JP2006181574A - 実験用遠心分離機のロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】遠心分離容器のがたつきを防止する実験用遠心分離機のロータ、及び実験用遠心分離機のロータで使用され、サンプル容器を適合させるためのアダプタにを提供する。
【解決手段】ロータは、少なくとも1つの押さえ付けエレメントを備え、これにより少なくとも1つの遠心分離容器がロータに保持されるとともに、その軸方向の変位が抑制される。更に、ロータ上の少なくとも1つの遠心分離容器に接触圧力を生じさせがたつきを防止することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも1つの遠心分離容器を適合させる構成の実験用遠心分離機のロータ、及び実験用遠心分離機のロータで使用され、サンプル容器を適合させるためのアダプタに関する。
現状において、遠心分離容器は、遠心分離をかけようとするサンプルが収容されるサンプル容器である。他方、遠心分離容器は、ロータに挿入することができ、かつこれに次いでサンプル容器が配置されるアダプタである場合もある。
本発明は、好ましくは、ロータの軸周りに同心に設けられた、環状溝として構成される環状の円周トラフを有する固定角のロータに関するものである。この環状トラフは、遠心分離容器を適合させる構成のものである。この環状トラフにおいて、遠心分離容器は、周方向に互いに間隔を空けて配置され、かつロータの軸に対して内向きに所定の角度だけ傾斜させて設けられ、いずれの場合もその上端部がロータの中心に対して最も近接する。この上端部は、遠心分離容器の開口を含むものであり、いずれの場合もロータの開口に向けて配置される。
従来技術から知られるロータは、遠心分離容器をロータに対してその上部の開口を介して軸方向に押し込むことができるように構成されているのが一般的である。有負荷プロセス若しくは無負荷プロセスの間、又は運転時においてもまた、遠心分離容器が運転ポジションから偶発的に動かされる場合がある。実際には、サンプル容器が動かされる場合に、サンプル容器が配置されているアダプタがロータからサンプル容器とともに不注意に動かされることがある。また、遠心分離容器の環状トラフからの意図によらない移動、又は遠心分離容器の環状トラフにおける遊びをもった接触は、遠心分離機の運転にがたつきを生じさせる原因となる。
本発明は、実験用遠心分離機のロータ及びこの遠心分離機用のアダプタを提供し、これにより遠心分離機の取り扱い及び安定性、ならびにその運転性を向上させることを目的とする。
この目的は、少なくとも1つの押さえ付けエレメントを設けることによりロータについて達成され、この押さえ付けエレメントにより少なくとも1つの遠心分離容器がロータに保持され、かつその軸方向の変位が抑制される。本発明に係る押さえ付けエレメントの存在により、遠心分離容器が軸方向に固定され、かつこれにより遠心分離容器の意図によらない又は許容されていないずれが防止される。また、軸方向の変位を確実に防止するため、押さえ付けエレメントを採用し、ロータに押さえ付けられる少なくとも1つの遠心分離容器に接触圧力を生じさせるとよい。このため、長手軸方向に作用する力を、この少なくとも1つの押さえ付けエレメントを介して少なくとも1つの遠心分離容器に働かせる。接触圧力の形成は、環状トラフの円周に亘り配置される複数の遠心分離容器が存在する場合に、特に好ましいものである。遠心分離容器が実質的に一様に配置される場合は、環状トラフは、スポークホイールに近似した態様で支えられ、たとえば、遠心分離プロセスにおいて、不均一な負荷による遠心分離機の楕円形化が回避される。少なくとも1つの押さえ付けエレメントによる遠心分離容器に対する長手軸方向の力の付与は、そのスポーク効果を高め、遠心分離機の補強を更に向上させる。また、これと同時に、少なくとも1つの遠心分離容器のロータにおける支えの安定性が更に改善される。接触圧力の存在により、遠心力からのストレスに対してロータ本体が安定する。
押さえ付けエレメントにより遠心分離容器を軸方向に遊びのない状態でロータに保持してもよく、これによりロータにおける遠心分離容器の支えが安定する。遠心分離容器の意図によらないずれがこのように回避されることで、取り扱い性が向上する。また、意図によらないずれの間におけるサンプル容器の破損の危険が解消される。従来技術と比較すると、遠心分離機の運転時に使用者により求められる注意が軽減される。
押さえ付けエレメントは、ロータにおいて、複数の遠心分離容器を同時に保持する構成のものであるとよい。これによれば、製造及び操作が容易になるという利点が得られる。理論的には、押さえ付けエレメントは、与えられたあらゆる数の遠心分離容器を固定し、これによりロータに配置された全ての遠心分離容器の軸方向のずれが回避されるように構成することが可能である。他方、ロータに複数の押さえ付けエレメントを設けることも可能である。ロータ及び遠心分離容器の構成及びデザインに応じ、材料上の要求と製造コストとが適切なものとなるように、押さえ付けエレメントの数を選択することができる。押さえ付けエレメントを複数の部分からなる構成とすることも可能である。これは、たとえば、ロータのジオメトリにより一体の構成では押さえ付けエレメントを設置することが困難であり、個々の押さえ付けセグメントを設置する方が容易である場合に有利である。
