JP2005152145A - 血管造影用カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】
左右総腸骨動脈を造影する際に、ガイドワイヤを再挿入してガイドワイヤを先行させることなく、カテーテルを動かすことができる血管造影カテーテルを提供する。
【解決手段】
先端に設けられたJ形状カーブ部22と、J形状カーブ部22より基端側に設けられたアングル24と、J形状カーブ部22とアングル24との間に設けられた直線部23とを有し、直線部23に柔軟性変更点26が設けられ、J形状カーブ部22を含む柔軟性変更点26より先端側は、基端側より柔軟であることを特徴とする血管造影用カテーテル1。

Description

本発明は、腕の動脈から挿入し、左右総腸骨動脈までの区間へ導入されるカテーテルに関する。
血管内治療をする前に、カテーテルを用いた血管の診断が行われている。カテーテルを用いる診断は、患者の血管に形成された穿刺孔からカテーテルを導入することによって行われるが、近年では患者に対する負担を軽減するため、腕からカテーテルを導入することが多くなってきている。
特に診断対象部位が左右総腸骨動脈の場合、当該部位にX線造影剤を注入すべく、カテーテルを腕から、シースを介して導入するに際して、従来においては、血管壁に傷をつけないようにガイドワイヤをカテーテル内に挿入し、カテーテル先端からガイドワイヤを出して血管内を進めていた。例えば、先ず右総腸骨動脈を造影するには、当該部位までカテーテルを導入してからガイドワイヤを抜き、ハブに造影剤を注入するために活栓や装置を接続し、造影剤を注入する。
次に左総腸骨動脈を造影する場合には、ハブから一旦造影剤を注入するための活栓や装置を外した後、再びハブからガイドワイヤを挿入し、カテーテルを一度引き戻してから、左総腸骨動脈へ導入し、ガイドワイヤを抜き、再び装置や活栓を接続して、造影剤を注入していた。
また、太い血管を造影する場合、視認性を考慮して造影剤を多く注入するため、カテーテル先端から造影剤が噴出されるタイプのカテーテルでアングルが設けられている場合は、高い圧力で噴出される造影剤が直接血管壁に当たる為、当該部位に好ましくない影響を与えるおそれがあった。
上記従来のカテーテルにおいては、ガイドワイヤを先行させるが、造影するときはガイドワイヤを抜く必要がある。そのため、カテーテルを移動させて別の部位を造影する場合には、造影のための器具を一旦外して再度ガイドワイヤを挿入することとなる。
この動作はガイドワイヤの抜き差しだけでなく、ハブに接続されている装置や活栓等の取り外し動作も含まれるため、手術時間がかかり、術者にとってストレスになることもある。
さらに、太い血管での造影では十分な視認性を確保するため、大量の造影剤を注入する必要がある。
本発明は、左右総腸骨動脈造影等、複数の血管を造影するために、造影とカテーテルの移動を交互に行う場合に、ガイドワイヤを挿入しなくても短時間で先端部分の位置を変えることを可能とし、さらに造影剤を診断したい部分に注入する際に、血管壁に悪影響を与えず、過剰な量の造影剤を使用することなく、安全に造影できる血管造影用カテーテルを提供することを目的とする。
このような本発明の目的は、以下の(1)〜(5)によって達成される。
(1)腕の動脈から導入し、大動脈弓・腹部大動脈を経由して総腸骨動脈に挿入されるカテーテルであり、該カテーテルは先端部と基端部および該先端部と該基端部との間に内腔を有するカテーテル本体と、該カテーテル本体部の基端部に設けられたハブとを有し、該カテーテルは本体部の先端に設けられたJ形状カーブ部と、該J形状カーブ部より基端側に設けられた湾曲部と、前記J形状カーブ部と前記湾曲部との間に設けられた直線部とを有し、かつガイドワイヤを該カテーテル本体部の該内腔に挿入したとき、該J形状カーブ部と該湾曲部は、ほぼ直線状に開く柔軟性を有し、さらに、前記直線部に柔軟性変更点が設けられ、前記J形状カーブ部を含む前記柔軟性変更点より先端側は、基端側より柔軟であることを特徴とする血管造影用カテーテル。
(2)該J形状カーブの曲率半径は少なくとも総腸骨動脈の半径より小さく、総腸骨動脈内部でJ形状が維持され得る寸法を有することを特徴とする上記(1)に記載の血管造影用カテーテル。
