JP2004247610A - 基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単結晶Si基板11の上に絶縁層12を形成し(a)、絶縁層12を通して基板11中にイオンを注入してイオン注入層13を形成する(b)。次いで、絶縁層12を薄膜化して薄い絶縁層12aとする(c)。次いで、(c)に示す第1基板を第2基板20に重ね合わせて結合基板30を形成し(d)、その後、結合基板30をイオン注入層13の部分で分割する(e)。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の製造方法に係り、より詳しくは、埋め込み絶縁層を有する基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁層上に半導体層を有する基板は、SOI(Silicon On Insulator 又は、Semiconductor On Insulator)基板として知られている。SOI基板の製造方法の1つが特開平5−211128号公報に開示されている。同公報に開示された方法では、半導体基板を下方区域と薄い上方区域とに分離するために該半導体基板にイオンを注入し、次いで、該半導体基板を補剛材と密着させ、次いで、該半導体基板と該補剛材とのアセンブリを熱処理することによりイオン注入層において結晶の再配列と気泡の凝集を生じさせ、これにより該下方区域と該薄い上方区域とを分離する。この方法により、半導体基板の薄い上方区域が補剛材に移設される。
【0003】
同公報には、更に、イオンを注入すべき半導体基板として、酸化シリコン等の封入層を有する半導体基板を採用すること、そして、この封入層は、イオン注入の後に除去されてもよいし残されてもよいことが開示されている。しかしながら、同公報には、イオン注入後に酸化シリコン封入層を薄膜化することについては開示も示唆もない。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−211128号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、SOI基板の製造方法として、半導体基板の表面に絶縁層を形成し、その後に、その絶縁層を通して半導体基板中にイオンを打ち込んでイオン注入層を形成し、その半導体基板を他の基板と結合して結合基板を作製し、その後、その結合基板をイオン注入層で分割する方法に注目している。
【0006】
しかしながら、この方法では、最終的に得られるSOI基板におけるSOI層及びその下の埋め込み酸化膜(BOX層)の厚さは、半導体基板にイオンを注入する深さによって制御される。そして、薄いBOX層を得ようとするとSOI層が厚くなり、逆に、薄いSOI層を得ようとするとBOX層が厚くなるという課題がある。ここで、SOI層及びBOX層の双方を薄くするためには、イオン注入のエネルギーを低くする必要があるが、このような方法では、イオン注入層の形成を精密に制御することや、安定してイオン注入層を形成することが困難になる。
【0007】
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、例えば、薄い埋め込み絶縁膜を有する基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の製造方法は、埋め込み絶縁層を有する基板の製造方法に係り、該方法は、半導体領域を含む第1基板の前記半導体領域の上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記絶縁層を通して前記半導体領域中にイオンを注入してイオン注入層を形成する注入工程と、前記注入工程の後に前記絶縁層を薄化する絶縁層薄化工程と、前記絶縁層を挟んで前記第1基板に第2基板を結合させて結合基板を作製する結合工程と、前記結合基板を前記イオン注入層を利用して分割し、前記第2基板の上に前記絶縁層を有しその上に前記半導体領域の一部である半導体層を有する基板を得る分割工程とを含む。
【0009】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記絶縁層薄化工程は、前記絶縁層をエッチングする工程、又は、前記絶縁層を研磨する工程を含みうる。
