JP2004363183A - 電子部品の放熱構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂基板などに素子をハンダ付けして実装する電子部品であって、樹脂基板を放熱板に取付けるとともに、ハウジングにより樹脂基板を覆う電子部品において、該電子部品の排熱効率を向上させる放熱構造を構成することを課題とする。
【解決手段】基板8に放熱板2に接続するサーマルビア9を複数個形成するとともに、高熱伝導層である銅層22を樹脂基板8の内層に構成し、基板8の一部において、該高熱伝動層である銅層の一部を基板8の表面に露出させ、該高熱伝動層である銅層22とハウジング5とを、放熱ゲル7を介して接続し、基板8に実装された素子4とハウジング5との間に放熱ゲル7を充填して電子部品の放熱効率を向上させる。
【選択図】 図 1
【解決手段】基板8に放熱板2に接続するサーマルビア9を複数個形成するとともに、高熱伝導層である銅層22を樹脂基板8の内層に構成し、基板8の一部において、該高熱伝動層である銅層の一部を基板8の表面に露出させ、該高熱伝動層である銅層22とハウジング5とを、放熱ゲル7を介して接続し、基板8に実装された素子4とハウジング5との間に放熱ゲル7を充填して電子部品の放熱効率を向上させる。
【選択図】 図 1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の放熱構造に関する。より詳しくは、基板に素子をハンダ付けする電子部品における、素子の放熱効率を向上させるための放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,半導体回路を設けた電子部品では、作動中の発熱を冷却して半導体回路動作を安定させる必要がある。電子部品としての半導体は一般に熱に弱く、温度変化により抵抗値やタイミング変化などが起こり誤動作することがある。このため、半導体素子の熱を排出して一定の温度範囲に維持する必要がある。
従来の素子の冷却構造としては、素子をはんだ付けにより絶縁基板上に配設し、この絶縁基板と放熱板とをはんだにより接続する。そして放熱板にシリコングリスを塗布して冷媒を保持する冷却ケースに取付けるものである。
このほかにも、素子直下の基板に大型のスルーホールを設けて基板下面に熱を導出したり、電子部品を覆うカバーを素子に当接させて熱を導出する構成が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、多層配線基板において銅層を形成してヒートシンクに熱を導く構成(例えば、特許文献2を参照)や、素子の表面に金属箔をのせて、この金箔を介して封止キャップを当接させ、封止キャップに排熱させる構成も知られている(例えば、特許文献3を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−151952号公報
【特許文献2】
特開平11―330708号公報
【特許文献3】
特開平11−121640号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電子制御装置の小型化および高密度実装を考慮した場合に、基板内のパターン配線を微細化でき、表面ランドパターンの公差を小さくできることから、ガラスエポキシ基板を利用することが望まれている。しかしながら,通常のガラスエポキシ基板などの樹脂基板では、熱伝動性が低く放熱を効率的に行うことが困難である。
半導体素子において、素子本体の一側面は素子放熱板に取付けられており、他の部分はモールド樹脂により覆われている。一般的な素子の冷却構造において、素子はハンダにより樹脂基板上に取付けられ、樹脂基板にはアルミニウム製のヒートシンクが取付けられる。これらの熱伝導率は、それぞれ、モールド樹脂0.9W/m・K、素子本体2.6W/m・K、素子放熱板372W/m・K、はんだ36W/m・K、樹脂基板0.38W/m・K、アルミヒートシンク92W/m・Kである。ここにおいて、モールド樹脂と樹脂基板の熱伝導率が極端に低くく、放熱効率を低減する要因となっている。
このため、樹脂基板を用いた電子部品では、配設可能な雰囲気の温度範囲が狭、電子部品を配置可能な環境に制限がある。
【0005】
そして、特許文献1に記載された技術におけるスルーホールのみでの放熱では十分な放熱性を得ることができない。素子にカバーを当接させる場合においてもカバーと素子との取付け位置やカバーの成形精度など、高い精度が要求され、製造が困難となる。特許文献2、3においても同様に高い成形精度と組み付け精度が要求される。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく、本発明は次のような手段を用いる。
請求項1に記載のごとく、素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成し、該基板もしくは素子を基板に接続するハンダ層と、前記ハウジングとを放熱ゲルを介して接続した。
【0007】
請求項2に記載のごとく、素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成するとともに、高熱伝導層を構成し、該高熱伝動層を基板表面に露出させ、該高熱伝動層とハウジングとを接続した。
【0008】
請求項3に記載のごとく、素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成するとともに、高熱伝導層を構成し、該高熱伝動層を基板表面に露出させ、該高熱伝動層とハウジングとを接続し、基板に実装された素子とハウジングとの間に放熱ゲルを充填した。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1は電子制御ユニットの一部破断面図、図2は電子制御ユニットの組立て構成を示す斜視図、図3は電子制御ユニットの側面断面図である。
本実施例においては、電子部品の一例として、電子制御ユニットを用いて説明する。本発明に利用される電子部品としては、基板に素子を実装し、放熱板およびハウジングにより基板を覆うものであれば良く、特に限定されるものでははい。
