JP2004256345A - 低温焼成磁器組成物および低温焼成磁器並びに配線基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】SiO2を30〜45モル%とB2O3を1〜20モル%とAl2O3を1〜20モル%とMgOを30〜45モル%とを総量で99 %以上含むガラス成分を15〜70体積%と、アルミナを15〜55体積%の割合で含有する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温焼成磁器組成物および低温焼成磁器並びに配線基板に関し、特に、低誘電率かつ高強度を有する低温焼成磁器と、それを絶縁層とする半導体素子収納用パッケージなどに使用される配線基板に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、光通信や高速インターフェースといったGHzレベル以上の高周波信号を処理する電子機器として携帯電話やPDAなどモバイル機器が急速に発達している。このような電子機器等に使用される配線基板としては、誘電損失による伝送信号の減衰を抑制するために、より低い比誘電率を有することとともに、携帯時の不意な落下や衝撃にも耐え得る充分な機械的強度を有する絶縁基板が求められている。
【0003】
そして、従来より用いられてきたアルミナ質セラミックスからなる絶縁基板にかわり、アルミナよりも低誘電率化が可能なガラス成分とフィラー成分とを混合して形成された低温焼成磁器が開発されているが、例えば、下記に示す特許文献1によれば、SiO、Al2O3、B2O3およびアルカリ土類金属酸化物等を含有するガラス粉末とアルミナ粉末とを混合したものを焼成し、結晶相としてストロンチウム長石を析出させることにより、絶縁基板の低誘電率化および高強度化が図られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−58454号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された低温焼成磁器は、比誘電率は最低で5まで低くなっているものの、機械的強度が未だ低いという問題があった。他方、磁器を高強度化する試みも行われているが、この場合には依然として比誘電率が高いものであった。
【0006】
従って、本発明は、低誘電率化とともに、特に、機械的強度の高い低温焼成磁器とそれを用いた配線基板を提供することを目的とすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に対して検討を重ねた結果、SiO2を30〜45モル%とB2O3を1〜20モル%とAl2O3を1〜20モル%とMgOを30〜45モル%とからなるガラス成分とアルミナとを含む組成物を焼成することによって、得られる低温焼成磁器の抗折強度を高めつつ、高周波領域における比誘電率を7.5よりも低くすることができることを見出し、本発明に至った。
【0008】
即ち、本発明の低温焼成磁器組成物は、SiO2を30〜45モル%とB2O3を1〜20モル%とAl2O3を1〜20モル%とMgOを30〜45モル%とを総量で99モル%以上含むガラス成分を15〜70体積%と、アルミナを15〜55体積%の割合で含有することを特徴とする。
【0009】
そして、本発明の低温焼成磁器は上記の低温焼成磁器組成物を850〜1050℃で焼成してなることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、低温焼成磁器の比誘電率を7.5よりも低くでき、また、このような低温焼成磁器を用いることにより携帯時の不意な落下や衝撃にも耐え得る充分な機械的強度を有する絶縁基板を得ることができる。
【0011】
上記低温焼成磁器では、磁器中に結晶相として、少なくともコーディライト及びサフィリンを含有してなることが望ましい。
【0012】
低温焼成磁器中に、結晶相として少なくともコーディライト及びサフィリンを含有させることにより、1GHzにおける比誘電率を低くでき、さらには磁器の機械的強度(抗折強度)をも高めることができる。
【0013】
上記低温焼成磁器では、前記低温焼成磁器のX線回折測定における前記コーディライトの(2 2 2)回折ピーク強度をC、前記サフィリンの(−2 5 2)回折ピーク強度をSとしたとき、S/Cで表されるピーク比が0.1以上であることが望ましい。
【0014】
低温焼成磁器中に形成されるコーディライトとサフィリンの関係において、サフィリンの生成比率を多くすることにより、磁器を低誘電率化できかつ機械的強度をさらに高めることができる。
