JP2005190862A - 固体酸化物形燃料電池セル - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池セル内の金属枠と電解質層の接合部におけるガスシール性及び接合強度(耐熱衝撃性、長期耐熱性)を向上した固体酸化物形燃料電池セル、及びセパレータと燃料電池セルの間のガスシール性が良好で、スタック時の熱膨張差による破損及びろう材接合部の劣化が防止され長期耐久性が向上した燃料電池スタックを提供すること。
【解決手段】 発電部と金属枠とで構成され、金属枠と電解質層との間隙に絶縁性バリア層を配設し、この絶縁性バリア層と金属枠とをろう材で接合して成る固体酸化物形燃料電池セルである。
固体電解質形燃料電池セルとセパレータを交互に積層して成る燃料電池スタックである。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池セル及び燃料電池スタックに係り、更に詳細には、ガスシール性に優れた固体酸化物形燃料電池セル及び燃料電池スタックに関する。
従来から、化学エネルギーを電気化学的な反応により電気エネルギーに変換する装置として、固体酸化物形燃料電池(SOFC)が知られている。このSOFCは、燃料極層、固体電解質層及び空気極層の各層を積層した3層を燃料電池の発電部とし、外部から燃料極層には水素、炭化水素等の燃料ガスを供給し、空気極層には空気等の酸化剤ガスを供給して電気を発生させる。
また、発電部とセパレータを積層して成る燃料電池スタックにおいて、高温で動作するタイプでは、セパレータ板と発電部の間をガラス材で封止をしてガスシールする構成が一般的である。
しかし、ガラス性のシール材は、ヒートサイクルにより破損したり、部分的に軟化溶融状態になったガラスが滲み出したりして、ガスシール性が低下するという問題点があった。
更に、ガスシール部をガラスと金属の積層体で形成した燃料電池が提案されている。この技術では、燃料電池の動作温度で、ガラス成分が液状化してガスシール性を向上させるとともに、ガラス材の滲み出しや破損を防止できる(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−84530号公報
上記燃料電池は、1000℃で長時間運転する定置型発電機を前提とし、ヒートサイクル時の昇降温速度が比較的小さい。これに対し、車載用の燃料電池は、燃料電池の起動停止時や、要求される発電出力に応じた運転状態の変動時に伴なう温度変化の速度は大きく、頻繁である。かかる使用用途の燃料電池スタックに、発電時にガラスが液状化してシールするガスシール材を用いると、極めて頻繁に且つ急速な熱衝撃がかかり、耐久性が不十分となるという問題点があった。
更にまた、平板型セルの周囲に合金製の保持薄板枠を取り付けた平板型燃料電池セルが提案されている。具体的には、セルの電解質層上の電極層が形成されていない周辺部と合金製薄板枠がガラス系シール材やろう材で接合された構成を有する。このセルを用いたセル板とセパレータとを積層し、所定の荷重をかけて互いの隙間を密閉することにより形成した燃料電池スタックは、セル周辺に保持薄板枠を取り付けることにより、この保持薄板枠部分で上下のセパレータと密閉させてガスシールをとることができ、熱膨張差によるスタックの破損を防止できる(例えば、特許文献2参照。)。
特開2000−331692号公報
燃料電池の出力密度を向上し、小型の燃料電池を製造するためには、電解質層を薄膜化してイオン伝導度を向上させることが重要である。特に車載用の燃料電池では、搭載スペースや重量が限定されるため、出力密度が高い燃料電池を製造することは極めて重要な課題である。最近では、10μm以下までに薄膜化した電解質層を形成したセルを製造できるようになってきており、出力密度が向上してきている。
