JP2004507085A - 新規な最終研磨方法を用いて半導体ウェーハを処理する方法および装置 - Google Patents
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Abstract
半導体ウェーハの製造方法は、半導体材料からなるインゴットを提供するステップと、インゴットからウェーハをスライス切断するステップと、表面と裏面の平行性を増大させるようにウェーハを処理するステップとを有する。さらに、ウェーハを第1および第2のパッドの間に配置することにより、そして表面と裏面の平行性を維持するように、さらに洗浄後、ウェーハの表面が集積回路の製造の準備が整う程度に少なくともウェーハの表面の仕上げが得られるように、第1および第2のパッドに対するウェーハの表面および裏面の動きを得ることにより、表面を最終研磨するステップを行う。別の態様において、動力学的潤滑作用を増大させるために、ウェーハがリンス流体を用いてリンスされる。他の方法は、研磨パッドを条件設定するステップ、および研磨ステップ後のウェーハを処理するステップに関する。ウェーハを研磨する装置も同様に含まれる。
Description
【0001】
(発明の背景)
本発明は、一般に、半導体ウェーハの処理方法に関し、とりわけ半導体ウェーハの表面を最終研磨するステップを含む、半導体ウェーハの処理方法に関する。
【0002】
半導体ウェーハは、通常、シリコンインゴットなどの単結晶インゴットから生成され、さらに調整され、一般には、後工程においてウェーハを適合させるために、切欠または平面が得られるように研磨される。インゴットはスライス切断されて、個々のウェーハが形成される。各ウェーハは、スライス処理により生じたダメージ(損傷)を取り除くために、そしてウェーハ表面を確実に平坦化するために、数多くの処理が施される。
【0003】
このような処理の際、前工程の処理に起因する表面および裏面に対するダメージを取り除くために、通常、各ウェーハの表面および裏面を研磨する。同時両面研磨法(DSP:Double Surface Polishing)によれば、より平坦で、より平行な面を有するウェーハを製造することができるので、こうした研磨法が好ましいものとなってきた。しかし残念なことに、従来の同時両面研磨法では、集積回路を製造する準備が整った表面を有するウェーハを形成することができない。例えば、従来の同時両面研磨法により形成されたウェーハの表面は、集積回路を製造する上で許容できる程度に十分滑らかでなく、相当に多くのヘイズ(曇り)を有している。したがって、表面上の滑らかさを改善し、同時両面研磨法に起因する傷およびヘイズ(曇り)を低減するために、単一表面研磨処理法を用いて、ウェーハの表面が最終的に研磨される。しかしながら、単一表面研磨処理法によれば、一般に、局在的な平坦性を含むウェーハ平坦性、および同時両面研磨法を用いて先に得られた平行性が損なわれる(平坦性と平行性は、通常、トポロジとして記述されることがある。)。こうしたトポロジの品位劣化は、ウェーハを実装するために用いられるワックスなどの不均一な支持フィルムに起因することがあり、これによりウェーハ材が不均一に除去される。支持フィルムは、表面を研磨する際の基準面として機能し、これに欠陥があると、平坦性および平行性が損なわれることがある。例えば、図6Aを参照すると、実質的に平坦で平行な表面を有するウェーハWは、プレートPの完全でないワックス層L上に載置される。ウェーハは、図6Bに示すように弾性変形し、図6Cに示すように平坦に研磨される。ワックスからウェーハを取り外すと(図6D)、ウェーハは、「自由な状態」に戻り、ワックス層の不完全性がウェーハ表面に認められる(図6Dの上側表面)。
【0004】
同様に、(CMPまたは無実装CMPと呼ばれることのある)別の形態の最終研磨法において、ウェーハが保持リング内に取り付けられ、支持するためのメンブレン、パッドまたはテンプレートに対して、摩擦力および表面張力により実質的に固定されるとき、支持するためのメンブレン、パッドまたはテンプレートの不規則性および変形に起因して、トポロジの品位劣化が生じ得る。こうしたCMPにおいて、支持パッドまたは支持テンプレートに対してウェーハWが移動すると、裏面に対して不要なダメージをもたらし、傷を形成する粒子またはダメージを与える粒子を放出し、こうした粒子がウェーハと研磨パッドの間の界面に侵入し得るので、こうしたウェーハの移動は好ましいものではないことに留意されたい。
【0005】
(発明の要約)
本発明はいくつかの目的を有するが、本発明は、中でも、比較的に平坦なウェーハを製造する半導体ウェーハを処理する方法を提供すること、平行な面を有するウェーハを製造する方法を提供すること、研磨されたウェーハの生産量を改善する方法を提供すること、集積回路を製造する用意が整った仕上られた表面を製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
さらに、本発明は、ウェーハに対するダメージを抑制し、研磨されたウェーハの生産量を改善する、一括処理後にウェーハを処理する方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、半導体ウェーハを研磨する装置を提供することを目的とし、この装置で用いられたスラリの汚染が低減され、この装置で研磨されたウェーハのヘイズ(曇り)が低減される。
【0008】
概略的に云うと、本発明の方法は、表面および裏面を有する半導体ウェーハを製造する方法に関する。この方法は、半導体材料からなるインゴットを提供するステップと、インゴットからウェーハをスライス切断するステップと、表面と裏面の平行性を増大させるようにウェーハを処理するステップとを有する。さらに、ウェーハを第1および第2のパッドの間に配置することにより、そして表面と裏面の平行性を維持するように、さらに洗浄後、ウェーハの表面が集積回路の製造の準備が整う程度に少なくともウェーハの表面の仕上げが得られるように、第1および第2のパッドに対するウェーハの表面および裏面の動きを得ることにより、表面を最終研磨するステップを行う。
【0009】
別の方法は、第1および第2のパッドの間に通常配置されるウェーハ担体を有する研磨装置を提供することにより、表面を最終研磨するステップを含む。第2のパッドは、ウェーハの裏面よりも少なくとも約10%大きい、ウェーハの裏面と接触する表面領域を有する。表面が第1のパッドの方を向き、裏面が第2のパッドの方へ向くように、ウェーハはウェーハ担体内に配置される。ウェーハは、第1および第2のパッドに対して自由に移動できる。研磨スラリを含む溶液がパッド間に供給され、第2のパッドと裏面の間の不安定な動力学的潤滑作用を抑制して、ウェーハの振動を抑制するために、第2のパッドに対する裏面の速度が、第1のパッドに対する表面の速度よりも小さくなるように、ウェーハ担体、第1のパッド、および第2のパッドの回転速度が選択される。ウェーハの表面および裏面が第1および第2のパッドに対して回転し、並進移動するように、ウェーハ担体、第1のパッド、および第2のパッドの少なくともいずれか1つが回転する。
【0010】
さらに別の方法において、研磨スラリがパッドに供給され、ウェーハおよびパッドの少なくとも一方が、ウェーハの面の少なくとも一方を研磨する。研磨ステップ後、ウェーハとパッドの間の動力学的潤滑作用を増大させるために、さらにシリカの凝集を防止するように、スラリおよびリンス流体を含む溶液の緩衝pHを約7.8ないし約11.8の間に維持するために、パッドにリンス流体を供給することによりウェーハがリンスされる。
【0011】
さらに別の方法において、ウェーハは、パッドを用いて研磨するために、所定位置に配置され、このパッドは、シリカ粒子を含む研磨スラリとアルカリ性成分とを有する溶液をパッドに供給することにより条件設定される。ウェーハの少なくとも一方の面を研磨するために、ウェーハおよびパッドの少なくとも一方を回転させ、ウェーハに圧力を付加する。
【0012】
半導体ウェーハを一括処理装置で一括処理した後、半導体ウェーハを処理する方法において、この方法は、一括処理装置から各ウェーハを取り出すステップと、第1の溶液を各ウェーハの表面に噴霧するステップと、この溶液は表面に吸着し、表面に粒子が付着することを抑制する。
【0013】
本発明に係る半導体ウェーハを研磨する装置は、上側パッドおよび下側パッドを実装し、回転させるようにそれぞれ構成された上側プラテンおよび下側プラテンを備える。下側パッドはウェーハ担体を実装するように構成される。この装置はさらに、パッドに溶液を供給する手段と、ウェーハ担体を回転させるウェーハ担体駆動部品とを備える。溶液は、研磨中、駆動部品の露出した部分と接触し、溶液と接触する露出した駆動部品は、溶液およびウェーハの粒子による汚染を抑制するために、合成強化粒子を含まない。
【0014】
本発明の他の目的および特徴は、部分的には明白であり、部分的には以下に説明する。
【0015】
(好適な実施形態の詳細な説明)
ここで図面、とりわけ図1および図2を参照すると、ドイツ国RendsburgにあるPeter Wolters Gmbhで製造された型番AC1400などの両面研磨装置の一部が概略的に図示され、一般に符号10で示されている。好適には、この両面研磨装置は、1つまたはそれ以上の単結晶性インゴット(すなわち、シリコンインゴット)からスライス切断された複数の半導体ウェーハWの表面の最終研磨を同時に行うように構成されている。後述するように、この研磨装置は、各ウェーハWの両面を同時に研磨するように構成されているが、ウェーハの表面だけは、本発明の方法を用いて研磨されるように構成されている。本発明の重要な態様は、ウェーハWの裏面(図1においては上向きの面)が、この装置の上側パッドに対して自由に移動(並進移動および回転移動)でき、その結果、裏面パッドの変形および不完全性が表面に対して実質的に影響を与えなることなく、表面および裏面の平行性が損なわれないという点にある。最終的な研磨処理の間、裏面が研磨されるという点はあまり重要ではない。複数のウェーハを一括処理するように構成されていない装置など、他の形態の研磨装置も考えられる。本発明とは異なり、従来式の無実装CMP処理によれば、支持パッドまたは支持テンプレートに対してウェーハWが移動することにより、好ましくない粒子またはダメージが生じることに留意されたい。しかし、ウェーハを固定すると、図6Aないし図6Dに示すように、不都合なことに変形する。すなわちこうした処理は、少なくともこの点において、本発明の最終研磨処理とは異なる。
【0016】
本実施形態において、研磨装置10は、通常円形の上側プラテン12と、通常円形の下側プラテン14とを有する。上側パッド16は、各ウェーハWの裏面を研磨するために上側プラテン12の下向面の上に取り付けられ、下側パッド18は、各ウェーハWの表面を最終研磨するために下側プラテン12の上向面の上に取り付けられている。裏面を最小限に研磨するように、裏面からウェーハ材をほとんど、あるいは全く除去しないように上側パッド16を構成することもできる。適当な手段を用いて、例えば、研磨スラリ、脱イオン水(DI)、アルカリ性成分、およびすずき液などの混合物(一般に、「溶液」と称する。)をパッドに供給する。図示された実施形態において、溶液を上側パッド16に供給するために、管19が上側プラテン12のシャフト20を貫通して適当に延びており(分かりやすくするために1本だけ図示した)、溶液は、この管19を通してパッドに供給される。溶液が上側パッドを通ってウェーハWおよび下側パッド18の下方へ流れるように、上側パッドは、通常、複数の孔を有する。パッドに溶液を供給する他の方法としては、パッドの間の空間に溶液を噴霧したり、下側プラテンを介して下側パッド18へ直接に溶液を導入することが考えられる。
【0017】
両面研磨装置の上側プラテン12および下側プラテン14は、適当な駆動メカニズム(図示せず)を用いて、選択された回転速度で回転するように構成されている。これらは、当業者には広く知られており、例えば、米国特許第5,205,077号公報および米国特許第5,697,832号公報に開示されており、ここに一体のものとして統合される。複数の円形のウェーハ担体22(この実施形態では5つの担体が図示されている。)が下側研磨パッド18のウェーハに載置されている。各ウェーハ担体22は、少なくとも1つの円形開口部23を有し(この実施形態では3つの開口部が図示されている。)、この開口部は、ウェーハWの少なくとも表面を研磨するために、ウェーハWを収容するように構成されている。挿入部24(図2参照)が開口部内に設けられ、ウェーハ担体の金属製(通常、鋼鉄)の本体部と、ウェーハWの間に挿入され、金属−ウェーハ間の接触が抑制され、ウェーハに対するダメージが回避される。好適には、挿入部24は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ナイロン、ポリアセタールなどの比較的に柔らかく、比較的に純粋な材料を用いて形成され、ファイバグラスなどの合成強化粒子を含まない。さらに、挿入部24は、引っ掻かない材料および摩滅しない(少なくとも対摩耗性で)材料で形成され、そうでなければ引っ掻き傷の原因となる有害な粒子が、挿入部内において、潜在的に、ウェーハWと接触する溶液の中に放出され得る。上述の材料(PVDF、ナイロン、およびポリアセタール)は、通常、同時両面研磨処理中に生じる引っ掻き傷の原因となる有害な粒子を低減する。こうした引っ掻き傷の原因となる粒子は、溶液が1つのパッドによりウェーハに対して付勢されたとき、ウェーハWに接触する溶液中を循環し、ウェーハの表面を引っ掻くことがある。一般に、ウェーハWの周囲の流体中に存在する引っ掻き傷の原因となる粒子が減ると、同時両面研磨処理に起因するウェーハ表面の引っ掻き傷およびヘイズを減らすことができる。この実施形態において、各ウェーハ担体22の周縁部には、装置10の太陽ギアまたは内側ギア28、および外側リングギア29と係合するギア26を有する。内側ギアおよび外側ギアは、選択された速度で担体22を回転させるように、適当な駆動メカニズム(図示せず)を用いて駆動される。これらのギアや駆動メカニズムは、一般に、ウェーハ担体駆動部品として記述されるもので、こうした駆動部品は、ギアの他、例えば、ウェーハを回転させるためにウェーハの端部と摩擦力により係合する車輪であってもよい。この実施形態の内側ギアおよび外側ギアは複数の鋼鉄ピンにより構成され、金属製ウェーハ担体22が鋼鉄と接触することを避けるために、各ピンは、非金属製スリーブ32で覆われている。スリーブ32は、研磨時において、通常、溶液に曝されている。各スリーブ32は、好適には、比較的に柔らかい材料を用いて形成され、担体挿入部24について上述したのと同様の理由により、比較的に硬いプラスチック、およびファイバグラスなどの合成強化粒子を含まず、さらに摩滅しにくい。適当な柔らかい材料は、ポリアミドナイロン6/6(ナイロン66)、PVDF、またはポリアセタールである。ウェーハ担体駆動部品の他の部分が溶液に曝されることに留意されたい。こうした他の部分は、上述と同様の比較的に柔らかく、引っ掻かない材料を用いて構成されるか、コーティングされる。こうした新規の担体駆動部品を使用することにより、引っ掻き傷の原因となる粒子を低減させることは、ウェーハからウェーハ材を除去する他の形態の装置に対して適用可能であることに留意されたい。
【0018】
本発明の方法において、各ウェーハWは、単結晶性インゴットからスライス切断される。ウェーハWに対して最終研磨前の処理を行い、ウェーハ表面からバルクダメージ(すなわち、ウェーハのスライス切断処理に起因する結晶転位および積層欠陥)を取り除き、表面を平坦化し、表面と裏面が実質的に平行となるように表面の平行性を増大させる。平行度の適当な測定値は、領域裏面基準指標(SBIR:Site Backside Referenced Indicated Reading)である。適当なウェーハは、26mm×8mmの領域において約0.075μmの平均SBIRを有し、好適には、ウェーハ上の全領域の約99%が約0.23μm以下のSBIRを有する(第99百分位という)。好適には、少なくとも表面が実質的に鏡面仕上げを有するように、最終研磨前の処理を行って、ウェーハの表面品質を改善させる。こうした処理として、これらに限定されないが、ラッピング処理、エッチング処理、プラズマ支援研磨化学エッチング処理(PACE:polishing plasma−assisted chemical etching)、および磁気流動研磨処理(magneto−rheological polishing)が挙げられる。最終研磨前処理の1つは、概略的(大雑把な)な同時両面研磨処理(DSP)である。この概略的な同時両面研磨処理は好適ではあるが、バルクダメージを取り除き、ウェーハ表面を平坦化し、表面を平行にするための他の処理を用いてもよい。この大雑把な研磨で、27±10μmのウェーハ材が、通常、各ウェーハから除去され、除去量は、ウェーハの両面からほぼ均一に取り除かれる。
【0019】
最終研磨前処理(概略的な同時両面研磨処理)が完了した後、ウェーハWを担体22から取り外し、洗浄し、そして最終研磨するために同様の研磨装置10へ搬送する。概略的な同時両面研磨処理から最終研磨処理までの間において、ウェーハを洗浄すること以外、ウェーハ材をさらに除去する処理は行われず、概略研磨から最終研磨までの間では、最低量のウェーハ材が除去される。概略的な研磨処理から最終研磨処理の間においてウェーハ材を除去すると、概略的な研磨処理で得られたウェーハの品質、とりわけ概略的な研磨処理で実現された平行性が損なわれるので、こうしたウェーハ材の除去は、一般に、好ましくない。概略研磨から最終研磨までの間で、さらなる処理を行うことも考えられる。例えば、銅などの不要な金属を除去するための処理を、ウェーハWに対して行ってもよい。この方法は、裏面が支持表面に対して実質的に固定される単一表面研磨処理を含まず、例えば、ワックス実装された単一表面研磨処理、またはウェーハが保持リング内に取り付けられ、支持パッド、支持メンブレン、または支持テンプレートに対して摩擦力および表面張力により実質的に固定される従来式のCMP処理を含まないことに留意されたい。
