JP2004307546A - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的物性や耐熱性が良好で、アンチモン化合物の使用を必要とすることなく難燃性に優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、リン酸塩系ガラス0.1〜50質量部、ハロゲン原子を含む難燃剤1〜50質量部、リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤1〜50質量部、窒素含有難燃剤1〜50質量部および滴下防止剤0.05〜2質量部とを含有することより、機械的物性や耐熱性が良好で、アンチモン化合物の使用を必要とすることなく難燃性に優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を得る。
【選択図】なし
【解決手段】ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して、リン酸塩系ガラス0.1〜50質量部、ハロゲン原子を含む難燃剤1〜50質量部、リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤1〜50質量部、窒素含有難燃剤1〜50質量部および滴下防止剤0.05〜2質量部とを含有することより、機械的物性や耐熱性が良好で、アンチモン化合物の使用を必要とすることなく難燃性に優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を得る。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に関し、詳しくは、機械的物性や耐熱性が良好で、アンチモン化合物の使用を必要とすることなく難燃性に優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリエステル樹脂は、耐熱性や耐薬品性などに優れているため、電気・電子部品、自動車部品や一般工業用に広く用いられている。特に電気・電子部品や自動車部品向けには難燃性が要求されている。そこで熱可塑性ポリエステル樹脂の難燃性能を向上させるために様々な難燃剤が開発されている。一般的には、デカブロモジフェニルエーテル、臭素化ポリスチレン、臭素化エポキシ樹脂、塩素化パラフィンに代表される、臭素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含む有機化合物、酸化モリブデン、三酸化アンチモン等の、特に燃焼時の発煙抑制に効果がある金属酸化物などが使用されている。また、リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、赤燐に代表される、リン系化合物も難燃効果を示すことが知られている。
【0003】
特にアンチモン化合物はハロゲンを含む有機系難燃剤と併用することで熱可塑性ポリエステル樹脂に難燃効果を付与することが知られている。しかし、最近の環境規制でアンチモン化合物の使用が制限されているため、熱可塑性ポリエステル樹脂に難燃性を付与する場合には、非アンチモン系の難燃剤を用いる傾向にある。
【0004】
例えば、特許文献1には、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂に強化充填剤とメラミン・シアヌル酸付加物と特定のリン系難燃剤とを配合してなるポリアルキレンテレフタレート系難燃性樹脂組成物が開示されている。難燃性のUL規格のV−0レベルに到達するには強化充填剤を配合することが必須になっているが、強化充填剤を配合しない該樹脂組成物についても、V−0レベルが要求される場合がある。また、特許文献2には、芳香族ポリエステルに臭素化ポリカーボネートおよび特定のリン化合物を含有してなるポリブチレンテレフタレート樹脂が挙げられる。しかし、実施例には三酸化アンチモンが配合されており、アンチモン化合物を含まない樹脂組成物への難燃性の付与効果は明らかではない。
【0005】
さらに、低融点ガラスは加熱時に成形物の表面にガラス質の被膜を形成し、酸素を遮断する機能があるため難燃剤としての機能が期待される。特許文献3には、硫酸塩から成る低融点ガラスが効果的であることが記載されているが、該ガラスは耐水性に問題があり実用化されていない。それに対し、特許文献4、5には、硫酸塩を含んだリン酸塩系ガラスが塩化ビニル系樹脂の燃焼時の発煙抑制効果が高いことが記載されている。
【0006】
しかし、このリン酸塩系ガラスは発煙抑止効果を主目的にした低融点ガラスであり、発煙抑制効果を主目的とされない熱可塑性ポリエステル樹脂に対してはその効果は明らかではない。また、特許文献6、7には、実用的な耐水性を保持しながら熱可塑性樹脂に対し高い難燃効果を示すリン酸塩系ガラスが記載されている。しかし、これらリン酸塩系ガラスの中には、400℃を超えるガラス転移点を有するガラスや300℃未満ガラス転移点を有するガラスがあるため、300〜400℃程度の温度域で分解が始まる樹脂に対して充分な難燃性を付与することが難しい場合があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−157880号公報
【特許文献2】
特開平11−269364号公報
【特許文献3】
米国特許第4544695号公報
【特許文献4】
特開平09−003335号公報
【特許文献5】
特開平10−101364号公報
【特許文献6】
特開2001−64036号公報
【特許文献7】
特開2001−64524号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂に対し上記の問題点を解決し、機械的物性や耐熱性を損なわず、かつ、アンチモン化合物の使用を必要とすることなく難燃性に優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、熱可塑性ポリエステル樹脂と、(a)リン酸塩系ガラスと、(b)ハロゲン原子を含む難燃剤と、(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤と、(d)窒素含有難燃剤と、(e)滴下防止剤とを組み合わせることにより、機械的物性や耐熱性が良好で、アンチモン化合物の使用を必要とすることなく難燃性に優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、下記熱可塑性ポリエステル樹脂組成物である。熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、(a)リン酸塩系ガラス0.1〜50質量部と、(b)ハロゲン原子を含む難燃剤1〜50質量部と、(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤1〜50質量部と、(d)窒素含有難燃剤1〜50質量部と、(e)滴下防止剤0.05〜2質量部とを含有することを特徴とする熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0011】
また、本発明は、前記組成物において、熱可塑性ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレート樹脂である、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0012】
また、本発明は、前記組成物において、(a)リン酸塩系ガラスが、300℃より高く、400℃より低いガラス転移点を有する熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0013】
また、本発明は、前記組成物において、(a)リン酸塩系ガラスが予め表面処理されている熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0014】
また、本発明は、前記組成物において、(b)ハロゲン原子を含む難燃剤が臭素化エポキシ樹脂および/または臭素化ポリカーボネート樹脂である、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0015】
また、本発明は、前記組成物において、(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤が、モノマー型リン酸エステル系難燃剤および縮合型リン酸エステル系難燃剤からなる群より選択される少なくとも1種である熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0016】
また、本発明は、前記組成物において、(d)窒素含有難燃剤がメラミン系化合物またはグアナミン系化合物と、シアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩である熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0017】
また、本発明は、前記組成物において、繊維状強化材が熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して1〜70質量部を含有する、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。さらに、前記繊維状強化材がガラス繊維である、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
[熱可塑性ポリエステル樹脂の説明]
本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂は、そのポリマー構造中に塩素原子や臭素原子などのハロゲン原子を実質的に有しない熱可塑性ポリエステル樹脂が好ましい。この熱可塑性ポリエステル樹脂としては、電気部品用途に使用され、難燃化の必要性が高い樹脂である。このような樹脂は可燃性が高く、また難燃剤を多量に配合するとその樹脂の機械的物性などの特徴が発揮され難い樹脂であり、本発明による難燃化の効果が顕著に発揮される。
