JP2004307672A - 光輝顔料を添加してなる塗料および光輝顔料 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来法による塗装工程とほぼ同じ工程でありながら、光輝顔料の配向性が優れた金属光沢感に富む塗膜を得ることのできる新規な塗料を得る。
【解決手段】ベース塗料を親水性樹脂と疎水性樹脂とが混合した塗料とする。そこに、親水性表面あるいは疎水性表面を有する光輝顔料3を添加する。均一に攪拌混合した後、被塗布面に塗布する。塗膜は疎水性樹脂層1と親水性樹脂層2とに分離し、光輝顔料3はそのいずれか一方に配向性を高くして偏在する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光輝顔料を添加してなる塗料、およびそこに用いる光輝顔料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、塗料用樹脂組成物(以下、単に「樹脂」という)にアルミ顔料、マイカ顔料のような光輝顔料を添加・混合した塗料は、いわゆるメタリック塗装を施すための塗料として広く用いられている。例えば自動車の塗装に当たり、このような光輝顔料を添加した塗料が自動車の外板上にベース層として塗布され、その上にクリア塗装を施して、加熱硬化させる処理が行われる。この種のメタリック塗膜は光輝感があり高い意匠性を示すことができる。しかし、そのためには、光輝顔料は塗面に対して平行に配向していることが理想であるが、実際には不規則に配向することが多いため、金属光沢感に優れたメタリック塗膜を形成することは必ずしも容易でなく、慎重な塗装作業を必要とする。
【0003】
その理由の1つに、ベース膜厚は下地隠蔽性の観点から通常15μm程度あるいはそれ以上であり、光輝顔料の厚みは配向性が向上するようにアスペクト比を高くさせるために1μm以下とできるだけ薄くしてあるものの、15μm程度の膜厚である塗料中に均一に混合しているだけなので、図2に示すように、光輝顔料の配向性には限界があり、ランダム状となって意匠上満足な配向性が上げられない場合が起こり得ることが上げられる。配向性が不十分だと、光輝顔料の持つ意匠上の特性が十分に発揮できず、意匠の低下をもたらす。さらに、スプレー塗装がもっとも普通に行われるが、スプレー塗装を行う限り、上記した塗料の中の光輝顔料の配向性をランダム性を改善することは不可能である。
【0004】
配向性に優れたメタリック塗膜を得る1つの塗装法として、未硬化ベース塗膜面に、表面をりん酸アルキルエステルで処理してなるアルミニウムフレークを有機溶剤に分散させてなる分散液を塗装し、さらに該塗面にクリア塗装を施すようにし、それにより、分散液中のアルミニウムフレークをベース塗料の塗面に対して平行に配向しやすくしたものが提案されている(特許文献1:特開平11−57605号公報)。しかし、この方法は分散液を別途塗布する工程を必要とするとともに、膜厚によっては、やはり配向が不規則になることが考えられる。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、ベース塗膜の膜厚が15μmあるいはそれ以上の場合であっても、塗料中に添加した光輝顔料の塗膜における配向性を高いものとし、それにより、従来と同様な塗布方法によりながら、光輝感があり高い意匠性を持つメタリック塗膜を形成することのできる新規な光輝顔料を添加してなる塗料を提供することを目的とする。また、該塗料に用いる新規な光輝顔料を提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−57605号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による光輝顔料を添加してなる塗料は、親水性樹脂と疎水性樹脂とが混合した塗料に対して、親水性表面を有する光輝顔料あいるは疎水性表面を有する光輝顔料を添加してなることを特徴とする。
【0008】
本発明は、均一系の塗料でなく、塗装して被塗布物に付着したときに複数層に分離するような不均一系の塗料を用いることを基本とする。そして、添加する光輝顔料が分離したいずれかの層中にのみ偏在するようにする。それにより、当初塗料中に分散していた光輝顔料は、塗膜を形成するいずれかの層、例えば、15μmの塗膜の場合、その例えば1/2の厚みである特定の層中にのみ存在することとなり、ランダム性は1/2となり、配向性が向上する。
