JP5120134B2 - 摩擦車式無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、トロイダル型無段変速機などに代表される摩擦車式無段変速機に関し、特に、該摩擦車式無段変速機を動力伝達可能状態にするため入出力ディスク間に摩擦車を挟圧するローディング機構、および、入力ディスクへの入力回転を断接する入力クラッチを、コンパクトなユニットにして摩擦車式無段変速機に装備し得るようにする技術に関するものである。
摩擦車式無段変速機の代表であるトロイダル型無段変速機は通常、例えば特許文献1に記載されているように、
入出力コーンディスクを同軸に対向配置して具え、これら入出力コーンディスク間にパワーローラ(摩擦車)を介在させて構成する。
入力コーンディスクへ原動機からの回転を入力するに際しては、入力トルクに応じたスラストをローディング機構により発生させ、このスラストにより入出力コーンディスク間にパワーローラを挟圧する。
これによりパワーローラは、入出力コーンディスクとの間における油膜の剪断を介して入出力コーンディスクとの間でトランクション伝動が可能となり、入出力コーンディスク間で動力の受け渡しを行うことができる。
変速に際しては、パワーローラを個々に回転自在に支持したトラニオン(摩擦車支持部材)をそれぞれ、対応するパワーローラと共に、パワーローラ回転軸線が入出力コーンディスク回転軸線と交差する中立位置から、パワーローラ回転軸線と直交する傾転軸線方向へオフセットさせることにより、パワーローラの傾転軸線周りにおける自己傾転を惹起させる。
かかるトラニオンおよびパワーローラの傾転(首振り)により、入出力コーンディスクに対するパワーローラの接触軌跡円径が連続的に変化し、トロイダル型無段変速機の無段変速が可能である。
変速比が目標変速比になったところで、トラニオンおよびパワーローラを傾転軸線方向オフセット位置から中立位置に戻し、パワーローラが上記した自己傾転を行わなくなるようにすることで目標変速比を維持する。
ところで、かかる変速制御は作動油を媒体として行われ、極低温時は作動油の粘度が高くなって、変速応答が悪化したり、予期しない変速が発生するなど、変速制御上の不具合を生ずるだけでなく、潤滑油の供給も十分でなくて耐久性の低下にもつながる
例えばかかる問題に鑑み、特許文献1に記載のように、入力ディスクへの回転入力を断接する入力クラッチを設ける提案が従来よりなされている。
特開2000−055177号公報
しかし従来は、特許文献1に明記されているように、ローディング機構と入力クラッチとを個別ユニットとして摩擦車式無段変速機に設置するのが常套であった。
このため、当該ローディング機構および入力クラッチを相互に軸線方向へ並べてタンデムに配置することとも相まって、摩擦車式無段変速機の軸線方向寸法が大きくなり、車載性が低下するという問題を生じていた。
本発明は、ローディング機構および入力クラッチを、コンパクトなユニットにして摩擦車式無段変速機に装備し得るようになし、これにより上記の問題を解消することを目的とする。
この目的のため、本発明による摩擦車式無段変速機は、請求項1に記載のごとく、
相互に同軸配置した入出力ディスク間に摩擦車を具え、該摩擦車を、ローディング機構が発生したスラストにより入出力ディスク間に挟圧して、該入出力ディスク間での動力伝達を可能となし、前記入力ディスクへの回転入力を断接する入力クラッチを具えた摩擦車式無段変速機を要旨構成の基礎前提とし、
前記ローディング機構は、油圧に応動して前記スラストを発生するローディングピストンを有した油圧式ローディング機構とし、
該油圧式ローディング機構のローディングピストンが、前記入力クラッチのクラッチ板を相互に押圧締結させて該押圧締結状態のクラッチ板を介し前記スラストを前記入出力ディスク間に付与するよう構成したことを特徴とするものである。
