JP2005190995A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】供給される空気中の不純物を除去することにより、安定した運転をより長期間にわたり維持することが可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】水素リッチガスを生成する改質部1と、前記水素リッチガス中の一酸化炭素と水から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応部2と、シフト反応部2にて、除去されなかった前記水素リッチガス中の一酸化炭素をより低減するための一酸化炭素除去部3とを有する水素生成器20と、水素生成器20から供給される前記水素リッチガスと酸化剤ガスによって発電を行う燃料電池4と、前記燃料ガスの流通方向を基準として、(1)改質部1の上流、又は(2)一酸化炭素除去部3と燃料電池4の間の少なくとも1箇所に空気を供給する空気供給部6、9と、前記空気に含まれる不純物ガスを除去する不純物除去手段12、13とを備えた燃料電池システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。さらに詳しくは、炭化水素を含む燃料と水を触媒に流通させ一酸化炭素を含有する水素リッチガスを発生させる水素生成器を有する燃料電池システムにおいて、水素生成器内の改質部もしくはアノードに流通される空気に含まれる不純物ガスが除去される燃料電池システムに関するものである。
水素及び空気中の酸素を用いて発電する燃料電池システムとして種々のタイプが開発されているが、家庭等に用いられる燃料電池システムは一般的に次のように構成される。
まず、メタン、エタン、プロパン、ブタン、都市ガス、LPガス、その他の炭化水素ガス(二種類以上の炭化水素の混合ガスを含む)を改質器において改質し、水素リッチガスを生成する。
改質の方法としては、水蒸気を用いて改質する水蒸気改質法、空気中の酸素を用いて改質する部分酸化法、あるいは両者を組み合わせたオートサーマル法などがある。
これらの改質法により得られた水素リッチガスには、副反応生成物として一酸化炭素(以下、本明細書ではCOと呼ぶ)が、改質器の性能にもよるが、通常、8〜15%(容量ベースの濃度、以下同じ)程度含まれている。このCOが、例えば、高分子電解質型燃料電池(以下、本明細書ではPEFCと呼ぶ)に供給される場合、PEFCに供給する水素リッチガス中のCO含有量は50ppm程度が限度であり、これを越えると電池性能が著しく劣化するので、COはPEFCへ導入する前に出来る限り除去する必要がある。
このため改質法により得られた水素リッチガスは、この副生COを除去するためにシフト反応部へ導入される。シフト反応部ではシフト反応(下記(1)式参照)によりCOが炭酸ガスと水素に変えられる。シフト反応部を経て得られる水素リッチガスについても、COは完全には除去されず、微量のCOが含まれている。このため、空気等の酸化剤ガスを添加し、CO選択酸化部において、CO選択酸化反応(下記(2)式参照)により、COを50ppm以下、好ましくは10ppm以下に低減させる。こうして生成された水素リッチガスがPEFCのアノードに供給される。
しかし、負荷が変化する場合など、CO濃度が上昇する場合に備えて、アノードにさらに空気を供給し、アノード電極触媒のCO被毒を抑制するエアーブリージングが行われることも多い。
CO+H2O→CO2+H2 (1)
CO+1/2O2→CO2 (2)
又、家庭用燃料電池では、効率を向上させるため、電力の消費量が少ないときは機器を停止させることが望ましい。かかる停止時には、燃料電池システム内に水素リッチガス等可燃性の残留ガスが残留したままでは、安全上の問題があるため、不燃性ガスで残留ガスをパージする必要がある。しかし、家庭用燃料電池では、N2ボンベなどを常設することが困難であるため、水素生成器、アノード流路を水蒸気によって残留ガスをパージしてから、さらに水蒸気が凝縮しない温度域で空気によって水蒸気をパージする方法などが提案されている。
上述のように燃料電池システムにおいて、燃料電池システム内に空気を供給する箇所が様々あるが、その中で、PEFCのカソードに送られる空気の中に、例えば有機溶剤などの不純物が含まれると、有機溶剤はカソード電極触媒で分解されないために、カソード電極への酸素吸着能が阻害され、電池特性や寿命低下を招く課題があった。この課題を解決するためにケロシン等の有機溶剤をカソードに空気を供給する前に除去する触媒燃焼器などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、上述のようにCO選択酸化反応部に酸化剤ガスとしての空気を供給するが、この空気中に含まれるHCHOなどの有機物、あるいはNOx、SOxがCO選択酸化触媒を被毒し、CO選択酸化触媒の特性が低下することにより、アノードがCOで被毒されるという課題を解決するために、CO選択酸化反応用空気の不純物を除去するCO除去器及びそれを用いた燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−277139号公報 特開2000−327305号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の燃料電池システム以外においても、燃料電池システム内に供給される空気中に含まれる不純物が燃料電池システムに対して問題を引き起こす可能性がある。例えば、アノードエアーブリージング用空気が挙げられる。