【0009】
不均一系塗料を作るために、本発明においては、親水性樹脂と疎水性樹脂とを混合させてベース塗料とする。そして、その中に、親水性表面を有する光輝顔料あいるは疎水性表面を有する光輝顔料を添加する。塗装する時点では、これらの樹脂と光輝顔料を混合した塗料を十分に攪拌して見かけ上均一にする。もしくは、塗装時に揮発する溶剤でこれらの樹脂を均一に混合させておく。
【0010】
本発明による塗料の被塗布物への塗布法は、従来のこの種塗料を塗布するのと同様であってよい。被塗布物に塗布された後、溶剤の揮発と共に、塗料は親水性樹脂層と疎水性樹脂層とに層分離する。層分離と共に、光輝顔料は、もし親水性表面を有する光輝顔料の場合には親水性樹脂層中に、もし疎水性表面を有する光輝顔料の場合には疎水性樹脂層中に、それぞれ偏在する。
【0011】
図1は、その状態を模式的に示している。図1に示す例において、1は疎水性樹脂層であり、2は親水性樹脂層である。図1aでは光輝顔料3が親水性表面を有することから、親水性樹脂層2内に配向性を高くして配列しており、図1bでは光輝顔料3が疎水性表面を有することから、疎水性樹脂層1内に配向性を高くして配列している。このように、光輝顔料は2層に分かれたいずれかの層中に偏在することから、図2に示す従来法による塗装法と比較して、同じ膜厚の場合であっても、光輝顔料のランダム度合いは小さくなり、配向性が高くなる。そのために、光輝感があり高い意匠性を持つメタリック塗膜を容易に形成することができる。
【0012】
光輝顔料は、表裏面の双方が親水性処理あるいは疎水性処理がなされていてもよく、いずれか一方の面のみにそのような処理を施すようにしてもよい。前者の場合には、図1a,bのように、親水性樹脂層中あるいは疎水性樹脂層中に、配向性が高くなったとはいえ、無指向状態で光輝顔料が存在することととなるが、後者の場合には、図1c,dに示すように、親水性樹脂層あるいは疎水性樹脂層の表面に沿ってしっかりと配向させることが可能となり、一層意匠性の高い塗膜面を得ることができる。
【0013】
本発明において、ベース塗料としての親水性樹脂としては、アクリルエマルジョンのような樹脂があげられる。また、疎水性樹脂としては、シリコーン樹脂のような樹脂があげられる。親水性樹脂と疎水性樹脂の組み合わせは2層分離可能であることを条件に任意であり、特に制限はない。これらの樹脂には、従来の塗料と同様に、架橋剤、粘性付与剤などの剤を適宜配合することができる。
【0014】
光輝顔料には、アルミ顔料、マイカ顔料、アルミナフレーク顔料などを用いることができる。光輝顔料の表面を親水性とするには、アクリル系親水化処理剤のような表面処理剤で一方あるいは双方の表面を親水性処理することで行うことができる。また、光輝顔料の表面を疎水性とするには、フッ素シランカップリング剤のような表面処理剤で一方あるいは双方の表面を疎水性(撥水性)処理することで行うことができる処理で行うことができる。
【0015】
ベース塗料に光輝顔料を添加して本発明による塗料とし、十分に攪拌して見かけ上均一としておくか、塗装時に揮発する溶剤でこれらの樹脂を均一に混合させておく。そのようにして均一化した状態の塗料を被塗物に塗布する。塗布法は、スプレー塗装、回転霧化塗装のような方法で行えばよい。下塗り塗装、中塗り塗装などを行った後、本発明による塗料による塗装を行ってもよい。その場合には、隠蔽性は他の塗膜で行うので、比較的薄い塗膜とすることが可能となり、光輝顔料の配向性は一層高くなる。好ましくは、厚みは10μm〜15μm程度である。また、最後に2液ウレタン、アクリル/メラミンのような塗料によるクリア塗装を行うこともできる。
【0016】
【実施例】
以下、実施例と比較例により本発明を説明する。最初に光輝顔料としてのマイカ顔料の表面処理(疎水性(撥水性)処理)を次のようにして行った。
【0017】
片面表面処理:精製水に1gのマイカ顔料を分散し、底面250mm×350mmの金属トレーに流し込み、約24時間静置してマイカ顔料を沈降させ、上澄み液をスポイトで取り除いた。その後、トレーごと150℃加熱したホットプレートにのせて乾燥させた。
【0018】
100gのイソプロピルアルコールに0.1gの表面処理剤(三菱マテリアル製;MF160)を溶解し、上記金属トレー上のマイカ顔料にこのイソプロピルアルコールに溶解させた表面処理剤を噴霧し、150℃に加熱したホットプレートにのせて乾燥、反応させた。処理した金属トレー上のマイカ顔料をスバチュラで掻き集め、サンプル瓶に入れ、さらに150℃で1時間反応させた。
