JP2004256709A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高分子量脂肪族ポリエステルを短い反応時間で生産性よく得ることができるポリエステルの製造方法を提供する。
【解決手段】脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸無水物(A)とジオール化合物(B)とを反応させて低分子量ポリエステルを得、得られた低分子量ポリエステルを高分子量化するポリエステルの製造方法において、前記高分子量化は、前記脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸無水物(A)に対して3モル%以下の炭酸ジエステルを前記低分子量ポリエステルに反応させることにより行う、ことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子量の脂肪族ポリエステルを得るのに有用なポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリエステルは、例えば、フィルム、繊維、その他の成形品に汎用されているが、これら用途に用いるポリエステルは、その分子量が低いと成形時に熱分解しやすく成形性に劣るため、通常、高分子量を有することが求められる。ところが、ポリエチレンサクシネートやポリブチレンサクシネートのような脂肪族ポリエステルは、従来の重縮合反応だけでは充分に高分子量化することが難しい。
高分子量の脂肪族ポリエステルを得る方法としては、脱水反応によるエステル化工程と脱グリコール反応による縮合工程の後、さらにカップリング剤として多価イソシアネート化合物を反応させて高分子量化する方法が知られており(特許文献1参照)、このような方法により得られるポリエステルは、多価イソシアネート化合物由来のウレタン構造を含むものとなる。一般に、前記ウレタン構造の含有割合は、使用する多価イソシアネート化合物の量に比例するのであるが、該ウレタン構造の含有割合が増すと、ポリエステル自体の特性が損なわれたり、黄変を生じたりするといった問題を招くことがある。したがって、多価イソシアネート化合物の使用量はできるだけ少なく抑えることが好ましく、それには、縮合工程までの段階で可能な限り分子量を上げておくことが重要となる。具体的には、例えば、エステル化工程において重量平均分子量1万程度のポリエステルを得、続く縮合工程で重量平均分子量5万〜6万程度にまで高分子量化しておき、最後に多価イソシアネート化合物との反応によって重量平均分子量20万程度まで高分子量化することが望ましい。しかしながら、縮合工程における脱グリコール反応は一般に反応速度が遅く、重量平均分子量で5万〜6万まで分子量を上げるには極めて長時間を要することになる。この縮合工程に長時間を要するという問題は、特にポリエチレンサクシネートを得ようとする場合に顕著であり、生産性が悪化し、ひいては製品コストを高騰させることになるため、原料が安価であるというポリエチレンサクシネートのコスト的な利点が相殺されることになる。このため、縮合工程における脱グリコール反応の反応速度を向上させ、反応時間を短縮しうる改良が望まれていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−80872号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、高分子量脂肪族ポリエステルを短い反応時間で生産性よく得ることができるポリエステルの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、低分子量ポリエステルを脱グリコール反応により縮合させる際に、特定量以下の炭酸ジエステル存在下で行うようにすると、その縮合速度を格段に向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明にかかるポリエステルの製造方法は、脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸無水物(A)とジオール化合物(B)とを反応させて低分子量ポリエステルを得、得られた低分子量ポリエステルを高分子量化するポリエステルの製造方法において、前記高分子量化は、前記脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸無水物(A)に対して3モル%以下の炭酸ジエステルを前記低分子量ポリエステルに反応させることにより行う、ことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステルの製造方法は、まず、低分子量ポリエステルを得、得られた低分子量ポリエステルを高分子量化するものである。なお、本発明において、前記低分子量ポリエステルとは、重量平均分子量で5,000〜30,000のポリエステルを意味するものとする。
