JP2007100572A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 PM再生処理中のPM燃焼量を低下させることなく且つパティキュレートフィルタ温度を過昇温させることなく、硫黄被毒回復処理時間の短縮化、あるいは硫黄被毒回復処理可能温度の低温化を、より効率的に図ることができ、燃費の向上および触媒浄化能力の維持を図ることが可能な排気浄化装置を提供すること。
【解決手段】 本内燃機関の排気浄化装置は、排気通路に排気浄化触媒を担持したパティキュレートフィルタが配置された内燃機関の排気浄化装置において、プラズマ改質部を有するプラズマインジェクタを有し、パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の燃焼処理が実行されていない際に、排気浄化触媒の硫黄被毒回復処理が行われるように、あらかじめプラズマインジェクタにより燃料からプラズマ改質してもたらされた活性種を、排気浄化触媒よりも上流の排気に添加して排気浄化触媒の硫黄被毒回復処理が行なわれることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 本内燃機関の排気浄化装置は、排気通路に排気浄化触媒を担持したパティキュレートフィルタが配置された内燃機関の排気浄化装置において、プラズマ改質部を有するプラズマインジェクタを有し、パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の燃焼処理が実行されていない際に、排気浄化触媒の硫黄被毒回復処理が行われるように、あらかじめプラズマインジェクタにより燃料からプラズマ改質してもたらされた活性種を、排気浄化触媒よりも上流の排気に添加して排気浄化触媒の硫黄被毒回復処理が行なわれることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内燃機関の排気浄化装置、特に、排気中に含まれる煤状の粒子状物質(以下、PMと称す)を捕集するパティキュレートフィルタであって、排気浄化性能を維持すべく硫黄被毒回復処理が必要となる排気浄化触媒を担持したパティキュレートフィルタを有する内燃機関の排気浄化装置に関する。
排気浄化性能を維持すべく硫黄被毒回復処理が必要となると考えられる内燃機関の排気浄化触媒の一つに、NOx吸蔵還元触媒がある。燃費の向上および排出ガス規制の観点から、ガソリン内燃機関において運転領域の大部分がリーン空燃比で運転される希薄燃焼内燃機関の実用化が進められているとともに、ディーゼル内燃機関の適用範囲が拡大されつつある。ディーゼル内燃機関や希薄燃焼ガソリン内燃機関では、リーン空燃比すなわち空気過剰のもとで燃料が燃焼せしめられるため、不完全な燃焼成分であるHC(炭化水素)およびCO(一酸化炭素)の排出量が少ない反面、NOx(窒素酸化物)やPMの排出量が多くなり、排出された有害なNOxやPMの大気への放出を妨げる何らかの策を講ずる必要がある。NOxは、空気中の窒素と燃え残りの酸素とが反応して生成されるものである。一方、PMは、内燃機関から排出される粒子状の物質の総称で、一般に、炭素からなる黒煙(煤)の周囲に燃え残った燃料や潤滑油、さらに軽油燃料中の硫黄分から生成された硫黄化合物(サルフェート)などが吸着しているものであることが知られている。
NOxの大気中への放出量を低減する一手段としては、内燃機関排気系にNOx吸蔵還元触媒を配置することが知られている。NOx吸蔵還元触媒は、流入する排気空燃比がリーン空燃比のときに排気中のNOxを硝酸塩の形態で吸収、吸着もしくはその両方により吸蔵し、流入する排気空燃比がリッチ空燃比であるときに、吸蔵したNOxを放出する役割を果たすものである。放出されたNOxは、還元成分(HC、CO、H2)により還元浄化せしめられる。
このようなNOx吸蔵還元触媒を備えた排気浄化装置によれば、酸素濃度が高い希薄燃焼の排気中からNOxを良好に吸収し、定期的なリッチ混合気燃焼運転(リッチスパイク運転とも称す)によって、排気中の酸素濃度を低下させるとともに排気中にHCやCO等の還元成分を存在させ、吸収したNOxを大気中に放出させることなく良好に還元浄化することができる。
しかしながら、このようなNOx吸蔵還元触媒を備えた排気浄化装置においては、燃料中の硫黄成分に起因するNOx吸蔵還元触媒のNOx吸蔵能力の低下、いわゆる硫黄被毒が問題となる。
内燃機関の燃料、例えばガソリンや軽油などの燃料には、硫黄成分が含有している場合が多く、この場合、燃焼後の排気中には、SO2やSO3などのSOx(硫黄酸化物)が含まれることになる。排気中にSOxが存在すると、NOx吸蔵還元触媒は、NOxの吸蔵を行う一方で、排気中のSOxも硫酸塩の形態で吸蔵することが知られている。
NOx吸蔵還元触媒に吸蔵されたSOxは安定していて分解しづらく、NOx吸蔵還元触媒が排気中のNOxを吸蔵し且つ還元浄化することができる温度領域では、NOx吸蔵還元触媒から脱離しないことが明らかにされている。
このため、NOx吸蔵還元触媒が、排気中のNOxを吸蔵し且つ還元浄化することができる温度領域、例えば、300℃〜450℃の温度領域で、SOxを含有する排気に対して使用される場合、NOxの吸蔵および還元浄化が行われる一方で、NOx吸蔵還元触媒にはSOxが分解されず残存する。従って、時間が経過するにつれてNOx吸蔵還元触媒内のSOx量が増大することになり、かくして、時間が経過するにつれてNOx吸蔵還元触媒が吸蔵することができるNOx量が低下することになり、いわゆる硫黄被毒(またはS被毒)の問題が生じる。
一方で、NOx吸蔵還元触媒温度を上昇させることで、例えば、NOx吸蔵還元触媒温度を600℃以上に上昇させることで、NOx吸蔵還元触媒に吸蔵されたSOxを熱分解させ放出させることができることが明らかにされている。