かかる本発明の構成によれば、ローディング機構が、油圧に応動して前記スラストを発生するローディングピストンを有した油圧式ローディング機構であり、そのローディングピストンが、入力クラッチのクラッチ板を相互に押圧締結させて当該押圧締結状態のクラッチ板を介しスラストを入出力ディスク間に付与する構成であるため、
摩擦車を入出力ディスク間に挟圧すべく油圧式ローディング機構が発生したスラストを入力クラッチの締結にも用いることとなり
入力クラッチを締結させるためのピストンなどのクラッチ締結動作機構が不要であり、その分、ローディング機構および入力クラッチを相互に軸線方向へ並べてタンデムに配置するといえども、摩擦車式無段変速機の軸線方向寸法が大きくなるのを緩和することができ、車載性が低下するという問題を軽減することができる。

以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になる摩擦車式無段変速機を示し、本実施例ではこの摩擦車式無段変速機をトロイダル型無段変速機として構成する。
このトロイダル型無段変速機は、伝動容量を倍化するため、変速機ケース1内に2個のトロイダル伝動ユニット、つまり、フロント側トロイダル伝動ユニット2、およびリヤ側トロイダル伝動ユニット3をタンデムに収納した、所謂ダブルキャビティー式トロイダル型無段変速機とする。
これらトロイダル伝動ユニット2,3は、入力コーンディスク(入力ディスク)4,5と、これらに同軸に対向配置した出力コーンディスク(出力ディスク)6,7と、対応する入出力コーンディスク間に介在させたパワーローラ(摩擦車)8,9とを主たる要素とする同様な構成とする。
該トロイダル伝動ユニット2,3は、出力コーンディスク(出力ディスク)6,7が相互に背中合わせになるようにして同軸に配置し、
背中合わせの出力コーンディスク(出力ディスク)6,7を一体ユニットに構成する。
パワーローラ8,9はそれぞれ、対応する入出力コーンディスク4,6および5,7間で油膜の剪断により動力伝達を行うもので、該入出力コーンディスクの回転軸線O1を挟んでその両側に一対ずつ1組として対向配置する。
パワーローラ8,9はそれぞれ、対応する入出力コーンディスク4,6および5,7間で上記の動力伝達を行うよう軸線O2の周りに回転可能な内輪8a,9aと、これら内輪8a,9aを回転自在に支持した外輪8b,9bとで構成する。
内輪8a,9aから遠い外輪8b,9bの背面を円筒凹面として、トラニオン(摩擦車支持部材)11,12のクランク部(詳しくは、クランクピン)11a,12aに嵌合することにより、パワーローラ8,9をトラニオン11,12に支持する。
トラニオン11,12は、相互に隣接する上端(図1の手前側端)同士、および、相互に隣接する下端(図1の向こう側端)同士をそれぞれ、対応する入出力コーンディスク4,6および5,7の対向トロイド面により規定される内輪8a,9aの首振り軸線O3の周りで回転し得るよう、図示せざるアッパーリンクおよびロアリンクにより相互に連節し、
これによりパワーローラ8,9を、対応する入出力コーンディスク4,6および5,7間から追い出されることなく、当該入出力コーンディスク4,6および5,7との接触状態を保ち得るようにする。
フロント側トロイダル伝動ユニット2およびリヤ側トロイダル伝動ユニット3を変速機ケース1内に同軸に配置するに当たっては、変速機ケース1内にバリエータシャフト13を回転自在に支持し、このバリエータシャフト13上に両トロイダル伝動ユニット2,3の入出力コーンディスク4〜7を支持する。
フロント側入力コーンディスク4は、ボールスプライン14によりバリエータシャフト13に回転係合させるも、軸線方向にスライド可能とする。
リヤ側入力コーンディスク5は、遊星歯車組15のキャリア16によりバリエータシャフト13に対し軸線方向相対変位可能に回転係合させると共に、該キャリア16を介してバリエータシャフト13に対し抜け止めする。
