JP2004340180A - トロイダル型無段変速機及びトロイダル型無段変速機用試験装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機及びトロイダル型無段変速機用試験装置 Download PDF

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Abstract

【課題】運転状況に拘らず、入力側、出力側各ディスク2、5の内側面と各パワーローラ6、6の周面とが接触するトラクション部の面圧を適正値にする。
【解決手段】入力側ディスク2、2の回転速度及びトルクを入力側回転センサ15及びトルクセンサ17により、出力側ディスク5の回転速度を出力側回転センサ16により、それぞれ検出する。油圧制御手段20が、これら各センサ15〜17の検出値に基づいて、油圧式の押圧装置12aに導入する油圧を制御する。上記油圧制御手段20は、入力側の回転速度及びトルク、変速比と適正油圧とを組み合わせた多数のセルとをマトリックス化したものを記憶装置に記憶させている。そして、各状態に応じたセルを取り出して当該セルの油圧を読み取り、上記押圧装置12aに導入する。この構成により、この押圧装置12aに適切な油圧を迅速に導入する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明の対象であるトロイダル型無段変速機は、自動車用自動変速装置の変速ユニットとして、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用自動変速装置として、図6に示す様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、入力軸1の両端部周囲に1対の入力側ディスク2、2を、ボールスプライン3、3を介して支持している。従ってこれら両入力側ディスク2、2は、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持されている。又、上記入力軸1の中間部周囲に出力歯車4を、この入力軸1に対する相対回転を自在として支持している。そして、この出力歯車4の中心部に設けた円筒部の両端部に1対の出力側ディスク5、5を、スプライン係合させている。従ってこれら両出力側ディスク5、5は、上記出力歯車4と共に、同期して回転する。
【0003】
又、上記各入力側ディスク2、2と上記各出力側ディスク5、5との間には、それぞれ複数個ずつ(通常2〜3個ずつ)のパワーローラ6、6を挟持している。これら各パワーローラ6、6は、それぞれトラニオン7、7の内側面に、支持軸30、30及び複数ずつの転がり軸受を介して、回転自在に支持されている。上記各トラニオン7、7は、それぞれの長さ方向(図6の表裏方向)両端部にこれら各トラニオン7、7毎に互いに同心に設けられた枢軸8、8(本発明の実施の形態を示す図2参照)を中心として揺動変位自在である。
【0004】
これら各トラニオン7、7を傾斜させる動作は、油圧式のアクチュエータ9、9(図2参照)によりこれら各トラニオン7、7を上記各枢軸8、8の軸方向に変位させる事により行なう。変速時には、上記各アクチュエータ9、9への圧油の給排により、上記各トラニオン7、7を上記各枢軸8、8の軸方向に変位させる。この結果、上記各パワーローラ6、6の周面と上記入力側、出力側各ディスク2、5の内側面との接触部の接線方向に作用する力の方向が変化するので、上記各トラニオン7、7が上記各枢軸8、8を中心として揺動変位する。尚、総てのトラニオン7、7の傾斜角度は、油圧式及び機械式に互いに同期させる。
【0005】
上述の様なトロイダル型無段変速ユニットの運転時には、エンジン10(本発明の実施の形態を示す図1参照)等の動力源に繋がる駆動軸11により一方(図6の左方)の入力側ディスク2を、ローディングカム式の押圧装置12を介して回転駆動する。この結果、前記入力軸1の両端部に支持された1対の入力側ディスク2、2が、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ6、6を介して上記各出力側ディスク5、5に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。
【0006】