本発明の一形態において、押さえ付けエレメントは、ロータに対して取り外し可能に固定される。固定した状態において、押さえ付けエレメントにより遠心分離容器の軸方向のずれが防止される。押さえ付けエレメントは、遠心分離容器をロータから取り外すため、事前にロータから取り外されなくてはならない。逆に言えば、遠心分離容器は、押さえ付けエレメントをロータに設置する前に使用されなければならない。遠心分離容器がアダプタとして構成される場合は、押さえ付けエレメントは、これがアダプタのみをロータに保持することで、サンプル容器をアダプタに挿入し、かつアダプタから取り出すことのできる構成であるとよい。設置した状態において、押さえ付けエレメントは、正の嵌め合い(a positive fit)により遠心分離容器に接続されるとよい。
理論的には、押さえ付けエレメントは、ネジ、ボルト、クランプ等の従来知られたあらゆる締結手段を使用してロータに固定することが可能である。押さえ付けエレメントをロータにねじ込むことができるように、押さえ付けエレメントにネジ部を形成し、これに対応する相手方のネジ部をロータに形成するとよい。これは、押さえ付けエレメントをロータに取り付けるために付加的な締結手段が必要とされないにも拘わらず、押さえ付けエレメントをロータから容易に取り外すことができる点で有利である。
遠心分離容器をロータに挿入し、かつロータから取り出すことを可能とし、かつ同時に、押さえ付けエレメントを設置し又は取り外すことを必要とせずに遠心分離容器がロータに保持されることを確実なものとするため、押さえ付けエレメントは、保持ポジションと解放ポジションとの間で位置させることができるように、すなわち、保持状態と解放状態とにし得るように構成されるとよい。これにより、遠心分離容器を迅速、かつ容易に交換することが可能となり、ロータがより使用し易いものとなる。押さえ付けエレメントは、少なくとも遠心分離プロセスの間に保持ポジションに配置されるのが好ましい。これにより、遠心分離容器は、遠心分離プロセスの間、ロータに確実に固定されることとなり、損傷を受けることがない。逆に言えば、押さえ付けエレメントは、遠心分離容器をロータに挿入し、又はこれをロータから取り出すために解放ポジションに配置される。
他の形態では、押さえ付けエレメントが正の嵌め合いにより遠心分離容器に接続されるのが好ましい。この正の嵌め合いにより遠心分離容器に対する押さえ付けエレメントの安定した、かつ確実な接続が達成され、ロータにおける遠心分離容器の保護全般が改善される。
確実なベアリングを同時に達成しつつ、最も簡単で可能な態様の正の嵌め合いを形成するため、押さえ付けエレメントは、遠心分離容器にかかるロックとして機能する構成とされる。押さえ付けエレメントは、保持ポジションで遠心分離容器に対してこのロックの作用を働かせる。押さえ付けエレメントの各部を又は押さえ付けエレメントを全体としてロックエレメントとして機能させることが可能である。1つの例において、押さえ付けエレメントは、ロックエレメントとして設けられた部分のみが保持ポジションと解放ポジションとの間で位置可能に構成されるのがよい。これに対し、他の例では、押さえ付けエレメントは、その全体が2つのポジションの間を移動可能に構成される。
本発明の具体的な例の1つにおいて、ロックエレメントは、回転式又は回り継ぎ手式のロックとして構成される。ロックエレメントは、回転の点、すなわち、回転軸を有し、ロックエレメントは、回転し又は旋回することにより保持ポジションと解放ポジションとの間をこの軸を中心として前後に動かされる。理論的には、ロックエレメントの回転面又は旋回面は、ロータの軸に対して水平、垂直又は斜めのあらゆる位置に形成することが可能である。ロックエレメントの正確な位置決めのため、保持ポジション及び解放ポジションの双方についてストッパを設けるとよい。
また、ロックエレメントが2つのポジションの間を変位し得るように構成するのが好ましい。理論的には、この動作は、与えられたあらゆる軸を中心として行わせることが可能であり、ロックエレメントは、これが用いられるロータの特定のジオメトリに対して適切に適合させることが可能である。この変位は、ロータの軸に対して実質的に垂直であるのが特に好ましい。ロックエレメントの旋回動作と同様に、この変位についても2つのポジションにストッパが設けられるとよい。理論的には、旋回若しくは回転及び変位の組み合わせの動作、又は他のあらゆる動作が可能である。
