JP2004504607A - ネスト化ソーティングおよびハイスループットスクリーニングのための結合タンパク質およびタグのコレクションならびにそれら使用 - Google Patents

ネスト化ソーティングおよびハイスループットスクリーニングのための結合タンパク質およびタグのコレクションならびにそれら使用 Download PDF

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Abstract

捕捉試薬が特異的である、ポリペプチドタグを含むソーティングタンパク質にツールとして使用される抗体のような抗タグ捕捉試薬のアドレス可能コレクションを本明細書で提供する。当該コレクションを使用するネスト化ソーティングの方法をも提供する。その方法には、タグ化分子のライブラリーを作成するため、特有の、事前に選択したポリペプチドをコードする核酸分子のセットを導入することにより分子のタグ化コレクション群を作成し;タグを導入する前または後の何れかにおいて、ライブラリーをNの分割物に分割し;個々の分割物を翻訳し、その個々の分割物をNの捕捉試薬コレクション群の1つと反応させ;目的の分子群と結合したポリペプチドタグに結合した捕捉試薬を同定し、そしてそれにより目的の分子を含む、分割したコレクション群のうちの1つを同定するステップが含まれる。その方法には、更に、タグの新しいセットを加えること、および同じまたは異なるコレクション捕捉試薬群によりソーティングプロセスを繰り返すことが含まれ、それにより、目的のタンパク質または分子が同定される。

Description

【0001】
関連出願
35 U.S.C. §119(e)の下、優先権の米国で利益を、発明の名称“COLLECTIONS OF ANTIBODIES FOR NESTED SORTING AND HIGH THROUGHPUT SCREENING”であるDana Ault−Richeの、2000年7月19日出願、米国仮出願番号60/219183に関し、請求する。国際的な優先権を、米国仮出願番号60/219,183に関し、請求する。許可されるならば、米国仮出願番号60/219,183の内容すべてを引用により本明細書に加える。
【0002】
本発明の分野
本発明は、結合タンパク質のコレクション(本明細書では捕捉試薬と呼ぶ)および多様性ライブラリー(遺伝子ライブラリーを含む)の機能調査のためのその使用方法に関する。当該方法およびコレクションの技術は、ロボットマイクロ−ウェルハイスループットスクリーニングおよびアレイおよび関連技術に組込まれる。
【0003】
本発明の背景
ゲノミクスおよびプロテオミクス
ヒトゲノムプロジェクトは、遺伝学的データの雪崩(avalanche)を生じた。これらのデータの解明により、生物学がより理解され、最終的には、薬物創製の発展を導くこととなる。遺伝子配列情報の有用性により、生物医学的研究が構成される方法および発見の速度が変化している。しかし、ゲノム配列の獲得により、何の遺伝子か、あるいはコード化されたタンパク質はどのように機能するか、どのように細胞および組織が生育するのかが示されるわけではなく、ましてや病因についての洞察および疾患の治癒が提供されるものでもない。配列決定により得られる情報の所産以前に、ゲノムが十分理解され、コード化タンパク質およびその機能が同定されなければならない。
【0004】
そのため、プロテオミクスの出現(emergence)があり、その挑戦により、ヒトゲノムおよび他のゲノムの配列決定の効果により得られた過剰な情報が解明されることとなる。その焦点は、配列により同定される遺伝子の機能を決定することである。しかし、それは、配列決定により遺伝子を同定する仕事は、遺伝子またはコード化タンパク質の機能を発見することよりも簡単である。遺伝子によりコードされるタンパク質を同定するための、生物化学的、遺伝学的および情報科学的アプローチを含む種々のアプローチでは、その同定の試みが為されている。情報科学的アプローチでは、遺伝子配列を、既知または既知とされている機能を有するタンパク質をコードする遺伝子配列と比較するコンピューター探索に基づく遺伝子機能を決定する試みが為されている。遺伝子配列と機能との間の断絶のため、これらのアプローチの成功は制限されている。遺伝子機能の決定は、遺伝学および生物化学の典型的アプローチに依存しつづけている。当該遺伝学的アプローチは、遺伝子機能の破壊、その後のその破壊による効果の観察に基づいており、生物化学的アプローチは、機能と相関する生物化学的変化に基づいている。進歩のため、ハイスループットな分析が必要とされている。
【0005】
ゲノミクスのため、ハイブリダイゼーション反応に依存するハイスループットアレイが、遺伝子を同定する手段として用いられている。プロテオミクスは、ハイスループットの方法論にはまだなじまない。例えば、DNAマイクロアレイが用いられ、所定サンプル中の数千の遺伝子のメッセンジャーRNA(mRNA)の量を決定する。DNAの遺伝子は、タンパク質に翻訳される前に中間体分子としてmRNAに転写される。2つのサンプル由来のmRNAは、2種類の色素を有するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅により別々に標識され、混合され、次いで、アレイ上で浸す。このPCR産物は、ヌクレオチドの相補配列を含む核酸を含むアレイ中のスポットに特異的に結合する。色素の割合は、2サンプル中のmRNAの相対量を決定する。次いで、コンピューターアルゴリズムを使用し、データを評価し、インタープリトする。タンパク質は、細胞性調節の中心であり、mRNA発現とタンパク質発現との間に直接相関がないため、このDNAマイクロアレイ分析は、本来的に制限される。タンパク質の活性は、他のタンパク質との相互作用または代謝の結果としてしばしば、その構造の微妙な変化により調節され得る。更に、タンパク質は、異なる半減期を有し、細胞内で区画に分けられている。結果として、細胞のタンパク質状態、またはmRNAと協同する「プロテオーム」に関する情報を得ることは難しい。
【0006】
タンパク質分析技術は、タンパク質分離および検出の組合せに基づく。二次元(2−D)ゲルシステムでは、タンパク質は、一方向には荷電により、そして他の方向には大きさにより分離する。分離後、タンパク質は、ゲルからの切除およびマススペクトロメトリーによる分析により同定される。2−Dゲル方法は1,000を超えるタンパク質を同時に分析するけれども、これらの方法は、巨大サンプルの要求物、低い溶解性、低い感度、結果の不一致およびロースループット(low throughput)により制限される。
【0007】
遺伝子シャッフリングおよびエラー−プロンPCRによるランダム飽和変異誘発(random saturation mutagenesis)のようなタンパク質進化法は、タンパク質の望ましい特性を「進化」させる選択を伴う変異と関連し、それにより、例えば、産業工程で使用するための触媒を作成するため、新規研究試薬を作成するため、および組換え抗体の能力を改善する手段が提供される。可能な構造変異の量は多い。例えば、100アミノ酸を含む比較的小さいタンパク質との可能な組合せの数は20100である。更なる多様性は、合成性、または「非自然性」のアミノ酸を含むことにより提供される。タンパク質評価法は、数兆のタンパク質変異を含む遺伝子のコレクションを作成し得る。これら数兆の中に、望ましい特性を有するタンパク質がある。これらの多様性を生ずる方法を生かす鍵は、これら非常に大きな「乾草堆」の中にある望ましい「針」を見つけ出す能力である。これは、抗生物質の耐性の獲得のような、選択方法論を使用し、固定化捕捉分子に結合させ、および蛍光性の獲得その後の粒子ソート化により、試みられる。進化する特性に依存し、選択スキームが常に可能であるわけではない。ハイスループットロボットシステムを使用する個々の試験は、選択システムに代わるものであるが、これらのシステムは、50万クローンを超える調査のためには非実用的である。これらの方法では、これらの多様性作成法の能力を完全に活用することはできない。
【0008】
タンパク質のサンプル多様性コレクションを同定し、タンパク質およびその機能を同定する新規方法の必要があることは明らかである。そのため、ここでは、タンパク質の多様性コレクションのうちの望ましいタンパク質を同定するための方法および産物を提供することを目的とする。また、ここでは、その方法を行うための産物を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の要約
本明細書では、巨大コレクション由来の分子、特にタンパク質および核酸をスクリーニングし同定するための方法および製品を提供する。特に、同定可能タンパク質結合パートナーに特異的に結合する捕捉試薬のコレクション(すなわち、抗体のようなレセプターまたは他のレセプター)を、本明細書ではポリペプチドタグと称し、ここで、個々の捕捉試薬が、エピトープまたはリガンドまたはその部分のような事前に選択したポリペプチドタグに対し高い選択性および特異性で結合するように選択又は設計されている、コレクションを提供する。抗体のような同定可能な捕捉試薬を含むコレクションは、抗体のような捕捉試薬が同定可能(アドレス可能)である限り、液相および固相形式を含む任意の適当な形式で提供される。捕捉試薬のアドレス可能アレイを本明細書で例示する。アレイについて本明細書で例示した方法は、RFタグ、検出可能ビーズ、バー被覆ビーズに結合する抗体のような捕捉試薬を含む任意の他の形式および他の形式で実施され得る。そのコレクションは、ソートするための装置として役立ち、最終的に、目的のタンパク質および遺伝子および他の分子を同定する。
【0010】
エピトープタグのような、事前に選択したポリペプチドタグは、ソートされるタンパク質のような分子に結合される。その結合は、任意の手段により行われ得、スクリーニングされるタンパク質をコードする核酸に、タグをコードする核酸を組込む増幅を伴う増幅スキームまたはライゲーションを用い通常行われる。
【0011】
タンパク質−タグ−標識コレクションを用いソートする方法を本明細書で提供する。本明細書では、ソーティングにより、タンパク質の巨大な多様性コレクションから望ましい特性でタンパク質を同定する方法を提供する。本明細書で提供する結合タンパク質(捕捉試薬)のアドレス可能コレクションおよび方法に重要なのは、既知配列の事前に選択されたポリペプチドタグのセットに結合する、抗体のような捕捉試薬の選択である。ポリペプチドタグは、抗体のような捕捉試薬に特異的に結合する十分な数のアミノ酸を含む。抗体のような捕捉試薬のコレクションは、少なくとも約10、より少なくとも約30、50、100、200、250、またはそれより多く、少なくとも約500、1000またはそれより多い種類の、種々のメンバーのポリペプチドタグのセットに結合する抗体のような捕捉試薬を含む。抗体のような捕捉試薬のコレクションを作成する方法を本明細書で提供する。
【0012】
抗体のようなアドレス可能捕捉試薬コレクションは、当該捕捉試薬と特異的に反応するポリペプチドのアミノ酸配列でタグ化される分子をソートする手段を提供する。当該ソーティングは、コレクション中の抗体のような捕捉試薬と、ソートされる分子のコレクションに導入されるエピトープタグのようなポリペプチドタグとの間での高い特異性に依存する。
【0013】
ある実施態様では、抗体のようなアドレス可能捕捉試薬は、固相上の区別できるアドレス可能位置に提供される、複数の捕捉試薬を含むアレイとして提供される。アレイ上の個々のアドレスは、特異的な、事前に決定したタグに結合する抗体のような捕捉試薬を含む。一般的に、個々の位置の抗体のようなすべての捕捉試薬は、同一であるか実質的に同一であるが、個々の試薬が、事前に設計するか事前に選択したポリペプチドタグを生ずる分子、一般的にはタンパク質に選択的に結合する特異的な高い結合親和性(kは一般的には少なくとも約10−7から10−9である)を有する必要があるのみである。
【0014】
実施において、ポリペプチドタグでタグ化されるタンパク質を、捕捉試薬のアレイ上で浸すか、適当な結合条件下、ビーズのような同定可能な支持体に結合する捕捉試薬のコレクションと反応させる。特定捕捉試薬に対する、事前に選択したタグの結合特異性の特性により、タンパク質は、事前に選択したタグによりソートされる。次いで、タグの同定が知られているが、それは特定捕捉試薬と反応するためであり、その同定は、カラーコード化またはバーコード化のようなものを含む光学的コード化、またはマイクロ波のような電子的タグ化または周波数(radio frequency)(RF)−タグ化、粒子に対する結合のようなアレイまたはそのアイデンティファイアー中の位置の効果により、知られる。
【0015】
ある実施態様では、抗体は、固相形式で提供され、より好ましくは、個々の位置が同定されるアドレス可能アレイとして構成される。バーコードまたは他の記号または同定の印もまた、抗体の方向付けまたはポジショニングの目的のために固相アレイに含まれ得る。複数のそのアレイが単一マトリクス支持体に含まれ得る。ある実施態様では、アレイが配置され、例えば96ウェル、384ウェル、1536ウェルまたはそれよりも高い密度形式でマッチする大きさである。他の実施態様では、30、100、200、250、500、750、1000または通常の数のような、例えば、30から1000抗体配置を有する24アレイ、個々が配置されている。ある実施態様では、30、100、200、250、500、750、1000または他の通常の数のような、30から1000抗体位置までを有する、例えば96またはそれより多いアレイ、それぞれが配置されている。
【0016】
他の実施態様では、固体支持体は、液相中で扱うことができ、次いで二次元アレイ中に層となるミクロスフェアのような、コード化粒子(ビーズ)を構成する。ミクロスフェアのような粒子は、コード化されており、所望により、カラーまたはバーコード化、化学的コード化、電子的コード化のようにコード化されており、またはそれに結合したビーズおよび捕捉試薬を同定し得る任意の適当なコードを用いコード化される。その捕捉試薬は、支持体上で被覆されるか、または他には当該支持体に結合している。
【0017】
抗体のような捕捉試薬のコレクションは、種々の過程で使用され得るツールであり、以下に限らないが、治療、診断、研究試薬、プロテオミクス親和性マトリクス、改善した触媒を同定するため酵素工学のための、抗体親和性成熟のための、小分子捕捉タンパク質および配列特異的DNA結合タンパク質のための、タンパク質相互作用マッピングのための、および高親和性T細胞レセプターの開発および同定のための、抗体の迅速同定が含まれる(例えば、Shusta et al. (2000) Directed evolution of a stable scaffold for T−cell receptor engineering, Nature Biotechnology 18: 754−759)。
【0018】
エピトープのようなポリペプチドのタグは、化学的結合を含む任意の適当な方法により分子中に導入され得る。それらは、種々の方法によりタンパク質中に導入され得る。これらには、例えば、タグをコードするプライマーを用いる増幅によるか、またはオリゴヌクレオチドのライゲーション、所望によりその後の増幅によるタンパク質をコードする核酸中への導入、またはタグをコードするプラスミドのセット中へのクローニングによる導入が含まれる。例えば、エピトープのようなポリペプチドのタグは、生ずる増幅核酸中にタグを導入するよう設計したプライマーを用いcDNAライブラリーから増幅、典型的にはPCRすることにより、タンパク質中に導入される。複数のそのタグは、最終的に核酸中に導入され、核酸の翻訳においてソーティングし得、望ましいタンパク質をコードする核酸を選択的増幅する配列を提供する。
【0019】
ポリペプチドタグは、抗体のような捕捉試薬が結合するように設計されるか選択されるアミノ酸配列(本明細書では、および本明細書の目的のために、「E」と称し、それは一般的にはエピトープと呼ばれており、任意の捕捉試薬が結合するアミノ酸配列が含まれる)を含む。タグのEタンパク質(エピトープとして本明細書では称しており、抗体に結合するアミノ酸配列に制限されない点に注意)は、捕捉試薬に選択的に結合する十分な数のアミノ酸を含む。また、特定実施態様では、本明細書でディバイダー(D)として称する配列を含み、それには、1またはそれより多いアミノ酸、典型的には、少なくとも3アミノ酸が含まれ、一般的には4から6のアミノ酸が含まれる。エピトープおよびディバイダー配列は、タグをコードするDNAの増幅のため、または他の目的のため、必要であるため、更なるアミノ酸および付加領域を含み得る。以下に示すように、ポリペプチドタグはまた、「C」と称する領域を含み得る。
【0020】
エピトープのような結合対のタグで標識した分子をソーティングするための、抗体コレクションのような捕捉試薬(本明細書ではレセプターと称する)のコレクションを用いる方法を提供する。当該方法は、タグをコードする核酸を添加することによるマスタータグ化ライブラリーを作成すること;Nの反応物中でマスターライブラリーの一部を分割すること;ディバイダー配列をコードする核酸で各反応物を増幅し、翻訳し、Nの翻訳した反応物混合物を作成すること;例えば、ウエスタンブロッティングに使用する条件を用い、抗体の1コレクションと、個々の反応混合物とを反応させること;適当なスクリーニングにより目的のタンパク質を同定し、それにより、目的タンパク質が結合する捕捉試薬の特性によりタンパク質上の特定ポリペプチドタグを同定することを含む。
【0021】
第一のソートは、重要なファクターにより、多様性を減少するように設計する。次いで、標準的なスクリーニング法を用い、新規サブライブラリーをスクリーニングし得る。多様性の更なる減少が望ましいならば、第二のソートを行い得る。抗体(または他のレセプター)の数、Dおよびプールの数および第一のスクリーニングにおけるコレクションの数の適当な選択により、任意の第二のスクリーニングは、生ずるコレクションが単一のタンパク質のみまたは少数のタンパク質のみを含むように設計し得る。
【0022】
目的タンパク質が翻訳された、核酸を含む核酸反応混合物から出発する第二のソートを行い得る。このステップでは、新規セットのポリペプチドタグを、増幅またはライゲーションその後の増幅により核酸に加える。この前またはこれと同時に、エピトープタグのような事前のポリペプチドタグをコードする核酸を、制限酵素などを用いる切断によるか、またはエピトープコード化核酸の一部またはすべてを破壊するプライマーを用いる増幅によるか、いずれかにより取除かれる。新規タグを追加し、生ずる核酸を翻訳し、抗体の単一アドレス可能コレクションと反応させる。ポリペプチドタグによるタンパク質ソート、およびスクリーニングを行い、目的タンパク質を同定する。この時点で、抗体コレクションのアドレス可能位置での分子の多様性は、1である(または1から10のオーダーである)。次いで、目的タンパク質を含む核酸を、同定したポリペプチドタグをコードする核酸を含む核酸分子を増幅し、それにより、目的タンパク質をコードする核酸を産生するタグで増幅する。増幅のためのプライマー、特に第二または更なるソーティングステップを考慮した方法におけるプライマーは、プライマーとして役立ち、それにより、コード化タンパク質から少なくともポリペプチドタグの「E」部分を取除く、タグのすべての部分または重要部分を含み得る。
【0023】
特定のソーティングステップ(ステップi)の場合、E−Eと称するMポリペプチドタグがあり、それは、コレクション中の抗体のような異なる捕捉試薬の数と同数であり、Nのディバイダー領域[式中、Nは、それぞれ個々のディバイダー領域により増幅されるサンプル数であり、iは、少なくとも1である]は、ソーティングステップに関連する。それぞれのソーティングステップにおいて、タグおよびディバイダー領域の数は異なり得る。ここで、D−Dと称するNのディバイダー領域がある。Nはまた、ソーティング過程における第一ステップで使用する複製アレイまたはコレクションの数である。当該過程の第一ステップは、最初の多様性およびMおよびNに依存する特定量により多様性を減少する。
【0024】
例示した実施態様では、マスターライブラリーは、相補性DNA(cDNA)ライブラリーであり、ポリペプチドタグは、ライブラリー中のcDNA分子中に導入されるプライマーまたはオリゴヌクレオチドによりコードされる。これらの方法における第一のステップにおいて、核酸のマスターコレクション(それぞれは、一般的には、核酸分子、エピトープを含む事前に決定したポリペプチド(すなわち、捕捉試薬に特異的に結合する必要のある特定アミノ酸配列)をコードする核酸の3’末端または5’末端のような一端において含まれる)を調製する。マスターコレクション由来のサンプルは、50、100、200、250(または通常96、または多数(96、96×1、96×2...n[式中、nは、1から、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、300、500、10のような、必要な数多いプールまでであり、ここで、rは、2またはそれ以上である]))のようなNのプールに分けられる。個々のプールにおいて、nのディバイダー配列(D)のうちの1つを用い、特定のDを含むすべての核酸を増幅する。
【0025】
個々の増幅プールを翻訳し、それに含まれるタンパク質を、抗体コレクションのような捕捉試薬コレクションの1つと接触させ、ここで、タグは、個々の捕捉試薬が特異的であり、アドレス可能な2または3次元アレイにおける位置、または同定可能な特定支持体に対する結合の特性(virtue)などによって、知られている。接触後、捕捉試薬タンパク質複合体は、目的タンパク質に特異的なアッセイのような標準的方法を用い、または他の適当な試薬の添加により同定される。比色分析性、発光性、蛍光性および他のアッセイは、予期されるスクリーニングアッセイの中に含まれる。目的タンパク質が結合する、捕捉試薬、すなわち抗体を同定すること、およびプールがその捕捉試薬を含むことにより、オリジナルのDプールが知られ、当該プール中のエピトープおよび多様性がn×m減少する。FAと称する、エピトープの部分を含み、Eのすべてを含むプライマーのセットを用い、Dプールを増幅する。これは、同定化Eタグを含み、翻訳したタンパク質中のエピトープを破壊し、そしてポリペプチドタグコード化核酸分子の新規セットをプール中へ導入し、次いで、翻訳し、抗体の単一コレクションと接触するプールのメンバーのみを増幅する;当該コレクションをスクリーニングし複合体を同定する。FB[式中、FBはエピトープのすべてまたは一部である]を含むプライマーを用いる、同定化Eタグをコードする核酸の増幅、その後の翻訳により、目的タンパク質を含むサンプルを生ずる。
【0026】
多様性の更なる減少が望ましいならば、更なるソーティングステップを、MおよびNタグ[式中、iは、ソーティングステップの数であり、MおよびNが個々のステップで異なり得ることを表している]を用い行う。それぞれのMおよびNは、多様性の望ましい減少を行い得るように選択され得る。ライブラリーの多様性=Divは、ライブラリー中の異なる遺伝子またはタンパク質の数であり、Nは、特定のソーティングステップに使用するディバイダー配列(個々のディバイダー配列をDと称する(nは2からNまでであり、典型的には少なくとも約10からN×Mである))の数であり、ポリペプチドタグの数であり、Mは、コレクション中の、抗体のような異なる捕捉試薬および/または他のレセプターまたはその部分の数であり、そして、個々のポリペプチドタグをEと称し、ここで、mは2からMであり、好ましくは少なくとも約10からMであり、iは1からQであり、Qは抗体コレクションを用いるソーティングステップの数である。特に、ライブラリーの多様性(Div)、Div=(N×M)(Ni+1×Mi+1)...(M×N)、ここで、i、ソーティングステップは1からQである。N、N...Nが個々のステップで同じ数であり、M、M...Mが個々のステップで同じ数ならば、DIV=(N×M)。目的が、1のような望ましいレベルに多様性を減少させることであるならば、Div/(N×M)(Ni−1×Mi−1)...(M×N)=望ましいレベルの多様性であり、個々のソートにおけるMおよびNは、結果的に選択される。
【0027】
ここで、例えば、ライブラリー中に10タンパク質が存在し、個々のコレクション(M)中に100種の抗体が存在し、100複製抗体コレクションを用い(N)、2つのソーティングステップ(Q=2)が存在するならば、10(Div)の多様性を有するライブラリーのため、初期マスターコレクションを分割する反応物の数は100となる。一般的に、ソートの数は、1または2である。それはもっと多くてもよいが、最後のステップを、このステップにおいて、ある位置の実質的にすべての分子が同じとなるように、設計する。他に、より少ないソーティングステップ、典型的には1が存在し、それは、実質的に多様性を減少する。他のスクリーニング法を、更なるソーティングステップの代わりに使用し、目的のライブラリーメンバーに相当するタンパク質を同定し得る。この例では、第一のソート後、多様性は減少し、それにより、目的のライブラリーメンバーに相当するタンパク質が100中で約1で存在する;多様性(DIV)は、ファクター10で減少する。第二ソートを行う以外に、他のスクリーニング法を使用し、100中のうちの望ましい1つを同定し得る。
【0028】
コレクションの、抗体のような捕捉試薬メンバーを選択し、調製する方法をも提供する。ポリペプチドタグを設計し、タグに特異的に結合する抗体を調製するための方法を提供する。プライマーおよびプライマーのセットを調製する方法をも提供する。
【0029】
ソーティング過程を行うためのタグを導入するためのオリゴヌクレオチドおよびそのセットをも提供する。プライマーまたは二本鎖(または部分的二本鎖)として使用する実施態様のため、タグ化タンパク質の調製のためライゲーションにより導入される実施態様のための一本鎖である、オリゴヌクレオチドのセットをも提供する。プライマーを設計するための方法をもまた提供する。
【0030】
抗タグ抗体のような、捕捉試薬と結合しているかまたは捕捉試薬で被覆されているアレイまたはビーズのセット(すなわち、粒子支持体)、および捕捉試薬が特異的に結合するポリペプチドタグまたは当該ポリペプチドタグをコードする発現ベクターのセットの組合せを提供する。当該ベクターは、所望により、目的のcDNAライブラリーの挿入のためのマルチクローニングサイトを含む。当該組合せは、更に、サブクローニングに必要な酵素および緩衝液、および目的のサブライブラリーの回収に使用するライブラリーおよびオリゴヌクレオチドプライマーの形質転換のためのコンピテントセルを含み得る。抗タグ抗体のような捕捉試薬で被覆されるかまたは捕捉試薬に結合した2以上のアレイまたはビーズのセット、ポリペプチドタグをコードするオリゴヌクレオチドのセット、目的のcDNAライブラリーに付加する必要のある任意の共通領域、および所望により、ライゲーション、リガーゼ鎖反応(LCR)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に使用する任意の酵素および緩衝液を含む組合せ、ならびに/またはライブラリーにおいてcDNAにタグのパネルを付加するために必要な組合せをも提供する。当該組合せは、更に、タグ化cDNAのタンパク質産物のインビトロ転写および翻訳のためのシステム、および所望により目的のサブライブラリーの回収のために使用するオリゴヌクレオチドプライマーを含み得る。研究室で使用するため適当にパッケージしたこれらの組合せを含み、所望により使用のための指示書を含むキットをも提供する。
【0031】
ある実施態様では、抗体のような捕捉試薬のコレクションと、捕捉試薬が選択的に結合するポリペプチドエピトープをコードするオリゴヌクレオチドの組合せを提供する。オリゴヌクレオチドおよび抗体のような捕捉試薬を含み、所望により、指示書および/または更なる試薬を含むキットを提供する。当該組合せには、事前に決定したエピトープのセット、および個々のエピトープをコードするオリゴヌクレオチドのセットに特異的に結合する、抗体のような捕捉試薬のコレクションが含まれる。オリゴヌクレオチドは、一本鎖、二本鎖であるか、または制限エンドヌクレアーゼ切断により生ずる一本鎖オーバーハングのような二本鎖および一本鎖部分を含む。
【0032】
図面の簡単な説明
図1は、ネスト化ソーティングの概念を解説したものである。
図2もまた、ネスト化ソーティングを解説したものである;このソートは、図1で解説したソートと同一であるが、F2およびF3サブライブラリーはアレイに配置されている点が異なる。
図3は、高多様性遺伝子ライブラリー(high diversity gene libraries)のネスト化ソートのためのツールとしての抗体アレイの使用を解説したものである。
図4は、変異遺伝子のライブラリーを探索するために本明細書で提供した方法の適用を解説したものである。
図5は、組換え抗体ライブラリーを構成する方法を解説したものである。
図6は、ポリペプチド(エピトープ)タグを、プライマー付加を用い、組換え抗体に組込むための1つの方法を示す。
図7は、リンカー付加を用いる他のスキームを示したものである。
図8は、組換え抗体ライブラリーを探索するための本明細書の適用を示したものである。
図9は、本明細書において提供されるプライマーのエレメント、および必要とされるプライマーのセットを略図的に示したものである。
図10および11は、EDおよびEDCプライマーを構成するための他の方法を示す;図10では、オリゴヌクレオチドは、固体支持体上で3’から5’へ化学的に合成され、図11の方法では、オリゴヌクレオチドは、オーバーラッピングハイブリダイゼーションに基づき自己アセンブルする。
図12は、アレイで使用するためのハイブリドーマ細胞から産生するイムノグロブリン(Ig)を発見するためのハイスループットスクリーニングを示したものである。
図13(図13Aおよび13B)は、組換えヒト抗体を調製するための抗体鎖増幅用の典型的プライマー(配列番号12−73)を示したものである(McCafferty et al. (1996) Antibody engineering: A practical Approach, Oxford University Press, Oxfordの87−88頁の表33参照、また、Marks et al. (1992) Bio/Technology 10: 779−783およびKay et al. (1996) Phage Display of Peptides and Proteins: A laboratory Manual, Academic Press, San Diego参照)。
図14(A−D)は、抗体作成のための本明細書の方法の使用を示したものである。
図15は、修飾された特異性(または修飾された特異性を有する任意のタンパク質)を用い抗体を同定するための本明細書の方法の使用を示したものである。
図16は、同時抗体探索(simultaneous antibody searches)のために本明細書の方法の使用を示したものである。
図17は、酵素作成プロトコールにおける本明細書の方法の使用を示したものである。
図18は、タンパク質相互作用マッピングプロトコールにおける本明細書の方法の使用を示したものである。
図19は、複数のポリペプチドタグをソーティングに使用するときのタグの数の増加率を示したものである。
【0033】
制限するつもりではなく、明確な開示のため、詳細な説明を以下のサブセクションに分けている。
【0034】
(本発明の詳細な説明)
A.定義
他に特記しなければ、本明細書で使用するすべての技術および科学用語は、本発明が属する分野の当業者が通常理解する意味と同一である。本明細書の用語の定義と異なる場合には、定義は、このセクションに記載の意味に依存する。許されるならば、本明細書の開示で全体を通して言及する、すべての特許、出願、公開出願および他の刊行物ならびにGenBankおよび他のデータベースからの配列を、引用によりすべて組込む。
【0035】
本明細書で使用する場合、ネスト化ソーティングとは、本明細書で提供する抗体のアドレス可能コレクションを使用して、多様性を減少させる過程をいう。
【0036】
本明細書で使用する場合、抗タグ捕捉試薬(または本明細書では捕捉試薬のアドレス可能コレクションという)、抗体のような、タンパク質製剤(すなわち、レセプター)のアドレス可能コレクションは、エピトープ(抗原中のエピトープのようなアミノ酸配列)を含む事前に選択したポリペプチドタグに特異的に結合し、ここで、コレクションのうちの個々のメンバーは、標識され、および/または抗体のような捕捉試薬およびタグの同定を可能となるよう位置付けられる。アドレス可能コレクションは、典型的にはアレイまたはコード可能(codable)コレクションであり、この場合、それぞれの位置は、単一の特異性を有する抗体のようなレセプターを含み、同定可能である。化学性(chemical)、電子性、呈色性、蛍光性または他のタグのような他の個別のアイデンティファイアーが含まれるならば、当該コレクションは、液相中にあり得る。捕捉試薬は、抗体および他の抗タグレセプターを含む。エピトープのような事前に決定したアミノ酸配列に特異的に結合する任意のタンパク質は、捕捉試薬としての使用が予期される。
【0037】
本明細書で使用する場合、一般にタグと称される本明細書のポリペプチドタグは、捕捉試薬に特異的に結合するアミノ酸配列を含む。
【0038】
本明細書で使用する場合、エピトープタグは、抗体のような抗タグ捕捉試薬が特異的に結合するエピトープとして称される本明細書のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をいう。ポリペプチドおよびエピトープタグの場合、それぞれが結合する特異的アミノ酸配列を本明細書では一般的にエピトープという。レセプターに結合する任意のアミノ酸配列が予期される。本明細書の目的の場合、捕捉試薬に特異的に結合する、エピトープタグのエピトープ部分のようなタグのアミノ酸配列を「E」と称し、個々の特有のエピトープはEである。文脈に依存して、「E」はまた、エピトープを構成するアミノ酸をコードする核酸配列をいう。エピトープタグのようなポリペプチドタグはまた、ディバイダー領域によりコードされているアミノ酸を含み得る。特に、エピトープタグは、本明細書で提供されるオリゴヌクレオチドによりコードされており、それはタグの導入に使用される。リファレンス(reference)が形成され核酸に関してエピトープタグとなるとき(すなわち、特定レセプターまたはその部分と結合対となる)、それは、リファレンスが形成されるタグをコードする核酸である。単純化のため、個々のポリペプチドタグはEとして称される;核酸を述べるとき、Eは核酸であり、エピトープをコードする核酸配列をさす;翻訳タンパク質を述べるとき、Eはアミノ酸をさす(実際にはエピトープ)。Eの数は、アドレス可能コレクション中の抗体の数に相当する。「m」は、典型的には少なくとも10、より好ましくは30またはそれ以上、より好ましくは50または100またはそれ以上であり、所望の、かつ実用的な数となり得る。最も好ましい「m」は、約1000またはそれ以上である。
【0039】
本明細書で使用する場合、Dは、個々のディバイダー配列をいう。本明細書で述べるように、分割が他の方法で行われる特定実施態様では、Dは任意である。個々のEのように、Dは、状況に応じて核酸またはアミノ酸の何れかとなる。個々のDは、サブセットの核酸を増幅するプライミング部位として役立つ核酸によりコードされるディバイダー配列である。得られた増幅サブセットの核酸は、増幅でプライミング部位として使用するE配列およびD配列のコレクションのすべてを含む。本明細書で記載したように、核酸は、個々のEをコードする部分、好ましくは末端部分において含まれる。一般的に、コード化核酸は、ライブラリー中の核酸分子において5’−E−D−3’である。Dは、サブライブラリーを作成する特異的増幅のためのヌクレオチドの任意の特有配列である。巨大なライブラリーの場合、オリジナルライブラリーは、サブライブラリーに分けられ、次いで、マスターライブラリーにタグコード化配列を加える以外に、タグコード化配列を加える。ライブラリーが大きくなればなるほど、当該ライブラリー中の特有配列の特定にはより長い配列が必要となるため、Dの大きさは、ソートされるライブラリーの機能であるといえる。方法における機能はPCR増幅用のプライミング部位として役立つことから、応用に応じた一般的なDは、少なくとも14から16核酸塩基であり、アミノ酸配列をコードしているかもしれないし、またコードしていないかもしれない;Dは2からnであり、ここで、nは0または任意の望ましい数であり、そして一般的には10から10,000、10から1000、50から500、および約100から250である。Dのその数は、10かまたはそれよりも大きくなり得る。ディバイダー配列Dを用い、タグ化マスターライブラリーから「n」のサンプルそれぞれを増幅し、一般的に、最初のソートで使用する、アレイのような抗体コレクションの数に等しくなる。最初のスクリーニングにおいてコレクション(部分(divisions))が多くなればなるほど、アドレス可能位置あたりの多様性は少なくなる。最初の分割数は、ライブラリーの多様性および捕捉試薬の数に基づき選択される。Eが大きくなればなるほど、より小さなDが必要となり、特定の多様性(Div)を有するライブラリーの場合には逆となる。本明細書に使用するように、多様性(Div)は、核酸ライブラリーのようなライブラリーにおける異なる分子の数をいう。多様性は、より大きな任意のライブラリー中の分子の総数とは異なる。多様性が大きくなればなるほど、存在する実際の複製物の数は少なくなる。典型的には、(異なる分子の数)/(総分子数)は約1である。ランダムにタグ化されマスターライブラリーを作成する分子の数は、最初の多様性よりも小さく、マスターライブラリー中の実質的な個々の分子は異なる。