また、一体ユニットに構成した出力コーンディスク6,7は中空出力軸17に一体結合し、この中空出力軸17をバリエータシャフト13上に回転自在に支持することで、出力コーンディスク6,7をバリエータシャフト13上に回転自在に支持する。
一体ユニットの出力コーンディスク6,7は、その軸線方向両端近傍において変速機ケース1に横架したリンクポスト18,19によりスラストベアリング21,22を介し軸線方向に位置決めし、これにより中空出力軸17も軸線方向位置に位置決めする。
中空出力軸17は、リヤ側入力コーンディスク5の中心孔とバリエータシャフト13の外周面との間を貫通して後方へ延在させ、該延在する後端にバリエータギヤ23を一体成形する。
遊星歯車組15のキャリア16内にカウンターシャフト24を回転自在に支持し、該カウンターシャフト24の前後端にそれぞれカウンターギヤ24a,24bを一体成形する。
バリエータシャフト13の後端に突き合わせて相対回転可能に出力軸25を設け、この軸25に出力歯車26を一体結合する。
前方のカウンターギヤ24aをバリエータギヤ23に噛合させ、後方のカウンターギヤ24bを出力歯車26に噛合させることにより、バリエータシャフト13および出力軸25間を駆動結合する。
バリエータシャフト13の前端には、入力軸31を相対回転可能に突き合わせて設け、この入力軸31は、変速機ケース1に固設したオイルポンプ32の中心部における中空固定軸33内に回転自在に、しかし軸線方向位置決めして支持する。
なお入力軸31は、図示せざるトルクコンバータなどを経てエンジンに結合する。
バリエータシャフト13および入力軸31の相互突き合わせ部に、両者間を断接する入力クラッチ34を設ける。
この入力クラッチ34は、入力軸31に結着したクラッチドラム35と、クラッチハブ36と、クラッチドラム35の内周にスプライン嵌合したクラッチ板およびクラッチハブ36の外周にスプライン嵌合したクラッチ板の交互配置になるクラッチパック37とで構成し、
クラッチハブ36の内周をスプライン38によりバリエータシャフト13に回転係合させる。
出力コーンディスク6から遠いフロント側入力コーンディスク4の背面外周部に軸線方向へ突出する円環状突起4aを形成し、この円環状突起4aと対面する位置に前記クラッチパック37を配置する。
かかる配置のクラッチパック37を介しフロント側入力コーンディスク4を図1の右方へ附勢し、その反力でバリエータシャフト13を図1の左方へ附勢して、パワーローラ8,9をそれぞれ、対応する入出力コーンディスク4,6間および5,7間に挟圧するためのスラストを発生するローディング機構41を以下に詳述する。
このローディング機構41は、バリエータシャフト13に固設したシリンダ42と、このシリンダ42内に摺動自在に嵌合したローディングピストン43と、これらシリンダ42およびローディングピストン43間に画成されたシリンダ室44と、ローディングピストン43用のリターンスプリング45とで構成する。
シリンダ42はクラッチドラム35内に位置させ、ローディングピストン43はその外周部が、クラッチパック37を挟んでフロント側入力コーンディスク4の円環状突起4aと軸線方向に対向する直径となす。
そして、クラッチハブ36がローディング機構41の第2ピストンとしても作用するよう、クラッチハブ36の外周をフロント側入力コーンディスク4の円環状突起4a内に摺動自在に嵌合させ、クラッチハブ36の中心円筒部のうち前方(図1の左方)へ延在する中心円筒部の内周をバリエータシャフト13の段差部に突き当てて嵌合すると共に、後方(図1の右方)へ延在する中心円筒部の外周をフロント側入力コーンディスク4の内周に摺動自在に嵌合して油室46を画成する。
なおローディングピストン43の内周はクラッチハブ36の前方へ延在する中心円筒部上に摺動自在に嵌合し、またリターンスプリング45をローディングピストン43およびクラッチハブ36間に縮設することで、これらローディングピストン43およびクラッチハブ36がタンデムピストン構造を提供するようになす。