上記入力軸1と出力歯車4との回転速度の比を変える場合で、先ず入力軸1と出力歯車4との間で減速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を図6に示す位置に揺動させ、上記各パワーローラ6、6の周面をこの図6に示す様に、上記各入力側ディスク2、2の内側面の中心寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を図6と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ6、6の周面を、図6に示した状態とは逆に、上記各入力側ディスク2、2の内側面の外周寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各トラニオン7、7を傾斜させる。これら各トラニオン7、7の傾斜角度を中間にすれば、入力軸1と出力歯車4との間で、中間の速度比(変速比)を得られる。
【0007】
上述した構造の場合、入力側、出力側各ディスク2、5の内側面と各パワーローラ6、6の周面との転がり接触部(トラクション部)の面圧を確保する為の押圧装置12として、機械式に押圧力を発生させるローディングカム式のものを使用している為、発生する押圧力の大きさは、前記駆動軸11から上記入力軸2に伝達されるトルクの大きさにのみ比例する。これに対して、必要とする押圧力の大きさは、このトルクの大きさだけでなく、他の要素によっても変化する。
【0008】
この様な事情に鑑み、上記トルクの大きさ以外の要素を勘案して上記押圧力を代えられる構造として、特許文献1〜3に記載されたものが知られている。このうちの特許文献1に記載されたものは、ローディングカムと油圧シリンダとを組み合わせ、ローディングカムにより入力トルクに応じた押圧力を発生させると共に、油圧シリンダにより変速比に応じた押圧力を発生させる様に構成している。又、特許文献2に記載されたものは、トラクションオイルの動粘度を粘度センサにより測定し、この動粘度に応じて押圧装置が発生する押圧力を変化させる様に構成している。更に、特許文献3には、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とモード切換用のクラッチとを組み合わせた無段変速装置で、トロイダル型無段変速機に組み込む押圧装置として油圧式のものを使用する構造が記載されている。そして、上記トロイダル型無段変速機を通過するトルクが低くなる高速モード時に、上記押圧装置に導入する油圧を低くするとしている。
【0009】
【特許文献1】
特公平6−72652号公報
【特許文献2】
特開2000−65193号公報
【特許文献3】
特開平11−63146号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様な従来構造のうち、図6に示した構造の場合には、ローディングカム式の押圧装置12が発生する押圧力が過大になる場合が多く、トロイダル型無段変速機の構成部品の耐久性を確保する面から不利である。即ち、上記押圧装置12に要求される押圧力は、変速比、温度変化に伴うトラクションオイルの粘度の変化に応じて変わる。一方、ローディングカム式の押圧装置12が発生する押圧力は、この押圧装置12の入力部に加わるトルクが同じである限り一定である。従って、ローディングカム式の押圧装置12は、要求される最も大きな押圧力を発生させる様に設計する。具体的には、変速比が1で、温度上昇に基づいて上記粘度が低下した状態で要求される押圧力を発生する構造とする。この為、変速比が1から大きく外れた場合や、比較的温度が低く上記粘度が高い場合には、上記押圧装置12が発生する押圧力が過大になる。この押圧力が過大になる事は、トロイダル型無段変速機の小型化を図る面からも、伝達効率を確保する面からも、更には構成部材の耐久性を確保する面からも好ましくない。
【0011】
又、特許文献1に記載されたものは、入力トルクと変速比とを考慮した押圧力を発生させる事はできるが、より細かな調節を行なう事はできない。
又、特許文献2に記載されたものは、トラクションオイルの動粘度に応じた押圧力を得る事はできるが、より細かな調節を行なう事はできない。しかも、トラクション部の動粘度を測定する事自体難しいだけでなく、仮にできたとしても装置が複雑化する事が避けられないものと考えられる。
更に、特許文献3に記載されたものは、トロイダル型無段変速機を通過するトルクが低くなる高速モード時に押圧装置が発生する油圧を低くする事だけしか考慮していない為、伝達効率確保及び耐久性確保の面から、必ずしも十分な効果を得られない可能性がある。
本発明は、この様な事情に鑑み、簡素に構成できる構造で、トラクション部の面圧を適正にして、トロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性の確保を図れる構造を実現するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のトロイダル型無段変速機及びトロイダル型無段変速機用試験装置のうち、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機は、互いに同心に、且つ相対回転自在に配置された入力側ディスク及び出力側ディスクと、互いに対向するこれら両ディスクの内側面同士の間に挟持されてこれら両ディスク同士の間で動力を伝達する複数のパワーローラと、これら両ディスクのうちの一方のディスクを他方のディスクに向け押圧する油圧式の押圧装置とを備える。