電子制御ユニット1は、素子4、基板8、放熱板2およびハウジング5により構成されている。素子4は基板8にハンダ付けにより取付けられており、素子4はハンダ層3を介して基板8に配設されている。基板8は放熱板2の上面に取付けられており、基板8の上方はハウジング5が配置される。放熱板2の上面縁部はハウジング5の下部に当接しており、ハウジング5の下部は基板8の外周縁に沿った形状となっている。これにより、基板8は、放熱板2とハウジング5とにより覆われる構成となっている。
【0010】
基板8において、ハンダ層3の下にはサーマルビア9が複数個構成されている。ハンダ層3は上部に配設される素子4より広く構成されており、平面視において素子4の周囲にハンダ層3が構成されている。このようにハンダ層を構成することで、ハンダ層3が基板8と接触する面積を拡大でき、素子が実装されていない部分にも熱を伝動させ、ハンダ層3を介した放熱量を増大させるものである。
そして、ハンダ層3を拡大することにより、サーマルビア9を配置可能な面積が増大できる。これにより、ハンダ層3と放熱板2とを接続する熱伝導度の高い経路を拡大して素子の放熱性を向上できる。
【0011】
ハウジング5の内側面には、当接部6が下方に延出されている。当接部6はハウジング5と一体的に構成されており、当接部6の下端部は平面視においてハンダ層3の縁部に沿った位置に構成されている。
ハンダ層3の縁部上面には放熱ゲル7が塗布されており、ハンダ層3と当接部6とは放熱ゲル7を介して接続する。放熱ゲルとしては、放熱シリコーンゲル等を利用するものである。
放熱ゲル7をハンダ層3と当接部6との間に配置させ、放熱ゲル7をハンダ層3と当接部6とに密着させる。これにより、ハンダ層3から当接部6への熱伝導経路を確保できる。放熱ゲル7は低硬度でありながら密着性が高く、粘性を有する。このため、振動や衝撃を受けた場合にも、放熱ゲルが塗布位置よりずれ難い。放熱ゲル7はハンダ層3の上面において塗布位置に保持され、ハンダ層3と当接部6とに密着して熱伝動経路を確保する。これにより、熱および振動に対しても熱伝導経路を安定して維持できる。
なお、放熱ゲル7としては熱伝導性の高いものを利用するものであり、高い熱伝動性を有するとともに、密着性、振動に対する位置の保持性能などが同様であれば他のものを利用することも可能である。
【0012】
図4はハンダ層と当接部の位置関係を示す図であり、図4(a)は当接部が基準位置にある状態を、図4(b)は基準位置より高い状態を、図4(c)は基準位置より低い状態をそれぞれ示す図である。
放熱ゲル7をハンダ層3と当接部6との間に配設することにより、ハンダ層3と当接部6との位置が一定しない場合においてもハンダ層3と当接部6とを接続できるものである。
当接部6が図4(b)に示すごとく、基準位置より高い位置である場合にも放熱ゲル7の密着性および追従性によりハンダ層3と当接部6との接続が確保される。
また、図4(c)に示すごとく、当接部6が基準位置より低い位置にある場合においても、放熱ゲル7が低硬度であるという特性から、放熱ゲル7は変形しながらハンダ層3と当接部6との接続を行うものである。
そして、当接部6がさらに低い位置にある場合においても、ハンダ層3と当接部6の間において放熱ゲル7が当接部6のハンダ層3の押さえつけを緩和する。
すなわち、放熱ゲル7によりハンダ層3と当接部6との接続を確実にするとともに、基板8の保護も行うものである。そして、ハウジング5および素子4のハンダ付けにおいて高い精度を必要とせず、容易に素子4の放熱性の高い電子部品を構成することができる。また、ハンダ層3と当接部6の形状に関係なく、熱伝導経路を確保できる。
【0013】
次に、ハンダ層3と当接部6との接着性をさらに向上させる構成について、図5を用いて説明する。
図5はハンダ層と当接部との他の接続構成を示す図であり、図5(a)は当接部をハンダ層上面形状に沿わせた構成を示す図、図5(b)はハンダ層に凹部を構成した状態を示す図、図5(c)は当接部に突起を設けた構成を示す図である。
図5(a)に示す構成においては、当接部6の下端はハンダ層3の上面に沿った形状に構成されており、ハンダ層3の外側に向けて下がるように傾斜させているものである。当接部6の下面とハンダ層3の上面との間隔をほぼ一定にすることにより、放熱ゲル7と当接部6との接触面積を大きくし、放熱ゲル7の流動性を低減させ、保持性を向上させるものである。
【0014】
図5(b)に示す構成においては、ハンダ層3に、当接部6の下端形状にあわせた凹部を構成するものである。そして、この凹部に当接部6の下端を位置させることにより、放熱ゲル7とハンダ層3との接触面積を大きくし、放熱ゲル7の流動性を低減させ、保持性を向上させるものである。
図5(c)に示す構成においては、当接部6の下端に突起部を設ける物である。これにより、放熱ゲル7と当接部6との接触面積を大きくし、放熱ゲル7の流動性を低減させ、保持性を向上させるものである。さらに、当接部6がハンダ層3に接触した場合においても当接部6によりハンダ層3を変形させやすく基板8に影響を与えない。
【0015】
次に、図6から図10において放熱ゲルの接続性を確認する手段を設けたハウジングの構成について説明する。
図6は素子を放熱ゲルで覆う構成を示す断面図である。
図6において、確認手段を設けた電子制御ユニットの全体構成について説明する。電子制御ユニット1のハウジング5は、素子4の上方に位置する部分を素子4に近づけた構成となっており、素子4の配置位置に相当する部分が凹んだ形状となっている。そして、素子4の側部を囲むようにハウジング5の内側面に延出部11が設けられている。延出部11はハウジング5内側面より下方に延出されている。
素子4は、延出部11および素子4の上方に位置するハウジング5により上面および側面を囲まれている。そして、素子4とハウジング5の間に放熱ゲル7が充填されている。素子4にハウジング5を近づけることにより、必要となる放熱ゲル7の量を低減でき、素子4の放熱効率を向上できる。
【0016】
ハウジング5には、延出部11の下端面からハウジング5上面にいたる位置確認用孔14が設けられており、位置確認用孔14の延長線上であって基板8上にマーク12が配置されている。図6において、位置確認用孔14は延出部11に沿って垂直方向に構成されており、延出部11の直下にマーク12が配設されている。