【0040】
本明細書で使用するように、アレイは、3またはそれより多いメンバーを含む抗体のようなエレメントのコレクションをいう。アドレス可能アレイは、当該アレイのメンバーが、典型的には、固相支持体上の位置によるか、同定可能または検出可能標識、色、蛍光、電子のシグナル(すなわち、目的の分子の相互作用を実質的には変えないRF、マイクロ波または他の周波数(frequency))、バーコードまたは他の記号(symbology)、化学的または他のそのような標識といったものの特長により、同定されるものである。ここで、一般に、アレイのメンバーは、固相表面上の別個の同定可能位置に固定されるか、ミクロスフェアまたは他の特定支持体(本明細書ではビーズと称する)に対し付着するように、同定可能標識に直接的または間接的に結合され、でなければ会合され、そして溶液中で懸濁されるかまたは表面上で広げられる。
【0041】
本明細書で使用するように、支持体(また、マトリクス支持体、マトリクス、不溶性支持体または固体支持体と称する)は、目的の分子、典型的には生物学的分子、有機分子または生体特異的リガンドが結合するかまたは接触する任意の固体または半固体または不溶性支持体をいう。その物質には、以下に限らないが、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ナイロン、ガラス、デキストラン、キチン、砂、軽石、アガロース、ポリサッカライド、デンドリマー、バッキーボール、ポリアクリルアミド、シリコン、ラバー、および固相合成、親和性分離および精製、ハイブリダイゼーション反応、イムノアッセイおよび他のそのような応用のため支持体として使用する他の物質といった、化学的および生物学的分子合成および分析のための親和性物質または支持体として使用する任意の物質が含まれる。本明細書におけるマトリクスは、微粒子であり得るか、マイクロタイターディッシュまたはウェル、ガラススライド、シリコンチップ、ニトロセルロースシート、ナイロンメッシュ、または他のそのような物質のような連続表面型となり得る。微粒子、典型的には粒子であるとき、少なくとも5−10mmまたはそれよりも小さな大きさとなる。本明細書で、集合的に「ビーズ」と称する粒子は、必要ではないが、しばしば球状である。しかし、そのリファレンスは、ランダムな形、針、繊維および伸長化(elongated)を含む任意の形となり得る、マトリクスのジオメトリーを制限しない。おおよそ球状の「ビーズ」、特に、液相中で使用し得るミクロスフェアもまた、予期される。「ビーズ」には、付加構成成分が、本明細書の方法および分析を妨げない限り、磁石を用い分離するための磁性または常磁性粒子(例えば、Dyna beads(Dynal, Oslo, Norway))のような付加構成要素が含まれ得る。
【0042】
本明細書で使用するように、マトリクスまたは支持体粒子は、個別の粒子の形であるマトリクス物質をいう。粒子は任意の形および大きさをしているが、典型的には、少なくとも、100mmまたはそれ未満、50mmまたはそれ未満、10mmまたはそれ未満、1mmまたはそれ未満、100μmまたはそれ未満、50μmまたはそれ未満の寸法であり、典型的には、100mmまたはそれ未満、50mmまたはそれ未満、10mmまたはそれ未満および1mmまたはそれ未満、100μmまたはそれ未満の大きさであり、1立方ミクロンのオーダーとなり得る。その粒子を集合的に「ビーズ」と称する。
【0043】
本明細書で使用するように、レセプターと交換可能的に使用される捕捉試薬とは、所定のリガンドに対する親和性または定義されるアミノ酸配列との親和性を有する分子をいう。捕捉試薬は、天然に生じ得るか、または合成分子であり、核酸、小有機体、タンパク質および特定アミノ酸配列に特異的に結合する複合体を含む任意の分子を含み得る。捕捉試薬は、本分野で抗リガンドとして称され得るレセプターである。本明細書で使用するように、捕捉試薬、レセプターおよび抗リガンドなる用語は交換可能である。捕捉試薬は、不変状態で使用し得るか、または他の種との集合として使用され得る。それらは、特定結合物質またはリンカーを介し、直接的または間接的の何れかで、結合メンバーと共有結合的または非共有結合的に結合または物理的に接触し得る。捕捉試薬の例には、以下に限らないが、抗体、細胞膜レセプター表面レセプターおよび内在化レセプター、モノクローナル抗体および特異的抗原決定基(ウイルス、細胞または他の物質といったもの)を有する抗血清反応性または単離性成分、薬物、ポリヌクレオチド、核酸、ペプチド、補因子、レクチン、糖、ポリサッカライド、細胞、細胞膜、およびオルガネラが含まれる。
【0044】
捕捉試薬の例には、以下に限らないが、
a)酵素および他の触媒ポリペプチド、以下に限らないが、基質が特異的に結合する当該酵素および触媒ポリペプチド部分、結合活性は維持し触媒活性は欠損するよう修飾した酵素;
b)抗原またはアミノ酸配列に特異的に結合する抗体およびその部分;
c)核酸;
d)細胞表面レセプター、オピエートレセプターおよびホルモンレセプターならびにホルモンのようなリガンドに特異的に結合する他のレセプター、
が含まれる。本明細書のコレクションの場合、個々のポリペプチドタグとして、本明細書でいう他の結合パートナーは、基質、抗原配列、核酸結合タンパク質、レセプターリガンドまたはその結合部分をいう。
【0045】
記載するように、分子の対、互いに特異的に結合する一般的なタンパク質が本明細書で予期される。対の1つのメンバーは、タグとして使用され、ライブラリーに結合する核酸によりコードされるポリペプチドであり、他のメンバーは、特異的に結合する任意のものである。捕捉試薬のコレクションには、典型的には少なくとも約3から10アミノ酸である既知または既知の可能性ある定義アミノ酸配列に特異的に結合する、抗体のようなレセプターまたは酵素もしくはその部分、およびその混合物を含む。
【0046】
本明細書で使用するように、抗体とは、免疫グロブリン、天然のものまたは部分的もしくは完全に合成されたものをいい、抗体の特異的結合能を維持する任意の誘導体が含まれる。ここで、抗体には、免疫グロブリン結合ドメインに相同性または実質的に相同性のある結合ドメインを有する任意のタンパク質を含む。本明細書の目的のため、抗体には、軽鎖、および重鎖の可変領域からなる、Fabフラグメントのような抗体フラグメントが含まれる。抗体には、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEを含む、任意の免疫グロブリンクラスのメンバーが含まれる。また、本明細書では、アミノ酸配列に特異的に結合するレセプターも予期される。
【0047】
ここで、本明細書の目的のため、一般的に本明細書で捕捉試薬/ポリペプチドタグとして称する、任意のセットの結合メンバーの対が、抗体およびエピトープ自体の代わりに使用され得る。本明細書の方法は、特異的相互作用のための、抗体/エピトープタグのような捕捉試薬/ポリペプチドタグに依存し、レセプター/リガンド(エピトープタグ)の任意の組合せが使用し得る。更に、本明細書の目的のため、用いる抗体のような捕捉試薬はその結合部分となり得る。
【0048】
本明細書で使用するように、抗体フラグメントとは、全長よりも短く、全長抗体の特異的結合能の少なくとも一部を保持している抗体の任意の誘導体をいう。抗体フラグメントの例には、以下に限らないが、Fab、Fab’、F(ab)、単鎖Fvs(scFv)、Fv、dsFvディアボディー(diabody)およびFdフラグメントが含まれる。当該フラグメントには、例えば、ジスルフィド架橋により、同時結合する複数の鎖が含まれ得る。抗体フラグメントは、一般的に、少なくとも約50アミノ酸、および典型的には、少なくとも200アミノ酸を含む。
【0049】
本明細書で使用するように、Fv抗体フラグメントは、非共有結合性相互作用により結合する可変重(V)ドメインおよび可変軽(V)ドメインからなる。
【0050】
本明細書で使用するように、dsFvとは、V−V対を安定化する、作成分子内ジスルフィド結合を有するFvをいう。
【0051】
本明細書で使用するように、F(ab)フラグメントは、免疫グロブリンをpH4.0−4.5でペプシンで消化した結果、得られた抗体フラグメントである:それは組換えで作成され得る。
【0052】
本明細書で使用するように、Fabフラグメントは、免疫グロブリンをパパインで消化した結果、得られた抗体フラグメントである:それは組換えで作成され得る。
【0053】
本明細書で使用するように、任意のオーダーでポリペプチドリンカーにより共有結合する可変軽鎖(V)および可変重鎖(V)を含む抗体フラグメントをいう。当該リンカーは、2つの可変ドメインが実質的に妨げられることなく架橋するような長さとなる。典型的なリンカーは、溶解度を増加させるため幾つかのGluまたはLys残基がいたるところに分散している(Gly−Ser)残基である。
【0054】
本明細書で使用するように、ディアボディーは、二量体scFvである:ディアボディーは典型的にscFvよりも短いペプチドリンカーを有し、それらは好ましくは二量体化する。
【0055】
本明細書で使用するように、ヒト化抗体とは、ヒトへ投与しても免疫応答が誘発しないような「ヒト」アミノ酸配列を含むように修飾した抗体をいう。その抗体の調製方法は既知である。例えば、モノクローナル抗体を発現するハイブリドーマは、組換えDNA技術により変化し、非可変領域のアミノ酸組成物がヒト抗体に基づいている抗体を発現する。コンピュータープログラムはその領域を同定するように設計されている。
【0056】
本明細書で使用するように、高分子とは、数百から数百万までの分子量を有する任意の分子をいう。高分子には、ペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、核酸、および生体により一般的に合成され、合成的にまたは組換え分子生物学的方法を用いて調製され得る他の分子が含まれる。
【0057】
本明細書で使用するように、「バイオポリマー」なる用語は、結合により結合する、2またはそれより多い単量体サブユニットまたはその誘導体または高分子からなる、高分子群を含む生物学的分子を意味する場合に使用する。バイオポリマーは、例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、炭水化物または脂質、またはそれらの誘導体もしくは組合せ、例えばペプチド核酸部分またはグリコプロテイン、それぞれを含む核酸分子であり得る。バイオポリマーには、以下に限らないが、核酸、タンパク質、ポリサッカライド、脂質および他の高分子群が含まれる。核酸には、DNA、RNAおよびそれらのフラグメントが含まれる。核酸は、ゲノムDNA、RNA、ミトコンドリア核酸、クロロプラスト核酸および別々の遺伝学的物質を有する他のオルガネラから誘導され得る。
【0058】
本明細書で使用するように、生体分子は、天然で見られる任意の化合物、またはその誘導体である。生体分子には、以下に限らないが、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、ペプチド核酸(PNA)、オリゴサッカライドおよびモノサッカライドが含まれる。
【0059】
本明細書で使用するように、「核酸」なる用語は、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)ならびにRNAまたはDNAの何れかの類似体または誘導体のような一本鎖および/または二本鎖ポリヌクレオチドをいう。「核酸」なる用語には、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロチオエートDNAのような核酸の類似体および他のその類似体ならびにその誘導体または組合せも含まれる。
【0060】
本明細書で使用するように、「ポリヌクレオチド」なる用語は、少なくとも2つの結合ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体を含むオリゴマーまたはポリマーをいい、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、およびDNAまたはRNA誘導体が含まれ、当該誘導体には、例えば、ヌクレオチド類似体またはホスホジエステル結合、例えばホスホトリエステル結合、ホスホラミデイト(phosphoramidate)結合、ホスホロチオエート結合、チオエステル結合またはペプチド結合(ペプチド核酸)以外の「バックボーン」結合が含まれる。「オリゴヌクレオチド」なる用語はまた、本明細書では「ポリヌクレオチド」と本質的に同義的に使用するが、当業者であれば、オリゴヌクレオチド、例えばPCRプライマーは、一般的には、約50未満から100ヌクレオチドの長さを有することを認識している。
【0061】
ポリヌクレオチド中に含まれるヌクレオチド類似体は、例えば、質量修飾ヌクレオチドであり、それにより、ポリヌクレオチド;ポリヌクレオチドを検出し得る蛍光性、放射活性、発光性または化学発光性の標識のような検出可能標識を含むヌクレオチド;または固体支持体へのポリヌクレオチドの固定化を促進するビオチンまたはチオール基のような反応基を含むヌクレオチドの質量の区別が可能となる。ポリヌクレオチドはまた、選択的切断、例えば、化学的、酵素学的または光分解的な切断である1またはそれより多いバックボーン結合を含み得る。例えば、ポリヌクレオチドは、1またはそれより多いデオキシリボヌクレオチド、その後に続いて、1またはそれより多いリボヌクレオチド、そしてその後に続き得る1またはそれより多いデオキシリボヌクレオチドを含み、その配列は、塩基加水分解により、リボヌクレオチド配列で切断される。ポリヌクレオチドはまた、例えば、ペプチド核酸結合により結合するヌクレオチド、およびホスホジエステル結合または他の適当な結合により結合する3’末端の少なくとも1つのヌクレオチドを含み得、そしてポリメラーゼにより伸長することができる、キメラオリゴヌクレオチドプライマーの切断に比較的耐性のある1つまたはそれより多い結合を含み得る。ペプチド核酸配列は、既知の方法(例えば、Weiler et al., Nucleic acids Res. 25: 2792−2799 (1997)参照)を用い、調製され得る。
【0062】
本明細書に使用するように、オリゴヌクレオチドとは、DNA、RNA、PNAのような核酸類似体、およびその組合せを含むポリマーをいう。本明細書の目的のため、プライマーおよびプローブは一本鎖オリゴヌクレオチドである。
【0063】
本明細書で使用するように、組換えによる産生とは、組換えDNA方法を用いることを意味し、クローン化DNAによりコードされるタンパク質を発現するための分子生物学の既知方法の使用を意味する。
【0064】
本明細書で使用するように、産物に実質的に同一であるとは、目的の特性が、全く変わらないぐらいに十分に類似することを意味し、その結果、実質的に同一の産物は産物の代わりに使用し得る。
【0065】
本明細書で使用するように、2つの核酸配列をいうとき、等価物とは、対象の2つの配列が、同一アミノ酸配列または等価タンパク質をコードすることを意味する。2つのタンパク質またはペプチドについて「等価物」を使用するとき、それは、2つのタンパク質またはペプチドが、当該タンパク質またはペプチドの活性または機能を実質的に変えない保存的アミノ酸置換(例えば、表1、上、参照)のみと共に実質的に同一のアミノ酸配列を有することを意味する。特性について「等価物」というときは、その特性が同程度である必要はないが、その活性は好ましくは実質的に同じである必要がある。2つのヌクレオチド配列をいう際の「相補的」とは、2つのヌクレオチド配列において、対となるヌクレオチドの間で、好ましくは25%未満のミスマッチ、より好ましくは15%未満のミスマッチ、もっとより好ましくは5%未満のミスマッチ、最も好ましくはミスマッチが全くなくハイブリダイズし得ることを意味する。一般的に本明細書において相補的であるとみなすのは、2つの分子が、高緊縮条件下でハイブリダイズする場合である。
【0066】
本明細書で使用するように、特定の緊縮条件下でハイブリダイズするとは、2つの一本鎖DNAフラグメントの間で形成されるハイブリッドの安定性を述べるときに使用し、洗浄ステップより弱いか同程度の緊縮条件下でアニーリングした後の、そのハイブリッドを洗浄するイオン強度および温度の条件をいう。典型的に、高、中、および低緊縮とは、以下の条件またはその条件と同程度の条件を含む:
1)高緊縮:0.1×SSPEまたはSSC、0.1%SDS、65℃
2)中緊縮:0.2×SSPEまたはSSC、0.1%SDS、50℃
3)低緊縮:1.0×SSPEまたはSSC、0.1%SDS、50℃。
等価条件とは、生じたハイブリッドにおいて、実質的に同じ割合のミスマッチを選択する条件をいう。ホルムアルデヒド、FicollおよびDenhardt’s溶液のような成分の添加は、ハイブリダイゼーションが構成されるような温度および反応の速度のようなパラメーターに影響を与える。そのため、42℃での20%ホルムアミドにおける5×SSC中のハイブリダイゼーションは、実質的に、低緊縮条件下の上記ハイブリダイゼーションで再引用した条件と同じである。SSPE、SSCおよびDenhardt’sの方法および脱イオン化ホルムアミドの作成は、例えば、Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Chapter 8に記載されている;Sambrook et al. vol. 3, p.B. 13参照、また、通常使用される研究用溶液を記載している多くのカタログも参照。等価の緊縮は、他の緩衝液、塩および温度を用い行われ得ると理解される。
【0067】
用語「実質的に」同一または相同または類似とは、当業者により理解されるように前後関係によって変化し、一般的には、少なくとも70%同一性を意味し、好ましくは少なくとも80%同一性を意味し、より好ましくは少なくとも90%同一性を意味し、そして最も好ましくは少なくとも95%同一性を意味する。
【0068】
本明細書で使用するように、組成物とは、任意の混合物をいう。それは、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性またはそれら任意の組合せであり得る。
【0069】
本明細書で使用するように、組合せとは、2つまたはそれより多いアイテムの間の任意の結合をいう。その組合せは、2つの組成物または2つのコレクションのような2つまたはそれより多い別個のアイテムであり得、2つまたはそれより多いアイテムの単一混合物のようなその混合物、またはその任意のバリエーションであり得る。
【0070】
本明細書で使用するように、液体とは、流れることができる任意の組成物をいう。そのため、液体は、半固体、ペースト、溶液、水性混合物、ゲル、ローション、クリームおよび他のそのような組成物の型である組成物を含む。
【0071】
本明細書で使用するように、アミノ酸の適当な保存置換は、当業者に既知であり、生じる分子の生物学的活性を一般的に変えることなく、行い得る。一般に、ポリペプチドの非必須領域における単一アミノ酸置換により、実質的な生物学的活性が変化することはないと当業者は認識している(例えば、Watson et al. Molecular Biology of the Gene, 4th Edition, 1987, The Benjamin/Cummings Pub. co., p.224)。
【0072】
その置換は、好ましくは以下のような表1に開示のものに従って行われる。
【表1】
表1
Figure 2004504607
他の置換もまた可能であり、経験的に、または既知の保存置換に従い、決定され得る。
【0073】
本明細書で使用するように、本明細書で見られる種々のアミノ酸配列で生ずるアミノ酸は、既知の、3文字表記または1文字表記で同定される。種々のDNAフラグメントで生ずるヌクレオチドは、本分野で通常用いる標準的な1文字表示で示す。
【0074】
本明細書中で使用するように、任意の保護基、アミノ酸および他の化合物は、特記しない限り、通常の用法、認識されている略語、またはBiochemical NomenclatureにおけるIUPAC−IUB Commission((1972) Biochem. 11: 1726参照)に従う。
【0075】
本明細書における方法およびコレクションは、抗体捕捉試薬、および抗体が結合するエピトープを含むポリペプチドタグに対する特定リファレンスで例示されるが、本明細書における方法が任意の捕捉試薬および任意のポリペプチドタグで実施し得ると理解される。また、任意の捕捉試薬およびポリペプチドタグのコレクションの組合せにより、本明細書に記載の任意の実施態様での使用が予期されることも理解される。また、物理的アレイの型、またはカラービーズに結合した捕捉試薬のような標識化コレクションの型のいずれであっても、アレイに対するリファレンスが任意のアドレス可能コレクションを含むことを意図されることが理解される。
【0076】
B.オリゴヌクレオチド/プライマーの設計および調製
アレイに対する高多様性ライブラリー(large diversity libraries)のソーティングおよび望ましい性質を有するクローンを含む特定プールの増殖は、特異的ポリペプチドタグでライブラリーを特徴的にタグ化する能力に依存する。オリゴヌクレオチドセットは、化学的に合成され、オーバーラッピング配列をランダムに組合し、そして一緒にライゲーションしてプライマーまたはリンカーのコレクションの酵素学的生成のための鋳型を作成する。
【0077】
オリゴヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖の何れかであり、マスターライブラリー中へ組込む方法に依存する。例えば、通常の制限酵素部位を用いるような二本鎖バージョンのライゲーション、その後の共通領域を用いる増幅により組込まれ得るか、またはPCR増幅により組込まれ得、この場合、オリゴヌクレオチドは一本鎖である。
【0078】
1.プライマー
本明細書では、プライマーである核酸分子のセットを提供するか、または二本鎖オリゴヌクレオチドを提供し、それは、プライマー群の二本鎖バージョンおよびプライマー群のセットの組合せであり、および/または二本鎖のものは、本明細書で提供される方法の種々のステップで使用され、および/または用いる実施態様に依存する。分子をタグ化するための方法の幾つかの実施態様で用いられるプライマーは、その方法の実施の中枢となる。当該プライマーは、図9に示すような式を含む、オリゴヌクレオチドを含む。当該プラスミドおよび二本鎖オリゴヌクレオチドは制限酵素部位を含み、それは、以下に示すように、例えば抗体ライブラリーのための目的遺伝子の充分な部分の標的増幅のためである。これらのプライマーは、フォワードまたはリバースプライマーであり、この場合、フォワードプライマーは、PCR増幅の最初のラウンドで使用される。下記のような、および図で示した当該プライマーをセットとして提供する。1またはそれより多い個々のセットの組合せもまた提供する。当該プライマーは、本明細書で提供する方法の中枢となる。
【0079】
2.オリゴヌクレオチド/プライマーの調製
二本鎖または一本鎖オリゴヌクレオチドを構成するための任意の適当な方法を用い得る。多数のオリゴヌクレオチドの調製に適用され得る方法を特に目的としている。2つの方法を図10および11で示しており、以下で考察する。
【0080】
図9は、タグ化ライブラリーの構成のための物理的エレメントおよび目的遺伝子(タンパク質)の同定のためのアドレス可能抗タグ抗体コレクションの使用を示している。4つのオリゴヌクレオチド/プライマーセットは、アドレス可能コレクションに加えて提供され、それは、説明目的のために、アレイ、当該アレイを分析するイメージングシステムまたはリーダーおよび所望により当該リーダーによって回収される情報を処理するソフトウェアとして提供される。示した実施態様では、プライマーセットはECを含み、ここで、Cは、すべてのオリゴヌクレオチドの間での共通部分であり、異なるEおよび/またはD配列(例えば、DからD;EからE)を用い、すべてのタグ化核酸の増幅のための領域として役立つ;DCは、異なるD配列(DからD)および所望により共通領域用のCを用い、FAECは、異なるFA配列(例えば、FAからFA)を用いる;およびFBCは、異なるFB配列(例えば、FBからFB)を用いる。個々のFAは、個々のエピトープの部分を含み、プライマーとして役立ち、対応するEをコードする核酸を増幅するが、生ずる増幅核酸は、Eエピトープを含まない。FBはFAに類似するが、エピトープの維持が望ましいならば、Eが含まれ得る点が異なる。
【0081】
図10および図11は、例として、抗体スクリーニングのための、EDおよびEDC、FAおよびFBオリゴヌクレオチド/プライマーを構成するための2種の方法の概略を示す。例えば、nをあわせもつVLFORプライマー、例えばmを有する1,000種のE配列、例えば1,000種のD配列および約13種のJkappaFor配列の合成。これにより、全部で(1,000)(1,000)(13)=13,000,000種のオリゴヌクレオチドが生ずる。進行合成ステップにおいて種々の配列領域をランダムに組合せることにより、プライマーの巨大な多様性コレクションが調製され得る。
【0082】
最初の方法(図10)は、固相合成ストラテジーを使用する。第二の方法(図11)は、オーバーラッピング相補的配列に基づき自己アセンブルするDNA分子の能力を使用する。固相合成は、反応間の基質分子から容易に固定化産物分子が精製され得、反応条件をより調節し得るという利点を有する。自己アセンブリ法は、あまり労働を必要としないという利点がある。
【0083】
図10オリゴヌクレオチドは、固体支持体から3’から5’へ化学的に合成される。対照的に、DNAは、5’から3’へ酵素学的に合成される。VLFORプライマーを作成するため、CおよびD配列は、標準的方法を用い固体支持体から化学的に合成される。更なる合成用にオリゴヌクレオチドを固相に結合するため、強力な求核原子を、アミノリンクの添加により組込み、その後、基質からオリゴヌクレオチドを切断する。アミノリンクは、オリゴヌクレオチドの5’末端に一級アミンを導入する。次いで、アミノリンクにおけるアミノ基は、常磁性ビーズのような固相に、トシル、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはヒドラジン基のようなビーズ上のアミン反応基との反応により、結合し得る。生ずるオリゴヌクレオチドは、適当な5’から3’方向であるCおよびD配列により、ビーズに共有結合する。
【0084】
E配列群の混合物を、オリゴヌクレオチドに、DNA「パッチ」の使用により加え、生ずるニックをDNAリガーゼでシールする。非組込みの基質DNAは伸長産物から生成し、Jkappa for配列の混合物をプライマーに添加する。完全VLFORプライマーはビーズから放出されるが、当該ビーズはcDNA合成をプライムするオリゴヌクレオチドの能力を妨げることはない。
【0085】
図11で解説した方法は、オーバーラッピングハイブリダイゼーションに基づき自己アセンブルするオリゴヌクレオチドに依存する。二本鎖DNA分子は、最初に、分子の+および−鎖をコードするオリゴヌクレオチドから作成される。これらのオリゴヌクレオチドを合わせ、ハイブリダイズさせ、ニック化二本鎖DNA分子を作成し、当該分子上のニックはDNAリガーゼの添加によりシールする。シール化分子は、新規DNA分子の酵素学的合成のための鋳型として使用する。DNA合成は、ビオチンのような固体支持体に結合し得る5’末端に基を有するオリゴヌクレオチド、または上記のようなアミノリンク化学を用いプライムされる。
【0086】
酵素学的合成の間の反応基の組込みは、合成完了後の一本鎖分子の精製を可能とする。完全VLFORプライマーは、ビーズから放出され得るが、ビーズは、cDNA合成をプライムするオリゴヌクレオチドの能力を妨げない。
【0087】
C.アドレス可能抗タグレセプターコレクションを用いるネスト化ソーティング
目的タンパク質を同定および選択するための先の方法は、富化の連続ラウンドの間に作成される選択バイアスにより、妨げられる。本明細書で提供するように、選択バイアスは、選択以外のソーティングに基づく同定方法の使用により避けることができる。本明細書のこれらの方法は、複数の実質的に同一性の、好ましくは複製性の、抗体のような製剤のコレクションのような捕捉試薬のコレクションの使用に依存し、その製剤は、標的ライブラリー中のタンパク質に結合するかまたは標的核酸ライブラリーによりコードされる、事前に選択したアミノ酸配列(一般的に、エピトープのような、少なくとも約5から10、典型的には7または8アミノ酸)に特異的に結合する。捕捉試薬またはその結合部分が特異的に結合するアミノ酸配列を含む捕捉試薬およびポリペプチドタグの組合せを提供する。当該タグは、核酸ライブラリー、またはソート化された分子の他のライブラリーのメンバーに結合し得る。
【0088】
1.概要
位置付けアドレス可能アレイのような、アドレス可能抗タグ捕捉試薬コレクションは、高い親和性および特異性を有する、エピトープタグのような、事前選択および/または事前設計したポリペプチドタグに結合する抗体のような、コレクション異種捕捉試薬(collection different capture agents)を含む。典型的なコレクションは、少なくとも約30、より好ましくは100、より好ましくは500、最も好ましくは少なくとも1000の、抗体のような捕捉試薬を含み、その捕捉試薬は、例えば、アレイ上で特定配置を占めることにより、またはバーコード支持体、カラーコード、またはRFタグ標識支持体または他のそのようなアドレス可能形態の支持体に結合する特徴により、アドレス可能である。個々の配置またはアドレスは、単一の特定タグに結合する、抗体のような単一型捕捉試薬を含む。タグ化タンパク質は、アレイ中の抗体のようなレセプターのコレクションと、抗体のようなレセプターとの複合化に適当な条件下、エピトープタグを介し、接触する。結果として、タンパク質は、それぞれ取り付けられたタグによりソートされる。
【0089】
これらアドレス可能抗タグ抗体コレクションは、以下のものに限らないが、治療、診断、試薬およびプロテオミクス親和性マトリクスのための;遺伝子シャッフリング法(gene shuffling methodologies)(これに限らず)のような酵素工学的適用において;改善した触媒の同定のため、抗体親和性成熟(antibody affinity maturation)のため;小分子捕捉タンパク質、配列特異的DNA結合タンパク質の同定のため、単一鎖T細胞レセプター結合タンパク質のため、およびMHCを認識する高親和性分子のため;ならびにタンパク質相互作用マッピングのため、抗体の迅速な同定を含む種々の適用を有する。典型的なプロトコールを図1−4、12、14A−Dおよび15−18に示す。
【0090】
2.ソーティング法
エピトープタグで標識された分子をソーティングに、抗体のようなレセプターコレクションを用いる方法を提供する。当該方法は、タグをコードしている核酸を加えることによりマスタータグ化ライブラリーを作成し;マスターライブラリーの一部をNの反応物に分け、個々の反応物を、ディバイダー配列をコードする核酸で各反応物を増幅し、翻訳してNの翻訳化反応混合物を産生し;個々の反応混合物を、抗体のような捕捉試薬の1コレクションと反応させ;適当なスクリーニングにより目的タンパク質を同定し、それによって、目的のタンパク質におけるタグが結合する捕捉試薬の特徴によりタンパク質における特定EDタグを同定する、ステップを含む。
【0091】
最初のソーティングステップは実質的に多様性を減少させる。望ましいならば、更なるソーティングを行うか、または生じるライブラリーを当業者に既知の任意の方法によりスクリーニングする。所望により、第二のソート、すなわち、目的のタンパク質が翻訳される核酸を含む核酸反応混合物から開始されるソートを行う。このステップにおいて、新規のセットのエピトープタグを、増幅またはライゲーション、その後の増幅により核酸に加える。この前、またはこれと同時に、前のエピトープタグをコードする核酸を、制限酵素といった切断によるか、またはエピトープコード化核酸の一部またはすべてを破壊するプライマーを用いる増幅によるか、何れかにより取除く。新規タグを加え、生ずる核酸を翻訳し、抗体の単一アドレス可能コレクションと反応させる。ポリペプチドタグによるタンパク質ソート、およびスクリーニングを行い、目的のタンパク質を同定する。この点において、抗体コレクションのアドレス可能位置における分子の多様性は1となる(または1から100、典型的には1から10のオーダーとなる)。次いで、目的のタンパク質を含む核酸を、同定化エピトープタグをコードする核酸を含む核酸分子を増幅するタグを用い増幅し、それにより、目的のタンパク質をコードする核酸を生ずる。増幅のためのプライマーは、プライマーとして役立ち、それによりコード化されているタンパク質からエピトープを除くタグのすべてまたはタグの重要部分のみを含む。本明細書により、多様なコレクションのソーティング(すなわち、多様性の減少)が可能となる方法が提供される。1のステップを含むソートは、実質的に多様性を減少する。所望なるソーティングステップの使用により、一般に多様性は10未満、一般に1に減少する。
【0092】
マスターライブラリーの分割
上記のように、本明細書におけるソーティング過程における最初のステップには、マスターライブラリーをNのサブライブラリーに分割することが含まれる。上記のように、「D」配列およびタグはマスターライブラリーに導入され得、次いで、そのマスターライブラリーは、増幅のため別のD’を用い「N」のサブライブラリーに更に分割される。
【0093】
上記のように、「D」の包含は任意であり;分割はマスターライブラリーをサブライブラリーに物理的に分割し、次いで「E」タグコード化または「EC」タグコード化配列をサブライブラリーに導入することにより行い得る。これは、一般的に、最初のライブラリーが非常に大きいとき、生ずるサブライブラリーが大きくなり、タグの分布を確実に均一になるように行う。
【0094】
3.ソーティングするためのマスターライブラリーの作成
このステップにおいて、個々のディバイダー配列に結合する個々のエピトープをコードするタグを、典型的にはcDNAライブラリーであるマスターライブラリーに導入する。核酸に二本鎖DNAフラグメントを加え、組み込む当業者に既知の任意の方法が用い得る。特に、種々の方法が本明細書で予期される。これらには、(1)それらを組込むためのPCR増幅を用いること(本明細書で例示する);(2)それらを直接またはリンカー(以下参照)を介しライゲーションすること、必要ならば、ライゲーション産物は本明細書に記載の他の方法により増幅し得、それは、本明細書の既述の見地から当業者により容易に分割し得る。
【0095】
最初のタグ化において、核酸ライブラリーの構成メンバーにおけるE、EDまたはEDCのセットのオリゴヌクレオチドを加える場合、その目的は、すべてのEおよびすべてのDの一様な分布を得ることであり、1のみの個々の型の分子においてそれらを有することである。当該タグは、異なる分子間でランダムに分布しなければならない。分子の数が、タグの数に比べて大きい限り(平均して、コレクション中の約1のみの個々の型の分子が個々のタグを得るように)、そのタグは均一に分布する。本明細書において、タグの数と比較して実質的に過剰である、コレクション中の分子の総数が好ましい。その過剰とは、少なくとも100倍、より好ましくは1000倍である。必要ならば、正確な割合は、経験的に決定され得る。実施においては、多様性よりも反応物中の分子が多いことはない。平均して、それぞれ異なる分子は、異なるタグを有し、1のみのそれぞれ異なる分子がタグ化される。
