JP2004353820A - トリポート型等速ジョイント部品およびトリポート型等速ジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】トリポート軸に対してアウターローラがスムーズに運動することが可能なトリポート型等速ジョイント部品を提供する。
【解決手段】トリポート型等速ジョイント部品90は、回転軸30と、回転軸30に取付けられ、回転軸30の延びる方向と異なる方向に延びるトリポート軸50と、トリポート軸50にボール53を介在させて取付けられたアウターローラ40とを備える。アウターローラ40は第1の方向に回転可能である。アウターローラ40は第1の方向の回転軸がトリポート軸50に対して角度をなすように、第1の方向と異なる第2の方向に回動可能である。アウターローラ40が第2の方向に回動すると、ボール53も第2の方向に移動する。
【選択図】 図1
【解決手段】トリポート型等速ジョイント部品90は、回転軸30と、回転軸30に取付けられ、回転軸30の延びる方向と異なる方向に延びるトリポート軸50と、トリポート軸50にボール53を介在させて取付けられたアウターローラ40とを備える。アウターローラ40は第1の方向に回転可能である。アウターローラ40は第1の方向の回転軸がトリポート軸50に対して角度をなすように、第1の方向と異なる第2の方向に回動可能である。アウターローラ40が第2の方向に回動すると、ボール53も第2の方向に移動する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トリポート型等速ジョイント部品およびトリポート型等速ジョイントに関し、特に、車両で用いられるトリポート型等速ジョイント部品およびトリポート型等速ジョイントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンジンの回転を駆動輪に伝達する動力伝達系にはトリポート型等速ジョイントが用いられる。このトリポート型等速ジョイントは、たとえば特開2000−346088号公報(特許文献1参照)に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−346088号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のトリポート型等速ジョイントでは、ある方向にローラが回動すると外側ジョイント部品との間にスピン抵抗が発生するという問題があった。つまり、トリポート型等速ジョイントが傾いて回転した場合に、ローラが傾いた状態となるため、スピンモーメントが発生してすべり状態となり、ジョイント部に振動を発生させるという問題があった。
【0005】
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、ローラと外側ジョイント部品との間の抵抗を低減するトリポート型等速ジョイント部品およびトリポート型等速ジョイントを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に従ったトリポート型等速ジョイント部品は、回転軸と、回転軸に取付けられ、回転軸の延びる方向と異なる方向に延びるトリポート軸と、トリポート軸に転動体を介在させて取付けられ、かつ転動体と接触する第1のローラとを備える。第1のローラは第1の方向に回転可能である。第1のローラは第1の方向の回転軸がトリポート軸に対して角度をなすように第1の方向と異なる第2の方向に回動可能である。
【0007】
このように構成されたトリポート型等速ジョイント部品では、第1のローラは第1の方向に回転可能であり、かつ第1の方向と異なる第2の方向にも回動可能である。その結果、第1のローラが相手部材に対してさまざまな方向に回転および回動することが可能であり、動きがスムーズなトリポート型等速ジョイント部品を得ることができる。
【0008】
また好ましくは、トリポート型等速ジョイント部品は、トリポート軸に取付けられてトリポート軸の延びる方向に沿って移動可能な第2のローラをさらに備える。第2のローラの外周面には転動体を案内するための溝が形成されている。この場合、第2のローラはトリポート軸の延びる方向に沿って移動可能であるため、トリポート軸の延びる方向に沿って、この第2のローラに取付けられた第1のローラが移動することができる。その結果、第1のローラがさまざまな方向に移動することができる。また、第2のローラの外表面には転動体を案内するための溝が形成されているため、転動体は第2のローラの外表面に沿って移動することが可能となる。
【0009】
この発明に従ったトリポート型等速ジョイントは、上述のいずれかのトリポート型等速ジョイント部品と、第1のローラを受入れる溝を有する外側ジョイント部品とを備える。この場合、外側ジョイント部品に対してトリポート型等速ジョイント部品がさまざまな方向に移動することができ、スムーズな動作が可能なトリポート型等速ジョイントを提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では、同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明は繰返さない。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイントの一部断面を含む側面図である。図2および図3は、図1で示すトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。図1および図2を参照して、この発明の実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント100を構成するトリポート型等速ジョイント部品90は、回転軸30と、回転軸30に取付けられ、回転軸30の延びる方向と異なる方向に延びるトリポート軸50と、トリポート軸50に転動体であるボール53を介在させて取付けられ、かつボール53に接触する第1のローラとしてのアウターローラ40とを備える。アウターローラ40は第1の方向である矢印R3で示す方向に回転可能である。アウターローラ40は、矢印R3で示す方向の回転の回転軸がトリポート軸50に対して角度をなすように、第1の方向と異なる矢印R4で示す第2の方向に回動可能である。