【0010】
本発明の好適な実施の形態によれば、本発明の製造方法は、分割後の第2基板の表面に残留するイオン注入層を除去する除去工程を更に含むことが好ましい。ここで、前記除去工程は、分割後の第2基板の表面をエッチングする工程、又は、分割後の第2基板の表面を研磨する工程(例えば、CMP工程)を含みうる。
【0011】
本発明の好適な実施の形態によれば、本発明の製造方法は、分割後の第2基板の前記半導体層を薄化する半導体層薄化工程を更に含むことが好ましい。ここで、前記半導体層薄化工程は、前記半導体層をエッチングする工程、又は、前記半導体層を研磨する工程(例えば、CMP工程)を含みうる。
【0012】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記絶縁層形成工程では、エピタキシャル層を表面にする第1基板の上に前記絶縁層を形成することが好ましい。ここで、前記エピタキシャル層は、前記絶縁層形成工程及びその後の工程において消費される前記半導体領域の厚さの2倍以上の厚さを有することが好ましい。
【0013】
本発明の好適な実施の形態によれば、本発明の製造方法は、分割後の第1基板を、前記注入工程においてイオンを注入すべき第1基板又は第2基板として利用可能にする再生工程を更に含むことが好ましい。ここで、前記再生工程は、分割後の第1基板の表面に残留するイオン注入層を除去する工程、又は、分割後の第1基板の表面を平坦化する工程を含みうる。
【0014】
本発明の好適な実施の形態によれば、本発明の製造方法は、前記再生工程において再生された基板にエピタキシャル層を成長させる成長工程を更に含むことが好ましく、この場合において、前記絶縁層形成工程では、前記再生工程で再生された基板の前記エピタキシャル層の上に絶縁層を形成する。ここで、前記成長工程では、前記絶縁層形成工程及びその後の工程で失われる前記半導体領域の厚さの2倍以上の厚さのエピタキシャル層を形成することが好ましい。更に、前記絶縁層形成工程から前記再生工程までを1サイクルとする製造工程が複数回実施される都度、前記成長工程が実施されることが好ましい。
【0015】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記半導体領域は、単結晶シリコン領域であることが好ましい。前記絶縁層形成工程では、前記単結晶シリコン領域の表面を熱酸化させることにより前記絶縁層を形成することができる。
【0016】
本発明の他の側面は、埋め込み絶縁層を有する基板の製造方法に係り、該製造方法は、分離層の上に半導体層を有しその上に絶縁層を有する第1基板を作製する第1工程と、前記絶縁層を挟んで前記第1基板を第2基板と結合させて結合基板を作製する第2工程と、前記結合基板を前記分離層の部分で分割する第3工程と、分割後の第1基板側の表面を処理した後に該表面上にエピタキシャル層を成長させ、これにより得られた基板を前記第1工程における材料として再利用する第4工程とを含む。
【0017】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記第4工程では、前記第1工程及びその後の工程において消費される前記半導体層の厚さの2倍以上の厚さのエピタキシャル層を形成することが好ましい。ここで、前記第1工程から前記第3工程までを含む工程を1サイクルとする製造工程が複数サイクル実施される都度、前記第4工程を実施することが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0019】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態の基板製造方法を工程順に示す模式図である。まず、図1(a)に示す工程では、第1の単結晶Si基板(シード基板)11を準備し、その表面に熱酸化法等により厚さToxの絶縁層(シリコン酸化膜)12を形成する。ここで、第1基板11としては、表面にエピタキシャル層が形成された単結晶Si基板を準備してもよい。
【0020】
