JP2004340118A - 自動二輪車用エンジンのマフラ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの爆発による鼓動排気音をエンジン性能を低下させることなく聴覚的に心地良いいい音質とした自動二輪車用エンジンのマフラ構造に関する。
【解決手段】マフラ内を挿入管を支持した複数の隔壁で仕切り、これら挿入管のすくなくとも最下流の挿入管を車両平面視車体中心線に向かうよう傾斜させて固定し更に各挿入管とエキゾーストパイプの断面積の大きさを、マフラとの接続部、上流挿入管の前端、下流挿入管の前端、の順序で即ち下流に行くに従い小さくなるようにしかも各開口断面を投影的に一部オーバーラップさせ、且つマフラ外筒に後方に延長部を形成し、この延長部と最後部の隔壁後面部との間に大気開放の空間を構成したものである。
【選択図】 図2
【解決手段】マフラ内を挿入管を支持した複数の隔壁で仕切り、これら挿入管のすくなくとも最下流の挿入管を車両平面視車体中心線に向かうよう傾斜させて固定し更に各挿入管とエキゾーストパイプの断面積の大きさを、マフラとの接続部、上流挿入管の前端、下流挿入管の前端、の順序で即ち下流に行くに従い小さくなるようにしかも各開口断面を投影的に一部オーバーラップさせ、且つマフラ外筒に後方に延長部を形成し、この延長部と最後部の隔壁後面部との間に大気開放の空間を構成したものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車に搭載したエンジンから排出される排気ガスの排気音を規制値に適正維持させるとともに排気サウンドとして所謂「いい音」、「心地よい音」を得る事の出来たマフラ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動二輪車用のマフラ構造としては例えば特開2002−89231号公報で知られているように、筒状マフラ内を複数の隔壁で複数の消音室に仕切りそれら消音室内を適宜3本以上の並列した複数の挿入管で連結して音圧レベルを下げて排気音を消音していた。又特開平7−253017号公報で知られているように筒状マフラ内を複数の隔壁で複数の消音室に仕切り、各隔壁にそれぞれ挿入管を軸方向に直列に配置固定し、しかも最下流の挿入管の軸心を車体外方に傾斜させた自動二輪車のマフラ構造も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例の前者のように3本以上の複数の挿入管を軸方向で並列オーバーラップさせることによって排気ガスを膨張収縮させこの繰り返しで音圧レベルを下げ効果的に消音していた。しかし排気ガスは紆余曲折して流れるのでその分排気抵抗となりエンジン性能は十二分発揮されない懸念があった。
【0004】又上記従来例の後者のように直列に配置された2本の挿入管を備えたマフラ構造では排気ガスの排気抵抗は少なくエンジン性能上では有利であるが、隔壁に排気ガス流が断続的に衝突し運転者にとって不快な「叩き音」が発生し、しかも最後尾の挿入管の軸心を車体外方に向けていたので周りの人には音圧レベルが高く排気騒音として伝わっていた。また排気音も規制値をクリアするためだけの画一的な音に制限されていてユーザがエンジン排気音をサウンドとして人間の聴覚に心地よいあるいはいい音として表現できるマフラとしては十二分機能していなかった。
【0005】即ち、一般にエンジンの爆発による鼓動、サウンドは排気ガス流れの一部または全部が紆余曲折せずに直線的に後方に流れることに因って強力に発生する。例えば消音装置が内蔵されていない直管は充分な鼓動感はあるが音圧レベルが高く騒音規制値を満足する事はできない。