そこで、NOx吸蔵還元触媒を備える排気浄化装置においては、硫黄被毒を解消する一つの方法として、NOx吸蔵還元触媒に流入する排気空燃比をリッチ空燃比にしつつNOx吸蔵還元触媒温度を上昇させる、硫黄被毒回復処理が適用されている。該硫黄被毒回復処理により、NOx吸蔵還元触媒に吸蔵されたSOxを熱分解し、この熱分解されたSOxのNOx吸蔵還元触媒への再吸蔵を防止しつつNOx吸蔵還元触媒からSOxを放出することが可能となる。
例えば、特開平10−54274号明細書においては、NOx吸蔵還元触媒を備え且つ硫黄被毒回復処理が適用されている内燃機関の排気浄化装置が示されており、NOx吸蔵還元触媒からSOxを放出させるべくNOx吸蔵還元触媒温度を上昇させる方法として、点火時期を制御することが示されている。具体的には、点火時期を遅角させることで、NOx吸蔵還元触媒に流入する排気ガスの温度を上昇させ、硫黄被毒回復処理に適した温度領域になるまで、NOx吸蔵還元触媒温度を上昇させることが記載されている。
また、PMの大気中への放出量を低減する一手段としては、内燃機関排気系にパティキュレートフィルタを配置して、排気中のPMを一旦パティキュレートフィルタに捕集し、この捕集されたPMを燃焼除去させることが知られている。PMの大気中への放出量を低減する一手段としてパティキュレートフィルタを使用する場合においては、PMの捕集量の増加とともに排気の排出が困難となり、そのため、PM再生処理すなわちパティキュレートフィルタに捕集されたPMの燃焼処理を実行することが必要となる。しかるに、パティキュレートフィルタ上に捕集されたPMは、約600℃以上の高温にならないと燃焼せず、これに対して例えばディーゼル内燃機関の排気温度は、通常600℃よりもかなり低く、従って、PMを燃焼処理すべくパティキュレートフィルタを昇温することが必要となる。このパティキュレートフィルタの昇温の手段としては、例えば特許第3620291号公報においては、パティキュレートフィルタにヒータを配置し昇温することが記載されている。
SOx被毒回復処理を実行すべく触媒温度を昇温させるためには、熱エネルギーが必要となり、該熱エネルギーを得るべく燃料を追加供給する場合には燃費の悪化がもたらされる。また、触媒温度が高温とされることにより触媒自体の性能劣化がもたらされる可能性がある。従って、硫黄被毒回復処理が必要となる、例えばNOx吸蔵還元触媒のような排気浄化触媒を備えた排気浄化装置においては、燃費の向上および触媒浄化能力の維持の両観点から、硫黄被毒回復処理時間の短縮化、あるいは、硫黄被毒回復処理可能温度の低温化を図ることが重要な一つの課題になると考える。
この課題に対して、例えば特開2002−256853号明細書においては、NOx吸蔵還元触媒よりも上流側の排気通路にプラズマ発生装置が配置された内燃機関の浄化装置において、硫黄被毒回復処理時に選択的にプラズマ発生装置を作動させ、排気自体をプラズマ改質し、すなわち、排気中の還元成分をプラズマ改質により活性化し還元力を強化することで、硫黄被毒回復処理時間の短縮化を図ることが示されている。しかしながら、容量が大きい排気自体をプラズマ改質するためには多大なエネルギーが必要になることが考えられ更なる改良の余地が残されていると考える。
また、例えばNOx吸蔵還元触媒のような排気浄化性能を維持すべく硫黄被毒回復処理を必要する排気浄化触媒を担持したパティキュレートフィルタを有する排気浄化装置においては、硫黄被毒回復処理の実行とともに、PM再生処理すなわちパティキュレートフィルタに捕集されたPMの燃焼処理の実行が必要となるが、PM再生処理は、リーン空燃比すなわち空気過剰のもとでPMが燃焼せしめられる処理であり、PM再生処理中に、硫黄被毒回復処理を実行すべく還元性の高い活性種が排気にもたらされると、酸化剤が消費されやすく、PM燃焼量が低下してしまう可能性がある。更に、PM再生処理中に、硫黄被毒回復処理を実行すべく還元性の高い活性種が排気にもたらされると、パティキュレートフィルタの温度が上がりすぎて性能劣化をもたらし、また、その溶損温度以上に昇温してパティキュレートフィルタ自体を溶損してしまう可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑み、例えばNOx吸蔵還元触媒のような硫黄被毒回復処理を必要とする排気浄化触媒を担持したパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置において、PM再生処理中のPM燃焼量を低下させることなく且つパティキュレートフィルタ温度を過昇温させることなく、硫黄被毒回復処理時間の短縮化、あるいは硫黄被毒回復処理可能温度の低温化を、より効率的に図ることができ、燃費の向上および触媒浄化能力の維持を図ることが可能な排気浄化装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明によれば、排気通路に排気浄化触媒を担持したパティキュレートフィルタが配置された内燃機関の排気浄化装置において、プラズマ改質部を有するプラズマインジェクタを有し、前記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の燃焼処理が実行されていない際に、あらかじめ前記プラズマインジェクタにより燃料からプラズマ改質してもたされた活性種を、前記排気浄化触媒よりも上流の排気に添加して前記排気浄化触媒の硫黄被毒回復処理が行なわれる、ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項1の発明では、パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の燃焼処理が実行されていない際において、排気自体がプラズマ改質されるのではなく、あらかじめプラズマインジェクタにより燃料からプラズマ改質して生成された反応性の高い活性種が、排気浄化触媒よりも上流の排気に添加され、排気浄化触媒の硫黄被毒回復処理が実行される。