位置確認用孔14は、素子4に対するハウジング5の位置を確認するためのものである。位置確認用孔14によりマーク12が確認される場合には、ハウジング5の位置のズレが許容範囲であり、延出部11と素子4との間に隙間が存在することを示すものである。
これにより、素子4よりの放熱効率を向上させながら、電子制御ユニット1の組立て効率を向上できるものである。
【0017】
ハウジング5には、放熱ゲル7が充填される空間に連通する充填確認孔15が設けられている。図6において充填確認孔15は、ハウジング5の素子4直上位置に、垂直方向に設けられている。
充填確認孔15による、放熱ゲル7の充填確認方法について説明する。
図7は放熱ゲルが充填された状態を示す充填確認孔の構成を示す断面図である。図7に示すごとく、素子4とハウジング5との間に充填される放熱ゲル7は、充填確認孔15にも充填されるものである。充填確認孔15が放熱ゲル7により満たされるので、ハウジング5の外側より放熱ゲル7の状態を認識可能である。
【0018】
図8はゲル不足状態と充填状態とを示す模式図、図8(a)はゲル不足状態を示す図、図8(b)はゲルが十分な状態を示す図である。
図8に示すごとく、放熱ゲル4が不足している場合には、充填確認孔15が放熱ゲルにより満たされない。そして、素子4とハウジング5との間に放熱ゲル7が十分に充填されている場合には、充填確認孔15よりハウジング5の外面に放熱ゲル7が溢れ出し、外部より放熱ゲル7が十分に充填されていることを確認できるものである。ハウジング5より放熱ゲル7を溢れ出させるので、容易に放熱ゲル7の充填を認識できるものである。
【0019】
放熱ゲル7の充填を確認する充填確認孔15の構成としては、図8に示す構成の他にも様々なものを用いることができる。
図9は充填確認孔の他の構成例を示す図であり、図9(a)は上部をすり鉢状に構成した充填確認孔の構成を示す図、図9(b)は円錐状に構成した充填確認孔の構成を示す図である。
充填確認孔15の上部構成としては、図9(a)に示すごとく、上部をすり鉢上に構成することができる。これにより、放熱ゲル7があふれ出る前に、放熱ゲル7の露出面積を拡大して、認識しやすくできるものである。
また、図9(b)に示すごとく、充填確認孔15を円錐形状に構成することも可能である。充填確認孔15を円錐形状に構成することにより、放熱ゲル7の上面位置と界面面積とを対応させて、放熱ゲル7の界面位置を認識可能となるものである。
このほかに、充填確認孔15をハウジング5に複数個設けて、複数個所において放熱ゲル7の充填を確認することにより、放熱ゲル7の充填確認の確実性を向上できるとともに、部分的な放熱ゲル7の充填むらを認識可能である。
【0020】
充填確認孔15を設けたハウジング5において、ハウジング5内を放熱ゲル7により満たし、これを確認することも可能である。
図10はハウジング内を放熱ゲルにより満たした構成を示す図である。図10に示すごとく、ハウジング5は素子4の近傍において素子4の側方および上方を包むように構成されている。そして、下端部を放熱板2に当接させて、基板8をハウジング5および放熱板2により覆う。さらに、素子4を実装した基板8とハウジング5の間に放熱ゲル7を満たす。
これにより、放熱ゲル7を素子4および基板8の放熱部に接触させて、電子制御ユニット1の放熱性を向上できる。
なお、放熱ゲルを目視しやすくすべく、放熱ゲルに着色をしたり、充填確認孔15の内周面を着色したり、充填確認孔15周囲のハウジング5を着色することも可能である。
【0021】
次に、素子4を実装する基板に、高熱伝動率を有する層を設けて基板の熱伝導性を向上させる構成について説明する。この構成においては、基板内に熱伝動度の高い層を設け、この層を介して基板側部よりハウジングに熱を放出させるものである。ここにおいては、高熱伝導率層として銅層を用いる。
図11は基板に銅層を設けた構成を示す図である。
図11に示すごとく、基板8には銅層22が構成されている。銅層22は基板8の内層に埋め込む構成となっており、銅層22は基板8の側面に露出しているものである。銅層22は素子4実装部の直下および周囲に構成されたサーマルビア9・9・・に接続しており、サーマルビア9は基板8の上面から下面にかけて上下方向に構成されている。
銅層22を有する基板8は、下面を放熱板2の上面にあわせた状態で配設されており、基板8の側面および上面はハウジング5により覆われるものである。
【0022】
基板8の側面には放熱ゲル7が塗布されており、放熱ゲル7は基板8の側面およびハウジング5の内側面に密着している。これにより、基板8の銅層22が放熱ゲル7を介してハウジング5に接続する構成となる。これにより、素子4において発生した熱は、ハンダ層3、サーマルビア9、銅層22を介して、基板8の側面および下面に伝達され、ハウジング5および放熱板2より排熱される。
このように、基板8の側部を利用してハウジング5に熱を伝達するので、電子制御ユニットにおいて熱伝導性の高い熱排出経路を拡大して、排熱効率を向上できる。また、基板8側部とハウジング5とを放熱ゲル7により接続するので、基板8およびハウジング5の内面形状に関係なく、熱排出経路を確実に確保できる。
【0023】
基板に銅層を設ける構成において、銅層の露出面積を拡大して放熱性を向上させることも可能である。
図12は銅層上面に露出部を設けた構成を示す図である。図12に示すごとく、基板8において、内層に銅層22が埋め込まれている。基板8の側部は階段状に構成されており、銅層22の上面が基板8の縁部において露出する構成となっている。基板8を覆うハウジング5の下部においても、基板8の縁部形状に沿って階段状に構成されている。そして、ハウジング5と基板8の側部との間には放熱ゲル7が充填される。
【0024】
このように構成することにより、基板8側部において、基板8とハウジング5との接触面積を増大でき、銅層22の露出面積を増大できる。これにより、ハウジング5への熱伝達効率を向上させて、排熱効果を向上できる。
さらに、基板8の縁部を階段形状に構成し、ハウジング5を基板8の周部に沿って階段形状とすることにより、基板8とハウジング5の位置決めがこの段差形状により容易となるものである。
また、ハウジング5の側部に充填確認孔15を設けて、放熱ゲル7の充填確認をすることも可能である。
【0025】
