JP2007167655A - 繊維強化された水膨潤性物品に関する応用 - Google Patents

繊維強化された水膨潤性物品に関する応用 Download PDF

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Abstract

【課題】水膨潤性ポリマー中に分散したポリマー性繊維を含有する水膨潤性物質、及びこうした水膨潤性物質から製造される繊維強化物品を提供する。
【解決手段】水膨潤性ポリマー中に分散した複数の架橋ポリマー性繊維を含有する繊維強化された水膨潤性の物質を調製する。前記水膨潤性物質を用いて移植可能な物品を形成する。
【選択図】なし

Description

本出願は、2005年12月20日に出願され、現在係属中であり、特に参照のためにその全体をここに取り込むこととする、米国特許仮出願第60/751852号の優先権を主張する。
本発明は、生物医学的な、または他の応用における使用に好適なポリマー性繊維を含有する、水膨潤性物質に関する。
ヒドロゲル類は、親水性ホモポリマーまたはコポリマーの架橋網目構造によって定義される構造を有する、水膨潤性または水膨潤した物質である。親水性ホモポリマーまたはコポリマーは、遊離形態では水溶性であってもなくても良いが、ヒドロゲルとしては共有結合、イオン結合、または物理的架橋のために水に不溶性(但し膨潤性)であると表現される。物理的架橋の場合には、前記結合は、もつれ合い、クリスタリット、または水素結合構造の形態をとってよい。ヒドロゲル中の架橋により、前記網目構造には構造上及び物理的な一貫性が与えられる。
ヒドロゲル類は、一部分においては、天然組織を模倣して所望の生理学的部位で生物活性物質の放出を促進しうる、その高い水分含量及びゴム様もしくはしなやかな性質のために、生物医学及び製薬用の応用における見通しを示している。例えば、ヒドロゲル類は、移植片、組織接着剤、骨移植片を含む様々な組織処置応用、並びに半月板及び関節軟骨代替物において使用されるかまたは使用が推奨されている。ヒドロゲル類は、薬剤、ペプチド、及びタンパク質を含む生物活性物質を生理学的部位に送達するための担体としても作用しうる。
ヒドロゲル類は、様々な親水性ポリマー及びコポリマーから製造されている。ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリアクリルアミド、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、及びこれらのコポリマーが、ヒドロゲル類の製造に使用して良いポリマーの例である。ヒドロゲル類は、キトサン、アガロース、ヒアルロン酸、及びゼラチン等の生体高分子から、さらに準相互侵入網目構造(「IPN」)ヒドロゲル類及びポリ(エチレングリコール)ジアクリレートで架橋したゼラチンからも製造されている。
ポリ(ビニルアルコール)(「PVA」)は、潜在的な生物医学的応用について広範に研究されている。PVAヒドロゲル類は、例えば、結晶のオーダーを増大させ、該ポリマーの溶解特性、メッシュサイズ、及び拡散特性を変化させる、冷凍と解凍とのサイクルの反復によって、水溶液から製造可能である。参照のためにその全体を取り込むこととするPeppas, et al., Adv. Polymer Sci. 153, 37(2000)が、PVAヒドロゲル類の発展の概観を提供する。
米国特許仮出願第60/751852号 Peppas, et al., Adv. Polymer Sci. 153, 37(2000)
本発明は、水膨潤性ポリマー中に分散したポリマー性繊維を含有する水膨潤性物質、及びこうした水膨潤性物質から製造される繊維強化物品を提供する。
本発明の実施態様においては、前記水膨潤性物質は、架橋ポリマー繊維を含有するポリマー含量として、少なくとも30重量%を含んで良い。別の態様は、少なくとも25重量%のポリマー含量を有する。1つの実施態様においては、架橋ポリマー性繊維は、全ポリマー含量の約1重量%乃至約10重量%を構成する。
本発明の1つの実施態様は、架橋ポリマー性繊維及び親水性ポリマーを担体と混合して水膨潤性物質を生成させ、ここで前記ポリマー繊維は前記親水性ポリマー中に分散しており、さらに前記水膨潤性物質を処理して繊維強化物品を形成し、任意に前記繊維強化物品を架橋させる、水膨潤性物質の製造方法を提供する。