【0006】そこで本発明は以上のような課題を解決するためのもので、自動二輪車用エンジンのマフラ構造において、エンジン性能を低下させることなく、しかも排気騒音規制値を満足させ且つ人間の聴覚に心地よいあるいはいい音としての排気鼓動音を作り出すマフラ構造を得たものでしかもコストダウンにも貢献することをも目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載のマフラ構造は、筒状マフラを車両側面に略並行に配置し、車両前方に搭載したエンジンの排気口から排出された排気ガスを、該筒状マフラ内で適宜間隔を置いて固定された複数の隔壁と、隔壁に支持された複数の挿入管によって排気音を消音する自動二輪車用エンジンのマフラ構造において、該筒状マフラ内に固定した少なくとも2つの隔壁のそれぞれに一定長さの管状挿入管を支持させるとともに上流側挿入管後端の横断面積を下流側挿入管前端の横断面積より大きく設定し、且つ上流側挿入管後端の投影断面積と下流側挿入管前端の投影断面積とを投影断面において一部をオーバーラップさせ、更にマフラ前端に装着したエキゾーストパイプの横断面積を最上流挿入管の前端の横断面積より大きく設定し且つエキゾーストパイプの投影断面積と最上流挿入管前端の投影断面積とを投影断面において一部をオーバーラップさせるとともに、少なくとも最後部の挿入管の軸心を、車両平面視において車体中心線に対して後方内側に少しの角度で傾斜させて固定し、更に又該筒状マフラ内に固定した隔壁のうち最後部の隔壁よりも後方のマフラ外筒に後方に適宜長さに亘って延びた延長部を形成し、この延長部と該最後部の隔壁後面部との間に大気開放の空間を設けたもの。
【0008】本発明の請求項2記載のマフラ構造は、最後部の挿入管の大気開放後端の横断面積を同管の前端の横断面積より大きくなるように末広がり状に形成し、且つその挿入管の一部に低周波域の消音に効果のある共鳴構造としての挿入管壁を貫通する複数の小さな穴を設けたもの。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を以下図について説明する。図は何れも本発明を示すもので、図1は本発明のマフラ構造を採用した自動二輪車の全体概略側面図、図2乃至図4はそれぞれ本件発明の実施例を表すもので図2は車両平面視における要部水平縦断面図、図3は図2のA−A線垂直縦断面図、図4は概略投影図で、(a)は挿入管同士の横断面概略投影図を表し、(b)は挿入管とエキゾーストパイプの横断面概略投影図を表す、図5は他の変形例を表す要部水平縦断面である。
【0010】図1において、1は自動二輪車の車体に搭載されたエンジンを示し、このエンジンからの排気ガスは、エンジン排気口に連結したエキゾーストパイプ2を介し車体下側方に車体と略並行に配置された筒状マフラ3に導かれる。そしてこの筒状マフラ3内で排気音が消音され後部から大気に放出される。
【0011】図2は本発明の請求項1を表す第一実施例を示すもので、筒状マフラ3の内部を上流から下流の前後方向に複数の室に仕切る適宜間隔を置いて固定された複数の隔壁4、5と、これら各隔壁4、5とで仕切られた各室を順次連通させたそれぞれの挿入管6,7を装着している。尚、筒状マフラ3の内部には通常グラスウール等の断熱材が備えられている。
【0012】本発明は、それぞれの隔壁4,5に固定したそれぞれの挿入管6、7とその上流のエキゾーストパイプ2とを次の関連をもって構成したものである。即ち上流側挿入管6の後端14の横断面積を下流側挿入管7の前端12の横断面積より大きく設定し、且つ上流側挿入管6後端14の投影断面積と下流側挿入管7の前端12の投影断面積とを投影断面において一部をオーバーラップ15させ(図4(a)参照、オーバーラップ率10%から40%)、更にエキゾーストパイプ2のマフラとの接続部16の横断面積を上流側挿入管6の前端17の横断面積より大きく設定し、且つエキゾーストパイプ2のマフラとの接続部16の投影断面積と上流側挿入管6の前端17の投影断面積を投影断面において一部をオーバーラップ18させた(図4(b)参照、オーバーラップ率10%から40%)ものである。即ち各挿入管6,7とエキゾーストパイプ2の断面積の大きさは、マフラとの接続部16>挿入管6の前端17>挿入管7の前端12の如く下流に行くに従い小さくなるように構成した。
【0013】本発明は又、最後部の隔壁5を横断する状態で固定した管状の挿入管7の軸心を、車両平面視において車体中心線10に対して後方内側(車体中心側)に少しの角度α(具体的には略3度から10度の範囲)で傾斜させて固定し、更にその挿入管7の大気開放後端11の横断面積を前端12の横断面積より大きくなるように末広がり状に形成し、且つその挿入管7の一部、例えば挿入管7の後方径大部71と前方径細部72にそれぞれ低周波域の消音に効果のある共鳴構造としての管壁を貫通する複数の小さな穴131、132を設けたものである。