【0019】
本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂、ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性ポリエステル樹脂であることが好ましい。特に好ましい熱可塑性ポリエステル樹脂は、ポリブチレンテレフタレート樹脂からなる熱可塑性ポリエステル樹脂である。
【0020】
上記の本発明において、熱可塑性ポリエステル樹脂はこれら相互の混合物でもよく、例えば、ポリブチレンテレフタレート系樹脂とポリエチレンテレフタレート系樹脂の混合物であってもよい。また、これらの熱可塑性ポリエステル樹脂は、主たる樹脂よりも少量の他の熱可塑性樹脂との混合物であってもよい。これら他のモノマー単位や他の樹脂の割合は全熱可塑性樹脂に対して50質量%未満であり、30質量%以下が好ましい。
【0021】
熱可塑性ポリエステル樹脂と混合して使用しうる他の熱可塑性樹脂としては、ハロゲン原子を含まない熱可塑性樹脂が好ましい。このような他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などに代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0022】
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂の形態は、特に制限なく、ペレット状、粒状、粉末状、繊維状などの種々の形態を用いることができる。
【0023】
[(a)リン酸塩系ガラス]
本発明におけるリン酸塩系ガラスは、熱可塑性ポリエステル樹脂用難燃剤として機能し得る比較的低融点のリン酸塩系ガラスであり、そのガラス転移温度は200℃より高く500℃より低いことが好ましい。特に、300℃より高く400℃より低いガラス転移点を示すリン酸塩系ガラスが好ましい。ガラス転移点が低すぎると、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の樹脂成分が燃焼する際の熱によってガラスが溶融しやすくなり、低い温度での難燃効果はあるものの、高温度領域では、ガラスの粘性が低くなって流動しやすくなり、ガラスの皮膜を形成し難くなり、結果として難燃性や発煙抑止の効果が劣る。また、ガラス転移点が高すぎると、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の樹脂成分が燃焼する際の熱によってガラスが溶融しガラスの皮膜の形成し難くなり、結果として難燃性や発煙抑止の効果が劣る。前記熱可塑性ポリエステル樹脂の種類とその燃焼時の性質を考慮すると、リン酸塩系ガラスのガラス転移温度は300℃より高く400℃より低いことが好ましい。
【0024】
本発明のリン酸塩系ガラスの組成は、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物やそれから得られる成形品において難燃性付与や燃焼時の発煙抑止の効果を発現し、かつ、安定した量産が可能であるものであれば、特に限定はされない。リン酸塩系ガラス中のリン成分の量はP2O5に換算したモル%表示で10〜60%が適当であり、15〜45%が好ましい。好ましいリン酸塩系ガラスは、P2O5を含み、かつ少なくともRO(ここでRはMg、Ca、Zn、Sn、Baなどの2価の金属)、R′2O(ここでR′はLi、Na、Kなどの1価のアルカリ金属)、Al2O3、B2O3、SO3のいずれか1種を含むリン酸塩系ガラスが挙げられる。具体的には例えば、P2O5−ZnO−R′2O系ガラス、P2O5−ZnO−SO3系ガラス、P2O5−Al2O3−B2O3系ガラスなどがある。
【0025】
リン酸塩系ガラスとしては、モル%表示で15〜45%のP2O5、3〜60%のRO(ただし、少なくともその一部はZnO)、3〜40%のR′2O、0〜15%のAl2O3、3〜25%のB2O3および0〜30%のSO3を成分として含む組成のリン酸塩系ガラスが好ましい。特に好ましいリン酸塩系ガラスは、モル%表示で、20〜30%のP2O5、10〜55%のZnO、0〜15%のZnO以外のRO、5〜35%のR′2O、1〜5%のAl2O3、8〜20%のB2O3および3〜20モル%のSO3を成分として含む組成のリン酸塩ガラスである。また、本発明における効果を損なわない範囲において、上記以外にSr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Moなどの金属酸化物を成分として含有してもよい。
【0026】
本発明におけるリン酸塩系ガラスの形態は、特に制限ないが、ペレット状、粒状、粉末状、繊維状などの種々の形態であることができるが、粉末状、繊維状が好ましい。粉末状の場合は、10μm以下の平均粒径を有するものが、樹脂との接触面積が大きくなり、燃焼時にガラスが溶融してガラスの皮膜を形成しやすくなり、結果として難燃性付与効果が発揮される点で好ましい。
【0027】
本発明のリン酸塩系ガラスには、熱可塑性ポリエステル樹脂に配合する前に、予め表面処理されていることが好ましい。それは、リン酸塩系ガラスと熱可塑性ポリエステル樹脂とを混練して熱可塑性ポリエステル樹脂組成物とする際や、この熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を成形する際に、リン酸塩系ガラスと熱可塑性ポリエステル樹脂との接着性を向上させる。リン酸塩系ガラスと熱可塑性ポリエステル樹脂との接着性が不充分であると、それらの界面に空間ができ、この空間が燃焼時にリン酸塩系ガラスが溶融してガラスの皮膜の形成することの妨げとなり、結果として難燃性付与効果が不充分となるので、この欠点を防止することが重要であるからである。また、リン酸塩系ガラスを取り扱う上で、静電気の発生を抑えてハンドリング性を改善することができるからである。
【0028】
表面処理をするための表面処理剤としては、カップリング剤、フィルムフォーマー、潤滑剤および帯電防止剤などがあり、これらを単独で用いても複数の成分を併用してもよい。また表面処理剤に含まれる上記成分は、配合する熱可塑性ポリエステル樹脂の種類に応じて適宜選択すればよい。表面処理剤のリン酸塩系ガラスへの付与量は、付与後のリン酸塩系ガラスの質量を基準にして固形分として0.1〜5.0質量%であることが好ましい。付与量が0.1質量%より少ないとガラスを取り扱う上でのハンドリング性および前記樹脂との接着性を充分に改善することやリン酸塩系ガラスを保護することが難しくなる。また、付与量が5.0質量%より多いと前記熱可塑性ポリエステル樹脂へのリン酸塩系ガラスの分散を低下させることになりやすい。
【0029】
上記カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、ボラン系カップリング剤またはチタネート系カップリング剤などを使用することができる。特に、熱可塑性ポリエステル樹脂とリン酸塩系ガラスとの接着性が良好である点からシラン系カップリング剤を用いるのが好ましい。上記シラン系カップリング剤としては、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、アクリルシラン系カップリング剤などを使用することができる。それらのシラン系カップリング剤の中でも、熱可塑性ポリエステル樹脂とリン酸塩系ガラスとの接着性が優れている点から、アミノシラン系カップリング剤を用いるのが特に好ましい。
【0030】
前記フィルムフォーマーとしては、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂もしくはポリオレフィン樹脂などのポリマーまたはそれらの変性物を使用することができる。特にノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0031】
前記潤滑剤としては、脂肪族エステル系、脂肪族エーテル系、芳香族エステル系または芳香族エーテル系の界面活性剤を使用することができる。前記帯電防止剤としては、塩化リチウムもしくはヨウ化カリウムなどの無機塩またはアンモニウムクロライド型もしくはアンモニウムエトサルフェート型などの4級アンモニウム塩を使用することができる。
【0032】
また、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、上記リン酸塩系ガラスを0.1〜50質量部含む。0.1質量部未満であると難燃性付与の効果が得られず、50質量部超であると該樹脂組成物の成形流動性が劣る場合があるためである。好ましいリン酸塩系ガラスの量は、0.5〜30質量部である。
【0033】
[(b)ハロゲン原子を含む難燃剤]
本発明のハロゲン原子を含む難燃剤としては、塩素原子や臭素原子などのハロゲン原子を含む有機化合物であり、芳香族ハロゲン化合物、ハロゲン化ビスフェノールA系化合物、ハロゲン化エポキシ樹脂、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化芳香族ビニル系重合体、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポリフェニルエーテル、ハロゲン化ビスイミドなどが挙げられる。
【0034】
ハロゲン原子が臭素である難燃剤として、例えば、デカブロムジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、エチレンビス(テトラブロモフタル)イミド、トリス(ジブロモプロピル)イソシアネート、臭素化ポリスチレン、臭素化エポキシ樹脂、ビス(ジブロモプロピル)テトラブロモビスフェノールA、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリフェニルエーテル、トリブロムフェノール、ヘキサブロモシクロドデカンなどが挙げられる。ハロゲン原子が塩素である難燃剤として、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。また、本発明のハロゲン原子を含む難燃剤としては、リンを含まない難燃剤が好ましい。