上記アノードエアーブリージング空気の供給量は、燃料電池のカソードに供給される空気に比べて少なく、例えば1kWの燃料電池の場合、カソード空気量は65Nl/min(以下0℃、0.1MPa換算の値をこのように記す)であるのに対し、アノードエアーブリージング用空気、は0.3Nl/minといったオーダーの量である。
また、空気中に含まれる不純物としては、硫黄酸化物、硫化水素、窒素酸化物、アンモニアなどの無機ガスと、アミン、脂肪酸、芳香族化合物、アルデヒドなどの有機ガスが挙げられ、これらの不純物のガスの大気中の濃度は数十ppm〜数ppbと極めて小さい。
しかしながら、上記空気中に含まれる不純物のうち硫黄化合物のように触媒を不可逆的に劣化させる物質、いわゆる永久被毒物質がきた場合、例え、空気供給量が少なく、空気中に含まれる濃度が極めて小さいとしても、数万時間といった長期間の曝露を受けると、触媒の活性点(Active Site)が覆われて最終的に触媒特性の低下となって現れる。
ここで、貴金属触媒への永久被毒を考えた場合、永久被毒物質が貴金属露出表面の数十分の1から1/2程度を覆うと顕著な被毒を及ぼすといわれている。1kW級燃料電池では、燃料電池のアノード触媒で用いられるPt、Ruの貴金属はそれぞれ0.02mol程度であり、0.5ppmの硫化水素を含む空気を0.3Nl/minでエアーブリージングとして送ると、数千〜数万時間で触媒に影響を及ぼす量の被毒物質が蓄積すると考えられる。
ここで、燃料電池のアノードの電極触媒の被毒メカニズムについて説明する。
例えば、硫黄化合物のうち硫黄酸化物及び硫化水素は、下記の標準電位(vs. SHE (Standard Hydrogen Electrode))であり、硫化水素はS2-として金属に吸着し、被毒すると考えられる。
Figure 2005190995
アノードの電位は0Vであるため、SO2はアノードではSO4 2-となるが、高分子電解質がスルホン酸塩であるので、その影響は小さい。しかし、H2Sの場合、0Vで安定であるため、水素の酸化特性が低下する。
また、アノ−ドの場合、上述のように硫化水素は、SO2に比べ、触媒活性低下に対する影響が大きいが、硫黄酸化物は貴金属触媒上で水素が存在する還元雰囲気下では容易に硫化水素に変換されるため、触媒種とガス雰囲気によっては硫黄酸化物の影響も硫化水素と等しくなる場合がある。ちなみに、硫黄酸化物濃度の日本の環境基準は0.04ppmであるため、交通量の多い道路近辺に設置された燃料電池の場合、長期的には硫黄酸化物による触媒特性への影響が生じる可能性がある。
また、硫化水素以外にもエアーブリージング空気中に含まれる不純物のうち燃料電池のアノードを被毒する物質にホルムアルデヒドが挙げられる。以下に示すように、アノードでは、標準電位が異なるため、COに比べ、ホルムアルデヒドが酸化されにくく、触媒毒になりやすいことが推察される。
Figure 2005190995
なお、ホルムアルデヒド以外のアルデヒドはホルムアルデヒドに比べ安定なため、より酸化されにくい。
さらに、CO選択酸化触媒は、触媒の量を増加することが比較的容易であるが、アノードの触媒は触媒量を増すと、燃料電池セル内のガスの拡散性が低下しフラッディングしやすくなるので、触媒の量を増加して触媒被毒の影響を緩和することが難しいといった課題もある。
また、上記硫化水素及びホルムアルデヒド以外に燃料電池のアノードを被毒する物質として難燃性でかつ揮発性の有機化合物が挙げられる。燃料電池システムの設置場所によっては、こういった難燃性でかつ揮発性の多量の有機化合物が空気中に存在する例も少なくない。塗料などに含まれる揮発性有機物であるトルエンなどは難燃性であり、貴金属触媒を用いても200℃以下ではほとんど酸化分解しないため、アノードの電極触媒が動作する温度(70〜80℃)では触媒上に残留し、被毒物質として作用する。日本の悪臭防止法におけるトルエンの規制基準は第一種地域では10ppmであり、塗料の臭気が常時漂うような場所では、その影響は大きい。したがって、難燃性の有機物質(脂肪酸を含む)が常時存在するような環境の場合、有機物質は触媒被毒の要因となる。
また、上記不純物以外に燃料電池のアノードを被毒する物質としてアンモニア、アミンなどの塩基性化合物が挙げられる。これは、塩基性化合物が、高分子電改質膜を中和し、燃料電池の電池性能が低下するためである。
次に、燃料電池システムに問題を引き起こす可能性のある空気供給として残留ガスパージ用空気、あるいはオートサーマル反応用空気が挙げられる。これらは改質ガスを生成する改質器に供給される空気であり、これらの空気にも上記不純物は含まれ、更に、供給量も100Nl/回、8Nl/minとアノードエアーブリージング空気よりも多いことから、空気中に微量に含まれる上記不純物が長期運転時に改質触媒の劣化要因となることは言うまでもない。この改質触媒に供給される空気による劣化メカニズムについて以下に説明する。
改質器の入口から空気を送り込む場合では、改質触媒であるRu触媒が最も顕著な影響を受ける。すなわち、触媒の活性点に硫黄化合物が存在する状態で改質反応を行うと、触媒上に燃料中の炭素の析出が加速され、燃料の水素への転化率が低下する。
加えて、改質器の下流、シフト反応部及びCO選択酸化部においてPt/CeZrOx、Pt/TiO2などの貴金属触媒が用いられることが用いられることが多いので、改質器を通過した硫化水素がシフト反応部及びCO選択酸化器の貴金属触媒の担体であるCeZrOx、TiO2を被毒し、水の活性化能を低下させ、触媒特性を劣化させる。