【0014】本発明は又、上記マフラ構造において、最後部の隔壁5後面部よりも後方下流に向けてマフラ筒を延長させた延長部8を設け、この延長部8と最後部の隔壁5後面部との間に大気開放の空間部9を形成する。尚この延長部8の後端面の形状は図2に示す如く車両平面視側方前広がり傾斜面形状(角度θ=略45度)とするが図5に示す如く車両平面視進行方向と直角な面としてもよい。
【0015】本発明は、又前記上流挿入管6と下流挿入管7のそれぞれの軸心を、車両平面視において車体中心線10に対して後方内側(車体中心側)に少しの角度α(略3度から10度の範囲)、β(略3度から10度の範囲)でそれぞれ傾斜させて固定して構成してもよい。
【0016】尚、上流挿入管6と下流挿入管7は図3に見られるように垂直断面図示ではその軸心がそれぞれ水平面上にあるがこれをそれぞれ前方上がり傾斜又は後方上がり傾斜でもよい。即ち挿入管6,7は水平面上では車体中心側にそれぞれ傾斜しているが鉛直線上では水平でも前後に傾いていても良い。
【0017】更に又本発明の実施例は2つの隔壁と2つの挿入管を備えたマフラ構造としたが、本発明の思想を持った3つ以上の隔壁と挿入管を備えてもいいことは明らかである。
【0018】上記構成の作用を説明すると、エンジンから排出された排気ガスは、基本的にはエキゾーストパイプ2からマフラ3に入り各隔壁4,5で仕切られた室を挿入管6,7を介して拡散膨張干渉作用をして音圧レベルを下げて消音された後、大気に放出される。
【0019】そして本発明は、エキゾーストパイプ2と上流挿入管6と下流挿入管7とを投影断面でそれぞれオーバーラップさせるとともに排気ガスの流れの一部を直線的に後方に流すことによってエンジン爆発の鼓動をいろいろ変化させる事ができた。即ちオーバーラップ率が大変重要な要素となり種々実験の結果、オーバーラップ率が10%以下ではエンジン爆発の鼓動が聴覚的に劣り、オーバーラップ率が40%以上では充分な鼓動が感じられるが音圧が高く騒音規制値の対処に困難が伴う。結局排気鼓動音として規制値をもクリアして聴覚的にも「心地よい、いい音」を両立させるには上記オーバーラップ率は10%〜40%が最適であることが判明した。
【0020】更に本発明は、各挿入管6,7とエキゾーストパイプ2の断面積の大きさをマフラとの接続部16>挿入管6の前端17>挿入管7の前端12の如く下流に行くに従い小さくなるように構成したので音圧を少しずつ低下させ排気抵抗を減じているのでエンジン鼓動の減衰を押さえ高い音圧レベルを低下させる事が出来た。
【0021】更に又本発明は、最後部の挿入管7の軸心を、車体中心線10に対して後方内側に少しの角度αで傾斜させ、更にその挿入管7の大気開放後端11の横断面積を前端12の横断面積より大きくなるように末広がり状に形成し、且つその挿入管7にそれぞれ低周波域の消音に効果のある共鳴構造としての管壁を貫通する複数の小さな穴131、132を設けるとともに、マフラ筒を延長させた延長部8内側に大気開放の空間部9を形成したので、排気ガスがマフラ内から大気に開放される時に上記空間が変性可能な空間として利用されるため、音質をより「心地よい、いい音」とすることが出来た。尚、穴131、132は減衰させたい周波数、音圧によって穴の大きさ数、位置は適宜変更可能である。
【0022】
【発明の効果】本発明の自動二輪車用エンジンのマフラ構造によれば、エンジン性能を低下させることなく、しかも排気騒音規制値を満足させ且つ人間の聴覚に心地よいあるいは「心地よい、いい音」としての排気鼓動音を作り出すマフラ構造を得たものでしかも価格の廉価な筒状マフラを備えた自動二輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマフラ構造を備えた自動二輪車の全体概略側面図。
【図2】本発明の実施例を表すもので車両平面視における要部水平縦断面図。
【図3】図2のA−A線垂直縦断面図。
【図4】本発明の要部概略投影図で、(a)は挿入管同士の横断面概略投影図を表し、(b)は挿入管とエキゾーストパイプの横断面概略投影図を表す。