クラッチハブ36およびフロント側入力コーンディスク4間に画成された油室46内に、弾性手段としての皿バネ47を配置し、この皿バネ47をクラッチハブ36およびフロント側入力コーンディスク4に介在させて、これらクラッチハブ36およびフロント側入力コーンディスク4が相互に遠ざかる方向へ附勢されるようにする。
そして皿バネ47のバネ力は、ローディング機構41が前記のスラストを発生させていない間においても、パワーローラ8,9をそれぞれ、対応する入出力コーンディスク4,6間および5,7間に僅かな力で挟圧して、ローディング機構41が前記のスラストを発生させ始めるトルクの立ち上がり当初からその伝達が可能となるようにするプリロード用の初期スラストを発生させるバネ力とする。
上記した本実施例によるトロイダル型無段変速機の作用を以下に説明する。
シリンダ室44への油圧でローディングピストン43が図1の右方へストロークされて、クラッチパック37のクラッチ板を相互に押圧すると、入力クラッチ34の締結により入力軸31へのエンジン回転がクラッチドラム35、クラッチパック37、クラッチハブ37、スプライン38を順次経てバリエータシャフト13に伝達される。
バリエータシャフト13へのエンジン回転は、一方でボールスプライン14を介してトロイダル伝動ユニット2の入力コーンディスク4へ伝達され、他方で遊星歯車組15のキャリア16を介してトロイダル伝動ユニット3の入力コーンディスク5へ伝達される。
このとき、ローディングピストン43は、室44内への入力トルクに応じた油圧により入力トルク対応のスラストを発生して、プリロード用の皿バネ47によるバネ力との共働により、バリエータシャフト13および入力コーンディスク5を図1の左方へ附勢し、この時のスラスト反力が入力コーンディスク4を図1の右方へ附勢する。
従って、パワーローラ8,9は対応する入出力コーンディスク4,6間および5,7間に入力トルク対応の力で挟圧され、対応する入出力コーンディスク4,6間および5,7間での動力伝達を可能にする。
なお、ローディングピストン43が上記のスラストを発生させていない間においても、プリロード用の皿バネ47がそのバネ力でパワーローラ8,9を対応する入出力コーンディスク4,6間および5,7間に挟圧しているため、
ローディングピストン43が上記のスラストによりクラッチパック37のクラッチ板を相互に押圧し始めて入力クラッチ34が締結開始したときから、パワーローラ8,9は対応する入出力コーンディスク4,6間および5,7間での動力伝達を行うことができる。
入出力コーンディスク4,6および5,7によるパワーローラ8,9の挟圧力は、これらパワーローラ8,9をその内輪回転軸線O2に沿い入出力コーンディスク4,6間および5,7間からその径方向外方へ追い出すスラスト荷重を発生させるが、
このスラスト荷重でパワーローラ8,9が入出力コーンディスク4,6間および5,7間からその径方向外方へ追い出されるのを、トラニオン11,12の上端間を連節した図示せざる前記したアッパーリンク、および、トラニオン11,12の下端間を連節した図示せざる前記したロアリンクにより阻止する。
トロイダル伝動ユニット2,3の伝動作用を説明するに、上記のごとくパワーローラ8,9が対応する入出力コーンディスク4,6間および5,7間に挟圧されているため、
バリエータシャフト13から入力コーンディスク4,5への回転は、これらに油膜の剪断を介して係合するパワーローラ8,9に伝達され、パワーローラ8,9を軸線O2 の周りに回転させる。
パワーローラ8,9は、これらに油膜の剪断を介して係合する出力コーンディスク6,7に回転を伝達し、この回転を中空出力軸17からバリエータギヤ23、カウンターシャフト24および出力軸25から取り出すことができる。
以下、上記の伝動中における変速作用を概略説明する。