【0020】
最終研磨処理は、ウェーハWを研磨装置10に搬送することにより、適正に開始される。一般に、ウェーハWは、研磨装置の上側パッド16と下側パッド18の間にある1つのウェーハ担体22内にある各ウェーハを研磨することにより最終研磨される。好適には、ウェーハWの裏面が上側パッド16に向き、ウェーハの表面が下側パッド18の方を向く。研磨スラリおよび以下説明する他の溶液が、パッド16、18の少なくとも一方に供給される。上側パッドは、ウェーハに圧力を加えるために、ウェーハの裏面に向かって下向きに力を加える。これと同時に、ウェーハW、上側パッド16、および下側パッド18が回転し、周転円パターンまたは周転円経路上において、プラテンの回転軸の周りを周回し、このとき表面および裏面は、パッドに対して移動して、ウェーハを研磨する。ウェーハが両方のパッドに対して移動する限り、必ずしも3つのウェーハW、上側パッド16、および下側パッド18のすべてが移動する必要はない。以下にさらに説明するように、本発明の最終研磨処理は、平行性および平坦性を維持し、ウェーハの少なくとも表面を、集積回路を形成し得る程度に仕上げる。ここで用いられる最終研磨処理により鏡面仕上表面が形成され、好適には両面とも、そして少なくとも表面において、研磨処理に起因するダメージ、および概略的な研磨処理、ラッピング処理、およびエッチング処理などの先の処理に起因するダメージを実質的に排除する。さらに、本発明の最終研磨処理によれば、好適にも、滑らかで、平行で、かつ平坦な表面を有する半導体ウェーハWが形成される。一括処理されたウェーハにおいて、ほとんどの表面は、好適には約0.5ppm以下、より好適には約0.35ppm以下、さらにより好適には約0.18ppm以下の平均ヘイズを有する。すなわち、ADE CR80装置で測定したところ、一括処理されたウェーハの約99%が、好適には約0.5ppm以下、より好適には約0.35ppm以下、さらにより好適には約0.18ppm以下の平均ヘイズを有し、約0.05ppm以下の標準偏差を有する。好適には、平行性は実質的に変化せず、すなわちウェーハの平均SBIRは実質的に変化しない。平行性は、好適には約0.5μm以上増大せず、より好適には約0.10μm以上増大せず、さらにより好適には約0.05μm以上増大しない。同様に、上述の第99百分位の指標は、好適には約0.5μm以上増大せず、より好適には約0.10μm以上増大せず、さらにより好適には約0.05μm以上増大しない。一括処理されたウェーハの表面上の26mm×8mmの領域における領域最適焦点平面偏移分布(site best fit focal plane deviation distribution)は、ADE 9600装置で測定したところ、一括処理されたウェーハの少なくとも約第99百分位の領域に対して、好適には約0.10μmを越えず、少なくとも約第99百分位の領域に対して、さらに好適には約0.07μmを越えない。好適な焦点平面偏移は、先の処理により実質的に達成されており、最終研磨処理を行うことにより、表面上の26mm×8mmのほとんどの領域における焦点平面偏移は、好適には約0.04μm以上、さらに好適には約0.02μm以上損なわれることはない。こうしたウェーハは、洗浄後、集積回路を形成する上で十分に滑らかで、平坦で、かつ平面的であるので、エンドユーザは、それ以上の処理を行うことなく、ウェーハ上に集積回路を形成することができる。
【0021】
ウェーハWの少なくとも表面を最終研磨するために、適当なパッドが装置10に実装される。この実施形態において、上側パッド16は、溝つきの粗い研磨パッド(通常、エンボスパッドという。)であり、下側パッド18は、仕上用パッドであって、ウェーハ表面に対して実質的にダメージを与えることなく、研磨するために製造業者により構成されたものである。通常、仕上用パッドは、上側パッド16や概略的な研磨処理で用いられるパッドなどの粗い研磨パッドに比して、より柔軟で、実質的に異なる粗さと多孔性を有する。例えば、上側パッドは、アリゾナ州フェニックスのRodelにより製造された型番534E−IIであって、下側パッドは、Rodelにより製造された型番SPM3100などのポリウレタンパッドである。同様に、上側パッド16も溝つき仕上用パッドであってもよい。こうしたパッドは、ファイバガラスやフェルトを含む合成強化粒子などの引っ掻き傷の原因となる任意の繊維質を含まないことが好ましい。型番534E−IIおよび型番SPM3100のパッドが、型番AC1400などの大面積一括処理研磨装置用に裁断される。この実施形態においては、15枚以上のウェーハがパッド間で研磨されるため、パッドはウェーハよりも実質的に大きく裁断される。本発明において、単一ウェーハ研磨装置を用いることもできる。本発明にとって重要なことに、裏面に対向するパッドにおけるばらつきにより、表面の平坦性が実質的に影響を受けることのないように、さらに最終研磨後、表面と裏面が実質的に平行に維持されるように、少なくとも裏面に対向するパッドを、ウェーハWよりも実質的に大きくする。少なくとも裏面に対向するパッド、そして好適には両方のパッドを、ウェーハWよりも、好適には少なくとも約10%、より好適には50%、さらにより好適には100%大きくして、ウェーハの表面および裏面の一部でもパッド間の領域を越えてはみ出すことがないように、ウェーハが横から横へ移動し、裏面パッドに対して回転できるようにする。上記具体例などのように、中央に孔を有するパッドに対して、パッドの内径および外径の差は、ウェーハWの直径の少なくとも約1.1倍、より好適には約1.5倍以上、さらにより好適には約2倍以上大きい。換言すると、ウェーハは、パッド端部からはみ出すことなく、実質的に水平方向に移動できるようにしておく。こうした構成を用いると、研磨処理中、ウェーハはパッドの同じ部分により連続的に支持されず、ばらつきが「平均化」され、平均化されたばらつきは、平坦性に対して実質的に影響を与えないので、ばらつきの効果が抑えられる。ウェーハの表面および裏面の一部がパッド間の領域からはみ出すことがないよう、両方のパッドを十分に大きくすることにより、最終研磨処理中において、1枚または複数のウェーハを確実に研磨できると考えられている。
【0022】
一般に、好適な実施形態の最終研磨は、初期段階、材料除去段階、平滑化段階、およびすすぎ段階に分けられる。ウェーハおよびパッドは、実質的にこれらのすべての段階において回転しており、少なくとも一方のパッドに対して、研磨溶液またはすすぎ溶液が流れる。プラテンは、約10℃ないし40℃の温度範囲で適正に保持される。溶液は、これに限定されないが、以下説明する研磨スラリ、脱イオン水(DI)、アルカリ性または腐食性の液体成分、およびリンス流体を含んでいてもよい。上述のように、この装置10は、パッドに溶液を案内し、供給するための管19を有する。
【0023】
(初期段階)
ウェーハWが担体22内に載置されて、上側パッド16がウェーハWに隣接した位置まで下降した後、研磨スラリを含む溶液がパッド16、18上に流れる。この実施形態では、パッドは初期段階において条件設定される。とりわけ、処理実行中に、脱イオン水を用いてパッドを十分にリンスする場合、このような条件設定は、パッドが研磨するための準備を支援する。水酸化カリウム(KOH)または水酸化ナトリウムなどの強塩基を研磨スラリと混合することにより、条件設定が適正に行われる。この塩基は、パッド間の溶液(スラリおよびKOHを含む)のpHが、好適には少なくとも約12、より好適には約13となる程度に十分に強い塩基である。また、ウェーハが担体の開口部から滑って外れることがないように、パッドを条件設定する際、パッドからウェーハに比較的に小さい圧力を加える。例えば、その圧力は、最終研磨処理中に加えられる最大圧力の33%以下である。特に理論付けるまでもなく、強塩基とスラリを混合すると、スラリ内のある程度のシリカ粒子と、いくぶんかのウェーハ表面が溶解される。溶解したシリカは、シリカおよびポリシリカを含む酸を形成し、これはパッド16、18の孔の中に入り込み、より一般的には、パッド上に積層される。入り込んだシリカまたは積層したシリカは、材料除去段階および平滑化段階において、パッド/ウェーハの間の界面における摩擦力を、より好ましいレベルにまで低減するものと考えられている。条件設定ステップは、一括研磨装置上で実施される最終研磨処理に限定されないことに留意されたい。例えば、条件設定ステップは、概略的な研磨処理または最終研磨処理、単一表面研磨処理または両面研磨処理、そして単一ウェーハ研磨装置または一括ウェーハ研磨装置において用いることができる。
【0024】
(動力学的制御およびウェーハ軌道経路)
流体力学的な潤滑作用とは、流体の存在下における2つの表面間の相対的運動に起因する表面間の粘性潤滑作用である。表面間の流体は、流体経路内の収縮により、一方の表面における楔形状または段差により、低い圧力状態から高い圧力状態に向かって流れる。こうした楔形状または段差は、通常、パッド16、18内の変形可能な微小孔に起因する。楔形状または段差の大きさは、通常、ミクロンオーダであることに留意すべきである。境界潤滑作用とは、2つの表面のうちの一方または両方の表面にまとわりつく分子の層に起因する2表面間の潤滑作用である。境界潤滑作用において、流体は、ウェーハ表面とパッドの間から放出され得る。同様に、流体力学的潤滑作用および境界潤滑作用の両方が生じる、混合的あるいは流体弾性力学的な潤滑作用もある。
【0025】
研磨処理中、ウェーハWといずれか一方のパッド16、18の間における過剰な、あるいは不安定な流体弾性力学的潤滑作用により、ウェーハに動揺または振動が生じることがあり、その結果、ウェーハがダメージを受けたり、ウェーハと接触する溶液が汚染することがある。例えば、ウェーハに動揺または振動が生じると、ウェーハの端部がより頻繁に、より大きい力で担体挿入部24に擦れて、挿入部が摩滅し、引っ掻き傷の原因となる粒子が溶液中に放出される傾向がある。上述の好適な担体挿入部の材料であっても、通常、いくらかの不純物および/または引っ掻き傷の原因となる粒子が含まれている。同様に、例えば、振動の度合いが非常に大きいために、特定の領域にある流体が完全に搾り出されて、局在的な静止摩擦力が増大し、表面にダメージを与えることがある。また同様に、振動の度合いが非常に大きいと、ウェーハが担体の開口部から押し出されて、損傷または破壊される。初期段階、材料除去段階、および平滑化段階におけるパッドとウェーハWの間、および好適にはすすぎ段階における上側パッド16と裏面の間の不安定な流体力学的潤滑作用を抑制して、担体挿入部24の摩滅を抑え、最終研磨処理中のウェーハに対するダメージを抑制するように、処理時の動力学を制御することが好ましい。好適には、こうした動力学制御により、流体弾性力学的潤滑作用または境界潤滑作用が改善され、面とパッドが分離しにくくする。すすぎ段階では対照的に、第2のパッドと裏面の間の流体力学的潤滑作用は必ずしも促進させる必要はなく、表面と下側パッド18の間において、安定した流体力学的潤滑作用を促進させる。
【0026】
一般に、不安定な流体力学的潤滑作用を抑制するように、処理時の動力学を制御する。上側パッド16に対する裏面の速度が、下側パッド18に対する表面の速度より小さくなるように、ウェーハ担体22、上側パッド16、および下側パッド18の回転速度を適当に選択することにより、こうした制御は適正に行われる。こうした制御は、すすぎ段階において特に有用であって、制御されない場合には、リンス流体の粘性が増大し、ウェーハに対する圧力が減少したことに伴い、ウェーハが制御不可能な「ハイドロプレーン現象」を起こして、すなわち振動および動揺を起こす傾向がある。
【0027】
担体およびウェーハが装置10の中心を周回するとき、これらの挙動を決める方程式を用いて、第2のパッドに対する裏面の速度が、確実に、第1のパッドに対する表面の速度より小さくなるように、これらの回転速度を決定することができる。重要なことに、これらの方程式を好適に用いて、ウェーハが装置の中心を周回するとき、実質的に同じ経路上を通らないようにできる。同じ経路を繰り返して通ると、ウェーハの平坦性および平行性が損なわれ、パッドが不均一に摩耗する。好適には、ウェーハ表面は、パッドのすべての部分に対して均一に曝される(均一サンプリングという。)。例えば、この装置の動きに関する方程式は、次式で与えられる。
【0028】
【数1】
ウェーハ担体が装置の中心を回る回転速度(負の記号は、反時計回りの回転を示す)
【数2】
ウェーハ担体が自らの中心を回る回転速度
【数3】
ウェーハが自らの中心を回る推定回転速度
【0029】
変数は、この実施形態において、以下のように定義される。
Ra=12.4cm : 担体の中心から200mmウェーハの中心までの距離
Rb=0cm : ウェーハの中心から任意の半径上の点までの距離
(この具体例では中心点の経路がプロットされる)
Rp=27.15cm: 担体の半径
Rs=20.2cm : 太陽ギアまたは内側ギアの半径
Rr=Rs+2Rp : 外側リングギアの半径
Ro=Rs+Rp : 太陽ギアとリングギアの中点
n1 : 上側パッドの回転速度
n2 : 下側パッドの回転速度
n3 : 太陽ギアの回転速度
n4 : リングギアの回転速度
t :時間
【0030】
必要とする値NcおよびNpからn3およびn4を計算しておくと便利である。
【数4】
n1およびn2がrpm単位で与えられたとき、次式は計算上便利である。下付き文字tは上側パッド、下付き文字bは下側パッドを示す。
【数5】
【0031】
まず、パッドを回転させないときの動き、すなわち固定した基準枠内におけるウェーハの動きを計算する(方程式1.5)。そして全システムを回転させて、各パッドに対するウェーハの相対的な動きを得る。
【数6】
【0032】
方程式1.6および1.7は、時間の関数として、パッドに対するウェーハの中心の位置を記述する。回転中のウェーハ中心の軌跡曲線は、外点の外トロコイドである。時間の関数であるこれらの方程式を微分して、任意の位置における速度成分、ひいては瞬間的な相対速度を求めることができる。このように微分した結果は冗長であり、ここでは記載しない。図4は、微分方程式で得られた正確な速度に関する近似式を用いて、1秒単位、センチメートル単位の上側パッドと裏面の間の相対速度(Vtop)と、下側パッドと表面の間の相対速度(Vbottom)に関する計算された平均値の具体例を示している。
【0033】
ウェーハ経路が同じ経路を反復して通ることがないように、かつ研磨処理の動力学が適当に制御されるように、適正な回転速度を選択する必要がある。好適には、最終研磨処理中、ウェーハが装置の中心の周りを周回する際の全回転回数の少なくとも約10%完了するまで、より好適には少なくとも約25%完了するまで、さらにより好適には約50%完了するまで、ウェーハの1点が装置10の中心の周りの経路を通らないように、これらの速度を選択する。適当な経路を求める1つの方法は、不適当な経路が得られる速度を求め、これらの不適当な速度を、中間的な速度、すなわち実質的に異なる速度に変えて、適当な経路を求める。例えば、担体が1回転する毎に反復する経路を得る条件は、次式で与えられる。
【数7】
|Nc|±m|Np|=n1またはn2 (1.8)
ここでmは任意の整数である。経路がほぼ反復する際の条件は、m=1/2,3/2,5/2......∞である。
【0034】
制約方程式1.8により特定される回転速度とは実質的に異なる回転速度を選択することにより、パッドを均一にサンプリングするウェーハ経路を求めることができる。(例えば、MATHCADTMなどのプログラムを用いて)経路をプロットすることにより、選択された回転速度によるウェーハ経路を図形上で確認することができ、選択された速度により、実質的にすべてのパッドを均一にサンプリングする模様が得られるかどうか判断することができる。例えば、図3Aおよび図3Bは不適当な経路を示し、このときウェーハが装置の中心の周りをいつも同じまたは同様の経路を通る。図3Aおよび図3Bとは異なり、図3Cおよび図3Dは適当な経路を示し、このとき担体22が自らの中心の周りを少なくとも16回転するまで、ウェーハが装置の中心の周りの同じ経路を反復して通らない。図3Dは下側パッドに対するウェーハの経路を示すが、ウェーハが実質的にすべてのパッドをサンプリングするので、非常に優れた選択である。パッドの境界(内側円および外側円)が図3Aないし図3Dに図示されていることに留意されたい。加えて、制約方程式の経路を回避するために、満足できるウェーハ経路を求める上で、次のガイドラインを適用することが好ましい。
【0035】
1)ウェーハと接触する溶液が適正に分布するように、上側パッドおよび下側パッドを逆回転させる。すなわち、n1およびn2は、反対の符号を有する。
2)ウェーハ担体は、上側パッドの回転方向と同じ方向に、装置の周りを回転する。すなわち、NcおよびN1は、同符号を有する必要がある。
3)ウェーハ表面の任意の点がいずれか一方のパッドに対して静止しないようにする。すなわち、経路には尖点がない。
4)ウェーハ経路は、自らの経路と交差する前に、太陽ギアを周回する必要がある。
5)パッドとウェーハの間の摩擦力が強過ぎる場合、外側ギアを移動させない状態で維持してもよい。
【0036】
これらのガイドラインに従う設定のいくつかの具体例を図4に示す。図4に示す表は、AC1400の装置に対して適当な設定を示すが、他の研磨装置に対する設定値も利用できる。図4において、時間は秒で、回転速度はRPMで示される。負の符号は、反時計方向の回転を示す。
【0037】