【0035】
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に用いるハロゲン原子を含む難燃剤としては、臭素化エポキシ樹脂および/または臭素化ポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0036】
ハロゲン原子を含む難燃剤の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して1〜50質量部であり、好ましくは5〜30質量部である。1質量部未満では難燃性の効果が劣り、50質量部超では、該樹脂組成物の機械的強度が低下するためである。
【0037】
[(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤]
本発明に用いるリン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤(以下、単にリン系難燃剤とする)としては、リン酸エステル系、ポリリン酸塩系などがあり、塩素原子や臭素原子などのハロゲン原子を含まないリン系難燃剤が好ましい。リン酸エステル系としては、トリフェニルホスフェート(TPP)、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート、トリアリルホスフェートなどのモノマー型リン酸エステル、ビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)(BADP)などの縮合型リン酸エステルが挙げられる。ポリリン酸塩系としては、ポリリン酸アンモニウム(APP)、ポリリン酸メラミン(MPP)などが挙げられる。通常、リン系難燃剤には赤リン系難燃剤が含まれるが、本発明においては、樹脂組成物の赤い着色の問題や空気中の水分や酸素との反応生成物による作業環境の悪化や樹脂組成物と接する金属部分の腐食などの問題があるため、赤リン系難燃剤を用いない方が好ましい。
【0038】
本発明に用いるリン系難燃剤としては、特に難燃性の効果が優れる点から、モノマー型リン酸エステル系難燃剤および縮合型リン酸エステル系難燃剤からなる群より選択される少なくとも1種であるリン系難燃剤を用いるのが好ましい。
【0039】
リン系難燃剤は液体であっても固体であってもよい。特に、リン系難燃剤が粉体状の場合には、熱可塑性ポリエステル樹脂と混合または混練する時に熱可塑性ポリエステル樹脂中に均一に分散することにより、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が良好な難燃性を発揮することができる。リン系難燃剤の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して1〜50質量部であり、好ましくは5〜30質量部である。1質量部未満では難燃性の効果が劣り50質量部超では、該樹脂組成物の機械的強度の低下や耐熱性が劣るためである。
【0040】
[(d)窒素含有難燃剤]
本発明で使用される窒素含有難燃剤とは、尿素、メラミン、メチロール化メラミン、エーテル化メラミン、メラミンオリゴマ縮合物、硫酸メラミン、ジシアンジアミド、スルファミン酸グアニジンや、メラミン系化合物またはグアナミン系化合物とシアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩などが挙げられる。また、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ビスイミドなどのハロゲン原子を含む窒素含有難燃剤は、前述のハロゲン原子を含む難燃剤に含まれるものとする。また、グアニジンとリン酸との塩、グアニル尿素とリン酸との塩、ポリリン酸アンモニウム(APP)、ポリリン酸メラミン(MPP)などの窒素原子を含むリン系難燃剤は、前述のリン系難燃剤に含まれるものとする。
【0041】
本発明で使用される窒素含有難燃剤には、メラミン系化合物またはグアナミン系化合物と、シアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩を用いることが好ましい。これは、リン酸塩系ガラスおよびリン系難燃剤と併用して用いることにより、難燃性の効果を顕著に発揮するからである。前記塩はメラミン系化合物またはグアナミン系化合物と、シアヌル酸またはイソシアヌル酸との付加物であり、通常は1対1(モル比)、場合により1対2(モル比)の組成を有する付加物である。メラミン系化合物またはグアナミン系化合物のうち、シアヌル酸またはイソシアヌル酸と塩を形成しないものは除外される。
【0042】
シアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩を形成するメラミン系化合物としては、メラミン、メチロール化メラミン、エーテル化メラミンなどが挙げられ、同様にグアナミン系化合物としては、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等が挙げられ、好ましくは、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンである。
【0043】
メラミン系化合物またはグアナミン系化合物とシアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩は、メラミン系化合物またはグアナミン系化合物とシアヌル酸またはイソシアヌル酸の混合物を水スラリーとなし、よく混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、乾燥して得られる粉末であり、単なる混合物とは異なる。この塩は完全に純粋である必要はなく、多少未反応のメラミン系化合物、グアナミン系化合物ないしシアヌル酸、イソシアヌル酸が残存していてもよい。本発明で使用される窒素含有難燃剤としては、メラミン系化合物とシアヌル酸との塩、具体的にはメラミンシアヌレートがさらに好ましく用いることができる。
【0044】
窒素含有難燃剤の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、1〜50質量部、好ましくは5〜30質量部である。1質量部未満では難燃性の効果が劣り、50質量部超では該樹脂組成物の機械的強度が低下するためである。
【0045】
[(e)滴下防止剤]
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、さらに滴下防止剤を含有することが好ましい。滴下防止剤は、燃焼時に軟化、溶融した熱可塑性ポリエステル樹脂が流動して滴下することを抑制するように機能する目的で配合される。滴下防止剤としては、主にフッ素系樹脂が用いられる。
【0046】
フッ素系樹脂としては、ポリモノフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEとする)、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を挙げることができる。特に少量で滴下防止性が優れるPTFEを用いるのが好ましい。滴下防止剤の配合量としては、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.05〜2質量部であることが好ましい。0.05質量部未満では、滴下防止の効果が得られず、2質量部超では、該樹脂組成物の機械的強度が低下したり、流動性が低下したりするためである。
【0047】
[繊維状強化材の説明]
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、さらに繊維状強化材を含有することが好ましい。繊維状強化材としては、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維、ウィスカ、芳香族ポリアミド繊維などが挙げられる。また、前記リン酸塩系ガラスを繊維の形態で用いる場合には、前記繊維状強化材に含まれないものとする。前記ガラス繊維のガラス組成としては、Eガラス、Aガラス、Cガラス、Dガラス、ECRガラス、ARガラス、Sガラスなどを例示することができる。前記セラミック繊維としては、アルミナ繊維、珪素−アルミナ繊維、窒化珪素繊維などを例示することができる。前記ウィスカとしてはホウ酸アルミニウムウィスカを例示することができる。
【0048】
前記繊維状強化材は、短繊維および連続繊維を含む長繊維のいずれかの形態でも使用することができる。本発明に用いる繊維状強化材としては、強度および剛性の向上、耐熱性の向上の点からガラス繊維を用いるのが特に好ましい。
【0049】
本発明の繊維状強化材の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、1〜70質量部含有することが好ましく、10〜 50質量部が特に好ましい。
【0050】
本発明の繊維状強化材には、熱可塑性ポリエステル樹脂に配合する前に、予め表面処理されていることが好ましい。それは、繊維状強化材と熱可塑性ポリエステル樹脂とを混練して熱可塑性ポリエステル樹脂組成物とする際や、この熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を成形する際に、繊維状強化材と熱可塑性ポリエステル樹脂との接着性を向上させる。繊維状強化材と熱可塑性ポリエステル樹脂との接着性が不充分であると、それらの界面に空間ができ、この空間が燃焼時にリン酸塩系ガラスが溶融してガラスの皮膜の形成することの妨げとなり、結果として難燃性付与効果が不充分となるので、この欠点を防止することが重要であるからである。また、繊維状強化材を取り扱う上で、静電気の発生を抑えてハンドリング性を改善することができるからである。