この薄膜化した電解質層と保持金属枠を、ろう付け法で接合する場合は、接合強度や耐熱衝撃性に優れるものの、ろう付け工程時の温度が高いため、電解質層の厚さが薄膜化するほど、熱応力によって電解質層にクラックが入ったり、下部電極層やセル基板から電解質層が剥離することがある。即ち、ガスリークが発生して、発電出力が低下したり、燃料電池が破損するという問題点があった。
また、ろう付け工程中の溶融ろう材がこの電解質層のクラックに染み込んで、下部電極やセル基板と電気的に導通してしまうことがある。即ち、電池が短絡してしまって、発電しなくなるという問題点があった。
更に、電解質層はイオン導電性であるため、発電動作中は層内をイオンが移動する。また、電解質層とろう材の界面にも局所的な電場が形成され、イオンが供給される。これより、電解質との界面近傍から、ろう材成分の変質や酸化劣化、成分の揮発が促進され、ガスシール性や接合強度が劣化するという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料電池セル内の金属枠と電解質層の接合部におけるガスシール性及び接合強度(耐熱衝撃性、長期耐熱性)を向上した固体酸化物形燃料電池セルを提供することにある。
また、本発明の目的とするところは、セパレータと燃料電池セルの間のガスシール性が良好で、スタック時の熱膨張差による破損が防止されるとともに、ろう材接合部の劣化が防止され長期耐久性が向上した燃料電池スタックを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、燃料電池セル内の金属枠と電解質層の間隙に絶縁性バリア層を配設することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
燃料電池セル内の金属枠と電解質層の間隙に絶縁性バリア層を配設することとしたため、燃料電池セル内の金属枠と電解質層の接合部におけるガスシール性及び接合強度(耐熱衝撃性、長期耐熱性)を向上した固体酸化物形燃料電池セル、及びセパレータと燃料電池セルの間のガスシール性が良好で、スタック時の熱膨張差による破損が防止されるとともに、ろう材接合部の劣化が防止され長期耐久性が向上した燃料電池スタックを提供することができる。
以下、本発明の固体酸化物形燃料電池セルについて詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を示す。
本発明の固体酸化物形燃料電池セルは、発電部に金属枠を配設して成る。この発電部は、電解質層を燃料極層と空気極層で挟持して成る。また、上記金属枠は、この発電部の外縁、且つ空気極層、燃料極層のいずれか一方又は双方と電解質層との間隙に配設される。
更に、上記金属枠と上記電解質層との間隙には、絶縁性バリア層を配設して成る。この絶縁性バリア層は上記金属枠とろう材で接合される。なお、ろう材は、少なくとも絶縁性バリア層と金属枠の間に使用すればよい。
ここで、上記絶縁性バリア層は、電解質層内を伝導するイオンとろう材成分が接触するのを防止する機能を有し、更にガス不透過性とする。即ち、イオン絶縁性で緻密な層とする。更に、電子絶縁性で緻密な層が好ましい。
これより、絶縁性バリア層がろう材の酸化劣化や変質劣化を防止し、燃料電池セルの耐久性を向上させる。また、ろう付け時に電解質層にかかる熱応力や発電動作時に熱膨張差に起因する熱応力が緩和され、耐熱衝撃性が向上した燃料電池セルが得られる。
また、上記絶縁性バリア層は、ろう付け時に電解質層にかかる熱応力を緩和する機能、発電動作時に熱膨張差に起因する熱応力を緩和する機能、ろう材のぬれ性を向上させる機能をもつことが好ましい。このときは、ピンホールなどガスリーク箇所を含まない良好な接合部が形成できる。また、少ないろう材で金属枠と電解質層を接合できる。更に、熱膨張係数の大きいろう材を薄膜化し、耐熱衝撃性を向上させ得る。
更に、上記絶縁性バリア層は、複数層から構成することもできる。例えば、熱膨張係数が異なる層を2層積層した構成や、絶縁性の第1層の表面にろう材とのぬれ性を向上させる活性金属層やメタライズ層を形成した構成が挙げられる。このときは、ろう付け工程時の電解質層上において、絶縁性バリア層が形成された領域以外に、ろう材が付着するのを防止できるため、発電機能の領域を歩留まりよくきちんと確保できる。