【0096】
当該方法を実施するため、エピトープ標識分子のライブラリーを、個々のタグが分子においてランダムに分布するように、非標識ライブラリー中へタグをランダムに導入することにより調製する。実験により、タグがcDNAライブラリー中にランダムにおよび均等に導入され得ることが示される。
【0097】
マスターライブラリーを、抗体のn数のアドレス可能コレクション(個々のコレクションはm種のエピトープ特異性を有する抗体を含む)と反応する、D−Dとして同定される、プールに分ける。アレイのような個々のコレクションを、コレクションまたは他のそのアイデンティファイアーにおいて、例えば、バーコード、ノーテーションまたはシンボルまたはカラーコード、電子タグまたはカラーもしくは同定可能化学的タグのような他のアイデンティファイアーを含む光学的コードにより、プールの1つと結合させる。その反応は、エピトープが抗体に特異的に結合する条件下で行い、抗体およびエピトープタグ標識分子の生ずる複合体は、望ましい性質を有する分子を特異的に同定するアッセイを用いスクリーニングする。抗体の特定コレクションおよび望ましい性質を有する分子を含む特定タグを伴う抗体は同定され、それによって、特定Dプールおよび分子上のエピトープタグもまた同定され、それによりn×mのコレクションの多様性を減少する。
【0098】
4.エピトープタグの組込みの方法
他の核酸に、ポリペプチドをコードする核酸分子を結合するか、または他の分子にポリペプチドを結合する、当業者に既知の任意の方法が予期される。例示として種々のその方法を述べる。記載するように、抗体捕捉試薬に対する特定リファレンス、および抗体が結合するエピトープを含むポリペプチドタグを用い述べているが、本明細書の方法は、任意の捕捉試薬およびそのポリペプチドタグを用い実施され得ると認識される。
【0099】
a.タグ導入のために環状プラスミドベクターを作成するライゲーション
上記するように、プライマーをライブラリーメンバーに導入するための増幅プロトコールの使用に加えて、プライマーは、直接のライゲーションにより、例えば、タグおよび他の望ましい配列をコードする核酸を含むプラスミドベクター中への導入により、導入され得る。二本鎖プラスミドベクター中へのcDNAのサブクローニングは、当業者に既知である。1つの方法には、スティッキー末端としても知られている5’または3’オーバーハングを作る部位特異的制限エンドヌクレアーゼで、精製二本鎖プラスミドを消化することが含まれる。二本鎖cDNAを同じ制限エンドヌクレアーゼで消化し、相補的スティッキー末端を作成する。他に、ベクターDNAおよびcDNAの両方に平滑末端を作成し、ライゲーションに使用する。消化したcDNAおよびプラスミドDNAを、適当な緩衝液中のDNAリガーゼ(通常、New England Biolabsから得たT4DNAリガーゼおよび緩衝液を用いる)と共に混合し、16℃でインキュベーションし、ライゲーションさせる。ライゲーション反応物の部分を、種々の方法により、DNA取り込みの能力を有するE. coli中に形質転換する(エレクトロポレーション、または化学的コンピテントセルの熱ショックの2つが通常方法である)。形質転換ミックスのアリコートを、使用するプラスミドに適当な抗生物質を含む半固体培地上にプレートする。環状プラスミドを取り入れた細菌のみが選択培地上でコロニーを形成する。特定メンバーのライブラリーの作成は同様の方法で行うが、ベクター中に挿入されるcDNAは、異なるcDNAクローンの混合物である。これら異なるcDNAクローンを、当業者に既知の種々の方法により作成する。
【0100】
cDNAライブラリーからのタンパク質発現に使用するライブラリーの作成に望ましいcDNAクローンの直接クローニングの場合、異なるスティッキー末端を生ずる2種の制限エンドヌクレアーゼをプラスミドの消化に使用する。cDNAライブラリーメンバーは、cDNAの反対末端においてこれら2つの制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含むように作成する。他に、相補的オーバーハングを作る別の制限エンドヌクレアーゼを用いる(例えば、NgoMIVによるプラスミドの消化およびBspEIによるcDNAの消化、何れの場合も5’CCGGオーバーハングを生じ、そのためライゲーションに適合する)。更に、プラスミドベクター中へのcDNAの直接導入により、ベクター中に含まれる調節配列の制御の下、cDNAが作成される。調節配列には、プロモーター、転写の開始および終止の部位、翻訳の開始および終止の配列、またはRNA安定化配列を含み得る。望ましいならば、cDNAの挿入により、発現タンパク質の精製に使用し、親和性試薬をタンパク質の検出に使用し、亜細胞性コンパートメントへのタンパク質の指示に使用し、タンパク質の翻訳後プロセッシングにシグナルを与えるタンパク質エレメントを含む、更なるタンパク質エレメントをコードする配列と同じ翻訳リーディングフレームで、cDNAが位置する。
【0101】
例えば、pBAD/gIIIベクター(Invitrogen, Carlsbad CA)には、アラビノース誘導性プロモーター(araBAD)、リボゾーム結合配列、ATG開始コドン、M13繊維状ファージ遺伝子IIIタンパク質由来のシグナル配列、mycエピトープタグ、ポリヒスチジン領域、rrnB転写ターミネーター、ならびにaraCおよびβ−ラクタマーゼオープンリーディングフレーム、およびColE1複製オリジンが含まれる。cDNAクローンの挿入に有用なクローニング部位は、挿入cDNAクローンが最初に使用酵素で消化されないように、そしてcDNAがベクター中に含まれる望ましいコード領域と同じリーディングフレームとなるように、設計され、および/または選択される。発現ベクター中への単一鎖抗体(scFv)の挿入のためには、SfiIおよびNotI部位の使用が通常である。そのため、scFvの発現用にpBAD/gIIIベクターを修飾するために、オリゴヌクレオチドPDK−28(配列番号6)およびPDK−29(配列番号7)をハイブリダイズし、NcoIおよびHindIII消化pBAD/gIII DNAに挿入する。得られたベクターは、遺伝子IIIリーダー配列およびエピトープタグと同じリーディングフレームでscFv(Amersham−Pharmacia の「Mouse scFv Module」のような標準的方法で作る)を挿入し得る。
【0102】
本明細書で使用する場合、発現タンパク質のライブラリーを、複数のエピトープタグおよびそれらを認識する抗体を用いて更に分割(subdivide)する。複数のエピトープタグを用いタンパク質の発現用ライブラリーを作成するため、上記の技術を僅かに改良したサブクローニング技術を用いる。複数のcDNAクローンは、生ずるライブラリーが別エピトープタグでタグ化されるcDNAクローンを含み、個々のエピトープタグが均等に表されるように、異なるプラスミドベクター(単一型プラスミドベクターの代わりに)の混合物中へ挿入される。挿入cDNAメンバーと融合して翻訳されるエピトープタグとは異なるように、マルチプルプラスミドベクターが作成される。例えば、1000のエピトープタグ配列があれば、1000種のベクターが構成され、250のエピトープタグ配列があれば、250種のベクターが構成される。当業者ならば、これらベクターの構成方法が複数あることを理解する。解説として、pBAD/gIIIプラスミドのmycエピトープコード化領域は、XbaIおよびSalI制限酵素消化により除かれ、巨大な4.1kbフラグメントが単離される。オリゴヌクレオチドPDK−32(配列番号8)とPDK−33(配列番号9)のハイブリダイゼーションにより、XbaIおよびSalIに適合するオーバーハングが作成され、それにより、当該産物は、直接挿入され、HA11抗体のエピトープをコードする(以下の表を参照)。PDK−34(配列番号10)とPDK−35(配列番号11)のハイブリダイゼーション産物の挿入により、挿入cDNAのフレームでFLAG M2エピトープ(以下の表を参照)を有するベクターが生ずる。
【表2】
Figure 2004504607
【0103】
これら個々のベクターは、ベクター中にcDNAクローンをサブクローニングし得るSfiIおよびNotI制限エンドヌクレアーゼ部位をシェアしている。同様に、更なるオリゴヌクレオチドは、種々のベクターのコレクションを作成するため同じ位置に挿入し得る多種のエピトープタグをコードするように設計され得る。
【0104】
異なるエピトープタグを含むベクターに対応するプラスミドDNAは、当業者に既知の方法を用い調製される(Qiagenカラム、CsCl密度勾配精製など)。個々のプラスミドから精製した二本鎖DNAをOD260または他の方法で定量し、次いで、2つの制限酵素による消化前に同量を合わせ、仔ウシ腸ホスファターゼで処置する(CIP, New England Biolabs)。目的のcDNAクローンはまた、同じ制限酵素で消化する。消化プラスミドDNAおよびcDNAクローンをアガロースゲルで分離し、不必要なスティッキー末端を取除き、標準的方法(Qiagen gel purification kit, GeneClean kitなど)を使用しアガロース切片から精製する。cDNAクローンおよびプラスミド混合物を、T4DNAリガーゼ(New England Biolabs)と3:1のモル比(ベクターへの挿入)で1×リガーゼ緩衝液中で反応させる。典型的に、ライゲーション反応物は、約10ng/μlプラスミドDNAおよび0.5units/μlのT4DNAリガーゼを適当な緩衝液中に含み、16℃で12から16時間インキュベーションする。当該反応物は、滅菌水で8−10倍希釈し、アリコートをエレクトロポレーションによりTOP10F’(InvitrogenからのエレクトロコンピタントE. coli細胞)中に形質転換する。SOC(Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press; SOCは、pH7で2%(w/v)トリプトン、0.5%(w/v)酵母抽出物、8.5mM NaCl、2.5mM KCl、10mM MgClおよび20mM グルコースである)のような液体培地を添加し、細胞を1時間37℃で回復させる。形質転換混合物のアリコートを100μg/mlアンピシリンを含むLB寒天プレートにプレートする。プレートを37℃で12から16時間インキュベーションし、次いで各クローンを分析する。この分析により、最初の混合物中に存在する個々のエピトープタグは、最終ライブラリー中で均等となることが示される。
【0105】
例えば、EDC配列を含む一連のプラスミドベクターは、当該一連の個々のベクターがEDC配列の単一組合せを含むように、作成される。例えば、1000のE配列は1000のD配列および単一のC配列と組合せて存在するならば、10(1000×1000×1)の組合せが可能であり、それゆえ、10ベクターが作成される。これらの個々のベクターが制限酵素エンドヌクレアーゼ部位をシェアし、ベクター中にcDNAクローンをサブクローニングし得る(好ましくは定方向的(directional))。10すべてのベクターから精製したプラスミドDNAを混合し、次いで、制限エンドヌクレアーゼで消化する。他に、各ベクターを示すDNAを消化し、次いで混合し、レシピエントベクターのプールを作成する。目的のライブラリーを示す二本鎖cDNAを、また、制限エンドヌクレアーゼで消化し、ベクター消化により作成される末端にライゲーションが適合する末端を作成する。これは、ベクターおよびcDNAの消化の場合と同じ酵素を用いることにより、または相補性オーバーハングを生ずるものを用いることにより(例えば、NgoMIVとBspEIの両方により5’CCGGオーバーハングを生じ、そのためライゲーションに適合する)、行い得る。他に、ベクターDNAとcDNAの両方の平滑末端を作成し、ライゲーションに使用する。消化cDNAクローンおよび消化ベクターDNAは、T4DNAリガーゼ、E. coli DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼまたは他の適合可能酵素のようなDNAリガーゼを用い、適当な反応緩衝液中、ライゲーションする。生じたDNAを細菌、酵母に形質転換するか、またはインビトロのRNA転写の鋳型として直接使用する。ベクターの設計は、制限エンドヌクレアーゼ部位におけるcDNAの挿入により、cDNAが発現し得るプロモーター配列の制御下にcDNAが位置するように行う。加えて、ベクターからのタンパク質発現において、エピトープタグに融合したcDNAコード化ポリペプチドを含む融合タンパク質が産生されるように、cDNAをE配列と同じリーディングフレームにする。コード化エピトープタグが、生ずるタンパク質のNまたはC末端の何れかと融合するように、ベクター中にE配列を位置付ける。(制限酵素消化、DNAライゲーション、および形質転換には、例えば、Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Chapter 1参照)
【0106】
b.直鎖状タグ化cDNAを生ずる配列のライゲーション
cDNAライブラリーの作成後、配列を、ライゲーションを介しcDNAクローンに加える。個々のEDC配列組合せを含む直鎖状、二本鎖DNAを種々の方法により作成する(合成、配列を含むプラスミドの消化、より短いオリゴヌクレオチドのアセンブリなど)。異なるEDC配列を含むこれら直鎖状dsDNAを、それぞれが混合物中で均等に示されるように混合する。この混合物を二本鎖cDNAライブラリーと合わせ、適当な緩衝液中、核酸リガーゼを用いライゲーションする。これは、好ましくはDNAリガーゼであるが、EDCタグがRNAで構成されるかまたはRNA/DNAハイブリッド分子であるならばRNAリガーゼを使用し、また、ライブラリーは、RNAまたはRNA/DNAハイブリッドの形となる。1つの実施態様では、EDC配列は両末端で平滑末端となり、さらに、一方のみの末端は、ライゲーションが定方向的に生じ(EDC配列に関し)、E配列がcDNAと同じリーディングフレームでもたらされるように(生ずるタンパク質のNまたはCの何れかの末端において)、リン酸化する。他の実施態様では、EDC配列は、一方の末端で平滑末端となり、ライゲーションが定方向的に生じるように他の末端にオーバーハングを有する(Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press Chapter 8参照)。EDC配列は、連続的に二本鎖となり、一本鎖中心部分を有する部分的に二本鎖となり得る。
【0107】
他の実施態様では、cDNAライブラリーは、制限エンドヌクレアーゼ部位を含むように作成され、同じ制限酵素部位は、適当な酵素による個々の消化において適合する末端が作成されるように、EDC配列中に含まれる。消化ライブラリーは、適当な緩衝液中でDNAリガーゼを用い消化EDC配列の混合物とライゲーションする。他の実施多様では、cDNAライブラリーは、制限エンドヌクレアーゼ部位を含むように作成し、EDC配列は、cDNAにおいて作成されるオーバーハングに適合するオーバーハングを生ずる制限酵素部位を含むように、消化する。これら2つの適合可能部位のライゲーションにおいて、配列は、オーバーハング作成に使用する何れかの酵素では切断できないように、作成される。この場合、ライゲーション反応の産物は、オーバーハング作成に使用する酵素により消化される。他に、ライゲーション反応は、オーバーハング作成に使用する酵素の存在下、生ずる(Biotechniques 1999 Aug; 27(2): 328−30, 332−4, Biotechniques 1992 Jan; 12 (1): 28, 30)。
【0108】
この方法は、cDNAとcDNAとのライゲーションまたはEDC配列とEDC配列とのライゲーションを減少および/または除去し、そのため、cDNA−EDC産物を富化する。適合可能オーバーハングを作成し得る酵素対には、AgeI/XmaI、AscI/MluI、BspEI/NgoMIV、NcoI/PciIおよび他のもの(New England Biolabs 2000−2001 カタログ p184および218の表の一部)が含まれる。EDC配列およびcDNAは、ライゲーション後、同じリーディングフレームとなるように設計される。そのため、この構成物からのタンパク質発現において、エピトープタグに融合するcDNAコード化ポリペプチドを含む融合タンパク質を産生する。E配列は、コード化エピトープタグが、得られるタンパク質のNまたはC末端のいずれかと融合するように、最終構成物中に位置する。
【0109】
他の実施態様では、cDNA、EDC配列またはその両方が、DNAにハイブリダイズするRNAを伴う領域を含むように、作成される。RNAは、一本鎖DNAオーバーハングが生ずるように、適当なRNAse(タイプ2RNAse Hを含む)による消化により取除かれ得る。このオーバーハングは、上記方法により、または制限エンドヌクレアーゼ消化により、何れかにより生ずる適合可能オーバーハングに結合し得る。更に、オーバーハングおよびフランキング配列は、EDC配列が他のEDC配列にライゲーションされるならば、生ずる配列は特定制限酵素により消化し得る方法で、設計される。同様に、cDNAを他のcDNAにライゲーションさせるならば、生ずる配列は、他の制限酵素により切断し得る。ライゲーション反応は、制限酵素の存在下生じ、またはその後に酵素により処理し、cDNA−cDNAまたはEDC−EDCライゲーションイベントの発生を減少する(上記酵素対および引用文献を参照のこと)。EDC配列およびcDNAは、ライゲーション後、同じリーディングフレームとなるように設計する。そのため、この構成物からのタンパク質発現において、エピトープタグに融合するcDNAコード化ポリペプチドを含む融合タンパク質を産生する。E配列は、コード化エピトープタグが、生じるタンパク質のNまたはC末端の何れかに融合するように、最終構成物中に位置付けられる。他の実施態様では、PCRを用い、cDNA、および特定の熱安定性DNAポリメラーゼにより複製することはできないRNA配列の特定領域を含むPCRプライマーを用いる異なるEDC配列を作成する。そのため、RNAオーバーハングは、同じ方法によりまたは制限酵素消化により生ずる相補的オーバーハングにライゲーションし得るように、維持される。RNAまたはDNAオーバーハングクローニングは、Coljee et al(Nat Biotechnol 2000 Jul; 18 (7): 789−91)に記載されている。
【0110】
他の実施態様では、EDC配列は、cDNAの3’領域やEDC配列の5’領域に相補的なスプリント(splint)オリゴヌクレオチドに対するハイブリダイズによりcDNA配列の近くにもたらされる(Landegen et al., Science 241: 487, 1988)。cDNAとEDCとの結合は、適当な反応条件下、核酸リガーゼにより行う。他の実施態様では、スプリントオリゴヌクレオチドは、cDNAの5’領域およびEDC配列の3’領域に相補的である。何れの場合も、cDNAライブラリーの異なるメンバーは、共通領域(3’または5’末端において)をシェアし、異なるEDC配列もまた共通配列をシェアし(5’または3’末端において)、それにより、単一スプリントオリゴヌクレオチド配列は、cDNAライブラリーの任意のメンバーにハイブリダイズし、また一連のEDC配列のそれぞれにハイブリダイズし得る。これらの個々の実施態様では、スプリントオリゴヌクレオチド、cDNAおよびEDC配列は、一本鎖または二本鎖DNA、またはDNAおよびRNAの組合せであり得る。cDNA、EDC配列およびスプリントオリゴヌクレオチドの混合物は、高温で変性し、二次構造およびハイブリダイゼーションの存在を排除する。次いで、ハイブリダイゼーションが生ずるように当該反応物を冷却する。スプリントオリゴヌクレオチドがモル過剰で存在する場合、3つの望ましいコンポーネントを含むハイブリダイゼーション産物(cDNA、EDCおよびスプリントオリゴヌクレオチド)を得る。核酸リガーゼを添加し、当該反応物を適当な条件下、インキュベーションする。
【0111】
他の実施態様では、スプリントオリゴヌクレオチド、cDNAライブラリーおよびEDC配列を上記の例のように設計する。次いで、リガーゼ鎖反応(ligase chain reaction)(LCR, F. Barany (1991) The Ligase Chain Reaction in a PCR World, PCR Methods and Applications, vol. 1 pp. 5−16参照; また米国特許番号5,494,810参照)は、複数サイクルの、変性、ハイブリダイゼーション、および熱安定性リガーゼによるライゲーションを用い行う。cDNA−EDC産物の増幅の場合、二本鎖cDNAおよび二本鎖EDC配列が必要である。
【0112】
c.タグ導入のためのプライマー伸長およびPCR
他の実施態様では、EDC配列は、cDNAライブラリーの作成に間にcDNAクローンに加えられる。この場合、EDC配列は、望ましいmRNA群にハイブリダイズし得るように設計される。このEDCは、プライマーとして役立ち、RNAは、逆転写酵素(AMV−RT、M−MuLV−RTまたは鋳型としてRNAに相互的なDNAを合成する他の酵素)を用いるDNAの合成に鋳型として役立つ。新規合成cDNAは、RNAに相補的であり、5’末端でEDC配列を有する。DNAポリメラーゼを用いる第二の鎖合成により、RNAの3’末端に対応する末端においてEDCと共に二本鎖DNAが生ずる。この実施態様では、一連のEDC配列のすべてのメンバーが、RNAに対するハイブリダイゼーションのための共通3’末端をシェアする(例えば、遺伝子ファミリーの類似メンバーのライブラリーの場合)。他に、EDC配列は、RNAをランダムプライミングするための3’末端にランダムヌクレオチドの配列を有する(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd edition, Sambrook et al, Chapter 8)。
【0113】
他の実施態様では、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用い、EDC配列をcDNAクローンに加える。cDNAライブラリーは、すべてのメンバーが3’末端で共通領域をシェアする方法で作成される(例えば、この共通配列を含むオリゴヌクレオチドにより第一鎖cDNA合成をプライムするか、または二本鎖cDNAクローンにリンカー配列をライゲーションする)。更に、cDNAライブラリーの個々のメンバーは、5’末端に別の共通配列(「C」)をシェアする。一連のEDC配列における個々の特有のメンバーは、cDNA中の共通領域の1つに相補的な共通3’末端を有する。EDC配列のこの混合物は、ポリメラーゼ連鎖反応中の増幅プライマーの1つとして役立つ。cDNAの反対の末端の共通領域に相補的なオリゴヌクレオチドは、第二の増幅プライマーとして役立つ。cDNAライブラリーを、適当な緩衝液条件中で、一連のEDC増幅プライマー、第二のプライマーおよび熱安定性ポリメラーゼ(Taq、Vent、Pfuなど)と合わせ、複数サイクルの、変性、ハイブリダイゼーション、およびDNAポリメライゼーションを行う。他に、cDNAライブラリーを、共通配列の添加後、更に分割し、アリコートを適当な緩衝液条件中で、個々のEDC配列、第二のプライマーおよび熱安定性ポリメラーゼ(Taq、Vent、Pfuなど)と混合し、複数サイクルの、変性、ハイブリダイゼーション、およびDNAポリメライゼーションを行う。
【0114】
d.遺伝子シャッフリングによる挿入
他の実施態様において、EDC配列を、「DNAシャッフリング」または分子ブリーディング(例えば、Gene 1995 Oct 16; 164 (1): 49−53; Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1994 Oct 25; 91 (22): 10747−51; 米国特許番号6,117,679)によりcDNAに加える。一連のEDC配列中の個々のメンバーは、cDNAライブラリーメンバー中の共通領域の1つに相補的な共通3’末端を有する。cDNAライブラリーの作成または変異誘発の間、EDC配列は、PCR反応物中に含まれ、そのEDC配列は、cDNAクローンのフラグメントと共にアセンブルされ得る。
【0115】
e.組換えストラテジー
組換えストラテジーはまた、cDNAクローン中へのタグの導入に使用し得る。例えば、三重らせん体誘発組換えは、cDNAクローンにEDC配列を加えるのに使用する。cDNAライブラリーは、すべてのメンバーが一端において共通配列をシェアする方法で作成する。一連のEDC配列は、cDNAライブラリー中の共通配列に相当相同性のある領域を含むように設計する。EDC配列およびcDNAライブラリーは、第三の相同性オリゴヌクレオチドによる細胞フリー組換えシステム(J Biol Chem 2001 May 25; 276 (21): 18018−23)において組合され、組換えが生じ得る。
【0116】
他の実施態様では、部位特異的組換えが使用され、cDNAクローンにEDC配列が加えられる。部位特異的組換えシステムは、loxP/cre(米国特許番号6,171,861; 米国特許番号6,143,557)、FLP/FRT(Broach et al. Cell 29: 227−234 (1982))、attBおよびattP部位を有するラムダインテグラーゼ(米国特許番号5,888,732)、および多数の他のものを含む。一連のEDC配列およびcDNAライブラリーのメンバーは、リコンビナーゼタンパク質により認識される共通配列を含むように設計される(例えば、loxP部位)。EDC配列およびcDNAライブラリーは、組換えが生じ得る適当な条件下、部位特異的リコンビナーゼ(例えば、creリコンビナーゼ)を含む細胞フリー組換えシステム(Protein Expr Purif 2001 Jun; 22(1): 135−40)中で組合される。他に、組換えイベントは、望ましいリコンビナーゼを発現する細菌、真菌、または高等真核生物細胞のような細胞内で生ずる(例として、米国特許番号5,916,804、6,174,708および6,140,129)。
【0117】
他の実施態様では、細胞中の相同組換えは、EDC配列をcDNAクローンに加えるために使用する。E. coli(Nat Genet 1998 Oct; 20 (2): 123−8)、酵母(Biotechniques 2001 Mar; 30(3): 520−3)、および哺乳類細胞(Cold Spring Harb Symp Quant Biol. 1984; 49: 191−7)を、DNAセグメントの組換えに使用する。EDC配列を、cDNAを含むプラスミドベクター中の2つの分離領域に相同な5’および3’領域の両方を含むように設計する。相同領域の長さは使用する細胞型に依存する。cDNAおよびEDC配列を細胞中に共形質転換し、相同組換えは、細胞中で発現する組換え/修復酵素により行う(例えば、米国特許番号6,238,923参照)。
【0118】
f.トランスポザーゼによる組込み
他の実施態様では、トランスポザーゼは、cDNAクローンへEDC配列を転移させるために使用する。トランスポゾンの組込みは、ランダムにまたは非常に高い特異性で行われ得る。Tn7のようなトランスポゾンは、高部位特異的であり、DNAのセグメントの移動に使用される(Lucklow et al., J. Virol. 67: 4566−4579 (1993))。EDC配列は、逆位反復配列(inverted repeat sequence)(使用するトランスポザーゼに特異的)間に含まれる。cDNAライブラリー(または存在するプラスミドベクター)のメンバーは、トランスポザーゼにより認識される標的配列を含む(例えば、attTn7)。インビトロまたはインビボ転移反応により、EDC配列がこの部位に挿入される。
【0119】
g.スプライシングによる組込み
他の実施態様では、RNAスプライスアクセプターおよびドナー配列が隣接するEDC配列は、転写され翻訳されるmRNA中に組込むような方法で種々の細胞系のゲノム中に挿入される(米国特許番号6,096,717および米国特許番号5,948,677参照)。タンパク質は、これらの有機体から単離され、それゆえ、エピトープタグを含み、抗体のコレクションにより分離されやすい。
【0120】
他の実施態様では、EDC配列は、RNAのトランススプライシングによりライブラリーメンバーに加えられる。RNAはEDC配列を形成し、RNAスプライスアクセプター配列が先に位置するか、またはその後、スプライスドナー配列がcDNAクローンのライブラリーを受け入れる細胞中で発現する。RNAのトランススプライシング(Nat Biotechnol 1999 Mar; 17(3): 246−52、および米国特許番号6,013,487)により、EDC配列はライブラリーメンバーに加えられる。
【0121】
4.第一のソーティングステップ
タンパク質が核酸ライブラリーによりコードされる実施態様でソーティングする場合、タンパク質を、事前に選択されたタグを含む核酸から産生する。少なくとも1つまでの一連のソーティングステップを行う。最初のステップでは、最初のタグが、直接の結合により、またはマスターライブラリーを作成するエピトープEおよびディバイダー領域Dをコードするオリゴヌクレオチドのプライマー組込みにより、核酸中に導入される。個々の核酸分子は、mのエピトープのうちの1つおよびnのディバイダーのうちの1つをコードする一端における領域を含む。
【0122】
次のステップでは、nのサンプルのそれぞれが、Dを含むプライマーにより増幅され、nのセットの増幅核酸サンプルを作成し、ここで、個々のサンプルは、主として、単一のDおよびすべてのE(E−E)を含む増幅配列を含む。nのサンプルのそれぞれすべてのアリコートまたは部分が翻訳され、nの翻訳サンプルが産生される。個々の「n」の翻訳反応からのタンパク質は、抗体のような捕捉試薬、コレクションの1つと接触し、この場合、コレクション中の個々の捕捉試薬は特異的にEと反応し、抗体のような個々の捕捉試薬は、同定され得、捕捉試薬によるポリペプチドタグへの特異的結合により捕捉試薬タンパク質複合体が産生される。
【0123】
生ずる複合体は、好ましくは色素生産的、発光的、蛍光的のレポーターを用い、スクリーニングされ、目的のタンパク質に結合するものに同定され、それにより、目的のタンパク質に結合するEおよびDを同定する。
【0124】
5.第二のソーティングステップ
ソートすべきタンパク質の多様性により、複数の可能なタンパク質が最初のソート後同定されるならば、更なるソーティングステップを用い得る。他に通常のまたは他のスクリーニング法は、同定タンパク質から目的タンパク質を同定するために使用し得る。この段階での多様性が比較的低い(例えば、1から約5000など)ならば、同定Dを含むサンプルは、通常のまたは標準のスクリーニング方法を用いスクリーニングし得るか、または更に多様性を減少させるため第二のソーティングステップを行い得る。
【0125】
そのため、第一のソート後の多様性が実際に高い(例えば、約100以上、または500以上または10以上、または応用および望ましい結果に応じて、高すぎて当業者が他の方法によりスクリーニングできないと思うならば、いくらでも)ならば、更なるソーティングステップを行う。
【0126】
これら更なるステップの場合、同定Dを含むサンプル中の核酸は、結合核酸の増幅に十分であるが、Epの再導入には不十分な、個々のエピトープコード化タグ(それぞれEと称する)の部分(FAと称する)をそれぞれ含む一連のプライマーのセットで増幅され、この場合、個々のプライマーは、式HO−FA−Eのヌクレオチド配列を含むかその配列であり、更にこの場合、pは1からmの整数である。この増幅により、核酸中にエピトープコード化配列の別の1つを導入し、サブライブラリーメンバー中で分散するすべてのエピトープを再び含むcDNAクローン(オリジナルのサブライブラリー)のコレクションを作成する。
【0127】
この第二のソーティングステップでは、増幅を新規セットのタグに導入するならば、コンカテマー形成は、低濃度のFAプライマーを用い、その後、FAプライマーにより導入される共通領域をコードする過剰のプライマーにより最小化され得る。FAプライマーを使用の後、共通プライマーが組込みのためFAプライマーと拮抗する。C領域が鋳型核酸分子中に組込まれるからである。
【0128】
他に、上記のように、新規セットのエピトープコード化配列は、鋳型に対するリンカーを介してライゲーションされ得る。これを行うため、この鋳型は、特有制限酵素で切断され、リンカーはライゲーションされる。これにより、エピトープコード化酵素の存在が除かれ、新規セットのエピトープと置換される。ライゲーション後、共通領域で増幅され得る。他の方法もまた使用し得る。
【0129】
第二ソーティングステップのためのサブライブラリーの作成において、マスターライブラリーに関し、平均して、個々異なる分子は異なるタグを有し、それぞれの種類のうちの1つがタグ化されることを確実にする条件を使用する必要がある。このラウンドでは、平均して、1つのタグは、異なる分子のそれぞれに結合する。しかし、このラウンドでは、多様性は、最初のソーティングステップにより多様性をm×nに減少しているため、非常に低くなる。サブライブラリーメンバー中において、ポリペプチドタグコード化配列に結合し分散する、上記任意の方法を使用し得る。
【0130】
適当な化学量論を選択することにより、異なるタグが、ライブラリー中の個々の異なるメンバーと確実に一体化する(get on)。エピトープコード化分子のメンバーは、サブライブラリー中の分子の数に比して小さくなり、それにより、異なる分子群の間での一様に確実に分布し、それによって、任意の特定タグが特定ライブラリーメンバーとなる見込みは小さい。最初のソーティングステップおよびマスターライブラリーの調製に関し、好ましい割合および濃度が、それらを変えおよび試験することにより経験的に決定され得る。
【0131】
生ずるサブライブラリー中の核酸が翻訳され、例えば、ウエスタンブロッティング条件下で翻訳タンパク質が、抗体のような捕捉試薬のコレクションの1つ(または多数のその複製物)と接触し、捕捉試薬タンパク質複合体を形成する。複合体中のタンパク質をスクリーニングし、目的のタンパク質に結合するエピトープに結合する、抗体またはレセプターのような捕捉試薬遺伝子座(locus)(または座位(loci))を同定し、それにより、「E」、目的のタンパク質と結合するエピトープ配列を同定する。Eと称する同定「E」、エピトープ配列を含むサブライブラリー中の核酸分子は、式5’FB3’(または5’CFB3’)を含むプライマーで特異的に増幅し、ここで、個々のFBは、エピトープ配列のE部分を用いる結合核酸の増幅に重要であり、Eのすべてまたは一部を含む。これは、目的の核酸分子を特異的に増幅する。
【0132】
要約すると、多様性(Div)は、ライブラリー中の異なる分子の総数(すなわち、10)、N=D−Dの除数(その数は、10のような捕捉試薬の異なるコレクションの数である);M=10のような異なるエピトープタグ(および捕捉試薬)E−Eの数と均しい。当該方法を開始するため、マスタータグ化ライブラリーを調製し、N回分割する。Nのサンプルの部分を翻訳し、Mの捕捉試薬(ソート1)をそれぞれ含むNのアレイにスポットする。このステージでは、M×N=10である。この第二のソートの場合、10のような「M」、新規エピトープを使用し、核酸を翻訳し、抗体のような10の捕捉試薬の1つのアレイにソートし、それにより、多様性は10に減少する。結果として、アレイにおける個々の遺伝子座(粒子同定可能支持体への結合を供するならばコレクションのメンバー)は、単一型のタンパク質および単一捕捉試薬を有する。ソーティングステップの数は、任意の望ましい数であり得るが、典型的には1または2である。ソートの数がより高くなれば、第一のソートにおける検出アッセイの感度は非常に高くなる。多様性の結果として、目的のタンパク質の濃度が低くなるためである。上記のように、MおよびNは、個々のソーティングステップで異なり得る。
【0133】
分子のコレクション、特にタンパク質、DNA、小分子のコレクションおよび他のコレクションの種類をソートし得る、ネスト化ソーティングの方法を図1−18に示す。ネスト化ソーティングの概念を図1に示す。この例では、cDNAのような74,088種のアイテムを含むマスターコレクションを、42のサブライブラリー(F1サブライブラリー)中に当該コレクションをランダムに分割することにより、探索する。42のF1サブライブラリーが、例えば、プローブとの結合またはプローブとの反応により、またはタンパク質−タンパク質特異的相互作用により、目的のアイテムを含むものを同定した後、そのグループを更にランダムに42の新規サブライブラリー(F2サブライブラリー)に分割し、目的のアイテムを含むサブライブラリーを再び同定する。目的のアイテムを含むF2サブライブラリーの最終分割により、1つのみのアイテムをそれぞれ含む42の新規グループを作成する。目的のアイテムは、ソーティング系列に基づき唯一同定され得る。