前記低分子量ポリエステルは、脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸無水物(A)(以下「酸成分」と称することもある。)とジオール化合物(B)(以下「グリコール成分」と称することもある。)とを反応させて得る。
【0007】
前記酸成分である脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸無水物としては、炭素数2〜10のアルキレン基をもつもの、具体的には、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、ドデカン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸等が挙げられる。これらの中でも特に、コハク酸、アジピン酸、無水コハク酸のような炭素数が偶数のものが好ましく、コハク酸、無水コハク酸が最も好ましい。また、例えば、テトラヒドロテレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、およびこれらのエステル化合物等の環状脂肪族多価カルボン酸も、前記酸成分として用いることができる。なお、前記酸成分は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0008】
前記グリコール成分であるジオール化合物としては、炭素数2〜10のアルキレン基をもつもの、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブタンジオール−1,3、ブタンジオール−1,4、ペンタンジオール−1,5、3−メチルペンタンジオール−1,5、ヘキサンジオール−1,6、ヘプタンジオール−1,7、オクタンジオール−1,8、ノナンジオール−1,9、デカンジオール−1,10、ネオペンチルグリコール等が挙げられ、これらの中でも特に、エチレングリコール、ブタンジオール−1,4、ヘキサンジオール−1,6のような炭素数が偶数のものが好ましく、エチレングリコール、ブタンジオール−1,4が最も好ましい。また、例えば、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA等の環状脂肪族グリコールも、前記グリコール成分として用いることができる。なお、前記グリコール成分は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0009】
前記酸成分と前記グリコール成分との好ましい組合せとしては、ブタンジオール−1,4とコハク酸またはその酸無水物、エチレングリコールとコハク酸またはその酸無水物、シクロヘキサンジメタノール−1,4とシクロヘキサンテレフタル酸が挙げられ、特に、ブタンジオール−1,4とコハク酸またはその酸無水物、エチレングリコールとコハク酸またはその酸無水物の組合せが好ましい。
前記酸成分と前記グリコール成分との使用割合は、グリコール成分が幾分過剰になるようにすることが好ましく、具体的には、酸成分1モルに対してグリコール成分1.01〜1.2モルとするのが好ましい。
【0010】
また、前記低分子量ポリエステルを得るに際しては、前記酸成分および前記グリコール成分とともに、本発明の効果を損なわない範囲で、オキシカルボン酸(またはその環状ニ量体)、三価以上の多価アルコール、多価オキシカルボン酸(またはその酸無水物)、三価以上の多価カルボン酸(またはその酸無水物)などの成分を併用することもできる。
前記オキシカルボン酸(またはその環状ニ量体)としては、例えば、乳酸、グリコール酸、ε−カプロラクトン、β−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシ吉草酸等が挙げられる。また、これらのエステルや環状エステル等の誘導体もオキシカルボン酸として用いることができる。オキシカルボン酸(またはその環状ニ量体)を併用する場合、その使用量は、前記酸成分100モルに対して1〜20モルとするのが好ましい。
【0011】
前記三価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット等が挙げられる。また、脱水した形のモノエポキシ化合物であるグリシドールも三価以上の多価アルコールとして用いることができる。三価以上の多価アルコールを併用する場合、その使用量は、前記酸成分100モルに対して0.1〜5モルとするのが好ましい。
前記多価オキシカルボン酸(またはその酸無水物)としては、例えば、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が、低コストで入手可能である点から、好ましく挙げられる。多価オキシカルボン酸(またはその酸無水物)を併用する場合、その使用量は、前記酸成分100モルに対して0.1〜5モルとするのが好ましい。
【0012】
前記三価以上の多価カルボン酸(またはその酸無水物)としては、例えば、トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタテトラカルボン酸無水物等が挙げられる。これらの中でも特に、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸が好ましい。多価オキシカルボン酸(またはその酸無水物)を併用する場合、その使用量は、前記酸成分100モルに対して0.1〜5モルとすることが好ましい。