【0015】
本発明の配線基板は、セラミック絶縁層が多層に積層された絶縁基板の表面及び/または内部にメタライズ配線層が配設されている配線基板において、前記セラミックス絶縁層のうち少なくとも1層が上記の低温焼成磁器からなることを特徴とする。本発明の低誘電率かつ高強度の低温焼成磁器を用いて配線基板を形成することにより伝送特性が高くかつ実装や製品の落下衝撃耐性に優れた配線基板を形成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の低温焼成磁器は、基本成分としてガラス成分とフィラー成分とから構成されるものである。
【0017】
ガラス成分は、そのガラス成分中にSiO2を30〜45モル%とB2O3を1〜20モル%とAl2O3を1〜20モル%とMgOを30〜45モル%とを総量で99モル%以上含有することを特徴とするものである。
【0018】
また、ガラス成分自体の比誘電率を低くするという点で、SiO2は35〜40モル%、B2O3は13〜18モル%、Al2O3は7〜12モル%、MgOは33〜40モル%であることが望ましい。
【0019】
さらに、本発明の低温焼成磁器を構成するガラス成分中には、磁器の比誘電率や機械的強度を劣化させなければ上記のSiO2B2O3、Al2O3、MgO以外に、不可避不純物を含有してもよい。
【0020】
なお、ガラス成分中に含まれるSiO2、B2O3、Al2O3およびMgOの割合を上記範囲に限定したのは、SiO2が45モル%より多いか、B2O3が20モル%より多いか、Al2O3が1モル%より少ないか、MgOが30モル%より少ないと、ガラスのヤング率乃至は強度が低くなる傾向にあり、磁器の高強度化が困難となるためであり、また、SiO2が30モル%より少ないか、B2O3が1モル%より少ないか、Al2O3が20モル%より多いか、MgOが45モル%より多いと、ガラス成分の比誘電率が高くなる傾向にあり、磁器の比誘電率を7.5よりも低くすることが困難となるためである。また、後者の場合、ガラス化も困難となる傾向がある。
【0021】
また、ガラス成分を主として構成するSiO2、B2O3、Al2O3およびMgOの総量としては、比誘電率を低くしかつ機械的強度を高めるという本発明の低温焼成磁器の特性を向上させるという理由から99モル%以上、特に99.5モル%以上であることが望ましい。なお、本発明の低温焼成磁器を構成するガラス成分は、磁器の比誘電率および機械的強度に影響を与えない程度であれば製造工程中に混入してくる不可避不純物を含有しても差し支えない。
【0022】
また、前記ガラス以外のガラス成分としてはアルミナよりも比誘電率の低いガラスであることが望ましく、例えば、ホウ珪酸ガラス、クォーツ結晶化ガラス、コーディライト結晶化ガラス、エンスタタイト結晶化ガラス、フォルステライト結晶化ガラス、ムライト結晶化ガラス、ジオプサイド結晶化ガラス、アノーサイト結晶化ガラス等が挙げられる。
【0023】
また、本発明の低温焼成磁器中にはフィラー成分としてアルミナを含有することが重要である。これは本発明のガラス成分とともに、ガラス成分との濡れ性がよく比較的低誘電率で高ヤング率を示すアルミナを含有させることにより本発明の低温焼成磁器磁器の比誘電率を低く抑えかつ機械的強度を高めることができる。
【0024】
また、本発明の低温焼成磁器組成物中には、前記アルミナ以外に他のフィラーを含有してもよいが、この場合、アルミナより比誘電率の低い金属酸化物であることが望ましく、例えば、クオーツ(SiO2 )、コーディライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2 )、エンスタタイト(MgO・SiO2 )、フォルステライト(2MgO・SiO2 )、ムライト(3Al2O3・2SiO2 )、ジオプサイド(CaO・MgO・2SiO2 )、アノーサイト(CaO・Al2O3・2SiO2)等の金属酸化物が挙げられる。これらの中でも、クオーツ、コーディライトが磁器の低誘電率化を図る上で望ましい。
【0025】
また、本発明の低温焼成磁器組成物においては、低誘電率及び高強度を得るという理由から前記ガラス成分が15〜70体積%、フィラー成分としてアルミナ15〜55体積%の割合で含有することが重要であり、特には、ガラス成分量が54〜59体積%、アルミナが30〜46体積%であることがより望ましい。ガラス成分が15体積%より少ないかまたはアルミナが55体積%より多い場合には焼結性が低下しボイドの多い磁器しか得られず比誘電率も高くなる。