【0134】
示した例では、目的のアイテムは、5番目のF1サブライブラリー、31番目のF2サブライブラリー、および16番目のF3サブライブラリーで同定した。マスターコレクションの74,088アイテムのうち、1つのみがソート系列F1/F231/F316となる。
【0135】
図2で解説するソートは、図1で解説するソートと同一であるが、F2およびF3サブライブラリーはアレイ中に配列される点が異なる。この図は、また、ソートの結果として個々のサブライブラリー中のアイテムの多様性が減少し;例示のマスターコレクションが74,088アイテムを含むこと、42のF1サブライブラリーがそれぞれ1,764アイテムを含むこと、42のF2サブライブラリーが42のアイテムを含むこと、そして42のF3サブライブラリーがアイテムを1つのみ含むことを示す。最初の2つの図は、ネスト化ソーティングに基づく理論的探索を示している。
【0136】
図3は、高多様性遺伝子ライブラリーのネスト化ソートのツールとして、抗体アレイのような捕捉試薬アレイの使用を示す。マスター遺伝子ライブラリーを最初にランダムにサブライブラリーの数に、PCRのような分離増幅反応のにより、分割する。増幅反応には、マスター鋳型プールから遺伝子の異なるサブライブラリー(F1サブライブラリー)を特異的に増幅するプライマーの適当な設計により、事前に選択したエピトープをコードし、遺伝子中に組込まれる特有ヌクレオチド配列のセットを使用する。これらの増幅反応は、例えば、適合性サーモサイクラーを用い96ウェル(または384ウェルまたはそれよりも高い密度)で行う。
【0137】
個々のウェル中の増幅遺伝子をタンパク質産物に翻訳し、次いで、それぞれからサンプルを適用し、アレイのような捕捉試薬コレクションを分離する(すなわち、96ウェルプレート中の個々のウェルからのタンパク質を96捕捉試薬アレイの1つに適用する)。アレイにおいて、抗体のような捕捉試薬にに対する結合により、タンパク質を、プライマーを使用しタンパク質に加える既知特有アミノ酸配列(エピトープ)を認識するアレイ上の定義位置にソートする。ソーティングの後、目的のタンパク質を含むアレイ上のアドレスを同定し、アレイ中のスポットに結合するエピトープコード化配列を有するタンパク質からのサブライブラリーからの核酸を、例えばPCRで増幅する。
【0138】
この第二の増幅ステップの間、既知エピトープの新規セットを核酸に組込み、それにより、更なる捕捉試薬アレイ(F3)を用い更にソートされ得る。
【0139】
図3の表は、PCRによる最初の分割の数がどれくらいか、およびアレイを組合し、例えば100万(10)から10億(10)種を超える遺伝子を含む遺伝子ライブラリーを探索できる捕捉試薬の数はどれくらいか、を示す。例えば、最初の遺伝子ライブラリーを、増幅により100のF1サブライブラリーに分割し得、次いで100種のエピトープを認識する捕捉試薬を有する2つのアレイを使用し更に分割し得る。最初の遺伝子ライブラリーが10種の遺伝子を含むならば、サブライブラリー中のF3アドレスは単一型の遺伝子を含む(10/100/100/100=1)。PCR増幅により1000のF1サブライブラリーに分割され、次いでF2およびF3サブライブラリーを作成する1,000種のエピトープを認識する捕捉試薬を有する2アレイを用い更に分割される最初の遺伝子ライブラリーは、10種の遺伝子(10/1,000/1,000/1,000=1)の探索に使用し得る。
【0140】
サブライブラリー中への遺伝子ライブラリー分割は、プライマーの対を用い、DNA配列を特異的に増幅するPCR増幅反応の能力に基づく。両方のプライマーは、鋳型DNAの何れかの末端において配列にハイブリダイズする必要があるが、鋳型配列のサブセットは、プライマー対を用い増幅し得、この場合、その一方のプライマーは、すべての鋳型配列に共通であり、他方のプライマーは、目的の遺伝子配列に特異的である。例えば、特定遺伝子は、しばしば、目的の遺伝子に特異的である一方のプライマーおよびcDNA分子のすべてに共通なオリゴ(dA)テイルにハイブリダイズする他方のプライマーを用い、cDNAライブラリーから増幅する。
【0141】
6.単一の融合タンパク質中の複数タグの使用
本明細書で提供するシステムはエピトープタグを使用し、scFvのライブラリーのようなタンパク質ライブラリーを更に分割する。例えば、1000タグおよび10scFvのライブラリーでは、それぞれのタグに対し10のscFvが存在する。目的のscFvのような単一のライブラリーメンバーを同定するため、多数の個々のscFv(10)をスクリーニングするか、1以上の小部分(subdivision)を用いる。より多数のタグを用いると、ライブラリーは、より少ないステップで少数のタンパク質に減少し得る。
【0142】
組合せのアプローチを用い、小セットの捕捉試薬タグ対を多数セットとして有効に用い得る。単一のscFv融合タンパク質のようなタンパク質中に複数のタグを組込むことにより、より少ないタグのよりよい使用が行い得る。比較として、300の捕捉試薬タグ対があり、個々のメンバーに結合する単一のタグを伴う10メンバーのライブラリーがあるならば、300タグは、個々の型のタグが3.3×10メンバーに結合するように10メンバーを分割する。1/3のタグをそれぞれ3つの部位で使用するような組合せ形態で個々のメンバーに組込まれる3つのタグによると、合計100×100×100(または10)の組合せがある。これら10のタグ組合せを用い、10メンバーをタグあたり1000メンバーに分割する。そのため、限られた数のタグによる単一ステップにおいて、ライブラリーは有効に再分割(subdivide)する。
【0143】
最も間単な実施態様では、部位Xでxタグ、部位Yでyタグおよび部位Zでzタグの例を考慮する。これらのタグを個々に使用するならば、x+y+zの組合せがある。これらのタグを組合せて使用するならば、(x)(y)(z)の組合せがある。個々の部位(x,yおよびz)におけるタグの数が総数(n)の1/3であると仮定すると、個々の使用の場合、C=(n/3)×3=nであるか、タグの存在と同じぐらい多くの総数の組合せ(C)が存在し、ここで、コンビナトリアル的使用の場合、C=(n/3)となる。個々の部位での各タグ数が増加するので、コンビナトリアルタグの数は、より高い割合で増加する(図19参照)。より多数の有効なタグを用い、タグあたりのライブラリーのメンバー数は減少する。初期ライブラリーにおけるタグあたりのより少ないメンバーは、より少ない連続的ラウンドのスクリーニングを生ずるか、またはハイスループットスクリーニングで評価するクローンのより少ない数を生ずるか、いずれかである。
【0144】
単一タグを用いるか、または組合せで複数タグを用いるか、いずれであっても、手順は実質的に同じである。発現ライブラリー由来のタンパク質は、タグに対する、抗体のような捕捉試薬に結合するエピトープタグの特性により更に分割される(subdivide)。上記で存在する例では(3つのタグを組合せて使用する)、個々のライブラリーメンバーは、3種の抗タグ捕捉試薬に結合する。個々のコンビナトリアルタグは、それ自身のセットのアドレスを、単一アドレスの代わりのアレイにおいて、有する。例えば、部位Xの1−100、部位Yの101−200および部位Zの201−300で合計300タグが存在するならば、典型的なコンビナトリアルタグは、アドレスX27−Y132−Z289を有する。他のコンビナトリアルタグもまたは、捕捉試薬のようなX27抗タグ捕捉試薬、またはY132またはZ289捕捉試薬を使用するが、他の組合せは、3つすべてを使用するわけではない。抗原が、個々のタグが結合する3つの捕捉試薬に結合するライブラリーメンバーに結合するならば、コンビナトリアルタグは、知られることとなり、ライブラリーメンバーはオリジナルライブラリーから回収され得る。
【0145】
コンビナトリアルタグを伴う特定ライブラリープールの回収は、単一タグを伴うライブラリープールを回収する実質的な方法で行う。本明細書に記載のように、ライブラリーから部分母集団(subpopulation)を回収する1つの方法にポリメラーゼ連鎖反応を使用する。例示のため、3つすべてのタグが発現タンパク質のC末端にあると仮定すると、Xタグは、scFvのようなライブラリーメンバーに最も近く、次いで、Yタグ、更にZタグが近くなる。cDNAのコーディング鎖におけるDNAセグメントのオーダーは、5’共通>scFv>X>Y>Z3’となる。
【0146】
特定の部分母集団は、共通プライマーおよびZ289タグに相当するプライマーで開始する連続ラウンドPCRにより回収され得る。この反応由来の産物を、共通プライマーおよびY132タグプライマーを用いる次の反応に使用する。この反応由来の産物を、共通プライマーおよびX27プライマーを用いる、その後の反応に使用する。3つの連続ラウンドの増幅の後、当該産物はすべて、x27−Y132−Z289の組合せで初めにタグ化されていた、scFvのようなライブラリーメンバーに相当する。当業者ならば、ライブラリーが複数のネスト化共通配列を有している限り、複数種の共通プライマーが異なるラウンドで使用されることを理解している。当業者ならばまた、複数タグがコード化DNAの反対側末端にあり、それゆえ発現タンパク質の反対側末端に存在し得ることを理解している。発現エピトープタグは直鎖状であり、ジスルフィド結合で束縛され、骨格(scaffold)構造で束縛され、融合タンパク質のループで発現し、連続であるか、または可動性もしくは非可動性リンカー配列により分離され得ることも理解される。
【0147】
1つの実施態様では、例えば、単一骨格融合タンパク質は、挿入エピトープタグと共に複数部位を含む。これは、エピトープを空間的に分離し、互いの干渉なしにすべて認識し得る。下記の基準をタンパク質骨格を選択する際に考慮する:1)抗原性の高い傾向を有するアミノ酸にさらされる表面をより簡単に同定する既知結晶構造、2)目的cDNAライブラリーに融合するための遊離NおよびC末端、3)種々のタンパク質発現システムにおける高レベルの産生および溶解性(特にE. coliペリプラズム)、4)インビトロ転写/翻訳の許容力、5)ジスルフィド結合の非存在、6)野生型タンパク質が単量体であること、7)scFvの溶解性または機能性を増加する許容性を有すること。結晶構造を使用すると、エピトープタグライブラリーの挿入のために位置が選択される。これらの部位は、自然では、比較的直線状であるエピトープを空間的に分離する(例えば、αヘリックスの一端、β鎖間のターンまたはヘリックス間のループ)。
【0148】
D.抗体の調製
1.アドレス可能抗タグ抗体の抗体およびコレクション
本明細書における方法は、分子、特にタンパク質のライブラリー(またはコレクション)に結合するポリペプチドタグに特異的に結合する抗体のような捕捉試薬の能力に依存する。特定タグに対する個々の抗体(またはコレクション中の他のレセプター)の特異性は、既知であるか、またはアレイにおける遺伝子座のすべての抗体が特定エピトープタグに特異的となるように、例えば抗体をアレイすることにより、容易に確かめられる。
【0149】
他に、例えば、カラービーズまたはバーコード化ビーズまたは支持体を含む所望によりコード化タグに対する結合により、個々の抗体が同定され得るか、または例えば、マイクロリアクターを電子タグまたはバーコード化支持体(例えば、米国特許番号6,025,129、米国特許番号6,017,496、米国特許番号5,972,639、米国特許番号5,961,923、米国特許番号5,925,562、米国特許番号5,874,214、米国特許番号5,751,629、米国特許番号5,741,462参照)、または化学タグ(米国特許番号5,432,018、米国特許番号5,547,839参照)またはカラータグに供することにより、または物理的にアドレス可能アレイの代わりに使用し得るアドレス可能方法により、電子タグに結合し得る。例えば、個々の抗体型は、カラーコードタグ(すなわち、カラーソート可能ビーズ)または周波数(radio−frequency)タグ(RF)のような、IRORI MICROKANS(商標)およびMICROTUBES(商標)ミクロリアクター(米国特許番号6,025,129、米国特許番号6,017,496、米国特許番号5,972,639、米国特許番号5,961,923、米国特許番号5,925,562、米国特許番号5,874,214、米国特許番号5,751,629、米国特許番号5,741,462、国際PCT出願番号WO98/31732、国際PCT出願WO98/15825参照、また米国特許番号6,087,186参照)のような電子タグと会合する支持体マトリクスに結合し得る。本明細書で提供する方法およびコレクションの場合、個々の型の抗体は、MICROKANまたはMICROTUBEマイクロリアクター支持体マトリクスおよび会合RFタグ、バーコード、カラー、カラービーズまたは抗体のようなレセプターを同定する役割をする他のアイデンティファイアー、および抗体のようなレセプターが結合するエピトープタグに結合し得る。
【0150】
本明細書の例示的目的のため、リファレンスから、抗体および当該抗体が特異的に結合するエピトープをコードするタグを作成する。特異的に結合する任意対の分子が予期され;本明細書の目的のため、抗体のような分子をレセプターと称し、およびそれに結合するリガンドのような分子はエピトープであることが理解される。当該エピトープは、典型的に、抗体のようなレセプターまたはその特異的結合フラグメントに特異的に結合するアミノ酸の短い配列である。
【0151】
また、本明細書の例示のために、リファレンスから、位置付けアレイを作成する。しかし、その他の同定方法が本明細書の方法による使用に容易に適用され得ることが理解される。抗体のようなレセプターの同定(すなわち、エピトープタグ特異性)が既知であることのみが必要である。二次元アレイまたは三次元アレイの何れかであり、また所望により、コード化ビーズまたはカラー化支持体またはRFタグまたはほかの形式に結合する、アドレス可能レセプター(すなわち、抗体)のコレクションが生じ、それを本明細書の方法に用い得る。
【0152】
抗体のコレクションとポリペプチドタグ標識分子のライブラリーとを反応させ、次いで、スクリーニングアッセイを行い、望ましい性質のエピトープ標識分子が結合する抗体のコレクションのメンバーを同定することにより、分子のライブラリーの多様性の減少が生ずる。抗体の個々のコレクションは、多様性の減少をもたらすためのソーティング装置として役立つ。当該過程を複数回繰り返すことにより、多様性の迅速なおよび実質的な減少をもたらし得る。
【0153】
2.捕捉試薬の調製
ソートの質は、ソーティングアレイを作成する抗体のような捕捉試薬のコレクションの質に依存する。結合親和性および特異性の必要性に加え、アレイ中の捕捉試薬(抗体)により結合するエピトープは、増幅反応(PCR)のプライミング部位として使用されるE、FAおよびFB配列を決定する。図12は、コレクション中の使用のために抗体産生に使用するためのハイブリドーマ細胞から産生する免疫グロブリン(Ig)を発見するためのハイスループットスクリーニングの概略を示している。
【0154】
ハイブリドーマ細胞は、非免疫化マウスか、またはランダムジスルフィド束縛化七量体エピトープのライブラリーまたは他のランダムペプチドライブラリーを発現するタンパク質で免疫化されたマウスのいずれかから作成される。安定なハイブリドーマ細胞は、高Ig産生およびエピトープ結合のため最初にスクリーニングされる。Ig産生は、ヤギ抗マウスIgG抗体を用いるELISAアッセイにより培養上清中で測定される。エピトープ結合はまた、免疫に使用するハプテンの混合物(エピトープタグ化タンパク質)がELISAプレートに固定化されるELISAアッセイにより測定され、培養上清の結合IgGは、ヤギ抗マウスIgG抗体を用い測定される。両アッセイは、96ウェル型または他の適当な型で行う。例えば、約10,000ハイブリドーマがこれらのスクリーニングから選択される。
【0155】
次に、Igは、固定化Ig結合タンパク質(プロテインA、GまたはL)と共にフィルターを含む96ウェルまたはより高密度精製プレートを用い別々に精製する。精製Igの量は、96ウェルまたはより高密度プレート型の標準的プロテインアッセイを用い測定する。個々の培養物由来の低ミクログラム量のIgが、この精製法の使用に予想される。
【0156】
精製Igを、標準的ピン型アレイシステムを用いニトロセルロースフィルター上に別々にスポットする。当該精製Igがまた合わされて、同量の個々のIgを有する混合物を生ずる。混合Igを、ランダムジスルフィド束縛化七量体エピトープを発現するバクテリオファージのライブラリーをパン(pan)する固相支持体として使用される常磁性ビーズに結合する。バッチパンニングは、精製Igに対し、ファージ発現エピトープのファージディスプレイライブラリーを富化する。この富化は、ファージライブラリーの多様性を劇的に減少する。
【0157】
次いで、富化したファージディスプレイライブラリーは、精製Igのアレイに結合し、緊縮的に洗浄する。Ig結合ファージは、電荷結合素子(CCD)に基づくイメージングシステムで検出可能な化学ルミネセンスシグナルを生ずる抗ファージ抗体HRP結合体で染色することにより検出する。最も強いシグナルを生ずるアレイ中のスポットを除外し、ファージを溶出し増殖させる。回収ファージにより発現するエピトープは、DNA配列決定により同定し、親和性および特異性で更に評価する。この方法は、同系エピトープを認識する高親和性、高特異性抗体のコレクションを生ずる。連続スクリーニングは、質を改善した抗体のより大きなコレクションを生ずる。
【0158】
3.抗タグ捕捉試薬アレイの調製
個々のスポットは、単一の特異性を有する抗体のような複数の捕捉試薬を含む。個々のスポットは、検出に適当な大きさである。1から300ミクロンのオーダー、典型的には1から100、1から50および1から10ミクロンのスポットは、アレイの大きさ、標的分子および他のパラメーターに依存する。一般的に、スポットは、50から300ミクロンである。アレイの調製において、十分な量が、望ましい特性を有するタンパク質の検出のために機能的にカバーされる表面に送達される。一般的に、アレイ調製のため送達された抗体含有混合物の体積は、ナノリッター体積(1から約99ナノリッターまで)であり、一般的に約1ナノリッターまたはそれ未満であり、典型的には、約50と200ピコリッターとの間である。これは、非常におおよそであるが、スポットあたり約1000万から100,000分子あり、この場合、個々のスポットは、単一のエピトープを認識する抗体のような捕捉試薬を有する。例えば、1000万分子が存在し、遺伝子座と反応するタンパク質混合物中に1000種のものがあるならば、スポットあたり10の個々の型の分子が存在する。アレイの大きさおよび個々のスポットは、スクリーニングステップ中の陽性反応が、好ましくは、アレイ全体または複数のアレイ(24、96またはそれより多いアレイのような)を同時にイメージすることによりイメージされ得るようになる。
【0159】
KODAKペーパープラスゼラチンのような支持体(典型的支持体は以下参照)または他の適当なマトリクスを使用し得、次いで、インクジェットおよびスタンピングテクノロジーまたは他の適当な分配方法および装置を使用し、再現可能なようにアレイをプリントする。当該アレイを、例えば、ピエゾまたはインクジェットプリンターまたは他のそのようなナノリッターまたはより少量の分配装置を用いプリントする。例えば、1000スポットを有するアレイをプリントし得る。24または48、96またはそれより多い複数の複製アレイを、通常96ウェルプレートの大きさのシート上に置くことができる。
【0160】
本明細書で予期できる実施態様では、抗体アレイの複製をそれぞれ伴うアレイのシートである。これらは、例えば、ピエゾまたはインクジェット分配システムを用い調製される。多数、例えば1000は、例えば、1000種のホール(500μMホールを有するスタンプなど)を伴うプリントヘッドを使用し、同時にプリントされ得る。それは、例えば、1000種の抗体のような捕捉試薬でそれぞれ満たされる、1000ホールのような多くのホールを有するモールド化プラスチックから作成され得る。個々のホールはリザーバ(reservoir)に結合し得、そのリザーバは、抗体のような捕捉試薬をプリントヘッド中に最終的に分配する、小さいサイズの導管(conduit)に結合する。シートにおける個々のアレイは、空間的に分離され得、および/またはプラスチックリッジのような物理的バリアまたは疎水性バリアのような化学的バリア(すなわち、疎水性バリアにより分離されるヒドロゲル)により分離され得る。アレイを有するシートは、通常、96ウェルプレートまたはそれよりも高い密度の大きさであり得る。個々のアレイは、事前に選択したセットのエピトープタグに特異的な複数のアドレス可能抗タグ抗体を含む。例えば、33×33アレイは、おおよそ1000抗体を含み、個々のアレイ上の個々のスポットは、事前決定した単一のエピトープに特異的結合する抗体を含む。バリアにより分離される複数のアレイを用い得る。
【0161】
表面上に抗体を分配する場合、その目的は、機能性表面適用範囲(functional surface coverage)であり、それにより、スクリーニングした望ましいタンパク質が検出可能となる。これを行うため、出発コレクションから、例えば、約1から2mg/mlを使用し、抗体あたり約500ピコリッターをアレイ上のスポットごとに置く。正確な量は経験的に決定し得、表面および検出方法の感度のような幾つかの変数に依存し得る。当該抗体は、例えば、スルフヒドリル結合により好ましくは表面上のアミドに共有結合する。他の例示の分配および固定化システムには、以下に限らないが、例えば、Genometrix(ガラス上でプリントするためのシステムを有する)から;Illumina(支持体としてファイバーオプティックスケーブルのチップを用いる)から;Texas Instruments(チップ表面プラズモン共鳴を有する(すなわち、タンパク質誘導化ゴールド))から;Microfab Technologies, Plano TXからのようなインジェクトシステム;Incyte, Pal Alto, CA, Protogene, Mountain View, Ca, Packard BioSciences, Meriden CT、および適当な支持体表面にタンパク質を分配および固定化するための他のシステムから利用可能なシステムが含まれる。ブラント(blunt)およびクイルピン(quill pin)、ソレノイドおよびピエゾナノリッターディスペンサーおよび他のものといった他のシステムもまた予期される。
【0162】
4.他のコレクションの調製
捕捉試薬を、同定可能なビーズまたは粒子支持体に結合する。例えば、捕捉試薬は、所望により、Luminex, Austin Txからのようなコード化ミクロスフェアに結合し、カプセル化した蛍光性色素を含む。色素をカプセル化するミクロスフェアは、任意の適当な物質から調製され(例えば、国際PCT出願番号WO01/13119およびWO99/19515参照、以下の記載参照)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー、ホモポリマー、ゼラチン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、樹脂、ガラス、および任意の他の適当な支持体(マトリクス物質)を含み、直径、約1ナノメーターから約10ミリメーターの大きさとなる。10種の濃度のうち例えば2種の色素の組合せの特性より、複数の、特有の蛍光によりそれぞれ同定可能なミクロスフェア(この例では100)を生ずる。
【0163】
他に、クロモホアまたはカラー色素または他のカラー物質の組合せをカプセル化し、ミクロスフェアまたは他の粒子中にカプセル化する種々の異なる色を生じ、次いで、抗体のような捕捉試薬の支持体として使用する。抗体のような個々の捕捉試薬を特定のカラー化ビーズに結合し、それにより同定可能となる。抗体のような、結合捕捉試薬と共にビーズを生じた後、エピトープタグ化分子との反応は液相中で行い得る。エピトープと反応するビーズを同定し、ビーズの色の結果から特定エピトープが既知となる。次いで、その結合分子が誘導されるサブライブラリーを同定する。
【0164】
E.抗体を固定化するための支持体
抗体を固定化するための支持体は、リガンドおよび他の分子の固定化が知られる任意の不溶性物質であり、親和性クロマトグラフィーのような、生物学的活性物質の固定化での、多くの化学合成および分離において、およびタンパク質、アミノ酸および他の有機分子およびポリマーを含む生体分子の化学的合成の間に、使用される。適当な支持体には、生体適合性ポリマーを含む任意の物質が含まれ、抗体物質の結合のための支持体マトリクスとして作用し得る。当該支持体物質は、化学的または生物学的スクリーニング反応を干渉しないように選択される。
【0165】
本明細書での使用も予期される支持体には、ミクロプレートおよびビーズ(例えば、Amersham, Arlington Heights, ILから商業的に入手可能であり、Nuclear Technology, Inc., Sand Carlos, CAおよびPackard, Meriden, CTからのプラスチックシンチレーションビーズ、およびLuminex Corporation, Austin, TXからのカラー化ビーズベース化支持体(ミクロスフェア中にカプセル化される蛍光粒子))のようなフルオロホア含有または含浸支持体が含まれる(米国出願番号09/147,710を基礎とする国際PCT出願番号WO/0114589参照、米国出願番号09/022,537を基礎とする国際PCT出願番号WO/0113119参照)。例えば、Luminexからのミクロスフェアは、蛍光粒子のカプセル化の特性により内部的にカラーコード化されており、液体アレイとして提供され得る。抗体(エピトープ)のような捕捉試薬は、任意の適当な方法により直接または間接的に結合され、ビーズおよび結合タンパク質の表面との結合または相互作用は、それらが結合するビーズのカラーの特性により同定され得る。検出は、任意の手段により実施可能であり、カラー化(呈色)反応およびビーズのカラーの特性(呈色性)によりミクロスフェア(ビーズ)の色において検出可能な変化を生ずる色素生産的または蛍光的ディテクターまたはレポーターと組合わせ得る。ビーズに基づくアレイの場合、抗タグ捕捉試薬は、別反応においてカラーコード化ビーズに結合する。ビーズのコードは、それに結合する抗体のような捕捉試薬を同定する。次いで、ビーズを混合し得、その後、結合ステップを溶液中で行い得る。次いで、それらは、例えば、透明な蓋で微小作製(microfabricate)フローチャンバー(ビーズの単一層のみから二次元アレイを形成し得る)中にパッケージすることにより、アレイされ得る。タンパク質が結合するビーズが同定され、それにより、捕捉試薬およびタグが同定される。当該ビーズを例えば、CCDカメラでイメージ化し、反応するビーズを同定する。そのビーズのコードを同定し、それにより、捕捉試薬を同定し、次に、ポリペプチドタグおよび最終的に目的タンパク質を同定する。
【0166】
当該支持体はまた、比較的不活性のポリマーであり得、それは、イオン放射することによりグラフトし得、ポリスチレン、または誘導され、そして支持体として使用され得るポリマーのような他のもののコーティーングの結合が可能となる。単量体の放射線グラフトは、支持体上で生ずる表面特性の多様性を可能とする(例えば、Maeji et al. (1994) Reactive Polymers 22: 203−212; およびBerg et al. (1989) J. Am. Chem. Soc. 111: 8024−8026参照)。例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンのようなポリマーに対し、ビニル単量体のような単量体の放射線分解グラフティングまたは単量体の混合物は、異なる表面特性を有する合成物を生ずる。これらの方法を用い、ペプチドおよび他の分子の合成のための不溶性支持体にポリマーをグラフトする。
【0167】
支持体は、典型的には、固体、多孔性、変形可能、または堅固であり、任意の必要な構造およびジオメトリー(ビーズ、ペレット、ディスク、キャピラリー、中空ファイバー、針、固体ファイバー、ランダム型、薄フィルムおよび膜、および最も好ましくはアドレス可能座位を有する固体表面型を含むがこれらに限らない)を有する不溶性サブストレートである。支持体はまた、捕捉試薬抗体および他の分子が支持体を扱う目的のため付着しない、テフロンストリップのような不活性ストリップまたは他の物質を含み得、同定可能記号を含み得る。
【0168】
その支持体の調製および使用は当業者に既知であり、そのような多くの物質および調製が知られている。例えば、アガロースおよびセルロースのような天然に生ずる物質は、各ソースから単離され得、既知のプロトコールに従い加工され、合成物質は、既知プロトコールに従い調製され得る。これら物質には、以下に限らないが、無機質、天然ポリマーおよび合成ポリマーが含まれ、以下に限らないが、セルロース、セルロース誘導体、アクリル性樹脂、ガラス、シリカゲル、ポリスチレン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ビニルおよびアクリルアミドのコポリマー、ジビニルベンゼン等との架橋するポリスチレン(Merrifield (1964) Biochemistry 3: 1385−1390参照)、ポリアクリルアミド、ラテックスゲル、ポリスチレン、デキストラン、ポリアクリルアミド、ラバー、シリコン、プラスチック、ニトロセルロース、セルロース、天然のスポンジ(natural sponge)、および他の多くのものが含まれる。支持体の選択は、溶解度のような物理的および化学的性質、官能基、機構的安定性、表面エリア膨張性、疎水性または親水性特性および目的の使用により、少なくとも一部、決定される。
【0169】
1.天然支持体物質
天然に生ずる支持体には、以下に限らないが、アガロース、他のポリサッカライド、コラーゲン、セルロースおよびそれらの誘導体、ガラス、シリカおよびアルミナが含まれる。単離、修飾および支持体としての使用に適当な処置方法は、当業者に既知である(例えば、Hermanson et al. (1992) Immobilized Affinity Ligand Techniques, Academic Press, Inc., San Diego参照)。アガロースのようなゲルは、容易に本明細書の使用に適用し得る。ポリペプチド、タンパク質および炭水化物のような天然ポリマー;半導特性を有する、シリコンのようなメタロイドおよびゲルマニウムもまた本明細書の使用に適用し得る。白金、金、ニッケル、銅、亜鉛、スズ、パラジウム、銀のような金属もまた本明細書の使用に適用可能である。目的の他の支持体には、Pt−PtO、Si−SiO、Au−AuO、TiO2、Cu−CuOなどのような金属およびメタロイドの酸化物が含まれる。また、原子間力顕微鏡で観察する分子の調製に使用するような、ニオブ酸リチウム、ヒ化ガリウム、およびリン化インジウムのような半導体化合物、およびニッケル被覆雲母表面(例えば、III et al. (1993) Biophys J. 64: 919参照)もまた、支持体として使用し得る。そのマトリクス物質の調製のための方法は既知である。
【0170】
例えば、米国特許番号4,175,183は、水不溶性ヒドロキシアルキル化架橋化再生化セルロースおよびその調製の方法が記載されている。試薬の密接な化学量論特性を用い産物を調製する方法を記載する。ゲルクロマトグラフィーの直接の産物の使用およびイオン交換体の調製での中間体としての使用も記載されている。
【0171】
2.合成支持体
当業者に既知の無数の合成支持体および方法が存在する。合成支持体は、典型的に、官能性マトリクスの多量体化により、または合成単量体および天然で発生するマトリクス単量体またはアガロースのような多量体由来の2以上の単量体由来の共重合により、作製される。
【0172】
合成マトリクスには、以下に限らないが、アクリルアミド、デキストラン誘導体およびデキストラン共重合体、アガロース−ポリアクリルアミドブレンド、種々の官能基を有する他のポリマーおよびコポリマー、メタクリレート誘導体およびコポリマー、ポリスチレンおよびポリスチレンコポリマー(例えば、Merrifield (1964) Biochemistry 3: 1385−1390; Berg et al. (1990) in Innovation Perspect. Solid Phase Synth. Collect. Pap., Int. Symp., 1st, Epton, Roger (Ed), pp. 453−459; Berg et al. (1989) in Pept., Proc. Eur. Pept. Symp., 20th, Jung, G. et al. (Eds), pp. 196−198; Berg et al. (1989) J. Am. Chem. Soc. 111: 8024−8026; Kent et al. (1979) Isr. J. Chem. 17: 243−247; Kent et al. (1978) J. Org Chem. 43: 2845−2852; Mitchell et al. (1976) Tetrahedron Lett. 42: 3795−3798; 米国特許番号4,507,230; 米国特許番号4,006,117;および米国特許番号5,389,449)が含まれる。その支持体マトリクスの調製のための方法は当業者に既知である。
【0173】
合成支持体には、ポリビニルアルコール、アクリレートおよびアクリル酸(ポリエチレンコアクリル酸、ポリエチレンコメタクリル酸、ポリエチレンコエチルアクリレート、ポリエチレンコメチルアクリレート、ポリプロピレンコアクリル酸、ポリプロピレンコメチルアクリル酸、ポリプロピレンコエチルアクリレート、ポリプロピレンコメチルアクリレート、ポリエチレンコビニルアセテート、ポリプロピレンコビニルアセテートなど)のようなポリマーおよびコポリマーから作製されるもの、およびポリエチレンコマレイン酸無水物、ポリプロピレンコマレイン酸無水物などのような酸無水物を含むものも含まれる。リポソームもまた、親和性精製のための固体支持体として使用される(Powell et al. (1989) Biotechnol. Bioeng. 33: 173)。
【0174】
例えば、米国特許番号5,403,750はポリウレタンに基づくポリマーの調製について記載している。米国特許番号4,241,537は、鎖伸長ポリオールから調製する親水性ポリウレタンゲル組成物を含む植物培養培地について記載している;ランダム共重合は、プレポリマーが室温で液体であるように、50%までのプロピレンオキシド単位で行い得る。米国特許番号3,939,123は、35%までのポリ(プロピレンオキシ)グリコールまたはポリ(ブチレンオキシ)グリコールを有するポリ(エチレンオキシ)グリコールを含むイソシアネート末端化プレポリマーの、わずかに架橋したポリウレタンポリマーについて記載している。これらのポリマーにおいて、有機性ポリアミンは架橋剤として使用される。他の支持体およびその調製は、米国特許番号4,177,038、4,175,183、4,439,585、4,485,227、4,569,981、5,092,992、5,334,640、5,328,603に記載されている。
【0175】
米国特許番号4,162,355は、少なくとも1つのペンダントハロメチル基を有するアミンイミド(aminimide)およびビニルのポリマーである、親和性クロマトグラフィーの使用に適当なポリマーについて記載している。親和性クロマトグラフィー中で結合するための部位を提供するアミンリガンドは、ペンダントハロメチル基の一部との反応によりポリマーに結合し、ペンダントハロメチル基の残りはペンダント親水性基を含むアミンと反応する。このポリマーを有するサブストレートを被覆する方法もまた述べられている。典型的なアミンイミドは、1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシオクチル)アミンメタクリルイミドであり、ビニル化合物は、クロロメチルスチレンである。
【0176】