前記低分子量ポリエステルは、前記酸成分と前記グリコール成分と必要に応じて前述したその他の成分とを脱水反応させてエステル化するか、もしくは、該エステル化の後、引き続き脱グリコール反応により縮合させることによって、得ることができる。詳しくは、得られるポリエステルが重量平均分子量で5,000〜30,000となるように前記酸成分と前記グリコール成分と必要に応じて前述したその他の成分とを反応させればよく、まず脱水反応を行い、該脱水反応が終了した段階で得られたポリエステルの重量平均分子量が前記範囲に達していなければ、引き続き脱グリコール反応を行うようにすればよい。通常は、反応混合物の酸価が50mgKOH/g程度となった時点で脱水反応を終了し、脱グリコール反応を行うようにすればよい。
【0013】
前記脱水反応の際の反応条件等は、特に制限されないが、例えば、反応温度は160〜230℃、好ましくは180〜220℃とするのがよい。160℃未満であると、反応速度が遅くなり、一方、230℃を越えると、熱分解を起こす恐れがある。また、前記脱水反応は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、通常、常圧下で行えばよい。
前記脱グリコール反応の際の反応条件等は、特に制限されないが、反応速度および分解防止を考慮すると、例えば、反応温度は170〜260℃、好ましくは180〜230℃とするのがよく、1kPa以下の減圧下、好ましくは0.2kPa以下の高真空下で反応を行うのがよい。
【0014】
前記脱水反応および/または前記脱グリコール反応においては、触媒を用いることができる。触媒としては、例えば、Ti、Ge、Zn、Fe、Mn、Co、Zr、V、Ir、La、Ce、Li、Caなどの金属化合物(好ましくは有機酸塩);アルコキシド、アセチルアセトナートなどの有機金属化合物;等が挙げられる。これらの中でも特に、例えば、ジブトキシジアセトアセトキシチタン(市販品では、日本化学産業(株)製「ナーセムチタン」など)、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のチタン化合物が好ましい。触媒の使用割合は、特に制限されないが、通常、酸成分に対して0.001〜0.1モル%とするのがよい。なお、前記触媒の添加時機については、特に制限はなく、前記脱水反応の最初から加えてもよく、前記脱グリコール反応の直前に加えてもよい。
【0015】
本発明の製造方法は、前記低分子量ポリエステルに前記脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸無水物(A)に対して3モル%以下の炭酸ジエステルを反応させることにより、前記低分子量ポリエステルを高分子量化するものである。具体的には、前記低分子量ポリエステルを脱グリコール反応により縮合させて高分子量化させる際に炭酸ジエステルを添加し、その存在下で脱グリコール反応を行うものであり、これにより、従来の方法では非常に遅かった脱グリコール反応の反応速度を格段に向上させることができるのである。但し、低分子量ポリエステルに炭酸ジエステルを反応させることによって、得られるポリエステルにはカーボネート構造が導入されることとなる。該カーボネート構造が多く導入されてしまうと、例えば、結晶性の低下や着色などを生じ易くなり、ポリエステル自体の特性が損なわれることとなるため、本発明においては、炭酸ジエステルの使用量を、低分子量ポリエステルを得る際に用いた前記脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸無水物(A)に対して3モル%以下とすることが重要となる。これは、炭酸ジエステルの使用量が前記範囲を超えると、炭酸ジエステルの使用量に比例してカーボネート構造の導入量が増すことになるからである。
【0016】
前記炭酸ジエステルとしては、例えば、下記一般式(1)
【0017】
【化1】
Figure 2004256709
【0018】
(式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭化水素基である。)
で示されるものが挙げられる。詳しくは、前記式(1)中、RおよびRで表される炭化水素基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリール基、m−クレジル基、ナフチル基、メチル基、エチル基、ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。炭酸ジエステルは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記炭酸ジエステルの使用量は、前記脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸無水物(A)に対して3モル%以下であれば、特に制限されないが、好ましくは2モル%以下、さらに好ましくは0.2〜1モル%とするのがよい。前記炭酸ジエステルの使用量が3モル%を超えると、得られるポリエステルに着色が生じるなどの問題が起こることとなる。したがって、得られるポリエステルの物性を考慮すると、前記炭酸ジエステルの使用量は少ないほどよいのであるが、少なすぎると縮合速度の向上効果が得られなくなるため、0.2モル%以上とするのが望ましい。