図示しなかったが、各トラニオン11,12の下端にはサーボピストンを同軸に結合して設け、これらサーボピストンをコントロールバルブ(図示せず)により同位相(同じ変速方向)で同期してストロークさせることにより変速制御を行う。
上記の伝動中、パワーローラ8,9を上記サーボピストンによりトラニオン11,12を介し同期して、パワーローラ回転軸線O2 と直交する傾転軸線(トラニオン11,12のジャーナル軸線)O3 の方向に同位相でストロークさせ、これによりパワーローラ8,9をその回転軸線O2 がコーンディスク回転軸線O1 と交差する非変速中立位置からオフセットさせると、
パワーローラ8,9が傾転軸線O の周りに回転分力を受け、傾転軸線O の周りに同期して同位相で首振り回転(傾転)される。
かかる首振り回転(傾転)により、入出力コーンディスク4,6および5,7に対するパワーローラ8,9の接触軌跡円半径が連続的に変化し、入出力コーンディスク4,6間の伝動比、および入出力コーンディスク5,7間の伝動比を同じに保って無段階に変化させることができる。
伝動比が目標とする変速比になったところで、パワーローラ8,9を上記オフセットが0の非変速中立位置に戻すことにより、当該伝動比を維持することができる。
一方、前記したごとく室44内への油圧を変速機入力トルク対応値とし、ローディングピストン43からのスラストを変速機入力トルクに対応したものにする場合、ピストン43からのスラストで一義的に決まるクラッチパック37の押し付け力、つまり入力クラッチ34の伝達トルク容量も、変速機入力トルクに対応したものになってしまい、入力クラッチ34の伝達トルク容量を変速機入力トルクから切り離して制御したい場合がある。
例えば、トロイダル伝動ユニット2,3(バリエータ)の伝達可能な許容トルク上限値を超えた大きなトルクが入力されたときは、入力クラッチ34の伝達トルク容量を当該許容トルク上限値以下に制限して入力クラッチ34をスリップさせることにより、トロイダル伝動ユニット2,3(バリエータ)の破損防止を図る必要がある。
このような要求などにより、入力クラッチ34の伝達トルク容量を制限する必要がある場合は、室44内への油圧を変速機入力トルク対応値とせず上記の制限が実現されるような油圧値とする。
このときローディングピストン43からのスラストも制限されて、パワーローラ8,9を入出力コーンディスク4,6間および5,7間に挟圧する力が不足することとなる。
かかるパワーローラ挟圧力の不足を補うのに必要な油圧を室46へ供給し、これによりクラッチハブ36および入力ディスク4間を対応する力で相互に離反する方向に附勢する。
これによりクラッチハブ36は、バリエータシャフト13および入力コーンディスク5を図1の左方へ附勢し、クラッチハブ36は、入力コーンディスク4を図1の右方へ附勢する。
これら入力ディスク5,4の附勢力は、パワーローラ8,9を対応する入出力コーンディスク4,6間および5,7間に挟圧することになるが、この挟圧力を提供する室46への油圧が前記したごとく、室44への油圧制限(ローディングピストン43のスラスト制限)によるパワーローラ挟圧力の不足を補うのに必要な油圧値であることから、
パワーローラ8,9を対応する入出力コーンディスク4,6間および5,7間に、入力トルク対応の力で挟圧し続けることができ、トロイダル伝動ユニット2,3(バリエータ)が動力伝達不能になる事態を回避することができる。
ところで上記した本実施例によれば、パワーローラ8,9を対応する入出力ディスク4,6間および5,7間に挟圧すべくローディング機構41が発生したスラストを入力クラッチ34(クラッチパック37)の締結にも用いるため、
入力クラッチ34を締結させるためのピストンなどのクラッチ締結動作機構が不要であり、その分、ローディング機構41および入力クラッチ34を相互に軸線方向へ並べてタンデムに配置するといえども、トロイダル型無段変速機の軸線方向寸法が大きくなるのを緩和することができ、車載性が低下するという問題を軽減することができる。