米国特許番号4,171,412は、D−アミノ酸単位を含む共有結合D−アミノ酸またはペプチドを有する、好ましくはマクロポーラス特性の親水性ポリマーゲルに基づく特異的支持体について述べている。基礎支持体は、アクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルまたはヒドロキシアルキルアミドの共重合により調製され、それに伴い、アクリレートまたはメタクリレートコモノマーの架橋は、ジアミン、アミノ酸またはジカルボン酸との反応により修飾され、生ずるカルボキシ末端またはアミノ末端基は、アミノ酸のD−類似体またはペプチドで縮合される。D−アミノ酸を含むペプチドはまた、担体の表面上で段階的に合成され得る。
【0177】
米国特許番号4,178,439は、陽イオン交換体およびその調製方法について記載している。米国特許番号4,180,524は、シリカ支持体上での化学合成について記載している。
【0178】
Immobilized Artificial Membranes(IAM; 例えば、米国特許番号4,931,498および4,927,879)もまた使用し得る。IAMは、細胞膜環境を真似ており、好ましくは細胞膜と会合する分子との結合に使用され得る(例えば、Pidgeon et al. (1990) Enzyme Microb. Technol. 12: 149)。
【0179】
当該支持体の中で、国際PCT出願番号WO00/04389、WO00/04382およびWO00/04390に記載のもの;マトリクス物質で被覆されるKODAKフィルム支持体が本明細書で予期される(目的の他の支持体の場合米国特許番号5,744,305および5,556,752参照)。目的のものは、Luminex(Austin、TX)からのもののような、カラー化「ビーズ」である。
【0180】
3.固定化および活性化
多くの方法が、固体または液体支持体へのタンパク質および他の生体分子の固定化に開発された(例えば、Mosbach (1976) Methods in Enzymology 44; Weetall (1975) Immobilized Enzymes, Antigens, Antibodies, and Peptides; and Kennedy et al. (1983) Solid Phase Biochemistry, Analytical and Synthetic Aspects, Scouten, ed., pp. 253−391参照;一般的には、Affinity Techniques. Enzyme Purification: Part B. Methods in Enzymology, Vol. 34, ed. W. B. Jakoby, M. Wilchek, Acad. Press, N. Y. (1974); Immobilized Biochemicals and Affinity Chromatography, Advances in Experimental Medicine and Biology, vol. 42, ed. R. Dunalap, Plenum Press, N. Y. (1974)参照)。
【0181】
最も通常的に使用される方法の中には、吸収および吸着または支持体への共有結合があり、その結合は直接かリンカーを介するか何れかであり、例えば、多くのジスルフィド結合、チオエーテル結合、束縛ジスルフィド結合(hindered disulfide bonds)、および当業者に既知のアミンおよびチオール基のような遊離反応基間の共有結合である(例えば、the PIERCE CATALOG, ImmunoTechnology Catalog & Handbook, 1992−1993(試薬の調製および使用が記載されており、その試薬の市場の源を提供する)およびWong (1993) Chemistry of Protein Conjugation and Cross Linking, CRC Press参照;また、DeWitt et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90: 6909; Zuckermann et al. (1992) J. Am. Chem. Soc. 114: 10646; Kurth et al. (1994) J. Am. Chem. Soc. 116: 2661; Ellman et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91: 4708; Sucholeiki (1994) Tetrahedron Lttrs. 35: 7307; およびSu−Sun Wang (1976) J. Org. Chem. 41: 3258, Padwa et al. (1971) J. Org. Chem. 41: 3550 およびVedejs et al. (1984) J. Org. Chem. 49: 575(感光性リンカーについて記載している)参照)。
【0182】
固定化を行うため、タンパク質または他の生体分子の溶液は、アルミナ、炭素、イオン交換樹脂、セルロース、ガラスまたはセラミックのような支持体物質と接触させる。過フッ化炭化水素ポリマーは、生体分子が吸着により結合する支持体として使用する(米国特許番号3,843,443、公開された国際PCT出願WO/8603840)。
【0183】
種々の方法が、タンパク質および核酸を含む生物学的分子、固体支持体に対する分子を結合するために知られている(例えば、米国特許番号5451683参照)。例えば、米国特許番号4,681,870は、シリカ支持体上への遊離アミノ基またはカルボキシル基の導入方法が記載されている。その後、これらの基は、カルボジイミド存在下、タンパク質または他の抗リガンドのような他の基に共有結合し得る。他に、シリカマトリクスは、アルカリ条件下、ハロゲン化シアンによる処置によって活性化され得る。抗リガンドは、活性化表面への添加において表面に共有結合する。他の方法は、ビオチン、アビジンおよびエクステンダーの複数層の連続適用を介するポリマー表面の修飾を含む(例えば、米国特許番号4,282,287参照);他の方法は、光感受性非天然アミノ酸群をポリペプチド鎖に組込むことにより、およびその産物を低エネルギー紫外光にさらすことにより、ポリペプチド鎖が固体サブストレートに結合する、光活性化を含む(例えば、米国特許番号4,762,881参照)。オリゴヌクレオチドはまた、ソラレン化合物のような光化学的に活性な試薬、およびサブストレートに光試薬(photoreagent)を結合するカップリング剤を使用し結合する(例えば、米国特許番号4,542,102および米国特許番号4,562,157参照)。光試薬の光化学反応により、核酸分子はサブストレートに結合し、表面結合プローブを供する。
【0184】
ガラス、合成ポリマーおよび架橋ポリサッカライドのような化学的に活性化された固体マトリクス支持体に対する、タンパク質もしくは他の生体分子または有機性分子粒子もしくは生物学的粒子の共有結合は、よりしばしば、固定化技術に使用される。分子または生物学的粒子は、マトリクス支持体に直接結合し得るか、または金属のようなリンカーを介し結合し得る(例えば、米国特許番号4,179,402、およびSmith et al. (1992) Methods: A Companion to Methods in Enz. 4: 73−78)。この方法の例は、アガロースのようなポリサッカライド支持体の臭化シアン活性化である。酵素固定化および親和性クロマトグラフィーのためのペルフルオロカーボンポリマーに基づく支持体の使用は米国特許番号4,885,250に記載されている。この方法では、生体分子は、米国特許番号4,954,444に記載のペルフルオロオクチルプロピルイソシアネートのようなペルフルオロアルキル化剤との反応により最初に修飾する。次いで、修飾タンパク質は、フルオロカーボン支持体上に吸着され、固定化される。
【0185】
支持体の活性化および使用は、既知であり、任意の既知の方法により実施し得る(例えば、Hermanson et al. (1992) Immobilized Affinity Ligand Techniques, Academic Press, Inc. San Diego)。例えば、アミノ酸のカップリングは、当分野で知られている技術により行われ得、例えば、Stewart and Young, 1984, Solid Phase Synthesis, Second Edition, Pierce Chemical Co., Rockfordで供されている。
【0186】
分子はまた、例えば、IgG結合配列のような分子の天然結合部位、または金属イオンを結合する遺伝学的修飾タンパク質を用い、Co(III)のような動力学的不活性金属イオン結合を介し支持体に結合し得る(例えば、Smith et al. (1992) Methods: A Companion to Methods in Enzymology 4, 73 (1992); III et al. (1993) Biophys J. 64: 919; Loetscher et al. (1992) J. Chromatography 595: 113−199; 米国特許番号5,443,816; Hale (1995) Analytical Biochme. 231: 46−49参照)。
【0187】
固体支持体に分子および生物学的粒子を結合するための他の適当な方法が当業者に既知である(例えば、米国特許番号5,416,193)。これらのリンカーには、タンパク質および核酸などの分子を支持体に化学的に結合させるのに適当なリンカーが含まれ、以下に限らないが、ジスルフィド結合、チオエーテル結合、束縛ジスルフィド結合、アミンおよびチオール基のような遊離反応基間の共有結合が含まれる。これらの結合を、異種二機能性試薬を用いて作り、当該部分の一方または両方の反応性チオール基を作製し、次いで、当該一部分上のチオール基を、反応性マレイミド基またはチオール基が他で結合する反応性チオール基またはアミン基と反応させる。他のリンカーは、より酸性の細胞内コンパートメント中で切断される、ビスマレイミドトキシ(bismaleimideothoxy)プロパン、酸不安定性トランスフェリン結合体およびアジピン酸ジヒドラジドのような酸切断可能リンカー;UVまたは可視光にさらされると切断するクロスリンカー、およびヒトIgGの不変領域からC1、C2およびC3のような可変ドメイン(various domain)のようなリンカーを含む(Batra et al. (1993) Molecular Immunol. 30: 379−386)。
【0188】
現在、好ましい結合は、分子または生物学的粒子を支持体表面に吸着させることにより実施する直接の結合である。他の好ましい結合は、光にさらされることにより達成され得る光切断可能結合である(例えば、Baldwin et al. (1995) J. Am. Chem. Soc. 117: 5588; Goldmacher et al. (1992) Bioconj. Chem. 3: 104−107(これらのリンカーは引用により、本明細書に組込む)参照)。光切断可能リンカーは、切断波長が結合部分を損傷しないように、選択される。光切断可能リンカーは、光にさらされることにより切断されるリンカーである(例えば、Hazum et al. (1981) in Pept., Proc. Eur. Pept. Symp., 16th, Brunfeldt, K (Ed), pp. 105−110(システインの光切断可能保護基としてニトロベンジル基の使用を記載している); Yen et al. (1989) Makromol. Chem 190: 69−82(ヒドロキシプロピルメタクリルアミドコポリマー、グリシンコポリマー、フルオレセインコポリマーおよびメチルローダミンコポリマーを含む水溶性光切断可能コポリマーを記載している); Goldmacher et al. (1992) Bioconj. Chem. 3: 104−107(UV光近く(350nm)にさらされることにより光分解崩壊するクロスリンカーおよび試薬を記載している); およびSenter et al. (1985) Photochem. Photobiol 42: 231−237(光切断可能結合を生ずるニトロベンジルオキシカルボニルクロリドを記載する))。他のリンカーには、フルオライド不安定性リンカー(例えば、Rodolph et al. (1995) J. Am. Chem. Soc. 117: 5712参照)、および酸不安定性リンカー(例えば、Kick et al. (1995) J. Med. Chem. 38: 1427)が含まれる。選択リンカーは、特定の適用に依存し、必要に応じ、経験的に選択され得る。
【0189】
F.ライブラリー由来の望ましい性質のタンパク質を同定するための方法の使用1.捕捉試薬のアレイイング
エピトープタグが特異的に結合する捕捉試薬分子は、例えば、同定可能なビーズ、ミクロスフェアのような支持体、または固体表面に結合される。結合は、イオン性、共有結合性、物理的、ファンデルワールス結合のような任意の適当な結合を介し実施され得る。それは、直接または適当なリンカーを介して実施され得る。例示的目的のために、表面でのアレイイングを記載する。
【0190】
グリセロール(1−20%vol/vol)における0.1M PBS(リン酸緩衝食塩水、pH7.4)の緩衝液中で濃度1−2mg/mlの精製抗体1μlを、膜(UltraBind膜、Pall Gelman;FASTにニトロセルロース被覆スライド、Schleicher & Schuell)、化学的不活性化ガラススライド、スーパーアルデヒドスライド(Telechem)、ポリリシン被覆ガラス、活性化ガラス、または特異的薄膜および自己アセンブル化モノレイヤー(国際PCT出願番号WO00/04389、WO00/04382およびWO00/04390)上に、自動化アレイイングツール(例えば、Microsys; PixSys NQ; Cartesian Technologies; BioChip Arrayer; Packard Instrument Company; Total Array System; BioRobotics; Affymetrix 417 Arrayer; Affymetrixおよび他から利用可能なシステムなど)を用い、スポットする。当該スポットを、適当な時間、1−2分間またはそれ以上、典型的には30分から1時間、風乾し得る。2つの膜の結合を記載する。UltraBind膜(Pall Gelman)は、一次アミンと反応する活性化アルデヒド基を含み、膜と抗体のような捕捉試薬との間に共有結合を形成する。非反応アルデヒドは、50mM PBS、pH7.4、2%ウシ血清アルブミン(BSA)の溶液のような適当なブロッキング溶液で、またはBBSA−T(最終濃度0.05%(vol:vol)となるように加えたTween−20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、Sigma)を伴う1×リン酸緩衝食塩水(PBS)に希釈するBlocker BSA(Pierce)のようなタンパク質含有溶液)で、約30分のような適当な時間、インキュベーションすることによりブロックする。そのフィルターはPBSでリンスする。
【0191】
抗体のような捕捉試薬はまた、この使用のために修飾し、パーソナルコンピューター(PC)のようなコンピューターにつないだ、例えばインジェクトプリンター(すなわち、Canon model BJC 8200、カラーインジェクトプリンター)を用い、例えばニトロセルロースペーパー(Schliecher & Schuell)のような膜上に、置くことができる。その修飾には、プリントヘッドからのカラーインクカートリッジの取除き、およびプリントヘッド中のインクパッドリザーバウェル上にシール化方法にフィットするようにハンドカットした、例えば1ミリリッターピペットチップとの置換えが含まれる。抗体溶液を、インクパッドリザーバ上にシートされるピペットチップリザーバ中にピペットする。
【0192】
修飾したプリンターを使用し、プリントしたイメージを、例えば、Microsoft PowerPointで作製する。次いで、当該イメージを、フィットするようにカットしたニトロセルロースフィルター上にプリントし、次いで、プリントするペーパーのシートの中央を覆うようにテープする。次いで、ペーパーのセットを、プリンター直前のプリンターにフィードする。
【0193】
抗体のような精製捕捉試薬をまた、FASTニトロセルロース被覆スライド(Schleicher & Schuell)にスポットし得る。ニトロセルロースは、非共有結合性吸着によりタンパク質と結合する。ニトロセルロースは、cmあたり約100μg結合する。抗体のような捕捉試薬の結合後、残りの結合部位は、30分間のような適当な時間、50mM PBS、pH7.4、2%ウシ血清アルブミン(BSA)またはBBSA−Tの溶液と共にインキュベーションすることによりブロックする。
【0194】
ニトロセルロースへの抗体の直接結合から非方向性結合が生ずる。活性化固定化抗体分子の割合は、抗体捕捉タンパク質(プロテインA、プロテインG、または抗IgGモノクローナル抗体など)で被覆されるニトロセルロースに結合することにより、増加し得る。抗体捕捉タンパク質は、タグ化抗体のようなライブラリータンパク質の適用前に、アレイヤー(arrayer)を用い、ニトロセルロースに結合する。ビオチニル化抗体はまた、アビジンまたはストレプアビジン(strepavidin)で被覆した表面上に被覆し得る。スポットの大きさおよび間隔は、使用するフィルターおよびアッセイの感度に依存して調節され得る。典型的なスポットは、直径、約300−500μmであり、500−800μmのピッチを有する。
【0195】
抗体はまた、活性化ガラスサブストレート上にプリントされ得る。プリント前に、ガラスは、Aquasonic Cleaing Solution(VWR)中で5分間、ウォームタップウォーター(warm tap water)中の1:10希釈の洗浄剤で連続的に超音波により洗浄し、蒸留水および100%メタノール(HPLC品質)で数回リンスし、その後、45℃のクラス100オーブン中で乾燥させる。クリーンガラスは、10分間、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTS)(無水エタノール中5%vol/vol)の溶液中に浸漬することにより、化学的に機能化(functionalize)する。次いで、当該ガラスを、95%エタノールでリンスし、その後、風乾し、次いで、2時間、キュアするまで真空オーブン中で80℃に加熱する。次いで、当該表面を、抗体、またはビオチンで当該抗体に結合するアビジンまたはストレプアビジン中の第一級アミンまたは遊離スルフヒドリル基に結合するように、更に修飾し得る。アミン反応性表面を作製するため、機能化ガラスを、20分間、室温で、ビス[スルホスクシンイミジル]サブストレート(BS)(PBS、pH7.4中、5mg/ml)で処理する。N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)−活性化ガラス表面を、蒸留水でリンスし、37℃のダストフリークラスの100オーブン中に15分間、乾燥するまで置く。抗体を直接この表面に結合させ得るか、または当該表面を、抗体に結合するプロテインA、プロテインGまたは抗IgGモノクローナル抗体またはアビジン/ストレプアビジンのようなタンパク質で被覆し、ビオチニル化タンパク質に結合させる。スルフヒドリル反応性表面を作製するため、機能化ガラスを、室温で20分間、スルホスクシンイミジル4−[N−マレイミドメチル]−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(Sulfo−SMCC)で処理する。マレイミド活性化ガラス表面を蒸留水でリンスし、37℃のダストフリークラスの100オーブン中に15分間乾燥するまで置く。ビオチニル化表面を作製するため、機能化ガラスを、室温で20分間、EZ−リンクSulfo−NHS−LC−ビオチン(Pierce)で処理する。ビオチニル化ガラス表面を蒸留水でリンスし、37℃のダストフリークラスの100オーブン中に15分間乾燥するまで置く。上記と同じ固定化ストラテジーを、無機薄膜上で形成される自己アセンブル化モノレイヤー中で使用し得る。
【0196】
2.変異遺伝子のライブラリーからの遺伝子の同定のための例示的使用
図4は、変異遺伝子のライブラリーの探索するための本明細書の方法の使用を示している。種々の方法による特定遺伝子領域の変異は、しばしば、組換え抗体の結合親和性を改善するエラープロンPCRまたは遺伝子シャッフリング変異誘発技術により生ずる変異遺伝子のような、変異遺伝子によりコードされるタンパク質の特性の改善に使用される。表面ディスプレイによる選択と結合するこの技術は、数オーダーのマグニチュード(magnitude)による抗体の結合親和性の改善のために使用される。変異はまた、酵素の触媒特性の改善のために使用される。本明細書の方法は、望ましい特性を有するタンパク質をコードする変異遺伝子をスクリーニングおよび同定する手段を提供する。
【0197】
最初に、種々の機能性ドメインを含むオリゴヌクレオチドのセットを遺伝子の3’末端に加え、遺伝子および配列(「エピトープ」ではEと称し、「ディバイダー」では、Dと称し、「共通」ではCと称する)の更なるセットにハイブリダイズするヌクレオチドの配列を含むプライマーを組込むことにより変異が生ずる。EDC配列は、核酸の機能によりそれぞれ定義される配列のセットを構成する。記載したように、E配列は、コレクション中の抗体により特異的に認識されるエピトープをコードする。それらは、変異させた遺伝子のコーディング配列とインフレーム(in−frame)で組込まれ、親タンパク質との融合として発現される。D配列は、エピトープの下流域の特定配列セットである。それらは、マスター群を「分割する」特定プライミン部位として役立つ。それらは、非コード配列であり得、発現化変異タンパク質の一部となる必要はない。C配列は、すべての遺伝子に対し「共通」な配列であり、すべての遺伝子鋳型の同時PCR増幅としての手段を提供する。前記したように、特定実施態様では、Dおよび/またはC配列は任意である。重要なことに、EおよびD配列は、生ずるDNA分子間にランダムに分布する。例えば、100E配列および100D配列を合わし、10,000(100×100=10,000)の特有のタグ化cDNA分子を作製する。同様に、1,000E配列および1,000D配列を合わし、1,000,000(1,000×1,000=1,000,000)の特有のタグ化cDNA分子を作製する。
【0198】
E、CおよびD配列を、変異誘発分子の末端に加える前、または後、遺伝子中の定義領域は、種々の標準的方法により変異誘発する。変異手順は、E、D、C配列中に変異を生じないようにする。変異誘発が完了した後、変異DNAを最初のPCR反応物セットに鋳型として加え、F1サブライブラリーを作製する。鋳型DNAに加えて、D、Cプライマーセットを、それぞれのPCRが種々DNA配列に相補的なプライマーを含むように、別々に加える。例えば、図4では、第二PCRチューブは、100D配列(D)のうちの1つのみを含むD、Cプライマーを含む以外、チューブのレスト(rest)は同一である。この説明では、チューブ50は、100のD配列(D50)のうちの一種を含むこと以外、F1反応チューブのレストは、同一である。生ずるPCR増幅産物は、遺伝子間にランダムに分布する100種のE配列のすべてを含むが、100のD配列1つのみを含む。解説において、PCRチューブ50は、同じD50配列、同じC配列を有し、分子(ED50C)間にランダムに分布する異なるE配列を有するすべてのサブライブラリーDNA分子(F150)を生ずる。
【0199】
作製されたF1DNA分子は、転写−翻訳抽出を用いインビトロで発現する。プロモーター、リボゾーム結合部位、およびインビトロ転写および翻訳の実施のための当業者に既知の他の調節配列を含む適当な調節DNA配列を、タグ化工程の間にDNAフラグメント中に組み込む。図4に解説のように、F150DNA分子の発現により、異なるエピトープタグを含むタンパク質のコレクションを生ずる。細菌または他のインビボシステムで産生されるタンパク質もまた使用され得る。
【0200】
生ずる発現化タンパク質を、エピトープのそれぞれに選択的に結合する抗体とエピトープとの間で結合が可能な条件下、アレイ型のような抗体コレクションでインキュベートする。これは、抗体に対するタンパク質の特異的結合の結果である。抗体をアレイに配置するならば、これにより、タンパク質同系エピトープに結合する固定化抗体を含むアレイ上の位置にタグ化タンパク質を分布する結果となる。結合の後、アレイを洗浄し、プローブし、そしてルシフェラーゼを用いるような、例えば酵素学的標識により当業者に既知の任意の方法により分析する。例えば、分析は、フォトマルチプライヤーチューブのようなディテクター、光ダイオードアレイまたは好ましくは放出する光を検出する電荷結合素子(CCD)に基づくイメージングディテクターを用い光子コレクションにより実施し得る。光子は、局所的酵素学的化学ルミネセンス、特に生体ルミネセンス反応により生じ得る。光子コレクションが好ましい。比較的安価で、非常に感度がよく、その感度は、収集時間を増やすことにより増幅し得るからである。
【0201】
例として、探索を用い、活性の増加を供与するルシフェラーゼ酵素に対する変異を同定するならば、当該アレイは洗浄し、サブストレート中に浸し、次いで、光子の出力を増加することによる測定としてルシフェラーゼ活性の増加に関し分析する。アレイ中の「最も明るいスポット」は、最も好都合の変異を有する酵素と結合する。
【0202】
他の例として、探索を用い、抗原に対する抗体の親和性の増加を同定するならば、当該アレイを洗浄し、次いで、タグ化抗原でインキュベーションする。抗原をビオチン、または抗体−HRP複合体でタグ化するならば、タグが定義エピトープであるならば、抗原のタグを用い、ストレプアビジン結合HRPのような二次検出試薬に結合させる。再び、「最も明るいスポット」は、最も多い抗原量を結合する、最も高い親和性を有する変異抗体を含む。
【0203】
「最も明るいスポット」の位置およびそのスポットにおける抗体のエピトープ結合特異性を知るため、目的変異遺伝子と結合するE配列を同定する。ソートのこの時点で、目的の遺伝子の鋳型(図4に示すような)は、F150サブライブラリー中にあることおよびE23配列を含むことが判る(F150/F223)。
【0204】
E23配列を含む遺伝子は、F150サブライブラリーからの鋳型DNAおよびE23配列(FA23 E C)に相当する配列を有するPCRプライマーを用い増幅し得る。マスターライブラリーを最初に分けるために使用するD Cセットのプライマーのように、FA E Cセットのプライマーを用い、特異的E配列を含む鋳型を増幅させ、同時に増幅遺伝子中にE配列を再分布する。FA E Cプライマーは、3つの機能性領域から構成される。FA領域は、鋳型中に存在するE配列の上流フラグメント(Fragment A)に相当する配列を含む。FA領域は、ハイブリダイゼーション特異性を供与するが、翻訳においては、エピトープ結合特異性を供与しない任意量のE配列を含む。前の通り、E領域は、エピトープ配列をコードし、C領域は、増幅の共通領域をコードする。FAおよびE配列は遺伝子のコード領域とインフレーム(in−frame)である。生ずる増幅遺伝子は、F2サブライブラリー(F223)を示す。
【0205】
F2サブライブラリーからの増幅遺伝子をインビトロで発現させ、抗体アレイでインキュベーションし、再プローブ化し、分析する。前の通り、このアレイ中の「明るいスポット」は、目的変異遺伝子と結合するE配列を同定する。ソートにおけるこの点において、目的の遺伝子(図4に示すように)から、F150およびF223サブライブラリー中にあること、およびE45配列(F150/F223/F345)を含むことが判る。この情報から、E45配列(FB45 C)に特異的なプライマーを用い増幅し得る特定遺伝子が同定される。FB Cプライマーは、2つの機能性領域からなる。FB領域は、鋳型中に存在するE配列の下流フラグメント(Fragment B)に相当する配列を含む。FBは、Eのすべてまたは一部を含み得る;Cは任意である。FBは、ハイブリダイゼーション特異性を供与するEコード化配列までおよびすべてを含む任意の部分を含む。前の通り、C領域は、増幅のための共通配列をコードする。生ずる増幅化遺伝子は、F3サブライブラリー(F345)を表す。
【0206】
G.組換え抗体の同定
技術の他の適用は、組換え抗体の同定のための使用である。望ましい特性を有する抗体を組換え抗体遺伝子の巨大なプールから選別する。組換え抗体ライブラリーを構成するための標準的方法の概観を図5に示している。最初のステップには、脾臓細胞(spleenocyte)または末梢血リンパ球(PBL)から単離したmRNAから組換え抗体遺伝子をクローニングすることが含まれる。機能性抗体フラグメントは、可変重(V)鎖および可変軽(V)鎖遺伝子の遺伝学的クローニングおよび組換えにより作製され得る。VおよびV鎖遺伝子は、脾臓細胞またはPBLから単離したmRNAをcDNAに最初に逆転写することによりクローニングする。VおよびV鎖遺伝子の特異的増幅は、これらの遺伝子に隣接する共通領域に相当するPCRプライマーのセットで行う。VおよびV鎖遺伝子をリンカーDNA配列と合わせる。単一鎖抗体フラグメント(scFv)の典型的リンカー配列は、アミノ酸(GlySer)をコードする。V−リンカー−V遺伝子は、PCRでアセンブルされ、増幅され、その産物は、直接転写および翻訳され得、発現プラスミド中にクローニングされ、次いで、インビトロまたはインビボの何れかで発現され、機能性組換え抗体フラグメントを産生する。
【0207】
組換え抗体ライブラリー構成の方法は、本明細書のソーティング方法を用いる使用に適用され得る。これは、E D C配列を、V鎖およびリンカー配列でアセンブルする前のV鎖遺伝子中に組込むことにより、行う。組換え抗体ライブラリーをE D C配列でタグ化した後、F1サブライブラリーへ分け、その後、上記のようなアレイでスクリーニングすることによりソートする。
【0208】
2種の方法は、E D C配列の増幅V鎖遺伝子中への組込みに関し、解説している。第一の方法では、E D C配列は、第一鎖cDNA合成プライマーの部分であり、第二の方法におけるcDNA合成(図6)の間に組込まれ、E D C配列は、二本鎖DNAリンカー分子の添加によりcDNA合成(図7)後に組込まれる。
【0209】
図6は、どのようにE D C配列が、プライマー組込みによりV鎖遺伝子に置かれるのかを示している。V鎖遺伝子は、標準的方法を用いクローニングする。脾臓細胞またはPBLから単離されるmRNAは、普遍的オリゴdTプライマーまたはIG遺伝子特異的プライマーを用いcDNAに変換される。V遺伝子は、次いで、これらの遺伝子に隣接する共通配列に相補的なプライマーセットを用い特異的に増幅される。VHBACKプライマーはまた、アセンブル化遺伝子のインビトロ転写および翻訳に必要なプロモーター配列を含み、および/または以下に限らないが細菌、酵母、昆虫および哺乳類細胞のような細胞中でインビボ発現するためプラスミドベクター中にサブクローニングし得る。
【0210】
遺伝子は、V遺伝子(Jkappa for)およびE D C配列に隣接する下流共通配列に相補的な配列のセットを含む逆転写プライマー(VFOR)のセットを使用しクローニングする。EDC配列は、VLFORプライマー中の配列のために5’からJkappa向きに位置する。cDNAの第二鎖を、V遺伝子(Vkappa back)の上流共通領域に対し相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド(VLBACK)を使用しプライムする。第二鎖cDNA合成後、V遺伝子をVLBACKおよびVLFOR−Cプライマーの組み合わせで増幅する。VLFOR−Cプライマーは、EDC配列のC領域に相補的な配列からなる。
【0211】
およびV遺伝子の増幅の後、当該フラグメントを、制限酵素で消化し、リンカーを有するオーバーラッピング末端を作る。V−リンカーVフラグメントを、DNAリガーゼでシールし、次いでVHBACKおよびVLFOR−Cプライマーを用い増幅する。
【0212】
図7で示す第二の方法では、V遺伝子は、上記のように増幅する。この方法は、V遺伝子第一鎖合成が、特有制限部位5’からJkappa for配列までを含むオリゴヌクレオチドでプライムする、最初とは異なる。この制限部位を、特有の結合力のある末端を制限酵素消化により生じ得るように、生ずるcDNAの3’−末端に組込む。当該リンカーを切断cDNAと混合し、リガーゼでシールし、次いで、VHBACKおよびVLFOR−Cプライマーの組合せで増幅させる。
【0213】
図8は、組換え抗体ライブラリーを探索するための方法を概説する。VおよびV遺伝子を上記のようにクローニングし、EDC配列を抗体遺伝子の3’末端に加え、マスターライブラリーを作製する。F1サブライブラリーを、DCセットのPCRプライマーを用い作製する。当該解説は、100のF1サブライブラリーを示し、F1、F150およびF199のDCプライマーを示し、F150反応からの増幅産物を示す。
【0214】
F150サブライブラリー遺伝子の転写および翻訳は、含まれているエピトープ(E配列)によりランダムにグループ化され得る、抗体のような種々の組換え捕捉試薬を作製する。発現タンパク質をアレイ上で浸し、特異的エピトープタグを結合する抗体を含むアレイ中のスポット上にソートし得る。サブライブラリーF150からのscFvをアレイに結合させた後、標識抗原をアレイ上で浸す。抗原における標識は、ストレプアビジン結合HRPのような第二検出試薬への結合に使用されるビオチンのような化学的タグであり得、または当該抗原をエピトープタグ化し得、検出は、抗エピトープ抗体HRP複合体で行い得る。結合後、当該アレイを洗浄し、プローブ化し、分析する。分析は、典型的には、CCDに基づくイメージングディテクターを用い光子コレクションにより行い、光子は、典型的には、局所性酵素学的化学ルミネセンス反応により生ずる。再び、「最も明るいスポット」が、最も多い量の抗原に結合する最も親和性のある組換え抗体を含む。
【0215】
「最も明るいスポット」の位置およびそのスポット中の抗体のエピトープ結合特異性を知るため、目的の組換え抗体と結合するE配列を同定する。ソートにおけるこの点で、目的の遺伝子の鋳型(図8に示すような)が、F150サブライブラリー中に位置し、E23配列を含むことがわかる。
【0216】
E23配列を含む遺伝子を、F150サブライブラリーからの鋳型DNAおよびE23配列(FA23 E C)に相当する配列を有するPCRプライマーを用い、増幅し得る。マスターライブラリーを最初に分けるために使用するD Cセットのプライマーのように、FA E Cセットのプライマーを、特異的E配列を含む増幅鋳型に使用し、同時に増幅遺伝子中のE配列を再分布する。FA23ECプライマーを用い、F150サブライブラリー由来の鋳型DNAを増幅する。生ずる増幅遺伝子は、F2サブライブラリー、F223を示す。目的の抗体の最初の整列(lineage)はF150/F223である。
【0217】
F2サブライブラリーからの増幅遺伝子は、インビトロまたはインビボシステム中で発現し、抗体アレイと共にインキュベーションし、再プローブ化し、分析する。前の通り、このアレイ中の「明るいスポット」は、目的の組換え抗体遺伝子と結合するE配列を同定する。ソートのこの点において、目的の遺伝子(図8に解説するような)は、F150およびF223サブライブラリー中にあり、E45配列(F150/F223/F345)を含むことが判る。この情報は、E45配列(FB45C)に特異的なプライマーを用い増幅し得る特定遺伝子を同定する。この生ずる増幅遺伝子は、単一型の組換え抗体を含むF3サブライブラリー(F34577)を示す。
【0218】
H.結合抗原の検出
結合ポリペプチドタグ化分子は、当業者に既知の任意の適当な方法により検出され得、それは、標的分子の機能を有する。例示の検出方法は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)システムおよびルシフェリン/ルシフェラーゼシステム、アルカリホスファターゼ(AP)、標識抗体、フルオロホアおよびアイソトープのような化学ルミネセンスおよび生体ルミネセンス生成試薬の使用を含む。これらは、フィルム、光子コレクション、スキャンニングレーザー、ウエーブガイド、エリプソメトリー、CCDおよび他のイメージング手段を用い検出し得る。
【0219】