次に、電子制御ユニットにおいて、ハウジング5に基板8に向けて延出された当接部を基板8の内層に銅層を設けた構成について、図13から図15を用いて説明する。
図13はハウジングに当接部を設けるとともに基板に銅層を設けた構成を示す図である。
図13に示すごとく、ハウジング5の上部内側面には、下方に延出された当接部6が構成されている。当接部6は垂直方向に、基板8の上面位置まで延出されている。そして、基板8には銅層22が内層に埋め込まれた構成となっており、銅層22は基板8の側面に露出している。銅層22は基板8の上面から下面にかけて上下方向に設けられたサーマルビア9・9・・に接続しており、基板8の上面より銅層22に至るビア23が接続している。
【0026】
ビア23は、平面視において、当接部6の下端と重なる位置に設けられている。そして、ハウジング5が閉じた状態において、当接部6とビア23とを放熱ゲル7を介して接続する。
これにより、素子4より発生する熱を、銅層22を介して、ハウジング5および放熱板2に伝達して、ユニットの排熱効率を向上することができるものである。
【0027】
図14は基板に凹部を設けた構成を示す図であり、図14(a)は電子制御ユニットの断面図、図14(b)は基板の断面図である。
図14に示すごとく、ハウジング5の上部内側面には、下方に延出された当接部6が構成されている。基板8には銅層22が内層に埋め込まれた構成となっており、銅層22は基板8の側面に露出している。銅層22は基板8の上面から下面にかけて上下方向に設けられたサーマルビア9・9・・に接続している。
基板8の上面には凹部24が構成されており、凹部24に当接部6の下端が挿入される構成となっている。凹部24の底面にはビア23の上面が露出しており、ビア23は銅層22と接続している。ハウジング5の当接部6はビア23の上面位置まで延出されている。
凹部24には放熱ゲル7が注入され、当接部6とビア23の接続を行うものである。放熱ゲル7は変形しやすく、当接部6の凹部24への挿入によりビア23と当接部6の下端とを確実に接続するものである。
このように構成することにより、放熱ゲル7の流動性を低減し、熱伝導における接続の信頼性を向上できる。さらに、凹部24により、ハウジング5により基板8の位置決めを行うことができる。
【0028】
図15は基板にハウジング位置決め穴を設けた構成を示す図であり、図15(a)は電子制御ユニットの断面図であり、図15(b)は基板の断面図である。
図15に示すごとく、ハウジング5の上部内側面には、下方に延出された当接部6が構成されている。基板8には銅層22が内層に埋め込まれた構成となっており、銅層22は基板8の側面に露出している。銅層22は基板8の上面から下面にかけて上下方向に設けられたサーマルビア9・9・・に接続している。
基板8の上面には穴25が構成されており、穴25により銅層22が基板8の上面側に露出している。そして、ハウジング5の当接部6が銅層22の上面位置まで延出されている。
穴25には当接部6の下端が挿入される構成となっている。穴25において露出した銅層22の上面に当接部6が当接するものである。
穴25には放熱ゲル7が注入され、当接部6と銅層22の接続を行うものである。放熱ゲル7は変形しやすく、当接部6の穴25への挿入により銅層22と当接部6の下端とを確実に接続するものである。
このように構成することにより、放熱ゲル7の流動性を低減し、熱伝導における接続の信頼性を向上できる。さらに、穴25により、ハウジング5により基板8の位置決めを行うことができる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1に記載のごとく、素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成し、該基板もしくは素子を基板に接続するハンダ層と、前記ハウジングとを放熱ゲルを介して接続したので、
ハウジングとハンダ層との接続を確実に行うことが可能となる。そして、ハウジングの成形や組立てにおける公差が大きい場合でも確実に熱伝導経路を確保でき、冷却効果を向上できる。そして、振動に強く安定して作動可能な熱環境を増大できる。
【0030】
請求項2に記載のごとく、素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成するとともに、高熱伝導層を構成し、該高熱伝動層を基板表面に露出させ、該高熱伝動層とハウジングとを接続したので、
熱伝導度の低い基板において、熱伝導度の高い経路を構成可能となり、電子部品における熱伝導経路を拡大できる。
【0031】
請求項3に記載のごとく、素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成するとともに、高熱伝導層を構成し、該高熱伝動層を基板表面に露出させ、該高熱伝動層とハウジングとを接続し、基板に実装された素子とハウジングとの間に放熱ゲルを充填したので、
素子よりの放熱経路を拡大して、素子4の冷却効率を直接向上することが可能となる。また、基板を利用した排熱経路を構成できるので電子部品の冷却効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子制御ユニットの一部破断面図。
【図2】電子制御ユニットの組立て構成を示す斜視図。
【図3】電子制御ユニットの側面断面図。
【図4】ハンダ層と当接部の位置関係を示す図。
【図5】ハンダ層と当接部との他の接続構成を示す図。
【図6】素子を放熱ゲルで覆う構成を示す断面図。
【図7】放熱ゲルが充填された状態を示す充填確認孔の構成を示す断面図。
【図8】ゲル不足状態と充填状態とを示す模式図。
【図9】充填確認孔の他の構成例を示す図。
【図10】ハウジング内を放熱ゲルにより満たした構成を示す図。
【図11】基板に銅層を設けた構成を示す図。
【図12】銅層上面に露出部を設けた構成を示す図。
【図13】ハウジングに当接部を設けるとともに基板に銅層を設けた構成を示す図。
【図14】基板に凹部を設けた構成を示す図。
【図15】基板にハウジング位置決め穴を設けた構成を示す図。
【符号の説明】
1 電子制御ユニット
2 放熱板
3 ハンダ層
4 素子
5 ハウジング
6 当接部
7 放熱ゲル