【図5】他の変形例を表す要部水平縦断面。
【符号の説明】
2. エキゾーストパイプ
3. 筒状マフラ
4. 隔壁(上流側)
5. 隔壁(下流側)
6. 挿入管(上流側)
7. 挿入管(下流側)
8. 延長部
9. 空間
10.車両平面視における車体中心線
11.後端
12.前端
131.穴
14.後端
15.オーバーラップ部
16.接続部
17.前端
18.オーバーラップ部
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車に搭載したエンジンから排出される排気ガスの排気音を規制値に適正維持させるとともに排気サウンドとして所謂「いい音」、「心地よい音」を得る事の出来たマフラ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動二輪車用のマフラ構造としては例えば特開2002−89231号公報で知られているように、筒状マフラ内を複数の隔壁で複数の消音室に仕切りそれら消音室内を適宜3本以上の並列した複数の挿入管で連結して音圧レベルを下げて排気音を消音していた。又特開平7−253017号公報で知られているように筒状マフラ内を複数の隔壁で複数の消音室に仕切り、各隔壁にそれぞれ挿入管を軸方向に直列に配置固定し、しかも最下流の挿入管の軸心を車体外方に傾斜させた自動二輪車のマフラ構造も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例の前者のように3本以上の複数の挿入管を軸方向で並列オーバーラップさせることによって排気ガスを膨張収縮させこの繰り返しで音圧レベルを下げ効果的に消音していた。しかし排気ガスは紆余曲折して流れるのでその分排気抵抗となりエンジン性能は十二分発揮されない懸念があった。
【0004】又上記従来例の後者のように直列に配置された2本の挿入管を備えたマフラ構造では排気ガスの排気抵抗は少なくエンジン性能上では有利であるが、隔壁に排気ガス流が断続的に衝突し運転者にとって不快な「叩き音」が発生し、しかも最後尾の挿入管の軸心を車体外方に向けていたので周りの人には音圧レベルが高く排気騒音として伝わっていた。また排気音も規制値をクリアするためだけの画一的な音に制限されていてユーザがエンジン排気音をサウンドとして人間の聴覚に心地よいあるいはいい音として表現できるマフラとしては十二分機能していなかった。
【0005】即ち、一般にエンジンの爆発による鼓動、サウンドは排気ガス流れの一部または全部が紆余曲折せずに直線的に後方に流れることに因って強力に発生する。例えば消音装置が内蔵されていない直管は充分な鼓動感はあるが音圧レベルが高く騒音規制値を満足する事はできない。
【0006】そこで本発明は以上のような課題を解決するためのもので、自動二輪車用エンジンのマフラ構造において、エンジン性能を低下させることなく、しかも排気騒音規制値を満足させ且つ人間の聴覚に心地よいあるいはいい音としての排気鼓動音を作り出すマフラ構造を得たものでしかもコストダウンにも貢献することをも目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載のマフラ構造は、筒状マフラを車両側面に略並行に配置し、車両前方に搭載したエンジンの排気口から排出された排気ガスを、該筒状マフラ内で適宜間隔を置いて固定された複数の隔壁と、隔壁に支持された複数の挿入管によって排気音を消音する自動二輪車用エンジンのマフラ構造において、該筒状マフラ内に固定した少なくとも2つの隔壁のそれぞれに一定長さの管状挿入管を支持させるとともに上流側挿入管後端の横断面積を下流側挿入管前端の横断面積より大きく設定し、且つ上流側挿入管後端の投影断面積と下流側挿入管前端の投影断面積とを投影断面において一部をオーバーラップさせ、更にマフラ前端に装着したエキゾーストパイプの横断面積を最上流挿入管の前端の横断面積より大きく設定し且つエキゾーストパイプの投影断面積と最上流挿入管前端の投影断面積とを投影断面において一部をオーバーラップさせるとともに、少なくとも最後部の挿入管の軸心を、車両平面視において車体中心線に対して後方内側に少しの角度で傾斜させて固定し、更に又該筒状マフラ内に固定した隔壁のうち最後部の隔壁よりも後方のマフラ外筒に後方に適宜長さに亘って延びた延長部を形成し、この延長部と該最後部の隔壁後面部との間に大気開放の空間を設けたもの。
