JP2004256366A - 活性アルミナ成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の製造方法では、再水和性アルミナ粉末を中心粒子径50μm以上の吸水性樹脂粉末と混合し粉砕してブレーン比表面積が13500cm2/g以下の混合粉砕物を得、得られた混合粉砕物に水を加え、賦形して再水和性アルミナ粉末成形体を得、得られた再水和性アルミナ粉末成形体を再水和させて再水和アルミナ成形体を得、得られた再水和アルミナ成形体を焼成する。好ましくは再水和性アルミナ粉末の粒子径は10〜100μm、吸水性樹脂粉末の使用量は再水和性アルミナ粉末100質量部に対して0.1〜0.5質量部であり、再水和アルミナ成形体は300〜1000℃で焼成する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は活性アルミナ成形体の製造方法に関し、詳しくはマクロ細孔容積が大きく高BET比表面積の活性アルミナ成形体を容易に製造し得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
活性アルミナ成形体は、乾燥剤、吸着剤、触媒、触媒担体などとして有用であり、細孔半径0.3μm以上で外部と連通したマクロ細孔の容積が大きく、BET比表面積の高いものが望まれている。
【0003】
かかるマクロ細孔の容積が大きく、BET比表面積も比較的大きな活性アルミナ成形体の製造方法として、特許文献1(特開昭49−6006号公報)および特許文献2(特開平8−245281号公報)には、再水和性アルミナ粉末および有機起孔剤を水と混練し、賦形し、焼成する方法が開示されており、有機起孔剤としては、繊維状有機物、ポリメタクリル酸エステルなどのような、焼成時に焼失し、また水を殆ど吸収しないものが開示されている。
【0004】
しかし、かかる従来の製造方法では、マクロ細孔の容積を大きくしようとすると有機起孔剤の使用量を増やす必要があり、有機起孔剤の使用量を増やすと、得られる活性アルミナ成形体のBET比表面積が小さくなり易いという問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開昭49−6006号公報
【特許文献2】特開平8−245281号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者は、大きなマクロ細孔容積を示し、高BET比表面積の活性アルミナ成形体を容易に製造し得る方法を開発するべく鋭意検討した結果、再水和性アルミナ粉末および中心粒子径50〜500μmの吸水性樹脂粉末を混合し粉砕してブレーン比表面積が10000〜13500cm2/gの混合粉砕物を得、これに水を加え、賦形し、再水和させ、焼成することとすれば、マクロ細孔容積が大きく、高BET比表面積の活性アルミナ成形体が容易に得られることを見出し、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、再水和性アルミナ粉末を中心粒子径50μm以上の吸水性樹脂粉末と混合し粉砕してブレーン比表面積が13500cm2/g以下の混合粉砕物を得、
得られた混合粉砕物に水を加え、賦形して再水和性アルミナ粉末成形体を得、
得られた再水和性アルミナ粉末成形体を再水和させて再水和アルミナ成形体を得、
得られた再水和アルミナ成形体を焼成することを特徴とする活性アルミナ成形体の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法では、先ず再水和性アルミナ粉末、吸水性樹脂粉末および水を混合して再水和性アルミナ粉末組成物を得る。
【0009】
再水和性活性アルミナ粉末とは、水和し得るアルミナであって粉末状のものである。再水和性アルミナとしては、例えばρ相を主結晶相とするρ−アルミナ、非晶質の不定形アルミナなどが挙げられる。ρ−アルミナはχ相を含んでいてもよい。かかる再水和性アルミナ粉末の粒子径は好ましくは10μm以上、100μm以下程度、さらに好ましくは20μm以上、80μm以下程度である。
【0010】