上記絶縁性バリア層としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、マイカ及びマグネシアなどの酸化物、炭化珪素及び炭化チタンなどの炭化物、窒化ホウ素、窒化珪素及び窒化アルミニウムなどの窒化物を主成分とする層が挙げられる。また、シロキサン(Si−O)結合やカルボシラン(Si−C)結合、Al−O結合、Mg−O結合、Zr−O結合、B−N結合、Al−N結合及びTi−C結合などを含むアモルファス状セラミックスやガラスを使用する層も挙げられる。更に、上記材料が主成分であり、結晶成分とアモルファス成分又はガラス成分とが混合状態となっている層も採用できる。
また、上記絶縁性バリア層の形成方法は、例えば、上記材料を含む微粒子を有機バインダーに分散させたペースト、ゾルゲル溶液やセラミックス接着剤などを用い、塗布焼成する方法や、スプレー塗布して焼成する方法を採用できる。また、蒸着法、スパッタ法、エアロゾルデポジッション法及び溶射法などで膜形成しても良い。
具体的には、上記絶縁性バリア層としては、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、酸化ケイ素又はマグネシア、及びこれらの任意の組み合わせに係るものを含んで成る原料を用いた溶射法により形成した絶縁バリア層が挙げられる。例えば、平均粒径が数十nm〜10μmの微粒子あるいは微粒子を造粒した原料粉を使用したHVOF(高速フレーム溶射)法やプラズマ溶射法により、ガスシール性が良好で緻密な絶縁性バリア層を形成できる。
このように、緻密で且つろう付け接合層と同等の数十μm厚で形成できるため、熱応力緩和効果に優れた絶縁性バリア層となり得る。また、絶縁性バリア層形成時に電解質層にクラックが発生しても、その損傷部分を覆いながら成膜できるため、ガスリーク性を確保しながら絶縁性バリア層を接合できる。
更に、他の絶縁性バリア層としては、同様な原料粉を用い、エアロゾルデポジッション法により形成される層も挙げられる。エアロゾルデポジッション法は、微粒子粉をエアロゾル化して数Torr〜数十Torr程度に減圧された成膜チャンバーに搬送して、スリット上ノズルから基板に吹き付けて成膜する方法である。これより、緻密な絶縁性バリア層を形成できる。また、電解質層との密着力に優れるため、機械的振動に対する耐久性が向上しするとともにガスシール性に優れた緻密な絶縁性バリア層を形成できる。更に、熱膨張係数を調整するための添加物を混合して形成することが容易であるため、熱応力緩和機能に優れた絶縁性バリア層を形成できる。
更に、アルミナ、シリカ、マグネシア、クロミア、ハフニア、窒化珪素、窒化チタンなどを公知の蒸着法、スパッタ法により絶縁バリア層を形成することができる。電解質層に与えるダメージが小さくして成膜できるため、電解質層の強度が比較的小さい場合に好適である。また、ろう材ぬれ性や接合性を向上させる目的のTi活性層を連続して成膜できるため、工程が簡略化できる特徴がある。
また、他の絶縁性バリア層としては、スプレー法又は塗布法により形成したSi−Ti−C−O系非晶質セラミックス層、シリカ、マグネシア、マイカやアルミナ微粒子を混入したゾルゲル溶液も挙げられる。このときは、緻密で且つろう付け接合層と同等の数十μm厚で形成できるため、熱応力緩和効果に優れた絶縁性バリア層となり得る。
例えば、公知のジルコニアや窒化硼素などの添加セラミックス微粉を混入したポリチタノカルボルシランポリマーにバインダー成分をスプレー又は塗布した後、焼成して、珪素、チタン、炭素、酸素元素を含む非晶質セラミックスを得ることができる。この材料は、セラミックス化する焼成温度が200〜500℃と低いので、電解質層にダメージを与えずに緻密な絶縁バリア層が形成できる。また、後工程のろう付け性が良好であるとともに、ろう付け工程時の絶縁性が破壊しにくい。更に、800℃程度まで電気絶縁性が大きく低下しないため、長期耐久性を向上できる。なお、緻密化やセラミックス化する焼成温度が、燃料電池の動作温度に比較して非常に高温である場合は、電解質層が熱応力によって破壊しやすくなったり、金属枠が変質したり硬化したりすることがある。