【0012】
トリポート型等速ジョイント部品90は、トリポート軸50に取付けられてトリポート軸50の延びる方向に沿って移動可能な第2のローラとしてのインナーローラ51をさらに備える。インナーローラ51の外表面には、ボール53を案内するための溝52が形成されている。
【0013】
トリポート型等速ジョイント100は、上述のトリポート型等速ジョイント部品90と、アウターローラ40を受入れる溝21を有する外側ジョイント部品としてのアウターレース20とを備える。
【0014】
回転軸30は一方向に延びて、自動車の車輪またはディファレンシャルギアなどの駆動系に接続されている。回転軸30の端部には、3本のトリポート軸50が設けられている。なお、図1で示す断面では、トリポート軸50は1本しか図示されていない。3本のトリポート軸50の各々は回転軸30と直交する方向に延び、互いに120°の角度をなすように配置される。トリポート軸50の一方端が回転軸30に接続され、他方端には図2で示すようにインナーローラ51が接続されている。アウターローラ40は、図2の2点鎖線で示す位置まで首振り運動をすることが可能である。
【0015】
図3で示すように、インナーローラ51は矢印51aで示す方向にスライド可能であり、2点鎖線で示す位置まで移動することが可能である。インナーローラ51の外表面には、互いに平行に延びる3本の溝52が形成されている。なお、溝52の数は図で示される本数に制限されるものではなく、さらに少なくてもよく、さらに多くてもよい。溝52は複数のボール53を受入れている。ボール53は溝52に沿ってインナーローラ51の外周表面上を移動することが可能である。溝52はインナーローラ51の外表面を取囲むように構成されているため、ボール53はインナーローラ51の外表面全体を周回することが可能である。
【0016】
アウターローラ40の内周面には、複数本の溝41が形成されている。複数本の溝41はそれぞれが円弧状であり、その円弧の中心はトリポート軸50上に存在する。それぞれの円弧の中心は同一点であり、溝41はアウターローラ40の内周全体に形成されている。溝41はアウターローラ40の内周面の上端から下端まで形成されており、この溝41内をボール53が移動可能である。すなわち、ボール53は、溝52上を移動可能であり、かつ溝41上を移動可能である。
【0017】
トリポート型等速ジョイント部品90は、トリポート軸50の軸方向に摺動可能に挿入され、外周部に少なくとも1つ以上の円環状の溝52が形成されたインナーローラ51と、インナーローラ51の外側に設けられ、内外形状を球面形状としたアウターローラ40とを備える。アウターローラ40の内径面には、アウターローラ40の軸方向に少なくとも1つ以上の溝41が形成されている。溝41と溝52とを、転動可能なボール53で支持している。
【0018】
図4は、トリポート軸に対して傾斜したアウターローラを説明するために示すアウターローラの一部断面を含む側面図である。図4を参照して、ボール53は溝52および溝41上を移動可能であるため、アウターローラ40はトリポート軸50に対して傾斜することが可能である。この場合、ボール53の並ぶ方向はトリポート軸50の延びる方向に対して傾斜する。すなわち、アウターローラ40がトリポート軸50に対して首振り可能に設けられており、その首振り運動の際にはボール53が運動の方向へ移動する。図1を参照して、アウターローラ40は、トリポート型等速ジョイント100が1回転する間に矢印R1で示す方向と矢印R2で示す方向に往復運動する。この際には、溝21とアウターローラ40との間に抵抗が発生するが、アウターローラ40が首振り運動することにより、この抵抗を低下させることが可能となる。このトリポート型等速ジョイント100では、アウターローラ40はトリポート軸50に対して、3次元的に、すなわち矢印R3で示す方向、矢印R4で示す方向および矢印51aで示す方向に移動することが可能となる。
【0019】
図5は、アウターローラと溝との接触面を説明するために示すアウターローラの一部断面を含む側面図である。図6は、ボールの位置決め機構を説明するために示す側面図である。図7は面圧が高い領域を説明するために示すグラフである。図5から図7を参照して、楕円60で囲まれる領域がアウターローラ40と溝21との接触面である。この部分に面圧が加わる。この実施の形態では、アウターローラ40と溝21との接触面である楕円60の長軸方向に複数のボール53が配列されている。これにより、荷重を負担するボール53の数を増やし、ボール53の1個当りの荷重を低減し、最大面圧を低減している。これにより、ボール53および溝41および52の耐摩耗性を向上している。
【0020】
図6を参照して、ボール53の位置はインナーローラの溝52とアウターローラの内側の溝41の交差する点である。そのため2つの溝41および52の交差する点を決定すればボール53の配置が決定する。
【0021】