再水和性アルミナ粉末は、例えばギブサイト型水酸化アルミニウムを瞬間仮焼する方法により得ることができる。ギブサイト型水酸化アルミニウムはバイヤー法により工業的に得られる三水酸化アルミニウムであって、通常はナトリウム含有量が酸化物換算で0.02〜1質量%程度のものを用いることができる。また、かかる再水和性アルミナ粉末は、市販のものから適宜選択して用いることもできる。
【0011】
吸水性樹脂粉末は、水分を吸収して膨潤し得る樹脂の粉末であって、例えばポリアクリル酸塩系吸水性樹脂、ポリアルキレンオキサイド系吸水性樹脂、グラフトデンプン系吸水性樹脂、ポリビニルアルコール系吸水性樹脂、ビニルアセトアミド重合体系吸水性樹脂、ポリアスパラギン酸塩系吸水性樹脂、イソブチレン・無水マレイン酸共重合物金属塩系吸水性樹脂などの粉末が挙げられる。かかる吸水性樹脂の吸水倍率は通常100以上200以下程度である。
【0012】
かかる吸水性樹脂としては中心粒子径が50μm以上、好ましくは80μm以上であり、通常500μm以下、好ましくは200μm以下程度のものが用いられる。中心粒子径が50μm未満では、マクロ細孔が形成しにくくなる傾向にある。また、500μmを超えると、マクロ細孔の径が大きくなり過ぎて、得られる活性アルミナ成形体の機械的強度が低下する傾向にある。目的とする活性アルミナ成形体が、例えば触媒担体などとして用いられる場合には、不純物金属の含有量を少なくする点で、吸水性樹脂として金属含有量の少ないものを用いることが好ましい。
【0013】
かかる吸水性樹脂粉末の使用量は、再水和性アルミナ粉末100質量部に対して、より容易にマクロ細孔が形成される点で0.1質量部以上であることが好ましく、またBET比表面積が大きくなり易い点で0.5質量部以下程度であることが好ましい。
【0014】
本発明の製造方法では、かかる再水和性アルミナ粉末および吸水性樹脂粉末を混合粉砕する。混合粉砕は通常、乾燥状態で行なわれる。混合粉砕する方法は特に限定されるものではなく、例えばナフターミキサー、オムニミキサー、コンクリートミキサー、リボンミキサーなどの混合装置を用いても混合した後に、粉砕してもよいし、粉砕装置に再水和性アルミナ粉末および吸水性樹脂を投入して、混合しながら粉砕してもよい。粉砕装置としては、例えばボールミル、振動ミル、ジェットミル、流動媒体ミル、自由粉砕機、擂潰機などを用いることができる。また、混合粉砕はバッチ式で行なってもよいし、連続的に行なってもよいが、連続的に混合粉砕することで工業的に安価に混合粉砕することができて、好ましい。混合し粉砕することにより、通常は再水和性アルミナ粉末が粉砕されると同時に吸水性樹脂も粉砕される。
【0015】
混合し粉砕することにより得られる混合粉砕物のブレーン比表面積は13500cm2/g以下である。混合粉砕物のブレーン比表面積が13500cm2/gを超えると、得られる活性アルミナ成形体のマクロ細孔の容積が小さくなる傾向にある。また、8000cm2/g未満では、得られる活性アルミナ成形体の機械的強度が低下する傾向にあるため、8000cm2/g以上であることが好ましい。
【0016】
混合粉砕物に水を加える。加える水の量は、吸水性樹脂粉末が飽和し得る程度であって、賦形し得る程度であり、再水和性アルミナ粉末および吸水性樹脂粉末の合計量100質量部に対して通常は50質量部以上、80質量部以下程度である。
【0017】
水と共に、添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば非再水和性アルミナ粉末、例えばα−アルミナ粉末、アルミニウムの塩、シリカ、粘土、タルク、ベントナイト、ゼオライト、コーディエライト、チタニア、アルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の塩、希土類金属の塩、ジルコニア、ムライト、シリカアルミナなどが挙げられる。
【0018】
水を加えた後、賦形することで、再水和性アルミナ成形体を得る。水を加え、賦形するには、例えば混合し粉砕した後の混合粉砕物をマルメライザー、転動造粒機などの成形装置を用いて水を加えながら賦形してもよい。これらの成形装置を用い、水を加えながら造粒することで、球状の再水和性アルミナ成形体を得ることができる。