(3)前記湾曲部より先端側に少なくとも1つ以上の側孔を有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の血管造影用カテーテル。
(4)該側孔は該J形状カーブ部上の半径方向外側曲面にあることを特徴とする上記(3)に記載の血管造影用カテーテル。
(5)該側孔は前記柔軟性変更点の近辺にあることを特徴とする上記(3)に記載の血管造影用カテーテル。
本発明によれば、血管造影用カテーテルの先端付近にJ形状カーブ部を付与したので、カテーテル内部にガイドワイヤを挿入しなくても、最先端が血管壁に接触せずに、カテーテルを動かすことができる。さらに当該部分は柔軟な樹脂で作成されているので、血管壁に対して傷つけにくい。
また、J形状カーブの基部側にアングルを付与したことにより、カテーテル内部のガイドワイヤを先行させることなく、カテーテルにトルクをかけることにより、血管の選択をすることができる。
加えて、先端からアングルまでの間に側孔を設けてあるので、造影剤を目的部位に集中して噴射することができ、少量の造影剤で十分なX線造影を行うことができる。
以下、本発明の実施形態につき、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の血管造影用カテーテル(以下単にカテーテルと称す)の外観図であり、図2は図1のカテーテルの内部構造を示す断面図である。なお、図2においては、内部構造への理解を助けるため、カテーテルの湾曲を省略し、直線状に示している他、寸法の比率も実際のものとは異なる。
図1に示されるカテーテル1は、外径が1.0〜2.0mm、内径が0.7〜1.7mm、有効長が1000〜1500mmの管状に成形された樹脂製の本体2と、本体2の基端に接合した、造影剤注入器などを接続するためのハブ3とからなり、本体2の先端部にはJ形状カーブ部22が設けられ、続いて直線部23、湾曲部であるアングル24が形成されている。また、アングル24より基端側は本体直線部25が形成されている。
カテーテル1は、直線部23の中間部分に、柔軟性変更点26を有する。図2に示されるように、柔軟性変更点26より基端側の基端側本体部10は、内層11、中間層12、外層13からなる3層構造で、比較的剛性が高く、柔軟性変更点26より先端側の先端側本体部14は、基端側本体部10よりも柔軟な単一材料から構成されており、この部分がJ形状カーブ部22を構成する。先端側本体部14の更に先端には、先端側本体部14より更に柔軟な先端柔軟チップ15が設けられている。また、カテーテル1の内部には、末端21から基端のハブ3まで錬通する管腔16が設けられている。
具体的には、基端側本体部10の内層11は、ナイロン12やPTFEのような、比較的剛性が高く、かつ摺動性の高い材料で構成されるのが望ましい。また、中間層12は、内層11と同一の樹脂に10〜40本程度の金属線を筒状に編んだ編組体を埋め込んだものからなる。金属線としてはステンレス合金線が好ましい。外層13は、内層11と同一の樹脂か、または内層11と相溶性があり、かつ比較的柔軟な樹脂が用いられる。具体的には内層11および中間層12に用いられる樹脂をナイロン12とし、外層13をポリアミドエラストマー単体、またはナイロン12とポリアミドエラストマーとのブレンドとするのが望ましい。
先端側本体部14としては、基端側本体部10よりも柔軟性が高い樹脂として、ポリアミドエラストマーが望ましい。また、先端柔軟チップとしては、先端側本体部14よりも更に柔軟なポリウレタンエラストマー等が好適に用いられる。
上述したこれらの各樹脂材料には、30〜60質量%程度のX線不透過粒子が混合されるのが望ましい。X線不透過粒子としては、具体的には硫酸バリウム、タングステン、酸化ビスマスが挙げられる。このようなX線不透過粒子を含む事により、血管内でのカテーテル1状態をX線透過画像中で確認することが可能となる。
図3は、カテーテル1の先端部分の形状について詳細に説明するための図である。図3に示されるように、J形状カーブ部22の曲率半径は、カテーテルの外側の最も大きい位置を基準として、右総腸骨動脈の内径半径よりも小さい1.5〜3mmであり、160〜200°の円弧部分を有する。さらに、J形状カーブ部22から基部側に直線部23が50〜100mm設けられ、直線部23の基端に10〜30°に屈曲されたアングル24が形成されている。