具体的には、改質触媒として2wt%のRu/アルミナ触媒を300g用いる場合においてはRu量は0.06molとなり、0.5ppmの硫化水素を含む空気が一回のパージ動作で100Nl送られると、数百から数千回のパージ動作で触媒特性に影響が生じる量の被毒物質が蓄積すると考えられる。毎日起動停止を行うと10年で3650回起動停止を行うことになるので、長期的な使用の場合この影響は無視できない。
また、改質触媒に1wt%Pt−1wt%Rh/ZrO2触媒を300g用いる場合においては、0.5ppmの硫化水素を含む空気が改質器から8Nl/minで送られると、数百〜数千時間で改質触媒の触媒特性に影響が生じる量の被毒物質が蓄積すると考えられる。つまり、オートサーマル反応用空気の場合、供給空気量が多く、微量の不純物でも蓄積により、短期間で影響が出やすい。
以上、硫化水素による触媒の被毒について述べたが、硫化水素の場合、火山地域や温泉地域では、空気中濃度は0.05〜10ppmになりうる。また、浄化槽の近くなどでは高濃度となりうるため、更に触媒の劣化が早まることが想定される。
上記従来の課題を考慮し、本発明の目的は、供給される空気中の不純物を除去することにより、安定した運転をより長期間にわたり維持することが可能な燃料電池システムを提供することである。
上記の目的を達成するために、第1の本発明は、炭化水素を含む燃料と水から一酸化炭素を含有する水素リッチガスを生成する改質部と、前記水素リッチガス中の一酸化炭素と水から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応部と、前記シフト反応部にて、除去されなかった前記水素リッチガス中の一酸化炭素をより低減するための一酸化炭素除去部とを有する水素生成器と、前記水素生成器から供給される前記水素リッチガスと酸化剤ガスによって発電を行う燃料電池と、前記燃料の流通方向を基準として、(1)前記改質部の上流、又は(2)前記一酸化炭素除去部と前記燃料電池の間の少なくともいずれか1箇所に空気を供給する空気供給部と、前記空気に含まれる不純物ガスを除去する不純物除去手段とを備えた燃料電池システムである。
又、第2の本発明は、前記燃料の流通方向を基準として、前記改質部の上流に空気を供給する空気供給部と、硫黄化合物を前記空気から除去する不純物除去手段と、を備えた、第1の発明の燃料電池システムである。
又、第3の本発明は、前記燃料の流通方向を基準として、前記一酸化炭素除去部と前記燃料電池の間に空気を供給する空気供給部と、アンモニア、アミン、脂肪酸、硫化水素及びアルデヒドを前記空気から除去する不純物除去手段と、を備えた、第1の発明の燃料電池システムである。
又、第4の本発明は、前記改質部は、炭化水素を含む燃料と水と空気から一酸化炭素を含有する水素リッチガスを生成する改質部である第1の本発明の燃料電池システムである。
又、第5の本発明は、前記不純物除去手段は、硫化水素の吸着剤若しくは吸収剤を有している第1の本発明の燃料電池システムである。
又、第6の本発明は、前記不純物除去手段は、硫黄酸化物の吸着剤若しくは吸収剤を有している第1の本発明の燃料電池システムである。
又、第7の本発明は、前記不純物除去手段は、触媒燃焼部を有している第1の本発明の燃料電池システムである。
又、第8の本発明は、前記空気の流通方向を基準とすると、前記不純物除去手段は、前記硫黄酸化物の吸着剤若しくは吸収剤の上流に、触媒燃焼部をさらに有する第6の本発明の燃料電池システムである。
又、第9の本発明は、前記触媒燃焼部は、前記水素生成器と熱交換可能な位置、又は前記水素生成器の加熱に使用された燃焼排ガスと熱交換可能な位置に配置されている第7の本発明の燃料電池システムである。
又、第10の本発明は、前記硫黄酸化物の吸着剤若しくは吸収剤は、前記水素生成器と熱交換可能な位置、又は前記水素生成器の加熱に使用された燃焼排ガスと熱交換可能な位置に配置されている第6の本発明の燃料電池システムである。
又、第11の本発明は、前記触媒燃焼部は、前記硫黄酸化物の吸着剤若しくは吸収剤と兼ねられ、貴金属とアルカリ土類金属を含む触媒を有しており、前記水素生成器と熱交換可能な位置、又は前記水素生成器の加熱に使用された燃焼排ガスと熱交換可能な位置に配置されている第8の本発明の燃料電池システムである。
本発明により、安定した運転をより長期間にわたり維持することが可能な燃料電池システムを提供することが出来る。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池システムの概略構成図である。図1に示す様に、本実施の形態1における燃料電池システムは、水素リッチガスを生成する水素生成器20を備えている。この水素生成器20は、炭化水素を含む燃料と水から一酸化炭素を含有する水素リッチガスを生成する、Ru/アルミナ触媒を充填した改質部1を備えている。又、燃料の流通方向を基準として、水素生成器20は改質部1の下流側に耐酸化性のシフト反応触媒であるPt/CeZrOx触媒を充填したシフト反応部2を備えている。このシフト反応部2では、改質部1で副生されるCOの低減を行う。更に、水素生成器20はシフト反応部2の下流側に、選択酸化反応触媒であるRu/アルミナ触媒を充填したCO選択酸化反応部(一酸化炭素除去部)3を備えている。このCO選択酸化反応部3ではシフト反応部2にて除去しきれなかったCOを更に低減する。
又、CO選択酸化反応部3の下流側にはCOの低減された水素リッチガスをアノードガスとして発電を行う、本発明の燃料電池の一例であるPEFC(固体高分子型燃料電池)4が設置されている。燃料電池アノード触媒としては、例えばPt−Ru/C触媒が挙げられる。又、本実施の形態1の燃料電池システムは、PEFC4のカソード側に不純物を除去した空気を供給するためのカソード用空気供給部10を備えている。