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の放熱構造に関する。より詳しくは、基板に素子をハンダ付けする電子部品における、素子の放熱効率を向上させるための放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,半導体回路を設けた電子部品では、作動中の発熱を冷却して半導体回路動作を安定させる必要がある。電子部品としての半導体は一般に熱に弱く、温度変化により抵抗値やタイミング変化などが起こり誤動作することがある。このため、半導体素子の熱を排出して一定の温度範囲に維持する必要がある。
従来の素子の冷却構造としては、素子をはんだ付けにより絶縁基板上に配設し、この絶縁基板と放熱板とをはんだにより接続する。そして放熱板にシリコングリスを塗布して冷媒を保持する冷却ケースに取付けるものである。
このほかにも、素子直下の基板に大型のスルーホールを設けて基板下面に熱を導出したり、電子部品を覆うカバーを素子に当接させて熱を導出する構成が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、多層配線基板において銅層を形成してヒートシンクに熱を導く構成(例えば、特許文献2を参照)や、素子の表面に金属箔をのせて、この金箔を介して封止キャップを当接させ、封止キャップに排熱させる構成も知られている(例えば、特許文献3を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−151952号公報
【特許文献2】
特開平11―330708号公報
【特許文献3】
特開平11−121640号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電子制御装置の小型化および高密度実装を考慮した場合に、基板内のパターン配線を微細化でき、表面ランドパターンの公差を小さくできることから、ガラスエポキシ基板を利用することが望まれている。しかしながら,通常のガラスエポキシ基板などの樹脂基板では、熱伝動性が低く放熱を効率的に行うことが困難である。
半導体素子において、素子本体の一側面は素子放熱板に取付けられており、他の部分はモールド樹脂により覆われている。一般的な素子の冷却構造において、素子はハンダにより樹脂基板上に取付けられ、樹脂基板にはアルミニウム製のヒートシンクが取付けられる。これらの熱伝導率は、それぞれ、モールド樹脂0.9W/m・K、素子本体2.6W/m・K、素子放熱板372W/m・K、はんだ36W/m・K、樹脂基板0.38W/m・K、アルミヒートシンク92W/m・Kである。ここにおいて、モールド樹脂と樹脂基板の熱伝導率が極端に低くく、放熱効率を低減する要因となっている。
このため、樹脂基板を用いた電子部品では、配設可能な雰囲気の温度範囲が狭、電子部品を配置可能な環境に制限がある。
【0005】
そして、特許文献1に記載された技術におけるスルーホールのみでの放熱では十分な放熱性を得ることができない。素子にカバーを当接させる場合においてもカバーと素子との取付け位置やカバーの成形精度など、高い精度が要求され、製造が困難となる。特許文献2、3においても同様に高い成形精度と組み付け精度が要求される。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく、本発明は次のような手段を用いる。
請求項1に記載のごとく、素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成し、該基板もしくは素子を基板に接続するハンダ層と、前記ハウジングとを放熱ゲルを介して接続した。
【0007】
請求項2に記載のごとく、素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成するとともに、高熱伝導層を構成し、該高熱伝動層を基板表面に露出させ、該高熱伝動層とハウジングとを接続した。
【0008】
請求項3に記載のごとく、素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成するとともに、高熱伝導層を構成し、該高熱伝動層を基板表面に露出させ、該高熱伝動層とハウジングとを接続し、基板に実装された素子とハウジングとの間に放熱ゲルを充填した。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1は電子制御ユニットの一部破断面図、図2は電子制御ユニットの組立て構成を示す斜視図、図3は電子制御ユニットの側面断面図である。
本実施例においては、電子部品の一例として、電子制御ユニットを用いて説明する。本発明に利用される電子部品としては、基板に素子を実装し、放熱板およびハウジングにより基板を覆うものであれば良く、特に限定されるものでははい。
電子制御ユニット1は、素子4、基板8、放熱板2およびハウジング5により構成されている。素子4は基板8にハンダ付けにより取付けられており、素子4はハンダ層3を介して基板8に配設されている。基板8は放熱板2の上面に取付けられており、基板8の上方はハウジング5が配置される。放熱板2の上面縁部はハウジング5の下部に当接しており、ハウジング5の下部は基板8の外周縁に沿った形状となっている。これにより、基板8は、放熱板2とハウジング5とにより覆われる構成となっている。
【0010】
基板8において、ハンダ層3の下にはサーマルビア9が複数個構成されている。ハンダ層3は上部に配設される素子4より広く構成されており、平面視において素子4の周囲にハンダ層3が構成されている。このようにハンダ層を構成することで、ハンダ層3が基板8と接触する面積を拡大でき、素子が実装されていない部分にも熱を伝動させ、ハンダ層3を介した放熱量を増大させるものである。
そして、ハンダ層3を拡大することにより、サーマルビア9を配置可能な面積が増大できる。これにより、ハンダ層3と放熱板2とを接続する熱伝導度の高い経路を拡大して素子の放熱性を向上できる。
【0011】
ハウジング5の内側面には、当接部6が下方に延出されている。当接部6はハウジング5と一体的に構成されており、当接部6の下端部は平面視においてハンダ層3の縁部に沿った位置に構成されている。