請求項1の発明では、燃料からプラズマ改質により生成された反応性の高い活性種により、排気浄化触媒上での燃焼反応の促進、硫黄被毒脱離反応の促進および硫黄被毒回復処理可能温度の低温化を図ることができる。これにより、硫黄被毒回復処理時間を短縮することができ燃費の向上を図ることを可能とする。また、硫黄被毒回復処理にかかる時間が短縮されることは、排気浄化触媒が高温にさらされる時間が短縮されることとなり、硫黄被毒回復処理の際に排気浄化触媒が受ける高熱に起因する排気浄化触媒の耐久性能劣化を抑制でき、触媒浄化能力の維持を図ることを可能とする。
また、請求項1の発明では、パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の燃焼処理が実行されている際においては、硫黄被毒回復処理を実行すべくプラズマインジェクタにより燃料からプラズマ改質して生成された反応性の高い活性種が排気中に添加されることがないため、該活性種による排気中の酸化剤の消費はなく、捕集された粒子状物質の燃焼量の低下を防止することができる。また、パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の燃焼処理が実行されている際すなわちパティキュレートフィルタ温度が粒子状物質を燃焼処理可能な温度領域に既に達している状態にあるにもかかわらず、プラズマインジェクタにより燃料からプラズマ改質して生成された反応性の高い活性種が排気中に添加されることにより、パティキュレートフィルタが過昇温してしまうことを防止することができる。
請求項2の発明によれば、前記パティキュレートフィルタの温度が前記粒子状物質の燃焼処理可能温度に昇温されるように、あらかじめ前記プラズマインジェクタにより燃料からプラズマ改質してもたされた活性種を、前記排気浄化触媒よりも上流の排気に添加する、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項2の発明では、パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の燃焼処理を実行するに当たって、パティキュレートフィルタの温度が該粒子状物質の燃焼処理可能温度に達していない場合に、あらかじめプラズマインジェクタにより燃料からプラズマ改質して生成された反応性の高い活性種が、排気浄化触媒よりも上流の排気に添加され、NOx吸蔵還元触媒上での燃焼反応を促進することでパティキュレートフィルタの温度を所定温度に昇温する。
各請求項に記載の発明によれば、パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の燃焼処理が実行されている際におけるPM燃焼量を低下させることなく且つパティキュレートフィルタ温度を過昇温させることなく、硫黄被毒回復処理時間の短縮化、あるいは硫黄被毒回復処理可能温度の低温化を、より効率的に図ることができ、燃費の向上および触媒浄化能力の維持を図ることが可能となる共通の効果を奏する。
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の排気浄化装置を自動車用のディーゼル内燃機関あるいは希薄燃焼ガソリン内燃機関に適用した場合の一実施形態を示す模式図である。
図1において、10はディーゼル内燃機関あるいは希薄内燃燃焼ガソリン内燃機関の内燃機関本体、11は排気マニホルド、12は排気管、13はNOx吸蔵還元触媒、14はNOx吸蔵還元触媒13を担持したパティキュレートフィルタ、をそれぞれ示す。また、図1において、20はPM再生判定手段、21はSOx被毒判定手段、22は電子制御装置(ECU)、23はプラズマインジェクタ、24はバルブ、25は燃料供給部、26は活性種添加ポート、27は発電機、28はバッテリ、29は電力供給装置、をそれぞれ示す。
図1は、本発明の排気浄化装置を自動車用のディーゼル内燃機関あるいは希薄燃焼ガソリン内燃機関に適用した場合の一実施形態を示す模式図である。
図1において、10はディーゼル内燃機関あるいは希薄内燃燃焼ガソリン内燃機関の内燃機関本体、11は排気マニホルド、12は排気管、13はNOx吸蔵還元触媒、14はNOx吸蔵還元触媒13を担持したパティキュレートフィルタ、をそれぞれ示す。また、図1において、20はPM再生判定手段、21はSOx被毒判定手段、22は電子制御装置(ECU)、23はプラズマインジェクタ、24はバルブ、25は燃料供給部、26は活性種添加ポート、27は発電機、28はバッテリ、29は電力供給装置、をそれぞれ示す。
まず、図1に示されたディーゼル内燃機関あるいは希薄燃焼ガソリン内燃機関の基本構成となる内燃機関本体10、排気マニホルド11、排気管12、発電機27およびバッテリ28、のそれぞれについて簡単に説明する。
内燃機関本体10は、ディーゼル内燃機関あるいは運転領域の大部分がストイキよりもリーンな空燃比で運転される希薄燃焼ガソリン内燃機関の内燃機関本体であり、該内燃機関本体10からの排気の通路となる排気系には、排気マニホルド11、排気管12、NOx吸蔵還元触媒13およびNOx吸蔵還元触媒13を担持したパティキュレートフィルタ14が、それぞれ配置される。
排気マニホルド11は、内燃機関本体10に連結され、該内燃機関本体10内に配置されている各気筒からの排気を1本の排気管12に送り込む役割を果すものである。
発電機27は、内燃機関本体10に接続され、該内燃機関本体10と協働して電気を発生せしめる役割を果すものであり、また、バッテリ28は、発電機27と接続されることで、発生せしめられた電気を蓄える役割を果すものである。
排気マニホルド11は、内燃機関本体10に連結され、該内燃機関本体10内に配置されている各気筒からの排気を1本の排気管12に送り込む役割を果すものである。