図7を参照して、楕円60内において、領域61は面圧が非常に高い領域である。この領域に多くのボールを配置することで、ボール1個当りの面圧を低減し、最大面圧を低減することができる。なお、図7のX軸はアウターローラ40の回転方向と平行であり、Y軸はアウターローラ40の回転軸と垂直方向に位置する。
【0022】
このように構成された、この発明の実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント部品およびそれを用いたトリポート型等速ジョイントでは、アウターローラ40がさまざまな方向に運動することが可能であり、図2で示す首振り運動の方向の際には、ボール53が回転する。これにより、アウターローラ40がスムーズに移動することが可能となる。
【0023】
つまり、アウターローラ40が首振り運動をするため、アウターローラ40がスピンモーメントを吸収でき、振動の発生を抑制することができる。
【0024】
(実施の形態2)
図8は、この発明の実施の形態2に従ったトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。図8を参照して、この発明の実施の形態2に従ったトリポート型等速ジョイント部品90では、ボール53が1個だけ設けられており、アウターローラ40の内周面に溝が設けられていない点で、実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント部品90と異なる。溝52の数が1本であるため、実施の形態2に従ったトリポート型等速ジョイント部品90では、溝52の幅が大きく、これに伴いボール53の寸法も大きくなる。アウターローラ40の内周面に溝が形成されていないために、ボール53はアウターローラ40の内周面のさまざまな位置と接触することが可能となる。
【0025】
このように構成された、この発明の実施の形態2に従ったトリポート型等速ジョイント部品90でも、実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント部品90と同様の効果がある。
【0026】
(実施の形態3)
図9は、この発明の実施の形態3に従ったトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。図9を参照して、この発明の実施の形態3に従ったトリポート型等速ジョイント部品90では、アウターローラ40の内周面に溝41が設けられている点で、実施の形態2に従ったトリポート型等速ジョイント部品90と異なる。チューリップローラとしてのアウターローラ40の内周面には溝41が形成されるが、ボール53の数が1つであり、1つのボール53が実施の形態1のボール53に比べて大きいため溝41の幅も大きくなる。そのため、アウターローラ40の内周面に形成される溝41の本数は実施の形態1(図2参照)よりも少なくなる。
【0027】
このように構成された、この発明の実施の形態3に従ったトリポート型等速ジョイント部品90でも、実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント部品90と同様の効果がある。
【0028】
(実施の形態4)
図10は、この発明の実施の形態4に従ったトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。図10を参照して、この発明の実施の形態4に従ったトリポート型等速ジョイント部品90では、アウターローラ40の内周面に溝が設けられていない点で、実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント部品と異なる。このように構成された、この発明の実施の形態4に従ったトリポート型等速ジョイント部品90でも、実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント部品90と同様の効果がある。
【0029】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0030】
【発明の効果】
この発明に従えば、アウターローラがスムーズに移動することが可能なトリポート型等速ジョイント部品およびそれを用いたトリポート型等速ジョイントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイントの一部断面を含む側面図である。
【図2】図1で示すトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。
【図3】図1で示すトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。
【図4】トリポート軸に対して傾斜したアウターローラを説明するために示すアウターローラの一部断面を含む側面図である。
【図5】アウターローラと溝との接触面を説明するために示すアウターローラの一部断面を含む側面図である。
【図6】ボールの位置決め機構を説明するために示す側面図である。
【図7】面圧が高い領域を説明するために示すグラフである。
【図8】この発明の実施の形態2に従ったトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。
【図9】この発明の実施の形態3に従ったトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。
【図10】この発明の実施の形態4に従ったトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。
【符号の説明】