又、改質部1からPEFC4に至るガス流路において、改質部1の上流側には、燃料電池システムの停止時に燃料電池システム内の残留ガスをパージするための空気、もしくは燃料電池システムの運転時にオートサーマル反応を行うための空気を供給するための、改質用空気供給部6が設置されている。又、シフト反応部2とCO選択酸化反応部3の間のガス流路に、CO選択酸化反応部3へ空気を供給するためのCO選択酸化用空気供給部8が接続されている。又、CO選択酸化反応部3とPEFC4の間のガス流路には、アノードエアーブリージング用空気供給部9が接続されている。
又、本実施の形態1の燃料電池システムは、これら改質用空気供給部6、CO選択酸化用空気供給部8、アノードエアーブリージング用空気供給部9に供給する空気に含まれる硫化水素を除去するための硫化水素吸収部5を備えている。この空気の流通方向を基準として、硫化水素吸収部5の下流側には空気を加熱するための熱交換部11がCO選択酸化反応部3と熱交換可能に接触し設置されている。この熱交換部11の下流側には、Pt/アルミナ触媒を有する触媒燃焼部12がシフト反応部2と熱交換可能に接触し設置されている。又、この触媒燃焼部12の下流側には、酸化カルシウムを有する硫黄酸化物吸収部13がシフト反応部2と熱交換可能に設置されている。この硫黄酸化物吸収部13から、改質用空気供給部6、CO選択酸化用空気供給部8、アノードエアーブリージング用空気供給部9へと空気が供給される。又、改質用空気供給部6と硫黄酸化物吸収部13の間には、バルブ7が設置されている。
上記構成の本実施の形態1における燃料電池システムの運転方法(本発明の燃料電池システムの第1の運転方法)について以下に述べる。
図1において、燃料中の硫黄成分を吸着除去する吸着剤を経た燃料が水と混合され、加熱されて、改質部1に導入される。水蒸気改質触媒の温度は燃料の種類にもよる。燃料が、都市ガスの場合、水蒸気改質触媒出口直後の温度は650℃程度に保たれる。この改質部1で生成された水素リッチガスは、シフト反応部2及びCO選択酸化反応部3を通過する。これにより、改質部1で副生されるCOが低減されることになる。この水素リッチガスが、アノードガスとしてPEFC4へ供給される。なお、都市ガスとはメタンを主成分とする天然ガスである。
一方、空気は硫化水素吸収部5を通過した後、CO選択酸化反応部3と接触した熱交換部11で加熱される。
次に、定常運転時250℃に保たれた触媒燃焼部12を経由した後、300℃に保持された硫黄酸化物吸収部13を経る。触媒燃焼部12および硫黄酸化物吸収部13は、シフト反応部2と接しており加熱されている。尚、硫化水素吸収部5がなくても、Pt/アルミナ触媒上で硫化水素は硫黄酸化物に酸化され、硫黄酸化物吸収部13で吸収される。しかし、硫化水素のうちの一部はPt/アルミナ上に残るため、硫化水素吸収部5で予め除去することが望ましい。
次に、硫黄酸化物吸収部13を通過した空気は、CO選択酸化用空気供給部8、アノードエアーブリージング用空気供給部9を通じて、CO選択酸化反応部3、PEFC4のアノード極にそれぞれ送られる。ここでの供給量は一例を挙げるとそれぞれ0.5Nl/min、0.3Nl/minである。尚、硫黄酸化物吸収部13を通過した空気をカソード用空気供給部10へ供給しカソード用空気として利用してもよい。
又、燃料電池停止時にシステム内に水素や都市ガスなどの可燃ガスが残留すると危険であるため、系内を空気パージする必要がある。本実施の形態1では、停止時に水蒸気改質触媒のRuが酸化しない温度まで装置を冷却した後、バルブ7を開ける。
硫黄酸化物吸収部13を通過した空気を改質用空気供給部6を通じて、改質部1に供給し、シフト反応部2,CO選択酸化反応部3、PEFC4へと順に空気で置換していく。ここで置換する空気量としては、例えば10Nl/minで10分間である。
上述した硫黄酸化物吸収部13の硫黄酸化物の吸着剤、吸収剤としては、アルカリ土類金属酸化物、Mn,Co,Fe,Cu,Zrなどの遷移金属酸化物、Ceなどの希土類金属酸化物を用いることが望ましい。また、吸収剤によっては、加熱して用いることが望ましい。例えば、CaOの場合、300-600℃で硫黄酸化物は以下の(3)式及び(4)式で表されるメカニズムで吸収される。
2SO+CaO→2CaSO (3)
2CaSO+SO→2CaSO+1/2S (4)
また、硫黄酸化物吸収剤としては、アルカリ成分添着活性炭、ゼオライトなどを用いてもよい。
又、上述した硫化水素吸収部5の硫化水素吸着剤としては、MS4Aなどのゼオライト、アルカリ成分添着活性炭などが挙げられる。
また、触媒燃焼部12で有機化合物を燃焼させる触媒としては、Pt/アルミナなどを挙げることができる。さらに、耐硫黄被毒性を有するPt−Rh系触媒を用いることが望ましい。これらの耐硫黄被毒性を有しかつ酸化活性の高い燃焼触媒を用いることにより、硫化水素を硫黄酸化物に変換することができるため、硫化水素吸収部5を省略することも可能である。なお、メンテナンスフリーの観点から、有機化合物は触媒燃焼で燃焼させることが望ましいが、活性炭フィルターなどで吸着除去してもよい。
第2の運転方法は、実施の形態1の燃料電池システムの運転時において、いわゆるオートサーマル反応により、水素を生成する運転方法である。なお、改質部1の触媒はPt−Rh/ZrO触媒を用いている。
実施の形態1にかかる燃料電池システムの運転時において、改質用空気供給部6から空気が供給される。これによって、炭化水素系の燃料は酸化反応を起こす。炭化水素の酸化反応は発熱反応となることから、いわゆるオートサーマル反応となり、吸熱反応である水蒸気改質反応は促進される。ここで空気の供給量としては、例えば、8Nl/minである。なお、第2の運転方法は、燃料電池システムの起動時に行うと、燃料電池システムの起動時間を短縮させるので、効果的である。