発電機27は、内燃機関本体10に接続され、該内燃機関本体10と協働して電気を発生せしめる役割を果すものであり、また、バッテリ28は、発電機27と接続されることで、発生せしめられた電気を蓄える役割を果すものである。
次に、図1に示された実施形態となる内燃機関の排気浄化装置が有する各構成要素について説明する。
図1に示された実施形態における内燃機関の排気浄化装置は、概して、NOx吸蔵還元触媒13、NOx吸蔵還元触媒13を担持したパティキュレートフィルタ14、PM再生判定手段20、SOx被毒判定手段21、電子制御装置(ECU)22、プラズマインジェクタ23、バルブ24、燃料供給部25、活性種添加ポート26および電力供給装置29を有する。
図1に示された実施形態における内燃機関の排気浄化装置は、概して、NOx吸蔵還元触媒13、NOx吸蔵還元触媒13を担持したパティキュレートフィルタ14、PM再生判定手段20、SOx被毒判定手段21、電子制御装置(ECU)22、プラズマインジェクタ23、バルブ24、燃料供給部25、活性種添加ポート26および電力供給装置29を有する。
NOx吸蔵還元触媒13は、該NOx吸蔵還元触媒13に流入する排気中の酸素濃度が高いときに、排気中のNOxを吸収、吸着もしくはその両方により吸蔵することで排気中からNOxを除去し、該NOx吸蔵還元触媒13に流入する排気中の酸素濃度が低いときに、吸蔵したNOxを放出する機能を有する。放出されたNOxは、排気に含まれる還元成分となるHC、CO等と反応して還元浄化せしめられる。
このようにNOx吸蔵還元触媒13は、該NOx吸蔵還元触媒13に流入する排気中の酸素濃度が高いときに排気中のNOxを吸蔵する一方で、NOx吸蔵還元触媒13に流入する排気中にSOxが含まれている場合には、NOxと同様にSOxも吸蔵することが知られている。内燃機関本体10に供給される燃料中には硫黄成分が含まれていることが多く、この場合、NOx吸蔵還元触媒13に流入する排気中には硫黄分の燃焼により生じたSOxが含まれることになり、NOx吸蔵還元触媒13には、NOxばかりでなく、SOxも吸蔵されることになる。
NOx吸蔵還元触媒13に吸蔵されたSOxは、NOx吸蔵還元触媒13に吸蔵されたNOxと比較して、安定度が高く分解しづらく、NOx吸蔵還元触媒13が排気中のNOxを吸蔵し且つ還元浄化することができる温度領域内でNOx吸蔵還元触媒13が使用されるかぎり、NOx吸蔵還元触媒13に吸蔵されたSOxは分解されずにNOx吸蔵還元触媒13に残存することが知られている。従って、NOx吸蔵還元触媒13が排気中のNOxを吸蔵し且つ還元浄化することができる温度領域内でNOx吸蔵還元触媒13が使用されるかぎり、時間が経過するにつれて、NOx吸蔵還元触媒13内のSOx量は増大し、その結果、NOx吸蔵還元触媒13が排気中から吸蔵することができるNOx量は低下することになる。
しかるに、NOx吸蔵還元触媒13の温度を所定の温度以上に、例えば600℃以上に上昇させ、NOx吸蔵還元触媒13に流入する排気空燃比をリッチ空燃比とすることで、硫黄被毒脱離反応をもたらすことができることも知られている。すなわち、NOx吸蔵還元触媒13の温度を所定の温度以上に上昇させることで、硝酸塩の形態でNOx吸蔵還元触媒13に吸蔵されたSOxを熱分解させ、NOx吸蔵還元触媒13から脱離させ、NOx吸蔵還元触媒13から脱離されたSOxを、排気中のHC、CO、H2などの還元成分によって還元浄化させることができることが知られている。
プラズマインジェクタ23は、このことに基づいて、NOx吸蔵還元触媒温度の昇温のための燃焼反応を促進し且つ硫黄被毒脱離反応を促進すべく、反応性の高い活性種をプラズマ改質により燃料から生成し、あらかじめプラズマ改質された反応性の高い活性種をNOx吸蔵還元触媒13よりも上流の排気中に添加し、NOx吸蔵還元触媒13の硫黄被毒を効率的に回復する役割を果すものである。
プラズマインジェクタ23は、プラズマ改質部を有し、バッテリ28に接続された電力供給装置29と協働してプラズマ改質部に電圧を印加することによりプラズマを発生させ、燃料から反応性の高い活性種を生成することができる。プラズマインジェクタ23により生成された反応性の高い活性種は、NOx吸蔵還元触媒13よりも上流の排気管12上に配置された活性種添加ポート26を介して、排気中に添加される。
プラズマインジェクタ23には、バルブ24を介して、燃料供給部25が流体連通されている。燃料供給部25は、プラズマインジェクタ23に供給する燃料の供給源となる部分である。また、バルブ24は、燃料供給部25からの燃料のプラズマインジェクタ23への適宜な供給をもたらす役割を果すものである。燃料供給部25は、内燃機関を作動すべく内燃機関本体10に燃料を供給する構成要素と兼用されてもよく、また、内燃機関本体10に燃料を供給する構成要素とは別個の構成要素として形成されてもよい。
SOx被毒判定手段21は、概して、SOx吸蔵量検出手段、SOx放出量検出手段およびNOx吸蔵還元触媒温度検出手段を有し、NOx吸蔵還元触媒13のSOx被毒状態を推定する機能を有する。また、SOx被毒判定手段21は、電子制御装置22(以下、ECUと称す)に、NOx吸蔵還元触媒13に吸蔵されたSOx量、プラズマインジェクタ23による硫黄被毒回復処理によりNOx吸蔵還元触媒13から放出されたSOx量、およびNOx吸蔵還元触媒13の温度の各検出情報を伝達可能に構成されている。
SOx吸蔵量検出手段は、流入する排気によりNOx吸蔵還元触媒13に吸蔵されたSOx量を推定する機能を有する。例えば、SOx吸蔵量は、燃料中の硫黄成分の濃度および消費燃料から推定されうる。この場合、SOx吸蔵量検出手段は、燃料中の硫黄成分の濃度および消費燃料量のそれぞれを検出する構成要素を有して構成されることになる。
