JP2006105651A - サーモパイル素子及びそれを用いた赤外線センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】前記赤外線センサを構成するセンサチップ基板上の冷接点の温度を正確に検出するための温度補償用の感熱素子を載置したサーモパイル素子及びそのサーモパイル素子を用いた赤外線センサを提供すること。
【解決手段】基板と、該基板に設けたメンブレンと、該メンブレンの周辺部に形成されたヒートシンク部と、前記メンブレンと前記ヒートシンク部に配列された複数の温接点部と冷接点部からなる熱電対列と、前記ヒートシンク部上に形成された凹部内に感熱素子を収納固定した構造とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は非接触で温度計測するサーモパイル素子に関し、詳しくは前記赤外線センサを構成するセンサチップ基板上の冷接点の温度を正確に検出するための温度補償用の薄膜サーミスタ素子を載置したサーモパイル素子及びそのサーモパイル素子を用いた赤外線センサに関するものである。
従来、物体の表面温度を非接触で検知する赤外線検出器の一例として、熱型赤外線検出器が知られている。
熱型赤外線検出器は、非接触で高温の物体や移動物体の表面温度を測定するセンサで、被検知体から放射される赤外線エネルギによって赤外線検出部の温度が上昇し、感熱抵抗体の抵抗変化や熱電対の電圧変化で温度を検出することによって被検知体の表面温度を測定するものである。そして被検知体から放射される赤外線量は微弱なため、それを受けるセンサの感熱部には小さな熱容量、高い赤外線吸収特性、そして製作の面からは高精度な素子製造技術が要求されるために、一般に半導体微細加工技術を用いて形成されている。
特開平5−90646号公報に開示されたサーモパイル型赤外線センサに備えられたサーモパイルは、シリコン基板の裏側に相当する部分の基板を異方性エッチングで除去したピット部を形成し、絶縁膜を周辺のみで支持するメンブレンの構造を有し、このメンブレン上に赤外線検出部として異種金属からなる熱電対の温接点部をメンブレン上に配置し、メンブレン周辺のヒートシンク上に冷接点を配置した構造を備えている。このように構成することにより、赤外線検出部とヒートシンクヒートシンクること との間の熱抵抗が大きくなるために赤外線検出部の熱容量を非常に小さくする事ができ、高速応答で高感度な赤外線検出器を実現する事が可能となった。このように構成されたサーモパイルには、測定対象の温度を正確に測定するために温度補償用のサーミスタとして薄膜サーミスタが冷接点部付近に設置されている。即ち、前記基板のヒートシンク上に金属酸化物からなる薄膜サーミスタ材料を形成し、フォトエッチングして薄膜サーミスタを形成し、さらにその上に櫛形の形状を有するサーミスタ電極を形成して、冷接点温度を測定するための薄膜サーミスタを設置したサーモパイル型赤外線センサを構成している。この薄膜サーミスタによって冷接点部の温度変化を正確に測定することで、測定対象の正確な温度を検出することができるものである。
また、前記で示したような薄膜サーミスタをヒートシンク上に形成する構造とする代わりに、チップサーミスタをヒートシンク上に載置したサーモパイル装置の構造が特開平2003−65854号公報に開示されている。即ち、このサーモパイル装置は、薄膜部と該薄膜部の周辺部に設けられたヒートシンク部と、前記薄膜部上と前記ヒートシンク部上にまたがるとともに前記ヒートシンク部上に冷接点部が位置するように形成された複数の熱電対とを備えたサーモパイル素子と、このサーモパイル素子の前記冷接点上に搭載されたチップサーミスタで構成されたものである。このような構成にすることによって、雰囲気温度の変化に対して熱電対の冷接点の温度とチップサーミスタの温度を素早く時間差なく追随させることができ、環境変化によらず精度の高い温度測定が可能になるというものである。