本発明の水膨潤性物質を、更に処理して、様々な生体医学及び製薬向け応用における使用のための繊維強化物品または移植片を形成しても良く、特に移植用関節修復材料に好適である。
本発明は、一般的に、親水性ポリマー中に分散したポリマー性繊維を含有する水膨潤性物質、並びにこうした水膨潤性物質から製造される繊維強化物品を提供する。ここで使用される用語「水膨潤性」とは、水和の際に水を吸収すること、または吸収し保持することのできる物質を意味する。とりわけ、約5%乃至約95%の水を吸収すること、または吸収し且つ保持することのできる物質もあれば、約20%乃至約80%の水を吸収、または吸収し且つ保持する物質もある。
水膨潤性物質は、親水性ポリマー、架橋ポリマー性繊維、及び適切な担体を混合することによって調製して良い。水膨潤性物質の形成に適切なポリマーには、親水性ポリマー及びヒドロゲルを含む親水性ポリマーから誘導されるポリマーが含まれる。好適な親水性ポリマーには、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(グリコール類)、例えばポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アクリル酸)、加水分解ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(エチレンイミン)、エトキシル化ポリ(エチレンイミン)、及びポリ(アリルアミン)、並びにこれらのモノマー類、オリゴマー類、マクロマー類、コポリマー類、及び/または別の誘導体が含まれる。ここに参照のために取り込むこととする、「Blend Hydrogels and Methods of Making」と題される米国特許出願第11/358383号に報告されたポリマー物質もまた、幾つかの実施態様において好適に使用されうる。別の実施態様においては、親水性生体高分子及びIPN類もまた適切であろう。別の好適なポリマーには、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(グリコール類)、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アクリル酸)、加水分解ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(エチレンイミン)、エトキシル化ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アリルアルコール)、ポリ(アリルアミン)、生体高分子、例えばキトサン、アガロース、ヒアルロン酸、コラーゲン、並びにゼラチン、(準)相互侵入網目構造ヒドロゲル、ペプチド、タンパク質、ブレンド、並びにこれらの組み合わせのポリマー類が含まれる。
ポリ(ビニル)アルコールは、所定の実施態様における使用に特に適当である。商業向け使用のためのポリ(ビニルアルコール)は、一般的に、酢酸ビニルのフリーラジカル重合によりポリ(酢酸ビニル)を形成し、次いで加水分解によりPVAを得ることで製造される。加水分解反応は、完全には進まず、ポリマー鎖上のいくつかの地点にペンダント状アセテート基を残す。従って、実際のところ、PVAは、1つには酢酸ビニルとビニルアルコールとのコポリマーであるとみなすことができる。加水分解反応の範囲は、PVAの加水分解の程度を決定する。市販のPVAは、98%を超える加水分解度を有する場合がある。
本発明の別の実施態様においては、前記水膨潤性前駆体は、ポリ(ビニルアルコール)等の親水性ポリマーである第一ポリマーと、疎水性及び親水性の両方の特徴を有する第二ポリマーとのポリマーブレンドであってよい。例えば、前記第二ポリマーは、疎水性反復単位と親水性反復単位とを有するコポリマーであってよい。前記第二ポリマーを含むことにより、後に形成される物品の「剛性」を変更または調整することが可能である。
いくつかの実施態様においては、疎水性の反復単位は脂肪族炭化水素部分を含む。脂肪族炭化水素反復単位は、例えば-[CH2CH2-]または-[CH2CH(CH3)-]を含む。別の実施態様においては、疎水性反復単位は、脂肪族、環状、または芳香族の炭化水素ペンダント基(例えばペンダントフェニル基)、あるいは複素環または複素芳香族ペンダント基を含んで良い。ほんの一例としては、疎水性領域はフッ化炭素部分、シアノペンダント基を含む部分、またはイミド基を含む部分をさらに含んでも良い。