【0051】
表面処理剤の繊維状強化材への付与量は、付与後の繊維状強化材の質量を基準にして固形分として0.1〜5.0質量%であることが好ましい。付与量が0.1質量%より少ないと繊維状強化材を取り扱う上でのハンドリング性や熱可塑性ポリエステル樹脂との接着性を充分に改善することや繊維状強化材を保護することが難しくなる。また、付与量が5.0質量%より多いと熱可塑性ポリエステル樹脂への繊維状強化材の分散を低下させることになりやすい。
【0052】
表面処理をするための表面処理剤としては、前述したリン酸塩系ガラスの表面処理に用いる同様のカップリング剤、フィルムフォーマー、潤滑剤および帯電防止剤などを用いることができる。表面処理剤の構成は、前述したリン酸塩系ガラスの表面処理剤と同一でも異なっていても、どちらでもよい。
【0053】
[その他の配合物の説明]
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、さらに、前述したリン酸塩系ガラスまたは繊維状強化材の表面処理剤に含まれるものとは別個に、カップリング剤、滑剤、帯電防止剤、安定剤等の種々の添加剤を含有させることができる。このような添加剤として、例えば、シラン系カップリング剤などのカップリング剤、フタル酸エステルなどの可塑剤、ステアリン酸誘導体などの滑剤、ヒンダードフェノール類などの酸化防止剤、有機スズ化合物などの熱安定剤、ベンゾトリアゾール系化合物などの紫外線吸収剤、顔料などの着色剤、界面活性剤などの帯電防止剤などが適宜採用される。
【0054】
また、ガラスバルーン、シラスバルーンなどの中空状充填剤や、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレーなどの粉末状充填剤を含有してもよい。また、難燃性をさらに向上させるために、前記の難燃剤以外の難燃剤を添加してもよい。例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、またはシリコン化合物等が挙げられる。なお、これらの添加剤は、予め樹脂成分に含有させておくことが好ましい。
【0055】
[組成物の説明]
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂、(a)リン酸塩系ガラス、(b)ハロゲン原子を含む難燃剤、(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤、(d)窒素含有難燃剤、(e)滴下防止剤、任意に繊維状強化材を、さらに必要に応じて配合されるそれら以外の添加剤とを、混合することにより製造できる。特に、混合と同時の溶融、例えば溶融混練、あるいは混合後の溶融などの従来の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の製造方法と同様の方法により成形材料としての組成物を製造することが好ましい。(a)リン酸塩系ガラス、(b)ハロゲン原子を含む難燃剤、(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤および(c)窒素含有難燃剤の合計量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、20〜100質量部であることが好ましく、特に50〜80質量部が好ましい。それは20質量部未満では難燃性の効果が劣り、100質量部超では、該樹脂組成物の機械的強度が低下するためである。
【0056】
成形材料である本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、従来の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の同様に各種の方法によって成形して成形品とすることができる。その成形の方法としては、プレス成形、押出し成形、カレンダ成形、射出成形、引き抜き成形などがある。このような成形方法により、成形品である本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が得られる。
【0057】
成形品としては、例えば、リレー、コネクターなどの電気・電子部品用途、ドアパネル、フロントパネル、リアパネルなどの内外装の部材を中心とする車両用途などが挙げられる。
【0058】
【実施例】
以下に、本発明の具体例を説明するが、本発明はこれらに限定されない。各評価方法を以下に示す。
ガラス転移点は、ガラスカレットを所定の粒径に粉砕したものを測定に供し、示差熱分析装置(DTA)を用いて、加熱速度10℃/分、窒素雰囲気下で測定を行った。DTA曲線において第一吸熱部の肩の温度をガラス転移点として読み取った。
【0059】
難燃性の試験は、UL94規格に従い、幅12.7mm、長さ127mm、厚み1.6mmの試験片を用いて、同一組成物の試験片について垂直燃焼試験を5回行った。5回の燃焼時間を合計して、総燃焼時間(秒)とし、250秒を超える場合は測定不可とした。前記規格の判定基準に従って、V−0、V−1、V−2およびV−OUT(V−0、V−1およびV−2に該当しない)の4つのランクで判定した。耐熱強度の指標である荷重たわみ温度(以下DTULとする)の試験は、ASTM−D648に従って行い、厚み3.2mm、幅12.7mm、長さ127mmの試験片を測定に供した。
【0060】
[リン酸塩系ガラス]
モル百分率表示で、4.1%のLi2O、5.7%のNa2O、4.4%のK2O、24.9%のP2O5、9.3%のSO3、40.5%のZnO、1.5%のAl2O3および9.6%のB2O3のガラス組成となるように、ガラス原料を混合し溶融させてから固化させてガラスカレットを作製した。前記カレットを粉砕して篩にかけ、平均粒径3.6μmの粉末状のリン酸塩系ガラス(PG)を得た。前記ガラスのガラス転移点を測定したところ、354℃であった。
【0061】
リン酸塩系ガラス(PG)にモノアミノシランカップリング剤を、付与後の前記ガラスの質量を基準にして固形分として2.0質量%付着させて、表面処理をしたリン酸塩系ガラス(PG1)を得た。
【0062】
[実施例1]
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT、商品名:バロックス310、日本ジーイープラスチック社製)100質量部、表面処理したリン酸塩系ガラス(PG1)5質量部、リン系難燃剤としてビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)(BADP、大八化学工業社製)20質量部、ハロゲン原子を含む難燃剤として臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(阪本薬品工業社製SR−T5000)20質量部、窒素含有難燃剤としてメラミンシアヌレート(日産化学社製MC−440)20質量部および滴下防止剤としてPTFE(平均粒径475μm、旭硝子社製)0.2質量部をあらかじめ混合した後、シリンダーの設定温度が260℃の2軸押出し機を用いて溶融混練して、ペレット状の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を得た。
【0063】
この熱可塑性ポリエステル樹脂組成物について、120℃で5時間乾燥後、射出成形機を用い、シリンダー温度250℃、金型温度80℃にて成形し、実施例1となる試験片を得た。
【0064】
[実施例2〜3、比較例1〜5]
表1および表2に記載の配合の通りにする以外は、実施例1と同様の方法によって、実施例2〜3および比較例1〜5となる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の成形品の試験片を得た。なお、繊維状強化材としては、ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製CS03JAFT592)を用いた。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
これら12種類の試験片について、DTULの試験および難燃性の試験を行い、その評価結果を表3、表4に示す。
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
リン酸塩系ガラス、臭素化エポキシ樹脂難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、メラミンシアヌレートおよびPTFEを組み合わせた実施例1では、比較例1〜4と比較して、難燃性が低下せず、V−0レベルの難燃効果を発揮することがわかる。また、DTULも同様に低下していないことがわかる。
【0071】
実施例1にさらにガラス繊維を配合した実施例2では、比較例5と比べると、リン酸塩系ガラスの添加により難燃効果が発揮することがわかる。
【0072】
【発明の効果】
以上のように本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂と、(a)リン酸塩系ガラスと、(b)ハロゲン原子を含む難燃剤と、(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤と、(d)窒素含有難燃剤と、(e)滴下防止剤とを組み合わせることにより、機械的物性や耐熱性が良好で、アンチモン化合物の使用を必要とすることなく難燃性に優れた成形品を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に関し、詳しくは、機械的物性や耐熱性が良好で、アンチモン化合物の使用を必要とすることなく難燃性に優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリエステル樹脂は、耐熱性や耐薬品性などに優れているため、電気・電子部品、自動車部品や一般工業用に広く用いられている。特に電気・電子部品や自動車部品向けには難燃性が要求されている。そこで熱可塑性ポリエステル樹脂の難燃性能を向上させるために様々な難燃剤が開発されている。一般的には、デカブロモジフェニルエーテル、臭素化ポリスチレン、臭素化エポキシ樹脂、塩素化パラフィンに代表される、臭素原子、塩素原子等のハロゲン原子を含む有機化合物、酸化モリブデン、三酸化アンチモン等の、特に燃焼時の発煙抑制に効果がある金属酸化物などが使用されている。また、リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、赤燐に代表される、リン系化合物も難燃効果を示すことが知られている。