次いで、図1(b)に示す工程では、図1(a)に示す第1基板に対してその主表面(絶縁層12が形成された面)から希ガス、水素、及び、窒素のうち少なくとも1種の元素をイオン注入し、内部にイオン注入層13を形成する。なお、図1では、基板11のうちイオン注入層13の上側が単結晶Si層11b、イオン注入層13の下側が単結晶Si基板11aとして記載されている。イオン注入層13は、後の分割工程(図1(e))において結合基板を2枚の基板に分割するための分離層として機能する。
【0021】
次いで、図1(c)に示す工程では、図1(b)に示す第1基板の最上層である絶縁層12を薄膜化して厚さTBoxの絶縁層12aとする。絶縁層12の薄膜化の方法としては、例えば、ドライエッチングやウェットエッチング等のエッチング、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の研磨等が好適であるが、他の方法を適用することもできる。
【0022】
次いで、図1(d)に示す工程では、図1(c)に示す第1基板の主表面側(すなわち、絶縁層12側)に第2基板(ハンドル基板)20を室温で密着させて結合基板30を作製する。ここで、第2基板20としては、例えば、シリコン基板、シリコン基板上に酸化シリコン膜を形成した基板、石英等の光透過性基板、サファイア基板等が好適であるが、他の基板を採用することもできる。また、第2基板20は、その表面が十分に平坦な基板であることが好ましい。
【0023】
次いで、図1(e)に示す工程では、イオン注入層13の部分で結合基板30を2分割する。分割方法としては、結合基板に加圧する方法、結合基板の一部を引っ張る方法、結合基板にせん断力を印加する方法、結合基板のイオン注入層13に楔を挿入する方法等のように結合基板に対して外部から力を印加する方法の他、結合基板を加熱する方法、結合基板に熱応力を発生させる方法、結合基板を軟化させる方法等が好適であるが、他の方法を採用することもできる。
【0024】
このような分割によって、第1基板側、第2基板側にイオン注入層13の一部13b、13aがそれぞれ残る。
【0025】
図1(f)に示す工程では、分割後の第2基板の表面を平坦化する。この平坦化は、CMP等の研磨工程と、それに続く、水素を含む還元性雰囲気中での熱処理工程を含むことが好ましい。ここで、平坦化において、CMP等の研磨工程を実施することにより、SOI層としての単結晶Si層11cを薄膜化することができ、より薄いSOI層を得ることができる。以上の工程により、図1(f)に模式的に示すようなSOI基板40が得られる。
【0026】
SOI基板40は、図1(a)に示す工程で形成した絶縁層12の厚さToxよりも薄い厚さTBOXを有する絶縁層12aを埋め込み酸化膜(BOX)として有する。すなわち、イオン注入に適した厚さを有する絶縁層12を第1基板11の表面に形成した後に該絶縁層12を介して第1基板11中にイオンを注入し、その後に絶縁層12を薄膜化することによって、埋め込み酸化膜としての絶縁層12aの厚さを自由に制御することができる。また、結合基板30の分割後に、残留するイオン注入層13bを除去しつつその下の単結晶Si層11bを薄膜化することにより、最終的に得られるSOI層としての単結晶Si層11cの厚さを自由に制御することができる。ここで、埋め込み絶縁層12aの平坦性は、第1基板を第2基板に結合させる前の絶縁層12の薄膜化又は平坦化工程に依存し、SOI層11cの平坦性は、SOI層11の薄膜化又は平坦化工程に依存する。
【0027】
更に、分割後の第1基板11aについては、図1(g)に示す工程において、表面に残留するイオン注入層13bを除去して、表面の平坦性が許容できないほど荒れている場合には表面平坦化を実施することにより、第1のSi単結晶基板11、又は、第2基板20として、再利用することができる。
【0028】
ここで、分割後の第1基板11aを第1の単結晶Si基板11として再利用する場合には、図1(g)に示す工程において残留するイオン注入層13bを除去し、必要に応じて表面を平坦化した後に、図1(h)に示す工程において、基板11cの表面に単結晶Siのエピタキシャル層11dを形成してもよい。これにより、図1(a)〜図1(g)に示す工程において失われた厚さを回復することができるので、基板11を半永久的に再利用することができる。
【0029】
なお、上記の第1基板としては、単結晶Si基板の他、例えば、多結晶Si基板、化合物半導体層を有する基板等のような種々の半導体基板を採用しうる。