理論的には、押さえ付けエレメントは、使用者により手動で操作されるように構成してもよい。押さえ付けエレメントは、手動操作によらずに2つのポジションの間で位置させ得るものであるのが好ましい。このため、押さえ付けエレメントは、セルフロックを行う構成であるとよい。言い換えれば、押さえ付けエレメントを手動又は機械的なアクチュエータによらずに保持ポジションに動かし、遠心分離容器を固定することが可能である。このセルフロックは、通常において、外的な影響因子、たとえば、遠心力の作用又は上昇した空気の圧力が変化する結果として引き起こされる。セルフロックは、少なくとも遠心分離プロセスの間、維持され得るべきである。この点において、既述のように、押さえ付けエレメントを動かすためにアクチュエータが必要とされず、ロータのデザイン及び取り扱い性が更に改善されるとよい。
更に、これに代わるものとして、押さえ付けエレメントに駆動部が設けられ、これにより押さえ付けエレメントが解放ポジション及び保持ポジションの間で動かされるのが好ましい。この点において、押さえ付けエレメントの確実な、かつ自動による位置決めが可能であるとよい。この駆動部は、空気の作用によるものであるか、バネの力により駆動されるものでるか、あるいは電気モータとして構成されるのが好ましい。理論的には、従来技術から知られる他のいかなる形式の駆動部を採用することもできる。
押さえ付けエレメントに駆動部が設けられる場合は、押さえ付けエレメントを制御し、その位置決めを規定し得る制御デバイスが設けられるとよい。この制御デバイスは、所定のパラメータに基づいて前記位置決めを達成する自律システムとして構成することが可能であり、また、ロータの駆動部等の他のシステムと接続することもできる。押さえ付けエレメントの制御性により、ロータの取り扱いが簡素化され、自動化のレベルが向上する。
押さえ付けエレメントは、ロータの運転状態(たとえば、遠心力の大きさ、回転速度の高さ又はロータ駆動の状態)に応じて配置されるとよい。押さえ付けエレメントの位置決めがこれらのパラメータのうち1又はそれ以上のものに依存することには、押さえ付けエレメントがロータの運転状態に応じて常に適切な位置にあるという利点がある。基本的には、ロータの運転状態が依存する他のあらゆるパラメータを、押さえ付けエレメントの位置決めのための変数として採用することが可能である。
押さえ付けエレメントの遠心分離容器に対する正の嵌め合いによる接続に代えて、押さえ付けエレメントを摩擦による嵌め合い(a friction fit)により遠心分離容器に接続するのが好ましい。この摩擦嵌めの結果として、軸方向の変位を確実に防止することに加えて、押さえ付けエレメントによりロータ本体に接触圧力がかかり、これにより遠心分離容器のロータにおける支えがより確実となり、かつ遠心力により作用するロータトラフの補強が改善される。押さえ付けエレメントが解放ポジションと保持ポジションとの間で動かし得るものである場合は、保持ポジションで摩擦嵌めが形成されるとよい。
正の嵌め合いは、押さえ付けエレメントのウェッジ効果により遠心分離容器上に生じさせるものであるのが好ましい。この点において、保持ポジションにストッパがなく、押さえ付けエレメントが、可能な限りで最大のウェッジングを達成して、可能な限りで最大の接触圧力を形成するまで保持ポジションの方向に動かされる構成であるとよい。また、摩擦嵌めを摩擦による噛み合いとして形成することとしてもよい。この点において、押さえ付けエレメントが、遠心分離容器に対して横方向に接触し、遠心分離容器の軸方向の変位を抑制するのに充分な大きさの摩擦力を作用させるとよい。遠心分離容器の側壁上での押さえ付けエレメントによる平面的な接触により、摩擦効果が増大する。
これに代えて、弾性力により摩擦嵌めを形成するのも好ましい。ロータと特定の遠心分離容器との間に少なくとも1つのバネエレメントが配置されるとよい。バネエレメントにより、遠心分離容器上に保持力が作用する。バネエレメントは、遠心分離容器に対して横方向若しくは軸方向に、又は他の方向から噛み合わせることが可能である。
バネエレメントは、キャッチエレメント及びその相手側部分からなるキャッチロックとして構成されるのが好ましく、一方が押さえ付けエレメントに、他方が遠心分離容器に設けられる。キャッチエレメントは、相手側部分に対して弾性力に抗して噛み合わせることが可能である。
また、バネエレメントは、ゴム製のエレメントとして構成されるのが好ましく、好ましくは、ロータ本体と遠心分離容器との間に配置される。このゴムエレメントは、ビード、円周リップ又はニブ(nib)として構成することが可能である。円周リップの例において、ゴムエレメントは、ロータハブ上に配置された、ロータの軸と同心のOリングとして構成されるのが好ましい。複数のゴムエレメントにより、1つの遠心分離容器をロータに保持することも可能である。遠心分離容器をロータに挿入することによりゴムエレメントが圧縮され、これにより遠心分離容器に接触圧力が作用する。同時に、遠心分離容器にも接触圧力が作用する。また、ゴムエレメントは、挿入した状態にある遠心分離容器の真上に位置させてもよい。この形態において、ゴムエレメントは、遠心分離容器が挿入されるときに圧縮され、遠心分離容器が完全に挿入された後に復元する。ゴムエレメントは、このようにして遠心分離容器の上端部に接触し、相当な力をかけなければ動かすことのできない、軸方向の変位に対する抵抗を生じさせる。バネエレメントがゴムエレメントである形態における利点は、製造が簡単で、経済的なことである。