SUBAの534E−IIの上側パッドとUR100の下側パッドを用い、最大処理圧力を約4.8kPaとしたとき、設定1はとりわけ適当である。SPM3100の下側パッドを用い、好適な最大パッド圧力が約9.7kPaで、外側ギアが回転しない場合に、設定2ないし6は、より適当である。SPM3100のパッドを用いた場合、摩擦力があまりにも強く、AC1400の装置の外側ギアが、結果的に駆動シャフトを破損することなく、信頼性よく回転できなかったことに留意されたい。明らかなように、この方法により決定される設定値を用いると、パッドが均一に摩耗し、第2のパッドに対する裏面の速度が、第1のパッドに対する表面の速度よりも小さくなるようにすることができる。さらに、周回する担体を有する研磨装置10において、ウェーハは、パッドに対して回転するとともに、水平方向に移動する。こうした上側パッドに対する移動は、上側パッドの不完全性を「平均化」し、ウェーハの平坦性および平行性を確保する上でとりわけ重要である。こうした設定値は、さらに最適化することができ、特定の研磨装置、パッド、圧力、流体の粘性、および流速度に対して最適化された設定値は、装置、パッド、圧力、流体の粘性、または流速度のいずれかが変更された場合には、最適ではあり得ない。
【0038】
同様に、動力学を制御して、差別的に除去することもできる。すなわち、裏面と上側パッド16の間の相対的移動を、表面と下側パッド18の間の相対的移動よりも小さくすることにより、表面に比べて裏面からウェーハ材を除去する量を少なくすることができる。明らかなように、図4に示す設定値を用いると、裏面と上側パッド16の間の相対的な動きが、表面と下側パッド18の間の相対的な動きよりも小さいので、このように除去される傾向がある。択一的には、表面および裏面から同様にウェーハ材を除去するように、動力学を制御することもできる。
【0039】
好適には、SUBA534E−IIなどの溝つき上側パッドを用いて、不安定な流体力学的な潤滑作用をさらに制御する。こうしたパッドを使用することにより、パッドとウェーハWの間の界面にある溶液が、溝を介して界面から外部へ案内される。こうして、上側パッド16とウェーハの裏面の間の界面における不安定な流体力学的な潤滑作用が抑制される。同様に、すすぎ段階において、ウェーハに対するダメージが生じやすい場合、不安定な流体力学的な潤滑作用を制御することはとりわけ重要である。
【0040】
(圧力および担体摩損)
ウェーハ担体22は、最終研磨が完了した後のウェーハWの最終的な厚みよりも薄いことが好ましい。ウェーハ担体の厚みは、この最終的な厚みよりも好適には少なくとも15μm、さらに好適には約70μm薄い。好ましい厚みの差は、パッドの圧力に依存する。担体はウェーハよりも遥かに薄いので、パッドはウェーハWを支持し、さらに正確には、パッドは液体とスラリ粒子によりウェーハから分離されるが、パッドとウェーハの間の界面にある液体とスラリ粒子に対して圧力が加えられる。そのため、パッドから担体22に加えられる圧力は、最小限に抑えられ、例えば、ほぼ大気圧と同程度である。担体に対する圧力を最小限に抑えることにより、担体の摩損を抑える。担体摩損は、担体22の金属部分の中の金属または金属性の不純物が放出され、パッドまたは研磨溶液を汚染することがある。担体摩損は、引っ掻き傷の原因となる粒子を挿入部24から放出することがある。さらに担体22に加えられる圧力を最小限に抑えると(担体は、好適には、一括処理されるウェーハの中で最も薄いウェーハよりも実質的に薄い。)、研磨パッドがウェーハWに付加する圧力を、比較的に安定させて維持し、ウェーハの当初の厚みに関係なく再現性よく処理を行うことができる。ウェーハが研磨処理中に徐々に薄くなるので、ウェーハに付加される圧力は小さくなり、ウェーハの厚みがキャリアの厚みに近づくにつれて、担体に付加される圧力は大きくなる。
【0041】
材料除去段階において付加される圧力は、下側パッドにSPM31000を用いた場合、好適には少なくとも約7kPa、より好適には約7.5ないし12.1kPaの間である。平滑化する際、圧力は、少なくとも約5.5kPa、より好適には約6ないし11kPaの間である。すすぎ段階において、約2kPa以下、より好適には、ウェーハWを過度に振動させることなく、できるだけ小さい圧力、例えば、AC1400の装置を用いた場合、約0.75kPaの圧力を装置に加える。すべての段階において付加される圧力は、最終研磨処理により、ウェーハ内の結晶構造欠陥が実質的に生じない程度に十分小さい。好適な圧力は、パッドの種類、研磨装置、研磨スラリ、および流体の特性と温度により変化し得る。
【0042】
(スラリおよびリンス流体)
研磨スラリは、好適には、イリノイ州のエルムハーストにあるFujimiから市販されているGLANZOXTM3950などの仕上用スラリである。仕上用スラリは、最終研磨処理に対してより好適であり、このとき仕上用スラリを用いて製造されるウェーハは、概略的な研磨用として通常用いられる、あまり高価でないストック除去研磨スラリを用いて製造されるウェーハの平均的なヘイズよりも少ないヘイズを有する。理論を持ち出すまでもなく、ストック除去研磨スラリ中に見出されるスラリ粒子および集塊物は、研削するために、仕上用スラリ中のスラリ粒子および集塊物よりも通常大きく、かつ硬いので、ウェーハ表面に引っ掻き傷を形成しやすい。しかしながら、とりわけ最終研磨処理の材料除去段階において、ストック除去研磨スラリを用いることも可能である。また任意の段階において、他の仕上スラリを用いることが可能で、さまざまなスラリを個別に、あるいは組み合わせて用いることが可能である。
【0043】
材料除去段階において除去されるウェーハ材料を増大させるためには、強塩基に仕上用研磨スラリを混ぜ合わせることが好ましい。強塩基の具体例として、水酸化カリウムと水酸化ナトリウムがある。アンモニアおよびポリマをスラリに加えてもよい。さらに、除去段階において、上述の圧力範囲内にある比較的に高い圧力を加える。強塩基および高圧力を用いることにより、比較的に少ない仕上用研磨スラリを用いて、適当な量(以下説明する)のウェーハ材を除去する。
【0044】
ポリマ、およびKOHやアンモニアなどの塩基により、シリカ粒子の凝集に対して、仕上用スラリが安定化される。GLANZOXTM3950な等の市販されたスラリには、変性セルロースなどの権利化されたポリマが含まれており、通常処理中に、塩基がスラリと混合される。この実施形態によれば、処理中の実質的にすべての段階において、アンモニアがスラリと混合される。これとは対照的に、KOHは、初期段階および材料除去段階においてのみ添加されるが、リンス流体の微量成分として含まれていてもよい。KOHは、主に、スラリのpHを約10.5以上に調整する機能を有し、材料除去段階において、約10ないし200ミリモルのKOHが添加される。またKOHは、イオン強度を維持することを支援する。好適には、初期段階および除去段階におけるイオン強度は、約10ないし200ミリモルである。
【0045】
アンモニアは、銅やニッケルなどの微量金属合成物を化学的に分離して、平滑化段階の後半工程においてはpHを調整し、すすぎ処理においてはpH緩衝剤として機能する。この装置が長時間に亙って待機状態にあるとき、アンモニアは、流体が流れる管19から不純物質などを取り除く機能を有する。安定化させることに加えて、アンモニアは、流体が流れる管19から不純物質などを取り除く機能を有する。
【0046】
スラリ中のシリカ粒子の最適濃度は、シリカ固形物の体積百分率として表現される。サプライアが提供する最適濃度は、維持されることが好ましい。この実施形態において、好適なスラリGLANZOX3950は、シリカ固形物の約0.035ないし0.055体積%の最適濃度を有する。水または上述した他の水性溶液を用いて希釈することにより、最適濃度は維持される。
【0047】
(材料除去)
平坦性および平行性が実質的に損なわれないように、最終研磨処理により、比較的少量のウェーハ材が除去されることが好ましい。最終研磨処理により、適当にも、ウェーハWから約5μm未満、好適には約0.1ないし1.5μmのウェーハ材が除去される。最終研磨されるウェーハWが実質的な表面ダメージを受けない場合、すなわち、実質的な表面ダメージが全くないウェーハを製造するために、概略的な両面研磨処理が適当である場合、ウェーハから全体で0.4μm未満のウェーハ材が除去されることが好ましいに留意されたい。実際、表面ダメージが実質的に全く存在しない場合、0.1μm未満のウェーハ材を除去できる。ここで与えられた範囲は、ウェーハの両面から除去された量を意味することに留意されたい。動力学は上記のように制御され、裏面よりも表面から実質的により多くのウェーハ材が除去される。好適には、裏面から除去されるウェーハ材は、表面から除去されるウェーハ材の約25%未満である。
【0048】
(平滑化段階)
平滑化段階は、粒子を介してウェーハ面に加えられる力を低減するため、若干低減された圧力下で行われる。平滑化断かにおけるイオン強度を下げることにより(例えば、KOH濃度を下げることにより)、スラリ中、およびパッドならびにウェーハ上のシリカ集塊物を粉砕しやすくする。スラリ粒子の集団が実質的に独立した粒子となるように、スラリ粒子をより小さい大きさにすることにより、ナノメータのスケールで表面を平滑化する微細研磨加工を行うことができる。
【0049】
アルカリを用いてシリコンウェーハをエッチングすると、<111>面が選択的に露出することが当業者には知られており、研磨処理中に、表面に不要なファセットが形成される。平滑化処理においては、KOH濃度、ひいてはpHを抑えてイオン強度を下げ、アルカリによる表面エッチング速度を研磨速度よりも小さくする。
【0050】
ウェーハWを実質的に研磨し、完全に平滑化した後、ウェーハを回転させ、圧力を加えながら、ウェーハをすすぐことが好ましい。ウェーハが、暫くの時間パッド上に留まり、パッド上の悪影響を与え得る溶液またはパッドの孔の中にある溶液と接触する場合は特に、上記の一括研磨処理と同様、単一ウェーハ研磨処理において、本発明のすすぎ段階を利用することができることに留意されたい。本実施形態においては、研磨スラリとダメージを与え得る溶液を一気に洗い流すために、すずき流体が導入される。すすぎ工程中、研磨スラリは洗い流され、不安定性(動揺および振動)が増大し、その結果、ウェーハWとパッドが直接的に接触するリスクが生じる。こうした直接的な接触により、パッドとウェーハの間の摩擦力が増大し、ウェーハ表面がダメージを受ける。摩擦力が増大すると、通常、軋み音が伴って生じる。直接的な接触を回避するためには、表面と下側パッド18の間の流体力学的潤滑作用を増大させることにより、パッドとウェーハWの間の距離を大きくすることが好ましい。パッドから付加される圧力を実質的に低減するステップと、研磨スラリをパッドに流し続けるステップと、より高い粘性を有するリンス流体をパッドに案内するステップとを有する短時間ステップにおけるすすぎ段階の開始時に、流体力学的潤滑作用を増大させることが好ましい。リンス流体は、表面と下側パッド18の間の流体力学的潤滑作用を増大させ、これらの間の距離を大きくする。大まかに云うと、スラリを流し続けると、潜在的に不安定な移行期間における境界潤滑作用が生じ、ウェーハがパッドと接触することを防止する。ウェーハWは、短時間ステップで比較的に速やかに安定するため、研磨スラリの流れを止めることができる。好適には、すすぎ段階は、3つのステップで行われる。すなわち、すすぎ段階は、1)研磨スラリの流れを止める前において、ウェーハが安定するように、上側パッドに研磨スラリを流し続けながら、リンス流体の流れを、管を介して上側パッドに案内するステップと、2)リンス流体を流し続けながら、研磨スラリの流れを止めるステップと、3)アルカリを用いたエッチングに対して表面を不動態化するために、過酸化水素などのパッシベーション(passivation)成分をリンス流体に添加するステップとを有する。
【0051】
パッドとウェーハの間の界面における動力学的潤滑作用を増大させるために、リンス流体は、比較的に高い粘性を有することが好ましい。好適には、この流体は、粘性を高めるために、ポリエチレン酸化物(PEO)、カルボキシメチルセルロース、キサンゴム、カルボキシメチルスターチ、水酸化エチルセルロースなどのポリマを含む。好適には、このポリマは、アルカリ性溶液において、中性で、正電荷ではなく、負電荷を保持することができる。好適には、ポリマは、ウェーハの面および残余スラリ粒子に吸着し、シリカ粒子の凝集および付着を抑制することができる。リンス流体の粘性は、研磨スラリの粘性に比べて少なくとも2倍以上、より好適には約4倍以上高い。例えば、リンス流体を添加する前の約25℃における研磨スラリの粘性が約1センチポアズ(cp)で、リンス流体を添加した後の粘性が約6ないし7センチポアズである。
【0052】
またリンス流体は、好適には、pH緩衝流体を有し、このpH緩衝流体は、ウェーハの表面を保護するために、パッドに捕獲された腐食液、すなわち、11.8以上のpHをもつ液体に対する溶液pHを緩衝する。すすぐ前、KOHなどの腐食液は、パッド内、とりわけパッド内の孔の中に取り込まれる。すすぎ段階は、通常、ダメージを与えるほとんどの腐食液をパッドから完全にすすぐのに十分な時間、パッドをリンスしない。完全にすすぐための時間は約3分以上であると考えられ、ウェーハWの表面欠陥が蓄積されるのを防止し、生産量を増大させるために、好適なすすぎ段階は遥かに短時間である。さらに、すすぎ段階が完了した後、すべてのウェーハを装置から取り出すのに数分かかり、この間に残余腐食液がウェーハ表面をエッチングすることがある。したがって、リンス流体は、ウェーハWの表面を保護するために、パッド内に取り込まれた残余腐食液に対してpH緩衝される。しかし、pH緩衝流体は、シリカ粒子の凝集、珪酸の過剰な沈殿、またはウェーハへのシリカ粒子の付着が生じる程に、pHの溶液が下がり過ぎないような適正なpHを有する。すすぎ段階において、pHが7.8以下に下がるか、酸性となるとき、こうした凝集およびウェーハへの粒子付着は加速される。好適には、リンス流体のpH緩衝流体は、ウェーハが接触する溶液のpHを維持するように選択される。ウェーハが接触する溶液がアルカリ性であって、より好適には約7.8ないし11.8で、より好適には約8.8ないし10.8で、最も好適には約9.8である。pH緩衝流体は、約0.5ないし10ミリモルのイオン強度で、好適には2ミリモルのイオン強度を有する。この範囲のイオン強度により、コロイド状のスラリが静電気的に安定することを阻害することなく、凝集に対する十分なpH緩衝作用が得られる。ウェーハと接触する溶液は、リンス段階のステップ1において特に、研磨スラリを含む傾向があり、上記のpHの範囲は、リンス流体と研磨スラリを含む溶液に関する。適当なpH緩衝流体は、好適には、KOHまたはアンモニアを混合したホウ酸またはリン酸を有する。好適には、酸のpKaは、6.9ないし10.5で、より好適には、目標とするpH、例えば約9.8にほぼ等しい。
【0053】
またリンス流体は、パッシベーション成分を含むことが好ましく、この成分は、リンス段階が終わる直前にリンス流体に好適に添加できる。このパッシベーション成分は、好適には、過酸化水素であるが、オゾン、硝酸/亜硝酸アンモニウムなどの他の酸化剤を用いることができる。こうしてリンス流体は、最終研磨処理が完了した後、ウェーハがパッド上にある際、ウェーハ面を不動態化して、有害な腐食液からウェーハ面をさらに保護する。
【0054】
(研磨処理後の取り扱い)
研磨処理が完了した後、担体22およびパッド16、18の回転を停止させ、ウェーハを研磨装置から取り出し、乾燥させる。ウェーハを空気により乾燥させると、残余シリカがウェーハ面に析出し、ウェーハから除去することが困難になる。この実施形態においては、例えば、表面上に粒子が付着するのを防止するために、保護剤をウェーハ表面に噴霧して処理する。裏面にも噴霧してもよい。保護剤は、好適には、PEOや上述した他の適当なポリマなどの水性溶液である。この実施形態において、ユーザに対する安全のため、pHが中性であるが、この処理が自動化されている場合は特に、アルカリ性の緩衝溶液を用いてもよいPEOおよび上述のポリマは、シリカ表面に強力に付着するため、ウェーハ表面を粒子の吸着から保護するという点において好適である。この研磨処理後の処理は、単一表面研磨を含む任意の研磨処理の後に用いることができる。
【0055】
ウェーハから粒子を取り除き、粒子およびウェーハにポリマをコーティングし、さらにウェーハの表面上に不動態化した酸化膜を維持するように、ウェーハを浴槽内に浸漬させる。この浴槽は、好適には、最終的なリンス溶液と同じかそれに近いpHを有するアンモニア、過酸化水素等の酸化剤、およびPEOを含む溶液である。比較的に短時間、例えば3分間の後、ウェーハを浴槽から取り出し、適当な装置の中でリンスされ、乾燥される。
【0056】
最終研磨処理が完了すると、洗浄後、ウェーハの表面に集積回路を製造する準備が整うように、ウェーハの表面が最終的に研磨される。この処理において、裏面も同様に最終研磨してもよい。本発明の方法は、コーティングまたは層(レイヤ)を全く必要としない。ウェーハは、洗浄され、検査された後、梱包され、ウェーハ上に集積回路を形成するために顧客に出荷される。しかし、エピタキシャル層を含めて、コーティングまたは層を付加してもよい。例えば、ウェーハ製造業者または顧客が、層またはコーティングを付加してもよい。
【0057】
(具体例)
