17を介して連設するアイドルアップレバー16が反時計回り方向へ回動する。アイドルアップレバー16はスロットル軸7に回動自在に支持されているため、ボス16aのみが、スロットルレバー9に形成されているリブ9aから離間され、スロットル弁5の強制開弁が解除される。その結果、スロットル弁5は、ガバナスプリング34の付勢力とガバナウエイト26に作用する遠心力との釣り合いで開閉動作されて、アイドル回転数が制御される。
【0055】
そして、スピードコントロールレバー31を、図1の時計回り方向へ回動させて、ガバナ調整ねじ33をガバナストッパ35bに当接すると、エンジン1は定速運転となる。定速運転では、ガバナスプリング34の張力の増加によりスロットル弁5の開度が増加して、エンジン回転数が上昇する。それに伴い、ガバナウエイト26に作用する遠心力が増加するため、スロットル弁5は、ガバナスプリング34の付勢力とガバナウエイト26に作用する遠心力との釣り合いで開閉動作されて、エンジン回転数が所定の定速回転数に保持されるように制御される。
【0056】
本実施の形態では、エンジン1の始動に際し、チョーク操作レバー15を閉位置にセットすることで、チョーク弁6を閉弁させると共に、スロットル弁5をアイドルアップ開度に固定させることができるので、良好な始動操作性を得ることができる。
【0057】
又、例えばエンジン1が作業機に対して遠心クラッチを介して接続されている場合、アイドルアップ回転数は、遠心クラッチが接続されない値に設定されているので、エンジン1を始動させた後、エンジン回転数が上昇しても、作業機にエンジン出力が伝達されることがないので、エンジン1に不要な負荷が印加されることが無く、その結果、エンジン騒音の低減、燃費の向上を図ることができる。
【0058】
更に、経験や勘に頼ることなく、始動操作に不慣れな作業者であっても、簡単でしかも確実に始動操作を行うことができる。
【0059】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、始動操作に不慣れな作業者であっても、簡単で、しかも予め設定したエンジン回転数の範囲でエンジンを確実に始動させることができ、良好な始動操作性を得ることができる等、優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】チョーク弁を閉弁した状態のガバナ機構付きエンジンの要部概略図
【図2】図1に示す気化器の拡大図
【図3】気化器の要部を示す一部断面側面図
【図4】チョーク弁を開弁した状態の図2相当の一部断面拡大図
【符号の説明】
1 エンジン
2 気化器
3 気化器本体
4 ベンチュリ
5 スロットル弁
6 チョーク弁
7 スロットル軸
8 チョーク軸
9a リブ(受け部)
10 チョークレバー
10a 第1のノッチ(位置決め部)
10b 第2のノッチ(位置決め部)
13 位置決めローラ(掛止部材)
16 アイドルアップレバー(アイドルアップ部材)
16a ボス(係合部)
17 ロッド(リンク部材)
21 ガバナ機構
Claims (3)
- 気化器本体に設けたベンチュリの上流側にチョーク弁を配設し、下流側にスロットル弁を配設したエンジンの気化器において、
上記スロットル弁を固設するスロットル軸にアイドルアップ部材を回動自在に軸装し、
上記アイドルアップ部材に係合部を設け、
上記スロットル軸に軸着するスロットルレバーに上記係合部に当接して上記スロットル弁を開弁方向へ付勢する受け部を設け、
上記チョーク弁を固設するチョーク軸に軸着するチョークレバーと上記アイドルアップ部材とをリンク部材を介して連設し、
上記チョークレバーを閉弁動作させると上記係合部が上記受け部を付勢して上記スロットル弁をアイドルアップ開度に設定することを特徴とするエンジンの気化器。 - 上記チョークレバーの、上記チョーク弁の全開位置と閉弁位置とに対応する位置に位置決め部を各々形成し、
上記気化器本体に上記位置決め部に係合する掛止部材を設けたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの気化器。 - 上記アイドルアップ回転数は上記エンジンの出力軸に連設する遠心クラッチを接続させることのない値に設定されていることを特徴とする請求項1或いは2記載のエンジンの気化器。
Priority Applications (1)
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Publications (1)
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009250088A (ja) * | 2008-04-03 | 2009-10-29 | Yanmar Co Ltd | エンジンの燃料供給装置 |
| CN113847148A (zh) * | 2021-10-14 | 2021-12-28 | 隆鑫通用动力股份有限公司 | 多功能油门组合及发动机 |
-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003037313A patent/JP2004245165A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009250088A (ja) * | 2008-04-03 | 2009-10-29 | Yanmar Co Ltd | エンジンの燃料供給装置 |
| CN113847148A (zh) * | 2021-10-14 | 2021-12-28 | 隆鑫通用动力股份有限公司 | 多功能油门组合及发动机 |
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