【0019】
前記低分子量ポリエステルに炭酸ジエステルを添加して反応(縮合)させる際の脱グリコール反応については、前述した低分子量ポリエステルを得る際の脱グリコール反応と同様にすればよい。したがって、炭酸ジエステルを反応させることによる高分子量化は、前述した低分子量ポリエステルを得る際の脱グリコール反応において前述した所望の分子量に達した時点で炭酸ジエステルを添加することによって行うことができる。
本発明に製造方法においては、低分子量ポリエステルに炭酸ジエステルを反応させることによる高分子量化によって、炭酸ジエステルを反応させた後のポリエステルの分子量が、炭酸ジエステルを反応させる前の低分子量ポリエステルの分子量に対して1.4倍以上、好ましくは1.6倍以上、より好ましくは1.8倍以上となるようにすることができる。炭酸ジエステルを反応させた後のポリエステルの分子量は、32,000〜400,000であることが好ましく、35,000〜380,000であることがより好ましく、38,000〜350,000であることがさらに好ましい。但し、後述するように炭酸ジエステルを低分子量ポリエステルに反応させた後にさらに多官能イソシアネート化合物を反応させる場合には、炭酸ジエステルを反応させた後のポリエステルの分子量は、32,000〜90,000、好ましくは35,000〜85,000、より好ましくは38,000〜80,000であればよい。
【0020】
本発明に製造方法においては、前記炭酸ジエステルを前記低分子量ポリエステルに反応させた後、さらに多官能イソシアネート化合物を反応させることが好ましい。これにより、さらに高分子量化を図ることができる。
さらに多官能イソシアネート化合物を反応させる場合、該多官能イソシアネート化合物との反応に供するポリエステル(前記低分子量ポリエステルに前記炭酸ジエステルを反応させて得られるポリエステル)は、末端基が実質的にヒドロキシル基である必要があり、具体的には、末端ヒドロキシル基の単位重量当りの数(すなわち分子の大きさ)がほぼ30mgKOH/ポリマーg以下程度であることが好ましい。また、多官能イソシアネート化合物との反応に供するポリエステルは、その重量平均分子量が3万以上となっていることが好ましい。多官能イソシアネート化合物との反応に供するポリエステルの重量平均分子量が小さすぎると、最終的に得られるポリエステルの物性が低下したり、多官能イソシアネート化合物との反応中にゲル化を生じたりする恐れがある。
【0021】
前記多官能イソシアネート化合物としては、特に制限はないが、例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、水素化キシリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等が挙げられる。これらの中でも特に、ヘキサメチレンジイソシアナートが好ましい。多官能イソシアネート化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多官能イソシアネート化合物の使用量は、反応に供するポリエステルの分子量および最終的に得ようとするポリエステルの分子量にもよるが、反応に供するポリエステル100重量部に対して0.2〜3重量部、好ましくは0.5〜2重量部とするのがよい。理論的には、反応に供するポリエステルの末端ヒドロキシル基と多官能イソシアネート化合物が有するイソシアネート基との当量比が1となるようにするのが最適であるが、前記当量比が0.5程度となる範囲でその一方を過剰使用しても実用上は問題ない。
【0022】
さらに多官能イソシアネート化合物を反応させる場合、その方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法によって行えばよい。例えば、常圧下、150〜200℃の温度で反応させることが好ましい。また、前記反応は、反応に供するポリエステルが均一な溶融状態で溶剤を含まず、容易に撹拌可能となる条件下で行われることが好ましく、例えば、反応に供するポリエステルが固形状である場合は、該固形状のポリエステルに多官能イソシアネート化合物を添加し、エクストルーダーを通して溶融すると同時に反応させることも不可能ではないが、一般には、多官能イソシアネート化合物との反応は、前述した低分子量ポリエステルの製造と炭酸時エステルとの反応による高分子量化に引き続き同じ製造装置内で行うか、あるいは、例えばニーダー内で、溶融状態にあるポリエステルに多官能イソシアネート化合物を添加して反応させることが実用的である。また、前記反応は、例えば、亜リン酸等のリン化合物、酸化防止剤、滑剤等の存在下で行うようにしてもよい。
【0023】