図5Aおよび図5Bの表を参照しながら、具体的な最終研磨処理について説明する。この具体例において、研磨装置がAC1400で、上側パッドがSUBAの534E−IIで、下側パッドがSPM3100で、研磨スラリがGLANZOX3950である。ウェーハ担体は、ファイバを含まないポリフッ化ビニリデン(PDVF)製の挿入部を用い、ピンスリーブは、同様にファイバを含まないナイロン6/6である。図5Aにおいて、第1列は、この処理には8つのステップがあることを示し、後続の列には、処理中の各ステップに対するパラメータが記載されている。次の2つの列には、各ステップの秒表記の時間と、パッドに流れる流体中の固形物(研磨スラリ中にあるシリカ固形物)の百分率とが記録されている。後続の列は、過酸化水素(H2O2)、リン酸(H3PO4)、およびKOHの流れのリットル当たりのモル(グラム分子)を示している。次の列は、リットル当たりのグラム表記のPEO、リットル当たりのモル表記のアンモニア(NH4OH)およびイソプロピルアルコール(IPA)、デバイ長(Debye Length)、イオン強度、および表面および裏面に対するハーシ数(H0:Hersey number)が示されている。図5Bに示すいくつかの列は、溶液のpH、ミリリットル/分表記の溶液の流速、kPa表記の圧力、および回転速度を示す。この回転速度は、図4の設定2に対応することに留意されたい。下側パッド18と表面の間の相対速度、および上側パッド16と裏面の間の相対速度の平均値は、上述のように計算され、次の4つの列に示されている。各ステップにおいて、上側パッド16と裏面の間の速度は、下側パッド18と表面の間の速度よりも実質的に小さく、例えば、半分以下であることに留意されたい。流体特性およびパッドの摩擦特性が安定する時間を与えるため、初期速度を十分に小さくしておく。
【0058】
この具体例において、初期ステップ1および2は、初期段階を構成し、この間にパッドは条件設定される。ステップ1および2は、それぞれ約18秒および約24秒続く。ステップ3のウェーハ除去段階において、圧力が実質的に増大され、すべてのステップの中でも最も長く、約8分間続く。平滑化段階は、ステップ4および5により実質的に構成され、圧力は、除去段階からステップ4において穏やかに低減され、KOHの流れは、ステップ4の後、好適にも停止される。上述のように、すすぎ段階の最初のステップ(ステップ6)は、短時間だけ続き、この場合約6秒間続き、この間0.045%固形物で示すような研磨スラリを流し続け(ウェーハとパッド間の分離距離が安定し)、緩衝流体、PEO、およびIPAを流し始める。さらにアンモニア(pH緩衝剤の一成分)の流れを増大させる。この装置において、最小ステップ時間は6秒であることに留意されたい。ステップ7において、スラリの流れは止まり、リンス流体がほぼ同じ流速で18秒間流れる。ステップ8で過酸化水素が導入される。図示したように、すすぎ段階は全体でも1分以上続かない。このリンス流体により、パッド間の溶液の温度が一定に維持される一方、その粘性が約1センチポアズから約6.4センチポアズまで跳ね上がる。最終研磨処理は全体で約14分間続き、各ウェーハから0.5μm除去されるものと推定される。除去速度は、ウェーハ中のドーパントのレベルとタイプに依存することに留意されたい。そして、シリコンウェーハ内に約1019原子数/cm3のオーダに対する推定除去量が示されている。
【0059】
デバイ長(1/κ)は、電解液中の電場に対する、固有の指数関数的な減衰長であることに留意されたい。デバイ長は、電荷を帯びた表面間の力が明らかであるときの距離の測定値である。KOHなどの1:1電解液を分析すると、電解液の(モル/リットル表示の)濃度cから次式を用いて、デバイ長を求めることができる。
1/κ=3.04/c−2 オングストローム表示(25℃)
表面間の吸引性ファン・デル・ワールス力は、粒子が臨界距離よりも接近した場合、静電反発力に勝り、ウェーハが接触する溶液などのコロイド状の系の安定性は、ファン・デル・ワールス力を越えた距離において、部分的に静電反発力に依存する。経験則として、アルカリ性シリカの系において、静電反発力によるコロイド安定性を確保するためには、少なくとも約30Åのデバイ長が好ましい。こうしたデバイ長は、約10ミリモルのイオン強度に相当する。具体例のステップ1ないし3において、イオン強度は、約10ないし200ミリモルの間であり、後続のステップでは約10ミリモル以下で、これはKOHの流れが低減したことに対応する。ここに示す値は、アルカリ性条件のシリカスラリにより研磨されたシリコンウェーハに関することに留意されたい。他の系に関して、他の制約条件を付加する必要がある。例えば、溶液のpHが、スラリ粒子のゼロ電荷のポイントから少なくとも約2pH単位離れていること、スラリ粒子および研磨された面の電荷極性が同じであるか、あるいは面が電気的に中性であることが他の制約条件として付加する必要がある。この具体例においては、これらの制約条件を満足する。
【0060】
ハーシ数は、(潤滑理論により定義付けられるように)流体速度×粘性÷圧力として定義付けられる。ハーシ数はミクロンで表示され、パッドとウェーハ間の液体膜の厚みの二乗に比例する。機械的な特性が同等でない、例えば、ウェーハが同じ回転速度で回転できない別の研磨装置に対する具体例に関し、ハーシ数を用いて、動力学的な条件設定に対応するパラメータを選択することができる。さらに、ハーシ数は、ウェーハ材除去とすすぎの間のサブステップにおける動力学的な条件設定を差別化する機能を有する。図5Aに示すハーシ数は、相対的なハーシ数であるので、単位をもたず、ステップ3における名目上の表面ハーシ数は0.36であり、他のハーシ数はこれから算出される。好適には、この具体的なプロセスを他の研磨装置に適用するとき、ハーシ数は、図5Aに示すハーシ数に対して50%以下だけ変化し、より好適には25%以だけ変化する。
【0061】
この方法により処理されたウェーハはより平坦で、その面は、従来の方法で研磨されたウェーハに比べてより平行である。ウェーハは、入射光の同等以下の乱反射による散乱(平均的ヘイズ)を有する。上述のように、本発明の最終研磨処理によれば、好適にも、平坦で、平行で、平らな半導体ウェーハWが形成される。通常のウェーハ表面のヘイズのレベルは、0.18ppm以下で、ADE CR80の装置を用いて測定したところ、一括処理されたウェーハの標準偏差は、±0.05ppmである。26mm×8mmの任意の領域に対する平坦性を、ADE9700の装置を用いて測定したところ、最終研磨工程において、通常、平坦性が0.02μm以下だけ削られる。SFQRにおける平均的な変化が、装置の解像度以下であるので、これは極めて良好である。ADE9700の装置を用いて測定した一括処理されたウェーハの26mm×8mmの99%の領域に対して、SBIRの分布として測定される平坦性のずれが、通常、0.075μm以下だけ増大する。SBIRにおける平均的変化は、この装置の解像度以下であることが確認された。ナノトポグラフィに関し、ADE CR83の装置を用いて測定したところ、この最終研磨処理を用いて研磨されるウェーハ上の全領域の約99%において、99.5%以上のウェーハ表面の10mm×10mmの領域が、55nm以下のナノトポグラフィを有する。
【0062】
また本発明の方法によれば、1度にただ1枚のウェーハが処理される従来式の単一表面ワックス実装研磨処理と比較したとき、最終研磨処理が一括処理されるので、ウェーハ処理量が増える。この具体例では、ACE1400の装置を用いて、毎時、約38.5枚のウェーハを処理する。ただし、装填および取り出しに10分間必要である。一方、従来式の単一表面ワックス実装研磨装置を用いたとき、毎時、約10枚のウェーハを処理することができる。
【0063】
上記に鑑み、本発明のいくつかの目的が実現され、他の好適な結果が得られる。
【0064】
本発明およびその好適な実施形態の構成要素を導入する際、「a(1つの)」「an(1つの)」「the(その)」および「said(上述の)」なる冠詞は、1つまたはそれ以上の構成要素が存在することを意味するように意図されている。「comprising(備える)」、「including(有する)」、および「having(含む)」なる文言は、列挙された構成要素以外の追加的な構成要素が存在し得ること含めて意味するように意図されている。
【0065】
上述の構成において、本発明の範疇から逸脱することなく、さまざまな変形例を形成することができる。上記説明および添付図面に含まれるすべての事項は、説明するためのものであって、限定的な意味に解釈すべきではないことが意図されている。
【0066】
対応する符号は、いくつかの図面を通して対応する構成部品を指し示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法で用いられる両面研磨装置の概略的な斜視図である。
【図2】図2は、ウェーハを省略したときのウェーハ担体の平面図である。
【図3A】図3Aは、ウェーハが研磨装置の中心を周回する時のウェーハ経路をプロットした図であって、不適当な経路を示す。
【図3B】図3Bは、ウェーハが研磨装置の中心を周回する時のウェーハ経路をプロットした図であって、不適当な経路を示す。
【図3C】図3Cは、ウェーハが研磨装置の中心を周回する時のウェーハ経路をプロットした図であって、適当な経路を示す。
【図3D】図3Dは、ウェーハが研磨装置の中心を周回する時のウェーハ経路をプロットした図であって、適当な経路を示す。
【図4】図4は、研磨装置の適当な回転速度の設定値を示す表である。
【図5A】図5Aは、本発明の具体的な最終研磨法で用いられるパラメータを示す表である。
【図5B】図5Bは、本発明の具体的な最終研磨法で用いられるパラメータを示す表である。
【図6A】図6Aは、先行技術によるワックス実装研磨法を要約する図である。
【図6B】図6Bは、先行技術によるワックス実装研磨法を要約する図である。
【図6C】図6Cは、先行技術によるワックス実装研磨法を要約する図である。
【図6D】図6Dは、先行技術によるワックス実装研磨法を要約する図である。
【符号の説明】
10 両面研磨装置、12 上側プラテン、14 下側プラテン、16 上側パッド、18 下側パッド、19 管、20 シャフト、22 ウェーハ担体、24 挿入部、28 内側ギア、29 外側リングギア、32 スリーブ。
(発明の背景)
本発明は、一般に、半導体ウェーハの処理方法に関し、とりわけ半導体ウェーハの表面を最終研磨するステップを含む、半導体ウェーハの処理方法に関する。
【0002】
半導体ウェーハは、通常、シリコンインゴットなどの単結晶インゴットから生成され、さらに調整され、一般には、後工程においてウェーハを適合させるために、切欠または平面が得られるように研磨される。インゴットはスライス切断されて、個々のウェーハが形成される。各ウェーハは、スライス処理により生じたダメージ(損傷)を取り除くために、そしてウェーハ表面を確実に平坦化するために、数多くの処理が施される。
【0003】
このような処理の際、前工程の処理に起因する表面および裏面に対するダメージを取り除くために、通常、各ウェーハの表面および裏面を研磨する。同時両面研磨法(DSP:Double Surface Polishing)によれば、より平坦で、より平行な面を有するウェーハを製造することができるので、こうした研磨法が好ましいものとなってきた。しかし残念なことに、従来の同時両面研磨法では、集積回路を製造する準備が整った表面を有するウェーハを形成することができない。例えば、従来の同時両面研磨法により形成されたウェーハの表面は、集積回路を製造する上で許容できる程度に十分滑らかでなく、相当に多くのヘイズ(曇り)を有している。したがって、表面上の滑らかさを改善し、同時両面研磨法に起因する傷およびヘイズ(曇り)を低減するために、単一表面研磨処理法を用いて、ウェーハの表面が最終的に研磨される。しかしながら、単一表面研磨処理法によれば、一般に、局在的な平坦性を含むウェーハ平坦性、および同時両面研磨法を用いて先に得られた平行性が損なわれる(平坦性と平行性は、通常、トポロジとして記述されることがある。)。こうしたトポロジの品位劣化は、ウェーハを実装するために用いられるワックスなどの不均一な支持フィルムに起因することがあり、これによりウェーハ材が不均一に除去される。支持フィルムは、表面を研磨する際の基準面として機能し、これに欠陥があると、平坦性および平行性が損なわれることがある。例えば、図6Aを参照すると、実質的に平坦で平行な表面を有するウェーハWは、プレートPの完全でないワックス層L上に載置される。ウェーハは、図6Bに示すように弾性変形し、図6Cに示すように平坦に研磨される。ワックスからウェーハを取り外すと(図6D)、ウェーハは、「自由な状態」に戻り、ワックス層の不完全性がウェーハ表面に認められる(図6Dの上側表面)。
【0004】
同様に、(CMPまたは無実装CMPと呼ばれることのある)別の形態の最終研磨法において、ウェーハが保持リング内に取り付けられ、支持するためのメンブレン、パッドまたはテンプレートに対して、摩擦力および表面張力により実質的に固定されるとき、支持するためのメンブレン、パッドまたはテンプレートの不規則性および変形に起因して、トポロジの品位劣化が生じ得る。こうしたCMPにおいて、支持パッドまたは支持テンプレートに対してウェーハWが移動すると、裏面に対して不要なダメージをもたらし、傷を形成する粒子またはダメージを与える粒子を放出し、こうした粒子がウェーハと研磨パッドの間の界面に侵入し得るので、こうしたウェーハの移動は好ましいものではないことに留意されたい。
【0005】
(発明の要約)
本発明はいくつかの目的を有するが、本発明は、中でも、比較的に平坦なウェーハを製造する半導体ウェーハを処理する方法を提供すること、平行な面を有するウェーハを製造する方法を提供すること、研磨されたウェーハの生産量を改善する方法を提供すること、集積回路を製造する用意が整った仕上られた表面を製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
さらに、本発明は、ウェーハに対するダメージを抑制し、研磨されたウェーハの生産量を改善する、一括処理後にウェーハを処理する方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、半導体ウェーハを研磨する装置を提供することを目的とし、この装置で用いられたスラリの汚染が低減され、この装置で研磨されたウェーハのヘイズ(曇り)が低減される。
【0008】
概略的に云うと、本発明の方法は、表面および裏面を有する半導体ウェーハを製造する方法に関する。この方法は、半導体材料からなるインゴットを提供するステップと、インゴットからウェーハをスライス切断するステップと、表面と裏面の平行性を増大させるようにウェーハを処理するステップとを有する。さらに、ウェーハを第1および第2のパッドの間に配置することにより、そして表面と裏面の平行性を維持するように、さらに洗浄後、ウェーハの表面が集積回路の製造の準備が整う程度に少なくともウェーハの表面の仕上げが得られるように、第1および第2のパッドに対するウェーハの表面および裏面の動きを得ることにより、表面を最終研磨するステップを行う。
【0009】
別の方法は、第1および第2のパッドの間に通常配置されるウェーハ担体を有する研磨装置を提供することにより、表面を最終研磨するステップを含む。第2のパッドは、ウェーハの裏面よりも少なくとも約10%大きい、ウェーハの裏面と接触する表面領域を有する。表面が第1のパッドの方を向き、裏面が第2のパッドの方へ向くように、ウェーハはウェーハ担体内に配置される。ウェーハは、第1および第2のパッドに対して自由に移動できる。研磨スラリを含む溶液がパッド間に供給され、第2のパッドと裏面の間の不安定な動力学的潤滑作用を抑制して、ウェーハの振動を抑制するために、第2のパッドに対する裏面の速度が、第1のパッドに対する表面の速度よりも小さくなるように、ウェーハ担体、第1のパッド、および第2のパッドの回転速度が選択される。ウェーハの表面および裏面が第1および第2のパッドに対して回転し、並進移動するように、ウェーハ担体、第1のパッド、および第2のパッドの少なくともいずれか1つが回転する。
【0010】
さらに別の方法において、研磨スラリがパッドに供給され、ウェーハおよびパッドの少なくとも一方が、ウェーハの面の少なくとも一方を研磨する。研磨ステップ後、ウェーハとパッドの間の動力学的潤滑作用を増大させるために、さらにシリカの凝集を防止するように、スラリおよびリンス流体を含む溶液の緩衝pHを約7.8ないし約11.8の間に維持するために、パッドにリンス流体を供給することによりウェーハがリンスされる。
【0011】
さらに別の方法において、ウェーハは、パッドを用いて研磨するために、所定位置に配置され、このパッドは、シリカ粒子を含む研磨スラリとアルカリ性成分とを有する溶液をパッドに供給することにより条件設定される。ウェーハの少なくとも一方の面を研磨するために、ウェーハおよびパッドの少なくとも一方を回転させ、ウェーハに圧力を付加する。
【0012】
半導体ウェーハを一括処理装置で一括処理した後、半導体ウェーハを処理する方法において、この方法は、一括処理装置から各ウェーハを取り出すステップと、第1の溶液を各ウェーハの表面に噴霧するステップと、この溶液は表面に吸着し、表面に粒子が付着することを抑制する。
【0013】
本発明に係る半導体ウェーハを研磨する装置は、上側パッドおよび下側パッドを実装し、回転させるようにそれぞれ構成された上側プラテンおよび下側プラテンを備える。下側パッドはウェーハ担体を実装するように構成される。この装置はさらに、パッドに溶液を供給する手段と、ウェーハ担体を回転させるウェーハ担体駆動部品とを備える。溶液は、研磨中、駆動部品の露出した部分と接触し、溶液と接触する露出した駆動部品は、溶液およびウェーハの粒子による汚染を抑制するために、合成強化粒子を含まない。
【0014】
本発明の他の目的および特徴は、部分的には明白であり、部分的には以下に説明する。
【0015】
(好適な実施形態の詳細な説明)