【0008】本発明の請求項2記載のマフラ構造は、最後部の挿入管の大気開放後端の横断面積を同管の前端の横断面積より大きくなるように末広がり状に形成し、且つその挿入管の一部に低周波域の消音に効果のある共鳴構造としての挿入管壁を貫通する複数の小さな穴を設けたもの。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を以下図について説明する。図は何れも本発明を示すもので、図1は本発明のマフラ構造を採用した自動二輪車の全体概略側面図、図2乃至図4はそれぞれ本件発明の実施例を表すもので図2は車両平面視における要部水平縦断面図、図3は図2のA−A線垂直縦断面図、図4は概略投影図で、(a)は挿入管同士の横断面概略投影図を表し、(b)は挿入管とエキゾーストパイプの横断面概略投影図を表す、図5は他の変形例を表す要部水平縦断面である。
【0010】図1において、1は自動二輪車の車体に搭載されたエンジンを示し、このエンジンからの排気ガスは、エンジン排気口に連結したエキゾーストパイプ2を介し車体下側方に車体と略並行に配置された筒状マフラ3に導かれる。そしてこの筒状マフラ3内で排気音が消音され後部から大気に放出される。
【0011】図2は本発明の請求項1を表す第一実施例を示すもので、筒状マフラ3の内部を上流から下流の前後方向に複数の室に仕切る適宜間隔を置いて固定された複数の隔壁4、5と、これら各隔壁4、5とで仕切られた各室を順次連通させたそれぞれの挿入管6,7を装着している。尚、筒状マフラ3の内部には通常グラスウール等の断熱材が備えられている。
【0012】本発明は、それぞれの隔壁4,5に固定したそれぞれの挿入管6、7とその上流のエキゾーストパイプ2とを次の関連をもって構成したものである。即ち上流側挿入管6の後端14の横断面積を下流側挿入管7の前端12の横断面積より大きく設定し、且つ上流側挿入管6後端14の投影断面積と下流側挿入管7の前端12の投影断面積とを投影断面において一部をオーバーラップ15させ(図4(a)参照、オーバーラップ率10%から40%)、更にエキゾーストパイプ2のマフラとの接続部16の横断面積を上流側挿入管6の前端17の横断面積より大きく設定し、且つエキゾーストパイプ2のマフラとの接続部16の投影断面積と上流側挿入管6の前端17の投影断面積を投影断面において一部をオーバーラップ18させた(図4(b)参照、オーバーラップ率10%から40%)ものである。即ち各挿入管6,7とエキゾーストパイプ2の断面積の大きさは、マフラとの接続部16>挿入管6の前端17>挿入管7の前端12の如く下流に行くに従い小さくなるように構成した。
【0013】本発明は又、最後部の隔壁5を横断する状態で固定した管状の挿入管7の軸心を、車両平面視において車体中心線10に対して後方内側(車体中心側)に少しの角度α(具体的には略3度から10度の範囲)で傾斜させて固定し、更にその挿入管7の大気開放後端11の横断面積を前端12の横断面積より大きくなるように末広がり状に形成し、且つその挿入管7の一部、例えば挿入管7の後方径大部71と前方径細部72にそれぞれ低周波域の消音に効果のある共鳴構造としての管壁を貫通する複数の小さな穴131、132を設けたものである。
【0014】本発明は又、上記マフラ構造において、最後部の隔壁5後面部よりも後方下流に向けてマフラ筒を延長させた延長部8を設け、この延長部8と最後部の隔壁5後面部との間に大気開放の空間部9を形成する。尚この延長部8の後端面の形状は図2に示す如く車両平面視側方前広がり傾斜面形状(角度θ=略45度)とするが図5に示す如く車両平面視進行方向と直角な面としてもよい。
【0015】本発明は、又前記上流挿入管6と下流挿入管7のそれぞれの軸心を、車両平面視において車体中心線10に対して後方内側(車体中心側)に少しの角度α(略3度から10度の範囲)、β(略3度から10度の範囲)でそれぞれ傾斜させて固定して構成してもよい。