【0026】
一方、ガラス成分が70体積%より多いかまたはアルミナが15体積%より少ない場合には過剰なガラス成分のために焼成時に溶融しやすくなり機械的強度も低下し実装工程などにおいてクラックが発生しやすくなる。
【0027】
上述したようにガラス成分とアルミナとを上記のような割合で構成した本発明の低温焼成磁器中には、結晶相として、少なくともコーディライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)及び/またはサフィリン(4MgO・5Al2O3・2SiO2)を含有していることが望ましく、特に、前記低温焼成磁器のX線回折測定における前記コーディライトの(2 2 2)回折ピーク強度をC、前記サフィリンの(−2 5 2)回折ピーク強度をSとしたとき、S/Cで表されるピーク比が0.1以上であることが望ましく、0.13以上、特に、0.17以上、0.21以上、さらには0.33以上であることがより望ましい。
【0028】
磁器中にコーディライトおよび/またはサフィリンを含有することによって比誘電率をさらに低くできかつ機械的強度を高めることができる。上述したように、本磁器中においては前記コーディライトおよびサフィリンが析出する際に、磁器の比誘電率を低下させることができるため、前記低温焼成磁器の平均抗折強度を従来使用されているアルミナ等の磁器と同等にできる。
【0029】
そして、本発明の低温焼成磁器では、1GHzにおける比誘電率は7.5よりも低くでき、機械的強度は240MPa以上に高めることができる。特に、本発明の低温焼成磁器では、同周波数において比誘電率が7.3以下、さらに7.1以下、一方、機械的強度が280MPa以上、300MPa以上、特に、310MPa以上がより望ましい。
【0030】
また、本発明の低温焼成磁器は、上記のように機械的強度を高めさらに配線基板としての耐湿性を向上させるという理由から、磁器の表面および/または内部に形成される気孔は最大径が10μm以下であることが望ましく、特に、5μm以下がより望ましい。本発明では、磁器中に結晶相としてコージエライトおよびサフィリンを含有させることにより緻密化した場合にも低い比誘電率が得られかつ高強度化できる。
【0031】
次に、本発明の低温焼成磁器を作製するための方法について説明する。
【0032】
まず、出発原料として、上記のガラス成分となるガラス粉末と、フィラー成分となるアルミナ粉末とを、焼成温度や熱膨張係数等の目的に応じて、前述した所定の比率で混合する。
【0033】
本発明では、かかる低温焼成磁器中のボイドの最大径を小さくし焼結性を高めるという理由から、この磁器にかかるガラス粉末の平均粒径は0.1〜5μm、特に、1〜3μm、一方、アルミナ粉末の平均粒径は0.1〜5μm、特に、1〜3μmであることが望ましい。
【0034】
また、本発明において用いられる上記ガラス粉末は、フィラー粉末であるアルミナを添加しない場合には、焼成収縮開始温度は800℃以下で900℃以上では溶融してしまいメタライズ配線層等を配設することができない。しかし、アルミナを混合することにより焼成過程において結晶の析出が起こり、アルミナを液相焼結させるための液相を適切な温度で形成させることができる。
【0035】
また、成形体全体の収縮開始温度を上昇させることができるため、かかるアルミナ粉末の含有量の調整により、用いる金属の種類によりメタライズ配線層との同時焼成条件のマッチングを図ることができる。
【0036】
また、アルミナ粉末の配合量は、上記ガラス粉末の屈伏点に応じ、その配合量を適宜調整することが望ましい。屈伏点とは、ガラスが急激に溶融して最も大きな体積変化を示す温度範囲の中心の温度をいい、通常、ガラス転移点よりも30〜60℃高い温度である。即ち、ガラス粉末の屈伏点が550〜700℃と低い場合には、低温での焼結性が高まるため、アルミナ量は40〜70体積%と比較的多く配合できる。これに対して、ガラス粉末の屈伏点が700〜850℃と高い場合には、焼結性が低下するためアルミナ量は20〜50体積%と比較的少量配合することが望ましい。ここで用いるアルミナはフィラー粉末の原料コストを低減するという理由から中実球であることが望ましい。
【0037】
また、本発明の低温焼成磁器は、着色成分として、酸化クロム、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化鉄および酸化銅の群から選ばれる少なくとも1種を、上記のガラス粉末とアルミナとの混合物100体積%に対して1体積%以下の割合で配合しても良い。