【0003】
特にアンチモン化合物はハロゲンを含む有機系難燃剤と併用することで熱可塑性ポリエステル樹脂に難燃効果を付与することが知られている。しかし、最近の環境規制でアンチモン化合物の使用が制限されているため、熱可塑性ポリエステル樹脂に難燃性を付与する場合には、非アンチモン系の難燃剤を用いる傾向にある。
【0004】
例えば、特許文献1には、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂に強化充填剤とメラミン・シアヌル酸付加物と特定のリン系難燃剤とを配合してなるポリアルキレンテレフタレート系難燃性樹脂組成物が開示されている。難燃性のUL規格のV−0レベルに到達するには強化充填剤を配合することが必須になっているが、強化充填剤を配合しない該樹脂組成物についても、V−0レベルが要求される場合がある。また、特許文献2には、芳香族ポリエステルに臭素化ポリカーボネートおよび特定のリン化合物を含有してなるポリブチレンテレフタレート樹脂が挙げられる。しかし、実施例には三酸化アンチモンが配合されており、アンチモン化合物を含まない樹脂組成物への難燃性の付与効果は明らかではない。
【0005】
さらに、低融点ガラスは加熱時に成形物の表面にガラス質の被膜を形成し、酸素を遮断する機能があるため難燃剤としての機能が期待される。特許文献3には、硫酸塩から成る低融点ガラスが効果的であることが記載されているが、該ガラスは耐水性に問題があり実用化されていない。それに対し、特許文献4、5には、硫酸塩を含んだリン酸塩系ガラスが塩化ビニル系樹脂の燃焼時の発煙抑制効果が高いことが記載されている。
【0006】
しかし、このリン酸塩系ガラスは発煙抑止効果を主目的にした低融点ガラスであり、発煙抑制効果を主目的とされない熱可塑性ポリエステル樹脂に対してはその効果は明らかではない。また、特許文献6、7には、実用的な耐水性を保持しながら熱可塑性樹脂に対し高い難燃効果を示すリン酸塩系ガラスが記載されている。しかし、これらリン酸塩系ガラスの中には、400℃を超えるガラス転移点を有するガラスや300℃未満ガラス転移点を有するガラスがあるため、300〜400℃程度の温度域で分解が始まる樹脂に対して充分な難燃性を付与することが難しい場合があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−157880号公報
【特許文献2】
特開平11−269364号公報
【特許文献3】
米国特許第4544695号公報
【特許文献4】
特開平09−003335号公報
【特許文献5】
特開平10−101364号公報
【特許文献6】
特開2001−64036号公報
【特許文献7】
特開2001−64524号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂に対し上記の問題点を解決し、機械的物性や耐熱性を損なわず、かつ、アンチモン化合物の使用を必要とすることなく難燃性に優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、熱可塑性ポリエステル樹脂と、(a)リン酸塩系ガラスと、(b)ハロゲン原子を含む難燃剤と、(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤と、(d)窒素含有難燃剤と、(e)滴下防止剤とを組み合わせることにより、機械的物性や耐熱性が良好で、アンチモン化合物の使用を必要とすることなく難燃性に優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、下記熱可塑性ポリエステル樹脂組成物である。熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、(a)リン酸塩系ガラス0.1〜50質量部と、(b)ハロゲン原子を含む難燃剤1〜50質量部と、(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤1〜50質量部と、(d)窒素含有難燃剤1〜50質量部と、(e)滴下防止剤0.05〜2質量部とを含有することを特徴とする熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0011】
また、本発明は、前記組成物において、熱可塑性ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレート樹脂である、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0012】
また、本発明は、前記組成物において、(a)リン酸塩系ガラスが、300℃より高く、400℃より低いガラス転移点を有する熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0013】
また、本発明は、前記組成物において、(a)リン酸塩系ガラスが予め表面処理されている熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0014】
また、本発明は、前記組成物において、(b)ハロゲン原子を含む難燃剤が臭素化エポキシ樹脂および/または臭素化ポリカーボネート樹脂である、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0015】
また、本発明は、前記組成物において、(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤が、モノマー型リン酸エステル系難燃剤および縮合型リン酸エステル系難燃剤からなる群より選択される少なくとも1種である熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0016】
また、本発明は、前記組成物において、(d)窒素含有難燃剤がメラミン系化合物またはグアナミン系化合物と、シアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩である熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0017】
また、本発明は、前記組成物において、繊維状強化材が熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して1〜70質量部を含有する、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。さらに、前記繊維状強化材がガラス繊維である、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
[熱可塑性ポリエステル樹脂の説明]
本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂は、そのポリマー構造中に塩素原子や臭素原子などのハロゲン原子を実質的に有しない熱可塑性ポリエステル樹脂が好ましい。この熱可塑性ポリエステル樹脂としては、電気部品用途に使用され、難燃化の必要性が高い樹脂である。このような樹脂は可燃性が高く、また難燃剤を多量に配合するとその樹脂の機械的物性などの特徴が発揮され難い樹脂であり、本発明による難燃化の効果が顕著に発揮される。
【0019】
本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)樹脂、ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性ポリエステル樹脂であることが好ましい。特に好ましい熱可塑性ポリエステル樹脂は、ポリブチレンテレフタレート樹脂からなる熱可塑性ポリエステル樹脂である。
【0020】
上記の本発明において、熱可塑性ポリエステル樹脂はこれら相互の混合物でもよく、例えば、ポリブチレンテレフタレート系樹脂とポリエチレンテレフタレート系樹脂の混合物であってもよい。また、これらの熱可塑性ポリエステル樹脂は、主たる樹脂よりも少量の他の熱可塑性樹脂との混合物であってもよい。これら他のモノマー単位や他の樹脂の割合は全熱可塑性樹脂に対して50質量%未満であり、30質量%以下が好ましい。
【0021】
熱可塑性ポリエステル樹脂と混合して使用しうる他の熱可塑性樹脂としては、ハロゲン原子を含まない熱可塑性樹脂が好ましい。このような他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などに代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0022】
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂の形態は、特に制限なく、ペレット状、粒状、粉末状、繊維状などの種々の形態を用いることができる。
【0023】
[(a)リン酸塩系ガラス]