記載の通り、アドレス可能抗タグ捕捉試薬コレクションの使用には、以下に限らないが、単一抗原または複数抗原を見つけることを含む(これらに限らない)scFVを同定する組換え抗体scFvライブラリーの探索;タグ化変異ライブラリーを含む変異ライブラリーの探索;エラープロンPCRによる変異;小分子バインダーの探索、抗体親和性増加の探索、遺伝子特性の促進の探索(AP、HRP、ルシフェラーゼ、GFP)のための遺伝子シャッフリングによる変異;配列特異的DNA結合タンパク質の探索;タンパク質−タンパク質相互作用のためのcDNAライブラリーの探索;および任意の他のそのような応用が含まれる。
【0220】
実施例
以下の実施例は、解説目的のためだけに含まれるものであり、本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。
【0221】
実施例1
抗タグ抗体コレクションの調製
A.抗体−タグ対のコレクションの作成
ペプチドタグに結合する抗体のコレクションを使用し、タグに結合する分子をソートする。ポリペプチドタグに特異的に結合する抗体のコレクションは、種々の方法により生じ得る。2例を以下に述べる。
【0222】
1.ハイブリドーマスクリーニング
第一の例では、アレイに対し高親和性および高特異性の抗体を、ペプチドエピトープのランダムコレクションを発現するファージディスプレイライブラリーに対し個々のハイブリドーマ細胞のランダム選択化コレクションをスクリーニングすることにより、同定する。ハイブリドーマ細胞は、骨髄腫細胞と、天然(非免疫化)マウスから単離された脾臓細胞(spleenocyte)との融合により作製する。適当な培養を行った後、おおよそ10−30,000の個々の細胞クローン(モノクローナル)が単離され、96ウェルプレートに別々に増殖させる。このコレクションからの培養上清を、有意な量の抗体を分泌する培養物を同定するための抗IgG抗体を用いるELISAによりスクリーニングする。抗体産生が低い培養は中止する。このモノクローナルコレクション由来の抗体を、ハイスループット96ウェル精製方法を用い培養上清から別々に親和性精製し、当該量を精製し、定量した。
【0223】
精製抗体を、フィルター上へのロボットスポッティングによりアレイし、また、次いで、常磁性ビーズに結合させて別々に混合し、ランダムシステイン束縛七量体アミノ酸配列(random cysteine−constrained heptameric amino acid sequence)をディスプレイする繊維状M13バクテリオファージライブラリーから高親和性エピトープをパンニングするサブストレートを作成する。当該ファージライブラリーを、ファージライブラリーを抗体被覆ビーズと混合し、ビーズからの遊離性結合ファージ(loosely−bound phage)を洗浄することにより高親和性エピトープをディスプレイするファージとして富化する(パンニング)。数ラウンドのパンニングにより、コレクション中に存在するモノクローナル抗体に強固に結合するファージを含むライブラリーが高富化される。高親和性ファージ抗体対を分離および同定するため、富化ファージライブラリーを、高緊縮結合条件下でアレイ化抗体を含むフィルターでインキュベーションする。フィルターにおける抗体に結合するファージを、HRP結合抗ファージ抗体および化学ルミネセンスサブストレートで染色し、ルミネセンスシグナルを生じさせることにより同定する。当該シグナルは、ハイレゾリューションCCDカメライメージング装置を用いを定量する。高親和性結合ファージを、フィルターから回収し、増殖させる。個々のスポットから回収した幾つかの独立ファージクローンを配列決定し、相当する抗体として共通高親和性エピトープを同定する。
【0224】
a.ハイブリドーマの作成
ハイブリドーマ細胞は、当業者に既知の方法(例えば、Harlow et al. (1988) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor)により調製する。ハイブリドーマ細胞は、マウス脾臓細胞(spleenocyte)とマウス骨髄腫細胞の融合により作製する。融合の場合、非免疫化マウスの脾臓から単離した抗体産生細胞を、骨髄腫細胞と混合し、融合する。他に、ハイブリドーマ細胞は、異なるエピトープタグの混合物を含む組換えタンパク質(例えば、ジヒドロフォレートレダクターゼ、DHFR)で事前に免疫化したマウスから単離した脾臓細胞(spleenocyte)から作製し、担体に結合する(すなわち、Keyhole limpet hemocyanin、KLH)。当該エピトープタグは、DHFR遺伝子との遺伝学的融合物の一部として発現するランダムシステイン束縛化(constraine)ペプチドである。当該ランダムペプチドは、合成変性オリゴヌクレオチドからアセンブルされるDNA挿入物によりコードされており、繊維状バクテリオファージM13の遺伝子IIIタンパク質(gIII)中へクローニングする。ペプチドライブラリーをコードするDNAは、商業的に利用可能である(Ph.D.−C7CTM Disulfide Constrained Peptide Library Kit, New England Biolabs)。Ph.D.−C7CTMライブラリーはおおよそ3.7×10種のペプチドを含む。
【0225】
融合後、細胞を選択培地中に希釈し、マルチウェル組織培養ディッシュ中にプレートする。マウス骨髄腫細胞の自然で(healthy)、迅速な分割培養物を、20%胎児ウシ血清(FBS)および2×OPIを含む培地20ml中に希釈する。培地は、典型的にDulbecco’s修飾Eagle’s(DME)またはRPMI1640培地である。培地の成分は既知である(例えば、Harlow et al. (1988) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor)。抗体産生細胞は、マウスからの脾臓の無菌切除および細胞中への脾臓破壊、および2×OPI培地での洗浄による巨大組織の切除によって、調製される。典型的なマウス脾臓は、おおよそ5×10から2×10リンパ球を含む。調製されるハイブリドーマが任意の抗原に対する免疫によって富化されることはないため、1を超えるマウスからの脾臓を使用し、細胞を混合する。当数の脾臓細胞および骨髄腫細胞を遠心分離(400×gで5分間)でペレットとし、当該ペレットを、血清のない培地5mlに別々に再懸濁し、次いで合わせる。43%ポリエチレングリコール(PEG)溶液を加え、0.84%とする。当該細胞をPEG含有培地中にゆっくりと再懸濁し、次いで、400×gで5分間の遠心分離により再ペレット化し、20%FBSを含む培地5ml中の再懸濁液により洗浄し、再ペレットし、20%FBS、1×OPIおよび1×AH(AHは選択培地である;1×AHは5.8μMアザセリンおよび0.1mMヒポキサンチン)の上清培地で2回洗浄する。細胞を37℃でCOインキュベーター中でインキュベーションする。クローンは4日後、顕微鏡で見ることができる。
【0226】
b.ハイブリドーマ細胞の単離
安定ハイブリドーマを、乏しい培地(poor medium)中で数日間増殖させることにより選択する。次いで、培地を新しい培地と置換え、単一ハイブリドーマを制限希釈クローニングにより単離する。ハイブリドーマ細胞は非常に低いプレーティング効率を有するため、単一細胞クローニングは、フィーダー細胞またはコンディション化培地の存在下、行う。新しく単離した脾臓細胞を、通常組織培地条件下では増殖せず、ハイブリドーマ細胞の拡大の間に喪失するフィーダー細胞と同様に使用し得る。この手順では、脾臓は、外観的にマウスから取除き、破壊する。放出細胞を、10%FBSを含む培地中で繰り返し洗浄する。脾臓は、典型的に、10細胞/mlで100ml生ずる。当該フィーダー細胞を96ウェルプレートにウェルあたり50μlでプレートし、24時間増殖させた。自然のハイブリドーマ細胞を、20%FBS、2×OPIを含む培地中に、mlあたり20細胞の濃度に希釈する。細胞は、できるだけ遊離のクランプとなる。希釈化ハイブリドーマ細胞50μlをフィーダー細胞に加え、最終体積100μlとする。クローンは、4日で現れ始める。他に、単一細胞は、単一細胞を個々にピペッティングすることによる単一細胞ピッキングにより単離し得る。単一細胞はまた、軟寒天中での増殖により得られ得る。一旦、自然な安定な培養が行われると、当該細胞は、10%FBSで上清化したDME(またはRPMI1640)培地中での増殖により維持される。安定な細胞を、ジメチルスルホキシド(DMSO)のような凍結防止剤を含む培地中でゆっくりと凍結させることにより液体窒素中で保存し得る。細胞により生ずる特定量の抗体を、ELISA法により培地上清中の抗体量を測定することにより決定する。
【0227】
2.ハイブリドーマ培養上清からの抗体精製
個々の培養上清からの抗体精製を親和性結合により行う。親和性結合サブストレートの数が利用可能である。下記の手順は、固定化プロテインL(Pierce)を含む商業的に利用可能なサブストレートに基づいており、製造者指示手順に従っている。端的に、培養上清を1:1で結合緩衝液(0.1M ホスフェート、0.15M 塩化ナトリウム(NaCl)、pH7.2)で希釈し、0.2mlまでの希釈サンプルを、結合緩衝液を事前に装備したReacti−BindTM Protein L Coated plate(Pierce)に適用する。ウェルを3×0.2ml結合緩衝液で洗浄する。2×0.1mlの溶出緩衝液(0.1M グリシン、pH2.8)で結合抗体を溶出させ、1M Tris、pH7.5、20μlと合わせる。96ウェルフィルタープレート(Nalge Nunc)と組合せてSephadex G−25ゲル濾過を用い精製抗体を脱塩する。
【0228】
ファージパンニングサブストレートを作製するため、上記のように別々に精製した抗体をあわせ得る。他に、精製抗体混合物は、プール化培養上清からバッチ精製により得られ得る。乏しい培地上清からの抗体の精製はまた、親和性結合により行う。多数の親和性結合サブストレートが利用可能である。下記の手順は、固定化プロテインL(Pierce)を含む商業的に利用可能なサブストレートに基づいており、製造者が指示する手順に従う。端的に、培養上清を結合緩衝液で1:1に希釈し、4mlまでの希釈サンプルを、結合緩衝液で事前に装備したAffinity PackTM Immobilized Protein L Column (Pierce)に適用する。結合緩衝液20mlでカラムを洗浄し、または250nmの吸収がバックグラウンドに帰する(return)まで洗浄する。結合抗体を6−10mlの溶出緩衝液で溶出し、1M Tris、pH7.5を含む1ml画分中に回収する。吸収280nmおよび乏しい適当画分により結合タンパク質の放出をモニターする。ExcelluloseTM Desalting Column(Pierce)を用い精製抗体を脱塩する。
【0229】
3.フィルター上への抗体のアレイイング
個々のハイブリドーマ培養物から精製する抗体を、自動化アレイイングツール(PixSys NQナノリッター分配ワークステーション、Cartesian Technologies; BioChip Arrayer; Packard Instrument Company; Total Array System; BioRobotics; Affymetrix 417 Arrayer; Affymetrix)を用い、1μg−1mg/ml濃度で0.1M PBS(リン酸緩衝食塩水)、pH7.4の緩衝液中、1μlを膜(UltraBind膜、Pall Gelman;FASTニトロセルロース被覆スライド、Schleicher & Schuell)上にスポットする。当該スポットを1−2分間、風乾する。UltraBind膜は、第一級アミンと反応する活性化アルデヒド基を含み、膜と抗体との間で共有結合を形成する。非反応アルデヒドは、30分間、50mM PBS、pH7.4、2%ウシ血清アルブミン(BSA)の溶液でインキュベーションすることによりブロックされる。当該フィルターは、50mM PBSでリンスし得、次いで完全に風乾させる。
【0230】
4.常磁性ビーズにおけるファージディスプレイライブラリーのパンニング
繊維状バクテリオファージM13の遺伝子IIIタンパク質(gIII)に対するN末端遺伝学的融合の一部として発現するランダムシステイン束縛化ペプチドを含むファージライブラリーは、本質的に記載されているように構成される(Kay et al. (1996) Phage Display of Peptides and Proteins: A Laboratory Manual, Academic Press, San Diego)。ランダムペプチドは、合成変性オリゴヌクレオチドからアセンブルされるDNA挿入物によりコードされており、gIIIにクローニングされる。これらのライブラリーは、商業的に利用可能である(Ph.D.−C7CTM Disulfide Constrained Peptide Library Kit, New England Biolabs)。Ph.D.−C7CTMライブラリーは、おおよそ3.7×10独立クローンを含む。
【0231】
Ph.D.−C7CTMライブラリーからの2×1011ファージビリオンを、マウスIgGのFcドメイン(Dynal; このモノクローナルはヒト抗体に結合しない)に特異的な精製抗体300μgおよびヒトIgG4モノクローナル抗体と合わせ、TBST(50mM Tris−HCl(pH7.4)、150mM NaCl、0.1%Tween−20)で最終体積0.2mlとする。抗体の最終濃度はおおよそ10nMである。室温で20分間インキュベーションする。
【0232】
ファージ抗体溶液をDynabeads Pan Mouse IgG(Dynal)と合わせる。当該ビーズを、PBS、pH7.4、0.1%BSA、0.02%アジド化ナトリウム中の懸濁液として供給する。ビーズを、ファージと混合する前に数回、TBS(50mM Tris−HCl(pH7.4)、150mM NaCl)で洗浄する。当該ビーズは磁石(Magnetic Particle Concentrator, Dynal)の適用により溶液から分離する。ファージ抗体溶液を加え、0.1μg/10ビーズの濃度とし、ゆっくりとチルティングおよびローテーションしつつ4℃で30分間インキュベーションする。ヒト抗体の包含により、Dynabeadsに固定化したヒト抗体に結合するファージの選択を妨げる。加えて、ブロッカーとしての溶解ヒト細胞からのヒトタンパク質の包含は、ヒト細胞中にも存在するファージエピトープの選択を妨げる。当該選択抗体ファージ対は、試験するサンプル中に天然に存在するタンパク質と拮抗しない。
【0233】
当該方法の次のステップで、磁石を使用し液体から取除き、TBST1mlの洗浄緩衝液中にビーズを懸濁する。洗浄ステップを10回繰り返す。最後の洗浄ステップ後、0.2M グリシンHCl、pH2.2、1mg/mlBSA(1ml)中にビーズを懸濁し、液体回収前に室温で10分間インキュベーションすることにより、捕捉ファージを溶出する。回収液体のpHは1M Tris、pH9.1(0.15ml)を加えることにより直ちに中性化する。溶出液の少量のアリコートを、LB−Tetプレート上でER2738大腸菌(E. coli)を伝染させることにより力価する。
【0234】
ER2738 E. coliのmid−log培養物20mlの添加により溶出液を増幅し、4.5時間LB−Tet中で増殖させる。10,000rpm、10分間の遠心分離によりE. coli細胞からファージビリオンを分離し、新しいチューブに移す。繰り返して、80%を超える上清を新しいチューブに移す。1/6体積のPEG/NaCl(20% w/vポリエチレングリコール−8000、2.5M NaCl)を添加し、その後、一夜4℃で沈殿させることにより濃縮する。当該ファージを10,000rpmで15分間遠心分離することにより回収し、当該ペレットをTBS1ml中に再懸濁する。微小遠心分離チューブ中でPEG/NaClを用いファージを再沈殿し、当該ペレットをTBS0.2ml、0.02%アジド化ナトリウム中に再懸濁した。微小遠心分離を1分間行い、任意の残りの物質を取除く。上清は増幅化溶出液である。増幅化溶出液を力価し、上記のように3回パンニングを繰り返す。個々のラウンドのパンニングおよび増幅により、ファージのプールは、抗体に結合するファージとして富化する。インプットとして使用するファージの濃度を一定に保つならば、回収されるファージの数は増大する。ファージは、4℃で保存するか、滅菌グリセロールで1:1に希釈し−20℃で保存する。
【0235】
5.ファージによる抗体アレイの染色
個々の培養上清から調製するアレイ化抗体を含むフィルターを富化ファージライブラリーでプローブする。この方法は、標準的ウェスタンブロッティングまたはドットブロッティング手順と類似する。端的に、ブロック化フィルターは、TBST、pH7.4、0.1%v/v Tween−20、1mg/ml BSA中で再水和し、1時間4℃でインキュベーションする。ファージを加え、濃度2×1011ファージ/mlとし、室温で30分間フィルターと共にインキュベーションする。ハイブリダイゼーション溶液を回収し、当該フィルターをブロッキング溶液(TBST、pH7.4、0.1% v/v Tween−20、1mg/ml BSAおよびヒト細胞由来可溶性タンパク質)で大量に洗浄する。ブロッキング溶液に、1mg/mlストック濃度から、ブロッキング緩衝液中で1:100,000から1:500,000希釈したHRP結合抗M13抗体を加え、1時間ゆっくりと振盪しつつインキュベーションする。少なくとも4から6回、TBSTで膜を洗浄する。当該ブロットを、SuperSignal West Femto Substrate Working Solution (Pierce)中に5分間、完全に濡らす。当該フィルターを、オートラジオグラフィーフィルム(Kodak)にさらすことによりイメージし得るか、またはホスホイメージャー(BioRad)のようなイメージング装置または電荷結合素子(CCD)カメラ(Alphalnnotech; Kodak)のようなイメージング装置を用いイメージ化し得る。
【0236】
6.フィルターからのファージの回収およびエピトープの配列決定
ファージは、イメージングから同定されたファージを含むスポットを切除することによりフィルターから回収され得る。ファージは、0.2M グリシン−HCl、pH2.2、1mg/ml BSA(0.5ml)中のフィルター切片を再懸濁し、液体を回収する前に10分間室温でインキュベーションすることにより、フィルターから溶出させる。回収液のpHは、1M Tris、pH9.1(0.075ml)を加えることにより直ちに中性化される。溶出液の少量のアリコートを、LB−Tetプレート上でER2738 E. coliを伝染させることにより力価する。単離プラーク(典型的に10プラーク)をDNA単離のためにピックし、共通エピトープの定義のために配列決定する。プラークは、滅菌ピペットチップまたは爪楊枝を用い自然なmid−log培養物から新しく1:100に希釈したER2738 E. coli細胞の培養物1mlを接種し、振盪しつつ4から5時間37℃でインキュベーションすることにより増幅する。ファージは、30秒間微小遠心分離により回収し、新しいチューブに上清0.5mlを移し、PEG/NaCl0.2mlを加え、ゆっくりと10分間混合した後、室温で静置し得る。ファージを、遠心分離の最高速度で10分間、微小遠心管中で遠心分離することによりファージをペレットとする。任意の残りの上清を廃棄し、当該ペレットをイオジン緩衝液0.1mlおよびエタノール0.25ml中に完全に懸濁し、単一鎖DNAを沈殿させる。DNAペレットを70%エタノールで洗浄し、風乾する。DNAを標準的方法で配列決定する。
【0237】
B.選択的感染
ファージディスプレイのような選択的感染技術を用い、タンパク質−タンパク質対の相互作用を同定する。これらシステムは、細菌と感染ウイルス(ファージ)との間の感染プロセスを仲介する、タンパク質−タンパク質相互作用の必要性に有利となる。繊維状M13ファージは、細菌のF線毛に最初に結合することによりE. coliに通常感染する。当該ウイルスは、traA遺伝子によりコードされるF線毛タンパク質の個別領域における線毛に結合する。この結合は、ファージのチップにおけるマイナーコートタンパク質(プロテイン3)により仲介される。F線毛タンパク質におけるファージ結合部位(traA遺伝子における13アミノ酸配列)を工作し、ファージ結合部位のランダム混合物を発現する細菌の巨大な群を作製する。
【0238】
ファージコートタンパク質(プロテイン3)をまた、工作し、別種の単一鎖抗体構造のライブラリーを示す。細菌の感染およびウイルスのインターナリゼーションは、そのため、適当な抗体ペプチドエピトープ相互作用により仲介する。細菌およびウイルスDNAに適当な抗生物質耐性マーカーを置くことにより、個々のコロニーは、抗体およびそれに相当するペプチドエピトープの両方の遺伝子を含むように選択し得る。組換え抗体ファージは、非免疫化マウスから調製したライブラリーをディスプレイし、traA遺伝子中のファージ結合部位中にランダムペプチド配列を含む細菌株は商業的に利用可能である(Biolnvent, Lund, Sweden)。組換え抗体ライブラリーの作製を以下に記載する。
【0239】
C.抗体の発現および精製
ハイブリドーマ上清からの抗体の精製は、親和性結合により行う。多くの親和性結合サブストレートが利用可能である。下記の手順は、固定化タンパク質L(Pierce)を含む商業的に利用可能なサブストレートに基き、製造者が指示する手順に従う。端的に、培養上清を結合緩衝液(0.1M ホスフェート、0.15M塩化ナトリム(NaCl)、pH7.2)で1:1に希釈し、4mlまでの希釈サンプルを、結合緩衝液を事前に装備したAffinity PackTM Immobilized Protein L Column(Pierce)に適用する。カラムを結合緩衝液20mlで洗浄し、または250nmの吸収がバックグラウンドに帰する(return)まで洗浄する。結合抗体を6−10mlの溶出緩衝液(0.1M グリシン、pH2.8)で溶出し、1M Tris、pH7.5(100μl)を含む1ml画分中に回収する。吸収280nmおよび乏しい適当画分により結合タンパク質の放出をモニターする。ExcelluloseTM Desalting Column(Pierce)を用い精製抗体を脱塩する。当該精製を適当にスケールし得る。他に、抗体は、プロテインA(またはプロテインG)、HiTrapカラム(Amersham Pharmacia)およびFPLCクロマトグラフシステム(Amersham Pharmacia)を使用する親和性クロマトグラフィーにより精製し得る。製造者が指示するプロトコールに従う。
【0240】
組換え抗体は、発現し、記載のように精製する(McCafferty et al. (1996) Antibody engineering: A practical Approach, Oxford University Press, Oxford)。端的に、組換え抗体をコードする遺伝子を誘導可能プロモーターを含む発現プラスミド中にクローニングする。活性組換え抗体の産生は、多数の分子内ジスルフィド結合の形成に依存する。細菌細胞質の環境は縮小し、そのため、ジスルフィド結合形成が妨げられる。この問題の1つの解決は、分泌シグナルペプチドを、ペリプラズムの非縮小環境への輸送を指示する抗体に遺伝学的に融合することである(Hanes et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94: 4937−4942)。
【0241】
他に、抗体は、不溶性のインクルージョンボディーとして発現し、ジスルフィド結合の形成を促進する条件下、インビトロでリフォールディングし得る。適当な抗生物質を含むLB培地0.5Lに接種し、32℃で10時間振盪する。産生培地(リッターあたり、3g硫酸アンモニウム、2.5gリン酸カルシウム、30gカゼイン、0.25g硫酸マグネシウム、0.1mg塩化カルシウム、10ml M−63塩濃度、0.2ml MAZU 204 Antifoam(Mazer Chemicals)、30gグルコース、0.1mgビオチン、1mgニコチンアミド、適当な抗生物質、pH7.4)9.5リッターを接種するためにスターター培地を使用する。pH7.2でChemap(など)ファーメンターを使用し、発酵させ、分あたり培地に対し1:1v/vでエアレーションし、32℃で800rpmで振盪する。600nmでの吸収が18−20に到達したとき、42℃で1時間加熱し、次いで10分間10℃に冷却し、その後、細胞ペーストを7,000×gで10分間遠心分離することにより細胞ペーストを回収する。回収は、典型的に、10リッター発酵物から200−300gウェット細胞ペーストであり、凍結を維持する。
【0242】
組換え抗体を、2.5リッター細胞溶解緩衝液(50mM Tris−HCl、pH8.0、1.0mM EDTA、100mM KCl、0.1mM フェニルメチルスルホニルフロリド;PMSF)中に再懸濁することにより、融解細胞ペースから可溶性にし、4℃で維持する。再懸濁細胞をManton−Gaulin細胞ホモジナイザーに3回通過させ、次いで、24,300×gで30分間、6℃で遠心分離により不溶性抗体を回収する。当該ペレットを細胞溶解緩衝液1.2リッター中に再懸濁し、ホモジナイゼーションおよび回収を上記のように5回繰り返す。洗浄したペレットを凍結保存し得る。組換え抗体を、細胞ペレットのグラムあたり変性緩衝液(6M 塩酸グアニジン、50mM Tris−HCl、pH8.0、10mM 塩化カルシウム、50mM 塩化カリウム)6ml中に再可溶化することにより、復元する。24,300×g、45分間、6℃での遠心分離から上清を、変性緩衝液で280nmで光学密度25に希釈し、そして冷(4−10℃)リフォルディング緩衝液(50mM Tris−HCl、pH8.0、10mM 塩化カルシウム、50mM 塩化カリウム、0.1mM PMSF)中にゆっくりと希釈し、1:10希釈を2時間に渡り行う。当該溶液は、少なくとも20時間4℃で静置し、その後、0.45μm微小孔膜を通し濾過する。次いで、当該濾液は、約500mlに濃縮し、その後、HPLCを使用し最終精製する。
【0243】
濾液は、伝導率がHPLC緩衝液AのものにマッチするまでHPLC緩衝液A(60mM MOPS、0.5mM 酢酸カルシウム、pH6.5)で透析する。透析サンプル(60mgまで)を21.5mm×150mmポリアスパラギン酸PolyCATカラムに負荷し、HPLC緩衝液Aで平衡化し、HPLC緩衝液AとB(HPLC緩衝液Bは、60mM MOPS、0.5mM 酢酸カルシウム、pH7.5)との間の50分間直線状勾配でカラムから溶出させる。残りのタンパク質はHPLC緩衝液C(60mM MOPS、100mM酢酸カルシウム、pH7.5)で溶出させる。回収画分をSDS−PAGEで分析する。
【0244】
D.エピトープタグによるタンパク質の捕捉およびその検出のための例示アレイおよびその使用
実施例6にも記載の通り、本明細書の方法の機能化を解説するため、例えば、ヒトインフルエンザウイルス赤血球凝集素(HA)タンパク質エピトープのような異なるペプチドエピトープに対し特異的な捕捉抗体(アミノ酸配列YPYDVPDYAを有する)を、タグに、例えばscFvに使用する。例えば、ヒトフィブロネクチン(HFN)に対する抗原特異性を有するscFvをHAエピトープでタグ化し、そのため、HAペプチドに特異的な抗体により認識され、HFNの抗原特異性を有する分子(HA−HFN)を作製する。
【0245】
ニトロセルロース膜のような膜上に抗HAタグ捕捉抗体を含む、捕捉抗体を置いた(deposit)後、それらを室温および適当な湿度で適当な時間乾燥させる(例えば、10分間から3時間であり、それは、経験的に決定され得る)。乾燥後、置いた、乾燥した抗HA捕捉抗体で膜をブロックし、必要ならば、最終濃度0.05%(vol:vol)となるように加えるTween−20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート;Sigma)を有するリン酸緩衝食塩水(PBS)中に1×となるまで希釈した、Blocker BSA(Pierce)のようなタンパク質含有溶液でブロックし、膜に非特異的に結合するタンパク質により生ずるバックグラウンドシグナルを除く。本明細書に含まれる後の記載に関し、BBSA−Tとしてブロッキング試薬が言及され、0.05%(vol:vol)Tween−20を有するPBSをPBS−Tとして言及する。ブロッキング時間は、例えば、30分間から3時間の間で変化し得る。この手順の下記のその後の全インキュベーション(洗浄を除く)の場合、インキュベーション時間は、約20分間から2時間の間で変化する。同様に、インキュベーション温度は、室温から約37℃の間で変化し得る。すべての場合において、正確な条件が経験的に決定され得る。
【0246】
置かれた抗HA捕捉抗体を含む膜のブロッキング後、ペプチドエピトープタグ化scFvを伴うインキュベーションを行い得る。精製scFv(または、誘導によるscFvの発現を目的とするプラスミド構成物を保持するE. coli培養物からのscFvの精製の間に得られる細菌性培養物上清、または異なる粗亜細胞性画分)はBBSA−T中で種々の濃度(例えば、0.1と100μg/mlとの間)に希釈され得る。次いで、置いた抗ペプチドタグ捕捉抗体を有する膜を、このHA−HFN scFv抗原溶液と共にインキュベーションする。置いた抗HA捕捉抗体および結合HA−HFN scFv抗原を有する膜を、1またはそれより多い回数(例えば、3回)、PBSTで、適当な時間(例えば、洗浄あたり3−5分間)、種々の温度で洗浄する。
【0247】
置いた抗HA捕捉抗体および結合HA−HFN scFcv抗原を伴う膜を、PBS−Tで複数回(典型的には3回)、適当な時間(例えば、典型的には洗浄あたり3から5分間)、種々の温度で洗浄する。置いた抗HA捕捉抗体および結合HA−HFN scFvを有する膜を、証明目的のために、ビオチン化ヒトフィブロネクチン(Bio−HFN)(捕捉HA−HFN scFvにより認識される抗原である)と共にインキュベーションする。Bio−HFNを連続的にBBSA−Tで希釈する(例えば、1から10μg/ml)。生ずる膜を適当な回数(典型的には3)PBS−Tで、適当な時間(典型的には、洗浄あたり3から5分間)、種々の温度で洗浄し、次いで、連続的に希釈した(例えば、BBSA−T中1:1000から1:100,000)Neutravidin・HRPO(Pierce)と共にインキュベーションする。生ずる膜を前の通り洗浄し、PBSでリンスし、SupersignalTM ELISA Femto Stable Peroxide SolutionおよびSupersignalTM ELISA Femto Lumino Enhancer Solution (Pierce)で現像(develope)し、次いで、例えば、Kodak Image Station 440CFまたは他のイメージングシステムのようなイメージングシステムを用いイメージする。1:1のペルオキシド溶液:ルミノール混合物を調製し、少量をイメージステーションのプラテンにプレートする。
【0248】
次いで、膜を、アレイサイドを下にプラテンの中央に置き、膜の抗体含有部分の表面領域をカメラレンズのイメージング範囲の中央に位置させる。この方法で、プラテンに存在する少量のディベロッパーは、スライドの抗体含有部分の表面エリア全体に接触し得る。当該イメージステーションカバーを、抗体アレイイメージ捕捉のため閉じる。カメラフォーカス(ズーム)は、イメージする膜の大きさに依存して変化する。露光時間は、現像膜から発出するシグナル強度(明るさ)に依存して変化し得る。カメラf−ストップセッティングは、1.2と16との間で無制限に調節し得る。
【0249】
アレイイメージのアーカイビングおよび分析は、例えば、Kodak ID3.5.2ソフトウェアパッケージを用い行い得る。目的の領域(ROI)を、捕捉抗体のグループをフレームするソフトウェアを用い描く(アレイ上の既知の位置でプリントする)。正味の、合計の、最小値の、最大値のおよび平均の強度を表す、ROI値数、同様に標準偏差およびROIピクセルエリアは、例えば、ソフトウェアにより自動的に算出される。これらのデータを、例えば、Microsoft Excelに、統計分析のために変換する。
【0250】
実施例2
タグ化cDNAライブラリーの調製およびプライマーの調製
ターゲットに対する抗体のアレイを、ソーティング装置として使用する。cDNAライブラリー由来のタンパク質をアレイの表面上で浸し、ライブラリータンパク質と遺伝学的に融合するペプチドエピトープを特異的認識し結合する抗体を含むスポットに結合する。このシステムの鍵は、比較的多数の遺伝子(おおよそ10から10)上の比較的小数のタグ(おおよそ1,000)にランダムに結合し均等に分布する能力である。タグの、ライブラリー中の遺伝子間での均等な分布を確実とするため、タグは、PCR増幅前に遺伝子中に組込まれる。これらの仕事を行うため、種々の方法を本明細書に記載する。
【0251】
cDNAライブラリー作成のため、メッセンジャーRNA(mRNA)を細胞から最初に単離し、次いで、第二ステップでDNAに変換する。第一ステップでは、酵素RNA依存DNAポリメラーゼ(逆転写酵素;RTase)を用いRNA:DNA二重鎖分子生ずる。次いでRNA鎖を、DNA依存DNAポリメラーゼ(DNAポリメラーゼまたはKlenow fragmentのようなポリメラーゼのフラグメント)を用い新規に合成したDNA鎖により、置換する。
【0252】
ある方法は、タグのためのDNA配列を含む第一鎖cDNA合成のためのプライマーのコレクションの使用に依存する。この場合、プライマーは単一鎖オリゴヌクレオチドであり、タグは組込まれ、その後、第二鎖cDNAを合成する。第二鎖cDNA合成の後、生ずる分子をPCRで増幅する。他の方法では、DNA:DNA二重分子は、定義されたヌクレオチドオーバーハングを生ずるよう切断される新規物質の3’末端における特有制限酵素切断を組込むプライマーを使用し、作製する。リンカーDNA分子のコレクションは、相補的オーバーハングを含み、タグのためのDNA配列を、cDNAライブラリーのDNA分子上にライゲーションし、次いでPCR増幅する。第二の方法では、リンカーは二本鎖分子であり、タグは、第二鎖cDNA合成後、組込まれる。何れの方法も、プライマーまたはリンカーの何れかとして分子の巨大多様性コレクションの生成に依存する。これらの分子の調製を以下に記載する。
【0253】
A.方法I:プライマー伸長
ライブラリー構成は、mRNAの単離から始まる。mRNAの直接の単離を、オリゴdTセルロースを用い親和性精製により行う。この方法のための試薬を含むキットは多数の供給者(Invitrogen、Stratagene、Clonetech、Ambion、Promega、Pharmacia)から商業的に利用可能であり、製造者が指示する方法に従い単離する。加えて、多数組織から単離したmRNAはまた、これらの供給者から直接得られ得る。
【0254】
cDNAライブラリー構成物は、本質的に記載のように行う(Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press)。第一鎖合成は、以下のものを4℃で最終体積50μlで混合することにより行う;10μg mRNA(poly(A)RNA)、10μg VLFOR−共通プライマーミックス(VLFOR−共通は以下に記載する)、50mM Tris−HCl、pH7.6、70mM 塩化カリウム、10mM 塩化マグネシウム、dNTPミックス(それぞれ1mM)、4mM ジチオスレイトール、25ユニットRNaseインヒビター、60ユニットマウス逆転写酵素(Pharmacia)。1時間、37℃でインキュベーションする。第二鎖合成の場合、以下の混合物を第一鎖合成溶液に直接加え、最終体積142μlとし;5mM 塩化マグネシウム、70mM Tris−HCl、pH7.4、10mM 硫酸アンモニウム、1ユニットRNAseH、45ユニットE. coli DNAポリメラーゼI、そして室温で15分間インキュベーションする。この混合物に、0.5M EDTA、pH8.0 5μlを加え、反応を止める。最終体積を150μlとする。新規合成cDNAを同体積のフェノール:クロロホルムでの抽出により精製し、非組込みdNTPを、10mM 塩化ナトリウムを含むTE緩衝液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA)、pH7.6で平衡化したSephadex G−50によるクロマトグラフィーで分離する。溶出DNAを、0.1×体積の3M 酢酸ナトリムの添加により沈殿させ、2体積のエタノールで、25℃で少なくとも15分間インキュベーションし、12,000g、15分間、4℃の遠心分離により回収し、70%エタノールで洗浄し、風乾し、次いで、TE(pH7.6)80μlに溶解する。
【0255】