SOx放出量検出手段は、プラズマインジェクタ23による硫黄被毒回復処理によりNOx吸蔵還元触媒13から放出あるいは脱離されたSOx量を推定する機能を有する。例えば、NOx吸蔵還元触媒13からSOx放出量は、NOx吸蔵還元触媒温度および排気空燃比から推定されうる。この場合、SOx放出量検出手段は、NOx吸蔵還元触媒温度および排気空燃比のそれぞれを検出する構成要素を有して構成されることになる。排気空燃比の検出には、排気空燃比センサーが使用されうる。
NOx吸蔵還元触媒温度検出手段は、NOx吸蔵還元触媒13の温度を推定する機能を有する。NOx吸蔵還元触媒温度は、例えば、NOx吸蔵還元触媒13に近接して配置された排気温度センサーにより検出された温度情報に基づいて推定されうる。この場合、NOx吸蔵還元触媒検出手段は、排気温度センサーを有して構成される。但し、この場合、NOx吸蔵還元触媒13と排気温度センサーとの間には、多少の隔たりがあり、この隔たりにおける温度勾配を推定すべく、回転負荷、空燃比、熱伝達係数、触媒反応速度等のパラメータを用いて補正が行わることになり、これらの各情報を検出する各構成要素もまた、NOx吸蔵還元触媒温度を推定するための構成要素となる。
パティキュレートフィルタ14は、NOx吸蔵還元触媒13が担持されたパティキュレートフィルタであっても、パティキュレートフィルタの上流部にNOx吸蔵還元型触媒13をストレートフローのハニカム構造体に担持したものを設置した構成でもよい。パティキュレートフィルタ14は、内燃機関本体10から排出されたPMすなわち粒子状物質を捕集し、PMの大気への放出を妨げる役割を果すものである。パティキュレートフィルタ14には、例えば、多孔質の材料で形成されたハニカム構造体を有するウォールフロータイプのフィルタや、セラミックや金属を繊維状にした繊維型フィルタタイプなどの一般的なものが適用されうる。
排気中のPMの大気への放出を妨げる手段としてパティキュレートフィルタ14を使用する場合、PM再生処理すなわちPMを燃焼処理し除去することが必要となる。パティキュレートフィルタ14に捕集されたPMの蓄積量は時間が経過するにつれて増加していくことになるが、PMの蓄積量がある一定の許容量を越えてしまうと、目詰まりが発生し、排気圧力を上昇させ運転性能に支障をもたらす。このため、蓄積したPMを定期的に除去し、目詰まりを解消する必要がある。蓄積したPMを除去する手段として、PM再生処理がなされる。該PM再生処理は、具体的には、パティキュレートフィルタ14をPMが直接燃焼することが可能な温度領域に昇温させ、リーン空燃比すなわち空気過剰のもとでPMを酸化燃焼させる処理であり、この処理により目詰まりに起因してもたらされる排気圧力の異常な上昇を回避させることができる。
PM再生判定手段20は、概して、PM蓄積量検出手段およびパティキュレートフィルタ温度検出手段を有し、パティキュレートフィルタ14のPM蓄積状態および温度状態を推定する機能を有する。また、PM再生判定手段20は、ECU22に、パティキュレートフィルタ14のPM蓄積量および温度の各検出情報を伝達可能に構成されている。
PM蓄積量検出手段は、流入する排気によりパティキュレートフィルタ14に蓄積されたPM蓄積量を推定する機能を有する。例えば、PM蓄積量は、パティキュレートフィルタ14の前後の排気通路内の圧力を測定して、これらの差圧を算出し、算出された差圧と排気流量とから推定されうる。この場合、PM蓄積量検出手段は、パティキュレートフィルタ14の前後の排気圧力を検出する構成要素と、排気流量を検出する構成要素を有して構成されることになる。
パティキュレートフィルタ温度検出手段は、パティキュレートフィルタ14の温度を推定する機能を有する。パティキュレートフィルタ温度は、例えば、パティキュレートフィルタ14に近接して配置された排気温度センサーにより検出された温度情報に基づいて推定されうる。この場合、パティキュレートフィルタ温度検出手段は、排気温度センサーを有して構成される。但し、この場合、パティキュレートフィルタ14と排気温度センサーとの間には、多少の隔たりがあり、この隔たりにおける温度勾配を推定すべく、回転負荷、空燃比、熱伝達係数等のパラメータを用いて補正が行わることになり、これらの各情報を検出する各構成要素もまた、パティキュレートフィルタ温度を推定するための構成要素となる。また、本実施形態のようにNOx吸蔵還元触媒13が担持されたパティキュレートフィルタ14においては、NOx吸蔵還元触媒温度とパティキュレートフィルタ温度とは略同じ値であると考えられ、パティキュレートフィルタ温度検出手段と、NOx吸蔵還元触媒温度検出手段とを同一構成要素としてもよい。
ECU22は、プラズマインジェクタ23による硫黄被毒回復処理を実行すべく、また必要に応じてパティキュレートフィルタ14の温度を昇温すべく、SOx被毒判定手段21の検出情報およびPM再生判定手段20の検出情報に基づいて、プラズマインジェクタ23に電圧を印加する電力供給装置29およびバルブ24の作動を制御する役割を果すものである。また、ECU22はバッテリ28と接続され、バッテリ28から電力の供給を受けることができるように構成される。
上述した各構成要素を有する本実施形態の内燃機関の排気浄化装置の作用効果について以下に説明する。
図2は、本排気浄化装置が組み入れられた図1に示す内燃機関で実行される硫黄被毒回復処理制御の制御ルーチンの一実施形態を示すフローチャート図である。
図2は、本排気浄化装置が組み入れられた図1に示す内燃機関で実行される硫黄被毒回復処理制御の制御ルーチンの一実施形態を示すフローチャート図である。
図2に示す制御ルーチンでは、まず、SOx被毒判定手段21の検出情報に基づいて硫黄被毒回復処理の必要性の有無の判断がなされる。硫黄被毒回復処理が必要でないと判断された場合には本制御ルーチンは終了となるが、硫黄被毒回復処理が必要であると判断された場合には、次に、PM再生判定手段20の検出情報に基づいてPM再生処理の必要性の有無が判断されることになる。PM再生処理の必要性が無いと判断された場合には、硫黄被毒回復処理ステップへと進むことになるが、PM再生処理が必要であると判断された場合には、まずPM再生処理が実行され、該PM再生処理が終了したことが確認された後、硫黄被毒回復処理ステップへと進むことになる。最後に、硫黄被毒の回復が終了したことが確認されると、一連の硫黄被毒回復処理が終了される。