本発明におけるリン酸塩系ガラスは、熱可塑性ポリエステル樹脂用難燃剤として機能し得る比較的低融点のリン酸塩系ガラスであり、そのガラス転移温度は200℃より高く500℃より低いことが好ましい。特に、300℃より高く400℃より低いガラス転移点を示すリン酸塩系ガラスが好ましい。ガラス転移点が低すぎると、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の樹脂成分が燃焼する際の熱によってガラスが溶融しやすくなり、低い温度での難燃効果はあるものの、高温度領域では、ガラスの粘性が低くなって流動しやすくなり、ガラスの皮膜を形成し難くなり、結果として難燃性や発煙抑止の効果が劣る。また、ガラス転移点が高すぎると、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の樹脂成分が燃焼する際の熱によってガラスが溶融しガラスの皮膜の形成し難くなり、結果として難燃性や発煙抑止の効果が劣る。前記熱可塑性ポリエステル樹脂の種類とその燃焼時の性質を考慮すると、リン酸塩系ガラスのガラス転移温度は300℃より高く400℃より低いことが好ましい。
【0024】
本発明のリン酸塩系ガラスの組成は、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物やそれから得られる成形品において難燃性付与や燃焼時の発煙抑止の効果を発現し、かつ、安定した量産が可能であるものであれば、特に限定はされない。リン酸塩系ガラス中のリン成分の量はP2O5に換算したモル%表示で10〜60%が適当であり、15〜45%が好ましい。好ましいリン酸塩系ガラスは、P2O5を含み、かつ少なくともRO(ここでRはMg、Ca、Zn、Sn、Baなどの2価の金属)、R′2O(ここでR′はLi、Na、Kなどの1価のアルカリ金属)、Al2O3、B2O3、SO3のいずれか1種を含むリン酸塩系ガラスが挙げられる。具体的には例えば、P2O5−ZnO−R′2O系ガラス、P2O5−ZnO−SO3系ガラス、P2O5−Al2O3−B2O3系ガラスなどがある。
【0025】
リン酸塩系ガラスとしては、モル%表示で15〜45%のP2O5、3〜60%のRO(ただし、少なくともその一部はZnO)、3〜40%のR′2O、0〜15%のAl2O3、3〜25%のB2O3および0〜30%のSO3を成分として含む組成のリン酸塩系ガラスが好ましい。特に好ましいリン酸塩系ガラスは、モル%表示で、20〜30%のP2O5、10〜55%のZnO、0〜15%のZnO以外のRO、5〜35%のR′2O、1〜5%のAl2O3、8〜20%のB2O3および3〜20モル%のSO3を成分として含む組成のリン酸塩ガラスである。また、本発明における効果を損なわない範囲において、上記以外にSr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Moなどの金属酸化物を成分として含有してもよい。
【0026】
本発明におけるリン酸塩系ガラスの形態は、特に制限ないが、ペレット状、粒状、粉末状、繊維状などの種々の形態であることができるが、粉末状、繊維状が好ましい。粉末状の場合は、10μm以下の平均粒径を有するものが、樹脂との接触面積が大きくなり、燃焼時にガラスが溶融してガラスの皮膜を形成しやすくなり、結果として難燃性付与効果が発揮される点で好ましい。
【0027】
本発明のリン酸塩系ガラスには、熱可塑性ポリエステル樹脂に配合する前に、予め表面処理されていることが好ましい。それは、リン酸塩系ガラスと熱可塑性ポリエステル樹脂とを混練して熱可塑性ポリエステル樹脂組成物とする際や、この熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を成形する際に、リン酸塩系ガラスと熱可塑性ポリエステル樹脂との接着性を向上させる。リン酸塩系ガラスと熱可塑性ポリエステル樹脂との接着性が不充分であると、それらの界面に空間ができ、この空間が燃焼時にリン酸塩系ガラスが溶融してガラスの皮膜の形成することの妨げとなり、結果として難燃性付与効果が不充分となるので、この欠点を防止することが重要であるからである。また、リン酸塩系ガラスを取り扱う上で、静電気の発生を抑えてハンドリング性を改善することができるからである。
【0028】
表面処理をするための表面処理剤としては、カップリング剤、フィルムフォーマー、潤滑剤および帯電防止剤などがあり、これらを単独で用いても複数の成分を併用してもよい。また表面処理剤に含まれる上記成分は、配合する熱可塑性ポリエステル樹脂の種類に応じて適宜選択すればよい。表面処理剤のリン酸塩系ガラスへの付与量は、付与後のリン酸塩系ガラスの質量を基準にして固形分として0.1〜5.0質量%であることが好ましい。付与量が0.1質量%より少ないとガラスを取り扱う上でのハンドリング性および前記樹脂との接着性を充分に改善することやリン酸塩系ガラスを保護することが難しくなる。また、付与量が5.0質量%より多いと前記熱可塑性ポリエステル樹脂へのリン酸塩系ガラスの分散を低下させることになりやすい。
【0029】
上記カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、ボラン系カップリング剤またはチタネート系カップリング剤などを使用することができる。特に、熱可塑性ポリエステル樹脂とリン酸塩系ガラスとの接着性が良好である点からシラン系カップリング剤を用いるのが好ましい。上記シラン系カップリング剤としては、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、アクリルシラン系カップリング剤などを使用することができる。それらのシラン系カップリング剤の中でも、熱可塑性ポリエステル樹脂とリン酸塩系ガラスとの接着性が優れている点から、アミノシラン系カップリング剤を用いるのが特に好ましい。
【0030】
前記フィルムフォーマーとしては、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂もしくはポリオレフィン樹脂などのポリマーまたはそれらの変性物を使用することができる。特にノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0031】
前記潤滑剤としては、脂肪族エステル系、脂肪族エーテル系、芳香族エステル系または芳香族エーテル系の界面活性剤を使用することができる。前記帯電防止剤としては、塩化リチウムもしくはヨウ化カリウムなどの無機塩またはアンモニウムクロライド型もしくはアンモニウムエトサルフェート型などの4級アンモニウム塩を使用することができる。
【0032】
また、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、上記リン酸塩系ガラスを0.1〜50質量部含む。0.1質量部未満であると難燃性付与の効果が得られず、50質量部超であると該樹脂組成物の成形流動性が劣る場合があるためである。好ましいリン酸塩系ガラスの量は、0.5〜30質量部である。
【0033】
[(b)ハロゲン原子を含む難燃剤]
本発明のハロゲン原子を含む難燃剤としては、塩素原子や臭素原子などのハロゲン原子を含む有機化合物であり、芳香族ハロゲン化合物、ハロゲン化ビスフェノールA系化合物、ハロゲン化エポキシ樹脂、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化芳香族ビニル系重合体、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポリフェニルエーテル、ハロゲン化ビスイミドなどが挙げられる。
【0034】
ハロゲン原子が臭素である難燃剤として、例えば、デカブロムジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、エチレンビス(テトラブロモフタル)イミド、トリス(ジブロモプロピル)イソシアネート、臭素化ポリスチレン、臭素化エポキシ樹脂、ビス(ジブロモプロピル)テトラブロモビスフェノールA、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリフェニルエーテル、トリブロムフェノール、ヘキサブロモシクロドデカンなどが挙げられる。ハロゲン原子が塩素である難燃剤として、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。また、本発明のハロゲン原子を含む難燃剤としては、リンを含まない難燃剤が好ましい。
【0035】
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に用いるハロゲン原子を含む難燃剤としては、臭素化エポキシ樹脂および/または臭素化ポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0036】
ハロゲン原子を含む難燃剤の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して1〜50質量部であり、好ましくは5〜30質量部である。1質量部未満では難燃性の効果が劣り、50質量部超では、該樹脂組成物の機械的強度が低下するためである。
【0037】
[(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤]
本発明に用いるリン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤(以下、単にリン系難燃剤とする)としては、リン酸エステル系、ポリリン酸塩系などがあり、塩素原子や臭素原子などのハロゲン原子を含まないリン系難燃剤が好ましい。リン酸エステル系としては、トリフェニルホスフェート(TPP)、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート、トリアリルホスフェートなどのモノマー型リン酸エステル、ビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)(BADP)などの縮合型リン酸エステルが挙げられる。ポリリン酸塩系としては、ポリリン酸アンモニウム(APP)、ポリリン酸メラミン(MPP)などが挙げられる。通常、リン系難燃剤には赤リン系難燃剤が含まれるが、本発明においては、樹脂組成物の赤い着色の問題や空気中の水分や酸素との反応生成物による作業環境の悪化や樹脂組成物と接する金属部分の腐食などの問題があるため、赤リン系難燃剤を用いない方が好ましい。