【0016】尚、上流挿入管6と下流挿入管7は図3に見られるように垂直断面図示ではその軸心がそれぞれ水平面上にあるがこれをそれぞれ前方上がり傾斜又は後方上がり傾斜でもよい。即ち挿入管6,7は水平面上では車体中心側にそれぞれ傾斜しているが鉛直線上では水平でも前後に傾いていても良い。
【0017】更に又本発明の実施例は2つの隔壁と2つの挿入管を備えたマフラ構造としたが、本発明の思想を持った3つ以上の隔壁と挿入管を備えてもいいことは明らかである。
【0018】上記構成の作用を説明すると、エンジンから排出された排気ガスは、基本的にはエキゾーストパイプ2からマフラ3に入り各隔壁4,5で仕切られた室を挿入管6,7を介して拡散膨張干渉作用をして音圧レベルを下げて消音された後、大気に放出される。
【0019】そして本発明は、エキゾーストパイプ2と上流挿入管6と下流挿入管7とを投影断面でそれぞれオーバーラップさせるとともに排気ガスの流れの一部を直線的に後方に流すことによってエンジン爆発の鼓動をいろいろ変化させる事ができた。即ちオーバーラップ率が大変重要な要素となり種々実験の結果、オーバーラップ率が10%以下ではエンジン爆発の鼓動が聴覚的に劣り、オーバーラップ率が40%以上では充分な鼓動が感じられるが音圧が高く騒音規制値の対処に困難が伴う。結局排気鼓動音として規制値をもクリアして聴覚的にも「心地よい、いい音」を両立させるには上記オーバーラップ率は10%〜40%が最適であることが判明した。
【0020】更に本発明は、各挿入管6,7とエキゾーストパイプ2の断面積の大きさをマフラとの接続部16>挿入管6の前端17>挿入管7の前端12の如く下流に行くに従い小さくなるように構成したので音圧を少しずつ低下させ排気抵抗を減じているのでエンジン鼓動の減衰を押さえ高い音圧レベルを低下させる事が出来た。
【0021】更に又本発明は、最後部の挿入管7の軸心を、車体中心線10に対して後方内側に少しの角度αで傾斜させ、更にその挿入管7の大気開放後端11の横断面積を前端12の横断面積より大きくなるように末広がり状に形成し、且つその挿入管7にそれぞれ低周波域の消音に効果のある共鳴構造としての管壁を貫通する複数の小さな穴131、132を設けるとともに、マフラ筒を延長させた延長部8内側に大気開放の空間部9を形成したので、排気ガスがマフラ内から大気に開放される時に上記空間が変性可能な空間として利用されるため、音質をより「心地よい、いい音」とすることが出来た。尚、穴131、132は減衰させたい周波数、音圧によって穴の大きさ数、位置は適宜変更可能である。
【0022】
【発明の効果】本発明の自動二輪車用エンジンのマフラ構造によれば、エンジン性能を低下させることなく、しかも排気騒音規制値を満足させ且つ人間の聴覚に心地よいあるいは「心地よい、いい音」としての排気鼓動音を作り出すマフラ構造を得たものでしかも価格の廉価な筒状マフラを備えた自動二輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマフラ構造を備えた自動二輪車の全体概略側面図。
【図2】本発明の実施例を表すもので車両平面視における要部水平縦断面図。
【図3】図2のA−A線垂直縦断面図。
【図4】本発明の要部概略投影図で、(a)は挿入管同士の横断面概略投影図を表し、(b)は挿入管とエキゾーストパイプの横断面概略投影図を表す。
【図5】他の変形例を表す要部水平縦断面。
【符号の説明】
2. エキゾーストパイプ
3. 筒状マフラ
4. 隔壁(上流側)
5. 隔壁(下流側)
6. 挿入管(上流側)
7. 挿入管(下流側)
8. 延長部
9. 空間
10.車両平面視における車体中心線
11.後端
12.前端
131.穴
14.後端
15.オーバーラップ部
16.接続部
17.前端
18.オーバーラップ部
Claims (2)