1つの実施態様においては、疎水性反復単位の大部分が-[CH2CH2-]構造を有する。ここで使用する用語「大部分」とは、少なくとも50%を意味する。別の実施態様においては、疎水性反復単位は主に-[CH2CH2-]形である。ここで使用する用語「主に」とは、高割合、一般的には少なくとも90%を意味する。
前記ポリマーの親水性反復単位は、親水性基、例えばヒドロキシルペンダント基、カルボン酸、またはスルホン酸ペンダント基を有する反復単位、親水性複素環基、例えばピロリドンペンダント基、あるいはアルキレンオキシド基(例えば(C1-C6)アルキレンオキシド基、より典型的には(C1-C3)アルキレンオキシド基、例えば-[CH2O-]、-[CH2CH2O-]、-[CH(CH3)O-]、-[CH2CH2CH2O-]、-[CH(CH3)CH2O-]、-[CH2CH(CH3)O-])を、ポリマー骨格中にまたはペンダント基として含む。
ある実施態様においては、親水性反復単位の大部分がペンダント-OH基を含む。別の実施態様においては、親水性反復単位が主にペンダント-OH基を含む。ある実施態様においては、親水性反復単位の大部分が-[CH2CH(OH)-]構造を有する。別の実施態様においては、親水性反復単位が主に-[CH2CH(OH)-]構造を有する。
別の実施態様においては、第二ポリマーは、反復単位、例えば-[CH2CH2-]及び-[CH2CH(OH)-]の反復単位を有する疎水性モノマーと親水性モノマーとから誘導されるコポリマーである。別の実施態様においては、前記コポリマーは、反復単位-[CH2CH2-]と反復単位-[CH2CH(OH)-]とを、約1:1乃至約1:3の範囲の割合で含む。
第二ポリマーとしての使用に適切なポリマーの一例は、「EVAL」、「PEVAL」、または「EVOH」としても既知のポリ(エチレン-コ-ビニルアルコール)である。ポリ(エチレン-コ-ビニルアルコール)は、硬い結晶性固体を形成することができ、食品パッケージまたは別の応用において商用に使用される。市販等級のポリ(エチレン-コ-ビニルアルコール)は、本発明における使用に好適である。市販等級のものは、モルパーセントで表して、26%、27%、28%、29%、32%、35%、44%、及び48%のエチレン含量を有する。
親水性反復単位と疎水性反復単位を有する他のコポリマーの例には、ポリ(エチレン-コ-アクリル酸)、ポリ(エチレン-コ-メタクリル酸)、及びポリ(スチレン-コ-アリルアルコール)が含まれる。約1600の平均分子量を有するポリ(スチレン-コ-アリルアルコール)が、特に好適である。ジオール終端ポリ(ヘキサメチレンフタレート)もまた、所定の実施態様に好適である。
更なる実施態様においては、第二ポリマーは疎水性ブロックと親水性ブロックとを有するブロックコポリマーであってよい。好適なブロックコポリマーは、疎水性部分と親水性部分とを有するオリゴマーまたはプレポリマーから誘導してよい。
前記ポリマーブレンドは、一般的には約5重量%乃至約95重量%の第一ポリマー及び約5重量%乃至約95重量%の第二ポリマーを含んで良い。いくつかの実施態様においては、前記ブレンドは、約30重量%乃至約95重量%の第一ポリマー及び約5重量%乃至70重量%の第二ポリマーを含んで良い。別の実施態様においては、前記ブレンドは、約50重量%乃至約95重量%の第一ポリマー及び約5重量%乃至50重量%の第二ポリマーを含んで良い。
更なる実施態様においては、親水性ポリマーは熱可塑性であり、これは溶解し、その水膨潤性の特徴を失うことなく再固化することができる。ある実施態様においては、前記物質は約70℃乃至約200℃の範囲の融点を有する熱可塑材である。前記水膨潤性物質は、その熱可塑特性のために加工性が高く、最終用途に供しやすい。溶解の際には、前記物質は流動性となり、従って押出成型、射出成型、成型、または鋳型することが可能である。
以上に報告される親水性ポリマーを、適切な担体の存在下で架橋ポリマー性繊維と混合する。好適なポリマー性繊維には、様々な製造元から購入可能な不織布、短繊維が含まれる。好適な合成繊維の例には、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が含まれる。好適な天然繊維は、コラーゲン、キチン、キトサンなどから形成して良い。好適な生分解性繊維には、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(乳酸-コ-グリコリド)(PLG)コポリマー、ポリ(グリコリド-コ-ラクチド)(PGL)コポリマー、ポリジオキサノンなどが含まれる。好適な無機繊維には、例えば炭素繊維、セラミック繊維、ヒドロキシアパタイト、ポリシロキサン繊維等が含まれる。市販のPVA繊維、Kuralon(登録商標)RECシリーズ(Kuraray Co. Ltd., Japan)は、いくつかの実施態様における使用に好適であり、0.014mm乃至0.66mmの平均径及び4mm乃至30mmの平均長を有する。