【0038】
本発明に用いるリン系難燃剤としては、特に難燃性の効果が優れる点から、モノマー型リン酸エステル系難燃剤および縮合型リン酸エステル系難燃剤からなる群より選択される少なくとも1種であるリン系難燃剤を用いるのが好ましい。
【0039】
リン系難燃剤は液体であっても固体であってもよい。特に、リン系難燃剤が粉体状の場合には、熱可塑性ポリエステル樹脂と混合または混練する時に熱可塑性ポリエステル樹脂中に均一に分散することにより、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が良好な難燃性を発揮することができる。リン系難燃剤の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して1〜50質量部であり、好ましくは5〜30質量部である。1質量部未満では難燃性の効果が劣り50質量部超では、該樹脂組成物の機械的強度の低下や耐熱性が劣るためである。
【0040】
[(d)窒素含有難燃剤]
本発明で使用される窒素含有難燃剤とは、尿素、メラミン、メチロール化メラミン、エーテル化メラミン、メラミンオリゴマ縮合物、硫酸メラミン、ジシアンジアミド、スルファミン酸グアニジンや、メラミン系化合物またはグアナミン系化合物とシアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩などが挙げられる。また、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ビスイミドなどのハロゲン原子を含む窒素含有難燃剤は、前述のハロゲン原子を含む難燃剤に含まれるものとする。また、グアニジンとリン酸との塩、グアニル尿素とリン酸との塩、ポリリン酸アンモニウム(APP)、ポリリン酸メラミン(MPP)などの窒素原子を含むリン系難燃剤は、前述のリン系難燃剤に含まれるものとする。
【0041】
本発明で使用される窒素含有難燃剤には、メラミン系化合物またはグアナミン系化合物と、シアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩を用いることが好ましい。これは、リン酸塩系ガラスおよびリン系難燃剤と併用して用いることにより、難燃性の効果を顕著に発揮するからである。前記塩はメラミン系化合物またはグアナミン系化合物と、シアヌル酸またはイソシアヌル酸との付加物であり、通常は1対1(モル比)、場合により1対2(モル比)の組成を有する付加物である。メラミン系化合物またはグアナミン系化合物のうち、シアヌル酸またはイソシアヌル酸と塩を形成しないものは除外される。
【0042】
シアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩を形成するメラミン系化合物としては、メラミン、メチロール化メラミン、エーテル化メラミンなどが挙げられ、同様にグアナミン系化合物としては、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等が挙げられ、好ましくは、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンである。
【0043】
メラミン系化合物またはグアナミン系化合物とシアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩は、メラミン系化合物またはグアナミン系化合物とシアヌル酸またはイソシアヌル酸の混合物を水スラリーとなし、よく混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、乾燥して得られる粉末であり、単なる混合物とは異なる。この塩は完全に純粋である必要はなく、多少未反応のメラミン系化合物、グアナミン系化合物ないしシアヌル酸、イソシアヌル酸が残存していてもよい。本発明で使用される窒素含有難燃剤としては、メラミン系化合物とシアヌル酸との塩、具体的にはメラミンシアヌレートがさらに好ましく用いることができる。
【0044】
窒素含有難燃剤の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、1〜50質量部、好ましくは5〜30質量部である。1質量部未満では難燃性の効果が劣り、50質量部超では該樹脂組成物の機械的強度が低下するためである。
【0045】
[(e)滴下防止剤]
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、さらに滴下防止剤を含有することが好ましい。滴下防止剤は、燃焼時に軟化、溶融した熱可塑性ポリエステル樹脂が流動して滴下することを抑制するように機能する目的で配合される。滴下防止剤としては、主にフッ素系樹脂が用いられる。
【0046】
フッ素系樹脂としては、ポリモノフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEとする)、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を挙げることができる。特に少量で滴下防止性が優れるPTFEを用いるのが好ましい。滴下防止剤の配合量としては、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.05〜2質量部であることが好ましい。0.05質量部未満では、滴下防止の効果が得られず、2質量部超では、該樹脂組成物の機械的強度が低下したり、流動性が低下したりするためである。
【0047】
[繊維状強化材の説明]
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、さらに繊維状強化材を含有することが好ましい。繊維状強化材としては、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維、ウィスカ、芳香族ポリアミド繊維などが挙げられる。また、前記リン酸塩系ガラスを繊維の形態で用いる場合には、前記繊維状強化材に含まれないものとする。前記ガラス繊維のガラス組成としては、Eガラス、Aガラス、Cガラス、Dガラス、ECRガラス、ARガラス、Sガラスなどを例示することができる。前記セラミック繊維としては、アルミナ繊維、珪素−アルミナ繊維、窒化珪素繊維などを例示することができる。前記ウィスカとしてはホウ酸アルミニウムウィスカを例示することができる。
【0048】
前記繊維状強化材は、短繊維および連続繊維を含む長繊維のいずれかの形態でも使用することができる。本発明に用いる繊維状強化材としては、強度および剛性の向上、耐熱性の向上の点からガラス繊維を用いるのが特に好ましい。
【0049】
本発明の繊維状強化材の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、1〜70質量部含有することが好ましく、10〜 50質量部が特に好ましい。
【0050】
本発明の繊維状強化材には、熱可塑性ポリエステル樹脂に配合する前に、予め表面処理されていることが好ましい。それは、繊維状強化材と熱可塑性ポリエステル樹脂とを混練して熱可塑性ポリエステル樹脂組成物とする際や、この熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を成形する際に、繊維状強化材と熱可塑性ポリエステル樹脂との接着性を向上させる。繊維状強化材と熱可塑性ポリエステル樹脂との接着性が不充分であると、それらの界面に空間ができ、この空間が燃焼時にリン酸塩系ガラスが溶融してガラスの皮膜の形成することの妨げとなり、結果として難燃性付与効果が不充分となるので、この欠点を防止することが重要であるからである。また、繊維状強化材を取り扱う上で、静電気の発生を抑えてハンドリング性を改善することができるからである。
【0051】
表面処理剤の繊維状強化材への付与量は、付与後の繊維状強化材の質量を基準にして固形分として0.1〜5.0質量%であることが好ましい。付与量が0.1質量%より少ないと繊維状強化材を取り扱う上でのハンドリング性や熱可塑性ポリエステル樹脂との接着性を充分に改善することや繊維状強化材を保護することが難しくなる。また、付与量が5.0質量%より多いと熱可塑性ポリエステル樹脂への繊維状強化材の分散を低下させることになりやすい。
【0052】
表面処理をするための表面処理剤としては、前述したリン酸塩系ガラスの表面処理に用いる同様のカップリング剤、フィルムフォーマー、潤滑剤および帯電防止剤などを用いることができる。表面処理剤の構成は、前述したリン酸塩系ガラスの表面処理剤と同一でも異なっていても、どちらでもよい。
【0053】
[その他の配合物の説明]
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、さらに、前述したリン酸塩系ガラスまたは繊維状強化材の表面処理剤に含まれるものとは別個に、カップリング剤、滑剤、帯電防止剤、安定剤等の種々の添加剤を含有させることができる。このような添加剤として、例えば、シラン系カップリング剤などのカップリング剤、フタル酸エステルなどの可塑剤、ステアリン酸誘導体などの滑剤、ヒンダードフェノール類などの酸化防止剤、有機スズ化合物などの熱安定剤、ベンゾトリアゾール系化合物などの紫外線吸収剤、顔料などの着色剤、界面活性剤などの帯電防止剤などが適宜採用される。
【0054】
また、ガラスバルーン、シラスバルーンなどの中空状充填剤や、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレーなどの粉末状充填剤を含有してもよい。また、難燃性をさらに向上させるために、前記の難燃剤以外の難燃剤を添加してもよい。例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、またはシリコン化合物等が挙げられる。なお、これらの添加剤は、予め樹脂成分に含有させておくことが好ましい。