また、ローディング機構41をローディングピストン43によってパワーローラ挟圧用のスラストを発生する油圧式ローディング機構とし、
ローディングピストン43が入力クラッチ34のクラッチパック(クラッチ板)37を相互に押圧締結させて、上記パワーローラ挟圧用のスラストを入出力ディスク4,6間および5,7間に付与する構成であるため、
簡易で、安価な構成により上記の作用効果を実現することができる。
更に、一対のトロイダル伝動ユニット2,3を、出力ディスク6,7が相互に背中合わせとなるよう同軸に配して具え、両トロイダル伝動ユニット2,3の入力ディスク4,5に、共通なバリエータシャフト13を介して回転を入力するようにしたダブルキャビティー式トロイダル型無段変速機において、
入力クラッチ34のクラッチハブ36を、両入力ディスク4,5に共通なバリエータシャフト13に対し駆動結合させたため(スプライン38)、以下の作用効果が奏し得られる。
つまり当該ダブルキャビティー式トロイダル型無段変速機において、入力クラッチ34の締結時にクラッチハブ36へ伝達されたトルクを両入力ディスク4,5の一方へ直接伝達する場合、
他方の入力ディスクへトルクが伝達されるまでにスプラインなどのガタ要素が多数介在することとなり、両入力ディスク4,5間に一時的にガタに起因した相対回転が発生してトラクションロスが発生したり、変速制御への悪影響が発生する。
しかるに本実施例のようにクラッチハブ36を、両入力ディスク4,5に共通なバリエータシャフト13に駆動結合し(スプライン38)、クラッチハブ36へのトルクが共通なバリエータシャフト13を介し両入力ディスク4,5に伝達されるようにする場合、
両入力ディスク4,5へのトルク伝達経路中におけるガタ要素が同数となり、両入力ディスク4,5間に相対回転が発生することがなく、この相対回転によりトラクションロスが発生したり、変速制御へ悪影響が及ぶという問題を回避することができる。
また、入力クラッチ34のクラッチハブ36を、ローディング機構41の第2ピストンとしても作用するよう構成、配置し、この第2ピストン36およびローディングピストン43に対する室46,44への油圧を個別に制御するよう構成したため、
前記したように、パワーローラ8,9の挟圧力を不変に保ったまま、入力クラッチ34の伝達トルク容量を制限することができ、許容上限値を超えた入力トルクによりトロイダル伝動ユニット2,3(バリエータ)が破損されたり、その耐久性が低下するのを入力クラッチ34のスリップにより防止することができる。
更に、第2ピストンとしてのクラッチハブ36、および、これに近い側の入力コーンディスク4間に、プリロードを作用させる弾性手段としての皿バネ47を介在させ、このプリロードによりパワーローラ8,9を初期荷重で入出力ディスク4,6間および5,7間に挟圧しておくよう構成したため、
ローディング機構41がスラストを発生させ始めて、入力クラッチ34の締結開始によるトルクの立ち上がり当初からトルク伝達を行うことが可能となり、トルクの立ち上がり応答を高めることができる。
図2は、本発明の他の実施例で、図中、図1におけると同様な部分を同一符号にて示す。
本実施例においては図1におけると同様、バリエータシャフト13および入力軸31の相互突き合わせ部に配置する入力クラッチ34のクラッチパック37を、出力コーンディスク6から遠いフロント側入力コーンディスク4の背面外周部に突設した円環状突起4aと対面する位置に配置するが、
クラッチハブ36を、バリエータシャフト13ではなく、フロント側入力コーンディスク4に回転係合させたものである。
本実施例においては、クラッチハブ36を図1のごとくバリエータシャフト13に回転係合させた場合の前記作用効果は得られないものの、それ以外の作用効果は、図1におけるよう同様に達成することができる。
図3は、本発明の更に他の実施例で、図中、図1におけると同様な部分を同一符号にて示す。