一方、上記金属枠としては、例えば、公知のNi系合金、Fe系合金及びステンレスなどの耐熱性合金を使用できる。この金属枠は、厚さ0.5mm以下の薄板又は箔状のものが望ましく、かかる形状により熱応力緩和効果や耐振動性向上の効果が得られる。
また、上記ろう材としては、例えば、公知の銀ろう、金ろう、ニッケルろう、コバルトろう又はチタンろう、及びこれらの任意の組み合わせに係るものを使用できる。なお、ろう付けした接合部には、ろう材層の他、ろう材と上記絶縁性バリア層が反応した界面反応層、ろう材層と上記金属枠部材が反応した界面反応層が含まれる。
本発明の固体酸化物形燃料電池セルにおいては、上記発電部の表面、裏面のいずれか一方又は双方に保護基板を配設することができる。また、上記燃料極層、上記空気極層のいずれか一方又は双方と保護基板とを一体化する、言い換えれば、電極層が保護基板としての機能を兼備させることができる。
これより、発電特性に優れた電解質薄膜型セルを、ろう付け工程時に電解質層にろう材成分が拡散して電気的な絶縁破壊を起こさず製造することができ、発電出力密度が高いとともに耐熱衝撃性、耐熱性に優れた燃料電池セルを提供できる。
上記保護基板としては、例えば、接触する電極材料と同一の材料や、公知のNi系合金、Fe系合金及びステンレスなどの耐熱性合金などが挙げられる。
更に、上記燃料極層又は上記空気極層は、上記金属枠と電気的に接合できる。これより、上記空気極層と上記金属枠が電気的に接合された構造となるので、電解質層内の電位差を抑制でき、ろう材の劣化が防止され、接合部の長期耐久性が向上し得る。また、電解質層の厚さ方向へ膜電位が揃うため、イオン伝導度の損失を減少させることができ、発電出力密度を向上できる。
例えば、金属枠を接合した後、金属枠と接触するパターンで空気極層(燃料極層)を形成して電気的に接合することもできるし、集電用配線を形成して空気極層(燃料極層)と金属枠の電気的に接合することもできる。
なお、上記空気極層と上記金属枠の間に隙間が生じていても、一般的には、例えば空気極層上に設置される集電体とその上方に設置されるセパレータやインターコネクタを通じて、これらと接合された金属枠と導通を取ることもできる。しかし、隣接する金属枠と電極層の間が、電気的な接点を多く介して電気的に接合された場合は、接触抵抗に応じて電位差が生じるので、金属枠と電極層間で局所電池が形成され、電極層や電解質層が劣化して好ましくない。高温且つ空気中で長時間運転した場合は、この接点部の接触抵抗はさらに大きくなり、劣化を加速することとなる。
次に、本発明の固体電解質形燃料電池セルの製造方法について、詳細に説明する。
上述した燃料電池セルは、例えば、図1に示すような構成を有し、多孔質基板に燃料極層、電解質層を順に積層し、この電解質層上且つ外縁に絶縁バリア層、ろう材を順に配設した後に、電解質層上に空気極層を被覆することで得られる。
本発明では、上記絶縁性バリア層を、微粒子を用いた溶射法又はエアロゾルデポジッション法により成膜することを特徴とする。このような方法により、電解質層を破壊、変質させずに、電解質層の接合箇所に、ガスリークしない緻密な層を比較的低温で形成できる。また、電解質層と絶縁性バリア層の間の密着力に優れ、繰り返し昇降温する燃料電池動作時において、界面からガスリークすることなく、セルの発電特性の損失を抑制する。更に、複数の材料の混合粉を原料分として調整することができるので、例えば電解質層との熱膨張率差やろう材とのぬれ性を目的に応じて調整することが容易になる。
なお、絶縁性バリア層形成工程の後工程であるろう付け工程の温度に対し、絶縁バリア層が溶融したり、揮発したり、多孔質化したり、ろう材成分が絶縁性バリア層全体に拡散して絶縁性がなくなるほど激しく反応しない材料を使用するのが良い。