ここで図面、とりわけ図1および図2を参照すると、ドイツ国RendsburgにあるPeter Wolters Gmbhで製造された型番AC1400などの両面研磨装置の一部が概略的に図示され、一般に符号10で示されている。好適には、この両面研磨装置は、1つまたはそれ以上の単結晶性インゴット(すなわち、シリコンインゴット)からスライス切断された複数の半導体ウェーハWの表面の最終研磨を同時に行うように構成されている。後述するように、この研磨装置は、各ウェーハWの両面を同時に研磨するように構成されているが、ウェーハの表面だけは、本発明の方法を用いて研磨されるように構成されている。本発明の重要な態様は、ウェーハWの裏面(図1においては上向きの面)が、この装置の上側パッドに対して自由に移動(並進移動および回転移動)でき、その結果、裏面パッドの変形および不完全性が表面に対して実質的に影響を与えなることなく、表面および裏面の平行性が損なわれないという点にある。最終的な研磨処理の間、裏面が研磨されるという点はあまり重要ではない。複数のウェーハを一括処理するように構成されていない装置など、他の形態の研磨装置も考えられる。本発明とは異なり、従来式の無実装CMP処理によれば、支持パッドまたは支持テンプレートに対してウェーハWが移動することにより、好ましくない粒子またはダメージが生じることに留意されたい。しかし、ウェーハを固定すると、図6Aないし図6Dに示すように、不都合なことに変形する。すなわちこうした処理は、少なくともこの点において、本発明の最終研磨処理とは異なる。
【0016】
本実施形態において、研磨装置10は、通常円形の上側プラテン12と、通常円形の下側プラテン14とを有する。上側パッド16は、各ウェーハWの裏面を研磨するために上側プラテン12の下向面の上に取り付けられ、下側パッド18は、各ウェーハWの表面を最終研磨するために下側プラテン12の上向面の上に取り付けられている。裏面を最小限に研磨するように、裏面からウェーハ材をほとんど、あるいは全く除去しないように上側パッド16を構成することもできる。適当な手段を用いて、例えば、研磨スラリ、脱イオン水(DI)、アルカリ性成分、およびすずき液などの混合物(一般に、「溶液」と称する。)をパッドに供給する。図示された実施形態において、溶液を上側パッド16に供給するために、管19が上側プラテン12のシャフト20を貫通して適当に延びており(分かりやすくするために1本だけ図示した)、溶液は、この管19を通してパッドに供給される。溶液が上側パッドを通ってウェーハWおよび下側パッド18の下方へ流れるように、上側パッドは、通常、複数の孔を有する。パッドに溶液を供給する他の方法としては、パッドの間の空間に溶液を噴霧したり、下側プラテンを介して下側パッド18へ直接に溶液を導入することが考えられる。
【0017】
両面研磨装置の上側プラテン12および下側プラテン14は、適当な駆動メカニズム(図示せず)を用いて、選択された回転速度で回転するように構成されている。これらは、当業者には広く知られており、例えば、米国特許第5,205,077号公報および米国特許第5,697,832号公報に開示されており、ここに一体のものとして統合される。複数の円形のウェーハ担体22(この実施形態では5つの担体が図示されている。)が下側研磨パッド18のウェーハに載置されている。各ウェーハ担体22は、少なくとも1つの円形開口部23を有し(この実施形態では3つの開口部が図示されている。)、この開口部は、ウェーハWの少なくとも表面を研磨するために、ウェーハWを収容するように構成されている。挿入部24(図2参照)が開口部内に設けられ、ウェーハ担体の金属製(通常、鋼鉄)の本体部と、ウェーハWの間に挿入され、金属−ウェーハ間の接触が抑制され、ウェーハに対するダメージが回避される。好適には、挿入部24は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ナイロン、ポリアセタールなどの比較的に柔らかく、比較的に純粋な材料を用いて形成され、ファイバグラスなどの合成強化粒子を含まない。さらに、挿入部24は、引っ掻かない材料および摩滅しない(少なくとも対摩耗性で)材料で形成され、そうでなければ引っ掻き傷の原因となる有害な粒子が、挿入部内において、潜在的に、ウェーハWと接触する溶液の中に放出され得る。上述の材料(PVDF、ナイロン、およびポリアセタール)は、通常、同時両面研磨処理中に生じる引っ掻き傷の原因となる有害な粒子を低減する。こうした引っ掻き傷の原因となる粒子は、溶液が1つのパッドによりウェーハに対して付勢されたとき、ウェーハWに接触する溶液中を循環し、ウェーハの表面を引っ掻くことがある。一般に、ウェーハWの周囲の流体中に存在する引っ掻き傷の原因となる粒子が減ると、同時両面研磨処理に起因するウェーハ表面の引っ掻き傷およびヘイズを減らすことができる。この実施形態において、各ウェーハ担体22の周縁部には、装置10の太陽ギアまたは内側ギア28、および外側リングギア29と係合するギア26を有する。内側ギアおよび外側ギアは、選択された速度で担体22を回転させるように、適当な駆動メカニズム(図示せず)を用いて駆動される。これらのギアや駆動メカニズムは、一般に、ウェーハ担体駆動部品として記述されるもので、こうした駆動部品は、ギアの他、例えば、ウェーハを回転させるためにウェーハの端部と摩擦力により係合する車輪であってもよい。この実施形態の内側ギアおよび外側ギアは複数の鋼鉄ピンにより構成され、金属製ウェーハ担体22が鋼鉄と接触することを避けるために、各ピンは、非金属製スリーブ32で覆われている。スリーブ32は、研磨時において、通常、溶液に曝されている。各スリーブ32は、好適には、比較的に柔らかい材料を用いて形成され、担体挿入部24について上述したのと同様の理由により、比較的に硬いプラスチック、およびファイバグラスなどの合成強化粒子を含まず、さらに摩滅しにくい。適当な柔らかい材料は、ポリアミドナイロン6/6(ナイロン66)、PVDF、またはポリアセタールである。ウェーハ担体駆動部品の他の部分が溶液に曝されることに留意されたい。こうした他の部分は、上述と同様の比較的に柔らかく、引っ掻かない材料を用いて構成されるか、コーティングされる。こうした新規の担体駆動部品を使用することにより、引っ掻き傷の原因となる粒子を低減させることは、ウェーハからウェーハ材を除去する他の形態の装置に対して適用可能であることに留意されたい。
【0018】
本発明の方法において、各ウェーハWは、単結晶性インゴットからスライス切断される。ウェーハWに対して最終研磨前の処理を行い、ウェーハ表面からバルクダメージ(すなわち、ウェーハのスライス切断処理に起因する結晶転位および積層欠陥)を取り除き、表面を平坦化し、表面と裏面が実質的に平行となるように表面の平行性を増大させる。平行度の適当な測定値は、領域裏面基準指標(SBIR:Site Backside Referenced Indicated Reading)である。適当なウェーハは、26mm×8mmの領域において約0.075μmの平均SBIRを有し、好適には、ウェーハ上の全領域の約99%が約0.23μm以下のSBIRを有する(第99百分位という)。好適には、少なくとも表面が実質的に鏡面仕上げを有するように、最終研磨前の処理を行って、ウェーハの表面品質を改善させる。こうした処理として、これらに限定されないが、ラッピング処理、エッチング処理、プラズマ支援研磨化学エッチング処理(PACE:polishing plasma−assisted chemical etching)、および磁気流動研磨処理(magneto−rheological polishing)が挙げられる。最終研磨前処理の1つは、概略的(大雑把な)な同時両面研磨処理(DSP)である。この概略的な同時両面研磨処理は好適ではあるが、バルクダメージを取り除き、ウェーハ表面を平坦化し、表面を平行にするための他の処理を用いてもよい。この大雑把な研磨で、27±10μmのウェーハ材が、通常、各ウェーハから除去され、除去量は、ウェーハの両面からほぼ均一に取り除かれる。
【0019】
最終研磨前処理(概略的な同時両面研磨処理)が完了した後、ウェーハWを担体22から取り外し、洗浄し、そして最終研磨するために同様の研磨装置10へ搬送する。概略的な同時両面研磨処理から最終研磨処理までの間において、ウェーハを洗浄すること以外、ウェーハ材をさらに除去する処理は行われず、概略研磨から最終研磨までの間では、最低量のウェーハ材が除去される。概略的な研磨処理から最終研磨処理の間においてウェーハ材を除去すると、概略的な研磨処理で得られたウェーハの品質、とりわけ概略的な研磨処理で実現された平行性が損なわれるので、こうしたウェーハ材の除去は、一般に、好ましくない。概略研磨から最終研磨までの間で、さらなる処理を行うことも考えられる。例えば、銅などの不要な金属を除去するための処理を、ウェーハWに対して行ってもよい。この方法は、裏面が支持表面に対して実質的に固定される単一表面研磨処理を含まず、例えば、ワックス実装された単一表面研磨処理、またはウェーハが保持リング内に取り付けられ、支持パッド、支持メンブレン、または支持テンプレートに対して摩擦力および表面張力により実質的に固定される従来式のCMP処理を含まないことに留意されたい。
【0020】
最終研磨処理は、ウェーハWを研磨装置10に搬送することにより、適正に開始される。一般に、ウェーハWは、研磨装置の上側パッド16と下側パッド18の間にある1つのウェーハ担体22内にある各ウェーハを研磨することにより最終研磨される。好適には、ウェーハWの裏面が上側パッド16に向き、ウェーハの表面が下側パッド18の方を向く。研磨スラリおよび以下説明する他の溶液が、パッド16、18の少なくとも一方に供給される。上側パッドは、ウェーハに圧力を加えるために、ウェーハの裏面に向かって下向きに力を加える。これと同時に、ウェーハW、上側パッド16、および下側パッド18が回転し、周転円パターンまたは周転円経路上において、プラテンの回転軸の周りを周回し、このとき表面および裏面は、パッドに対して移動して、ウェーハを研磨する。ウェーハが両方のパッドに対して移動する限り、必ずしも3つのウェーハW、上側パッド16、および下側パッド18のすべてが移動する必要はない。以下にさらに説明するように、本発明の最終研磨処理は、平行性および平坦性を維持し、ウェーハの少なくとも表面を、集積回路を形成し得る程度に仕上げる。ここで用いられる最終研磨処理により鏡面仕上表面が形成され、好適には両面とも、そして少なくとも表面において、研磨処理に起因するダメージ、および概略的な研磨処理、ラッピング処理、およびエッチング処理などの先の処理に起因するダメージを実質的に排除する。さらに、本発明の最終研磨処理によれば、好適にも、滑らかで、平行で、かつ平坦な表面を有する半導体ウェーハWが形成される。一括処理されたウェーハにおいて、ほとんどの表面は、好適には約0.5ppm以下、より好適には約0.35ppm以下、さらにより好適には約0.18ppm以下の平均ヘイズを有する。すなわち、ADE CR80装置で測定したところ、一括処理されたウェーハの約99%が、好適には約0.5ppm以下、より好適には約0.35ppm以下、さらにより好適には約0.18ppm以下の平均ヘイズを有し、約0.05ppm以下の標準偏差を有する。好適には、平行性は実質的に変化せず、すなわちウェーハの平均SBIRは実質的に変化しない。平行性は、好適には約0.5μm以上増大せず、より好適には約0.10μm以上増大せず、さらにより好適には約0.05μm以上増大しない。同様に、上述の第99百分位の指標は、好適には約0.5μm以上増大せず、より好適には約0.10μm以上増大せず、さらにより好適には約0.05μm以上増大しない。一括処理されたウェーハの表面上の26mm×8mmの領域における領域最適焦点平面偏移分布(site best fit focal plane deviation distribution)は、ADE 9600装置で測定したところ、一括処理されたウェーハの少なくとも約第99百分位の領域に対して、好適には約0.10μmを越えず、少なくとも約第99百分位の領域に対して、さらに好適には約0.07μmを越えない。好適な焦点平面偏移は、先の処理により実質的に達成されており、最終研磨処理を行うことにより、表面上の26mm×8mmのほとんどの領域における焦点平面偏移は、好適には約0.04μm以上、さらに好適には約0.02μm以上損なわれることはない。こうしたウェーハは、洗浄後、集積回路を形成する上で十分に滑らかで、平坦で、かつ平面的であるので、エンドユーザは、それ以上の処理を行うことなく、ウェーハ上に集積回路を形成することができる。
【0021】
ウェーハWの少なくとも表面を最終研磨するために、適当なパッドが装置10に実装される。この実施形態において、上側パッド16は、溝つきの粗い研磨パッド(通常、エンボスパッドという。)であり、下側パッド18は、仕上用パッドであって、ウェーハ表面に対して実質的にダメージを与えることなく、研磨するために製造業者により構成されたものである。通常、仕上用パッドは、上側パッド16や概略的な研磨処理で用いられるパッドなどの粗い研磨パッドに比して、より柔軟で、実質的に異なる粗さと多孔性を有する。例えば、上側パッドは、アリゾナ州フェニックスのRodelにより製造された型番534E−IIであって、下側パッドは、Rodelにより製造された型番SPM3100などのポリウレタンパッドである。同様に、上側パッド16も溝つき仕上用パッドであってもよい。こうしたパッドは、ファイバガラスやフェルトを含む合成強化粒子などの引っ掻き傷の原因となる任意の繊維質を含まないことが好ましい。型番534E−IIおよび型番SPM3100のパッドが、型番AC1400などの大面積一括処理研磨装置用に裁断される。この実施形態においては、15枚以上のウェーハがパッド間で研磨されるため、パッドはウェーハよりも実質的に大きく裁断される。本発明において、単一ウェーハ研磨装置を用いることもできる。本発明にとって重要なことに、裏面に対向するパッドにおけるばらつきにより、表面の平坦性が実質的に影響を受けることのないように、さらに最終研磨後、表面と裏面が実質的に平行に維持されるように、少なくとも裏面に対向するパッドを、ウェーハWよりも実質的に大きくする。少なくとも裏面に対向するパッド、そして好適には両方のパッドを、ウェーハWよりも、好適には少なくとも約10%、より好適には50%、さらにより好適には100%大きくして、ウェーハの表面および裏面の一部でもパッド間の領域を越えてはみ出すことがないように、ウェーハが横から横へ移動し、裏面パッドに対して回転できるようにする。上記具体例などのように、中央に孔を有するパッドに対して、パッドの内径および外径の差は、ウェーハWの直径の少なくとも約1.1倍、より好適には約1.5倍以上、さらにより好適には約2倍以上大きい。換言すると、ウェーハは、パッド端部からはみ出すことなく、実質的に水平方向に移動できるようにしておく。こうした構成を用いると、研磨処理中、ウェーハはパッドの同じ部分により連続的に支持されず、ばらつきが「平均化」され、平均化されたばらつきは、平坦性に対して実質的に影響を与えないので、ばらつきの効果が抑えられる。ウェーハの表面および裏面の一部がパッド間の領域からはみ出すことがないよう、両方のパッドを十分に大きくすることにより、最終研磨処理中において、1枚または複数のウェーハを確実に研磨できると考えられている。
【0022】
一般に、好適な実施形態の最終研磨は、初期段階、材料除去段階、平滑化段階、およびすすぎ段階に分けられる。ウェーハおよびパッドは、実質的にこれらのすべての段階において回転しており、少なくとも一方のパッドに対して、研磨溶液またはすすぎ溶液が流れる。プラテンは、約10℃ないし40℃の温度範囲で適正に保持される。溶液は、これに限定されないが、以下説明する研磨スラリ、脱イオン水(DI)、アルカリ性または腐食性の液体成分、およびリンス流体を含んでいてもよい。上述のように、この装置10は、パッドに溶液を案内し、供給するための管19を有する。
【0023】
(初期段階)
ウェーハWが担体22内に載置されて、上側パッド16がウェーハWに隣接した位置まで下降した後、研磨スラリを含む溶液がパッド16、18上に流れる。この実施形態では、パッドは初期段階において条件設定される。とりわけ、処理実行中に、脱イオン水を用いてパッドを十分にリンスする場合、このような条件設定は、パッドが研磨するための準備を支援する。水酸化カリウム(KOH)または水酸化ナトリウムなどの強塩基を研磨スラリと混合することにより、条件設定が適正に行われる。この塩基は、パッド間の溶液(スラリおよびKOHを含む)のpHが、好適には少なくとも約12、より好適には約13となる程度に十分に強い塩基である。また、ウェーハが担体の開口部から滑って外れることがないように、パッドを条件設定する際、パッドからウェーハに比較的に小さい圧力を加える。例えば、その圧力は、最終研磨処理中に加えられる最大圧力の33%以下である。特に理論付けるまでもなく、強塩基とスラリを混合すると、スラリ内のある程度のシリカ粒子と、いくぶんかのウェーハ表面が溶解される。溶解したシリカは、シリカおよびポリシリカを含む酸を形成し、これはパッド16、18の孔の中に入り込み、より一般的には、パッド上に積層される。入り込んだシリカまたは積層したシリカは、材料除去段階および平滑化段階において、パッド/ウェーハの間の界面における摩擦力を、より好ましいレベルにまで低減するものと考えられている。条件設定ステップは、一括研磨装置上で実施される最終研磨処理に限定されないことに留意されたい。例えば、条件設定ステップは、概略的な研磨処理または最終研磨処理、単一表面研磨処理または両面研磨処理、そして単一ウェーハ研磨装置または一括ウェーハ研磨装置において用いることができる。
【0024】
(動力学的制御およびウェーハ軌道経路)