他の好ましい形態において、押さえ付けエレメントは、少なくとも1つの遠心分離容器に対して、保持ポジションでその上端部端面に接触させる。複数の遠心分離容器が設けられる場合は、押さえ付けエレメントは、個々の遠心分離容器の端面に接触させるのが好ましい。押さえ付けエレメントの遠心分離容器の端面との接触により、遠心分離容器の軸方向の変位を防止するのに必要とされる力が最小限に抑えられる。遠心分離容器の端面は、平坦な形状であるのが好ましく、押さえ付けエレメントは、この端面に対して平面で接触する。平坦なベアリング面が形成され、点に特定した支えによる場合よりも良好に力が伝達される。遠心分離容器がアダプタの形態として構成される場合は、押さえ付けエレメントは、サンプル容器が差し込まれるアダプタの開口が塞がれることのないように、その端面のエッジ部分でこのアダプタと接触させるとよい。
また、押さえ付けエレメントは、遠心分離容器の側壁に接触させるのが好ましい。理論的には、押さえ付けエレメントを遠心分離容器の複数の側壁に接触させ、又は円周に亘って接触させることが可能である。この形態は、遠心分離容器に対して摩擦係合により接続される押さえ付けエレメントへの適用に特に好ましいものである。
更に、代わりとして、遠心分離容器の側壁に、押さえ付けエレメントが係合する肩部が設けられるのが好ましい。この点において、押さえ付けエレメントは、遠心分離容器をロータに保持するために印加される力が比較的に小さくなるように、この肩部との接触により軸変位の方向とは正反対に作用させるとよい。肩部は、ロック接続のための相手側部分として構成することも可能である。
更に別の好ましい形態において、押さえ付けエレメントは、ロータに対して同心に配置された環状ディスクとして構成される。モータの軸に適合させるため、実験用遠心分離機のロータには、ほぼ中心に位置させたハブが設けられており、その周りに環状ディスクが設けられる。この環状ディスクは、ロータに対して取り外し可能に固定することが可能であり、また、保持ポジションと解放ポジションとの間で動かすこともできる。後者の例において、環状ディスクは、回転リングとして構成されるとよく、設置した状態(すなわち、保持ポジション)において、遠心分離容器の端面に接触する。環状ディスクは、ロータに存在する全ての遠心分離容器について軸方向の変位を抑制する態様で構成されるのが好ましい。この点において、環状ディスクは、製造が簡単な押さえ付けエレメントの、容易に構成される形態を具現したものであるとよい。更に、全ての遠心分離容器をロータに保持するには、少なくとも1つの環状ディスクが必要とされる。環状ディスクは、ロータの軸から視認されるように、内側のエッジ部分に接触する構成であるとよい。しかしながら、理論的には、遠心分離容器の中央又は外側のエッジ部分で接触させることも可能である。
他の形態において、押さえ付けエレメントは、軸方向の変位ばかりでなく、遠心分離機の周方向の変位をも抑制するように構成される。これは、遠心分離容器の周方向の変位に対する保護としてロータに付加的なエレメントを設ける必要がなく、ロータの製造が簡素化される点で有利である。
遠心分離容器は、基端部に向けてテーパが付された円錐の形状であるとよい。押さえ付けエレメントが遠心分離容器に対して軸方向に力をかける場合は、この形態では、円錐の形状である結果として、遠心分離容器とロータとの間にウェッジ効果を生じさせるのが好ましい。このウェッジ効果は、遠心分離容器に付加的な保持力として作用するものであり、これにより支えが更に改善される。
別の好ましい形態では、少なくとも1つの押さえ付けエレメントがロータの蓋部に一体化される。これにより、ロータの各部品の数が減少されるとともに、押さえ付けエレメントの設置が不要とされ、取り扱い性が改善される。この形態において、押さえ付けエレメントは、たとえば、蓋部の下側に設けられ、接近した状態で遠心分離容器の端面に接触する円周のビード又はリッジとして構成することが可能である。また、個々の突起を設けた構成することもでき、各突起により1つの遠心分離容器が押さえ付けられる。ネジキャップのほぼ中心で蓋部がロータに取り付けられる場合は、押さえ付けエレメントを通してのネジ接続を強化することで、遠心分離容器にテンションが作用し、これにより遠心分離容器のスポーク効果が改善される。