他の方法では、固相合成(McPherson et al. (1995) PCR 2: A Practical Approach. Oxford University Press, Oxford)を用いるcDNAライブラリーの生成を含む。この方法では、第一鎖cDNA合成として使用するプライマーは固体支持体(常磁性ビーズ、アガロース、またはポリアクリルアミド)に結合する。mRNAは、固定化オリゴヌクレオチドプライマーにハイブリダイズすることにより捕捉し、逆転写する。cDNAの固定は、緩衝液およびプライマーの交換の容易化に利点となる。更に、固相に固定化したcDNAは、異なるセットのプライマーを用い、同一ライブラリーでの複数回増幅を可能とするcDNAの安定性を増加する。固相PCRを用いるプライマー生成を本明細書に記載する;そのプライマーを作製する任意の方法が予期される。
【0256】
B.方法II:リンカー融合
方法Iに関し、ライブラリー構成は、mRNAの単離から始まる。mRNAの直接の単離は、オリゴdTセルロースを使用する親和性精製により行う。この方法のための試薬を含むキットは多数の供給者(Invitrogen、Stratagene、Clonetech、Ambion、Promega、Pharmacia)から商業的に利用可能であり、製造者が指示する方法に従い単離する。加えて、多数組織から精製したmRNAはまた、これらの供給者から直接得られ得る。
【0257】
cDNAライブラリー構成物は、本質的に記載のように行う(Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press)。第一鎖合成は、以下のものを4℃で最終体積50μlで混合することにより行う;10μg mRNA(poly(A)RNA)、10μg 5’制限配列−オリゴ(dT)12−18プライマー、50mM Tris−HCl、pH7.6、70mM 塩化カリウム、10mM 塩化マグネシウム、dNTPミックス(それぞれ1mM)、4mM ジチオスレイトール、25ユニットRNaseインヒビター、60ユニットマウス逆転写酵素(Pharmaica)。1時間、37℃でインキュベーションする。第二鎖合成の場合、以下の混合物を第一鎖合成溶液に直接加え、最終体積142μlとし;5mM 塩化マグネシウム、70mM Tris−HCl、pH7.4、10mM 硫酸アンモニウム、1ユニットRNAseH、45ユニットE. coli DNAポリメラーゼI、オリゴ(dT)プライマーの5’末端部位を認識する制限酵素1U、そして室温で15分間インキュベーションする。この混合物に、0.5M EDTA、pH8.0(5μl)を加え、反応を止める。最終体積を150μlとする。新規合成cDNAを同体積のフェノール:クロロホルムでの抽出により精製し、非組込みdNTPを、10mM 塩化ナトリウムを含むTE緩衝液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA)、pH7.6で平衡化したSephadex G−50によるクロマトグラフィーで分離する。溶出DNAを、0.1×体積の3M 酢酸ナトリム(pH5.2)の添加により沈殿させ、2体積のエタノールで、25℃で少なくとも15分間インキュベーションし、12,000g、15分間、4℃の遠心分離により回収し、70%エタノールで洗浄し、風乾し、次いで、TE(pH7.6)80μlに溶解し、DNA濃度を260nm吸収で測定する。次いで、cDNAライブラリーを、cDNA分子の3’末端を消化する制限に特有リンカーを加えることによりタグ化する。リンカーは下記のように調製し、同数のcDNAおよびリンカー分子、10U T4 DNAリガーゼ(100U/μl)、1μl 10mM ATP、1μl ライゲーション緩衝液(0.5M Tris−HCl、pH7.6、100mM MgCl、100mM DTT、500μg BSA)を含み、水で最終体積10μlとした反応物中で精製cDNAにライゲーションし、4時間16℃でインキュベーションする。ライゲーション後、cDNAを、リンカー特異的プライマーを用い増幅する。PCR条件は、35μl 水、5μl Taq緩衝液(100mM Tris−HCl、pH8.3、500mM KCl、15mM MgCl、および0.01%(w/v)ゼラチン)、1.5μl 5mM dNTPミックス(濃度1.25mMのそれぞれのdNTPを有するdATP、dCTP、dGTP、dTTPの等モル)、2.5μl リンカー特異的プライマー(10pmol/μl)、2.5μl VHBACKプライマー(10pmol/μl)、2.5μl cDNAであり、2滴のミネラルオイルをオーバーレイする。94℃に加熱し、Taq DNAポリメラーゼを添加する。94℃1分間、57℃1分間、72℃2分間の30サイクルを用い増幅する。PCR反応物に、7.5M 酢酸アンモニウムを、最終濃度2Mとなるように加え、1体積のイソプロパノールを添加することによりDNAを沈殿させ、25℃で10分間インキュベーションする。遠心分離(13,000rpm、10分間)によりDNAをペレットとし、0.3M 酢酸ナトリム100μl中にペレットを溶解させ、2.5体積のエタノールを加えることにより再沈殿させる。−20℃で30分間インキュベーションする。遠心分離(13,000rpm、10分間)によりペレットとし、70%エタノールでペレットをリンスする。真空で10分間乾燥させ、次いで、10−100μl TE緩衝液中に乾燥ペレットを溶解させ0.2−1.0mg/mlとする。DNA濃度は、260nm吸収で測定する。
【0258】
実施例3
組換え抗体
抗体は、治療、診断および基礎研究に用いられる高価な試薬である。高い特異性、高い親和性の抗体による迅速な同定を可能とする新規技術の必要性がある。最も高価な抗体は、疾患処置に直接使用できるものである。治療抗体は、医薬の分野で受け入れられたものとなった。組換え抗体は、非ヒトモノクローナル抗体よりも免疫性の低い抗体を作成するヒト抗体遺伝子から作製され得る。例えば、ハーセプチン、p185HER2/neu腫瘍性タンパク質のエクトドメイン(ectodomain)に結合する組換えヒト抗体は、乳癌処置として受け入れられており、その治療に重要となっている。
【0259】
治療性抗体の他の例には、腎臓移植拒絶の処置のためのOKT3;ジゴキシン毒性の処置のためのDigibind;血管形成合併症(angioplasty complication)の処置のためのReoPro;結腸癌の処置のためのPanorex;非Hodgkin’sリンパ種の処置のためのRituxan;急性腎移植拒絶の処置のためのZenapax;小児性感染疾患の処置のためのSynagis;腎移植拒絶の処置のためのSimulect;クローン病の処置のためのRemicadeが含まれる。治療抗体を発見するための最近の方法は、強烈に、骨の折れる作業であり、時間を必要とする。
【0260】
抗体が、医学診断産業を変える。サブストレートに対する抗体の特異性は、前立腺特異的抗原、小分子代謝および薬物のような広範囲のタンパク質疾患マーカーの臨床試験に使用し得る。新規の抗体に基づく診断ツールは、疾患段階および徴候予測のよりよい診断評価を行う医師の手助けとなる。
【0261】
抗体はまた、タンパク質精製、サンプル中の特定タンパク質および他の生体分子の量の測定、タンパク質修飾の同定および測定、および細胞中のタンパク質の位置の同定に使用される強力な研究試薬である。複合調節および細胞中のシグナリングシステムの現在の知識は、広くは、研究抗体の利用可能性に帰する。
【0262】
我々の身体の免疫防御システムの一部として、抗体は、他のタンパク質(抗原)を特異的に認識し強固に結合するように設計される。身体では、多数の多様性の抗体構造体を産生するコンビナトリアル遺伝子シャッフリングのエレガントなシステムが発達している。我々の身体は、陰性選択(アポトーシス)および陽性選択(クローン拡大)の組合せを使用し、有用な抗体を同定し、数十億の非有用性構造体を排除する。抗原に対する抗体の結合は、更に、「親和性成熟(affinity maturation)」として知られる選択の第二相で精製される。この方法では、更なる多様性が、クローン拡大により選択される、思いがけない身体変異により生ずる(すなわち、高親和性の抗体を発現する細胞は、より弱い抗体を産生する細胞よりもより早く増殖する)。
【0263】
抗体は、化学的架橋により強力に同時に保持される4種のタンパク質鎖(2つのより長い「重」鎖および2つのより短い「軽」鎖)を構成する。抗体による最大範囲の抗原認識は、抗体分子の末端の抗原認識部位中の構造可変部(「重」および「軽」鎖が一体となる(「可変領域」と呼ぶ))により行われる。免疫システムの抗体産生細胞は、DNAを再配列し、可変重鎖(V)および可変軽鎖(V)遺伝子の単一組合せを生ずる。
【0264】
抗体アセンブリの過程は、組換えDNA技術を使用し行われ得る。VおよびV鎖遺伝子に隣接する共通DNA配列は、ヒト細胞の群から精製したmRNAからPCR遺伝子増幅し得るプライミング領域として役立ち得、増幅遺伝子は、組換えの天然過程を真似る試験管中でランダムにアセンブルし得る。アセンブル組換え抗体遺伝子は、10億種類以上の組合せを典型的に含む、コレクションまたは「ライブラリー」を形成する。
【0265】
ライブラリー中で望ましい抗体クローンを同定するため、種々の選択スキームが開発されている。タンパク質ディスプレイ技術は、ゲノム型(遺伝物質またはDNA)を表現型(遺伝物質またはタンパク質の構造発現)とリンクさせる。ウイルスまたは細胞の表面上でタンパク質を発現する能力は、親和性選択技術と結合し得る。この強力な組合せは、最も高い親和性によりタンパク質が巨大多様性群(10億種以上の構造変異体をしばしば含む)から選び出されることを可能とする。
【0266】
繊維状バクテリオファージディスプレイシステムでは、抗体遺伝子ライブラリーは、細菌性ウイルス(ファージ)の先端部で発現し、高親和性抗体のディスプレイは、固定化抗原に結合することにより選択される。繰り返しのラウンドの選択は、望ましい特性を含む抗体を富化する。しかし、ファージディスプレイは、細菌性細胞のDNA取り込み能力および人工選択バイアスにより制限される。
【0267】
リボゾームディスプレイでは、クローニングした抗体遺伝子をmRNAに転写し、次いで、リボゾームとの結合を介し同系列mRNAとの結合を維持するように、インビトロで翻訳する。抗体−リボゾーム−mRNA複合体は、親和性精製により選択し、PCRにより増幅する。繰り返しラウンドの選択は、望ましい特性を含む抗体を富化する。他のアプローチは、転写タンパク質に対するmRNAのピューロマイシン共有結合により作製されるmRNA−タンパク質融合物を使用し、生ずるハイブリッド分子を親和性富化により選択する。
【0268】
組換え抗体cDNAライブラリーのタグ化
以下で、組換え抗体cDNAライブラリーをタグ化するための方法を記載する。タグ化プライマーVLFORは、5種の機能性単位を含む(Jkappa for、エピトープ、D、および共通)(図10および11)。Jkappa for領域は、免疫グロブリン遺伝子をコードするmRNAに位置する共通配列を特異的に認識し増幅する機能を有する。天然免疫グロブリン分子は、2つの同一重鎖(H鎖)および2つの同一軽鎖(L鎖)からなる。B細胞は、別々のmRNA分子としてHおよびL鎖遺伝子を発現する。HおよびL鎖mRNAは機能領域:可変領域および定常領域からなる。可変重鎖領域(V)は、可変性、多様性、および結合性遺伝子(VDJ組換えと称する)の組換えとして作成する。可変軽鎖領域(V)は、可変性および結合性遺伝子(VJ組換えと称する)の組換えにより作製される。結合遺伝子は、軽鎖の共通領域の前にある。
【0269】
kappa for配列は、同一であり、多数のV遺伝子の増幅に使用する25種のDNA配列のセットを構成する。これらの配列は、通常、組換え抗体ライブラリーの作製に使用され、PCRによるV遺伝子の増幅開始のプライマーとして役立つ。
【0270】
機能性領域「D」は、特異的PCR増幅を配列に供することによりライブラリーを「分割する」のに使用される配列をいう。それらは、既知配列からなる。例として、配列5’−GATC(A)(T)GATC(G)TC(C)GA(A)G−3’配列番号1があり、括弧のある位置は変化する。D配列をコードするオリゴヌクレオチドはお互いの中におよびデータベース中の既知配列中に同一性を有する最小の配列を提供し、PCR間で特異的増幅が最大となるように設計する。タグ中にこれらの配列を組込むことにより、ライブラリーが、異なる配列に特異的になプライマーを用いるPCR増幅により分割され得る。例えば、ライブラリーが上記配列でタグ化されるならば、配列5’−GATC(A)(T)GATC(G)TC(C)GA(A)G−3’配列番号2を含むプライマーは、タグ化分子の一群を特異的に増幅し、その一方、配列5’−GATC(G)(G)GATC(A)TC(A)GA(A)G−3’配列番号3を含むプライマーはタグ化分子の別群を増幅する。
【0271】
機能性領域「エピトープ」は、アレイ中、抗体のような捕捉試薬により特異的に認識されるペプチド「エピトープ」をコードする配列を含む。これらの配列は、機能性ペプチドタグが生ずるように、インフレームでJkappa for配列と結合する。終止配列がエピトープに続く。
【0272】
機能性領域「共通」(C)は、転写および翻訳のための終止配列を含む非可変性配列を含む。この配列は、すべてのタグに共通であるため、タグ化cDNAライブラリー中の分子の全コレクションの増幅に使用され得る。プライマー/リンカーコレクションを作製するために使用し得る、可能な数の種々の配列は、極端に大きく、容易に推測され得る。
【0273】
B.プライマー作製のための固相PCRおよび他の方法
プライマーを作製するための固相PCRは、この方法における使用として例示される。この方法では、上流オリゴヌクレオチドは、固相に結合する(常磁性ビーズ、アガロース、またはポリアクリルアミドのように)。結合は、オリゴヌクレオチドの5’末端にアミノリンクを最初に結合することにより行い、その後、シンセサイザー支持体からオリゴヌクレオチドを切断する。次いで、アミノリンクを、NHS−、トシル−、またはヒドラジン反応基を含む活性化固相と反応させ得る。
【0274】
他の方法は、4の機能性領域のミクロスケールの化学的DNA合成により別々に合成される(+)鎖および(−)鎖オリゴヌクレオチドを用いことを含む。オリゴヌクレオチドを、オーバーラッピング領域を含むように設計し、それによって、等量で混合すると、それらはハイブリダイゼーションにより合わされ、「ニックの入った」二本鎖DNA分子のコレクションを形成する。当該ニックは、酵素学的にDNAリガーゼでシールされる。シール化二本鎖分子は、プライマーとしてビオチン化オリゴヌクレオチドを使用し、DNA合成の鋳型として使用する。プライマーの一本鎖分子を作製するため、ビオチン化鎖は、ストレプアビジン被覆常磁性ビーズに結合することにより精製する。非ビオチン化鎖は、変性後分離される。
【0275】
実施例4
組換え抗体ライブラリーの構成
A.組換え抗体の調製
組換え抗体ライブラリーは、当業者に既知の方法で調製される(例えば、McCafferty et al. (1996) Phage Display of Peptides and Proteins: A laboratory Manual, Academic Press, San Diego参照;McCafferty et al. (1996) Antibody engineering: A practical Approach, Oxford University Press, Oxford)。機能性抗体フラグメントは、マウスまたはヒト由来の可変性重(V)鎖および可変性軽(V)鎖遺伝子の遺伝学的クローニングおよび組換えにより作製され得る。VおよびV鎖遺伝子は、脾臓組織から単離したポリ(A)RNAを逆転写し、次いでPCRによりVおよびV鎖遺伝子を増幅する特異的プライマーを使用することによりクローニングする。VおよびV鎖遺伝子は、リンカー領域により結合される(一本鎖抗体フラグメント、scFvを生ずる典型的リンカーは、アミノ酸配列(GlySer)をコードするDNA配列を含む)。V−リンカー−V遺伝子がアセンブルされ、PCR増幅した後、産物を転写し、直接翻訳するか、または発現プラスミド中にクローニングし、インビボまたはインビトロのいずれかで発現する。
【0276】
ライブラリー構成は、mRNAの単離から開始する。mRNAの直接単離は、オリゴdTセルロースを使用し親和性精製により行う。この方法のための試薬を含むキットは多数の供給者(Invitrogen、Stratagene、Clonetech、Ambion、Promega、Pharmacia)から商業的に利用可能であり、製造者が指示する方法に従い単離する。加えて、多数組織から単離したmRNAはまた、これらの供給者から直接得られ得る。第一鎖cDNA合成は、本質的には上記の通りである。
【0277】
およびV鎖遺伝子の増幅は、これらの遺伝子に隣接する共通配列に相当するPCRプライマーのセットで行われる(McCafferty et al. (1996) Antibody engineering: A practical Approach, Oxford University Press, Oxford)。0.5ml微小遠心分離チューブ中に以下を混合する:35μl 水、5μl Taq緩衝液(100mM Tris−HCl、pH8.3、500mM KCl、15mM MgCl、および0.01%(w/v)ゼラチン)、1.5μl 5mM dNTPミックス(濃度1.25mMのそれぞれのdNTPを有するdATP、dCTP、dGTP、dTTPの等モル混合物)、2.5μl FORプライマー(10pmol/μl)、2.5μl BACKプライマー(10pmol/μl)。当該混合物をUV光254nmに5分間さらす。新しい0.5mlチューブ中、47.5μl照射混合物を2.5μlcDNAに加え、所望により、2滴のミネラルオイルをオーバーレイする。94℃に加熱し、Taq DNAポリメラーゼ1Uを添加する。94℃1分間、57℃1分間、72℃2分間の30サイクルを用い増幅する。低融点アガロースゲル中での電気泳動によりプライマーから増幅DNAを単離および精製する。VおよびV鎖DNAの量を算出する。マウス抗体ライブラリーの場合、以下の反応物を調製する:VおよびV鎖DNAおよびリンカーDNAそれぞれ約50ng、2.5μl Taq緩衝液、2μl 5mM dNTPミックス、水で25μlとし、1U Taq DNAポリメラーゼ(1U/μl)。94℃1.5分間、65℃3分間の20サイクルを用い増幅する。
【0278】
当該反応物に、25μlの以下の混合物を加える:2.5μl Taq緩衝液、2μl 5mM dNTP、5μl VHBACKプライマー(10pmol/μl)、5μlのVLFORプライマー(10pmol/μl)、水および1U Taq DNAポリメラーゼ。94℃1分間、50℃1分間72℃2分間の30サイクル行い、最終伸長ステップ72℃で10分間行い、増幅する。低融点アガロースゲル中での電気泳動によりプライマーから増幅したDNAを単離および精製する。更なる増幅は、遺伝子またはクローニングのための制限酵素部位の効率的転写および翻訳に必要なDNA配列を発現プラスミド中に組込むプライマーを用い行う。当該増幅は、本質的には上述している。増幅後、DNAは精製し、転写/翻訳するか、または制限酵素により消化し、クローニングする。
【0279】
B.組換え抗体の発現および精製
E. coli S30システムを用いるインビトロ転写/翻訳の場合(McPherson et al. (1995) PCR 2: A Practical Approach. Oxford University Press, Oxford; Mattheakis et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 91; 9022−9026)、T7 RNAポリメラーゼ開始部位を含む上流プライマー、および所望により位置付けられた
【化1】
Figure 2004504607
(配列番号4、小文字は非転写配列)のようなシャイン−ダルガルノ配列(AGGA)を用い増幅する。インビトロ転写/翻訳に使用するPCR産物を以下のように精製する。PCR反応物に、7.5M酢酸アンモニウムを最終濃度2Mとなるように加え、1体積のイソプロパノールを添加することによりDNAを沈殿させ、25℃で10分間インキュベーションする。遠心分離(13,000rpm、10分間)によりDNAをペレットとし、当該ペレットを0.3M酢酸ナトリウム100μl中に溶解し、2.5体積のエタノールを加えることにより再沈殿させ、−20℃で30分間インキュベーションする。遠心分離(13,000rpm、10分間)によりDNAをペレットとし、70%エタノールでペレットをリンスする。ペレットを真空で10分間乾燥させ、次いで、10−100μl TE緩衝液中に乾燥ペレットを溶解させ0.2−1.0mg/mlとする。DNA濃度は、260nm吸収で測定する。結合転写/翻訳は、以下の反応により行う。氷上の0.5mlチューブに、Premix(87.5mM Tris−アセテート、pH8.0、476mM グルタミン酸カリウム、75mM 酢酸アンモニウム、5mM DTT、20mM 酢酸マグネシウム、20のアミノ酸それぞれ1.25mM、5mM ATP、CTP、TTP、GTPそれぞれ1.25mM、50mM ホスホエノールピルベート(三ナトリウム塩)、2.5mg/ml E. coli tRNA、87.5mg/ml ポリエチレングリコール(8000MW)、50μg/ml ホリニン酸、2.5mM cAMP)20μl、精製PCR産物(TE中おおよそ1μg)、40UファージRNAポリメラーゼ(40U/μl)を加え、水で最終体積35μlとする。15μlのS30を加え、ゆっくりと混合し、37℃で60分間インキュベーションする。0℃に冷却することにより反応を停止させる。
【0280】
ウサギ網状赤血球ライゼートを有するインビトロ転写/翻訳の場合(Makeyev et al. (1999) FEBS Letters 444: 177−180)、アセンブル化V−リンカー−V遺伝子フラグメントを、T7VHおよびVLFORプライマーそれぞれ250nMを含む新しいPCR混合物中で増幅し、94℃1分間、64℃1分間、72℃1.5分間の25サイクルで増幅する。上流プライマーT7VHは、配列
【化2】
Figure 2004504607
(配列番号5)(T7RNAポリメラーゼプロモーター(小文字)を含む)および所望により位置付けられたATG開始コドンを有する。
【0281】
他に、組換え抗体は、例えば、以下に限らないが、細菌、酵母、昆虫および哺乳類システムおよび細胞のような、種々の発現システムでインビボで発現し得る。E. coliの発現は上記している。
【0282】
実施例5
scFvの作製および産生
HFN7.1ハイブリドーマ(HFN7.1はATCC受け入れ番号CRL−1606で寄託されている)および10F7MNハイブリドーマ(10F7MNはATCC受け入れ番号HB−8162で寄託されている)は、American Tissue type collectionから得られる。HFN7.1により産生されるIgGは、ヒトフィブロネクチンを認識し、10F7MNにより産生されるIgGはヒトグリコホリン−MNを認識する。細胞は、培養物(Covance, Richmond CA)中の増殖により増大し、凍結ペレットとして提供する。メッセンジャーRNAは、製造者指示書に従い、mRNA direct kit(Qiagen)を用い調製する。精製mRNA500ngを滅菌RNAseフリーHO中に25ng/μlで希釈し、65℃で10分間変性させ、次いで、氷上で5分間冷却する。第一鎖cDNAは、”Mouse scFv Module”(Amersham Pharmacia)中に記載される試薬および方法を使用し作製する。
【0283】
このキットはまた、一本鎖フラグメント可変性抗原結合分子の作製のため記載されている通りに(例えば、米国特許番号4,946,778(記載されているscFvの構成を記載している)参照)、本質的に使用する。端的に、免疫グロブリン重および軽鎖遺伝子の可変領域は、Pfu Turboポリメラーゼによる30サイクル(Stratagene、94℃、1:00;55℃、1:00;72℃、1:00)で増幅し、産物は、2%アガロースゲルで分離し、DNAは、フェノール/クロロホルム抽出および沈殿によりアガロース切片から精製する。重および軽鎖フラグメントの定量の後、それらを、7サイクルの増幅(94℃、1:00;63℃、4:00)によりリンカー(Amersham−PharmaciaによるMouse scFv Module中に提供されている)とアセンブルする。プライマーを添加し、更なる30サイクル(94℃、1:00;55℃、1:00;72℃、1:00)行い、SfiIおよびNotI制限酵素部位をscFvに結合させる。
【0284】
殆どのscFv構成プロトコールに使用するSfiIおよびNotI部位に適合させるマルチクローニングサイトの改変により、scFvの発現用にpBAD/gIIIベクター(Invitrogen)を修飾する。オリゴヌクレオチドPDK−28およびPDK−29をハイブリダイズし、T4DNAリガーゼのライゲーションにより、NcoIおよびHindIII消化pBAD/gIIIDNA中に挿入する。得られるベクター(pBADmyc)は、遺伝子IIIリーダー配列およびエピトープタグと同じリーディングフレームのscFvの挿入物となる。pBAD/gIIIベクターの他の特徴は、強固に調節された発現のためのアラビノース誘導性プロモーター(araBAD)、リボゾーム結合配列、ATG開始コドン、E. coliペリプラズム中のscFv発現のためのM13繊維状ファージ遺伝子IIIタンパク質由来シグナル配列、9E10モノクローナル抗体により認識するためのmycエピトープタグ、金属キレートカラム上の精製のためのポリヒスチジン領域、rrnB転写ターミネーター、ならびにaraCおよびβ−ラクタマーゼオープンリーディングフレーム、および複製のColE1オリジンを含む。
【0285】
更なるベクターを、mycエピトープの位置にHAエピトープ(HA11、12CA5またはHA7モノクローナル抗体との融合タンパク質を認識するためのpBADHA)またはFLAGエピトープ(FLAG−M2抗体との融合タンパク質を認識するためのpBADM2)を含むように作製する。
【0286】
ハイブリドーマおよびpBADmyc発現ベクターから誘導されるscFvを、SfiおよびNotIで連続的に消化し、アガロースゲルで分離する。DNAフラグメントをゲル切片から精製し、T4DNAリガーゼを使用してライゲーションする。E. coliへの形質転換後、アンピシリン含有LB寒天培地で一晩増殖させ、個々のコロニーを100μg/mlアンピシリン含有2×YT培地(YT培地は、0.5%酵母抽出物、0.5%NaCl、0.8%バクト−トリプトン)中に接種し、250rpmで一夜、37℃で振盪する。培養物を0.2%アラビノース含有2×YT中に2倍希釈し、250rpmで更に4時間、30℃で振盪する。次いで、培養物を標準的ELISAで、抗原に対する反応性でスクリーニングする。
【0287】
端的に、96ウェルポリスチレンプレートを、0.1M NaHCO、pH8.6、4℃中、10μg/ml抗原(Sigma)で一夜被覆する。プレートを50mM Tris、150mM NaCl、0.05%Tween−20、pH7.4(TBST)で二回リンスし、TBST(3%NFM−TBST)中の3%非脂質乾燥ミルクで、1時間37℃でブロックする。当該プレートを、TBSTで4回洗浄し、浄化していない培養物40μlを、5×PBS中10%NFM10μlを含むウェルに添加する。37℃1時間のインキュベーション後、プレートをTBSTで4回洗浄する。mycエピトープタグを認識する9E10モノクローナル(Covance)を、3%NFM−TBST中0.5μg/mlに希釈し、ウェル中、1時間37℃でインキュベーションする。プレートをTBSTで4回洗浄し、ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウスIgG(Jackson Immunoresearch、3%NFM−TBST中、1:2500)と共に1時間、37℃でインキュベーションする。TBSTにより更に4回洗浄した後、ウェルをO−フェニレンジアミンサブストレート(Sigma、0.05シトレートホスフェート緩衝液pH5.0中、0.4mg/ml)で現像し、3N HClで停止する。プレートは492nmでマイクロプレートリーダーで測定する。上記0.5ODユニットの示数を顕在化する培養物を陽性と評価し、更なる抗原のパネルに対する反応性の欠如を再試験する。他の抗原に対する反応性を欠き、特定抗原に対する反応は繰返し生ずるクローンを増殖させ、DNAを調製し、scFvを標準的方法によりpBADHAおよびpBADM2ベクターにサブクローニングする。
【0288】
精製scFvの巨大スケール調製の場合、誘導化培地からの浸透性ショック液体を金属キレートと反応させ、ポリヒスチジンタグ化scFvを捕捉する。端的に、望ましいクローンを表す単一コロニーを100μg/mlアンピシリン含有2×YT 400ml中に接種し、250rpmで一夜、37℃で浸透する。培地を、0.1%アラビノースおよび100μg/mlアンピシリンを含む2×YT800mlに希釈する。この培養物を250rpmで4時間30℃で振盪し、scFvを発現させ得る。細菌を3000×g、4℃、15分間でペレットとし、20%シュクロース、20mM Tris−HCl、2.5mM EDTA、pH8.0中に5.0ODユニット(600nm吸収)となるように再懸濁する。細胞は氷上で20分間インキュベーションし、次いで、3000×g、4℃、10分間でペレットとする。上清を取除き、取っておく。20mM Tris−HCl、2.5mM EDTA、pH8.0中に5.0ODユニットで再懸濁後、細胞を氷上で10分間インキュベーションし、3000×g、4℃、10分間でペレットとする。このステップの上清を上記の上清と合わし、NaCl、イミダゾール、MgClを最終濃度がそれぞれ1M、10mM、および10mMとなるように加える。ニッケル−ニトリル酢酸アガロースビーズ(Ni−NTA、Qiagen)を、合わせた上清と共に一夜4℃で攪拌する。ビーズを3000×g、4℃、10分間の遠心分離により回収し、50mM NaHPO、20mM イミダゾール、300mM NaCl、pH8.0中に再懸濁し、カラムに負荷する。樹脂をパックし、この洗浄緩衝液をフロースルーした後、scFvは、50mM NaHPO、250mM イミダゾール、300mM NaCl、50mM EDTA、pH8.0の連続的0.5ml画分で溶出する。画分をSDS−PAGEで分析し、GelCode Blue(Pierce−Endogen)で染色し、十分な量のscFvを含むものをプールし、PBSで一夜4℃で透析する。精製scFvを、修飾Lowry assay(Pierce−Endogen)を用い、製造者指示書に従い、定量化し、使用するまでPBS+20%グリセロール中、−80℃で保存する。
【0289】
実施例6
抗体を捕捉するためのアレイの調製およびその使用
サンドイッチアッセイELISAキット
ヒトサイトカイン検出に利用可能な酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)CytoSetsTMキットを、特定実験の「サンドイッチアッセイ」を生ずるように使用した。「サンドイッチ」は、結合捕捉抗体、精製サイトカイン抗原、ディテクター抗体、およびストレプトアビジン・HRPOからなる。これらのキットは、BioSourceから得られ、以下のヒトサイトカインの検出に使用される:ヒト腫瘍ネクローシスファクターα(Hu TNF−α; catalog#CHC1754、lot# 001901)およびヒトインターロイキン6(Hu IL−6; catalog#CHC1264、lot# 002901)。
【0290】
抗タグ捕捉抗体
scFv機能および特異性の微小アレイ分析の場合、赤血球凝集素(インフルエンザウイルス赤血球凝集素エピトープYPYDVPDYAに特異的なHA.11;Covance catalog#MMS−101P, lot#139027002)およびMyc(Myc腫瘍タンパク質のEQKLISEEDLアミノ酸領域に特異的な9E10; Covance catalog#MMS−150P, lot#139048002)に特異的な捕捉抗体を使用した。陰性対象マウスIgG抗体(FLOPC−21; Sigma catalog#M3645)もまたこれらのアッセイに含んだ。
【0291】
修飾インクジェットプリンターまたはピン型マイクロアレイプリンターの何れかによりプリントするためのCytoSetsTM捕捉抗体の調製
修飾インクジェットプリンターまたはピン型マイクロアレイプリンター(以下参照)を使用するCytoSetsTM抗体をプリントする前に、これらのキットからの捕捉抗体をグリセロール中に希釈し、1−2mg/mlとし、最終グリセロール濃度は1%から10%とした。典型的にこれらの混合物は、バルクで作成され、4℃で微小遠心分離チューブ中で保存した。
【0292】
ピン型マイクロアレイプリンターによるプリントのための抗ペプチドタグ捕捉抗体の調製
特定scFv上に存在するペプチドタグに特異的な捕捉抗体を連続的な2倍希釈により調製した。捕捉抗体ストック(1mg/ml)を最終濃度20%グリセロールとなるように希釈し、典型的に最終捕捉抗体濃度が800から6ig/mlとなった。捕捉抗体希釈をバルクで調製し、微小遠心分離チューブ中で4℃で保存し、プリンティング直前に96ウェルマイクロタイタープレート(VWR catalog#62406−241)中に負荷した。他に、捕捉抗体希釈は、プリンティング直前に96ウェルマイクロタイタープレートで直接行った。
【0293】
修飾インクジェットプリンターを用いる捕捉抗体のプリンティング
CytoSetsTM捕捉抗体は、この適応のために修飾したインクジェットプリンター(Canon model BJC 8200 color inkjet)でプリントした。六色インクカートリッジを最初にプリントヘッドから取除いた。次いで、1ミリリッターピペットチップを、プリントヘッド中のインクパッドリザーバウェル上をシール形態で適合するように切断する。次いで、グリセロール中の種々の濃度の捕捉抗体を、インクパッドリザーバ上にシールするピペットチップ中にピペットした(典型的に、ブラックインクリザーバのパッドを使用した)。
【0294】
修飾プリンターを用いるプリントイメージ作製のため、Microsoft PowerPointを使用し、白黒で種々のオンスクリーンイメージを作製した。次いで、イメージを、プリンターペーパーの8.5×11のセンターにフィットしテープするように切断したニトロセルロースペーパー(Schleicher and Schuell (S&S) Protran BA85、孔サイズ0.45μm、VWR, catalog # 10402588, log# CF0628−1)にプリントした。この二つのペーパーセットを、プリンティング直前にプリンター中に手でフィードした。イメージのプリンティング後、抗体を室温で30分間乾燥させた。次いで、ニトロセルロースをプリントペーパーから取除き、下記のように処理した(Basic protocol for antibody and antigen incubations: FAST slides and nitrocellulose filters printed with CytoSetsTM capture antibodies参照)。
【0295】
ピン型マイクロアレイプリンターを使用する捕捉抗体プリンティング
捕捉抗体希釈は、ピン−プリンター−スタイルマイクロアレイヤー(MicroSys 5100; Cartesian Technologies; TeleChem ArrayltTM Chipmaker 2 microspotting pins, catalog # CMP2)を用い、ニトロセルローススライド(Schleicher and Schuell FASTTM slides; VWR catalog # 10484182, lot # EMDZ018)上にプリントした。プリンティングは、製造者プリンティングソフトウェアプログラム(Cartesian Technologies’ AxSys version 1,7,0,79)および単一ピン(数実験の場合)、または4つのピン(数実験の場合)を用い行った。典型的なプリントプログラムパラメーターは以下のとおりであった:ソースウェルドウェル時間3秒;タッチオフ16回;0.5mmピッチでプリントしたミクロスポット;スライドに対するピンダウンシード(10 mm/secで開始、20mm/secでトップ、1000mm/secで加速);スライドドウェル時間5ミリセカンド;洗浄サイクル(2移動+リンスタンクに5mm;真空乾燥5秒);最後に真空乾燥5秒。マイクロアレイパターンを、特定マイクロアレイ配置に適するように事前にプログラムした(会社内で(in−house))。多くの場合、複製アレイを単一スライド上にプリントし、その後、複数アナライトパラメーター(1例のような)の分析をその単一プリントスライド上で行う。次に、そのスライドから得られる実験データの量を最大化する。捕捉抗体希釈物を含むマイクロタイタープレート(殆どの実験で96ウェル、幾つかの実験では384ウェル)を、スライド上へのプリンティングのため、マイクロアレイプリンターに負荷した。Chipmaker2ピン用の1nl/マイクロスポットの、報告されているプリント体積(ポスト−タッチ−オフ、上記参照)に基づき、捕捉抗体濃度は、プリントマイクロスポット中で典型的に800から6pg/マイクロスポットの範囲で含まれる。