【0019】
両面表面処理:マイカ顔料1gを100gのイソプロピルアルコールに0.1gの表面処理剤(三菱マテリアル製;MF160)を溶解した溶液3mlに入れ、40℃のオーブンで蒸発乾固した。さらに、150℃で1時間反応させた。
【0020】
[実施例1]
親水性樹脂としてアクリルエマルジョン(サイデン化学社製;サイビノールEC−7011)10.06g、疎水性樹脂としてシリコーン(信越化学社製;シリコーンKR−216)23.25g、水36.34g、溶剤としてキシレン23.25gをベース塗料とした。光輝顔料として上記両面撥水処理マイカ顔料2gを添加して、サンプル瓶に入れ、ペイントシェーカーで30分間攪拌した。得られた塗料をぶりき板上にスプレー塗装し、常温で乾燥させた後、光輝顔料の配向具合を目視にて観察した。粒子感が見えず、シルクの布のように見える方が、配向は優れていると判断した。その結果を表1に示す。なお、表1で、◎:非常に優れている、○:優れている、×:従来塗料と同等、とした。
【0021】
[実施例2]
親水性樹脂としてポリビニルアルコール(クラレ製;PVA−220)4.65g、疎水性樹脂としてシリコーン(信越化学社製;シリコーンKR−216)23.25g、水41.85g、溶剤としてキシレン23.25gをベース塗料とした以外は、実施例1と同様にして塗料を得、同様にしてぶりき板上にスプレー塗装し、常温で乾燥させた後、光輝顔料の配向具合を目視にて観察した。その結果を表1に示す。
【0022】
[実施例3]
片面撥水処理したマイカ顔料を用いた以外は、実施例1と同様にして塗料を得、同様にしてぶりき板上にスプレー塗装し、常温で乾燥させた後、光輝顔料の配向具合を目視にて観察した。その結果を表1に示す。
【0023】
[比較例1]
親水性樹脂としてアクリルエマルジョン(サイデン化学社製;サイビノールEC−7011)33.5gに、水60.45gを添加してベース塗料とし、光輝顔料として上記の処理を行わないマイカ顔料2gを用いた以外は、実施例1と同様にして塗料を得、同様にしてぶりき板上にスプレー塗装し、常温で乾燥させた後、光輝顔料の配向具合を目視にて観察した。その結果を表1に示す。
【0024】
[比較例2]
疎水性樹脂としてシリコーン(信越化学社製;シリコーンKR−216)23.25g、溶剤としてキシレン23.25gをベース塗料とし、光輝顔料として上記両面撥水処理マイカ顔料2gを添加した以外は、実施例1と同様にして塗料を得、同様にしてぶりき板上にスプレー塗装し、常温で乾燥させた後、光輝顔料の配向具合を目視にて観察した。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 2004307672
【0026】
[評価]
表1に示すように、実施例のものはいずれも高い配向性を示している。特に、実施例3のものは片面処理のマイカ顔料を用いた結果、特に良好な結果を示している。比較例1は均一系の樹脂であり、また、マイカ顔料は未処理品であることから、配向性が不十分であり、比較例2では両面撥水処理済みのマイカ顔料を用いたが、やはりベース樹脂が均一系の樹脂であることから、よい結果は得られない。
【0027】
【発明の効果】
上記のようであり、本発明による光輝顔料を添加してなる塗料を用いることに予より、従来法による塗装工程とほぼ同じような工程でありながら、光輝顔料の配向性が優れた金属光沢感に富む塗膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による塗膜における光輝顔料の配列を模式的に示す図。
【図2】従来の塗膜における光輝顔料の配列を模式的に示す図。
【符号の説明】
1…疎水性樹脂層、2…親水性樹脂層、3…表面処理した光輝顔料

Claims (3)

  1. 親水性樹脂と疎水性樹脂とが混合した塗料に親水性表面を有する光輝顔料を添加してなる塗料。
  2. 親水性樹脂と疎水性樹脂とが混合した塗料に疎水性表面を有する光輝顔料を添加してなる塗料。
  3. 光輝顔料の両面または片面に親水性処理または疎水性処理を施したことを特徴とする光輝顔料。
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