【0030】
[第2の実施の形態]
図2は、本発明の第2の実施の形態の基板製造方法を工程順に示す模式図である。この実施の形態は、絶縁層を形成すべき第1基板として、表面にエピタキシャル成長による単結晶Si層を有する単結晶Si基板を使用することを意図している。
【0031】
まず、図2(a)に示す工程では、第1基板(シード基板)111として、表面にエピタキシャル成長による単結晶Si層111fを有する単結晶Si基板111を準備する。そして、第1基板111の表面に熱酸化法用により厚さToxの絶縁層(シリコン酸化膜)112を形成する。
【0032】
次いで、図2(b)に示す工程では、図2(a)に示す第1基板に対してその主表面(絶縁層112)が形成された面)から希ガス、水素、及び、窒素のうち少なくとも1種の元素をイオン注入し、内部にイオン注入層113を形成する。なお、図2では、エピタキシャル成長層111fのうちイオン注入層113の上側が単結晶Si層111b、イオン注入層113の下側が単結晶Si基板111cとして記載されている。ただし、イオン注入層113は、基板111a中に形成されてもよい。
【0033】
次いで、図2(c)に示す工程では、図2(b)に示す第1基板の最上層である絶縁層112を薄膜化して厚さTBoxの絶縁層112aとする。絶縁層112の薄膜化の方法としては、例えば、ドライエッチングやウェットエッチング等のエッチング、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の研磨等が好適であるが、他の方法を適用することもできる。
【0034】
次いで、図2(d)に示す工程では、図2(c)に示す第1基板の主表面側(すなわち、絶縁層112側)に第2基板(ハンドル基板)120を室温で密着させて結合基板130を作製する。ここで、第2基板120としては、例えば、シリコン基板、シリコン基板上に酸化シリコン膜を形成した基板、石英等の光透過性基板、サファイア基板等が好適であるが、他の基板を採用することもできる。また、第2基板120は、その表面が十分に平坦な基板であることが好ましい。
【0035】
次いで、図2(e)に示す工程では、イオン注入層113の部分で結合基板130を2分割する。分割方法としては、結合基板に加圧する方法、結合基板の一部を引っ張る方法、結合基板にせん断力を印加する方法、結合基板のイオン注入層113に楔を挿入する方法等のように結合基板に対して外部から力を印加する方法の他、結合基板を加熱する方法、結合基板に熱応力を発生させる方法、結合基板を軟化させる方法等が好適であるが、他の方法を採用することもできる。
【0036】
このような分割によって、第1基板側、第2基板側にイオン注入層113の一部113b、113aがそれぞれ残る。
【0037】
図2(f)に示す工程では、分割後の第2基板の表面を平坦化する。この平坦化は、CMP工程等の研磨工程と、それに続く、水素を含む還元性雰囲気中での熱処理工程を含むことが好ましい。ここで、平坦化において、CMP工程等の研磨工程を実施することにより、SOI層としての単結晶Si層111dを薄膜化することができ、より薄いSOI層を得ることができる。以上の工程により、図2(f)に模式的に示すようなSOI基板140が得られる。
【0038】
SOI基板140は、図2(a)に示す工程で形成した絶縁層112の厚さToxよりも薄い厚さTBOXを有する絶縁層112aを埋め込み酸化膜(BOX)として有する。すなわち、イオン注入に適した厚さを有する絶縁層112を第1基板111の表面に形成した後に該絶縁層112を介して第1基板111中にイオンを注入し、その後に絶縁層112を薄膜化することによって、埋め込み酸化膜としての絶縁層112aの厚さを自由に制御することができる。また、結合基板130の分割後に、残留するイオン注入層113bを除去しつつその下の単結晶Si層111bを薄膜化することにより、最終的に得られるSOI層としての単結晶Si層111dの厚さを自由に制御することができる。ここで、埋め込み絶縁層112aの平坦性は、第1基板を第2基板に結合させる前の絶縁層112の薄膜化又は平坦化工程に依存し、SOI層111dの平坦性は、SOI層111bの薄膜化又は平坦化工程に依存する。