流体力学的な潤滑作用とは、流体の存在下における2つの表面間の相対的運動に起因する表面間の粘性潤滑作用である。表面間の流体は、流体経路内の収縮により、一方の表面における楔形状または段差により、低い圧力状態から高い圧力状態に向かって流れる。こうした楔形状または段差は、通常、パッド16、18内の変形可能な微小孔に起因する。楔形状または段差の大きさは、通常、ミクロンオーダであることに留意すべきである。境界潤滑作用とは、2つの表面のうちの一方または両方の表面にまとわりつく分子の層に起因する2表面間の潤滑作用である。境界潤滑作用において、流体は、ウェーハ表面とパッドの間から放出され得る。同様に、流体力学的潤滑作用および境界潤滑作用の両方が生じる、混合的あるいは流体弾性力学的な潤滑作用もある。
【0025】
研磨処理中、ウェーハWといずれか一方のパッド16、18の間における過剰な、あるいは不安定な流体弾性力学的潤滑作用により、ウェーハに動揺または振動が生じることがあり、その結果、ウェーハがダメージを受けたり、ウェーハと接触する溶液が汚染することがある。例えば、ウェーハに動揺または振動が生じると、ウェーハの端部がより頻繁に、より大きい力で担体挿入部24に擦れて、挿入部が摩滅し、引っ掻き傷の原因となる粒子が溶液中に放出される傾向がある。上述の好適な担体挿入部の材料であっても、通常、いくらかの不純物および/または引っ掻き傷の原因となる粒子が含まれている。同様に、例えば、振動の度合いが非常に大きいために、特定の領域にある流体が完全に搾り出されて、局在的な静止摩擦力が増大し、表面にダメージを与えることがある。また同様に、振動の度合いが非常に大きいと、ウェーハが担体の開口部から押し出されて、損傷または破壊される。初期段階、材料除去段階、および平滑化段階におけるパッドとウェーハWの間、および好適にはすすぎ段階における上側パッド16と裏面の間の不安定な流体力学的潤滑作用を抑制して、担体挿入部24の摩滅を抑え、最終研磨処理中のウェーハに対するダメージを抑制するように、処理時の動力学を制御することが好ましい。好適には、こうした動力学制御により、流体弾性力学的潤滑作用または境界潤滑作用が改善され、面とパッドが分離しにくくする。すすぎ段階では対照的に、第2のパッドと裏面の間の流体力学的潤滑作用は必ずしも促進させる必要はなく、表面と下側パッド18の間において、安定した流体力学的潤滑作用を促進させる。
【0026】
一般に、不安定な流体力学的潤滑作用を抑制するように、処理時の動力学を制御する。上側パッド16に対する裏面の速度が、下側パッド18に対する表面の速度より小さくなるように、ウェーハ担体22、上側パッド16、および下側パッド18の回転速度を適当に選択することにより、こうした制御は適正に行われる。こうした制御は、すすぎ段階において特に有用であって、制御されない場合には、リンス流体の粘性が増大し、ウェーハに対する圧力が減少したことに伴い、ウェーハが制御不可能な「ハイドロプレーン現象」を起こして、すなわち振動および動揺を起こす傾向がある。
【0027】
担体およびウェーハが装置10の中心を周回するとき、これらの挙動を決める方程式を用いて、第2のパッドに対する裏面の速度が、確実に、第1のパッドに対する表面の速度より小さくなるように、これらの回転速度を決定することができる。重要なことに、これらの方程式を好適に用いて、ウェーハが装置の中心を周回するとき、実質的に同じ経路上を通らないようにできる。同じ経路を繰り返して通ると、ウェーハの平坦性および平行性が損なわれ、パッドが不均一に摩耗する。好適には、ウェーハ表面は、パッドのすべての部分に対して均一に曝される(均一サンプリングという。)。例えば、この装置の動きに関する方程式は、次式で与えられる。
【0028】
【数1】
ウェーハ担体が装置の中心を回る回転速度(負の記号は、反時計回りの回転を示す)
【数2】
ウェーハ担体が自らの中心を回る回転速度
【数3】
ウェーハが自らの中心を回る推定回転速度
【0029】
変数は、この実施形態において、以下のように定義される。
Ra=12.4cm : 担体の中心から200mmウェーハの中心までの距離
Rb=0cm : ウェーハの中心から任意の半径上の点までの距離
(この具体例では中心点の経路がプロットされる)
Rp=27.15cm: 担体の半径
Rs=20.2cm : 太陽ギアまたは内側ギアの半径
Rr=Rs+2Rp : 外側リングギアの半径
Ro=Rs+Rp : 太陽ギアとリングギアの中点
n1 : 上側パッドの回転速度
n2 : 下側パッドの回転速度
n3 : 太陽ギアの回転速度
n4 : リングギアの回転速度
t :時間
【0030】
必要とする値NcおよびNpからn3およびn4を計算しておくと便利である。
【数4】
n1およびn2がrpm単位で与えられたとき、次式は計算上便利である。下付き文字tは上側パッド、下付き文字bは下側パッドを示す。
【数5】
【0031】
まず、パッドを回転させないときの動き、すなわち固定した基準枠内におけるウェーハの動きを計算する(方程式1.5)。そして全システムを回転させて、各パッドに対するウェーハの相対的な動きを得る。
【数6】
【0032】
方程式1.6および1.7は、時間の関数として、パッドに対するウェーハの中心の位置を記述する。回転中のウェーハ中心の軌跡曲線は、外点の外トロコイドである。時間の関数であるこれらの方程式を微分して、任意の位置における速度成分、ひいては瞬間的な相対速度を求めることができる。このように微分した結果は冗長であり、ここでは記載しない。図4は、微分方程式で得られた正確な速度に関する近似式を用いて、1秒単位、センチメートル単位の上側パッドと裏面の間の相対速度(Vtop)と、下側パッドと表面の間の相対速度(Vbottom)に関する計算された平均値の具体例を示している。
【0033】
ウェーハ経路が同じ経路を反復して通ることがないように、かつ研磨処理の動力学が適当に制御されるように、適正な回転速度を選択する必要がある。好適には、最終研磨処理中、ウェーハが装置の中心の周りを周回する際の全回転回数の少なくとも約10%完了するまで、より好適には少なくとも約25%完了するまで、さらにより好適には約50%完了するまで、ウェーハの1点が装置10の中心の周りの経路を通らないように、これらの速度を選択する。適当な経路を求める1つの方法は、不適当な経路が得られる速度を求め、これらの不適当な速度を、中間的な速度、すなわち実質的に異なる速度に変えて、適当な経路を求める。例えば、担体が1回転する毎に反復する経路を得る条件は、次式で与えられる。
【数7】
|Nc|±m|Np|=n1またはn2 (1.8)
ここでmは任意の整数である。経路がほぼ反復する際の条件は、m=1/2,3/2,5/2......∞である。
【0034】
制約方程式1.8により特定される回転速度とは実質的に異なる回転速度を選択することにより、パッドを均一にサンプリングするウェーハ経路を求めることができる。(例えば、MATHCADTMなどのプログラムを用いて)経路をプロットすることにより、選択された回転速度によるウェーハ経路を図形上で確認することができ、選択された速度により、実質的にすべてのパッドを均一にサンプリングする模様が得られるかどうか判断することができる。例えば、図3Aおよび図3Bは不適当な経路を示し、このときウェーハが装置の中心の周りをいつも同じまたは同様の経路を通る。図3Aおよび図3Bとは異なり、図3Cおよび図3Dは適当な経路を示し、このとき担体22が自らの中心の周りを少なくとも16回転するまで、ウェーハが装置の中心の周りの同じ経路を反復して通らない。図3Dは下側パッドに対するウェーハの経路を示すが、ウェーハが実質的にすべてのパッドをサンプリングするので、非常に優れた選択である。パッドの境界(内側円および外側円)が図3Aないし図3Dに図示されていることに留意されたい。加えて、制約方程式の経路を回避するために、満足できるウェーハ経路を求める上で、次のガイドラインを適用することが好ましい。
【0035】
1)ウェーハと接触する溶液が適正に分布するように、上側パッドおよび下側パッドを逆回転させる。すなわち、n1およびn2は、反対の符号を有する。
2)ウェーハ担体は、上側パッドの回転方向と同じ方向に、装置の周りを回転する。すなわち、NcおよびN1は、同符号を有する必要がある。
3)ウェーハ表面の任意の点がいずれか一方のパッドに対して静止しないようにする。すなわち、経路には尖点がない。
4)ウェーハ経路は、自らの経路と交差する前に、太陽ギアを周回する必要がある。
5)パッドとウェーハの間の摩擦力が強過ぎる場合、外側ギアを移動させない状態で維持してもよい。
【0036】
これらのガイドラインに従う設定のいくつかの具体例を図4に示す。図4に示す表は、AC1400の装置に対して適当な設定を示すが、他の研磨装置に対する設定値も利用できる。図4において、時間は秒で、回転速度はRPMで示される。負の符号は、反時計方向の回転を示す。
【0037】
SUBAの534E−IIの上側パッドとUR100の下側パッドを用い、最大処理圧力を約4.8kPaとしたとき、設定1はとりわけ適当である。SPM3100の下側パッドを用い、好適な最大パッド圧力が約9.7kPaで、外側ギアが回転しない場合に、設定2ないし6は、より適当である。SPM3100のパッドを用いた場合、摩擦力があまりにも強く、AC1400の装置の外側ギアが、結果的に駆動シャフトを破損することなく、信頼性よく回転できなかったことに留意されたい。明らかなように、この方法により決定される設定値を用いると、パッドが均一に摩耗し、第2のパッドに対する裏面の速度が、第1のパッドに対する表面の速度よりも小さくなるようにすることができる。さらに、周回する担体を有する研磨装置10において、ウェーハは、パッドに対して回転するとともに、水平方向に移動する。こうした上側パッドに対する移動は、上側パッドの不完全性を「平均化」し、ウェーハの平坦性および平行性を確保する上でとりわけ重要である。こうした設定値は、さらに最適化することができ、特定の研磨装置、パッド、圧力、流体の粘性、および流速度に対して最適化された設定値は、装置、パッド、圧力、流体の粘性、または流速度のいずれかが変更された場合には、最適ではあり得ない。
【0038】
同様に、動力学を制御して、差別的に除去することもできる。すなわち、裏面と上側パッド16の間の相対的移動を、表面と下側パッド18の間の相対的移動よりも小さくすることにより、表面に比べて裏面からウェーハ材を除去する量を少なくすることができる。明らかなように、図4に示す設定値を用いると、裏面と上側パッド16の間の相対的な動きが、表面と下側パッド18の間の相対的な動きよりも小さいので、このように除去される傾向がある。択一的には、表面および裏面から同様にウェーハ材を除去するように、動力学を制御することもできる。
【0039】
好適には、SUBA534E−IIなどの溝つき上側パッドを用いて、不安定な流体力学的な潤滑作用をさらに制御する。こうしたパッドを使用することにより、パッドとウェーハWの間の界面にある溶液が、溝を介して界面から外部へ案内される。こうして、上側パッド16とウェーハの裏面の間の界面における不安定な流体力学的な潤滑作用が抑制される。同様に、すすぎ段階において、ウェーハに対するダメージが生じやすい場合、不安定な流体力学的な潤滑作用を制御することはとりわけ重要である。
【0040】
(圧力および担体摩損)
ウェーハ担体22は、最終研磨が完了した後のウェーハWの最終的な厚みよりも薄いことが好ましい。ウェーハ担体の厚みは、この最終的な厚みよりも好適には少なくとも15μm、さらに好適には約70μm薄い。好ましい厚みの差は、パッドの圧力に依存する。担体はウェーハよりも遥かに薄いので、パッドはウェーハWを支持し、さらに正確には、パッドは液体とスラリ粒子によりウェーハから分離されるが、パッドとウェーハの間の界面にある液体とスラリ粒子に対して圧力が加えられる。そのため、パッドから担体22に加えられる圧力は、最小限に抑えられ、例えば、ほぼ大気圧と同程度である。担体に対する圧力を最小限に抑えることにより、担体の摩損を抑える。担体摩損は、担体22の金属部分の中の金属または金属性の不純物が放出され、パッドまたは研磨溶液を汚染することがある。担体摩損は、引っ掻き傷の原因となる粒子を挿入部24から放出することがある。さらに担体22に加えられる圧力を最小限に抑えると(担体は、好適には、一括処理されるウェーハの中で最も薄いウェーハよりも実質的に薄い。)、研磨パッドがウェーハWに付加する圧力を、比較的に安定させて維持し、ウェーハの当初の厚みに関係なく再現性よく処理を行うことができる。ウェーハが研磨処理中に徐々に薄くなるので、ウェーハに付加される圧力は小さくなり、ウェーハの厚みがキャリアの厚みに近づくにつれて、担体に付加される圧力は大きくなる。
【0041】
材料除去段階において付加される圧力は、下側パッドにSPM31000を用いた場合、好適には少なくとも約7kPa、より好適には約7.5ないし12.1kPaの間である。平滑化する際、圧力は、少なくとも約5.5kPa、より好適には約6ないし11kPaの間である。すすぎ段階において、約2kPa以下、より好適には、ウェーハWを過度に振動させることなく、できるだけ小さい圧力、例えば、AC1400の装置を用いた場合、約0.75kPaの圧力を装置に加える。すべての段階において付加される圧力は、最終研磨処理により、ウェーハ内の結晶構造欠陥が実質的に生じない程度に十分小さい。好適な圧力は、パッドの種類、研磨装置、研磨スラリ、および流体の特性と温度により変化し得る。
【0042】
(スラリおよびリンス流体)
研磨スラリは、好適には、イリノイ州のエルムハーストにあるFujimiから市販されているGLANZOXTM3950などの仕上用スラリである。仕上用スラリは、最終研磨処理に対してより好適であり、このとき仕上用スラリを用いて製造されるウェーハは、概略的な研磨用として通常用いられる、あまり高価でないストック除去研磨スラリを用いて製造されるウェーハの平均的なヘイズよりも少ないヘイズを有する。理論を持ち出すまでもなく、ストック除去研磨スラリ中に見出されるスラリ粒子および集塊物は、研削するために、仕上用スラリ中のスラリ粒子および集塊物よりも通常大きく、かつ硬いので、ウェーハ表面に引っ掻き傷を形成しやすい。しかしながら、とりわけ最終研磨処理の材料除去段階において、ストック除去研磨スラリを用いることも可能である。また任意の段階において、他の仕上スラリを用いることが可能で、さまざまなスラリを個別に、あるいは組み合わせて用いることが可能である。
【0043】
材料除去段階において除去されるウェーハ材料を増大させるためには、強塩基に仕上用研磨スラリを混ぜ合わせることが好ましい。強塩基の具体例として、水酸化カリウムと水酸化ナトリウムがある。アンモニアおよびポリマをスラリに加えてもよい。さらに、除去段階において、上述の圧力範囲内にある比較的に高い圧力を加える。強塩基および高圧力を用いることにより、比較的に少ない仕上用研磨スラリを用いて、適当な量(以下説明する)のウェーハ材を除去する。
【0044】
ポリマ、およびKOHやアンモニアなどの塩基により、シリカ粒子の凝集に対して、仕上用スラリが安定化される。GLANZOXTM3950な等の市販されたスラリには、変性セルロースなどの権利化されたポリマが含まれており、通常処理中に、塩基がスラリと混合される。この実施形態によれば、処理中の実質的にすべての段階において、アンモニアがスラリと混合される。これとは対照的に、KOHは、初期段階および材料除去段階においてのみ添加されるが、リンス流体の微量成分として含まれていてもよい。KOHは、主に、スラリのpHを約10.5以上に調整する機能を有し、材料除去段階において、約10ないし200ミリモルのKOHが添加される。またKOHは、イオン強度を維持することを支援する。好適には、初期段階および除去段階におけるイオン強度は、約10ないし200ミリモルである。
【0045】
アンモニアは、銅やニッケルなどの微量金属合成物を化学的に分離して、平滑化段階の後半工程においてはpHを調整し、すすぎ処理においてはpH緩衝剤として機能する。この装置が長時間に亙って待機状態にあるとき、アンモニアは、流体が流れる管19から不純物質などを取り除く機能を有する。安定化させることに加えて、アンモニアは、流体が流れる管19から不純物質などを取り除く機能を有する。
【0046】
スラリ中のシリカ粒子の最適濃度は、シリカ固形物の体積百分率として表現される。サプライアが提供する最適濃度は、維持されることが好ましい。この実施形態において、好適なスラリGLANZOX3950は、シリカ固形物の約0.035ないし0.055体積%の最適濃度を有する。水または上述した他の水性溶液を用いて希釈することにより、最適濃度は維持される。
【0047】
(材料除去)
平坦性および平行性が実質的に損なわれないように、最終研磨処理により、比較的少量のウェーハ材が除去されることが好ましい。最終研磨処理により、適当にも、ウェーハWから約5μm未満、好適には約0.1ないし1.5μmのウェーハ材が除去される。最終研磨されるウェーハWが実質的な表面ダメージを受けない場合、すなわち、実質的な表面ダメージが全くないウェーハを製造するために、概略的な両面研磨処理が適当である場合、ウェーハから全体で0.4μm未満のウェーハ材が除去されることが好ましいに留意されたい。実際、表面ダメージが実質的に全く存在しない場合、0.1μm未満のウェーハ材を除去できる。ここで与えられた範囲は、ウェーハの両面から除去された量を意味することに留意されたい。動力学は上記のように制御され、裏面よりも表面から実質的により多くのウェーハ材が除去される。好適には、裏面から除去されるウェーハ材は、表面から除去されるウェーハ材の約25%未満である。
【0048】
(平滑化段階)
平滑化段階は、粒子を介してウェーハ面に加えられる力を低減するため、若干低減された圧力下で行われる。平滑化断かにおけるイオン強度を下げることにより(例えば、KOH濃度を下げることにより)、スラリ中、およびパッドならびにウェーハ上のシリカ集塊物を粉砕しやすくする。スラリ粒子の集団が実質的に独立した粒子となるように、スラリ粒子をより小さい大きさにすることにより、ナノメータのスケールで表面を平滑化する微細研磨加工を行うことができる。