【0038】
本発明によれば、上記のように配合されたガラス粉末とアルミナ粉末との混合物に、適当な成形の有機バインダを添加した後、所望の成形手段、例えば、ドクターブレード、圧延法、金型プレス等により所定の形状に成形後、焼成する。
【0039】
焼成にあたっては、まず、成形のために配合した有機バインダ成分を除去する。有機バインダの除去は、700℃前後の大気雰囲気中または窒素雰囲気中で行われる。この時、成形体の収縮開始温度は700〜850℃程度であることが望ましく、かかる収縮開始温度がこれより低いと有機バインダの除去が困難となるため、成形体中のガラス成分の特性、特に、屈伏点を前述したように制御することが望ましい。
【0040】
焼成は、850℃〜1050℃の酸化性雰囲気中または非酸化性雰囲気中で行われる。この時の焼成温度が850℃より低いと緻密化することが難しく、さらに1050℃を越えると後述する配線基板を作製する場合に、銅や銀などのメタライズ配線層との同時焼成が難しくなる。特に、900〜1000℃、さらには、900〜975℃の温度範囲で焼成することが望ましい。
【0041】
即ち、本発明においては、上記の範囲の平均粒径を有するガラス粉末とアルミナ粉末とを混合したものを用いることにより磁器中の気孔を低減することができ、さらに磁器中にコージェライトおよび/またはサフィリンという特定の低誘電率の結晶相を析出させることにより、低誘電率かつ高強度の低温焼成磁器を得ることができる。
【0042】
図1は本発明の低温焼成磁器の応用例として、配線基板、とりわけ、BGA型の半導体素子収納用パッケージとその実装構造の一実施例を示す概略断面図である。このパッケージは、絶縁基板の表面あるいは内部にメタライズ配線層が配設された、いわゆる配線基板を基礎的構造とするものであり、Aは半導体素子収納用パッケージ、Bは外部回路基板をそれぞれ示す。
【0043】
半導体素子収納用パッケージAは、絶縁基板1と蓋体2とメタライズ配線層3と接続端子4により構成され、絶縁基板1及び蓋体2は半導体素子5を内部に気密に収容するためのキャビティ6を形成する。そして、キャビティ6内にて半導体素子5は、ガラス、樹脂等の接着材を介して絶縁基板1に接着固定される。
【0044】
また、絶縁基板1の表面および内部には、メタライズ配線層3が配設されており、半導体素子5と絶縁基板1の下面に形成された接続端子4と電気的に接続するように配設されている。図1のパッケージによれば、接続端子4は、接続パッド4aを介して高融点の半田(錫−鉛合金)から成るボール状端子4bがロウ材により取着されている。
【0045】
一方、外部回路基板Bは、絶縁体7と配線導体8により構成されており、絶縁体7は、少なくとも有機樹脂を含む絶縁材料からなり、具体的には、ガラス−エポキシ系複合材料などのように40〜400℃の線熱膨張係数が12〜16×10−6/℃の特性を有し、一般にはプリント基板等が用いられる。また、この基板Bの表面に形成される配線導体8は、絶縁体7との熱膨張係数の整合性と、良電気伝導性の点で、通常、Cu、Au、Ag、Al、Ni、Pb−Sn等の金属導体からなる。
【0046】
半導体素子収納用パッケージAを外部回路基板Bに実装するには、パッケージAの絶縁基板1下面のボール状端子4bを外部回路基板Bの配線導体8上に載置当接させ、しかる後、低融点の半田等のロウ材により約250〜400℃の温度で半田を溶融させて配線導体とボール状端子4bとを接合することにより、実装される。この時、配線導体8の表面にはボール状端子4bとのロウ材による接続を容易に行うために予めロウ材が被着形成されていることが望ましい。
【0047】
本発明によって、高強度、低誘電率を有する低温焼成磁器を用いて構成される多層配線基板は、従来使用されているアルミナ等の多層配線基板と同様、機械的特性に優れ、信頼性が高く有用であり、さらに、誘電特性に優れ、高周波信号を扱う上でも、誘電体損失による信号減衰を抑えることが可能である。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の低温焼成磁器およびそれを用いた配線基板について実施例に基づき具体的に説明する。まず、ガラス粉末として、表1に示す2種類のガラス粉末と、フィラーとしてアルミナ粉末とクオーツとを用意し、表2に示す割合になるように秤量混合した。ガラス粉末の平均粒径は3μm、アルミナおよびクオーツの平均粒径は1μmとした。
【0049】