【0039】
更に、分割後の第1基板111’については、図2(g)に示す工程において残留するイオン注入層113bを除去し、必要に応じて表面を平坦化した後に、図2(h)に示す工程において、基板111’の表面に単結晶Siのエピタキシャル層111eを形成する。これにより、図2(a)〜図2(g)に示す工程において失われた厚さを回復することができるので、基板111を半永久的に再利用することができる。ここで、図2(h)に示す工程では、1サイクルの図2(a)〜図2(g)に示す工程で消費されるSi単結晶の厚さをTcycleとすると、少なくともTcycle以上とすることが好ましく、Tcycleの2倍以上とすることが好ましい。Tcycleの2倍以上の厚さのエピタキシャル層111eを形成することにより、図2(h)に示す工程を実施する頻度を減らすことができる。例えば、Tcycleの2倍以上、3倍未満の厚さのエピタキシャル層111eを形成する場合には、図2(a)〜図2(g)に示す工程を2サイクル実施する都度、図2(f)に示す工程を実施すればよい。
【0040】
以上のようなリサイクル方法は、イオン注入層の代わりに、例えば、陽極化成により多孔質層を形成する方法にも適用することができる。陽極化成によって多孔質層を形成する工程を含むSOI基板の製造方法では、例えば、シード基板の表面に陽極化成により多孔質層(分離層)を形成し、多孔質層の上に単結晶Si層等の半導体層を形成し、半導体層の上に絶縁層を形成して第1基板とし、この第1基板を第2基板(ハンドル基板)に結合させて結合基板を形成し、結合基板を多孔質層の部分で分割する。この分割後の第1基板側に図2(g)、又は、図2(g)及び(h)に示す工程を適用し、この工程で処理された基板をシード基板として再利用することができる。
【0041】
なお、上記の第1基板としては、単結晶Si基板の他、例えば、多結晶Si基板、化合物半導体層を有する基板等のような種々の半導体基板を採用しうる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の具体的な適用例としての実施例を説明する。
【0043】
[実施例1]
まず、第1の単結晶Si基板(シード基板)11上に熱酸化法により700nmのSiO2膜(絶縁膜)12を形成した(図1(a))。次いで、この第1基板の表面のSiO2膜12を通してH+を100keVで5×1016cm−2のイオン注入をしてイオン注入層13を形成した(図1(b))。次いで、第1基板上の700nmのSiO2膜12を弗化水素酸溶液により690nmの厚さだけエッチングし、SiO2膜12を10nm厚のSiO2膜12aとした(図1(c))。次いで、SiO2層12aの表面と別に用意したSi基板(第2基板(ハンドル基板))20の表面とを重ね合わせて結合基板30を形成した(図1(d))。
【0044】
次いで、結合基板30を600℃でアニールしたところ、イオン注入の投影飛程付近(イオン注入層13)で2枚に分割され、第2基板20上には、10nmのSiO2膜12a、その上に表面の荒れた約150nmの単結晶膜11bを有するSOI基板が得られた(図1(e))。このSOI基板の結合強度を向上させるために、1000℃で4時間の熱処理を行った。次いで、SOI基板のSOI層11bの表面を平坦化するため及びSOI層11bを所望の膜厚にするために、CMP法によりSOI層11bの表面を50nm研削研磨した(図1(f))。
【0045】
以上の工程により、Si基板20上に10nmの厚みを有する酸化膜12a、更にその上に100nmの厚さを有する単結晶Si層(SOI層)11cを有するSOI基板40が得られた。作製されたSOI基板40の膜厚を面内全面にわたって100点について測定したところ、SOI層11cの膜厚均一性は100nm±3nmであり、また、酸化膜(BOX;埋め込み酸化膜)12aの膜厚は10nm±1nmと均一であった。
【0046】
[実施例2]