【0296】
プリンティングは、マイクロアレイプリンター製造者により推奨されるような50−55%相対湿度(RH)で行った。RHは、マイクロアレイプリンターに組込まれたポータブルの加湿機により50−55%に維持した。プリンティング時間の平均は5−15分間であり;プリント時間は、プリントする特定マイクロアレイに依存した。プリンティングが終了したとき、スライドをプリンターから取除き、室温およびRHで30分間乾燥させた。
【0297】
ブロッキング試薬、PBSおよびPBS−T
捕捉抗体プリンティング後、スライドのブロッキングを、リン酸緩衝食塩水(PBS)(BupHTM modified Dulbecco’s PBS packs; Pierce catalog #28374)中に希釈したBlocker BSATM(10% or 10×stock; Pierce catalog # 37525)を用い行った。次いで、Tween−20(ポリオキシエチレン−ソルビタンモノラウレート;Sigma catalog #P−7949)を加え、最終濃度0.05%(vol:vol)とした。生じたブロッカーを以下、BBSA−Tと称し、その一方、生じた、0.05%(vol:vol)Tween−20を有するPBSをPBS−Tと称する。
【0298】
FASTスライドのためのチャンバーアセンブリーのインキュベーション
単一FASTスライド上の捕捉抗体の個々のマイクロアレイの単離のため、スロット化アルミニウムブロックを機械加工し、FASTTMスライドの大きさにマッチさせた。Silicone isolator gaskets(Grace BioLabs; VWR catalog#s10485011 および10485012)を手で切断し、スロット化アルミニウムブロックに適合させた。次いで、プリント化スライド、ガスケットおよびアルミニウムブロックからなる「サンドイッチ」をアセンブルし、バインダークリップ中0.75で同時に保持した。1つの抗体ミクロアレイを単離する、1つの単離チャンバーのための最小および最大体積は、50−200μlであった。
【0299】
抗体および抗原インキュベーションのためのベーシックプロトコール:CytoSetTM捕捉抗体でプリントされたFASTスライドおよびニトロセルロースフィルター
FASTスライドまたはニトロセルロースフィルター上にCytoSetsTM捕捉抗体をプリンティングした後、これらの支持体メディアは、記載のように乾燥させた。次いで、スライドおよびフィルターを、BBSA−Tで、30分間から1時間、室温(フィルター)または37℃(スライド)でブロックした。すべてのインキュベーションをオービタルテーブル(室温インキュベーション)上で、またはシェイキングインキュベーター(37℃インキュベーション)中で行った。
【0300】
次いで、精製、組換えサイトカイン抗原(個々のキットに含まれる)を、BBSA−T中に種々の濃度(典型的には1−10ng/ml)で希釈した。次いで、CytoSetsTM捕捉抗体を含むスライドまたはフィルターを、この抗原溶液と共に、室温(フィルター)または37℃(スライド)でインキュベーションした。次いで、スライドおよびフィルターを、3回PBS−Tで、洗浄あたり3−5分間、室温で洗浄した。次いで、結合抗原と共に捕捉抗体を含む、これらのスライドおよびフィルターを、BBSA−T中に1:2500希釈したディテクター抗体(個々のキットに含まれる)と共に、室温(フィルター)または37℃(スライド)でインキュベーションした。次いで、スライドおよびフィルターを上記のようにPBS−Tで洗浄した。
【0301】
次いで、捕捉抗体、結合抗原、および結合ディテクター抗体を含む、これらのスライドおよびフィルターを、BBSA−T中1:2500希釈したストレプトアビジン・HRPOと共に、1時間、室温(フィルター)または37℃(スライド)でインキュベーションした。次いで、スライドおよびフィルターを上記のようにPBS−Tで洗浄した。次いで、スライドおよびフィルターを現像させ、下記のようにイメージ化した。
【0302】
抗体および抗原インキュベーションのためのベーシックプロトコール:抗ペプチドタグ捕捉抗体でプリントされたFASTスライド
FASTスライド上への抗ペプチドタグ捕捉抗体のプリンティング後、スライドを記載のように乾燥させた。次いで、スライドをBBSA−Tで、30分間から1時間、37℃、シェイキングインキュベーター(37℃インキュベーション)中でブロックした。
【0303】
次いで、ペプチドタグを含む精製scFvを、BBSA−T中で種々の濃度(典型的には0.1と100ig/ml)で希釈した。次いで、抗ペプチドタグ捕捉抗体を含むスライドを、この抗原溶液と共に1時間、37℃でインキュベーションした。次いで、スライドを3回、PBS−Tで、洗浄あたり3−5分間、室温で洗浄した。
【0304】
次いで、抗ペプチドタグ捕捉抗体および結合scFvを含むスライドを、BBSA−Tで種々濃度(典型的には1−10ig/ml)に希釈されたビオチニル化ヒトフィブロネクチンまたはビオチニル化ヒトグリコホリン(抗原として)と共に、1時間37℃でインキュベーションした。次いで、スライドを上記のようにPBS−Tで洗浄した。
【0305】
次いで、抗ペプチドタグ捕捉抗体、結合scFv、および結合ビオチニル化抗原を含むスライドを、BBSA−Tで1:1000または1:100,000に希釈されたニュートラアビジン(Neutravidin)・HRPOと共に、1時間37℃でインキュベーションした。次いで、スライドを下記のように現像し、イメージ化した。
【0306】
抗体マイクロアレイを含むFASTTMスライドおよびニトロセルロースフィルターの現像およびイメージ化
PBS−T中での洗浄後、抗ペプチドタグ抗体、結合scFv、抗原、およびニュートラアビジン(Neutravidin)・HRPOを含むスライド、またはCytoSetsTM抗体、結合サイトカイン抗原、ディテクター抗体、およびストレプトアビジン・HRPOを含むニトロセルロースフィルターをPBSでリンスし、次いで、製造者の推奨にしたがって、SupersignalTM ELISA Femto Stable Peroxide Solution および SupersignalTM ELISA Femto Luminol Enhancer Solution(Pierce catalog #37075)で現像した。
【0307】
FASTTMスライドおよびフィルターを、Kodak Image Station 440CFを使用しイメージ化した。ペルオキシド溶液:ルミノールの1:1混合物を調製し、小体積のこの混合物をイメージステーションのプラテンに置く。次いで、スライドを、プラテンの中央に個々に置き(マイクロアレイ−サイドダウン)、それによって、スライドのニトロセルロース含有部分の表面領域(ミクロアレイを含む)をカメラレンズのイメージング範囲の中央に位置させる。この方法で、プラテンに存在する少量のディベロッパーは、スライドのニトロセルロース含有部分の表面領域全体に接触し得る。ニトロセルロースフィルターを、プラテン上の幾分多量のディベロッパーを用い、同じ方法で処理した。次いで、イメージステーションカバーを閉じ、マイクロアレイイメージを捕捉した。カメラフォーカス(ズーム)は、フィルター用に、75mm(最大;FASTTMスライドの場合)または25mmにセットした。露光時間は、30秒から5分間の範囲とした。カメラf−ストップセッティングは、1.2と8の範囲とした(イメージステーションf−ストップセッティングは、1.2と16の範囲で無制限に調節する)。
【0308】
マイクロアレイイメージのアーカイビングおよび分析
マイクロアレイイメージのアーカイビングおよび分析は、例えば、Kodak 1D3.5.2ソフトウェアパッケージを用い行う。目的の領域(ROI)を、典型的に、4(2×2)または64(8×8)マイクロスポットのグループ中で、捕捉抗体のグループをフレームするように描く(マイクロアレイ上の既知の位置でプリントする)。正味の、合計の、最小値の、最大値のおよび平均の強度を表す、ROI値数、同様に標準偏差およびROIピクセルエリアは、ソフトウェアにより自動的に算出される。次いで、これらのデータを、Microsoft Excelに、統計分析のために変換する。
【0309】
結果
ヒト腫瘍ネクローシスファクターα(TNF−α)捕捉抗体(CytoSetsTMキットから)の2つのマイクロアレイ型パターンを、Microsoft PowerPointを使用する修飾インクジェットプリンターでニトロセルロース上にプリントした。TNF−α捕捉抗体をプリンティングのために1%グリセロール中に1.25ng/mlに希釈した。乾燥後、フィルターをBBSA−Tでブロックした。次いで、マイクロアレイを、抗原として精製組換えヒトTNF−α(5.65ng/ml)でプローブとした。次いで、フィルターをPBS−Tで洗浄した。次いで、ディテクター抗体およびストレプトアビジン・HRPOを結合抗原の検出に使用した。PBS−T中で洗浄後、マイクロアレイを、化学ルミネセンスを用い現像し、Kodak Image Station 440CFを使用しイメージ化した。ハイレゾリューションイメージは、50μm未満の見えるサイズでジェレイチャー(gerature)した。
【0310】
インターロイキン6(IL−6)捕捉抗体(CytoSetsTMキットから)の単一マイクロアレイを、図で示すパターンをプリントするようプログラムしたピン型マイクロアレイプリンター(4ピンプリントパターン)により、FASTTMスライド上にプリントした。IL−6捕捉抗体を10%グリセロール中0.5mg/mlに希釈した。捕捉抗体の1ナノリッターマイクロスポットは、500pg/マイクロスポットを含むようにプリントした。乾燥後、スライドをBBSA−Tでブロックした。次いで、マイクロアレイを、抗原として精製組換えヒトIL−6(5ng/ml)でプローブした。次いで、スライドをPBS−Tで洗浄した。次いで、ディテクター抗体およびストレプトアビジン・HRPOを結合抗体の検出に使用した。PBS−T中での洗浄後、マイクロアレイを、化学ルミネセンスを用い現像し、Kodak Image Station 440CFでイメージ化した。当該方法により300μmスポットに相当するアレイ特徴サイズを有する明るいイメージを生ずる。更なる実験では、捕捉抗体または抗原の希釈は、抗原結合量と作製シグナルとの間の直接の関係に相当するシグナルを増加または減少した。
【0311】
マイクロアレイ(8×8マイクロスポット)の抗ペプチドタグ捕捉抗体(インフルエンザウイルス赤血球凝集素エピトープYPYDVPDYAに特異的なHA.11; Myc腫瘍タンパク質のEQKLISEEDLアミノ酸領域に特異的な9E10;およびFLOPC−21、特異性の知られていない陰性対照抗体)を、図に示すパターンでプリントするようにプログラムしたピン型マイクロアレイプリンター(4ピンプリントパターン)を用い、FASTTMスライド上にプリントした。捕捉抗体は、20%グリセロール中に0.5mg/mlに希釈した。1ナノリッターマイクロスポットは、500、250、125および62.5pg/マイクロスポットの連続2倍希釈を含むようにプリントした。乾燥後、フィルターをBBSA−Tでブロックした。次いで、マイクロアレイは、アラビノース導入によりHA−HFN scFvの発現を指示するプラスミド構成物を保有するE. coli株から回収したペリプラズムライゼートおよび培養上清のアリコートで連続的にプローブした。次いで、スライドをPBS−Tで洗浄した。次いで、マイクロアレイをビオチニル化ヒトフィブロネクチン(3.3ig/ml)でプローブした。PBS−Tで洗浄後、マイクロアレイを過剰のニュートラアビジン(Neutravidin)・HRPOでプローブした(1:1000)。PBS−Tで洗浄後、マイクロアレイを、化学ルミネセンスを用い現像し、Kodak Image Station 440CFでイメージ化した。
【0312】
ヒトインターロイキン−6(IL−6)捕捉抗体(CytoSetsTMキットから)のマイクロアレイを、図に示したパターンをプリントするようにプログラムしたピン型マイクロアレイプリンター(4ピンプリントパターン)で、FASTTMスライドおよび4種の表面上にプリントした。ヒトIL−6捕捉抗体は、20%グリセロール中に希釈し、300、100、33、11、3.6、1、0.3および0.1pg/マイクロスポットの範囲で連続3倍希釈となるようにプリントした。ヒトインターフェロンα(IFN−α)に特異的な陰性対照捕捉抗体もまた、50pg/マイクロスポットでプリントした。乾燥後、スライドをBBSA−Tでブロックした。次いで、マイクロアレイを、抗原として精製組換えヒトIL−6(5ng/ml)でプローブした。次いで、スライドをPBS−Tで洗浄した。次いでディテクター抗体およびストレプトアビジン・HRPOを結合抗原の検出に使用した。PBS−Tでの洗浄後、マイクロアレイを、化学ルミネセンスを用い現像し、Kodak Image Station 440CFでイメージ化した。シグナルは、1pg/スポットおよびそれより多い濃度を含むスポットで見られた。
【0313】
修飾は当業者にとって明らかであり、そのため、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ネスト化ソーティングの概念を解説したものである。
【図2】図2もまた、ネスト化ソーティングを解説したものである。
【図3】図3は、高多様性遺伝子ライブラリー(high diversity gene libraries)のネスト化ソートのためのツールとしての抗体アレイの使用を解説したものである。
【図4】図4は、変異遺伝子のライブラリーを探索するために本明細書で提供した方法の適用を解説したものである。
【図5】図5は、組換え抗体ライブラリーを構成する方法を解説したものである。
【図6】図6は、ポリペプチド(エピトープ)タグを、プライマー付加を用い、組換え抗体に組込むための1つの方法を示す。
【図7】図7は、リンカー付加を用いる他のスキームを示したものである。
【図8】図8は、組換え抗体ライブラリーを探索するための本明細書の適用を示したものである。
【図9】図9は、本明細書において提供されるプライマーのエレメント、および必要とされるプライマーのセットを略図的に示したものである。
【図10】図10は、EDおよびEDCプライマーを構成するための他の方法を示す。
【図11】図11は、EDおよびEDCプライマーを構成するための他の方法を示す。
【図12】図12は、アレイで使用するためのハイブリドーマ細胞から産生するイムノグロブリン(Ig)を発見するためのハイスループットスクリーニングを示したものである。
【図13】図13は、組換えヒト抗体を調製するための抗体鎖増幅用の典型的プライマー(配列番号12−73)を示したものである
【図14】図14は、抗体作成のための本明細書の方法の使用を示したものである。
【図15】図15は、修飾された特異性(または修飾された特異性を有する任意のタンパク質)を用い抗体を同定するための本明細書の方法の使用を示したものである。
【図16】図16は、同時抗体探索(simultaneous antibody searches)のために本明細書の方法の使用を示したものである。
【図17】図17は、酵素作成プロトコールにおける本明細書の方法の使用を示したものである。
【図18】図18は、タンパク質相互作用マッピングプロトコールにおける本明細書の方法の使用を示したものである。
【図19】図19は、複数のポリペプチドタグをソーティングに使用するときのタグの数の増加率を示したものである。

Claims (98)

  1. 個々の捕捉試薬がひとつのポリペプチドに特異的に結合する、複数の捕捉試薬、および
    ひとつの事前に選択したポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を個々に含む複数のオリゴヌクレオチド
    を含む、組合せであって、ここで、
    該オリゴヌクレオチドによりコードされる該事前に選択したポリペプチドが、該捕捉試薬が結合するポリペプチドを含み、そして
    該オリゴヌクレオチドが、一本鎖、二本鎖または部分的に二本鎖である、
    組合せ。
  2. 該捕捉試薬が抗体であり、そして該事前に選択したポリペプチドが、該捕捉試薬が結合するエピトープを含む、請求項1の組み合わせ。
  3. 該捕捉試薬が、アレイに配列している、請求項1の組合せ。
  4. 該抗体が、アレイに配列している、請求項2の組合せ。
  5. 該捕捉試薬が、固体支持体に直接的にまたは間接的に結合している、請求項1の組合せ。
  6. 該抗体が、固体支持体に直接的にまたは間接的に結合している、請求項2の組合せ。
  7. 該支持体が、粒子である、請求項5の組合せ。
  8. 該アレイがアドレス可能である、請求項3の組合せ。
  9. 該アレイがアドレス可能である、請求項2の組合せ。
  10. 該粒子が光学的にコードされている、請求項7の組合せ。
  11. 該個々のオリゴヌクレオチドが、少なくとも2つの領域を含み、ここで、当該領域は、標的ライブラリーに特有の配列を含むヌクレオチド配列を含むディバイダー領域、およびコレクション中の捕捉試薬が結合するアミノ酸配列をコードするエピトープコード化領域である、
    請求項1の組合せ。
  12. 該ディバイダー領域が、該エピトープコード化領域の3’である、請求項11の組合せ。
  13. 該ディバイダーおよびエピトープ領域が少なくとも約10ヌクレオチドを含む、請求項11の組合せ。
  14. 該ディバイダーおよびエピトープ領域が少なくとも約15ヌクレオチドを含む、請求項13の組合せ。
  15. それぞれの該オリゴヌクレオチドが更に共通領域を含み、ここで、該共通領域は、当該セット中のそれぞれの該オリゴヌクレオチドによりシェアされ、そして該共通領域を含むヌクレオチド配列を含む核酸分子を増幅するための特有のプライミング部位として役立つのに十分な長さである、請求項13の組合せ。
  16. 該共通領域が、該エピトープコード化領域および/または該ディバイダー領域の3’である、請求項15の組合せ。
  17. 個々のオリゴヌクレオチドが、該捕捉試薬が結合する、事前に選択した複数個のポリペプチドを含む、請求項1の組合せ。
  18. 該複数個が3である、請求項17の組合せ。
  19. 該捕捉試薬が、固体支持体上の区別され得る位置に固定化され、ここで、個々の位置の捕捉試薬が、該事前に選択したポリペプチドの1つに特異的に結合する、請求項1の組合せ。
  20. 該捕捉試薬が抗体であり、該事前に選択したポリペプチドが、該抗体が結合する1個または複数個のエピトープを含む、請求項19の組合せ。
  21. 相互に異なるポリペプチドに特異的に結合する3から10までの該捕捉試薬を含む、請求項1の組合せ。
  22. 相互に異なるエピトープに特異的に結合する3から10までの該抗体を含む、請求項2の組合せ。
  23. 該ディバイダー、エピトープおよび共通領域のそれぞれの長さが、少なくとも約14ヌクレオチドである、請求項15の組合せ。
  24. 該オリゴヌクレオチドが、式:
    5’−E−3’
    [式中、個々のEは、捕捉試薬が結合するアミノ酸配列をコードし、ここで、個々のアミノ酸配列は当該セットの中で特有であり、
    mは、独立して、2またはそれより多い整数である。]
    を含む、請求項1の組合せ。
  25. 個々のオリゴヌクレオチドが、共通領域Cを更に含み、そして
    式:
    5’C−E3’
    [式中、該共通領域は、該セット中のそれぞれのオリゴヌクレオチドによりシェアされ、当該共通領域を含むヌクレオチド配列を含む核酸分子を増幅するための特有のプライミング部位として役立つのに十分な長さである。]
    を含む、請求項24の該オリゴヌクレオチドのセット。
  26. 該オリゴヌクレオチドが、式:
    5’−D−E−3’
    [式中、個々のDは、該オリゴヌクレオチドのセットの中で特有の配列であって、少なくとも約10ヌクレオチドを含み、
    個々のEは、捕捉試薬が結合するアミノ酸配列をコードし、ここで、個々のアミノ酸配列は該セットの中で特有であり、
    nおよびmのそれぞれは、独立して、2またはそれより多い整数である。]
    を含む、請求項1の組合せ。
  27. 該捕捉試薬が抗体であり、そして該アミノ酸の特有配列がエピトープを含む、請求項16の組合せ。
  28. mは、組合せにおいて種々のエピトープ特異性を有する抗体の数であり、nは、約2から10まで(10を含む)である、請求項27の組合せ。
  29. mは、当該組合せにおける、異なるエピトープ特異性を有する捕捉試薬の数であり、nは、約2から10まで(10を含む)である、請求項26の組合せ。
  30. nは、約2から約10まで(10を含む)である、請求項28の組合せ。
  31. nは、約2から約10まで(10を含む)である、請求項29の組合せ。
  32. nは、約2から約10まで(10を含む)である、請求項29の組合せ。
  33. 約10までの抗体を含む、請求項2の組合せ。
  34. 該ディバイダーおよびエピトープ領域のそれぞれの長さが、独立して少なくとも約14ヌクレオチドである、請求項11の組合せ。
  35. 該ディバイダーおよびエピトープ領域のそれぞれの長さが、独立して少なくとも約16ヌクレオチドである、請求項11の組合せ。
  36. 該オリゴヌクレオチドが一本鎖プライマーである、請求項1の組合せ。
  37. 該オリゴヌクレオチドが二本鎖である、請求項1の組合せ。
  38. 式:
    5’−D−E−3’
    [式中、個々のDは、該オリゴヌクレオチドセットの中の特有の配列であって、少なくとも約10ヌクレオチドを含み、
    個々のEは、エピトープを含むアミノ酸配列をコードし、
    個々のエピトープは、該セットの中で特有であり、
    個々のエピトープは、捕捉試薬が結合する配列であり、
    nおよびmは、それぞれ独立して、2またはそれより多い整数であり、そして
    該オリゴヌクレオチドは、一本鎖、二本鎖および/または部分的に二本鎖である。]
    を含むオリゴヌクレオチドのセット。
  39. m×nが約10から約1012(1012を含む)である、請求項38のオリゴヌクレオチドのセット。
  40. m×nが約10から約10(10を含む)である、請求項38のオリゴヌクレオチドのセット。
  41. m×nが約10から約10(10を含む)までである、請求項38のオリゴヌクレオチドのセット。
  42. 個々のオリゴヌクレオチドが更に共通領域Cを含み、式:
    5’C−D−E3’
    [式中、該共通領域は、該セット中のそれぞれのオリゴヌクレオチドによりシェアされ、そして該共通領域を含むヌクレオチド配列を含む核酸分子を増幅するための特有プライミング部位として役立つのに十分な長さである。]
    を含む、請求項38のオリゴヌクレオチドのセット。
  43. 請求項38のオリゴヌクレオチドのセット、および式:
    5’C−D3’
    [式中、Cは、該セットの中のすべてのオリゴヌクレオチドに共通のヌクレオチド配列である。]
    のオリゴヌクレオチドのもう一つのセット
    を含む、オリゴヌクレオチドのセットの組合せ。
  44. 請求項42のオリゴヌクレオチドのセット、および式:
    5’C−D3’
    [式中、Cは、該セットの中のすべてのオリゴヌクレオチドに共通のヌクレオチド配列である。]
    のオリゴヌクレオチドのもう一つのセットを含む、オリゴヌクレオチドのセットの組合せ。
  45. 請求項43のオリゴヌクレオチドのセット、および式:
    5’C−E−FA3’
    [式中、Eは、E−Eエピトープコード化オリゴヌクレオチドの1つであり、
    FAは、プライマーとして使用されるとき、Eを含む核酸を増幅するためには十分であるが、Eによりコードされるエピトープをコードするには不十分なE部分を含むヌクレオチドの配列を含み、
    sおよびpは、それぞれ2またはそれより多く、mまでの整数である。]
    のオリゴヌクレオチドのもう一つのセットを含む、オリゴヌクレオチドのセットの組合せ。
  46. 請求項44のオリゴヌクレオチドのセット、および式:
    5’C−E−FA3’
    [式中、Eは、E−Eエピトープコード化オリゴヌクレオチドの1つであり、
    個々のFAは、プライマーとして使用されるとき、Eを含む核酸を増幅するためには十分であるが、Eによりコードされるエピトープをコードするには不十分なE部分を含むヌクレオチド配列を含み、
    sおよびpは、それぞれ2またはそれより多く、mまでの整数である。]
    のオリゴヌクレオチドのもう一つのセットを含む、オリゴヌクレオチドのセットの組合せ。
  47. 請求項45のオリゴヌクレオチドのセット、および式:
    5’C−FB−3’
    [式中、zは、2からMの整数であり、
    Cは、該セット中の個々のオリゴヌクレオチドに共通の領域であり、
    個々のFBは、Eを含む核酸を増幅するためには十分であるE部分およびそれぞれのEを少なくとも含むヌクレオチド配列を含む。]
    のオリゴヌクレオチドのもう一つのセットを含む、オリゴヌクレオチドのセットの組合せ。
  48. 請求項46のオリゴヌクレオチドのセット、および式:
    5’−FB−3’
    [式中、zは、2からMの整数であり、
    個々のFBは、Eを含む核酸を増幅するためには十分であるE部分および個々のEを少なくとも含むヌクレオチド配列を含む。]
    のオリゴヌクレオチドのもう一つのセットを含む、オリゴヌクレオチドのセットの組合せ。
  49. 分子のコレクションをソートするためのシステムであって、
    a)請求項1の組合せ、および
    b)ソートの結果を分析するためのソフトウエアを有するコンピューターシステム
    を含む、当該システム。
  50. 分子のコレクションをソートするためのシステムであって、
    a)請求項2の組合せ、および
    b)ソートの結果を分析するためのソフトウエアを有するコンピューターシステム
    を含む、当該システム。
  51. コレクション中における捕捉試薬への結合を、検出するためのリーダーを更に含む、請求項49のシステム。
  52. 該リーダーがイメージングシステムを含む、請求項51のシステム。
  53. 該コンピューターシステムが、データを保存し、および/または該リーダーによって収集されたデータを評価する、請求項50のシステム。
  54. 該イメージングシステムが、電荷結合素子(CCD)または光ダイオードのアレイである、請求項52のシステム。
  55. 捕捉試薬を結合するための支持体;および
    該支持体に結合した捕捉試薬の複数のアレイを含む複数のアレイであって、ここで、
    個々の捕捉試薬が、事前に選択したポリペプチドに特異的に結合し、
    該捕捉試薬が、区別できる位置に固定化されており、こここで、個々の位置の捕捉試薬は、該事前に選択されたポリペプチドの1つに特異的に結合し、そして
    複数存在する個々のアレイが、他のものの複製物である、
    当該アレイ。
  56. 該捕捉試薬が抗体であり、該事前に選択されたポリペプチドが、該抗体が特異的に結合するエピトープを含む、請求項55の複数のアレイ。
  57. 個々のアレイが疎水領域または物理的バリアにより他のアレイから隔離されている、請求項55の複数のアレイ。
  58. 該支持体が、ゼラチンで被覆されまたはシリコンもしくは誘導体化シリコンで被覆されている、請求項56の複数のアレイ。
  59. 該捕捉製剤が抗体である、請求項38のオリゴヌクレオチドのセット。
  60. 請求項38のオリゴヌクレオチドのセットのうちのそれぞれの1つを、タグ化ライブラリーを作成するための核酸分子のライブラリー中の核酸分子中に組込むことを含む、タグ化ライブラリーを作成するための方法。
  61. 請求項60の方法により作成されるライブラリー。
  62. 個々のオリゴヌクレオチドが、共通領域を更に含み、式:5’C−D−E−3’[式中、Cは個々のオリゴヌクレオチドに共通の領域である。]を有する、請求項60の方法。
  63. 領域Eをそれぞれ含むオリゴヌクレオチドのセットのうちのそれぞれ1つを、タグ化ライブラリーを作成するための核酸分子のライブラリー中の核酸分子中に組込むことを含み、ここで、
    該オリゴヌクレオチドは、式:
    5’−E−3’
    であり、
    個々のEは、捕捉試薬が特異的に結合するアミノ酸配列をコードし、
    それぞれのそのアミノ酸配列は、該セットの中で特有であり、そして
    mは、独立して、2またはそれより多い整数である、
    タグ化ライブラリーを作成するための方法。
  64. Eが、抗体が結合するエピトープをコードし、そして
    該捕捉試薬が抗体である、
    請求項63の方法。
  65. 請求項63の方法により作成されたライブラリー。
  66. 請求項64の方法により作成されたライブラリー。
  67. 核酸ライブラリーをスクリーニングするための方法であって、
    a)請求項63の方法によりタグ化ライブラリーを作成すること、
    b)該ライブラリーまたはそのサブライブラリーを翻訳すること、
    b)翻訳されたライブラリーまたはサブライブラリー由来のタンパク質を、捕捉試薬のコレクションと接触させ、タグ化タンパク質と捕捉試薬との複合体を作成すること、ここで、それぞれの捕捉試薬は、Eをコードするポリペプチドに特異的に結合し、そしてそれぞれの捕捉試薬は同定可能(identifiable)であり、
    c)該複合化捕捉試薬をスクリーニングし、目的の翻訳タンパク質に結合するものを同定し、それにより、目的のタンパク質に結合するEを同定すること、
    を含む、当該方法。
  68. d)目的タンパク質に結合するEをコードする核酸分子を単離すること、
    を更に含む、請求項67の方法。
  69. 該捕捉試薬が抗体である、請求項67の方法。
  70. 該捕捉試薬が、位置付けアレイに配置されている、請求項67の方法。
  71. 該捕捉試薬が、同定可能粒子に結合する、請求項67の方法。
  72. 該粒子が、光学的にコードされている、請求項71の方法。
  73. 該ライブラリーが作成される、個々のオリゴヌクレオチドが、式:5’D−E−3’を含む、請求項67の方法。
  74. 該ライブラリーが作成される、個々のオリゴヌクレオチドが、式:5’C−D−E−3’を含む、請求項67の方法。
  75. ネスト化ソートのための方法であって、
    a)請求項38のオリゴヌクレオチドのセットのうちのそれぞれの1つを、Nのメンバーを含むマスターコレクションを作成するための個々の核酸分子の一端に組込むことにより、核酸分子のタグ化コレクションを作成すること、
    b)Dを含むプライマーによりn個のサンプルをそれぞれ増幅し、n個セットの増幅核酸反応物を作成すること、ここで、それぞれの反応物は、単一のDおよびすべてのEを含む増幅配列を含む、
    c)個々のサンプルを翻訳し、n個の翻訳したサンプルを作成すること、
    d)それぞれの翻訳した反応物由来のタンパク質を、n個のコレクションの捕捉試薬のうちの1つと接触させ、その複合体を作成すること、ここで、該コレクション中のそれぞれの捕捉試薬は、Eによりコードされるアミノ酸配列と特異的に反応し、それぞれの抗体が同定され得る、
    e)該複合体をスクリーニングし、目的のタンパク質と結合するものを同定すること、これにより、目的のタンパク質をコードする核酸分子に結合するEおよびDを同定すること、
    を含む当該方法。
  76. 該捕捉試薬が抗体である、請求項75の方法。
  77. 結合核酸を増幅するのに十分であるが、すべてのEを再導入するのには不十分なE部分をそれぞれ含むプライマーのセットで、同定したE、Dを含むサンプル中で核酸を増幅することを更に含み、ここで、個々のプライマーは、式E−FA[式中、mおよびsはそれぞれ2またはそれより多くMまでの整数であり、エピトープタグの数である。]を含み、
    それにより、E配列のうちの異なる1つを核酸に導入し、すべてのE配列を再び含むサブライブラリーを作成することを更に含む、請求項75の方法。
  78. 更に、
    該サブライブラリー中の核酸を翻訳すること、
    捕捉試薬のコレクションを、該翻訳したタンパク質と接触させること、
    目的のタンパク質に結合したEによりコードされるアミノ酸配列に結合する捕捉試薬をスクリーニングおよび同定し、それにより、Eを同定すること、および
    該サブライブラリー中の同定したEタグを特異的に増幅すること
    を含む、請求項77の方法。
  79. 該捕捉試薬のコレクションが、アドレス可能なアレイを含む、請求項77の方法。
  80. 該捕捉試薬が同定可能なように標識されいている、請求項77の方法。
  81. 該捕捉試薬が、光学的にコード化された粒子支持体に結合する、請求項79の方法。
  82. 標識が、着色された、色素生産的、発光的、化学的、蛍光的または電子的である、請求項81の方法。
  83. ステップa)の該オリゴヌクレオチドは式:5’C−D−E3’を有する、請求項75の方法。
  84. 該Eタグをコードする核酸が、PCR増幅により、またはライブラリーにおける核酸へのライゲーションとその後必要に応じて実施される増幅により、導入される、請求項75の方法。
  85. ステップa)中の該オリゴヌクレオチドがプラスミド中にある、請求項84の方法。
  86. 捕捉試薬のコレクションが、アドレス可能なアレイを含む抗体である、請求項75の方法。
  87. アドレス化が、該抗体を同定可能なように標識することにより行われる、請求項86の方法。
  88. 標識が、光学的、色素生産的、発光的、化学的、蛍光的または電子的である、請求項87の方法。
  89. 該抗体が、バーコードまたは周波数(radio−frequency)タグで標識された支持体に結合されている、請求項86の方法。
  90. 該抗体が、カラービーズである支持体に結合されている、請求項86の方法。
  91. 個々の分子がエピトープタグのセットのうちの1つで標識されている、分子のコレクションであって、
    ここで、個々のエピトープタグが、n個のディバイダー領域から選択されるディバイダー領域、およびm個のエピトープから選択されるエピトープ領域を含み、個々のディバイダー領域が、少なくとも約3アミノ酸を含み、
    個々のエピトープ領域が、抗体が特異的に結合できるエピトープを構成するのに十分な数のアミノ酸を含む、
    当該コレクション。
  92. m×n個の異なるエピトープタグが存在する、請求項91の収集物。
  93. 約30から約10までの捕捉試薬を含む、請求項1の組合せ。
  94. nが、約2から10まで(10を含む)である、請求項29の組合せ。
  95. nが、約2から約10まで(10を含む)である、請求項29の組合せ。
  96. 核酸ライブラリーをソートする方法であって、
    エピトープをコードするヌクレオチド配列を核酸ライブラリーのメンバーに結合させる、
    該ライブラリーを翻訳し、結合エピトープタグを有するコード化タンパク質を作成すること、
    結合エピトープタグを有する該翻訳したライブラリーを、エピトープに特異的に結合する捕捉試薬のコレクションと接触させること、
    を含む、当該方法。
  97. 捕捉試薬のコレクションがアレイを含む、請求項96の方法。
  98. 捕捉試薬のコレクションが抗体を含む、請求項96の方法。
JP2002512691A 2000-07-19 2001-07-18 ネスト化ソーティングおよびハイスループットスクリーニングのための結合タンパク質およびタグのコレクションならびにそれら使用 Pending JP2004504607A (ja)

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