JP2005143376A - 納豆を原料とする発酵処理品の製造法、発酵処理品及びその利用法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 納豆に麹を添加混合し、該混合物をしばらく保温し、発酵処理を行う。これにより、納豆の糸引きと異臭を消失した取り扱い易く、風味の良い発酵処理品が得られ、これを従来菓子、パンなどに添加して健康食品を製造するに利用できるばかりでなく、含有する納豆菌と麹菌の活性を利用し、醸造食品の製造分野にも利用でき短時間に醸造食品が得られ、醸造期間を短縮できる。
Description
上記従来の技術に鑑み、かゝる不都合を解消し、納豆を粘着物が付着したまゝで上記のような薬品を使用することなく簡易な手段で処理し、その粘着物の糸引き性を失わせることができ、更には、人によっては嫌われるいわゆる納豆の異臭を除去でき、更には、利用分野を拡大でき、納豆の需要を増大できる発明の開発が望ましい。かゝる観点より種々試験研究を試みてきた結果、麹を納豆に作用させることにより、上記の要望を達成することができた。これは、従来、学会や当業界では、製麹に当たり、納豆菌などの細菌は汚染菌として忌避されている常識に反することであるが、事実は全く意外な成果をもたらすことを知見した。
更に本発明は、上記の発明において、納豆と麹を、重量比で、納豆に対し麹を等量以上の配合割合で混合して成る混合物を、40〜70℃の温度で7〜1時間保温することを特徴とする発酵処理品の製造法に存する。
更に本発明は、上記の発酵処理品の製造法により製造された粘稠な発酵処理品を乾燥して団子状の製品とし、或いはこれを粉砕して粉状の製品とすることを特徴とする発酵処理品の製造法に存する。
更に本発明は、上記発明の製造法により製造された製品、即ち、粘着物の糸引き性が消失し且つ納豆臭が改善された易消化性の納豆とその無数の豆粒間に混在する麹の基質が酵素分解された粒子とから成る粘稠な発酵処理品又は乾燥した団子状又は粉状の発酵処理品に存する。
更に本発明は、上記の発酵処理品を、醤油又は味噌の醸造において使用する従来の麹の一部又は全部に代え或いは追加して麹として使用することを特徴とする醤油又は味噌の醸造への利用法に存する。
更に本発明は、上記の発酵処理品に、食塩水又は醤油、麺つゆなどの食塩含有の液体調味料又は味噌を添加することを特徴とするひしお類の醸造への利用法に存する。
更に本発明は、上記の発酵処理品を、大根などの野菜、麹、食塩、砂糖などの甘味料から成る麹漬に添加することを特徴とする麹漬の製造への利用法に存する。
更に本発明は、上記の発酵処理品を、各種の菓子類、練製品の製造やドレッシング類、スープ類などの各種の加工食品の製造において添加し、各種の健康食品を製造することを特徴とする各種加工食品の製造への利用法に存する。
このようにして得られた発酵処理製品は、全体として麹粒子と納豆の粒が糸引き性を失った粘稠物を介して混在した全体として滑らかな褐色を帯びた芳香性を有する発酵処理品として得られ、この発酵処理品は、引きちぎると、糸引き性なく簡単にちぎれるので、取り扱い易い。これをそのまゝ或いはその乾燥品として、上記のように各種食品加工品の製造において添加し、各種の健康食品を製造することに利用できるばかりでなく、上記のように、その含有する活性の納豆菌と麹菌を利用し、醤油や味噌などの醸造食品の製造に利用することができ、利用分野の拡大することができる効果をもたらす。
合成樹脂製容器内に、常法により製造される通常の納豆、即ち、糸引き納豆と麹とを適当な配合割合で投入し、良く撹拌し、均一に混合した混合物に調製した後、これを保温器好ましくは恒温器内に収容し、納豆に対する麹の酵素作用に適した発酵温度で所望時間保温する。然るときは、麹菌の有する酵素により、納豆の粘質物を分解し、その糸引きを分断し、糸引き性を消失せしめられると共に、人によっては嫌忌するアンモニア臭などの異臭を解消し、同時に更に易消化性の納豆とする一方、麹の基質である例えば、米麹であればその基質である澱粉の一部を糖化し、適度に甘味を付与され、納豆の旨味と混ざった風味の良い発酵処理品が得られる。また、該発酵処理品は、粘着物の混在により全体として粘稠な物質として得られるが、その粘着物は糸引き性を失っているので、これを引きちぎるときは糸引きを生じないので、搬送や加工作業などにおける取り扱いが容易となる。また、該発酵処理品は、各種の加工食品の製造時の原料として利用でき、各種の健康食品をもたらすばかりでなく、該発酵処理品には、納豆菌及び麹菌が活性状態で含まれているので、後記に明らかにするように、味噌、醤油の醸造などの醸造食品の製造に添加し、麹菌と納豆菌の相乗効果により、醸造期間を短縮できる効果をもたらす。