10,30 回転軸、20 アウターレース、21 溝、40 アウターローラ、41,52 溝、50 トリポート軸、51 インナーローラ、53 ボール、90 トリポート型等速ジョイント部品、100 トリポート型等速ジョイント。
【発明の属する技術分野】
この発明は、トリポート型等速ジョイント部品およびトリポート型等速ジョイントに関し、特に、車両で用いられるトリポート型等速ジョイント部品およびトリポート型等速ジョイントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンジンの回転を駆動輪に伝達する動力伝達系にはトリポート型等速ジョイントが用いられる。このトリポート型等速ジョイントは、たとえば特開2000−346088号公報(特許文献1参照)に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−346088号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のトリポート型等速ジョイントでは、ある方向にローラが回動すると外側ジョイント部品との間にスピン抵抗が発生するという問題があった。つまり、トリポート型等速ジョイントが傾いて回転した場合に、ローラが傾いた状態となるため、スピンモーメントが発生してすべり状態となり、ジョイント部に振動を発生させるという問題があった。
【0005】
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、ローラと外側ジョイント部品との間の抵抗を低減するトリポート型等速ジョイント部品およびトリポート型等速ジョイントを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に従ったトリポート型等速ジョイント部品は、回転軸と、回転軸に取付けられ、回転軸の延びる方向と異なる方向に延びるトリポート軸と、トリポート軸に転動体を介在させて取付けられ、かつ転動体と接触する第1のローラとを備える。第1のローラは第1の方向に回転可能である。第1のローラは第1の方向の回転軸がトリポート軸に対して角度をなすように第1の方向と異なる第2の方向に回動可能である。
【0007】
このように構成されたトリポート型等速ジョイント部品では、第1のローラは第1の方向に回転可能であり、かつ第1の方向と異なる第2の方向にも回動可能である。その結果、第1のローラが相手部材に対してさまざまな方向に回転および回動することが可能であり、動きがスムーズなトリポート型等速ジョイント部品を得ることができる。
【0008】
また好ましくは、トリポート型等速ジョイント部品は、トリポート軸に取付けられてトリポート軸の延びる方向に沿って移動可能な第2のローラをさらに備える。第2のローラの外周面には転動体を案内するための溝が形成されている。この場合、第2のローラはトリポート軸の延びる方向に沿って移動可能であるため、トリポート軸の延びる方向に沿って、この第2のローラに取付けられた第1のローラが移動することができる。その結果、第1のローラがさまざまな方向に移動することができる。また、第2のローラの外表面には転動体を案内するための溝が形成されているため、転動体は第2のローラの外表面に沿って移動することが可能となる。
【0009】
この発明に従ったトリポート型等速ジョイントは、上述のいずれかのトリポート型等速ジョイント部品と、第1のローラを受入れる溝を有する外側ジョイント部品とを備える。この場合、外側ジョイント部品に対してトリポート型等速ジョイント部品がさまざまな方向に移動することができ、スムーズな動作が可能なトリポート型等速ジョイントを提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では、同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明は繰返さない。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイントの一部断面を含む側面図である。図2および図3は、図1で示すトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。図1および図2を参照して、この発明の実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント100を構成するトリポート型等速ジョイント部品90は、回転軸30と、回転軸30に取付けられ、回転軸30の延びる方向と異なる方向に延びるトリポート軸50と、トリポート軸50に転動体であるボール53を介在させて取付けられ、かつボール53に接触する第1のローラとしてのアウターローラ40とを備える。アウターローラ40は第1の方向である矢印R3で示す方向に回転可能である。アウターローラ40は、矢印R3で示す方向の回転の回転軸がトリポート軸50に対して角度をなすように、第1の方向と異なる矢印R4で示す第2の方向に回動可能である。
【0012】
トリポート型等速ジョイント部品90は、トリポート軸50に取付けられてトリポート軸50の延びる方向に沿って移動可能な第2のローラとしてのインナーローラ51をさらに備える。インナーローラ51の外表面には、ボール53を案内するための溝52が形成されている。
【0013】
トリポート型等速ジョイント100は、上述のトリポート型等速ジョイント部品90と、アウターローラ40を受入れる溝21を有する外側ジョイント部品としてのアウターレース20とを備える。
【0014】