【0049】
アルカリを用いてシリコンウェーハをエッチングすると、<111>面が選択的に露出することが当業者には知られており、研磨処理中に、表面に不要なファセットが形成される。平滑化処理においては、KOH濃度、ひいてはpHを抑えてイオン強度を下げ、アルカリによる表面エッチング速度を研磨速度よりも小さくする。
【0050】
ウェーハWを実質的に研磨し、完全に平滑化した後、ウェーハを回転させ、圧力を加えながら、ウェーハをすすぐことが好ましい。ウェーハが、暫くの時間パッド上に留まり、パッド上の悪影響を与え得る溶液またはパッドの孔の中にある溶液と接触する場合は特に、上記の一括研磨処理と同様、単一ウェーハ研磨処理において、本発明のすすぎ段階を利用することができることに留意されたい。本実施形態においては、研磨スラリとダメージを与え得る溶液を一気に洗い流すために、すずき流体が導入される。すすぎ工程中、研磨スラリは洗い流され、不安定性(動揺および振動)が増大し、その結果、ウェーハWとパッドが直接的に接触するリスクが生じる。こうした直接的な接触により、パッドとウェーハの間の摩擦力が増大し、ウェーハ表面がダメージを受ける。摩擦力が増大すると、通常、軋み音が伴って生じる。直接的な接触を回避するためには、表面と下側パッド18の間の流体力学的潤滑作用を増大させることにより、パッドとウェーハWの間の距離を大きくすることが好ましい。パッドから付加される圧力を実質的に低減するステップと、研磨スラリをパッドに流し続けるステップと、より高い粘性を有するリンス流体をパッドに案内するステップとを有する短時間ステップにおけるすすぎ段階の開始時に、流体力学的潤滑作用を増大させることが好ましい。リンス流体は、表面と下側パッド18の間の流体力学的潤滑作用を増大させ、これらの間の距離を大きくする。大まかに云うと、スラリを流し続けると、潜在的に不安定な移行期間における境界潤滑作用が生じ、ウェーハがパッドと接触することを防止する。ウェーハWは、短時間ステップで比較的に速やかに安定するため、研磨スラリの流れを止めることができる。好適には、すすぎ段階は、3つのステップで行われる。すなわち、すすぎ段階は、1)研磨スラリの流れを止める前において、ウェーハが安定するように、上側パッドに研磨スラリを流し続けながら、リンス流体の流れを、管を介して上側パッドに案内するステップと、2)リンス流体を流し続けながら、研磨スラリの流れを止めるステップと、3)アルカリを用いたエッチングに対して表面を不動態化するために、過酸化水素などのパッシベーション(passivation)成分をリンス流体に添加するステップとを有する。
【0051】
パッドとウェーハの間の界面における動力学的潤滑作用を増大させるために、リンス流体は、比較的に高い粘性を有することが好ましい。好適には、この流体は、粘性を高めるために、ポリエチレン酸化物(PEO)、カルボキシメチルセルロース、キサンゴム、カルボキシメチルスターチ、水酸化エチルセルロースなどのポリマを含む。好適には、このポリマは、アルカリ性溶液において、中性で、正電荷ではなく、負電荷を保持することができる。好適には、ポリマは、ウェーハの面および残余スラリ粒子に吸着し、シリカ粒子の凝集および付着を抑制することができる。リンス流体の粘性は、研磨スラリの粘性に比べて少なくとも2倍以上、より好適には約4倍以上高い。例えば、リンス流体を添加する前の約25℃における研磨スラリの粘性が約1センチポアズ(cp)で、リンス流体を添加した後の粘性が約6ないし7センチポアズである。
【0052】
またリンス流体は、好適には、pH緩衝流体を有し、このpH緩衝流体は、ウェーハの表面を保護するために、パッドに捕獲された腐食液、すなわち、11.8以上のpHをもつ液体に対する溶液pHを緩衝する。すすぐ前、KOHなどの腐食液は、パッド内、とりわけパッド内の孔の中に取り込まれる。すすぎ段階は、通常、ダメージを与えるほとんどの腐食液をパッドから完全にすすぐのに十分な時間、パッドをリンスしない。完全にすすぐための時間は約3分以上であると考えられ、ウェーハWの表面欠陥が蓄積されるのを防止し、生産量を増大させるために、好適なすすぎ段階は遥かに短時間である。さらに、すすぎ段階が完了した後、すべてのウェーハを装置から取り出すのに数分かかり、この間に残余腐食液がウェーハ表面をエッチングすることがある。したがって、リンス流体は、ウェーハWの表面を保護するために、パッド内に取り込まれた残余腐食液に対してpH緩衝される。しかし、pH緩衝流体は、シリカ粒子の凝集、珪酸の過剰な沈殿、またはウェーハへのシリカ粒子の付着が生じる程に、pHの溶液が下がり過ぎないような適正なpHを有する。すすぎ段階において、pHが7.8以下に下がるか、酸性となるとき、こうした凝集およびウェーハへの粒子付着は加速される。好適には、リンス流体のpH緩衝流体は、ウェーハが接触する溶液のpHを維持するように選択される。ウェーハが接触する溶液がアルカリ性であって、より好適には約7.8ないし11.8で、より好適には約8.8ないし10.8で、最も好適には約9.8である。pH緩衝流体は、約0.5ないし10ミリモルのイオン強度で、好適には2ミリモルのイオン強度を有する。この範囲のイオン強度により、コロイド状のスラリが静電気的に安定することを阻害することなく、凝集に対する十分なpH緩衝作用が得られる。ウェーハと接触する溶液は、リンス段階のステップ1において特に、研磨スラリを含む傾向があり、上記のpHの範囲は、リンス流体と研磨スラリを含む溶液に関する。適当なpH緩衝流体は、好適には、KOHまたはアンモニアを混合したホウ酸またはリン酸を有する。好適には、酸のpKaは、6.9ないし10.5で、より好適には、目標とするpH、例えば約9.8にほぼ等しい。
【0053】
またリンス流体は、パッシベーション成分を含むことが好ましく、この成分は、リンス段階が終わる直前にリンス流体に好適に添加できる。このパッシベーション成分は、好適には、過酸化水素であるが、オゾン、硝酸/亜硝酸アンモニウムなどの他の酸化剤を用いることができる。こうしてリンス流体は、最終研磨処理が完了した後、ウェーハがパッド上にある際、ウェーハ面を不動態化して、有害な腐食液からウェーハ面をさらに保護する。
【0054】
(研磨処理後の取り扱い)
研磨処理が完了した後、担体22およびパッド16、18の回転を停止させ、ウェーハを研磨装置から取り出し、乾燥させる。ウェーハを空気により乾燥させると、残余シリカがウェーハ面に析出し、ウェーハから除去することが困難になる。この実施形態においては、例えば、表面上に粒子が付着するのを防止するために、保護剤をウェーハ表面に噴霧して処理する。裏面にも噴霧してもよい。保護剤は、好適には、PEOや上述した他の適当なポリマなどの水性溶液である。この実施形態において、ユーザに対する安全のため、pHが中性であるが、この処理が自動化されている場合は特に、アルカリ性の緩衝溶液を用いてもよいPEOおよび上述のポリマは、シリカ表面に強力に付着するため、ウェーハ表面を粒子の吸着から保護するという点において好適である。この研磨処理後の処理は、単一表面研磨を含む任意の研磨処理の後に用いることができる。
【0055】
ウェーハから粒子を取り除き、粒子およびウェーハにポリマをコーティングし、さらにウェーハの表面上に不動態化した酸化膜を維持するように、ウェーハを浴槽内に浸漬させる。この浴槽は、好適には、最終的なリンス溶液と同じかそれに近いpHを有するアンモニア、過酸化水素等の酸化剤、およびPEOを含む溶液である。比較的に短時間、例えば3分間の後、ウェーハを浴槽から取り出し、適当な装置の中でリンスされ、乾燥される。
【0056】
最終研磨処理が完了すると、洗浄後、ウェーハの表面に集積回路を製造する準備が整うように、ウェーハの表面が最終的に研磨される。この処理において、裏面も同様に最終研磨してもよい。本発明の方法は、コーティングまたは層(レイヤ)を全く必要としない。ウェーハは、洗浄され、検査された後、梱包され、ウェーハ上に集積回路を形成するために顧客に出荷される。しかし、エピタキシャル層を含めて、コーティングまたは層を付加してもよい。例えば、ウェーハ製造業者または顧客が、層またはコーティングを付加してもよい。
【0057】
(具体例)
図5Aおよび図5Bの表を参照しながら、具体的な最終研磨処理について説明する。この具体例において、研磨装置がAC1400で、上側パッドがSUBAの534E−IIで、下側パッドがSPM3100で、研磨スラリがGLANZOX3950である。ウェーハ担体は、ファイバを含まないポリフッ化ビニリデン(PDVF)製の挿入部を用い、ピンスリーブは、同様にファイバを含まないナイロン6/6である。図5Aにおいて、第1列は、この処理には8つのステップがあることを示し、後続の列には、処理中の各ステップに対するパラメータが記載されている。次の2つの列には、各ステップの秒表記の時間と、パッドに流れる流体中の固形物(研磨スラリ中にあるシリカ固形物)の百分率とが記録されている。後続の列は、過酸化水素(H2O2)、リン酸(H3PO4)、およびKOHの流れのリットル当たりのモル(グラム分子)を示している。次の列は、リットル当たりのグラム表記のPEO、リットル当たりのモル表記のアンモニア(NH4OH)およびイソプロピルアルコール(IPA)、デバイ長(Debye Length)、イオン強度、および表面および裏面に対するハーシ数(H0:Hersey number)が示されている。図5Bに示すいくつかの列は、溶液のpH、ミリリットル/分表記の溶液の流速、kPa表記の圧力、および回転速度を示す。この回転速度は、図4の設定2に対応することに留意されたい。下側パッド18と表面の間の相対速度、および上側パッド16と裏面の間の相対速度の平均値は、上述のように計算され、次の4つの列に示されている。各ステップにおいて、上側パッド16と裏面の間の速度は、下側パッド18と表面の間の速度よりも実質的に小さく、例えば、半分以下であることに留意されたい。流体特性およびパッドの摩擦特性が安定する時間を与えるため、初期速度を十分に小さくしておく。
【0058】
この具体例において、初期ステップ1および2は、初期段階を構成し、この間にパッドは条件設定される。ステップ1および2は、それぞれ約18秒および約24秒続く。ステップ3のウェーハ除去段階において、圧力が実質的に増大され、すべてのステップの中でも最も長く、約8分間続く。平滑化段階は、ステップ4および5により実質的に構成され、圧力は、除去段階からステップ4において穏やかに低減され、KOHの流れは、ステップ4の後、好適にも停止される。上述のように、すすぎ段階の最初のステップ(ステップ6)は、短時間だけ続き、この場合約6秒間続き、この間0.045%固形物で示すような研磨スラリを流し続け(ウェーハとパッド間の分離距離が安定し)、緩衝流体、PEO、およびIPAを流し始める。さらにアンモニア(pH緩衝剤の一成分)の流れを増大させる。この装置において、最小ステップ時間は6秒であることに留意されたい。ステップ7において、スラリの流れは止まり、リンス流体がほぼ同じ流速で18秒間流れる。ステップ8で過酸化水素が導入される。図示したように、すすぎ段階は全体でも1分以上続かない。このリンス流体により、パッド間の溶液の温度が一定に維持される一方、その粘性が約1センチポアズから約6.4センチポアズまで跳ね上がる。最終研磨処理は全体で約14分間続き、各ウェーハから0.5μm除去されるものと推定される。除去速度は、ウェーハ中のドーパントのレベルとタイプに依存することに留意されたい。そして、シリコンウェーハ内に約1019原子数/cm3のオーダに対する推定除去量が示されている。
【0059】
デバイ長(1/κ)は、電解液中の電場に対する、固有の指数関数的な減衰長であることに留意されたい。デバイ長は、電荷を帯びた表面間の力が明らかであるときの距離の測定値である。KOHなどの1:1電解液を分析すると、電解液の(モル/リットル表示の)濃度cから次式を用いて、デバイ長を求めることができる。
1/κ=3.04/c−2 オングストローム表示(25℃)
表面間の吸引性ファン・デル・ワールス力は、粒子が臨界距離よりも接近した場合、静電反発力に勝り、ウェーハが接触する溶液などのコロイド状の系の安定性は、ファン・デル・ワールス力を越えた距離において、部分的に静電反発力に依存する。経験則として、アルカリ性シリカの系において、静電反発力によるコロイド安定性を確保するためには、少なくとも約30Åのデバイ長が好ましい。こうしたデバイ長は、約10ミリモルのイオン強度に相当する。具体例のステップ1ないし3において、イオン強度は、約10ないし200ミリモルの間であり、後続のステップでは約10ミリモル以下で、これはKOHの流れが低減したことに対応する。ここに示す値は、アルカリ性条件のシリカスラリにより研磨されたシリコンウェーハに関することに留意されたい。他の系に関して、他の制約条件を付加する必要がある。例えば、溶液のpHが、スラリ粒子のゼロ電荷のポイントから少なくとも約2pH単位離れていること、スラリ粒子および研磨された面の電荷極性が同じであるか、あるいは面が電気的に中性であることが他の制約条件として付加する必要がある。この具体例においては、これらの制約条件を満足する。
【0060】
ハーシ数は、(潤滑理論により定義付けられるように)流体速度×粘性÷圧力として定義付けられる。ハーシ数はミクロンで表示され、パッドとウェーハ間の液体膜の厚みの二乗に比例する。機械的な特性が同等でない、例えば、ウェーハが同じ回転速度で回転できない別の研磨装置に対する具体例に関し、ハーシ数を用いて、動力学的な条件設定に対応するパラメータを選択することができる。さらに、ハーシ数は、ウェーハ材除去とすすぎの間のサブステップにおける動力学的な条件設定を差別化する機能を有する。図5Aに示すハーシ数は、相対的なハーシ数であるので、単位をもたず、ステップ3における名目上の表面ハーシ数は0.36であり、他のハーシ数はこれから算出される。好適には、この具体的なプロセスを他の研磨装置に適用するとき、ハーシ数は、図5Aに示すハーシ数に対して50%以下だけ変化し、より好適には25%以だけ変化する。
【0061】
この方法により処理されたウェーハはより平坦で、その面は、従来の方法で研磨されたウェーハに比べてより平行である。ウェーハは、入射光の同等以下の乱反射による散乱(平均的ヘイズ)を有する。上述のように、本発明の最終研磨処理によれば、好適にも、平坦で、平行で、平らな半導体ウェーハWが形成される。通常のウェーハ表面のヘイズのレベルは、0.18ppm以下で、ADE CR80の装置を用いて測定したところ、一括処理されたウェーハの標準偏差は、±0.05ppmである。26mm×8mmの任意の領域に対する平坦性を、ADE9700の装置を用いて測定したところ、最終研磨工程において、通常、平坦性が0.02μm以下だけ削られる。SFQRにおける平均的な変化が、装置の解像度以下であるので、これは極めて良好である。ADE9700の装置を用いて測定した一括処理されたウェーハの26mm×8mmの99%の領域に対して、SBIRの分布として測定される平坦性のずれが、通常、0.075μm以下だけ増大する。SBIRにおける平均的変化は、この装置の解像度以下であることが確認された。ナノトポグラフィに関し、ADE CR83の装置を用いて測定したところ、この最終研磨処理を用いて研磨されるウェーハ上の全領域の約99%において、99.5%以上のウェーハ表面の10mm×10mmの領域が、55nm以下のナノトポグラフィを有する。
【0062】
また本発明の方法によれば、1度にただ1枚のウェーハが処理される従来式の単一表面ワックス実装研磨処理と比較したとき、最終研磨処理が一括処理されるので、ウェーハ処理量が増える。この具体例では、ACE1400の装置を用いて、毎時、約38.5枚のウェーハを処理する。ただし、装填および取り出しに10分間必要である。一方、従来式の単一表面ワックス実装研磨装置を用いたとき、毎時、約10枚のウェーハを処理することができる。
【0063】
上記に鑑み、本発明のいくつかの目的が実現され、他の好適な結果が得られる。
【0064】
本発明およびその好適な実施形態の構成要素を導入する際、「a(1つの)」「an(1つの)」「the(その)」および「said(上述の)」なる冠詞は、1つまたはそれ以上の構成要素が存在することを意味するように意図されている。「comprising(備える)」、「including(有する)」、および「having(含む)」なる文言は、列挙された構成要素以外の追加的な構成要素が存在し得ること含めて意味するように意図されている。
【0065】
上述の構成において、本発明の範疇から逸脱することなく、さまざまな変形例を形成することができる。上記説明および添付図面に含まれるすべての事項は、説明するためのものであって、限定的な意味に解釈すべきではないことが意図されている。
【0066】
対応する符号は、いくつかの図面を通して対応する構成部品を指し示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法で用いられる両面研磨装置の概略的な斜視図である。
【図2】図2は、ウェーハを省略したときのウェーハ担体の平面図である。
【図3A】図3Aは、ウェーハが研磨装置の中心を周回する時のウェーハ経路をプロットした図であって、不適当な経路を示す。
【図3B】図3Bは、ウェーハが研磨装置の中心を周回する時のウェーハ経路をプロットした図であって、不適当な経路を示す。
【図3C】図3Cは、ウェーハが研磨装置の中心を周回する時のウェーハ経路をプロットした図であって、適当な経路を示す。
【図3D】図3Dは、ウェーハが研磨装置の中心を周回する時のウェーハ経路をプロットした図であって、適当な経路を示す。
【図4】図4は、研磨装置の適当な回転速度の設定値を示す表である。
【図5A】図5Aは、本発明の具体的な最終研磨法で用いられるパラメータを示す表である。
【図5B】図5Bは、本発明の具体的な最終研磨法で用いられるパラメータを示す表である。