【0055】
[組成物の説明]
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂、(a)リン酸塩系ガラス、(b)ハロゲン原子を含む難燃剤、(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤、(d)窒素含有難燃剤、(e)滴下防止剤、任意に繊維状強化材を、さらに必要に応じて配合されるそれら以外の添加剤とを、混合することにより製造できる。特に、混合と同時の溶融、例えば溶融混練、あるいは混合後の溶融などの従来の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の製造方法と同様の方法により成形材料としての組成物を製造することが好ましい。(a)リン酸塩系ガラス、(b)ハロゲン原子を含む難燃剤、(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤および(c)窒素含有難燃剤の合計量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、20〜100質量部であることが好ましく、特に50〜80質量部が好ましい。それは20質量部未満では難燃性の効果が劣り、100質量部超では、該樹脂組成物の機械的強度が低下するためである。
【0056】
成形材料である本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、従来の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の同様に各種の方法によって成形して成形品とすることができる。その成形の方法としては、プレス成形、押出し成形、カレンダ成形、射出成形、引き抜き成形などがある。このような成形方法により、成形品である本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が得られる。
【0057】
成形品としては、例えば、リレー、コネクターなどの電気・電子部品用途、ドアパネル、フロントパネル、リアパネルなどの内外装の部材を中心とする車両用途などが挙げられる。
【0058】
【実施例】
以下に、本発明の具体例を説明するが、本発明はこれらに限定されない。各評価方法を以下に示す。
ガラス転移点は、ガラスカレットを所定の粒径に粉砕したものを測定に供し、示差熱分析装置(DTA)を用いて、加熱速度10℃/分、窒素雰囲気下で測定を行った。DTA曲線において第一吸熱部の肩の温度をガラス転移点として読み取った。
【0059】
難燃性の試験は、UL94規格に従い、幅12.7mm、長さ127mm、厚み1.6mmの試験片を用いて、同一組成物の試験片について垂直燃焼試験を5回行った。5回の燃焼時間を合計して、総燃焼時間(秒)とし、250秒を超える場合は測定不可とした。前記規格の判定基準に従って、V−0、V−1、V−2およびV−OUT(V−0、V−1およびV−2に該当しない)の4つのランクで判定した。耐熱強度の指標である荷重たわみ温度(以下DTULとする)の試験は、ASTM−D648に従って行い、厚み3.2mm、幅12.7mm、長さ127mmの試験片を測定に供した。
【0060】
[リン酸塩系ガラス]
モル百分率表示で、4.1%のLi2O、5.7%のNa2O、4.4%のK2O、24.9%のP2O5、9.3%のSO3、40.5%のZnO、1.5%のAl2O3および9.6%のB2O3のガラス組成となるように、ガラス原料を混合し溶融させてから固化させてガラスカレットを作製した。前記カレットを粉砕して篩にかけ、平均粒径3.6μmの粉末状のリン酸塩系ガラス(PG)を得た。前記ガラスのガラス転移点を測定したところ、354℃であった。
【0061】
リン酸塩系ガラス(PG)にモノアミノシランカップリング剤を、付与後の前記ガラスの質量を基準にして固形分として2.0質量%付着させて、表面処理をしたリン酸塩系ガラス(PG1)を得た。
【0062】
[実施例1]
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT、商品名:バロックス310、日本ジーイープラスチック社製)100質量部、表面処理したリン酸塩系ガラス(PG1)5質量部、リン系難燃剤としてビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)(BADP、大八化学工業社製)20質量部、ハロゲン原子を含む難燃剤として臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(阪本薬品工業社製SR−T5000)20質量部、窒素含有難燃剤としてメラミンシアヌレート(日産化学社製MC−440)20質量部および滴下防止剤としてPTFE(平均粒径475μm、旭硝子社製)0.2質量部をあらかじめ混合した後、シリンダーの設定温度が260℃の2軸押出し機を用いて溶融混練して、ペレット状の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を得た。
【0063】
この熱可塑性ポリエステル樹脂組成物について、120℃で5時間乾燥後、射出成形機を用い、シリンダー温度250℃、金型温度80℃にて成形し、実施例1となる試験片を得た。
【0064】
[実施例2〜3、比較例1〜5]
表1および表2に記載の配合の通りにする以外は、実施例1と同様の方法によって、実施例2〜3および比較例1〜5となる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の成形品の試験片を得た。なお、繊維状強化材としては、ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製CS03JAFT592)を用いた。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
これら12種類の試験片について、DTULの試験および難燃性の試験を行い、その評価結果を表3、表4に示す。
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
リン酸塩系ガラス、臭素化エポキシ樹脂難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、メラミンシアヌレートおよびPTFEを組み合わせた実施例1では、比較例1〜4と比較して、難燃性が低下せず、V−0レベルの難燃効果を発揮することがわかる。また、DTULも同様に低下していないことがわかる。
【0071】
実施例1にさらにガラス繊維を配合した実施例2では、比較例5と比べると、リン酸塩系ガラスの添加により難燃効果が発揮することがわかる。
【0072】
【発明の効果】
以上のように本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂と、(a)リン酸塩系ガラスと、(b)ハロゲン原子を含む難燃剤と、(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤と、(d)窒素含有難燃剤と、(e)滴下防止剤とを組み合わせることにより、機械的物性や耐熱性が良好で、アンチモン化合物の使用を必要とすることなく難燃性に優れた成形品を得ることができる。
Claims (9)
- 熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して、
(a)リン酸塩系ガラス0.1〜50質量部と、
(b)ハロゲン原子を含む難燃剤1〜50質量部と、
(c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤1〜50質量部と、
(d)窒素含有難燃剤1〜50質量部と、
(e)滴下防止剤0.05〜2質量部とを含有することを特徴とする熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。 - 熱可塑性ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレート樹脂である、請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- (a)リン酸塩系ガラスが300℃より高く、400℃より低いガラス転移点を有するリン酸塩系ガラスである、請求項1または2に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- (a)リン酸塩系ガラスが予め表面処理されているリン酸塩系ガラスである、請求項1、2または3に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- (b)ハロゲン原子を含む難燃剤が臭素化エポキシ樹脂および/または臭素化ポリカーボネート樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- (c)リン酸塩系ガラス以外のリン系難燃剤がモノマー型リン酸エステル系難燃剤および/または縮合型リン酸エステル系難燃剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- (d)窒素含有難燃剤がメラミン系化合物またはグアナミン系化合物と、シアヌル酸またはイソシアヌル酸との塩である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- さらに繊維状強化材が熱可塑性ポリエステル樹脂100質量部に対して1〜70質量部を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
- 繊維状強化材がガラス繊維である、請求項8に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
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