特開平5−90646号公報 特開平2003−65854号公報
前者で開示されたサーモパイル型赤外線センサにおいては、ヒートシンク上に薄膜サーミスタを設け、この薄膜サーミスタは金属酸化物をスパッタリングによって形成するものである。しかしながら、薄膜サーミスタを構成する金属酸化物膜を形成した後には、一般に400〜900℃の高温で熱処理しなければならず、さらに形成した薄膜サーミスタ上にガラス膜等の保護膜を形成した後にも熱処理が必要であり、このような高温による熱処理を繰り返すことによってサーモパイルを支えているメンブレンが熱変形したり、クラックの発生や割れる等、サーモパイルとして完成した製品において特性不良品が増加して製品歩留まりが低下する欠点があった。このようなことから、金属酸化物からなる薄膜サーミスタをサーモパイルを構成する基板上に搭載することは技術的に非常に難しいのが現状である。また、サーモパイルが良品であっても薄膜サーミスタが不良品となれば完成した製品は不良となってしまい歩留まりが大幅に低下してしまう問題がある。
さらに、後者で開示されたサーモパイル装置の場合は、ヒートシンク部上にチップサーミスタが搭載されている構造であり、チップサーミスタがヒートシンク部に接触している面は一面のみであって他の面は周囲雰囲気に露出した構造である。このために、周囲雰囲気の変動に影響されやすく、ヒートシンク部の冷接点温度を正確に検知することは難しく上記したようにチップサーミスタの一面のみがヒートシンク部に接触した構造のためにその熱応答性の遅れの問題があり冷接点温度の変化を素早く検知できない問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するための薄膜サーミスタ素子を搭載したサーモパイル素子の構造を示し、高感度なサーモパイル素子を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、基板と、該基板に設けたメンブレンと、該メンブレンの周辺部に形成されたヒートシンク部と、前記メンブレンと前記ヒートシンク部に配列された複数の温接点部と冷接点部からなる熱電対列と、前記ヒートシンク部上に形成された凹部内に薄膜サーミスタ素子を収納固定したことを特徴とするサーモパイル素子である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記感熱素子が、薄膜サーミスタ、チップサーミスタの何れかを用いたことを特徴とする請求項1に記載のサーモパイル素子である。
また、請求項3に係る発明は、前記サーモパイル素子をステム上に搭載し、前記サーモパイル素子を構成する前記熱電対列の出力端子と前記薄膜サーミスタ素子が接続された引出用パッド部とを前記ステムに設けたピン端子に電気的に接続した後、赤外線を選択的に透過する窓材が設けられたキャンケースと前記ステムを封止したことを特徴とする請求項1、2に記載のサーモパイル素子を用いた赤外線センサである。
本発明のサーモパイル素子によれば、基板と、該基板に設けたメンブレンと、該メンブレンの周辺部に形成されたヒートシンク部と、前記メンブレンと前記ヒートシンク部に配列された複数の温接点部と冷接点部からなる熱電対列と、前記ヒートシンク部上に形成された凹部内に薄膜サーミスタ素子を収納固定した構造とすることによって、直方体の形状を有する薄膜サーミスタ素子の5つの面が凹部内に位置することになり、ヒートシンク部の温度変化を正確に、そして素早く検知することができ精度の高い温度測定が可能になる。
以下、図面に従って本発明の実施例について説明する。図1は本発明のサーモパイル素子の構造を示す一部破断拡大斜視図であり、図2は図1のA−A線で切断した断面図である。図3は本発明のサーモパイル素子を用いた赤外線センサの展開斜視図である。