以下に各ステップの詳細について説明する。
以下に各ステップの詳細について説明する。
まず、ステップ101では、NOx吸蔵還元触媒13に対する硫黄被毒回復処理の必要性の有無の判断がなされる。この判断は、SOx被毒判定手段21の一構成要素となるSOx吸蔵量検出手段からのNOx吸蔵還元触媒13のSOx吸蔵量の検出情報に基づいてECU22によりなされる。硫黄被毒回復処理の必要性が無いと判断された場合には、本制御ルーチンは終了される。硫黄被毒回復処理の必要性が有ると判断された場合には、続くステップ102に進む。
ステップ102においては、PM再生処理に必要性の有無の判断がなされる。この判断は、PM再生判定手段20の一構成要素となるPM蓄積量検出手段からのPM蓄積量の検出情報に基づいてECU22によりなされ、パティキュレートフィルタ上のPM蓄積量が所定量を越えている場合には、PM再生処理が必要であると判断される。
ステップ102において、PM再生処理が必要であると判断された場合には、ステップ103に進み、パティキュレートフィルタ14の温度がPM燃焼処理可能温度領域内にあるか否かの判断がなされる。この判断は、PM再生判定手段20の一構成要素となるパティキュレートフィルタ温度検出手段からのパティキュレートフィルタ温度の検出情報に基づいてECU22によりなされる。
ステップ103において、パティキュレートフィルタ温度がPM燃焼処理可能温度領域内にあると判断されると、続くステップ105に進みPM再生処理が実行されることになるが、パティキュレートフィルタ温度がPM燃焼処理可能温度領域内にないと判断されると、ステップ104に進み、パティキュレートフィルタ温度の昇温のための燃焼反応を促進すべく、プラズマインジェクタ23による燃料からの反応性の高い活性種の生成がなされる。具体的には、まず、ECU22によりバルブ24および電力供給装置29が制御され、燃料供給部25からプラズマインジェクタ23のプラズマ改質部に燃料が供給され、プラズマインジェクタ23に電圧が印加され、燃料へのプラズマ改質がなされ、反応性の高い活性種の生成がなされる。そして、あらかじめ、燃料のプラズマ改質により生成された活性種が、活性種添加ポート26を介して、NOx吸蔵還元触媒13を担持したパティキュレートフィルタ14あるいはパティキュレートフィルタの上流に設置したNOx吸蔵還元触媒13よりも上流の排気中に添加される。これにより、NOx吸蔵還元触媒13上で燃焼反応が促進され、よってパティキュレートフィルタ温度の昇温が可能となる。そしてプラズマインジェクタ23によるパティキュレートフィルタ温度の昇温は、パティキュレートフィルタ温度がPM燃焼処理可能温度領域内の到達したことが確認されるまで繰り返し実行され、続くステップ105に進む。
ステップ105においては、PM再生処理すなわちパティキュレートフィルタ14に蓄積されたPMの燃焼処理による除去が実行される。具体的には、パティキュレートフィルタ14に流入する排気空燃比がリーン空燃比すなわち酸素過剰状態で、パティキュレートフィルタ14の温度がPM燃料処理可能温度領域内に昇温されることで、PMの燃焼処理が実行される。ステップ104における燃料からのプラズマ改質により生成された活性種の排気への添加は、排気中の酸素を消費し、PM燃焼量の低下をもたらす。よって、パティキュレートフィルタ温度が昇温されPM燃焼処理可能温度領域内にあると確認されると、プラズマインジェクタ23への電圧の印加が中止されることで、燃料からのプラズマ改質により生成された活性種の排気への添加が中止される。これにより、該活性種による排気中の酸素の消費は回避され、PM燃焼量の低下を防止することができる。また、パティキュレートフィルタ温度が、PMの燃焼処理可能な温度に既に達しているにもかかわらず、燃料から改質して生成された反応性の高い活性種が排気中に添加されることにより、パティキュレートフィルタが過昇温してしまうことを防止できる。
ディーゼル内燃機関あるいは希薄燃焼内燃機関においては、通常運転時の排気空燃比はリーン空燃比であるため、ステップ104に進むことなくステップ103にてパティキュレートフィルタ14がPM燃焼処理可能温度領域内にあることは、すなわち、PM再生処理中であることを意味する。また、PM再生処理中においても常にパティキュレートフィルタ温度が監視され、パティキュレートフィルタ温度がPM燃料処理可能温度領域よりも低くなった場合には、一時的にパティキュレートフィルタ温度を昇温すべく、燃料からのプラズマ改質により生成された活性種の排気への添加がなされてもよい。
ステップ106においては、ステップ105にて実行されたPM再生処理が終了したか否かの判断がなされる。この判断は、PM再生判定手段20の一構成要素となるPM蓄積量検出手段からのPM蓄積量の検出情報に基づいてECUによりなされる。PM再生処理が終了していないと判断された場合すなわちPM蓄積量が所定量以下となっていないと判断された場合には、ステップ105に戻り、PM蓄積量が所定量以下となるまでPM再生処理が繰り返し実行される。