また、実施の形態1においては、改質用空気供給部6に供給する空気を、硫化水素吸収部5、触媒燃焼部12および硫黄酸化物吸収部13を経由するように構成している。しかし、改質用空気供給部6に供給する空気は、触媒燃焼部12を経由せずに硫化水素吸収部5及び硫黄酸化物吸収部13を経由するように構成してもよい。これによって、改質部1に供給する空気から硫黄化合物を除去することができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。本実施の形態2の燃料電池システムは、図2に示すように、触媒燃焼部14が、硫黄酸化物吸収機能を有している点以外は、実施の形態1と同じである。従って、図2には図
1と同一部または相当部には同一符号を付し、詳細な説明は省略し、異なる点を中心に説明を行う。
本実施の形態2の燃料電池システムの触媒燃焼部14は、アルミナに酸化バリウムと白金を担持したペレット触媒である。この触媒燃焼部14が実施の形態1における触媒燃焼部12及び硫黄酸化物吸収部13に相当する。加熱された貴金属上で、二酸化硫黄や硫化水素は酸化され、三酸化硫黄となり、貴金属近傍に存在する酸化バリウムに吸収される。ここでは、酸化バリウムを一例として挙げたが、酸化カルシウムなどの他のアルカリ土類金属酸化物を用いてもよい。
また、貴金属触媒はトルエンなどの有機物質及び硫黄化合物を比較的低温で燃焼できる。以上により、有機化合物、硫黄酸化物、硫化水素を効果的に除去できる。
尚、本発明の一酸化炭素除去部は、実施の形態1、2ではCO選択酸化反応部3に相当するが、CO選択酸化反応ではなくメタン化反応によって一酸化炭素を除去してもよく、又メタン化反応及びCO選択酸化反応を併用してCOを低減させても良く、要するにシフト反応部から供給される水素リッチガス中の一酸化炭素を、より低減出来さえすれば良い。尚、一酸化炭素除去部としてメタン化反応のみ用いた場合は、CO選択酸化用空気供給部を設ける必要はない。
又、本発明の不純物除去部は、実施の形態1では硫化水素吸収部5、熱交換部11、触媒燃焼部12、及び硫黄酸化物吸収部13に相当し、実施の形態2では硫化水素吸収部5、熱交換部11、及び触媒燃焼部14に相当するが、本構成に限らず上述した様に硫化水素吸収部5を設置しなくても良い。しかし硫化水素のうちの一部は触媒燃焼部12のPt/アルミナ上に残るため、硫化水素吸収部5で予め除去することが望ましい。
又、本発明の改質部の上流に設けられた空気供給部は、本実施の形態1、2の改質用空気供給部6に相当する。又、本発明の一酸化炭素除去部と燃料電池の間に設けられた空気供給部は、本実施の形態1、2のアノードエアーブリージング用空気供給部9に相当する。本実施の形態1では、これら改質用空気供給部6、アノードエアーブリージング用空気供給部9から供給される全ての空気の不純物を除去しているが、どれか一箇所から供給される空気の不純物を除去してもよい。しかし、より長時間安定した運転を行うためには供給される全ての空気の不純物を除去した方がより好ましい。
又、実施の形態1の触媒燃焼部12及び硫黄酸化物吸収部13は、シフト反応部2と熱交換可能に接触設置されているが、シフト反応部2に接触設置されずシフト反応部2を加熱するために用いた燃焼排ガスと熱交換可能に配置されていても良く、又シフト反応部2に限らずCO選択酸化反応部3等に接触設置されていても良く、要するに触媒燃焼部を触媒燃焼に適した温度、硫黄酸化物吸収部を硫黄酸化物を吸収若しくは吸着させるのに適した温度にそれぞれ加熱出来さえすればよい。尚、実施の形態2の触媒燃焼部14についても同様である。
以下、本発明の燃料電池システムおよびその運転方法を実施例に基づいてより具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例1では、触媒層電解質接合体(以下MEAと呼ぶ。)を作成し、このMEAに
ガスと空気を流通させ、空気中の不純物の影響について試験を行った。
始めに、MEAの作成方法について以下に述べる。
Pt/C触媒に水と旭硝子製のパーフルオロスルホン酸イオノマーエタノール溶液(Flemion:9wt%パーフルオロスルホン酸イオノマー)を加え、触媒インクを調製した。尚、Flemionとカーボンブラックの重量比が1となるように調製した。この触媒インクを、Pt0.3mg/cm2となるように、ドクターブレード(Doctor Blade)法でカーボンペーパーに塗布し、60℃で乾燥させ、カソード側ガス拡散電極層を作成した。
一方、アノード側ガス拡散電極層は、30wt%Pt−24wt%Ru/CによりPt0.3mg/cm2となるように同様の手法で作成した。
このように作成した2枚のガス拡散電極層でNafion112膜(登録商標 Dupont社製)をはさみ、130℃でホットプレスし触媒層電解質接合体(MEA)を作成した。
作成したMEAを空気、水素を用いて、酸素利用率40%、水素利用率70%、セル温度75℃、カソード露点65℃、アノード露点70℃で、出力電流0.2A/cm2で運転させた。このとき、アノードには50ppmCO−20%CO2/H2の模擬ガスと、20ppmの硫化水素を含む0.0013Nl/minの空気を混合させて流通した。MEAの出力電圧は、発電開始初期には0.715Vであったが、1000時間後には0.642Vまで下がっていた。