回転軸30は一方向に延びて、自動車の車輪またはディファレンシャルギアなどの駆動系に接続されている。回転軸30の端部には、3本のトリポート軸50が設けられている。なお、図1で示す断面では、トリポート軸50は1本しか図示されていない。3本のトリポート軸50の各々は回転軸30と直交する方向に延び、互いに120°の角度をなすように配置される。トリポート軸50の一方端が回転軸30に接続され、他方端には図2で示すようにインナーローラ51が接続されている。アウターローラ40は、図2の2点鎖線で示す位置まで首振り運動をすることが可能である。
【0015】
図3で示すように、インナーローラ51は矢印51aで示す方向にスライド可能であり、2点鎖線で示す位置まで移動することが可能である。インナーローラ51の外表面には、互いに平行に延びる3本の溝52が形成されている。なお、溝52の数は図で示される本数に制限されるものではなく、さらに少なくてもよく、さらに多くてもよい。溝52は複数のボール53を受入れている。ボール53は溝52に沿ってインナーローラ51の外周表面上を移動することが可能である。溝52はインナーローラ51の外表面を取囲むように構成されているため、ボール53はインナーローラ51の外表面全体を周回することが可能である。
【0016】
アウターローラ40の内周面には、複数本の溝41が形成されている。複数本の溝41はそれぞれが円弧状であり、その円弧の中心はトリポート軸50上に存在する。それぞれの円弧の中心は同一点であり、溝41はアウターローラ40の内周全体に形成されている。溝41はアウターローラ40の内周面の上端から下端まで形成されており、この溝41内をボール53が移動可能である。すなわち、ボール53は、溝52上を移動可能であり、かつ溝41上を移動可能である。
【0017】
トリポート型等速ジョイント部品90は、トリポート軸50の軸方向に摺動可能に挿入され、外周部に少なくとも1つ以上の円環状の溝52が形成されたインナーローラ51と、インナーローラ51の外側に設けられ、内外形状を球面形状としたアウターローラ40とを備える。アウターローラ40の内径面には、アウターローラ40の軸方向に少なくとも1つ以上の溝41が形成されている。溝41と溝52とを、転動可能なボール53で支持している。
【0018】
図4は、トリポート軸に対して傾斜したアウターローラを説明するために示すアウターローラの一部断面を含む側面図である。図4を参照して、ボール53は溝52および溝41上を移動可能であるため、アウターローラ40はトリポート軸50に対して傾斜することが可能である。この場合、ボール53の並ぶ方向はトリポート軸50の延びる方向に対して傾斜する。すなわち、アウターローラ40がトリポート軸50に対して首振り可能に設けられており、その首振り運動の際にはボール53が運動の方向へ移動する。図1を参照して、アウターローラ40は、トリポート型等速ジョイント100が1回転する間に矢印R1で示す方向と矢印R2で示す方向に往復運動する。この際には、溝21とアウターローラ40との間に抵抗が発生するが、アウターローラ40が首振り運動することにより、この抵抗を低下させることが可能となる。このトリポート型等速ジョイント100では、アウターローラ40はトリポート軸50に対して、3次元的に、すなわち矢印R3で示す方向、矢印R4で示す方向および矢印51aで示す方向に移動することが可能となる。
【0019】
図5は、アウターローラと溝との接触面を説明するために示すアウターローラの一部断面を含む側面図である。図6は、ボールの位置決め機構を説明するために示す側面図である。図7は面圧が高い領域を説明するために示すグラフである。図5から図7を参照して、楕円60で囲まれる領域がアウターローラ40と溝21との接触面である。この部分に面圧が加わる。この実施の形態では、アウターローラ40と溝21との接触面である楕円60の長軸方向に複数のボール53が配列されている。これにより、荷重を負担するボール53の数を増やし、ボール53の1個当りの荷重を低減し、最大面圧を低減している。これにより、ボール53および溝41および52の耐摩耗性を向上している。
【0020】
図6を参照して、ボール53の位置はインナーローラの溝52とアウターローラの内側の溝41の交差する点である。そのため2つの溝41および52の交差する点を決定すればボール53の配置が決定する。
【0021】
図7を参照して、楕円60内において、領域61は面圧が非常に高い領域である。この領域に多くのボールを配置することで、ボール1個当りの面圧を低減し、最大面圧を低減することができる。なお、図7のX軸はアウターローラ40の回転方向と平行であり、Y軸はアウターローラ40の回転軸と垂直方向に位置する。
【0022】
このように構成された、この発明の実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント部品およびそれを用いたトリポート型等速ジョイントでは、アウターローラ40がさまざまな方向に運動することが可能であり、図2で示す首振り運動の方向の際には、ボール53が回転する。これにより、アウターローラ40がスムーズに移動することが可能となる。
【0023】
つまり、アウターローラ40が首振り運動をするため、アウターローラ40がスピンモーメントを吸収でき、振動の発生を抑制することができる。
【0024】
(実施の形態2)