麦麹は、米麹よりも酵素作用が強い。また、麦麹は、その基質として大麦又は小麦のいずれでも良い。特に、生小麦を煎り、粗挽きしたものを製麹した小麦麹は、粘着物の切断作用が強く、保温時間が短縮できる。
これらの混合物を保温する温度は、40〜70℃の範囲が好ましく、粘着物の糸引き性の消失を7〜1時間位の短時間で行うことができ、特に60℃以上とするときは、更に短時間で発酵処理品を製造することができる。因みに、30〜35℃では、時間がかゝりすぎ、その間に乳酸菌などの雑菌により酸敗する傾向が見られた一方、75℃以上では、納豆菌や麹菌の酵素作用が弱くなり、好ましくない。
尚また、上記の混合物に対し10〜20%の水を添加するときは、麹の分解作用の結果、糖化作用の上昇が見られた。
実施例1
処理容器内に市販の納豆500gと市販の米麹500gとを投入し撹拌して均一に混ざった混合物としたものを3バッチ調整し、その各バッチを各保温器に入れ、保温発酵処理条件を60℃で7時間、65℃で5時間、70℃で3時間、75℃で1時間と夫々変えて発酵処理を行い、保温器から取り出し3種類の発酵処理品を製造した。その各製品は褐色性を呈していた。その粘着物の糸引き性の有無を引きちぎりにより調べたところ、いずれも、滑らかなヌメリ程度の粘凋性はあるが、糸引き性は消失しており、簡単に引きちぎることができた。また、その各発酵処理品は納豆の有するアンモニア臭などの異臭はなく、芳香を有する麹臭が前面に出ており、納豆と麹の混合した風味を有していた。また納豆は、更に、酵素により分解し、柔らかく指でつまむと容易に潰れ、更に、易消化性となっていることが判った。
実施例2
実施例1に使用した米麹に代え、麦麹を使用し、その麦麹500gと豆麹500gの混合物を保温器に入れ、65℃の温度に3時間保温し、発酵処理を行い発酵処理品を製造した。該発酵処理品は、粘着物の糸引き性や納豆の異臭はないなど実施例1と同様の特性を有する製品であった。
実施例3
実施例1に使用した米麹に代え、生小麦を煎り、割砕したものを製麹とし、その小麦麹500gと納豆500gの混合物を保温器に入れ、70℃で1時間保温し、発酵処理を行い発酵処理品を得た。該発酵処理品は、糸引き性と納豆の異臭を消失した実施例1と同様の特性を有する製品であった。
実施例4
実施例1で得られた発酵処理品1000gを冷蔵庫に収容し、1週間後取り出したところ、内部まで充分に乾燥した固塊製品として得られ、ミキサーでの粉砕が可能であった。
比較例1
納豆1000gを冷蔵庫に収容し、3週間後取り出したものは、その納豆の豆の集団の内部は未だ粘着物がネバの状態で残存し、乾固せず、ミキサーによる粉砕は不可能であった。
実施例5(ひしおの醸造例)〔先生の明細書の実施例3に相当します〕
上記実施例1により製造した発酵処理品1000gに麺つゆ1000ml及び醤油800mlを加え、よく撹拌し、そのまゝ醸成すると、僅か2〜3日間で熟成した美味で風味の良いひしお(醤)が得られる。
尚、好みに応じ、香辛料、魚、根菜類などを塩漬けしたものを混合したひしおを製造するようにしてもよい。
実施例6(ひしお味噌の醸造例)
実施例1で得られた発酵処理品5Kgに対し食塩300〜400gを溶解した食塩水を添加し醸成するときは、僅か4,5日で熟成したひしお味噌が簡単に得られる。
これは、従来のひしお味噌の諸原料を仕込んで製造する場合に比し簡単に且つ短時間に得られる。
実施例7(ひしお醤油の醸造例)
小麦麹5Kgと納豆5Kgとを配合した以外は、実施例3と同じ方法で製造して得られた発酵処理品10Kgに、20〜30%塩水を用い、もろみ塩分濃度が20%になるように調製し、このもろみを熟成させ、ひしお醤油を得た。その仕込みから熟成するまでの醸造期間は僅か3〜4日であった。
実施例8(市販醤油への利用例)
実施例1で製造した発酵処理品500gを1リットルの醤油に添加、混合し、出来上がりの総量の塩分濃度が15%になるように調製し、これを2〜3週間放置し、熟成し粘稠な醤油類似品を得た。
実施例9(麹漬の製造例)
実施例1で製造した発酵処理品を麹として、常法により、塩漬け大根と少量の砂糖と共に梅漬けして納豆成分を含む美味な麹漬を得た。
実施例10(米味噌の醸造例)
仕込槽に、常法により蒸煮大豆と米麹と食塩とを仕込むに当たり、該米麹に代え、これと同量の実施例1で製造した発酵処理品を使用し、そのもろみを常法により醸成し、熟成させた米味噌を醸造した。仕込みから熟成までの醸造期間は、上記従来の米麹を使用した場合の醸造期間の3分の1に短縮された。これは、発酵処理品中に含まれる納豆菌と麹菌の相乗効果と推察する。