本実施例においては図1におけると同様、入力クラッチ34のクラッチパック37を、出力コーンディスク6から遠いフロント側入力コーンディスク4の背面外周部に突設した円環状突起4aと対面する位置に配置し、クラッチハブ36をバリエータシャフト13に回転係合させるが、図1における室46を設定しないものである。
本実施例においては、図1における室46を設定しないことから、クラッチハブ36をローディング機構41の第2ピストンとして用いないこととなり、クラッチハブ36をローディング機構41の第2ピストンとして用いた場合の前記作用効果は得られないものの、それ以外の作用効果は、図1におけるよう同様に達成することができる。
本発明の一実施例になる摩擦車式無段変速機を示すトロイダル型無段変速機の縦断平面図である。 本発明の他の実施例を示すトロイダル型無段変速機の要部略線図である。 本発明の更に他の実施例を示すトロイダル型無段変速機の要部略線図である。
符号の説明
1 変速機ケース
2 フロント側トロイダル伝動ユニット
3 リヤ側トロイダル伝動ユニット
4 入力コーンディスク(入力ディスク)
5 入力コーンディスク(入力ディスク)
6 出力コーンディスク(出力ディスク)
7 出力コーンディスク(出力ディスク)
8 パワーローラ(摩擦車)
9 パワーローラ(摩擦車)
11 トラニオン
11a クランク部
12 トラニオン
12a クランク部
13 バリエータシャフト
14 ボールスプライン
15 遊星歯車組
16 キャリア
17 中空出力軸
18,19 リンクポスト
21,22 スラストベアリング
23 バリエータギヤ
24 カウンターシャフト
25 出力軸
26 出力歯車
31 入力軸
32 オイルポンプ
33 中空固定軸
34 入力クラッチ
35 クラッチドラム
36 クラッチハブ
37 クラッチパック
38 スプライン
41 ローディング
42 シリンダ
43 ローディングピストン
44 シリンダ室
45 リターンスプリング
46 油室
47 皿バネ(弾性手段)

Claims (4)

  1. 相互に同軸配置した入出力ディスク間に摩擦車を具え、該摩擦車を、ローディング機構が発生したスラストにより入出力ディスク間に挟圧して、該入出力ディスク間での動力伝達を可能となし、前記入力ディスクへの回転入力を断接する入力クラッチを具えた摩擦車式無段変速機において、
    前記ローディング機構は、油圧に応動して前記スラストを発生するローディングピストンを有した油圧式ローディング機構とし、
    該油圧式ローディング機構のローディングピストンが、前記入力クラッチのクラッチ板を相互に押圧締結させて該押圧締結状態のクラッチ板を介し前記スラストを前記入出力ディスク間に付与するよう構成したことを特徴とする摩擦車式無段変速機。
  2. 一対の摩擦車式無段変速ユニットを、出力ディスクが背中合わせとなるよう同軸に配して具え、両摩擦車式無段変速ユニットの入力ディスクに、共通なバリエータシャフトを介して回転を入力するようにした、請求項1に記載の摩擦車式無段変速機において、
    前記入力クラッチのクラッチハブを前記バリエータシャフトに駆動結合させたことを特徴とする摩擦車式無段変速機。
  3. 請求項2に記載の摩擦車式無段変速機において、
    前記入力クラッチのクラッチハブを、前記油圧式ローディング機構の第2ピストンとしても作用するよう構成して配置し、該第2ピストンおよび前記ローディングピストンに対する油圧を個別に制御し得るよう構成したことを特徴とする摩擦車式無段変速機。
  4. 請求項3に記載の摩擦車式無段変速機において、
    前記第2ピストンと、この第2ピストンに近い側の入力ディスクとの間に、プリロードを作用させる弾性手段を介在させ、このプリロードにより前記摩擦車を初期荷重で前記入出力ディスク間に挟圧しておくよう構成したことを特徴とする摩擦車式無段変速機。
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