【0019】
また、混合粉砕物に水を加えて混練したのち、押出成形法、金型による圧縮成形法などの通常の方法により賦形してもよい。賦形後の最水和性アルミナ粉末成形体の形状は、目的の活性アルミナ成形体の用途に応じて適宜選択され、例えば球状、円柱状、リング状、板状、ハニカム状、塊状などが挙げられる。
【0020】
かくして得られた再水和性アルミナ粉末成形体を再水和させて再水和アルミナ成形体を得る。再水和させるには、例えば再水和性アルミナ粉末成形体を水蒸気と接触させればよい。再水和性アルミナ粉末成形体は通常、0℃以上、200℃以下、より機械的強度に優れた活性アルミナ成形体が得られる点で、好ましくは80℃以上で水蒸気と接触させる。接触させる時間は、用いた再水和性アルミナ粉末の種類、形状、粒子径、再水和性アルミナ粉末成形体の形状、大きさなどによって異なるが、例えば1分以上1週間以下程度である。再水和性アルミナ粉末成形体は水蒸気と接触することで、そのままの形状で再水和して再水和アルミナ成形体となる。
【0021】
得られた再水和アルミナ成形体は、酸性水溶液と接触させてもよい。酸性水溶液と接触させることで、ナトリウムなどのアルカリ金属成分が溶出してナトリウム分の少ない活性アルミナ成形体を得ることができる。また、得られる活性アルミナ成形体の表面を酸性にすることができる。また、ランタンなどのランタノイド元素、バリウムなどのアルカリ土類金属、珪素化合物、セリウム化合物、ジルコニウム化合物などの水溶液と接触させてもよい。かかる水溶液と接触させることで、耐熱性に優れた活性アルミナ成形体を得ることができる。
【0022】
得られた再水和アルミナ成形体を焼成する。焼成温度は通常300℃以上1000℃以下程度、好ましくは350℃以上800℃以下程度であり、添加物として塩を用いた場合にはその分解温度以上の温度で焼成することが好ましい。焼成方法は特に限定されるものではなく、燃焼ガス、電気ヒーターによる間接加熱、遠赤外線による加熱などの通常の加熱方法で加熱することで焼成できる。
【0023】
再水和アルミナ成形体には再水和において付着した水分が含まれていることもあるが、かかる水分を除去した後に焼成してもよい。水分を除去するには、例えば自然乾燥、熱風乾燥、真空乾燥などの通常の方法で乾燥すればよい。
【0024】
かくして活性アルミナ成形体を得るが、得られた活性アルミナ成形体は、例えば細孔半径0.3μm以上で外部と連通したマクロ細孔の容積が0.04cm3/g以上0.2cm3/g以下、BET比表面積が100m2/g以上400m2/g以下程度である。
【0025】
かかる活性アルミナ成形体は、マクロ細孔容積が大きく、またBET比表面積も高いので、そのままで、例えば吸着剤などとして用いることができる。また触媒担体としても有用であり、貴金属等の触媒成分を担持して触媒として用いることもできる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、細孔半径0.3μm以上のマクロ細孔の容積が大きく、BET比表面積も高い活性アルミナ成形体を容易に製造することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は係る実施例に限定されるものではない。
【0028】
なお、各実施例において得た活性アルミナ成形体は、以下の方法で評価した。
マクロ細孔容積:水銀圧入法によって測定した細孔分布から、細孔半径0.3μm以上100μm以下の細孔の容積を求めた。
BET比表面積:マウンテック社製BET比表面積測定装置を用いて測定した。
中心粒子径:Leeds & Northrup社製マイクロトラック粒度分布計を用いて質量基準で求めた。
ブレーン比表面積:島津製作所社製ブレーン比表面積測定装置「SS−100」を用いて、恒圧空気式測定法により求めた。
充填密度:JIS H 1902に準拠して、資料をメスシリンダーに取り、タッピングを100回行なった後の試料容積から求めた。
耐圧強度:試料10粒の直径をマイクロメーターで測定した後、硬度試験機にて破壊強度を測定し、断面積あたりの強度を求め、平均値を求めた。