既に述べたように、アダプタのスポーク効果は、少なくとも1つの押さえ付けエレメントを手段として縦方向の力を作用させることにより更に改善される。環状トラフの安定性に関するこの間接的な改善に加えて、押さえ付けエレメントを環状トラフの補強として構成することで、環状トラフの安定性を少なくとも1つの押さえ付けエレメントにより直接的に改善してもよい。これは、たとえば、押さえ付けエレメントを、たとえば、個々の遠心分離容器の間の領域において、環状トラフの外壁及び内壁の間で径方向に設けることにより達成することが可能である。押さえ付けエレメントが圧力サポートとして機能し、部分的な負荷によりロータに生じる楕円形化が抑制される。
本発明の目的は、実験用遠心分離機のロータで使用され、サンプル容器を適合させるためのアダプタの採用によっても達成され、このアダプタに少なくとも1つの押さえ付けエレメントが設けられ、これによりアダプタがロータに保持され、軸方向の変位が抑制される。
好ましい形態では、1つのアダプタに複数の押さえ付けエレメントが設けられ、このアダプタを協働してロータに保持する。この点において、大きな力がこの方法により吸収され、ロータにおけるアダプタの支えが確実なものとなるとよい。
押さえ付けエレメントは、ロータに設けられる相手側部分と噛み合うキャッチエレメントとして構成されるとよい。ロックによる接続が取り外し可能に形成され、ロータへの又はロータからのアダプタの容易な挿入及び取り外しが確保される。
また、押さえ付けエレメントは、バネエレメントとして構成されてもよい。バネエレメントは、ロータに弾性力が働くことによりアダプタがロータに保持されるように、アダプタとロータとの間に配置される。バネエレメントは、ゴム製のエレメントを含んで構成されるとよく、これは、アダプタを中心としたゴム製の円周リングとして構成されるのが好ましい。理論的には、ゴムエレメントは、ビード、ニブ又は従来技術から知られる他の形態のものとして構成することが可能である。アダプタを挿入した状態でゴムエレメントがロータ内で圧縮され、これにより保持力が形成されるように、ゴムエレメントは、そのアダプタを越える突出がアダプタとロータとの間の距離よりも大きくなるように寸法が定められる。この方法によれば、押さえ付けエレメントを容易、かつ経済的に製造することが可能となる。
本発明は、図面に記載された例を参照して以下に説明される。これらの例は、単に説明を目的としたもので過ぎず、本発明をこれに限定するものではない。
図面に示された本発明の多様な実施形態において、一致する構成には、同一の符合が付されている。
図1は、実験用遠心分離機のためのロータ10の断面を示している。ロータ10は、上向きにテーパが付されたロータ本体11を有する切頭円錐の形状をなしている。環状トラフ13は、ロータの軸12と同心に配置され、ロータ10の外側部分に形成されている。環状トラフ13の内部には、サンプル容器5を適合させる構成のアダプタ14が規則的な間隔で周方向に配置されている。サンプル容器5は、その上端部に蓋3を有し、サンプル液4で満たされている。
アダプタ14は、実質的には、底部で閉じ、かつ上端面で開口する中空のシリンダとして構成されている。環状トラフ13の外壁には、各々に1つのアダプタ14が正の嵌め合いで適合され、アダプタ14を周方向に固定するように構成された円弧状のリセス2が形成されている。アダプタ14は、これにより実質的にその縦方向の軸6に沿ってのみ移動させることが可能である。図1は、ロータ10が、キャップ締結ネジ17により締め付けられるロータキャップ15を有することも示しており、このキャップ締結ネジ17は、ロータハブ16に対してネジ部18によりねじ込まれている。
ロータ本体11の表面部分は、環状トラフ13とロータハブ16との間において、ロータの軸12に対して垂直に配列された平坦なベアリング板19として構成されている。環状ディスク20として構成された押さえ付けエレメントは、このベアリング板19上に置かれている。環状ディスク20は、ネジ21によりロータ本体11に固定されている。環状ディスク20の外端部は、傾斜した端面がアダプタの軸6に対して略垂直に位置するように、上部から底部に向けて内向きに傾斜している。端部が傾斜した環状ディスクは、アダプタ14の内端部と実質的に同一平面内にある。環状ディスク20は、アダプタ14の開口22が塞がれず、サンプル容器5が妨げられることなくアダプタに挿入され、かつアダプタから取り出され得るように、アダプタ14の端部で終結している。環状ディスク20が装着された状態では、ネジ21を締め付けることによりアダプタ14に力が作用する。この力は、アダプタ14の基端部とロータ本体11との間に接触圧力を生じさせる。これにより、アダプタ14が環状トラフ13のスポークとして機能し、これを補強する。たとえば、遠心分離プロセスの間における不均一に分散した負荷に起因するロータ本体の楕円形化は、周方向におけるアダプタの一様な配置により回避される。アダプタの端部に対し、アダプタの軸6に対する斜めの角度で力を伝達させるため、力は、横方向の成分を有する。この横方向の力は、アダプタ14にウェッジ効果を及ぼし、これによりアダプタの支えが更に安定する。