親水性ポリマーと混合する前に、前記ポリマー性繊維は、照射または別の定法を用いて架橋させて良い。ある実施態様によれば、例えば、前記ポリマー性繊維には、親水性ポリマーとの混合前に25kGyでガンマ線照射を行ってよい。別の実施態様においては、前記ポリマー繊維には50kGyでガンマ線照射を行って良い。こうした架橋は、耐久性を向上させ、結晶化度を保持し、さらに後続の処理工程中における該繊維の溶解を防止し、とりわけ高温環境中における繊維の破損を防止または軽減しうる。
所定の実施態様において、前記ポリマー繊維は、親水性ポリマーが誘導されるものと同一のポリマー材料から形成される。例えば、親水性ポリマーとポリマー性繊維とのいずれもが、ポリ(ビニル)アルコールから形成または誘導されて良い。
親水性ポリマーとポリマー性繊維とは、前記親水性ポリマーの少なくとも一部が担体の存在下で溶解するかまたは可塑化するように、適当な担体の存在下で混合して良い。好適な担体には、水、有機溶媒、またはこれらの混合物、並びに他の可塑剤及び希釈剤が含まれる。好適な担体の例には、極性グリセリン、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エタノール、テトラヒドロフラン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、アセトニトリル、シクロヘキサン、シクロペンタン、1,4-ジオキサン、酢酸エチル、グライム、メチルtert-ブチルエーテル、メチルエチルケトン、ピリジン、及びクロロベンゼンが含まれる。
好適な担体の一例は、ジメチルスルホキシド(DMSO)である。ある実施態様においては、前記担体は少なくとも約97重量%のDMSOを含む。別の実施態様においては、前記担体がDMSOの重量で約70乃至約80部、水の重量で約20乃至30部を含む。ある実施態様においては、前記溶媒はもっぱらDMSOを含み、水を含まない。
いくつかの実施態様においては、少量の水を担体中に使用して、水膨潤性物質の生成において望ましからぬ相分離を抑制し、且つ架橋工程の間に適切な架橋を達成するための一助としてもよい。
いくつかの実施態様においては、前記担体は、食塩水または別の生理学的溶液を含んで良い。PVAヒドロゲル類の製造における食塩水の使用は、例えばHassanらにより、J. Appl. Poly. Sci. 76, 2075(2000)に開示されている。食塩水の存在下で製造されるPVAヒドロゲル類は、いっそうの膨潤動態を示し、且つ全体の水含量がより多い。
親水性ポリマー、ポリマー性繊維、及び担体は、幾つかの方法で混合して水膨潤性物質を形成させて良い。ある実施態様においては、水膨潤性物質は、親水性ポリマー、ポリマー性繊維、及びあらゆる添加剤を担体に加えて溶液を形成することによって生成させる。適当量、例えば約25重量%未満の親水性ポリマーを、該ポリマーが担体中に溶解するように担体に添加する。しかしながら、ポリマー性繊維は、特に予め架橋していれば担体中に溶解しない場合もあるが、膨潤しうる。該溶液を加熱し、且つ連続的に撹拌することにより、親水性ポリマーの溶解及び繊維の分配が促進される。ポリマー対溶媒の比は、この方法を用いて非常に広範に変化させることができるが、ポリマー溶解は、一般的に、加える親水性ポリマーが25重量%未満である場合にもっとも有効である。
別の実施態様においては、適切な親水性ポリマー、ポリマー性繊維、及び担体を、加熱した撹拌装置、例えばツインスクリュー配合機、シグマブレードミキサー、またはツインスクリューレオメーター中で混合することによって配合する。配合処理に好適な温度は、配合する物質によって異なる。ある実施態様においては、処理温度は約80度乃至約130℃の範囲である。別の実施態様においては、処理温度は約90度乃至約120℃の範囲である。前記混合物を配合する1つの利点は、溶媒溶解方法に比べてより多量の、ポリマー性繊維を含む全ポリマー含量を達成しうる点である。これは前記物質が溶液に対して可塑剤として作用するためである。いくつかの実施態様においては、前記混合物の全ポリマー含量は、少なくとも約25重量%であって良く、別の実施態様においてはこれは少なくとも約30重量%であってよい。