一方、20ppmの硫化水素を含む空気を、ゼオライト(MS4A)のペレットを充填した硫化水素吸収剤を通して、MEAに流通させた実験を同様にして行った。この結果、1000時間後の同電圧は、0.707Vであり、電圧低下は抑えられた。
以上のように、アノードエアーブリージングの空気に不純物として硫化水素が存在すると電圧低下が起こることがわかり、硫化水素を除く不純物除去剤により電圧低下を抑制することができた。
次に、硫化水素の代わりに、20ppmのトリメチルアミンを含む空気を前記模擬ガスに混合させてアノードに流通した。MEAの出力電圧は、発電開始初期には0.720Vであったが、1000時間後には約0.5Vまで下がっていた。以上のように、塩基性化合物により、MEAの電圧低下が起こった。
(実施例2)
改質触媒である2wt%Ru/アルミナ触媒ペレット1.3ccに対してS/C(スチーム/カーボン比)=3に加湿されたメタンガスを、GHSV(Gas Highest Space Velocity)=3200h-1、640℃で流通してメタンガスを水蒸気改質したところ、メタンの水素への転化率は86%となった。その後、室温まで触媒ペレットを冷却した後、20ppmの硫化水素を含む空気を0.25Nl/minで20h流通させた。その後、再び、同様の条件で水蒸気改質反応を行い、同様に測定したところ、同転化率は70%まで低下していた。
一方、同様な試験において、20ppmの硫化水素を含む空気を、ゼオライト(MS4A)のペレットを充填した硫化水素吸収剤を通して、触媒に流通させた。20h流通後、水蒸気改質触媒の特性を測定したところ、同転化率は85%であった。
以上のように、水蒸気改質触媒のパージ用の空気に不純物として硫化水素が存在すると数十時間で水蒸気改質触媒が劣化し、硫化水素を除く不純物除去剤により触媒劣化を抑制することができた。
(実施例3)
オートサーマル反応触媒である1wt%Pt−1wt%Rh/ZrO2の触媒ペレット3ccに対して、メタン:水:空気=1:1.5:3(モル比)の混合ガスが、GHSV=10000h-1、750℃で流通されて、水蒸気改質反応が行われた。なお、空気中には硫化水素が20ppm含有されていた。この結果、実験開始直後には、メタンから水素への転化率は、94.6%であったが、400時間後には同転化率は84.7%まで低下していた。
一方、20ppmの硫化水素を含む空気が、ゼオライト(MS4A)からなる硫化水素吸収剤ペレットが充填された硫化水素吸収器に通されてから、触媒ペレットに流通されるようにして、同様のオートサーマル反応試験が行われた。400h流通後の同転化率は94.2%であった。
以上、実施例3から、改質部1に空気を送り込んでオートサーマル反応を起こす際に、空気に不純物として硫化水素が含有されていると改質部1の触媒特性が低下することが検証された。また、硫化水素を除く不純物除去剤により、かかる触媒特性の低下を抑制することができることが検証された。
(実施例4)
オートサーマル反応では、最終的に硫黄化合物は硫化水素となり、一部は下流側の触媒に供給されるため、シフト反応触媒と選択酸化反応触媒の硫化水素の影響を調べた。
2wt%Pt/CeZrOxペレット状のシフト反応触媒4ccに、11%CO−12%CO2/H2の試験ガスを供給した。試験ガスは、バブラーに通されて、露点57℃となって供給された。GHSVは3000h-1に設定された。さらに、500ppmH2S/N2の組成のガスが、試験ガスの硫化水素濃度がドライベースで20ppmとなるように混合された。シフト反応触媒は230℃に保たれ、試験ガスは1000時間シフト反応触媒上を流通された。流通開始直後のシフト反応触媒出口側のCO濃度はドライベースで0.41%であったが、1000時間経過後には0.48%まで上昇していた。
さらに、1.5g/l相当のRuを担持した直径2cm、厚さ1cmのハニカムをCO選択酸化反応触媒として、CO選択酸化反応触媒に、0.5%CO−20%CO2/H2の試験ガスを供給した。試験ガスは、上記シフト反応触媒の試験と同様にして、露点70℃となって、試験ガスの硫化水素濃度がドライベースで20ppmとなるように硫化水素が混合されて供給された。また、試験ガスには、O2/CO=1.5となるように空気が混合された。GHSVは9300h-1に設定された。触媒温度150℃で10時間試験ガスがCO選択酸化反応触媒に流通された。流通開始直後のCO選択酸化反応触媒出口側のCO濃度は112ppmであったが、10時間経過後には、322ppmまで上昇していた。
以上のように、シフト反応触媒、CO選択酸化反応触媒に微量の硫化水素が供給されると特性低下が起こることがわかった。
(実施例5)
図3は、実施例5における燃料電池システムの構成概略図である。本実施例5の燃料電池システムは、実施の形態1の燃料電池システムと基本的構成は同じであるが、本実施例5では硫化水素吸収部5が設置されておらず、又実施の形態1より詳しく示している。そのため実施の形態1において示していない点を中心に説明する。
図3に示す様に、本実施例5の燃料電池システムは、都市ガスを供給する燃料供給部15とを備えている。燃料供給部15の下流側にゼオライト系吸着脱硫部16が設置されており、ゼオライト系吸着脱硫部16の下流のガス流路に水供給部17が接続されている。この水供給部17の下流には水蒸発部18が設置されている。又、改質部1は、円柱状であり、水蒸気改質反応の廃熱を利用できる様に、円柱状の改質部1の外周に水蒸発部18が設置されている。又、改質部1を加熱するための、オフガスバーナーを有する水蒸気改質反応加熱部19が、改質部1の中心に設置されている。この水蒸気改質反応加熱部19は、燃料電池4からのアノードオフガスを燃焼させることによって改質部1の加熱を行う。この配置されたオフガスバーナーの周囲にRu触媒が配置されている。このRu触媒に上方から下方へ水蒸気を含む都市ガスが供給される構成とした。