ハンダ層3の縁部上面には放熱ゲル7が塗布されており、ハンダ層3と当接部6とは放熱ゲル7を介して接続する。放熱ゲルとしては、放熱シリコーンゲル等を利用するものである。
放熱ゲル7をハンダ層3と当接部6との間に配置させ、放熱ゲル7をハンダ層3と当接部6とに密着させる。これにより、ハンダ層3から当接部6への熱伝導経路を確保できる。放熱ゲル7は低硬度でありながら密着性が高く、粘性を有する。このため、振動や衝撃を受けた場合にも、放熱ゲルが塗布位置よりずれ難い。放熱ゲル7はハンダ層3の上面において塗布位置に保持され、ハンダ層3と当接部6とに密着して熱伝動経路を確保する。これにより、熱および振動に対しても熱伝導経路を安定して維持できる。
なお、放熱ゲル7としては熱伝導性の高いものを利用するものであり、高い熱伝動性を有するとともに、密着性、振動に対する位置の保持性能などが同様であれば他のものを利用することも可能である。
【0012】
図4はハンダ層と当接部の位置関係を示す図であり、図4(a)は当接部が基準位置にある状態を、図4(b)は基準位置より高い状態を、図4(c)は基準位置より低い状態をそれぞれ示す図である。
放熱ゲル7をハンダ層3と当接部6との間に配設することにより、ハンダ層3と当接部6との位置が一定しない場合においてもハンダ層3と当接部6とを接続できるものである。
当接部6が図4(b)に示すごとく、基準位置より高い位置である場合にも放熱ゲル7の密着性および追従性によりハンダ層3と当接部6との接続が確保される。
また、図4(c)に示すごとく、当接部6が基準位置より低い位置にある場合においても、放熱ゲル7が低硬度であるという特性から、放熱ゲル7は変形しながらハンダ層3と当接部6との接続を行うものである。
そして、当接部6がさらに低い位置にある場合においても、ハンダ層3と当接部6の間において放熱ゲル7が当接部6のハンダ層3の押さえつけを緩和する。
すなわち、放熱ゲル7によりハンダ層3と当接部6との接続を確実にするとともに、基板8の保護も行うものである。そして、ハウジング5および素子4のハンダ付けにおいて高い精度を必要とせず、容易に素子4の放熱性の高い電子部品を構成することができる。また、ハンダ層3と当接部6の形状に関係なく、熱伝導経路を確保できる。
【0013】
次に、ハンダ層3と当接部6との接着性をさらに向上させる構成について、図5を用いて説明する。
図5はハンダ層と当接部との他の接続構成を示す図であり、図5(a)は当接部をハンダ層上面形状に沿わせた構成を示す図、図5(b)はハンダ層に凹部を構成した状態を示す図、図5(c)は当接部に突起を設けた構成を示す図である。
図5(a)に示す構成においては、当接部6の下端はハンダ層3の上面に沿った形状に構成されており、ハンダ層3の外側に向けて下がるように傾斜させているものである。当接部6の下面とハンダ層3の上面との間隔をほぼ一定にすることにより、放熱ゲル7と当接部6との接触面積を大きくし、放熱ゲル7の流動性を低減させ、保持性を向上させるものである。
【0014】
図5(b)に示す構成においては、ハンダ層3に、当接部6の下端形状にあわせた凹部を構成するものである。そして、この凹部に当接部6の下端を位置させることにより、放熱ゲル7とハンダ層3との接触面積を大きくし、放熱ゲル7の流動性を低減させ、保持性を向上させるものである。
図5(c)に示す構成においては、当接部6の下端に突起部を設ける物である。これにより、放熱ゲル7と当接部6との接触面積を大きくし、放熱ゲル7の流動性を低減させ、保持性を向上させるものである。さらに、当接部6がハンダ層3に接触した場合においても当接部6によりハンダ層3を変形させやすく基板8に影響を与えない。
【0015】
次に、図6から図10において放熱ゲルの接続性を確認する手段を設けたハウジングの構成について説明する。
図6は素子を放熱ゲルで覆う構成を示す断面図である。
図6において、確認手段を設けた電子制御ユニットの全体構成について説明する。電子制御ユニット1のハウジング5は、素子4の上方に位置する部分を素子4に近づけた構成となっており、素子4の配置位置に相当する部分が凹んだ形状となっている。そして、素子4の側部を囲むようにハウジング5の内側面に延出部11が設けられている。延出部11はハウジング5内側面より下方に延出されている。
素子4は、延出部11および素子4の上方に位置するハウジング5により上面および側面を囲まれている。そして、素子4とハウジング5の間に放熱ゲル7が充填されている。素子4にハウジング5を近づけることにより、必要となる放熱ゲル7の量を低減でき、素子4の放熱効率を向上できる。
【0016】
ハウジング5には、延出部11の下端面からハウジング5上面にいたる位置確認用孔14が設けられており、位置確認用孔14の延長線上であって基板8上にマーク12が配置されている。図6において、位置確認用孔14は延出部11に沿って垂直方向に構成されており、延出部11の直下にマーク12が配設されている。
位置確認用孔14は、素子4に対するハウジング5の位置を確認するためのものである。位置確認用孔14によりマーク12が確認される場合には、ハウジング5の位置のズレが許容範囲であり、延出部11と素子4との間に隙間が存在することを示すものである。
これにより、素子4よりの放熱効率を向上させながら、電子制御ユニット1の組立て効率を向上できるものである。
【0017】
ハウジング5には、放熱ゲル7が充填される空間に連通する充填確認孔15が設けられている。図6において充填確認孔15は、ハウジング5の素子4直上位置に、垂直方向に設けられている。
充填確認孔15による、放熱ゲル7の充填確認方法について説明する。
図7は放熱ゲルが充填された状態を示す充填確認孔の構成を示す断面図である。図7に示すごとく、素子4とハウジング5との間に充填される放熱ゲル7は、充填確認孔15にも充填されるものである。充填確認孔15が放熱ゲル7により満たされるので、ハウジング5の外側より放熱ゲル7の状態を認識可能である。
【0018】
図8はゲル不足状態と充填状態とを示す模式図、図8(a)はゲル不足状態を示す図、図8(b)はゲルが十分な状態を示す図である。