まず、第1の単結晶Si基板(シード基板)11上に熱酸化法により200nmのSiO2膜(絶縁膜)12を形成した(図1(a))。次いで、この第1基板の表面のSiO2膜12を通してH+を30keVで1×1017cm−2のイオン注入をしてイオン注入層13を形成した(図1(b))。次いで、第1基板上の200nmのSiO2膜12を弗化水素酸溶液により180nmの厚さだけエッチングし、SiO2膜12を20nm厚のSiO2膜12aとした(図1(c))。次いで、SiO2層12aの表面と別に用意したSi基板(第2の基板(ハンドル基板))20の表面とを重ね合わせて結合基板30を形成した(図1(d))。
【0047】
次いで、結合基板30を500℃でアニールしたところ、イオン注入の投影飛程付近(イオン注入層13)で2枚に分割され、第2基板20上には、20nmのSiO2膜12a、その上に表面の荒れた約200nmの単結晶膜11bを有するSOI基板が得られた(図1(e))。このSOI基板の結合強度を向上させるために、800℃で3時間の熱処理を行った。次いで、SOI基板のSOI層11bの表面を平坦化するために、水素雰囲気中で1100℃の熱処理を3時間施した(図1(f))。SOI層11bの表面粗さを原子間力顕微鏡で評価したところ、50μm角の領域での平均自乗粗さは、約0.2nmであり、通常市販されているSiウエハと同等であった。
【0048】
以上の工程により、Si基板20上に20nmの厚みを有する酸化膜12a、更にその上に200nmの厚さを有する単結晶Si層(SOI層)11cを有するSOI基板40が得られた。作製されたSOI基板40の膜厚を面内全面にわたって100点について測定したところ、SOI層11cの膜厚均一性は200nm±4nmであり、また、酸化膜(BOX;埋め込み酸化膜)12aの膜厚は20nm±1nmと均一であった。
【0049】
[実施例3]
まず、第1の単結晶Si基板(シード基板)11上に熱酸化法により300nmのSiO2膜(絶縁膜)12を形成した(図1(a))。次いで、この第1基板の表面のSiO2膜12を通してH+を30keVで8×1016cm−2イオン注入してイオン注入層13を形成した(図1(b))。次いで、第1基板上の300nmのSiO2膜12をバッファード弗化水素酸溶液によ295nmエッチングし、SiO2膜12を5nm厚のSiO2膜12aとした(図1(c))。次いで、SiO2層12aの表面と別に用意したSi基板(第2基板(ハンドル基板))20の表面とを重ね合わせて結合基板30を形成した(図1(d))。
【0050】
次いで、結合基板30を450℃でアニールしたところ、イオン注入の投影飛程付近(イオン注入層13)で2枚に分割され、第2基板20上には、5nmのSiO2膜12a、その上に表面の荒れた約100nmの単結晶膜11bを有するSOI基板が得られた(図1(e))。このSOI基板の結合強度を向上させるために、900℃で2時間の熱処理を行った。
【0051】
次いで、SOI基板の表面を平坦化するため及びSOI層11bを所望の膜厚にするために、CMP法によりSOI層11bの表面を50nm研削研磨した(図1(f))。更に、CMPにより導入されるSOI層11bの表面のダメージ除去及び表面平坦化の為に、水素雰囲気中において1050℃の熱処理を2時間施した。熱処理後のSOI層11cの表面粗さを原子間力顕微鏡で評価したところ、50μm角の領域での平均自乗粗さは約0.2nmであり、通常市販されているSiウエハと同等であった。
【0052】
以上の工程により、Si基板20上に5nmの厚みを有する酸化膜12a、更にその上に50nmの厚さを有する単結晶Si層(SOI層)11cを有するSOI基板40が得られた。作製されたSOI基板40の膜厚を面内全面にわたって100点について測定したところ、SOI層11cの膜厚均一性は50nm±2nmであり、また、酸化膜(BOX;埋め込み酸化膜)12aの膜厚は5nm±1nmと均一であった。
【0053】
また、分割後の第1基板11aについては、その表面に残ったイオン注入層13bを水素雰囲気中で熱処理すること、又は、表面研磨等の表面処理を施すことにより(図1(g))、再び第1基板11又は第2基板20として利用することができた。
【0054】
[実施例4]
まず、単結晶Si基板上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法により単結晶Siを1.5μmエピタキシャル成長させて第1基板11を形成した。この際、成長条件は以下の通りとした。
【0055】
ソ−スガス: SiH2Cl2/H2