本発明の製造方法によれば、高分子量の脂肪族ポリエステルを生産性よく得ることができる。しかも、本発明で得られた脂肪族ポリエステルは、カーボネート構造やウレタン構造の含有量が低く、ポリエステル本来の特性を充分に備えたものである。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
(実施例1)
コンデンサーおよび攪拌羽根を備えた1L4つ口フラスコに、コハク酸410g(3.47モル)、エチレングリコール215g、テトライソプロポキシチタン0.049gを仕込み、窒素雰囲気下220℃で2時間加熱して、水を留出させた。引き続き、攪拌しながら最終的に0.1kPaまで徐々に減圧し、220℃で2時間脱グリコール反応を行った。この段階で得られた反応液は、GPC測定による数平均分子量が15,700、重量平均分子量が26,100であり、酸価が4.73mgKOH/gであった。
【0025】
次いで、フラスコ内を解圧した後、窒素気流下で炭酸ジフェニル2.23g(コハク酸に対して0.3モル%)を添加し、常圧で30分間攪拌した。その後、さらに0.1kPaの減圧下で4時間脱グリコール反応を行い、GPC測定による数平均分子量が29,100、重量平均分子量が51,800であり、酸価が0.85mgKOH/gの白色ポリマーを得た。また、得られたポリマーを厚さ5mmの板状に固化させたものを試料として、色差計(日本電色工業社製「Spectro.Color.MeterSE2000」)にて、標準白色板を基準とした色差(L値、a値およびb値)を測定し、さらにこれらの値からYI値(黄色度)を算出した。YI値が大きいほど着色度合いが大きいことを示す。色差測定の結果、L値は83.92、a値は−1、b値は6.78であり、これらから算出したYI値は12.86であった。
【0026】
(実施例2)
攪拌羽根を備えた300m1L4つ口フラスコに、実施例1で得られたポリマー100gを仕込み、窒素雰囲気下180℃に昇温した後、亜リン酸(シグマーアルドリッチ製試薬)5mg、酸化防止剤(「イルガノックス1010」チバスペシャリティケミカルズ製)50mgを添加して攪拌した。次いで、ヘキサメチレンジイソシアネート1gを添加して、180℃で8時間反応させ、GPC測定による数平均分子量が108,000、重量平均分子量が250,000の白色ポリマーを得た。また、得られたポリマーを厚さ5mmの板状に固化させたものを試料として、実施例1と同様に色差を測定したところ、L値は83.85、a値は−1.50、b値は5.74であり、これらから算出したYI値は11.02であった。
【0027】
(比較例1)
炭酸ジフェニルを添加しないこと以外は、実施例1と同様にして、GPC測定による数平均分子量が20,900、重量平均分子量が36,100であり、酸価が0.75mgKOH/gの白色ポリマーを得た。また、得られたポリマーを厚さ5mmの板状に固化させたものを試料として、実施例1と同様に色差を測定したところ、L値は87.64、a値は−0.50、b値は−0.41であり、これらから算出したYI値は10.39であった。
(比較例2)
炭酸ジフェニルの添加量を37.2g(コハク酸に対して5モル%)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、GPC測定による数平均分子量が49,700、重量平均分子量が88,200であり、酸価が0.44mgKOH/gのポリマーを得た。該ポリマーは黄色に着色したものであった。また、得られたポリマーを厚さ5mmの板状に固化させたものを試料として、実施例1と同様に色差を測定したところ、L値は82.80、a値は−2.70、b値は11.76であり、これらから算出したYI値は22.06であった。
【0028】
【発明の効果】
本発明のポリエステルの製造方法によれば、高分子量の脂肪族ポリエステルを短い反応時間で生産性よく得ることができる。

Claims (2)

  1. 脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸無水物(A)とジオール化合物(B)とを反応させて低分子量ポリエステルを得、得られた低分子量ポリエステルを高分子量化するポリエステルの製造方法において、
    前記高分子量化は、前記脂肪族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸無水物(A)に対して3モル%以下の炭酸ジエステルを前記低分子量ポリエステルに反応させることにより行う、
    ことを特徴とするポリエステルの製造方法。
  2. 前記炭酸ジエステルを前記低分子量ポリエステルに反応させた後、さらに多官能イソシアネート化合物を反応させる、請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023040768A1 (zh) * 2021-09-14 2023-03-23 珠海万通化工有限公司 一种聚酯及其制备方法和应用

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