次に、本発明の燃料電池スタックについて、詳細に説明する。
かかる燃料電池スタックは、上述の固燃料電池電解質形燃料電池セルとセパレータを交互に積層して成る。
燃料電池セルの外縁に金属枠を設けて成るため、金属製のセパレータと直接接合することにより、ガスシール性や耐熱衝撃性に対する信頼性の高い接合部を形成できる。また、金属枠とセパレータ板がともに金属であるときは、ガス流路を形成したり、積層間隔を調整するための微細加工が容易であり、積層間隔を詰めてスタック化できる。これにより、高集積化したスタックを形成でき、小型で出力密度が高い燃料電池スタックを形成できる。
上記セパレータとしては、例えば、公知のNi系合金、Fe系合金及びステンレスなどの耐熱性合金などから構成されるものを使用できる。
なお、スタック化する際には、当該燃料電池セルを水平方向に複数連結したセル板を採用することもできる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
1)電解質支持型発電部に絶縁性バリア層としてアルミナを溶射法で形成
直径40φ厚さ0.2mmのScSZ電解質の焼結板にNi−ScSZサーメット燃料極層を印刷して焼成し、空気極層が未形成の電解質薄膜型発電部を形成した。
電解質層の空気極層未形成側の表面外縁に、絶縁性バリア層として幅5mm、厚さ40μmのアルミナ層を形成した。アルミナ層は、平均粒径2μmのアルミナを原料粉とし、公知のHVOF法を用いて形成した。
アルミナ層上に幅3mmでTi層を公知のスパッタ法により0.2μm形成した。なお、Ti層はろう付け工程時にアルミナ層上のろう材のぬれ性を改善するとともに、ろう材接合層とアルミナ層の密着力を向上させるものである。また、ろう付け工程中の溶融ろう材がTi層が形成されていないアルミナ層や電解質層上に流れるのを防止する機能も有するろう付け条件やろう材に依存して、ろう付け後、Ti元素を多く含む層として明確に観察される層が形成する場合もあるし、光学顕微鏡視野では、ろう材接合層と明確な区別が殆どできない状態になることもある。
Ti層の上に、厚さ25μmBNi−6ろう材層を公知のめっき法で形成した。
次いで、金属枠として、直径60φ厚さ0.1mmで、中央部に内径34φの貫通孔が形成された金属部材を、空気極未形成で絶縁性アルミナ層及びろう材層が形成されたセルと同一中心になるよう積層し、ろう付け部に荷重100gがかかるようろう付けジグに設置した。
公知のろう付け法に従い、Arフロー中930℃で、金属枠と絶縁性バリア層をろう付けした。
発電部上面の電解質層及び金属枠の貫通孔エッジ部も被覆するように、ランタン−ストロンチウム−マンガネイト空気極層を厚さ2μmスパッタ成膜して、燃料電池セルを得た。この燃料電池セルの断面概略図は図1と同様で、以下実施例4まで同様である。
更に、本実施例1で得られる燃料電池セルと同一の構成を有するセルを複数用いて組み上げた燃料電池スタック構成を図2に、また図2のスタックにおいて燃料電池セル部形状を上から見た図を図3に示す。本発明の燃料電池セルを用いる事でこのようなスタックが得られ、本願目的が達成されるものである。
(実施例2)
2)燃料極支持型発電部に、絶縁性バリア層としてアルミナ層をエアロゾルデポジッション法により形成
直径40φ厚さ1mmの多孔質のインコネルーYSZ基板にNi−YSZ燃料極層とYSZ電解質層のグリーンシートを積層して共焼結し、空気極層が未形成の電解質薄膜型発電部を形成した。
絶縁性バリア層は、平均粒径0.1μmのアルミナ原料粉を用い、公知のエアロゾルデポジッション法により、電解質層の空気極層未形成側の表面外縁に、絶縁性バリア層として幅5mm、厚さ5μmのアルミナ層を形成した。
実施例1と同様の操作を繰り返して、金属枠をろう付けし、空気極層を形成して、燃料電池セルを得た。