ステップ106において、PM再生処理が終了したと判断されると、次に、ステップ107およびステップ108に進み、NOx吸蔵還元触媒温度の昇温のための燃焼反応を促進し且つNOx吸蔵還元触媒13上での硫黄被毒脱離反応を促進すべく、プラズマインジェクタ23による燃料からの反応性の高い活性種の生成がなされ、硫黄被毒回復処理が実行される。具体的には、まず、ECU22によりバルブ24および電力供給装置29が制御され、燃料供給部25からプラズマインジェクタ23のプラズマ改質部に燃料が供給され、プラズマインジェクタ23に電圧が印加され、燃料へのプラズマ改質なされ、反応性の高い活性種の生成がなされる。そして、あらかじめ燃料のプラズマ改質により生成された活性種は、活性種添加ポート26を介して、NOx吸蔵還元触媒13よりも上流の排気中に添加され、これにより硫黄被毒回復処理が実行される。NOx吸蔵還元触媒13の温度は、ステップ103からステップ105のPM再生処理を実行する際に既に昇温されているため、効率よく硫黄被毒回復処理可能温度への昇温がなされうる。NOx吸蔵還元触媒13の温度状態は、SOx被毒判定手段21の一構成要素となるNOx吸蔵還元触媒温度検出手段からのNOx吸蔵還元触媒温度情報にもとづいてECU22により判断され、硫黄被毒回復処理を効率的に実行すべく、適宜に燃料のプラズマ改質処理がECU22により制御される。
ステップ107およびステップ108にて実行される硫黄被毒回復処理において、留意すべき点は、あらかじめプラズマインジェクタ23によりプラズマ改質され、気化あるいは微粒子化された燃料が、NOx吸蔵還元触媒温度の昇温のための燃焼反応および硫黄被毒脱離反応をもたらすべくNOx吸蔵還元触媒13よりも上流の排気に添加されることである。
例えばディーゼル内燃機関において、硫黄被毒回復処理を実行する一手段として、排気中に軽油などの液体燃料を噴霧することが知られている。液体燃料は、噴霧してもすぐには反応せず、NOx吸蔵還元触媒などの排気浄化触媒や配管で気化してから燃焼反応を開始するため、燃料噴霧と酸化燃焼反応開始との間にタイムラグが生じる可能性がある。また、液体燃料は、気化された燃料あるいは微粒子化された燃料と比較して拡散性が低いため、排気浄化触媒上での反応促進領域が限定される可能性がある。
これに対して、プラズマインジェクタを有する本排気浄化装置においては、あらかじめ気化あるいは微粒子化された還元性の高い改質燃料を排気中に添加することができるため、排気浄化触媒上での燃焼反応の促進、硫黄被毒脱離反応の促進および硫黄被毒回復処理可能温度範囲の低温化を可能とし、硫黄被毒回復処理可能温度への到達時間および硫黄被毒回復処理時間の短縮化を図ることが可能となる。
プラズマインジェクタ23による燃料のプラズマ改質から生成される活性種には、低級HC、H2あるいはCOなどが考えられる。図3に、還元種として軽油、C3H6、COおよびH2のそれぞれを単独で使用した場合において、同じ時間で同じ量のSOxを触媒から脱離するために必要となる温度の比較であって、反応解析に基づく比較の一例を示す。また、図4に、還元種として軽油およびH2のそれぞれを単独で使用した場合において、同じ量のSOxを同じ温度で触媒から脱離させるために必要となる時間の比較であって、反応解析に基づく比較の一例を示す。図3および図4から、プラズマ改質されていない軽油が還元種として使用された場合と比較して、例えば、燃料のプラズマ改質によりもたらされたH2を還元種として使用することで、硫黄被毒回復処理可能温度の低温化を可能とし、また、硫黄被毒回復処理に必要な時間を短縮することが可能であることわかる。
また、硫黄被毒回復処理を実行する一手段として、排気自体をプラズマ改質することで硫黄被毒回復処理の効率化を図ることが知られているが、この場合、排気自体の容量が大きいためにプラズマ改質するためには多大なエネルギーの投入が必要となることが考えられる。これに対して、本排気浄化装置においては、プラズマ改質する燃料量をECU22とバルブ24とが協働して制御でき、且つ、あらかじめ気化あるいは微粒子化された還元性の高い改質燃料を排気中に添加することができるため、容量の大きい排気自体をプラズマ改質する場合と比較して、効率的に硫黄被毒回復処理を実行することが可能となる。
ステップ109においては、ステップ107およびステップ108にて実行された燃料のプラズマ改質によるNOx吸蔵還元触媒13上での燃焼反応の促進および硫黄被毒脱離反応の促進により、NOx吸蔵還元触媒13の硫黄被毒回復処理が終了したか否かの判断がなされる。この判断は、SOx被毒判定手段21の一構成要素となるSOx放出量検出手段からのSOx放出量情報にもとづいてECU22によりなされる。硫黄被毒回復処理が終了していないと判断された場合は、再びステップ107に戻り、プラズマインジェクタ23による燃料のプラズマ改質が実行され、該燃料のプラズマ改質は硫黄被毒回復処理が終了したと判断されるまで繰り返し実行される。そして、ステップ109において、硫黄被毒回復処理が終了したと判断されると、次に、ステップ110に進み、プラズマインジェクタ23への電力供給装置29による電圧の印加がECU22により中止され、本硫黄被毒回復処理制御の制御ルーチンは終了する。
あらかじめ燃料をプラズマで改質、生成した反応性の高い活性種をNOx吸蔵還元触媒13よりも上流の排気に添加することができる本排気浄化装置においては、プラズマインジェクタ13を使用しない排気浄化装置と比較して、硫黄被毒回復処理可能温度への到達時間および硫黄被毒脱離反応時間を短縮化することができ、よって、硫黄被毒回復処理に費やすトータル時間を短縮化することを可能とする。これにより、燃費の向上を図ることが可能となる。また、硫黄被毒回復処理にかかる時間が短縮されることは、排気浄化触媒が高温にさらされる時間が短縮されることとなり、硫黄被毒回復処理の際に排気浄化触媒が受ける高熱に起因する排気浄化触媒の耐久性能劣化を抑制でき、触媒浄化能力の維持を図ることを可能とする。更に、本排気浄化装置は、プラズマインジェクタを使用しない排気浄化装置と比較して、硫黄被毒回復処理可能な触媒温度の低温化図ることができ、硫黄被毒回復処理の際に触媒が受ける高熱に起因する触媒耐久性能劣化を抑制でき、触媒浄化能力の維持を図ることを可能とする。
尚、本実施形態においては、排気浄化性能を維持すべく硫黄被毒回復処理が必要となる排気浄化触媒としてNOx吸蔵還元触媒を示したが、硫黄被毒回復処理を必要とする他の排気浄化触媒にも本排気浄化装置の適用は可能である。