【図6A】図6Aは、先行技術によるワックス実装研磨法を要約する図である。
【図6B】図6Bは、先行技術によるワックス実装研磨法を要約する図である。
【図6C】図6Cは、先行技術によるワックス実装研磨法を要約する図である。
【図6D】図6Dは、先行技術によるワックス実装研磨法を要約する図である。
【符号の説明】
10 両面研磨装置、12 上側プラテン、14 下側プラテン、16 上側パッド、18 下側パッド、19 管、20 シャフト、22 ウェーハ担体、24 挿入部、28 内側ギア、29 外側リングギア、32 スリーブ。
Claims (48)
- 表面および裏面を有する半導体ウェーハを製造する方法であって、
半導体材料からなるインゴットを提供するステップと、
インゴットからウェーハをスライス切断するステップと、
表面と裏面の平行性を増大させるようにウェーハを処理するステップと、
表面を最終研磨するステップとを有し、
この最終研磨ステップは、
a)ウェーハを第1および第2のパッドの間に配置するステップと、
b)表面と裏面の平行性を維持するように、さらに洗浄後、少なくともウェーハの表面が、ウェーハの表面が集積回路の製造の準備が整う程度に仕上げられるように、第1および第2のパッドに対するウェーハの表面および裏面の動きを得るステップとを含むことを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
最終研磨ステップは、
(a)第1および第2のパッドの間に通常配置されるウェーハ担体を有する研磨装置を提供するステップと、
(b)表面が第1のパッドの方を向き、裏面が第2のパッドの方へ向くように、さらにウェーハが第1および第2のパッドに対して自由に移動できるように、ウェーハをウェーハ担体内に配置するステップと、
(c)パッドに対して研磨スラリを供給するステップと、
(d)少なくともウェーハの表面を研磨するために、担体、第1のパッド、および第2のパッドのうちの少なくとも1つを回転させるステップとを含むことを特徴とする方法。 - 請求項2に記載の方法であって、
第1および第2のパッド、ひいてはウェーハに対して圧力を付加するステップをさらに有し、
研磨装置を提供するステップは、ウェーハよりも実質的に大きい寸法を有する第2のパッドを提供するステップを含み、
実装されたウェーハの裏面が第2のパッドに対して並進移動可能で、かつ回転可能であって、
回転させるステップは、ウェーハの実質的にすべての第2面が第2のパッドに対して実質的に連続的に移動するように、ウェーハを回転させ、移動させるステップを含み、
その結果、第2のパッドのばらつきが第2面の平坦性に実質的に影響を与えることなく、さらに最終研磨ステップ後、表面および裏面が実質的に平行に維持されることを特徴とする方法。 - 請求項3に記載の方法であって、
回転させるステップの間、ウェーハが均一に研磨されるように、実質的にすべてのウェーハが第1および第2のパッドの間に保持されることを特徴とする方法。 - 請求項4に記載の方法であって、
提供するステップは、第2のパッドと裏面の間の不安定な動力学的潤滑作用を抑制するために、研磨スラリを受容する溝を有する第2のパッドと、仕上用研磨パッドである第1のパッドとを提供するステップを含むことを特徴とする方法。 - 請求項2に記載の方法であって、
第2のパッドと裏面の間の不安定な動力学的潤滑作用を抑制して、ウェーハの振動を抑制するために、第2のパッドに対する裏面の速度が、第1のパッドに対する表面の速度よりも小さくなるように、ウェーハ担体、第1のパッド、および第2のパッドの回転速度を選択するステップをさらに有することを特徴とする方法。 - 請求項6に記載の方法であって、
第2のパッドに対する裏面の速度が、第1のパッドに対する表面の速度の半分以下となるように、回転速度が選択されることを特徴とする方法。 - 請求項6に記載の方法であって、
回転させるステップにおいて、担体は、研磨装置の中心を周回し、
最終研磨ステップの間、担体が研磨装置の中心の周りに回転する全回転数の少なくとも25%が完了するまで、ウェーハ上の1点が担体の中心の回りの同じ経路を通らないように、さらに第1および第2のパッドに対するウェーハ面上の各点のウェーハ速度が、研磨ステップの間、ゼロに等しくならないように、速度を選択することをことを特徴とする方法。 - 請求項7に記載の方法であって、
研磨ステップが開始されるとき、第1および第2のパッド、ひいてはウェーハに対して圧力を付加するステップと、
研磨ステップが開始された後、ウェーハ材を除去するために圧力を増大させるステップと、
その後、ウェーハを平滑化する圧力を低減させるステップと、
その後、すすぎステップにおいて、ウェーハの安定性を維持するために最小限の圧力まで圧力を低減するステップとをさらに有することを特徴とする方法。 - 請求項7に記載の方法であって、
最終研磨ステップにより、結晶構造上のダメージをウェーハに与えないように、最終研磨ステップにおいて選択されたさまざまな圧力が十分小さいことを特徴とする方法。 - 請求項10に記載の方法であって、
提供するステップは、最終研磨ステップが完了した後のウェーハの最終的な厚みよりも薄いウェーハ担体を提供するステップを有し、
担体に対する圧力を最小限に抑え、担体の摩損を最小限に抑えることにより、研磨ステップ中、パッドからウェーハに付加される圧力を一定となるように、有害な粒子の形成を防止し、研磨スラリの金属性汚染を防止することを特徴とする方法。 - 請求項2に記載の方法であって、
提供するステップは、ウェーハに対する粒子の接触を防止するために、ウェーハ、パッド、または研磨スラリと接触する研磨装置であって、合成強化粒子を含まない研磨装置を提供するステップを含むことを特徴とする方法。 - 請求項2に記載の方法であって、
提供するステップは、研磨スラリと接触するように構成された担体駆動部品を有する研磨装置を提供するステップを含み、
ウェーハと接触するファイバグラス粒子を抑制するように、駆動部品およびウェーハ担体はファイバを実質的に含まないことを特徴とする方法。 - 請求項2に記載の方法であって、
最終研磨ステップにより、約0.1ないし1.5μmの間のウェーハ材が除去されることを特徴とする方法。 - 請求項2に記載の方法であって、
最終研磨ステップにより、表面よりも裏面から実質的により少量のウェーハ材が除去されることを特徴とする方法。 - 請求項2に記載の方法であって、
表面の最終研磨ステップが実質的に完了した後に行われるすすぎステップをさらに有し、
すすぎステップ中、担体、第1のパッド、および第2のパッドの少なくとも1つは回転し続け、
すすぎステップは、第1のパッドとウェーハの表面の間の動力学的潤滑作用を増大させるために、第1のパッドとウェーハの表面の間の距離を増大させ、さらにすすぎステップ中、ウェーハの表面が第1のパッドと実質的に接触しないように、研磨スラリをパッド間に供給しながら、研磨スラリよりも高い粘性を有するリンス流体をパッド間に供給するステップを含むことを特徴とする方法。 - 請求項16に記載の方法であって、
研磨スラリを供給するステップと、リンス流体を供給するステップは、リンスステップを開始するとき、同時に行われ、
研磨スラリを供給するステップは、ウェーハが第1および第2のパッドに対して実質的に安定したとき終了することを特徴とする方法。 - 請求項16に記載の方法であって、
第2のパッドとウェーハの裏面の間の不安定な動力学的潤滑作用を防止するために、第2のパッドに対する裏面の速度が第1のパッドに対する表面の速度よりも小さくなるように、ウェーハ担体、第1のパッド、および第2のパッドの回転速度を選択するステップをさらに有し、
すすぎステップにおいてウェーハを安定させるように、すすぎステップにおいて、2のパッドと第2面の間の距離が増大しないことを特徴とする方法。 - 請求項18に記載の方法であって、
第2のパッドとウェーハの裏面の間の不安定な動力学的潤滑作用を抑制するために、裏面と第2のパッドの間、および第2のパッド内にあるリンス流体を案内するステップをさらに有することを特徴とする方法。 - 請求項16に記載の方法であって、
すすぎステップは、研磨スラリの粘性の少なくとも2倍の粘性を有する流体を選択するステップを含み、
このとき、リンス流体と研磨スラリは、粘性を測定するとき、同様の温度を有し、
リンス流体は、ウェーハの表面と第1のパッドの間の動力学的潤滑作用を増大させるために、酸化ポリエチレンを含むことを特徴とする方法。 - 請求項2に記載の方法であって、
研磨ステップが実質的に完了した後、パッド間にリンス流体を供給するステップをさらに有し、
スラリとリンス流体を含む結果として得られる溶液は、約8.8ないし約10.8の緩衝pHを有することを特徴とする方法。 - 請求項21に記載の方法であって、
すすぎステップは、スラリ内のシリカ粒子が凝集するのを防止し、すすぎステップ後、パッド内に残存する腐食性の高い溶液によるダメージからウェーハを保護するように構成されたリンス流体を選択するステップを含むことを特徴とする方法。 - 請求項21に記載の方法であって、
担体、第1のパッド、および第2のパッドの回転を停止させるステップと、
ウェーハを研磨装置から取り出すステップと、
ウェーハの表面に粒子が付着するのを防止するために、酸化ポリエチレンを含む水性溶液を、少なくともウェーハの表面に噴霧するステップとをさらに有することを特徴とする方法。 - 請求項23に記載の方法であって、
ウェーハから粒子を除去し、ウェーハを装置から取り出すとき、不動態化された酸化膜をウェーハの表面上に維持するために、最終研磨ステップ後、ウェーハを浴槽に浸漬するステップをさらに有することを特徴とする方法。 - 請求項2に記載の方法であって、
pHが少なくとも約12であるアルカリ性溶液を少なくとも一方のパッドに供給するステップと、
少なくともいくらかの研磨スラリとウェーハを分解するために、アルカリ性溶液を供給すると同時に、ウェーハに圧力を加えるステップとをさらに有し、
これにより、珪酸およびポリ珪酸が少なくとも一方のパッド上に積層されることを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
研磨ステップは、ウェーハの表面および裏面を同時に概略的に研磨するステップを含み、
この方法は、同時概略的研磨ステップから最終研磨ステップまでの間、ウェーハを洗浄すること以外、ウェーハ材を除去することはなく、
概略的研磨ステップにより、少なくとも表面上において、実質的な鏡面仕上が得られ、
概略的研磨ステップは第1の研磨装置により行われ、最終研磨ステップは第2の研磨装置により行われ、両方の研磨装置は、同時に複数のウェーハを一括処理できるように構成されていることを特徴とする方法。 - 請求項26に記載の方法であって、
最終研磨ステップにより、ウェーハの表面および裏面からウェーハ材が除去され、
最終研磨ステップ中、約0.1ないし1.5μmのウェーハ材が除去されることを特徴とする方法。 - 請求項26に記載の方法であって、
この方法は、裏面が裏面に対して実質的に固定される単一面研磨処理とは異なることを特徴とする方法。 - 表面および裏面を有する半導体ウェーハを研磨する方法であって、
パッドに研磨スラリを供給するステップと、
ウェーハの少なくとも一方の面を研磨するために、ウェーハおよびパッドの一方を回転させるステップと、
研磨ステップ後、ウェーハとパッドの間の動力学的潤滑作用を増大させるために、さらにウェーハと接触する溶液がアルカリ性に維持され、シリカの凝集を防止するように、スラリおよびリンス流体を含む溶液の緩衝pHを約7.8ないし約11.8の間に維持するために、パッドにリンス流体を供給することによりウェーハをすすぐステップとを有することを特徴とする方法。 - 請求項29に記載の方法であって、
溶液は、約8.8ないし約10.8のpHを有することを特徴とする方法。 - 請求項29に記載の方法であって、
リンス流体は、約6.9ないし約10.5のpKaを有するリン酸およびホウ酸からなるグループから選択された酸と、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、およびアンモニアからなるグループから選択された塩基とを含み、
酸と組み合わせた塩基は、ウェーハに対するダメージを抑制するために、パットから浸出する腐食性の流体に対するpH緩衝剤を形成することを特徴とする方法。 - 請求項29に記載の方法であって、
リンス流体を供給するステップにより、表面上に酸化シリコン膜を形成し、表面を不動態化して、アルカリによるエッチングを抑制することを特徴とする方法。 - 請求項29に記載の方法であって、
すすぎステップは、
1)pH緩衝流体とポリマを含むリンス流体をパッドに供給しながら、同時に研磨スラリをパッドに供給し続けるステップと、
2)リンス流体をパッドに供給し続けながら、研磨スラリの供給を停止するステップと、
3)アルカリによるエッチングに対抗して、表面を不動態化するために、パッシベーション成分をリンス流体に添加するステップとを有することを特徴とする方法。 - 請求項33に記載の方法であって、
pH緩衝流体は、
リン酸およびホウ酸からなるグループから選択された酸と、
スラリの凝集を抑制し、流体の粘性を増大させる、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、およびアンモニアからなるグループから選択された塩基とを含むことを特徴とする方法。 - 請求項34に記載の方法であって、
ウェーハの研磨ステップは、ウェーハの表面および裏面を同時に研磨するように構成された研磨装置で実施され、
圧力が第1および第2のパッドからウェーハに付加され、
パッドに付加される圧力は、すすぎステップの上記1)のステップにおいて、約2kPa以下に低減されることを特徴とする方法。 - 請求項35に記載の方法であって、
複数のウェーハが一括処理研磨装置で同時に研磨され、
研磨ステップ完了後、ウェーハ面をダメージから保護するために、すすぎステップ中にウェーハが不動態化されることを特徴とする方法。 - 表面および裏面を有する半導体ウェーハを研磨する方法であって、
パッドを用いて研磨するために、ウェーハを所定位置に配置するステップと、
シリカ粒子を含む研磨スラリとアルカリ性成分とを有し、少なくとも12のpHを有する溶液をパッドに供給することにより、パッドを条件設定するステップと、これにより、シリカ粒子を分解し、ウェーハとパッドの間の摩擦力を低減するようにパッド上に積層された珪酸およびポリ珪酸を形成して、ウェーハとパッドの間の摩擦力を小さくし、
ウェーハの少なくとも一方の面を研磨するために、ウェーハおよびパッドの少なくとも一方を回転させ、ウェーハに圧力を付加するステップとを有することを特徴とする方法。 - 請求項37に記載の方法であって、
ウェーハと接触する溶液は、少なくとも約13のpHを有することを特徴とする方法。 - 請求項37に記載の方法であって、
ウェーハに圧力を付加し始めると同時に、パッドが条件設定され、
条件設定ステップが完了した後、ウェーハ剤を除去するために圧力を増大させた後、少なくともウェーハの表面を平滑化するために圧力を低減させ、
パッドの条件設定が完了した後、アルカリ性成分の量を減らすことにより、ウェーハと接触する溶液のpHを下げることを特徴とする方法。 - 請求項37に記載の方法であって、
ウェーハを配置するステップは、第1および第2のパッドの間にある研磨装置内にウェーハを配置するステップを含み、
圧力がパッドによりウェーハに付加され、パッドの条件設定ステップ中の圧力は、最終研磨ステップ中に付加される最大圧力の約1/3以下であり、
条件設定後の圧力は、ウェーハを研磨するために増大させることを特徴とする方法。 - 請求項37に記載の方法であって、
研磨スラリと接触する担体駆動部品を含む研磨装置を提供するステップをさらに有し、
ウェーハに対する粒子の接触を防止するために、駆動部品とウェーハ担体は、合成強化粒子を実質的に含まないことを特徴とする方法。 - 半導体ウェーハを処理装置で処理した後に半導体ウェーハを処理する方法であって、
一括処理装置から各ウェーハを取り出すステップと、
第1の溶液を各ウェーハの表面に噴霧するステップと、
この溶液は表面に吸着し、表面に粒子が付着することを抑制することを特徴とする方法。 - 請求項42に記載の方法であって、
各ウェーハから粒子を除去するために、さらに各ウェーハの表面に不動態化した酸化物を維持するために、各ウェーハを第2の溶液の中に浸漬させるステップをさらに有することを特徴とする方法。 - 請求項43に記載の方法であって、
第1の溶液は、ポリマを含み、
第2の溶液は、ポリマ、塩基、および酸化剤を含むことを特徴とする方法。 - 請求項43に記載の方法であって、
第1の溶液は、ポリエチレン酸化物を含む水性溶液であって、
第2の溶液は、ポリエチレン酸化物、アンモニア、および過酸化水素を含む水性溶液であることを特徴とする方法。 - 半導体ウェーハを研磨する装置であって、
上側パッドおよび下側パッドを実装し、回転させるようにそれぞれ構成された上側プラテンおよび下側プラテンと、下側パッドはウェーハ担体を実装するように構成され、
パッドに溶液を供給する手段と、
ウェーハ担体を回転させるウェーハ担体駆動部品とを備え、
溶液は、研磨中、駆動部品の露出した部分と接触し、
溶液と接触する露出した駆動部品は、溶液およびウェーハの粒子による汚染を抑制するために、合成強化粒子を含まないことを特徴とする装置。 - 請求項46に記載の装置であって、
ウェーハ担体は、合成強化粒子を含まず、PVDF挿入部を有する金属からなることを特徴とする装置。 - 請求項46に記載の装置であって、
溶液と接触する露出した駆動部品は、ナイロンからなることを特徴とする装置。
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