実施例11(麦味噌の醸造例)
実施例10において使用した実施例1の発酵処理品に代え、実施例2で製造した発酵処理品を麹として使用した以外は、従来の麦味噌の醸造法に従ってそのもろみを発酵熟成させ麦味噌を醸造した。その醸造期間は、従来の麦麹を使用した場合に要した醸造期間の3分の1に短縮できた。
実施例12
実施例10,11において、従来の各種麹の使用量の一部を実施例1,2で製造した夫々の発酵処理品に代えても、また、従来の各種麹の使用量に、夫々の発酵処理品を少量追加した場合でも、醸造期間を従来の場合に比し著しく短縮できた。
実施例13(豆味噌の醸造例)
従来の豆味噌の醸造に従い蒸煮大豆を製麹し出麹としたものと、食塩と水とを仕込むに当たり、実施例3で製造した発酵処理品を該大豆麹に対し5重量%程度添加したものをもろみとした以外は、従来の豆味噌の醸造法に従ってそのもろみを発酵熟成させ豆味噌を醸造した。その醸造期間は、従来の豆味噌の醸造期間の2分の1に短縮できた。
実施例14(醤油の醸造例)
従来の煎り、割砕した小麦粒に代えて、実施例3で製造した発酵処理品を蒸煮脱脂大豆と食塩と水と共に仕込み、そのもろみを常法に従い醸成、熟成して醤油を醸造した。その醸造期間は、従来の前記小麦麹を使用した場合に要した醸造期間の3分の1に短縮できた。
Claims (8)
- 納豆に、米麹、麦麹、豆麹及びその他雑穀類の麹から選択した少なくとも一種の麹を添加混合して成る混合物をしばらく発酵温度に保温することを特徴とする発酵処理品の製造法。
- 納豆と麹を、重量比で、納豆に対し麹を等量以上の配合割合で混合して成る混合物を、40〜70℃の温度で7〜1時間保温することを特徴とする請求項1に記載の発酵処理品の製造法。
- 請求項1又は2に記載の製造法により製造された粘稠な発酵処理品を乾燥して団子状の製品とし、或いはこれを粉砕して粉状の製品とすることを特徴とする発酵処理品の製造法。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載の製造法により製造された粘着物の糸引き性が消失し且つ納豆臭が改善された易消化性の納豆とその無数の豆粒間に混在する麹の基質が酵素分解された粒子とから成る粘稠な又は乾燥した団子状又は粉状の発酵処理品。
- 請求項4に記載の発酵処理品を、醤油又は味噌の醸造において使用する従来の麹の一部又は全部に代え或いは追加して麹として使用することを特徴とする醤油又は味噌の醸造への利用法。
- 請求項4に記載の発酵処理品に、食塩水又は醤油、麺つゆなどの食塩含有の液体調味料又は味噌を添加することを特徴とするひしお類の醸造への利用法。
- 請求項4に記載の発酵処理品を、大根などの野菜、麹、食塩、砂糖などの甘味料から成る麹漬に添加することを特徴とする麹漬の製造への利用法。
- 請求項4に記載の発酵処理品を、各種の菓子類、練製品の製造やドレッシング類、スープ類などの各種の加工食品の製造において添加し、各種の健康食品を製造することを特徴とする各種加工食品の製造への利用法。
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Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008206453A (ja) * | 2007-02-27 | 2008-09-11 | Natural Group Honsha:Kk | 納豆の製造方法及び納豆 |
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| JP2018082681A (ja) * | 2016-11-25 | 2018-05-31 | 有限会社オトコーポレーション | 食品の製造方法 |
| JP2020036586A (ja) * | 2018-08-31 | 2020-03-12 | 株式会社バイオロジカ | Bacillus属細菌及びその近縁種による発酵産物の利用 |
| WO2024095969A1 (ja) * | 2022-10-31 | 2024-05-10 | 株式会社Mizkan Holdings | 発酵食品、発酵食品の製造方法、及び発酵食品の発酵臭抑制技術 |
-
2003
- 2003-11-14 JP JP2003384712A patent/JP2005143376A/ja active Pending
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