【0013】
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記入力側ディスク又はこの入力側ディスクと同期して回転する部分の回転速度である入力回転速度を検出する為の入力側回転センサと、上記出力側ディスク又はこの出力側ディスクと同期して回転する部分の回転速度である出力回転速度を検出する為の出力側回転センサと、上記入力側ディスクに入力される入力トルクを検出する為のトルクセンサと、これら各センサの検出値に応じて上記押圧装置に送り込む油圧を制御する為の油圧制御手段とを備える。
そして、この油圧制御手段は、記憶手段に記憶されている、それぞれが入力回転速度と、入力トルクと、入力回転速度と出力回転速度との比である変速比と、油圧との関係である複数の組み合わせの中から、その時点での入力回転速度と入力トルクと変速比とに対応する組み合わせを選択し、この選択された組み合わせの油圧を上記押圧装置に送り込む機能を有するものである。
【0014】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、運転状態に大きな影響を与える3種類の要件、即ち、入力回転速度と、入力トルクと、変速比とにより押圧装置が発生する押圧力を調節するので、トロイダル型無段変速機の運転状態の如何に拘らず、この押圧力を最適値に規制できる。しかも、この押圧力を発生させる為の油圧を、上記3種類の要件と組み合わせて(マトリックスとして)予め油圧制御手段の記憶手段に記憶させているので、適切な油圧を選択する動作を迅速に行なえる。尚、トラクションオイルの温度等、上記3種類以外の要件により上記油圧を調整する必要があれば、当該要件を測定するセンサからの信号に基づき、上記選択された油圧を補正する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例は、前述の図6に示した様な、入力側ディスク2、2と出力側ディスク5、5とを動力の伝達方向に関して互いに平行に、2個ずつ設けた、ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機に、本発明を適用した場合に就いて示している。エンジン10から入力軸1に伝わった動力は、この入力軸1の両端部に支持した入力側ディスク2、2から、それぞれパワーローラ6、6を介して出力側ディスク5、5に伝わり、出力歯車4から取り出される。
【0016】
上記各パワーローラ6、6は、それぞれトラニオン7、7の内側面に、支持軸30、30及び複数の転がり軸受を介して、回転自在に支持されている。又、上記各トラニオン7、7は、それぞれの長さ方向(図2の上下方向)両端部に、これら各トラニオン7、7毎に互いに同心に設けられた、それぞれ1対ずつの枢軸8、8を中心として、揺動変位自在である。又、上記各トラニオン7、7には、それぞれ油圧式のアクチュエータ9、9を結合して、上記各枢軸8、8の軸方向に変位自在としている。
【0017】
上述の様なトロイダル型無段変速ユニットの運転時には、エンジン10等の動力源に繋がる駆動軸11により一方(図1の左方)の入力側ディスク2を、油圧式の押圧装置12aを介して回転駆動する。尚、この押圧装置12aは、スプライン係合部等を設ける事により、回転力の伝達を行ないつつ、上記入力側ディスク2を押圧する為に、軸方向の寸法を拡縮自在としている。又、他方(図1の右方)の入力側ディスク2は、上記入力軸1の端部に結合されて、上記押圧装置12aの作動時(全長の伸長時)に、一方の入力側ディスク2に向けて引っ張られる様にしている。尚、この様に、上記押圧装置12aの軸方向寸法の伸長に伴って1対の入力側ディスク2、2同士を互いに近づけ合う部分の構造に就いては、前述の図6に示した構造を含め、各種構造が従来から多くの公報に記載される等により知られており、本発明の要旨でもない為、図1には省略し、詳しい説明も省略する。
【0018】
何れにしても、上記1対の入力側ディスク2、2が、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転すると、この回転が、前記各パワーローラ6、6を介して前記各出力側ディスク5、5に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。この様にトロイダル型無段変速機が上記各入力側ディスク2、2から上記各出力側ディスク5、5に動力を伝達する際に、前記各トラニオン7、7には、前記各枢軸8、8の軸方向にスラスト荷重が加わる。このスラスト荷重は、トロイダル型無段変速機の技術分野で2Ftと呼ばれて広く知られているもので、上記各トラニオン7、7に支持したパワーローラ6、6の周面と上記各ディスク2、5の内側面との転がり接触部(トラクション部)で発生し、上記各パワーローラ6、6を介して上記各トラニオン7、7に加わる。