図8に示すごとく、放熱ゲル4が不足している場合には、充填確認孔15が放熱ゲルにより満たされない。そして、素子4とハウジング5との間に放熱ゲル7が十分に充填されている場合には、充填確認孔15よりハウジング5の外面に放熱ゲル7が溢れ出し、外部より放熱ゲル7が十分に充填されていることを確認できるものである。ハウジング5より放熱ゲル7を溢れ出させるので、容易に放熱ゲル7の充填を認識できるものである。
【0019】
放熱ゲル7の充填を確認する充填確認孔15の構成としては、図8に示す構成の他にも様々なものを用いることができる。
図9は充填確認孔の他の構成例を示す図であり、図9(a)は上部をすり鉢状に構成した充填確認孔の構成を示す図、図9(b)は円錐状に構成した充填確認孔の構成を示す図である。
充填確認孔15の上部構成としては、図9(a)に示すごとく、上部をすり鉢上に構成することができる。これにより、放熱ゲル7があふれ出る前に、放熱ゲル7の露出面積を拡大して、認識しやすくできるものである。
また、図9(b)に示すごとく、充填確認孔15を円錐形状に構成することも可能である。充填確認孔15を円錐形状に構成することにより、放熱ゲル7の上面位置と界面面積とを対応させて、放熱ゲル7の界面位置を認識可能となるものである。
このほかに、充填確認孔15をハウジング5に複数個設けて、複数個所において放熱ゲル7の充填を確認することにより、放熱ゲル7の充填確認の確実性を向上できるとともに、部分的な放熱ゲル7の充填むらを認識可能である。
【0020】
充填確認孔15を設けたハウジング5において、ハウジング5内を放熱ゲル7により満たし、これを確認することも可能である。
図10はハウジング内を放熱ゲルにより満たした構成を示す図である。図10に示すごとく、ハウジング5は素子4の近傍において素子4の側方および上方を包むように構成されている。そして、下端部を放熱板2に当接させて、基板8をハウジング5および放熱板2により覆う。さらに、素子4を実装した基板8とハウジング5の間に放熱ゲル7を満たす。
これにより、放熱ゲル7を素子4および基板8の放熱部に接触させて、電子制御ユニット1の放熱性を向上できる。
なお、放熱ゲルを目視しやすくすべく、放熱ゲルに着色をしたり、充填確認孔15の内周面を着色したり、充填確認孔15周囲のハウジング5を着色することも可能である。
【0021】
次に、素子4を実装する基板に、高熱伝動率を有する層を設けて基板の熱伝導性を向上させる構成について説明する。この構成においては、基板内に熱伝動度の高い層を設け、この層を介して基板側部よりハウジングに熱を放出させるものである。ここにおいては、高熱伝導率層として銅層を用いる。
図11は基板に銅層を設けた構成を示す図である。
図11に示すごとく、基板8には銅層22が構成されている。銅層22は基板8の内層に埋め込む構成となっており、銅層22は基板8の側面に露出しているものである。銅層22は素子4実装部の直下および周囲に構成されたサーマルビア9・9・・に接続しており、サーマルビア9は基板8の上面から下面にかけて上下方向に構成されている。
銅層22を有する基板8は、下面を放熱板2の上面にあわせた状態で配設されており、基板8の側面および上面はハウジング5により覆われるものである。
【0022】
基板8の側面には放熱ゲル7が塗布されており、放熱ゲル7は基板8の側面およびハウジング5の内側面に密着している。これにより、基板8の銅層22が放熱ゲル7を介してハウジング5に接続する構成となる。これにより、素子4において発生した熱は、ハンダ層3、サーマルビア9、銅層22を介して、基板8の側面および下面に伝達され、ハウジング5および放熱板2より排熱される。
このように、基板8の側部を利用してハウジング5に熱を伝達するので、電子制御ユニットにおいて熱伝導性の高い熱排出経路を拡大して、排熱効率を向上できる。また、基板8側部とハウジング5とを放熱ゲル7により接続するので、基板8およびハウジング5の内面形状に関係なく、熱排出経路を確実に確保できる。
【0023】
基板に銅層を設ける構成において、銅層の露出面積を拡大して放熱性を向上させることも可能である。
図12は銅層上面に露出部を設けた構成を示す図である。図12に示すごとく、基板8において、内層に銅層22が埋め込まれている。基板8の側部は階段状に構成されており、銅層22の上面が基板8の縁部において露出する構成となっている。基板8を覆うハウジング5の下部においても、基板8の縁部形状に沿って階段状に構成されている。そして、ハウジング5と基板8の側部との間には放熱ゲル7が充填される。
【0024】
このように構成することにより、基板8側部において、基板8とハウジング5との接触面積を増大でき、銅層22の露出面積を増大できる。これにより、ハウジング5への熱伝達効率を向上させて、排熱効果を向上できる。
さらに、基板8の縁部を階段形状に構成し、ハウジング5を基板8の周部に沿って階段形状とすることにより、基板8とハウジング5の位置決めがこの段差形状により容易となるものである。
また、ハウジング5の側部に充填確認孔15を設けて、放熱ゲル7の充填確認をすることも可能である。
【0025】
次に、電子制御ユニットにおいて、ハウジング5に基板8に向けて延出された当接部を基板8の内層に銅層を設けた構成について、図13から図15を用いて説明する。
図13はハウジングに当接部を設けるとともに基板に銅層を設けた構成を示す図である。
図13に示すごとく、ハウジング5の上部内側面には、下方に延出された当接部6が構成されている。当接部6は垂直方向に、基板8の上面位置まで延出されている。そして、基板8には銅層22が内層に埋め込まれた構成となっており、銅層22は基板8の側面に露出している。銅層22は基板8の上面から下面にかけて上下方向に設けられたサーマルビア9・9・・に接続しており、基板8の上面より銅層22に至るビア23が接続している。
【0026】
ビア23は、平面視において、当接部6の下端と重なる位置に設けられている。そして、ハウジング5が閉じた状態において、当接部6とビア23とを放熱ゲル7を介して接続する。
これにより、素子4より発生する熱を、銅層22を介して、ハウジング5および放熱板2に伝達して、ユニットの排熱効率を向上することができるものである。
【0027】
図14は基板に凹部を設けた構成を示す図であり、図14(a)は電子制御ユニットの断面図、図14(b)は基板の断面図である。