図8は、この発明の実施の形態2に従ったトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。図8を参照して、この発明の実施の形態2に従ったトリポート型等速ジョイント部品90では、ボール53が1個だけ設けられており、アウターローラ40の内周面に溝が設けられていない点で、実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント部品90と異なる。溝52の数が1本であるため、実施の形態2に従ったトリポート型等速ジョイント部品90では、溝52の幅が大きく、これに伴いボール53の寸法も大きくなる。アウターローラ40の内周面に溝が形成されていないために、ボール53はアウターローラ40の内周面のさまざまな位置と接触することが可能となる。
【0025】
このように構成された、この発明の実施の形態2に従ったトリポート型等速ジョイント部品90でも、実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント部品90と同様の効果がある。
【0026】
(実施の形態3)
図9は、この発明の実施の形態3に従ったトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。図9を参照して、この発明の実施の形態3に従ったトリポート型等速ジョイント部品90では、アウターローラ40の内周面に溝41が設けられている点で、実施の形態2に従ったトリポート型等速ジョイント部品90と異なる。チューリップローラとしてのアウターローラ40の内周面には溝41が形成されるが、ボール53の数が1つであり、1つのボール53が実施の形態1のボール53に比べて大きいため溝41の幅も大きくなる。そのため、アウターローラ40の内周面に形成される溝41の本数は実施の形態1(図2参照)よりも少なくなる。
【0027】
このように構成された、この発明の実施の形態3に従ったトリポート型等速ジョイント部品90でも、実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント部品90と同様の効果がある。
【0028】
(実施の形態4)
図10は、この発明の実施の形態4に従ったトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。図10を参照して、この発明の実施の形態4に従ったトリポート型等速ジョイント部品90では、アウターローラ40の内周面に溝が設けられていない点で、実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント部品と異なる。このように構成された、この発明の実施の形態4に従ったトリポート型等速ジョイント部品90でも、実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイント部品90と同様の効果がある。
【0029】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0030】
【発明の効果】
この発明に従えば、アウターローラがスムーズに移動することが可能なトリポート型等速ジョイント部品およびそれを用いたトリポート型等速ジョイントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に従ったトリポート型等速ジョイントの一部断面を含む側面図である。
【図2】図1で示すトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。
【図3】図1で示すトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。
【図4】トリポート軸に対して傾斜したアウターローラを説明するために示すアウターローラの一部断面を含む側面図である。
【図5】アウターローラと溝との接触面を説明するために示すアウターローラの一部断面を含む側面図である。
【図6】ボールの位置決め機構を説明するために示す側面図である。
【図7】面圧が高い領域を説明するために示すグラフである。
【図8】この発明の実施の形態2に従ったトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。
【図9】この発明の実施の形態3に従ったトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。
【図10】この発明の実施の形態4に従ったトリポート型等速ジョイント部品の一部断面を含む側面図である。
【符号の説明】
10,30 回転軸、20 アウターレース、21 溝、40 アウターローラ、41,52 溝、50 トリポート軸、51 インナーローラ、53 ボール、90 トリポート型等速ジョイント部品、100 トリポート型等速ジョイント。
Claims (3)
- 回転軸と、
前記回転軸に取付けられ、前記回転軸の延びる方向と異なる方向に延びるトリポート軸と、
前記トリポート軸に転動体を介在させて取付けられ、かつ前記転動体と接触する第1のローラとを備え、
前記第1のローラは第1の方向に回転可能であり、
前記第1のローラは前記第1の方向の回転軸が前記トリポート軸に対して角度をなすように、前記第1の方向と異なる第2の方向に回動可能である、トリポート型等速ジョイント部品。 - 前記トリポート軸に取付けられて前記トリポート軸の延びる方向に沿って移動可能な第2のローラをさらに備え、
前記第2のローラの外周面には前記転動体を案内するための溝が形成されている、請求項1に記載のトリポート型等速ジョイント部品。 - 請求項1または2に記載のトリポート型等速ジョイント部品と、
前記第1のローラを受入れる溝を有する外側ジョイント部品とを備えた、トリポート型等速ジョイント。
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