図2は、図1のものと近似するが、キャップ及びキャップ締結ネジのないロータ10の破断斜視図である。回転式ロックとして構成される環状ディスク20は、ロータの軸に向けて傾斜したアダプタ14の内端部と接触し、全てのアダプタ14をロータ10に保持している。環状ディスク20には、長円形の孔8が設けられている。ベアリング板19には、垂直に突出するボルト9が設けられており、このボルト9は、孔8を介して突出し、その上端には、頭部が設けられている。環状ディスク20がベアリング板19から取り外されることのないように、この頭部の直径は、孔8の幅よりも大きな値を有する。環状ディスク20には、その外端部にリセス7も設けられている。環状ディスク20が矢印の方向に停止するまで動かされることで、リセス7が夫々アダプタ14の内端部と一列に並び、これによりアダプタが解放され、アダプタをロータ10から取り外すことができる。
図3は、図1のものと近似する実験用遠心分離機のロータ10の断面を示している。図1のロータと比較して、ロータ10の左側のアダプタ14にサンプル容器が設けられていない。更に、押さえ付けエレメントは、ロータの軸と同心に配置されたゴム製の円周リップ26として構成されている。このゴムリップ26は、ロータハブ16上部の領域において、ロータ本体11に設けられた溝27内に案内されている。アダプタ14が挿入されるときに、ゴムリップ26は、アダプタ14により圧縮され、溝27内に完全に押し込まれる。アダプタ14が環状トラフ13に完全に挿入されると、ゴムリップ26は、直ちにその元の状態に復元する。ゴムリップ26がアダプタ14の内端部の真上に位置することの結果として、ゴムリップ26は、挿入後のアダプタ14の軸方向の変位に対する抵抗を生じさせる。たとえば、クリーニングを目的としてアダプタ14をロータ10から取り外すため、ゴムリップ26をアダプタ14から引き抜くことで、より大きな力をかけることによりこれを溝27内に再び押し込むことができる。
図4は、図1のロータの部分断面を示している。環状ディスク20の外端部23は、この外端部がそのフェースの上側部分と同一平面内でアダプタ14の端部と接触し、これにより可能な限りで最大のベアリング面積が形成されるように、斜角が付されている。
図5は、ロータ10の破断斜視図である。環状トラフ13に配置されているアダプタ14の各々は、円形セグメント28として構成された押さえ付けエレメントによりロータ10に保持されている。各円形セグメント28は、円形セグメントがロータの軸に面する領域でベアリング板19上にあり、ネジ21によりベアリング板に固定されている。各円形セグメント28は、環状トラフ13に突き出る部分にリセス30を有しており、対応のアダプタ14が、これを部分的に通過している。リセス30は、ロータハブ16に面するアダプタ14の端部が円形セグメント28に接触し、これによりロータ10に保持されるように構成されている。それらの端部領域において、円形セグメント28は、径方向に連続的に延伸しており、端面において、環状トラフ13の外壁の内側に設けられた溝29に収められている。円形セグメント28は、このようにして押さえ付け機能に加えて補強として機能する。このため、円形セグメント28は、圧力サポートとして機能し、ロータ10が部分的な負荷状態にある場合の楕円形化をより効果的に回避する。この補強効果は、環状トラフに周方向に配置されたアダプタ14のスポーク効果に加えて作用するものである。このため、この実施形態では、遠心分離プロセスの間に幾つかのアダプタ14を省略したとしても、ロータの信頼性の高い運転に充分な剛性が達成される。円形セグメント28によるこの二重の効果のため、円形セグメントが補強としてのみ機能し、アダプタをロータに保持しない構成とすることも可能である。これは、製造プロセスの終わりになるまでアダプタを挿入することができず、構造的な制約のため、円形セグメントを事前に設置しなければならない場合に実用性がある。この実施形態では、ロータは、少なくとも1つの付加的な押さえ付けエレメントを有するのが好ましく、アダプタの周りに周方向に設けられたゴム製のリングを有するのが特に好ましい。
外壁の内側に設けられた溝29は、円形セグメント28をロータ10に一層よく据え付けるために使用される。この溝は、円形セグメント28とロータ10との間における正の嵌め合いによる接続を可能とする。更に、溝29は、歯付きの溝、すなわち、円形セグメント28の周方向への変位を抑制するロックエレメントとして構成することも可能である。
図6は、図5のロータの横断面を示している。図5におけると比較して、円形セグメント28が、ロータハブ16に対してその内端で直接的に接触しており、この内端は、ロータの軸12に向けて傾斜している。このロータハブ16上における接触部分は、ロータの軸12に向けて上向きにテーパが付されており、これにより切頭円錐の形状をなしている。ここにおいて、締結ネジ(図示せず。)又は他の適切な固定機具を使用して円形セグメント28をベアリング板19に締め付けることで、環状トラフ13の外壁にプリテンションがかけられる。環状トラフ13は、これにより外向きに伸ばされ、ロータ全体としての剛性が更に向上する。