又、改質部1には0.3LのRu触媒、シフト反応部2に2LのPt/CeZrOx触媒、CO選択酸化反応部3には0.2LのRu触媒をそれぞれ充填した。充填した触媒はCO選択酸化触媒にはハニカム構造の触媒体を、他の触媒にはペレット状の触媒体を用いた。
上記構成の本実施例5における燃料電池システムを用いて以下の実験を行った。
燃料供給部15より4Nl/minの都市ガスと、水供給部17よりS/Cが3となるように調節した改質水とをそれぞれ改質部1に供給した。又、改質部1内のRu触媒が650℃となるように水蒸気改質反応加熱部19の燃焼量を調節した。燃料電池発電部において直流電力が1.2kWとなるように発電させた。カソード用空気とは別に、アノードエアーブリージング用空気、CO選択酸化用空気、パージ用空気に用いる空気に20ppmのトルエンと20ppmの硫化水素を加えた。この空気はCO選択酸化反応部3周囲の熱交換部11に通されて加熱された後、シフト反応部2に接して設置され250℃に保たれたPt/アルミナ触媒からなる触媒燃焼器12に通され、その後シフト反応部2に接して設置され300℃に保たれたCaOを含む硫黄酸化物吸収部13に通された。この硫黄酸化物吸収部13を通じた空気を、CO選択酸化反応部3、アノード触媒にそれぞれ0.5Nl/min、0.3Nl/min供給した。これを燃料電池システムAとした。
この燃料電池システムAを12時間運転後停止し、停止時には水蒸気改質触媒が200℃まで低下した時点で、20ppmのトルエンと20ppmの硫化水素を含む空気を触媒燃焼部12,硫黄酸化物吸収部13を通じて10Nl/minで改質用空気供給部7より10分間流通させ、残留ガスをパージし、冷却させた。12時間後運転させて、12時間運転後停止するDSS(Daily Start−Stop Operation)運転を行ったところ、3000時間運転後でも安定な運転を行えた。
一方、燃料電池システムAにおいて、触媒燃焼部12と硫黄酸化物吸収部13の序列を逆にした燃料電池システムを作成した。同様にDSS運転を行ったところ、上記と比較して燃料電池システムの安定性が低下した。
さらに、燃料電池システムAにおいて、触媒燃焼部12の後に、硫黄酸化物吸収部13の代わりに、ゼオライト(MS4A)からなる硫化水素吸収剤ペレットを充填した硫化水素吸収部を設置した燃料電池システムを作成した。なお、空気は数十度まで冷却されてからゼオライト(MS4A)に通された。そして、同様にしてDSS運転を行ったところ、同様に燃料電池システムの安定性が低下した。
さらに、燃料電池システムAにおいて、触媒燃焼部12、硫黄酸化物吸収部13をなくし、空気をそのまま流通させた燃料電池システムを作成した。用いた空気としては、20ppmのトルエンを加えた空気をアノードエアーブリージング、CO選択酸化、パージ用空気に用いた。同様にしてDSS運転を行ったところ、280h運転を行った時点で、電池電圧が低下し、発電が困難になった。
以上のように、アノードエアーブリージング用空気、CO選択酸化用空気、パージ用空気に用いる空気、つまり、原料あるいは原料から生成される水素リッチガスに混合される空気の供給流路に触媒燃焼部12と、触媒燃焼部12の下流側に硫黄酸化物の吸着剤もしくは吸収剤を有する硫黄酸化物吸収部13とが配置されることにより、触媒燃焼部12は難燃性でかつ揮発性の有機化合物を除去するための不純物除去手段として機能する。また、触媒燃焼部12及び硫黄酸化物吸収部13が硫化水素及び硫黄酸化物に例示される硫黄化合物を除去するための不純物除去手段として機能する。これによって、原料あるいは原料から生成される水素リッチガスに混合される空気の供給源である大気中に難燃性でかつ揮発性の有機化合物及び硫黄化合物が含まれていた場合でも、本発明にかかる燃料電池システムは、特に安定した運転を行うことができた。
(実施例6)
実施例5における燃料電池システムAにおいて、改質反応触媒として、0.3lの1wt%Pt−1wt%Rh/ZrO2触媒を用い、燃料電池システムAを運転中に改質用空気供給部6から空気を供給するオートサーマル反応を行う第2の運転方法を行った。オートサーマル用空気は定格運転時に8Nl/minとなるように供給した。実施例5と同様にDSS試験を行ったが、20ppmのトルエンと20ppmの硫化水素を含む空気を加えても、3000時間運転を継続してもPEFC4は安定した運転が可能であった。
しかし、燃料電池システムAから触媒燃焼部12,硫黄酸化物吸収部13を省いた燃料電池システムを構成して、同様の運転試験を行ったところ、203時間の運転で水素生成器20下流後の水素リッチガスの水素濃度が低下し、すなわち水素生成装置20におけるメタンから水素への転化率が減少し、発電が困難になった。
以上のようにオートサーマル用空気についても、上記実施例5と同様、アノードエアーブリージング用空気、CO選択酸化用空気、パージ用空気に用いる空気、つまり、原料あるいは原料から生成される水素リッチガスに混合される空気の供給流路に触媒燃焼部12と、触媒燃焼部12の下流側に硫黄酸化物の吸着剤もしくは吸収剤を有する硫黄酸化物吸収部13とが配置されることにより、触媒燃焼部12は難燃性でかつ揮発性の有機化合物を除去するための不純物除去手段として機能する。また、触媒燃焼部12及び硫黄酸化物吸収部13が硫化水素及び硫黄酸化物に例示される硫黄化合物を除去するための不純物除去手段として機能する。これによって、原料あるいは原料から生成される水素リッチガスに混合される空気の供給源である大気中に難燃性でかつ揮発性の有機化合物及び硫黄化合物が含まれていた場合でも、本発明にかかる燃料電池システムは、特に安定した運転を行うことができた。