また、本実施形態においては、プラズマインジェクタ23を使用して燃料をプラズマ改質できるように構成されているが、燃料以外に空気もプラズマインジェクタ23を使用してプラズマ改質できるように構成し、燃料および空気からプラズマ改質された反応性の高い活性種をPM再生処理および硫黄被毒回復処理に活用してよい。空気からプラズマ改質された反応性の高い活性種は、NOx吸蔵還元触媒13上での燃焼反応を促進し、NOx吸蔵還元触媒温度およびパティキュレートフィルタ温度の昇温を助力することができ、PM再生処理時間および硫黄被毒回復処理時間の更なる短縮化を図ることを可能とする。この場合においては、共通のプラズマインジェクタを使用して燃料および空気をプラズマ改質するように構成されてもよく、また、燃料および空気を別個のそれぞれのプラズマインジェクタを使用してプラズマ改質するように構成されてもよい。
ディーゼル内燃機関においては、不完全燃焼成分のHCが排気中に少ないことから、排気浄化触媒あるいはパティキュレートフィルタの昇温のための燃焼反応を促進すべく、排気中に燃料を噴霧することが知られているが、空気からプラズマ改質により生成された反応性の高い活性種例えばオゾンにより、排気中の少ない不完全燃焼成分のHCとの燃焼反応がもたらされ、排気中に新たな燃料を噴霧することなく、排気浄化触媒温度あるいはパティキュレートフィルタ温度を所定温度へと昇温させることを可能とする。プラズマインジェクタは、電圧が印加されていないときには、プラズマ化されていない燃料のインジェクタとしての機能も果すことができる。従って、空気および燃料をそれぞれ別個のインジェクタが配置された場合、空気からプラズマ改質された反応性の高い活性種を排気に添加しつつ、他方のプラズマインジェクタにより、プラズマ改質されていない燃料を排気中に添加することもできる。このことは、例えば、排気浄化触媒を昇温する際に排気中のHC成分が十分に無い場合に有用となる。
10 内燃機関本体
11 排気マニホルド
12 排気管
13 NOx吸蔵還元触媒
14 パティキュレートフィルタ
20 PM再生判定手段
21 SOx被毒判定手段
22 ECU
23 プラズマインジェクタ
24 バルブ
25 燃料供給部
26 活性種添加ポート
27 発電機
28 バッテリ
29 電力供給装置
11 排気マニホルド
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14 パティキュレートフィルタ
20 PM再生判定手段
21 SOx被毒判定手段
22 ECU
23 プラズマインジェクタ
24 バルブ
25 燃料供給部
26 活性種添加ポート
27 発電機
28 バッテリ
29 電力供給装置
Claims (2)
- 排気通路に排気浄化触媒を担持したパティキュレートフィルタが配置された内燃機関の排気浄化装置において、
プラズマ改質部を有するプラズマインジェクタを有し、
前記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質の燃焼処理が実行されていない際に、あらかじめ前記プラズマインジェクタにより燃料からプラズマ改質してもたされた活性種を、前記排気浄化触媒よりも上流の排気に添加して前記排気浄化触媒の硫黄被毒回復処理が行なわれる、
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記パティキュレートフィルタの温度が前記粒子状物質の燃焼処理可能温度に昇温されるように、あらかじめ前記プラズマインジェクタにより燃料からプラズマ改質してもたされた活性種を、前記排気浄化触媒よりも上流の排気に添加する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2005290766A JP2007100572A (ja) | 2005-10-04 | 2005-10-04 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2005290766A JP2007100572A (ja) | 2005-10-04 | 2005-10-04 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2007100572A true JP2007100572A (ja) | 2007-04-19 |
Family
ID=38027763
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2005290766A Pending JP2007100572A (ja) | 2005-10-04 | 2005-10-04 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2007100572A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| DE102015111290A1 (de) | 2014-08-04 | 2016-02-04 | Denso Corporation | Reduktionsmittelzufuhrvorrichtung und Kraftstoffverbrennungssystem, das diese aufweist |
| CN110030071A (zh) * | 2019-04-12 | 2019-07-19 | 江苏大学 | 一种优化热管理的dpf再生系统及控制方法 |
-
2005
- 2005-10-04 JP JP2005290766A patent/JP2007100572A/ja active Pending
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