図7は、本発明に係るロータの部分断面を示している。押さえ付けエレメントとして作用する円周リッジ31がキャップ15の下側に設けられている。このリッジ31は、キャップ15の下面から実質的に垂直に突出しており、その外側面が環状トラフ13の外壁の内面に接触している。リッジの端面には、ロータの外側に向けて傾斜したアダプタ14の端面に対して平坦に接触するように斜角が付されている。押さえ付けエレメントとして構成されるリッジ31は、このようにしてロータキャップ15に一体化させて構成される。ロータキャップ15をロータにねじ込むこと等によりロータキャップ15をロータ本体に対して締め付けることで、リッジ31を手段としてアダプタ14にテンションがかけられる。リッジの幅は、アダプタ14に配置されるサンプル容器(図示せず。)がアダプタ14の上端を越えて突出することができ、リッジ31により妨げられることのないように、アダプタ14の壁厚に適合させる。
図8は、アダプタ14を示しており、このアダプタ14の外側には、押さえ付けエレメントとして構成されたゴム製の円周リング24が設けられている。ゴムリング24のアダプタ14との確実な接触のため、ゴムリング24が配置されるアダプタ14の外壁に円周溝25が設けられている。ゴムリング24は、アダプタ14を越えてオーバーハングする距離がロータ(図示せず。)におけるアダプタ14の遊びよりも大きくなるように、寸法が決定されている。このため、アダプタ14がロータに挿入されるときに、ゴムリング24が圧縮され、ロータに接触圧力が作用する。同時に、ロータ本体上でのゴムリング24の摩擦効果が増大し、アダプタ24の軸方向の変位が抑制される。
環状ディスクとして構成された押さえ付けエレメントを有するロータの横断面図 ロータキャップのない図1のロータの破断斜視図 ゴム製のリップとして構成された押さえ付けエレメントを有するロータの横断面図 図1及び2のロータの部分横断面図 環状トラフを支持する複数の押さえ付けエレメントを有するロータの破断斜視図 プリテンション機能のある押さえ付けエレメントを有する図5のロータの横断面図 キャップに一体化された押さえ付けエレメントを有するロータの部分横断面図 ゴムリングとして構成された押さえ付けエレメントを有するアダプタ
符号の説明
10…ロータ、11…ロータ本体、12…ロータの軸、13…環状トラフ、14…アダプタ、4…サンプル液、5…サンプル容器。

Claims (37)

  1. 少なくとも1つの遠心分離容器を適合させる構成の実験用遠心分離機のロータであって、
    少なくとも1つの押さえ付けエレメントが設けられ、この押さえ付けエレメントにより前記少なくとも1つの遠心分離容器がロータに保持され、かつその軸方向の変位が抑制されるロータ。
  2. 1つの押さえ付けエレメントが複数の遠心分離容器をロータに保持する請求項1に記載のロータ。
  3. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが前記ロータに対して取り外し可能に締め付けられた請求項1又は2に記載のロータ。
  4. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントを前記ロータにねじ込むことができる請求項3に記載のロータ。
  5. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントを保持ポジションと解放ポジションとに位置させることができる請求項1又は2に記載のロータ。
  6. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが少なくとも遠心分離プロセスの間に前記保持ポジションに配置される請求項5に記載のロータ。
  7. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが、前記保持ポジションにおいて、前記少なくとも1つの遠心分離容器と正の嵌め合いにより接続される請求項5又は6に記載のロータ。
  8. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが前記遠心分離容器にロックの作用を働かせる請求項7に記載のロータ。
  9. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントの一部がロックエレメントとして構成された請求項8に記載のロータ。
  10. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントがロックエレメントとして構成された請求項8に記載のロータ。
  11. 前記ロックエレメントが回転式又は回り継ぎ手式ロックとして構成された請求項9又は10に記載のロータ。
  12. 前記ロックエレメントが滑り式エレメントとして構成された請求項9又は10に記載のロータ。