ガス流量: 0.5/180 litter/min
ガス圧力: 80 Torr
温度: 950 ℃
成長速度: 0.30 μm/min
次いで、第1基板11上に熱酸化により200nmのSiO2膜12を形成した(図1(a))。次いで、この第1基板の表面のSiO2膜12を通してH+を30keVで1×1017cm−2のイオン注入をしてイオン注入層13を形成した(図1(b)。次いで、第1基板上の200nmのSiO2膜12をバッファード弗化水素酸溶液により170nmエッチングし、SiO2膜12を30nm厚のSiO2膜12aとした(図1(c))。次いで、SiO2層12aの表面と別に用意したSi基板(第2基板(ハンドル基板))20の表面とを重ね合わせて結合基板30を形成した(図1(d))。
【0056】
次いで、結合基板30を500℃でアニールしたところ、イオン注入の投影飛程付近(イオン注入層13)で2枚に分割され、第2基板20上には、30nmのSiO2膜12a、その上に表面の荒れた約200nmの単結晶膜11bを有するSOI基板が得られた(図1(e))。このSOI基板の結合強度を向上させるために、1000℃で1時間の熱処理を行った。次いで、SOI基板の表面を平坦化するため及びSOI層11bを所望の膜厚にするために、CMP法により表面の単結晶Si膜11bを170nm研削研磨した(図1(f))。更に、CMPにより導入されるSOI層11bの表面のダメージ除去及び表面平坦化の為に、水素雰囲気中において1000℃の熱処理を2時間施した。熱処理後のSOI層11cの表面粗さを原子間力顕微鏡で評価したところ、50μm角の領域での平均2乗粗さは約0.2nmであり、通常市販されているSiウエハと同等であった。
【0057】
以上の工程により、Si基板20上に30nmの厚みを有する酸化膜12a、更にその上に30nmの厚さを有する単結晶Si層(SOI層)11cを有するSOI基板40が得られた。
【0058】
作製されたSOI基板40を濃HF溶液に15分浸けた後に光学顕微鏡で基板全面を確認したところ、HFにより埋め込み酸化膜(BOX)12aに穴が空いている個所は一個所と極めて少なかった。つまり、表面にエピタキシャルシリコン層を形成した第1基板11を用いることにより、HFdefect試験で従来のCZ基板を用いて作製したSOI基板に比べてCOPフリーの高品質なSOI層を有するSOI基板が得られた。
【0059】
更に、作製されたSOI基板40の膜厚を面内全面にわたって100点について測定したところ、SOI(Si単結晶)膜11cの膜厚均一性は30nm±1.5nmであり、また、酸化膜(BOX;埋め込み酸化膜)12aの膜厚は30nm±1nmと均一であった。
【0060】
また、分割後の第1基板11aについては、その表面に残ったイオン注入層13bを水素雰囲気中で熱処理すること、又は、表面研磨等の表面処理を施すことにより(図11(g)、再び第1基板11又は第2基板20として利用することができた、ここで、分割後の第1基板11aを再び第1基板11として利用する場合には、ウエハ厚減少分をエピタキシャル層11dで補うことにより、半永久的に再利用可能となった。すなわち、製造サイクルの2サイクル目以降は、形成すべきエピタキシャル層11dの膜厚を、絶縁層12の形成から分割に至る工程において消費される膜厚(ウエハ厚減少分)を補う厚さとすることにより、第1基板を半永久的に利用することができる。この場合において、イオン注入層13はエピタキシャル層の内部に形成される。
【0061】
[実施例5]
まず、単結晶Si基板111a上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法により単結晶Si層111fを3μmエピタキシャル成長させて第1基板111を形成した。この際、成長条件は以下の通りとした。
【0062】
ソ−スガス: SiH2Cl2/H2
ガス流量: 0.5/180 litter/min
ガス圧力: 80 Torr
温度: 950 ℃
成長速度: 0.30 μm/min