金属枠の内径エッジ部を段差形状にすることにより、電極層とろう材との接触を回避でき、ろう材の劣化を更に抑制できる。また、空気雰囲気に曝されることによる劣化も大幅に抑制できる。更に、ろう材接合層の施工厚さが規定されるので、接合部強度などの特性が安定した燃料電池セルが形成できる。
(実施例3)
3)燃料極支持型発電部に絶縁性バリア層としてSi−Ti−C−O系層をスプレー塗布焼成で形成
絶縁性バリア層とろう材以外は、実施例2と同様の操作を繰り返して、燃料電池セルを形成した。
絶縁性バリア層は、添加セラミックス微粉を混入したポリチタノカルボルシランポリマーをバインダー成分とする塗料をスプレー塗布し、80℃で乾燥し、続いて370℃で焼成してTi−Si−C−O系非晶質セラミックス層を20μm形成した。
Tiスパッタ層の形成に引き続き、ろう材BAg−8をスパッタ法により、1μm形成した。金属枠を実施例1と同様の操作によりセッティングして、真空中820℃で、金属層と絶縁性バリア層をろう付けして、燃料電池セルを得た。
(実施例4)
4)燃料極支持型電池部に絶縁性バリア層としてセラミックス超微粒子含有ペーストを塗布焼成で形成
絶縁性バリア層以外は、実施例3と同様の操作を繰り返して、燃料電池セルを得た。絶縁性バリア層は、シリカ微粒子を混入したアルミナ系ゾルをスプレー塗布し、80℃の乾燥に続いて370℃で焼成して非晶質セラミックス層を2μm形成した。
(評価方法)
・実施例1
公知のセル発電出力評価装置に設置し、750℃においてそれぞれ空気と水素ガスを導入して、開放端起電力(OCV)を測定した。
OCV1.08Vが得られ、水素ガスの漏れはないと判断できた。即ち、ろう付け層の接合不良箇所がなく、絶縁性バリア層の緻密性が十分で、ろう付け工程時の熱応力で電解質層のクラックなども発生しなかった。
更に、600℃保持時間が100時間に達した後も、OCVの低下は検出されず、ろう付け部の変色、変質は認められなかった。
・実施例2
実施例1と同様の測定方法より、600℃でOCVを評価した。1.09Vが得られ、600℃100時間保持後においても、変化はなかった。
・実施例3
実施例2と同様の測定方法により、OCVを評価した。600℃において1.01Vが得られ、600℃100時間保持後においても、変化はなかった。
・実施例4
実施例2と同様の測定方法により、OCVを評価した。600℃において1.02Vが得られ、600℃100時間保持後においても、変化はなかった。
実施例1で得られた燃料電池セルを示す概略図である。 実施例1で得られた燃料電池セルと同一構成のセルを搭載したスタックの断面概略図である。 図2のスタックを構成する燃料電池セル概略図である。

Claims (5)

  1. 燃料極層と電解質層と空気極層をこの順に積層して成る発電部と、この発電部の外縁且つ空気極層及び/又は燃料極層と電解質層との間隙に配設した金属枠とで構成された固体電解質形燃料電池セルであって、
    上記金属枠と上記電解質層との間隙に絶縁性バリア層を配設し、この絶縁性バリア層と金属枠とをろう材で接合して成ることを特徴とする固体酸化物形燃料電池セル。
  2. 上記発電部の表面及び/又は裏面に保護基板を配設して成ることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池セル。
  3. 上記燃料極層及び/又は上記空気極層と保護基板とが一体化されて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池セル。
  4. 上記燃料極層又は上記空気極層を、上記金属枠と電気的に接合して成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池セル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の固体電解質形燃料電池セルとセパレータを交互に積層して成ることを特徴とする燃料電池スタック。
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