また、J形状カーブ部22の頂点部分には単一の側孔27が、直線部23上の柔軟性変更点26付近には、側孔群28が設けられている。なお、側孔のサイズはいずれも直径約0.4〜0.8mmである。側孔群28は先端21から約25mm〜35mmの区間に1.5mm程度の間隔で4つ設けられており、その並び方は螺旋状に配置されている。
次に、図4〜図7を使用して、本発明のカテーテル1を手首の橈骨動脈から腰部に位置する総腸骨動脈へ挿入する様子を説明する。図4は、人体における主な動脈の配置を説明する図である。図4において、40は心臓を示し、41は橈骨動脈、42は大動脈弓、43は腹部大動脈、44は右総腸骨動脈、45は左総腸骨動脈を示すものである。
まず、図5に示すように、橈骨動脈41に血管へのアクセスポートを確立する。具体的には、図示しない注射針等を橈骨動脈41へ刺し入れ、この注射針を図示しない専用のガイドワイヤと入れ替えた後、ガイドワイヤに沿わせて比較的長さの短いイントロデューサシース51を導入する。イントロデューサシース51には管腔路内に図示しない弁が設けられており、ガイドワイヤやカテーテル1の通過を許容するが、血液が体外に漏れ出すことは防止する。図示しないガイドワイヤは、イントロデューサ51導入用の短いものであるため、これを抜去し、次いで、別途用意される血管造影カテーテル用のガイドワイヤ50をカテーテル1の管腔内に導入したものを準備し、イントロデューサシース51に挿入し、そのまま橈骨動脈41より更に深部の血管内に導入する。
J形状カーブ部22はガイドワイヤ50を挿入すると、J形状が伸ばされて直線状になる程度の柔軟性を有するため、通常の方法でガイドワイヤにて血管の分岐を選択して、カテーテル1を進めることが出来る。
図6は、橈骨動脈41から挿入されたカテーテル1およびガイドワイヤ50が、腕頭動脈を経由し、大動脈弓42へ侵入し、更に腹部大動脈へ向かっている様子を示している。なお、この説明では、右腕の橈骨動脈41から導入した例を説明しているため、腕頭動脈から腹部大動脈にかけてカテーテル1が伸びているが、左腕から導入した場合には、左鎖骨下動脈から腹部大動脈にかけてカテーテル1が伸びることとなる。
カテーテル1の先端部が、腹部大動脈43を通過して、図7に示す右総腸骨動脈44に到達すると、ガイドワイヤ50を抜く。J形状カーブ部22の外径は、総腸骨動脈の内径よりも小さく設定されているので、ガイドワイヤ50を抜去することに伴い、カテーテル1の先端は、図7に示すようにJ形状に復帰する。なお、総腸骨動脈の内径は、一般に 8mm〜12mm程度である。
図7の位置に配置することが出来たら、ハブ3にX線造影剤を注入するため、図示しないシリンジのポートを接続し、X線造影剤を注入する。図7に示される複数の矢印は注入されたX線造影剤の方向を示している。
総腸骨動脈は太いため、X線画像下における視認性を考慮して、造影剤は比較的高圧で噴出されるが、本カテーテル1では末端21がカテーテル1の軸方向基端側を向くように構成されているため、血管壁の方向を向いておらず、造影剤噴出時に、血管壁を傷つけないよう配慮されている。さらに、側孔27,28からも造影剤が噴出するため、造影剤はこの付近全体に分散して噴出される。
このようにして血管走行を確認する診断を行った後、次に左総腸骨動脈45へカテーテル1を移動する。この時、カテーテル1に再度ガイドワイヤ50を挿入しなくても、J形状カーブ部22の曲率半径は総腸骨動脈の半径より小さいため、血管壁には円弧部分があたり、あたかもガイドワイヤが挿入されているかのように、末端21が血管壁に直接接触することが防止される。
また、一度腹部大動脈43内に引き戻したカテーテル1を左総腸骨動脈45へ進める際には、血管の分岐を選択しなければならないが、アングル24が設けてあるため、図8に示すようにカテーテル1にトルクをかけて回転させると、ガイドワイヤで血管を選択するときと同様の操作で、カテーテル1の進行方向を選択することが出来る。ここで、アングル24は、剛性の高い基端側本体部10によって構成されているため、トルクをしっかりと伝達することができる。