次いで、第1基板111上に熱酸化法により200nmのSiO2膜12を形成した(図2(a))。次いで、この第1基板の表面のSiO2膜112を通してH+を30keVで1×1017cm−2イオン注入してイオン注入層113を形成した(図2(b))。次いで、第1基板上の200nmのSiO2膜112をバッファード弗化水素酸溶液により170nmエッチングし、SiO2膜112を30nm厚のSiO2膜112aとした(図2(c))。次いで、SiO2層112aの表面と別に用意したSi基板(第2基板(ハンドル基板))120の表面とを重ね合わせて結合基板130を形成した(図2(d))。
【0063】
次いで、結語基板130を500℃でアニールしたところ、イオン注入の投影飛程付近(イオン注入層113)で2枚に分割され、第2基板120上には、30nmのSiO2膜112a、その上に表面の荒れた約200nmの単結晶膜111bを有するSOI基板が得られた(図2(e))。このSOI基板の結合強度を向上させるために、1000℃で1時間の熱処理を行った。次いで、SOI基板の表面を平坦化するため及びSOI層111bを所望の膜厚にするために、CMP法により表面の単結晶Si膜111bを170nm研削研磨した(図2(f))。更に、CMPにより導入されるSOI層111bの表面のダメージ除去及び表面平坦化の為に、水素雰囲気中において1000℃の熱処理を2時間施した。熱処理後のSOI層111dの表面粗さを原子間力顕微鏡で評価したところ、50μm角の領域の平均2乗粗さは約0.2nmであり、通常市販されているSiウエハと同等であった。
【0064】
以上の工程により、Si基板120上に30nmの厚みを有する酸化膜112a、更にその上に30nmの厚さを有する単結晶Si層(SOI層)111dを有するSOI基板140が得られた。
【0065】
作製されたSOI基板140を濃HF溶液に15分浸けた後に光学顕微鏡で基板全面を確認したところ、HFにより埋め込み酸化膜(BOX)112aに穴が空いている個所は一個所と極めて少なかった。つまり、表面にエピタキシャルシリコン層111fを形成した第1基板111を用いることにより、HFdefect試験で従来のCZ基板を用いて作製したSOI基板に比べてCOPフリーの高品質なSOI層を有するSOI基板が得られた。
【0066】
更に、作製されたSOI基板140の膜厚を面内全面にわたって100点について測定したところ、SOI(Si単結晶)膜111dの膜厚均一性は30nm±1.5nmであり、また、酸化膜(BOX;埋め込み酸化膜)112aの膜厚は30nm±1nmと均一であった。
【0067】
また、分割後の第1基板111’については、その表面に残ったイオン注入層113bを水素雰囲気中で熱処理すること、又は、表面研磨等の表面処理を施し(図2(g))、再び第1基板111として利用した。この一連の工程からなるサイクルを9サイクルにわたって実施したところ、第1単結晶Si基板111a上に予め成長した3umのエピタキシャル層111fが0.2umとなった。そこで、エピタキシャル層の減少分を補うために第1基板111’に再びエピタキシャル層111eを形成することにより、第1基板を再度利用可能にした。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば、薄い埋め込み絶縁膜を有する基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の基板製造方法を工程順に示す模式図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の基板製造方法を工程順に示す模式図である。
Claims (1)
- 埋め込み絶縁層を有する基板の製造方法であって、
半導体領域を含む第1基板の前記半導体領域の上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層を通して前記半導体領域中にイオンを注入してイオン注入層を形成する注入工程と、
前記注入工程の後に前記絶縁層を薄化する絶縁層薄化工程と、
前記絶縁層を挟んで前記第1基板に第2基板を結合させて結合基板を作製する結合工程と、
前記結合基板を前記イオン注入層を利用して分割し、前記第2基板の上に前記絶縁層を有しその上に前記半導体領域の一部である半導体層を有する基板を得る分割工程と、
を含むことを特徴とする基板の製造方法。
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