図1および図2において、シリコン基板1の一面に二酸化ケイ素または窒化ケイ素等の絶縁膜3が設けられ、基板1の裏面側から異方性エッチングによって空洞部2が形成されている。空洞部2上には絶縁膜3からなるメンブレン4を形成している。さらに前記メンブレン4上には異種金属からなる熱電対の温接点部5が、そしてメンブレン周辺のヒートシンク部7には冷接点部6が配置されて、これら熱電対は複数個直列に接続された熱電対列を形成している。また熱電対列の温接点部5には黒体等の赤外線吸収体8が載置されている。ヒートシンク部7には、薄膜サーミスタ素子10が収納できる大きさの凹部9が形成され、薄膜サーミスタ素子10をこの凹部9に収納固定した後、薄膜サーミスタ素子10の電極部11とヒートシンク部7に設けられた引出用パッド部12とをワイヤーボンディング等の接続手段によって接合する。薄膜サーミスタ素子10の大きさは、長さ0.4mm×幅0.1mm×厚み0.05mmでサーミスタ薄膜は金属酸化物のターゲットを用いたスパッタリング法を用いて形成される。このようにして構成されたサーモパイル素子13は、図3に示すように、ステム14の中央部にサーモパイル素子13を載置し、サーモパイル素子13の出力端子16および薄膜サーミスタ素子10の電極部とワイヤーボンディングされた引出用パッド部12とをステム14上に設けたピン端子15にワイヤーで接続される。そしてこのサーモパイル素子13を覆うように、赤外線を選択的に透過させるための窓材17が設けられたキャンケース18をステム14に溶接して密封し赤外線センサが完成する。またサーモパイル素子は、上記実施例の他に、空洞部を有したアルミナなどの絶縁基板に、熱電対列を形成した絶縁膜を貼着してメンブレンを形成し、メンブレン周辺のヒートシンク部にチップサーミスタが収納できる大きさの凹部を形成してチップサーミスタ素子を収納固定し、チップサーミスタの電極とヒートシンク部に設けた引出用パッド部とをワイヤーボンディング等の手段によって接合して作製してもよい。
完成した赤外線センサは、被測定体から発せられる赤外線をサーモパイル素子の赤外線吸収体で受光することによってメンブレンの温度が上昇し、サーモパイル素子の温接点部と冷接点部との間に温度差が生じる。この温度差によって生じる起電力をサーモパイル素子の出力電圧としてサーモパイル素子の出力端子から取り出す。同時に冷接点部の温度を基板のヒートシンク部に形成した凹部内に収納固定した薄膜サーミスタ素子によって抵抗値の変化として素早く検知して、入射した赤外線量を正確に測定して被測定体の温度を正確に測ることができる。
本発明のサーモパイル素子の構造を示す一部破断拡大斜視図である。 図1のA−A線で切断した断面図である。 本発明のサーモパイル素子を用いた赤外線センサの展開斜視図である。
符号の説明
1 シリコン基板
3 絶縁膜
4 メンブレン
5 温接点部
6 冷接点部
7 ヒートシンク部
9 凹部
10 薄膜サーミスタ素子
11 電極部
12 引出用パッド部
13 サーモパイル素子
14 ステム
15 ピン端子
16 出力端子
17 窓材
18 キャンケース

Claims (3)

  1. 基板と、該基板に設けたメンブレンと、該メンブレンの周辺部に形成されたヒートシンク部と、前記メンブレンと前記ヒートシンク部に配列された複数の温接点部と冷接点部からなる熱電対列と、前記ヒートシンク部上に形成された凹部内に感熱素子を収納固定したことを特徴とするサーモパイル素子。
  2. 前記感熱素子が、薄膜サーミスタ、チップサーミスタの何れかを用いたことを特徴とする請求項1に記載のサーモパイル素子。
  3. 前記サーモパイル素子をステム上に搭載し、前記サーモパイル素子を構成する前記熱電対列の出力端子と前記薄膜サーミスタ素子が接続された引出用パッド部とを前記ステムに設けたピン端子に電気的に接続した後、赤外線を選択的に透過する窓材が設けられたキャンケースと前記ステムを封止したことを特徴とする請求項1、2に記載のサーモパイル素子を用いた赤外線センサ。
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