(実施例7)
図4は、本実施例7における燃料電池システムの構成概略図である。本実施例7の燃料電池システムは、実施例5の燃料電池システムの触媒燃焼部12と硫黄酸化物吸収部13の代わりに、実施の形態2で示した硫黄酸化物吸収機能を有している触媒燃焼部14を備えている。これは、燃料電池システムAにおいて、触媒燃焼部にPt/BaO−Al触媒を配置したもので、さらに硫黄酸化物吸収部13をなくしたものである。
アノードエアーブリージング用空気、CO選択酸化用空気、パージ用空気に用いる空気としては、20ppmのトルエンと20ppmの硫化水素を含むものを用いた。触媒燃焼部14は250℃に保った。12時間後運転させて、12時間運転後停止するDSS運転を行ったところ、3000時間運転後でも安定な運転を行えた。
以上のように、貴金属とアルカリ土類金属酸化物を含む燃焼触媒を使用することにより、触媒燃焼部14が、揮発性の有機化合物を除去するための不純物除去手段及び硫化水素及び硫黄酸化物の硫黄化合物を除去するための不純物除去手段として機能する。これによって、原料あるいは原料から生成される水素リッチガスに混合される空気の供給源である大気中に難燃性でかつ揮発性の有機化合物及び硫黄化合物が含まれていた場合でも、本発明にかかる燃料電池システムは、特に安定した運転を行うことができた。
本発明の燃料電池システムは、安定した運転をより長期間にわたり維持することが可能な効果を有し、例えば家庭用コージェネレーション燃料電池システム等として有用である。
本発明にかかる実施の形態1における燃料電池システムの概略図 本発明にかかる実施の形態2における燃料電池システムの概略図 本発明にかかる実施例5における燃料電池システムの概略図 本発明にかかる実施例7における燃料電池システムの概略図
符号の説明
1 改質部
2 シフト反応部
3 CO選択酸化反応部
4 固体高分子型燃料電池(PEFC)
5 硫化水素吸収部
6 改質用空気供給部
7 バルブ
8 CO選択酸化用空気供給部
9 アノードエアーブリ−ジング用空気供給部
10 カソード用空気供給部
11 熱交換部
12 触媒燃焼部
13 硫黄酸化物吸収部
14 触媒燃焼部
15 燃料供給部
16 ゼオライト系吸着脱硫部
17 水供給部
18 水蒸発部
19 水蒸気改質反応加熱部
20 水素生成器

Claims (11)

  1. 炭化水素を含む燃料と水から一酸化炭素を含有する水素リッチガスを生成する改質部と、前記水素リッチガス中の一酸化炭素と水から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応部と、前記シフト反応部にて、除去されなかった前記水素リッチガス中の一酸化炭素をより低減するための一酸化炭素除去部とを有する水素生成器と、
    前記水素生成器から供給される前記水素リッチガスと酸化剤ガスによって発電を行う燃料電池と、
    前記燃料の流通方向を基準として、(1)前記改質部の上流、又は(2)前記一酸化炭素除去部と前記燃料電池の間の少なくとも1箇所に空気を供給する空気供給部と、
    前記空気に含まれる不純物ガスを除去する不純物除去手段とを備えた燃料電池システム。
  2. 前記燃料の流通方向を基準として、前記改質部の上流に空気を供給する空気供給部と、
    硫黄化合物を前記空気から除去する不純物除去手段と、を備えた、請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料の流通方向を基準として、前記一酸化炭素除去部と前記燃料電池の間に空気を供給する空気供給部と、
    アンモニア、アミン、脂肪酸、硫化水素及びアルデヒドを前記空気から除去する不純物除去手段と、を備えた、請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 前記改質部は、炭化水素を含む燃料と水と空気から一酸化炭素を含有する水素リッチガスを生成する改質部である請求項1記載の燃料電池システム。
  5. 前記不純物除去手段は、硫化水素の吸着剤若しくは吸収剤を有している請求項1記載の燃料電池システム。
  6. 前記不純物除去手段は、硫黄酸化物の吸着剤若しくは吸収剤を有している請求項1又は2記載の燃料電池システム。
  7. 前記不純物除去手段は、触媒燃焼部を有している請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 前記空気の流通方向を基準とすると、
    前記不純物除去手段は、前記硫黄酸化物の吸着剤若しくは吸収剤の上流に、触媒燃焼部をさらに有する請求項6記載の燃料電池システム。
  9. 前記触媒燃焼部は、前記水素生成器と熱交換可能な位置、又は前記水素生成器の加熱に使用された燃焼排ガスと熱交換可能な位置に配置されている請求項7に記載の燃料電池システム。
  10. 前記硫黄酸化物の吸着剤若しくは吸収剤は、前記水素生成器と熱交換可能な位置、又は前記水素生成器の加熱に使用された燃焼排ガスと熱交換可能な位置に配置されている請求項6に記載の燃料電池システム。
  11. 前記触媒燃焼部は、前記硫黄酸化物の吸着剤若しくは吸収剤と兼ねられ、貴金属とアルカリ土類金属を含む触媒を有しており、前記水素生成器と熱交換可能な位置、又は前記水素生成器の加熱に使用された燃焼排ガスと熱交換可能な位置に配置されている請求項8記載の燃料電池システム。
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