【0019】
この様にしてこれら各トラニオン7、7に加わるスラスト荷重(2Ft)の大きさは、上記動力のトルクに比例する。そして、このスラスト荷重は、前記アクチュエータ9、9により支承する。このスラスト荷重を支承する事に伴ってこれら各アクチュエータ9、9を構成するピストン13、13を挟んで存在する1対の油圧室14a、14b内の油圧に差が生じる。即ち、高圧側の油圧室14a(14b)により上記スラスト荷重を受けて、このスラスト荷重に拘らず、上記各トラニオン7、7が上記各枢軸8、8の軸方向に変位しない様にする。上記各ピストン13、13の受圧面積をAとし、上記高圧側の油圧室の油圧をPH とし、低圧側の油圧室の油圧をPL とした場合、2Ft=(PH −PL )Aで表される。
【0020】
前記入力軸1と前記出力歯車4との回転速度の比を変える場合には、上記各アクチュエータ9、9への圧油の給排により、上記各トラニオン7、7を上記各枢軸8、8の軸方向に変位させる。この結果、上記各パワーローラ6、6の周面と上記入力側、出力側各ディスク2、5の内側面との接触部の接線方向に作用する力の方向が変化するので、上記各トラニオン7、7が上記各枢軸8、8を中心として揺動変位する。
【0021】
更に、本例のトロイダル型無段変速機に於いては、入力側回転センサ15と、出力側回転センサ16と、トルクセンサ17とを備える。このうちの入力側回転センサ15は、前記駆動軸11の中間部に装着したエンコーダ(図示省略)に対向する状態で設けられ、上記入力側ディスク2と同期して回転する、上記駆動軸11の回転速度を検出自在としている。又、上記出力側回転センサ16は、前記出力歯車4と噛合した伝達歯車18を端部に固定した伝達軸19の端部に装着したエンコーダ(図示省略)に対向する状態で設けられ、上記出力側ディスク5と同期して回転する上記伝達軸19の回転速度を検出自在としている。更に、上記トルクセンサ17は、上記駆動軸11の中間部に設けて、この駆動軸11から上記入力側ディスク2に入力される入力トルクを検出自在としている。そして、上記各センサ15〜17の検出信号を、上記押圧装置12aの内に送り込む油圧を制御する為の油圧制御手段20に入力している。
【0022】
この油圧制御手段20は、記憶手段を備えたマイクロコンピュータを内蔵しており、上記各センサ15〜17の検出信号に基づいて、上記押圧装置12aの油圧室21内に送り込む油圧を求める。上記記憶手段には、入力回転速度NI と、入力トルクTI と、入力回転速度NI と出力回転速度NO との比である変速比e(=NI /NO )との3通りの変数をパラメータとし、これら各パラメータと上記油圧との組み合わせ(セル)を、図3に示す様なマトリックスとして記憶させている。図3に示したマトリックスでは、上記入力回転速度NI を12通りに、上記入力トルクTI を14通りに、上記変速比eを15通りに、それぞれ分割し、全部で2520(12×14×15)通りのセルを設定している。これら2520通りのセルには、互いに異なる入力回転速度NI と上記入力トルクTI と変速比eとの組み合わせに対して、それぞれ適切な油圧が組み合わされている。又、上記各セルに組み合わされる油圧は、最低押し付け力、安全率、トラクション係数等、トロイダル型無段変速機の安定的運転に影響を与える条件を考慮しつつ、実験及び計算により決定する。
【0023】
上記油圧制御手段20は、上記各センサ15〜17の検出信号に基づいて、上記2520通りのセルのうちから、その時点でのトロイダル型無段変速機の運転状態に合致するセルを呼び出し、呼び出したセルの油圧を読み取る。そして、読み取った油圧を、前記押圧装置12aの油圧室21内に導入すべく、図示しない油圧源とこの油圧室21との間に設けた、やはり図示しない油圧制御弁の開度を調節する。尚、この油圧制御弁としては、比例制御弁、サーボ弁等、従来から油圧制御の為に利用されていた、各種制御弁を利用できる。
【0024】