このようにして、ガイドワイヤを再度挿入することなく、カテーテル1を左総腸骨動脈45へ移動することができるので、ハブ3への造影剤ポートの脱着も省くことが可能となり、手術時間の短縮及び術者のストレス軽減を図ることができる。
また、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、造影剤を噴射する側孔は、J形状カーブ部22には無くても良く(側孔27)、直線部23上の区間だけに設けてもよい(側孔28だけでもよい)。また側孔28は4つだけでなく、数十個程度まで増やしたり、さらに適宜配置を変えることも可能である。
加えて、カテーテル1におけるJ形状カーブ部の曲率半径や内外径、有効長等の各種寸法は、実施形態に挙げた値が好ましいが、これに限定されることはなく、患者の体格や対象となる分岐のある血管に合わせて、適宜設定することが可能である。
また、カテーテル1本体の構造や素材は、上述した樹脂と金属ブレードの組み合わせに限られず、樹脂のみで構成させるなど、選択することができる。
下記条件の血管造影用カテーテル(図1〜図3に示すもの)を作製した。
全長:1200mm
外径:1.4mm
内径:1.1mm
肉厚:0.15mm
J形状カーブ部22の曲率半径:2mm
J形状カーブ部22の円弧角:180°
直線部23の長さ:80mm
先端側本体部14の長さ:25mm
基端側本体部10の長さ:1175mm
アングル24の角度:20°
側孔27,28の直径:0.65mm
先端柔軟チップ15の材質:硫酸バリウム配合のポリウレタンエラストマー
先端側本体部14の材質:酸化ビスマス配合のポリアミドエラストマー
外層13の材質:酸化ビスマス配合のポリアミドエラストマー
中間層12の材質:酸化ビスマス配合のナイロン12にステンレス線編組体を埋め込んだもの
内層11の材質:酸化ビスマス配合のナイロン12
本発明の血管造影用カテーテル1の全体図である。 カテーテル1の断面図である。 カテーテル1の先端部の拡大図である。 人体における主な動脈の配置を説明する図である。 腕の橈骨動脈にかてーてる1を導入する様子を説明する図である。 カテーテル1が大動脈弓を通過する様子を説明する図である。 カテーテル1を右総腸骨動脈に配置し、X線造影剤を注入した状態を説明する図である。 カテーテル1を左総腸骨動脈に挿入するために回転させる様子を説明する図である。
符号の説明
1・・カテーテル
21・・末端
22・・J形状カーブ部
23・・直線部
24・・アングル
25・・本体直線部
26・・柔軟性変更点
27、28・・側孔
3・・ハブ

Claims (5)

  1. 腕の動脈から導入し、大動脈弓・腹部大動脈を経由して総腸骨動脈に挿入されるカテーテルであり、該カテーテルは先端部と基端部および該先端部と該基端部との間に内腔を有するカテーテル本体と、該カテーテル本体部の基端部に設けられたハブとを有し、該カテーテルは本体部の先端に設けられたJ形状カーブ部と、該J形状カーブ部より基端側に設けられた湾曲部と、前記J形状カーブ部と前記湾曲部との間に設けられた直線部とを有し、かつガイドワイヤを該カテーテル本体部の該内腔に挿入したとき、該J形状カーブ部と該湾曲部は、ほぼ直線状に開く柔軟性を有し、さらに、前記直線部に柔軟性変更点が設けられ、前記J形状カーブ部を含む前記柔軟性変更点より先端側は、基端側より柔軟であることを特徴とする血管造影用カテーテル。
  2. 該J形状カーブの曲率半径は少なくとも総腸骨動脈の半径より小さく、総腸骨動脈内部でJ形状が維持され得る寸法を有することを特徴とする請求項1に記載の血管造影用カテーテル。
  3. 前記湾曲部より先端側に少なくとも1つ以上の側孔を有することを特徴とする請求項1または2に記載の血管造影用カテーテル。
  4. 該側孔は該J形状カーブ部上の半径方向外側曲面にあることを特徴とする請求項3に記載の血管造影用カテーテル。
  5. 該側孔は前記柔軟性変更点の近辺にあることを特徴とする請求項3に記載の血管造影用カテーテル。

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