次に、この混合物を粉砕後、有機バインダ、有機溶剤を添加し十分混合してスラリーを作製しドクターブレード法により厚み300μmのグリーンシートを作製した。
【0050】
得られたグリーンシートを8枚及び15枚積層圧着した後、60mm×60mm×2.4mm及び5.5mm×60mm×4.5mmのサンプルを作製し、700℃の水蒸気を含有する窒素雰囲気中にて脱バインダ処理後、表2に示す焼成温度×1時間の窒素雰囲気中にて焼成を行った。
【0051】
次に、上記のようにして得られた低温焼成磁器に対して、1GHzにおける比誘電率及び三点曲げ抗折強度を測定した。また、この低温焼成磁器に対して、X線回折測定を行いX線回折パターンより結晶相の同定を行った。さらに、コーディライトおよびサフィリンが検出された試料に関しては、コーディライトの(22 2)回折ピークの強度Cとサフィリンの(−2 5 2)回折ピークの強度Sとの比S/Cを求めた。その結果を表2に示した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
表2の結果から明らかなように、本発明の試料No.2〜8、11、12、14、15では、何れも1GHzにおける比誘電率が7.3と低くなり、かつ、抗折強度が240MPa以上と高かった。これに焼成温度を900〜975℃とした本発明の試料No.3〜8、および14では、何れもコーディライトおよびサフィリンが検出され、そのX線回折におけるピーク強度比S/Cが0.17以上となり、1GHzにおける比誘電率を7以下で抗折強度を285MPa以上にできた。特に、試料No.6、7では、X線回折におけるピーク強度比S/Cが0.33以上となり、比誘電率は6.9以下とさらに低くでき、かつ、機械的強度を315MPa以上にまで高めることができた。
【0055】
一方、磁器の組成範囲を本発明の範囲外とした試料No.1、9、10、13では、焼成後の磁器が未焼結かまたは過焼結となった。または比誘電率が高いかまたは低い抗折強度しか得られなかった。
【0056】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の低温焼成磁器組成物及び低温焼成磁器では、SiO2、B2O3、Al2O3およびMgOを主成分として含むガラス成分とアルミナとを所定の割合で組み合わせることにより磁器の低誘電率化を図ることができる。特に、磁器中に少なくともコーディライト及び/またはサフィリンを含有させることにより、低誘電率かつ高強度化を図ることができる。
【0057】
また、このような低温焼成磁器を用いることにより、高周波信号を扱う上でも、誘電損失による信号減衰を抑えかつ落下試験等によるクラックの発生を防止できる配線基板を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の一実施例を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板
2 蓋体
3 メタライズ配線層
4 接続端子
4a 電極パッド
4b ボール状端子
5 半導体素子
6 キャビティ
7 絶縁体
8 配線導体
9 電極層
10 ビアホール導体
A 半導体素子収納用パッケージ
B 外部電気回路基板
Claims (5)
- SiO2を30〜45モル%とB2O3を1〜20モル%とAl2O3を1〜20モル%とMgOを30〜45モル%とを総量で99モル%以上含むガラス成分を15〜70体積%と、アルミナを15〜55体積%の割合で含有することを特徴とする低温焼成磁器組成物。
- 請求項1に記載の前記低温焼成磁器組成物を850〜1050℃で焼成してなることを特徴とする請求項1に記載の低温焼成磁器。
- 前記低温焼成磁器中に結晶相として、少なくともコーディライト及びサフィリンを含有してなることを特徴とする請求項2に記載の低温焼成磁器。
- 前記低温焼成磁器のX線回折測定における前記コーディライトの(2 2 2)回折ピーク強度をC、前記サフィリンの(−2 5 2)回折ピーク強度をSとしたとき、S/Cで表されるピーク比が0.1以上であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の低温焼成磁器。
- セラミック絶縁層が多層に積層された絶縁基板の表面及び/または内部にメタライズ配線層が配設されている配線基板において、前記セラミック絶縁層のうち少なくとも1層が請求項2乃至4のうちいずれか記載の低温焼成磁器からなることを特徴とする配線基板。
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