【0029】
実施例1
バイヤー法により得たギブサイト型水酸化アルミニウムの粉末〔中心粒子径は40μm、水分含有量は1質量%以下〕を700℃の熱ガス気流中に投入して瞬間仮焼して、再水和性アルミナ粉末〔粒子径は20μm〜100μmの範囲〕を得た。この再水和性アルミナ粉末の結晶系は、ρ相およびχ相であった。
【0030】
上記で得た再水和性アルミナ粉末100質量部を吸水性樹脂粉末〔クラレ社製「KIゲル−201K」、中心粒子径は120μm、吸水倍率183倍〕0.3質量部とナフターミキサーを用いて1時間かけて混合したのち、振動ボールミルを用いて粉砕した。粉砕後の混合粉砕物のブレーン比表面積は13000cm2/gであった。直径1mの皿型造粒機を用いて上記で得た粉砕物に水をスプレーしながら加えて造粒して、直径1〜3mmの球状の再水和性アルミナ粉末成形体を得た。得られた再水和性アルミナ粉末成形体をオートクレーブ中で大気圧下に105℃で飽和水蒸気を含む空気と4時間接触させて再水和アルミナ成形体を得た。得られた再水和アルミナ成形体をアルミナ製ルツボに入れ、電気炉で400℃に昇温し、同温度で2時間保持して焼成して、活性アルミナ成形体を得た。
【0031】
得られた活性アルミナ成形体のマクロ細孔容積は0.06cm3/g、BET比表面積は278m2/gであり、充填密度は0.71g/cm3、耐圧強度は1440N/cm2であった。
【0032】
比較例1
吸水性樹脂粉末を用いない以外は実施例1と同様に操作して、活性アルミナ成形体を得た。得られた活性アルミナ成形体のマクロ細孔容積は0.03cm3/g、BET比表面積は270m2/gであり、充填密度は0.81g/cm3、耐圧強度は1710N/cm2であった。
【0033】
比較例2
吸水性樹脂粉末〔KIゲル201K〕に代えて、吸水性樹脂粉末〔クラレ社製「KIゲル−201−F2」、中心粒子径は18μm、吸水倍率184倍〕0.3質量部を用いる以外は実施例1と同様に操作して、活性アルミナ成形体を得た。得られた活性アルミナ成形体のマクロ細孔容積は0.02cm3/g、BET比表面積は275m2/gであり、充填密度は0.78g/cm3、耐圧強度は1770N/cm2であった。
【0034】
比較例3
ブレーン比表面積が140000cm2/gとなるまで粉砕した以外は実施例1と同様に操作して、活性アルミナ成形体を得た。得られた活性アルミナ成形体のマクロ細孔容積は0.03cm3/g、BET比表面積は308m2/gであり、充填密度は0.77g/cm3、耐圧強度は1320N/cm2であった。
【0035】
実施例2
吸水性樹脂粉末の使用量を0.4質量部とし、再水和アルミナ成形体の焼成温度を850℃とする以外は実施例1と同様に操作して、活性アルミナ成形体を得た。得られた活性アルミナ成形体のマクロ細孔容積は0.07cm3/g、BET比表面積は106cm3/gであり、充填密度は0.67g/cm3、耐圧強度は590N/cm2であった。
Claims (6)
- 再水和性アルミナ粉末を中心粒子径50μm以上の吸水性樹脂粉末と混合し粉砕してブレーン比表面積が13500cm2/g以下の混合粉砕物を得、得られた混合粉砕物に水を加え、賦形して再水和性アルミナ粉末成形体を得、得られた再水和性アルミナ粉末成形体を再水和させて再水和アルミナ成形体を得、得られた再水和アルミナ成形体を焼成することを特徴とする活性アルミナ成形体の製造方法。
- 再水和性アルミナ粉末の粒子径が10μm以上100μm以下である請求項1に記載の製造方法。
- 吸水性樹脂粉末の使用量が、再水和性アルミナ粉末100質量部に対して0.1質量部以上0.5質量部以下である請求項1に記載の製造方法。
- 再水和アルミナ成形体を300℃以上1000℃以下で焼成する請求項1に記載の製造方法。
- 再水和性アルミナ粉末を中心粒子径50μm以上の吸水性樹脂粉末と混合し粉砕してなり、ブレーン比表面積が13500cm2/g以下である混合粉砕物。
- 請求項5に記載の混合粉砕物を成形してなる再水和性アルミナ粉末成形体。
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