  13. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントがセルフロックとして構成された請求項5〜12のいずれかに記載のロータ。
  14. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが駆動部を有する請求項5〜12のいずれかに記載のロータ。
  15. 前記駆動部が空気式、バネ式又は電気モータ式の駆動部である請求項14に記載のロータ。
  16. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントの位置を制御可能な制御デバイスが設けられた請求項14又は15に記載のロータ。
  17. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントの位置決めが運転状態に応じてなされる請求項13〜16のいずれかに記載のロータ。
  18. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが、前記少なくとも1つの遠心分離容器に対して摩擦嵌めにより接続された請求項1〜6のいずれかに記載のロータ。
  19. 前記摩擦嵌めがウェッジ効果により形成される請求項18に記載のロータ。
  20. 前記摩擦嵌めが摩擦による噛み合いとして形成される請求項18に記載のロータ。
  21. 前記摩擦嵌めが弾性力により生じる請求項18に記載のロータ。
  22. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが、前記少なくとも1つの遠心分離容器に対してキャッチロックにより接続された請求項21に記載のロータ。
  23. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントがゴム製のエレメントを有する請求項21に記載のロータ。
  24. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが前記少なくとも1つの遠心分離容器の端面に接触する請求項1〜23のいずれかに記載のロータ。
  25. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが前記少なくとも1つの遠心分離容器の側面に接触する請求項1〜23のいずれかに記載のロータ。
  26. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが、前記少なくとも1つの遠心分離容器に設けられた肩部に接触する請求項1〜23のいずれかに記載のロータ。
  27. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが、ロータに対して同心に配置された環状ディスクとして構成された請求項1〜26のいずれかに記載のロータ。
  28. 前記環状ディスクが、ロータの軸側から視認し得るように、前記少なくとも1つの遠心分離容器の内端部分に接触する請求項27に記載のロータ。
  29. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが、前記少なくとも1つの遠心分離容器の、ロータの縦方向に関する変位を抑制する構成である請求項1〜28のいずれかに記載のロータ。
  30. 前記少なくとも1つの遠心分離容器が円錐の形状をなす請求項1〜29のいずれかに記載のロータ。
  31. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントがロータキャップに一体化された請求項1〜30のいずれかに記載のロータ。
  32. 遠心分離容器の適合のための環状の円周トラフを有し、
    前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントが前記環状トラフを補強する構成である請求項1〜31のいずれかに記載のロータ。
  33. 実験用遠心分離機のロータで使用され、サンプル容器を適合させるためのアダプタであって、
    このアダプタをロータに保持し、かつその軸方向の変位を抑制する少なくとも1つの押さえ付けエレメントを含んで構成されるアダプタ。
  34. 複数の押さえ付けエレメントが1つのアダプタをロータに保持する請求項33に記載のアダプタ。
  35. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントがロックエレメントとして構成された請求項33又は34に記載のアダプタ。
  36. 前記少なくとも1つの押さえ付けエレメントがバネエレメントとして構成された請求項33又は34に記載のアダプタ。
  37. 前記バネエレメントがゴム製のエレメントを含んで構成される請求項36に記載のアダプタ。
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