上述の様に本例のトロイダル型無段変速機の場合には、入力回転速度NI と、入力トルクTI と、変速比eとの3通りの変数に応じて上記押圧装置12aが発生する押圧力を調節するので、上記トロイダル型無段変速機の運転状態の如何に拘らず、この押圧力を最適値に規制できる。即ち、上記油圧制御手段20に内蔵したマイクロコンピュータが、上記各センサ15〜17の検出値に応じてその瞬間の運転状態に対応するセルを呼び出し、当該セルに組み合わされた油圧を読み取って上記押圧装置12aの油圧室21内に導入する。従って、この押圧装置12aが発生する押圧力を常に最適値若しくはそれに近い値にできる。しかも、上記各センサ15〜17の検出値から適正な油圧を求め、各トラクション部の面圧を適正値にする作業を迅速に行なえる。この結果、これら各トラクション部で、短時間とは言え過大な滑り(グロススリップ)が発生したり、或はこれら各トラクション部の面圧が課題になる事を防止できて、上記トロイダル型無段変速機の伝達効率及び耐久性の確保を図れる。
【0025】
次に、図4〜5は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第2例として、本発明をトロイダル型無段変速機用試験装置に適用した場合を示している。この試験装置は、第一の(駆動側若しくは入力側)ダイナモ22と第二の(吸収側若しくは出力側)ダイナモ23との間に、トロイダル型無段変速機24とトルク計25とを、上記第一のダイナモ22の側から順に、互いに直列に設けている。又、上記第二のダイナモ23にはフライホイール26を接続して、上記トロイダル型無段変速機24の出力側に、実際の車両に見合う程度の慣性質量を結合自在としている。この様な試験装置を使用して、上記第一のダイナモ22から上記トロイダル型無段変速機24の通過トルクを変動させつつ、このトロイダル型無段変速機24を挟む2個所位置での回転速度から、このトロイダル型無段変速機24の変速比の変動を求めれば、トルク変動に対するこのトロイダル型無段変速機24の挙動を知る事ができる。
【0026】
この様な試験装置によりトルク変動に対する上記トロイダル型無段変速機24の挙動を観察する場合に、このトロイダル型無段変速機24に組み込んだ油圧式の押圧装置12a(図1参照)が発生する押圧力を、上述した第1例の場合と同様にして調節する。この為に本例の場合には、上記トロイダル型無段変速機24の入力部に繋がる入力軸27に、この入力軸27の回転速度を検出する為の入力側回転センサ15aと、この入力軸27を伝達されるトルクを検出する為のトルクセンサ17aとを設けている。又、上記トロイダル型無段変速機24の出力軸に繋がる出力軸28に、この出力軸28の回転速度を検出する為の出力側回転センサ16aを設けている。そして、これら各センサ15a〜17aの検出信号を油圧制御手段20aに入力し、油圧源と油圧制御弁とを組み合わせた油圧ユニット29を制御する様にしている。
【0027】
上述の様に構成する本例のトロイダル型無段変速機用試験装置の場合、上記トロイダル型無段変速機24の挙動を観察する際には、上記各センサ15a〜17aの検出信号に基づいて、上記押圧装置12aが発生する押圧力を適正値に制御する。この結果、試験の間中、この押圧力を適正値に維持できて、上記トロイダル型無段変速機24に、同期不良等、不安定な動きが生じる事を防止し、信頼性の高い試験結果を得られる。因に、上記押圧力を手動により調節する場合、試験条件の変更する際には、この変更の前に上記押圧力を高めに設定してから試験条件を変更した後、この押圧力を適正値に戻す。この様な調整作業を行なうと、各部の支持剛性の相違に基づくヒステリシス等により、上記試験条件の変更の前後で各部の状態が異なる、同期不良等が発生して、試験結果の信頼性が損なわれる可能性がある。これに対して本例の様な制御を行なえば、上記押圧装置12aが発生する押圧力を適正値に維持し続けられる為、上記同期不良等の発生を防止して、試験結果の信頼性確保を図れる。
【0028】
尚、前述した第1例及び上述した第2例の場合には、トロイダル型無段変速機を通過する動力のうちのトルクの値を、駆動軸11或は入力軸27に付設したトルクセンサ17、17aにより測定する様にしている。これに対して、前記各トラニオン7、7を前記枢軸8、8の軸方向に変位させる為のアクチュエータ9、9毎に1対ずつ存在する油圧室14a、14b内の油圧により、上記トルクを算出する事もできる。即ち、前述した様に、上記各アクチュエータ9、9内にピストン13、13を挟んで設けた1対の油圧室14a、14b間の圧力差は、上記トルクに比例する。そして、このトルクTは、上記各ピストン13、13の受圧面積Aと、上記高圧側の油圧室の油圧PH と、低圧側の油圧室の油圧PL とから、T∝2Ft=(PH −PL )Aなる式で求める事ができる。上記油圧室14a、14b内の油圧は、簡単な油圧センサにより容易に求められる為、上記トルク測定の為の構造を簡略にできる。尚、より具体的には、図2に示す様に、上記各油圧室14a、14b間の圧力差を圧力センサ31により検出すると共に、演算装置32により上記トルクTを算出し、得られたトルクTを前述の油圧制御手段20に入力する。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、小型でしかも優れた伝達効率及び耐久性を有するトロイダル型無段変速機を実現できる。又、トロイダル型無段変速機用試験装置に適用した場合に、試験条件を変更する際に同期不良等、不安定な動きを生じ、試験結果の信頼性を損なう事を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトロイダル型無段変速機の実施の形態の1例を示す略断平面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】油圧制御手段の記憶手段に記憶する、入力回転速度と入力トルクと変速比とのマトリックスを説明する為の模式図。