- 筒状マフラを車両側面に略並行に配置し、車両前方に搭載したエンジンの排気口から排出された排気ガスを、該筒状マフラ内で適宜間隔を置いて固定された複数の隔壁と、隔壁に支持された複数の挿入管によって排気音を消音する自動二輪車用エンジンのマフラ構造において、該筒状マフラ内に固定した少なくとも2つの隔壁のそれぞれに一定長さの管状挿入管を支持させるとともに上流側挿入管後端の横断面積を下流側挿入管前端の横断面積より大きく設定し、且つ上流側挿入管後端の投影断面積と下流側挿入管前端の投影断面積とを投影断面において一部をオーバーラップさせ、更にマフラ前端に装着したエキゾーストパイプの横断面積を最上流挿入管の前端の横断面積より大きく設定し且つエキゾーストパイプの投影断面積と最上流挿入管前端の投影断面積とを投影断面において一部をオーバーラップさせるとともに、少なくとも最後部の挿入管の軸心を、車両平面視において車体中心線に対して後方内側に少しの角度で傾斜させて固定し、更に又該筒状マフラ内に固定した隔壁のうち最後部の隔壁よりも後方のマフラ外筒に後方に適宜長さに亘って延びた延長部を形成し、この延長部と該最後部の隔壁後面部との間に大気開放の空間を設けたことを特徴とする自動二輪車用エンジンのマフラ構造。
- 最後部の挿入管の大気開放後端の横断面積を同管の前端の横断面積より大きくなるように末広がり状に形成し、且つその挿入管の一部に低周波域の消音に効果のある共鳴構造としての挿入管壁を貫通する複数の小さな穴を設けたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用エンジンのマフラ構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003175545A JP2004340118A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 自動二輪車用エンジンのマフラ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003175545A JP2004340118A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 自動二輪車用エンジンのマフラ構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004340118A true JP2004340118A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33534837
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003175545A Pending JP2004340118A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 自動二輪車用エンジンのマフラ構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004340118A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009185542A (ja) * | 2008-02-07 | 2009-08-20 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 建設機械 |
| CN102392720A (zh) * | 2006-11-16 | 2012-03-28 | 陈培东 | 液式及干式消声装置 |
| JP2016205243A (ja) * | 2015-04-23 | 2016-12-08 | 本田技研工業株式会社 | 排気装置 |
-
2003
- 2003-05-16 JP JP2003175545A patent/JP2004340118A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102392720A (zh) * | 2006-11-16 | 2012-03-28 | 陈培东 | 液式及干式消声装置 |
| JP2009185542A (ja) * | 2008-02-07 | 2009-08-20 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 建設機械 |
| JP2016205243A (ja) * | 2015-04-23 | 2016-12-08 | 本田技研工業株式会社 | 排気装置 |
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