図14に示すごとく、ハウジング5の上部内側面には、下方に延出された当接部6が構成されている。基板8には銅層22が内層に埋め込まれた構成となっており、銅層22は基板8の側面に露出している。銅層22は基板8の上面から下面にかけて上下方向に設けられたサーマルビア9・9・・に接続している。
基板8の上面には凹部24が構成されており、凹部24に当接部6の下端が挿入される構成となっている。凹部24の底面にはビア23の上面が露出しており、ビア23は銅層22と接続している。ハウジング5の当接部6はビア23の上面位置まで延出されている。
凹部24には放熱ゲル7が注入され、当接部6とビア23の接続を行うものである。放熱ゲル7は変形しやすく、当接部6の凹部24への挿入によりビア23と当接部6の下端とを確実に接続するものである。
このように構成することにより、放熱ゲル7の流動性を低減し、熱伝導における接続の信頼性を向上できる。さらに、凹部24により、ハウジング5により基板8の位置決めを行うことができる。
【0028】
図15は基板にハウジング位置決め穴を設けた構成を示す図であり、図15(a)は電子制御ユニットの断面図であり、図15(b)は基板の断面図である。
図15に示すごとく、ハウジング5の上部内側面には、下方に延出された当接部6が構成されている。基板8には銅層22が内層に埋め込まれた構成となっており、銅層22は基板8の側面に露出している。銅層22は基板8の上面から下面にかけて上下方向に設けられたサーマルビア9・9・・に接続している。
基板8の上面には穴25が構成されており、穴25により銅層22が基板8の上面側に露出している。そして、ハウジング5の当接部6が銅層22の上面位置まで延出されている。
穴25には当接部6の下端が挿入される構成となっている。穴25において露出した銅層22の上面に当接部6が当接するものである。
穴25には放熱ゲル7が注入され、当接部6と銅層22の接続を行うものである。放熱ゲル7は変形しやすく、当接部6の穴25への挿入により銅層22と当接部6の下端とを確実に接続するものである。
このように構成することにより、放熱ゲル7の流動性を低減し、熱伝導における接続の信頼性を向上できる。さらに、穴25により、ハウジング5により基板8の位置決めを行うことができる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1に記載のごとく、素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成し、該基板もしくは素子を基板に接続するハンダ層と、前記ハウジングとを放熱ゲルを介して接続したので、
ハウジングとハンダ層との接続を確実に行うことが可能となる。そして、ハウジングの成形や組立てにおける公差が大きい場合でも確実に熱伝導経路を確保でき、冷却効果を向上できる。そして、振動に強く安定して作動可能な熱環境を増大できる。
【0030】
請求項2に記載のごとく、素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成するとともに、高熱伝導層を構成し、該高熱伝動層を基板表面に露出させ、該高熱伝動層とハウジングとを接続したので、
熱伝導度の低い基板において、熱伝導度の高い経路を構成可能となり、電子部品における熱伝導経路を拡大できる。
【0031】
請求項3に記載のごとく、素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成するとともに、高熱伝導層を構成し、該高熱伝動層を基板表面に露出させ、該高熱伝動層とハウジングとを接続し、基板に実装された素子とハウジングとの間に放熱ゲルを充填したので、
素子よりの放熱経路を拡大して、素子4の冷却効率を直接向上することが可能となる。また、基板を利用した排熱経路を構成できるので電子部品の冷却効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子制御ユニットの一部破断面図。
【図2】電子制御ユニットの組立て構成を示す斜視図。
【図3】電子制御ユニットの側面断面図。
【図4】ハンダ層と当接部の位置関係を示す図。
【図5】ハンダ層と当接部との他の接続構成を示す図。
【図6】素子を放熱ゲルで覆う構成を示す断面図。
【図7】放熱ゲルが充填された状態を示す充填確認孔の構成を示す断面図。
【図8】ゲル不足状態と充填状態とを示す模式図。
【図9】充填確認孔の他の構成例を示す図。
【図10】ハウジング内を放熱ゲルにより満たした構成を示す図。
【図11】基板に銅層を設けた構成を示す図。
【図12】銅層上面に露出部を設けた構成を示す図。
【図13】ハウジングに当接部を設けるとともに基板に銅層を設けた構成を示す図。
【図14】基板に凹部を設けた構成を示す図。
【図15】基板にハウジング位置決め穴を設けた構成を示す図。
【符号の説明】
1 電子制御ユニット
2 放熱板
3 ハンダ層
4 素子
5 ハウジング
6 当接部
7 放熱ゲル
Claims (3)
- 素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、
該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成し、
該基板もしくは素子を基板に接続するハンダ層と、
前記ハウジングとを放熱ゲルを介して接続した
ことを特徴とする電子部品における放熱構造。 - 素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、
該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成するとともに、
高熱伝導層を構成し、該高熱伝動層を基板表面に露出させ、
該高熱伝動層とハウジングとを接続した
ことを特徴とする電子部品における放熱構造。 - 素子を実装した基板を、放熱板とハウジングとで覆う電子部品の放熱構造において、
該基板に放熱板に接続するサーマルビアを複数個形成するとともに、
高熱伝導層を構成し、該高熱伝動層を基板表面に露出させ、
該高熱伝動層とハウジングとを接続し、
基板に実装された素子とハウジングとの間に放熱ゲルを充填した
ことを特徴とする電子部品における放熱構造。
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