【図4】本発明のトロイダル型無段変速機用試験装置の実施の形態の1例を示す側面図。
【図5】同平面図。
【図6】従来から知られているトロイダル型無段変速ユニットの1例を示す断面図。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 ボールスプライン
4 出力歯車
5 出力側ディスク
6 パワーローラ
7 トラニオン
8 枢軸
9 アクチュエータ
10 エンジン
11 駆動軸
12、12a 押圧装置
13 ピストン
14a、14b 油圧室
15、15a 入力側回転センサ
16、16a 出力側回転センサ
17、17a トルクセンサ
18 伝達歯車
19 伝達軸
20、20a 油圧制御手段
21 油圧室
22 第一のダイナモ
23 第二のダイナモ
24 トロイダル型無段変速機
25 トルク計
26 フライホイール
27 入力軸
28 出力軸
29 油圧ユニット
30 支持軸
31 圧力センサ
32 演算装置

Claims (2)

  1. 互いに同心に、且つ相対回転自在に配置された入力側ディスク及び出力側ディスクと、互いに対向するこれら両ディスクの内側面同士の間に挟持されてこれら両ディスク同士の間で動力を伝達する複数のパワーローラと、これら両ディスクのうちの一方のディスクを他方のディスクに向け押圧する油圧式の押圧装置とを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、上記入力側ディスク又はこの入力側ディスクと同期して回転する部分の回転速度である入力回転速度を検出する為の入力側回転センサと、上記出力側ディスク又はこの出力側ディスクと同期して回転する部分の回転速度である出力回転速度を検出する為の出力側回転センサと、上記入力側ディスクに入力される入力トルクを検出する為のトルクセンサと、これら各センサの検出値に応じて上記押圧装置に送り込む油圧を制御する為の油圧制御手段とを備え、この油圧制御手段は、記憶手段に記憶されている、それぞれが入力回転速度と、入力トルクと、入力回転速度と出力回転速度との比である変速比と、油圧との関係である複数の組み合わせの中から、その時点での入力回転速度と入力トルクと変速比とに対応する組み合わせを選択し、この選択された組み合わせの油圧を上記押圧装置に送り込む機能を有するものである事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 互いに同心に、且つ相対回転自在に配置された入力側ディスク及び出力側ディスクと、互いに対向するこれら両ディスクの内側面同士の間に挟持されてこれら両ディスク同士の間で動力を伝達する複数のパワーローラと、これら両ディスクのうちの一方のディスクを他方のディスクに向け押圧する油圧式の押圧装置とを備えたトロイダル型無段変速機の性能評価を行なう為、このトロイダル型無段変速機の入力軸に連結される第一のダイナモと、このトロイダル型無段変速機の出力軸に連結される第二のダイナモとを備えたトロイダル型無段変速機用試験装置に於いて、上記入力側ディスク又はこの入力側ディスクと同期して回転する部分の回転速度である入力回転速度を検出する為の入力側回転センサと、上記出力側ディスク又はこの出力側ディスクと同期して回転する部分の回転速度である出力回転速度を検出する為の出力側回転センサと、上記入力側ディスクに入力される入力トルクを検出する為のトルクセンサと、これら各センサの検出値に応じて上記押圧装置に送り込む油圧を制御する為の油圧制御手段とを備え、この油圧制御手段は、記憶手段に記憶されている、それぞれが入力回転速度と、入力トルクと、入力回転速度と出力回転速度との比である変速比と、油圧との関係である複数の組み合わせの中から、その時点での入力回転速度と入力トルクと変速比とに対応する組み合わせを選択し、この選択された組み合わせの油圧を上記押圧装置に送り込む機能を有するものである事を特徴とするトロイダル型無段変速機用試験装置。
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