上述のように水膨潤性物質を形成した後、更なる処理工程を実行して繊維強化(及び水膨潤性)物品を形成しても良い。例えば前記水膨潤性物質が溶液として生成した場合には、従来の溶液流延方法を使用して良い。あるいは、前記水膨潤性物質が上述の配合方法で形成されたならば、前記物質を、加圧成型、射出成型、または液体射出成型を含む従来の成型技術によって所望の物品に成形してよい。温度及び射出圧力は、材料及び金型設計によって異なる。いくつかの実施態様においては、温度は約90℃乃至約150℃の範囲であって良い。別の実施態様においては、温度は約115℃乃至約140℃の範囲である。別の実施態様においては、加圧成型温度範囲は約90℃乃至約150℃であり、圧力は4トン未満である。
所定の実施態様においては、まず水膨潤性物質を中間形態、例えばペレットなどに成型し、その後前記ペレットを溶解して所望の繊維強化物品に成型してよい。この方法は、溶解されてもその水膨潤特性を失うことなく再固化することのできる熱可塑ポリマーを組み込む水膨潤性物質を用いる使用に、特に好適である。
いくつかの実施態様においては、水膨潤性物質を例えば配合または溶液流延によって更に処理した後、該水膨潤性物質をまずアルコールに浸け、次いで水中に浸す。使用する処理のタイプによって、前記水膨潤性物質は白色且つ不透明または半透明の外観を呈しうる。前記繊維は、肉眼で認識されうる。前記繊維は個別の繊維として存在し、すなわち前記繊維は別々で互いに異なり、且つ完全であってよい。いくつかの実施態様においては、前記繊維はランダムに配向しており、別の実施態様においては前記繊維は幾分の整列を示す。
水膨潤性物質は、様々な三次元形態、例えば円筒状誘導体または部分、球状誘導体または部分、あるいは多面体状誘導体または部分に成形して良い。
所定の実施態様においては、水膨潤性物質は、低い熱容量または乏しい熱伝導性のいずれかによって特徴付けることができ、加熱された流動性の状態で特段の事前対策なしに手動で取り扱うことができる。溶融加工性により、該水膨潤性物質は、原位置での送達及び成形を達成できるようにうまく処理することができる。したがって、前記水膨潤性物質を、例えばホットガンを用いて患者の身体に直接注入し、当該部位にてその後付着または結合しうる水膨潤性物質の原位置成形を行っても良い。こうした技術は、最小限に破壊的な外科的処置に実際の応用を有して良い。
任意に、本発明の水膨潤性物質または繊維強化物品に、1つ以上の架橋工程を施しても良い。架橋は、水膨潤性物質の形成後、前記物質の繊維強化物品への成型後、繊維強化物品の原位置形成の後、あるいは処理中のあらゆる他の適当な時点に実施して良い。
従来の様々なアプローチを、前記水膨潤性物質を架橋させるために使用して良く、これには物理的架橋(例えば凍結融解法)、光開始、照射、及び化学的架橋が含まれる。
電子ビームまたはガンマ線照射による架橋、例えばCo60源の使用によるものを、本発明の実施態様に従って使用して良い。
物理的架橋は、例えば参照のためにその全体を取り込むこととするPeppas, et al., Adv. Polymer Sci. 153, 37(2000)に開示された通常の技術によって達成しうる。
ある実施態様においては、前記水膨潤性物質に少なくとも1つの凍結融解サイクルを行って良く、これにより前記ポリマーブレンドの少なくとも部分的な物理的架橋が起こり、架橋したブレンドが生成しうる。
PVAポリマーについては、−20℃にて凍結させ、25℃にて融解させるサイクルを繰り返すことにより、37℃にて水または生体液と接触させても依然損なわれない結晶領域が形成される。凍結融解サイクルについては類似または同一のパラメータが、本発明の実施に好適である。
本発明の別の実施態様においては、水膨潤性物質を化学的に架橋させてもよい。好適な化学的架橋剤の例には、溶媒、例えばメタノールの存在下でのモノアルデヒド類、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、またはグルタルアルデヒドが含まれる。別の好適な架橋剤には、ジイソシアネート化合物が含まれるが、これはウレタン結合またはエポキシ化合物を生じうる。酵素、例えばタンパク質中でトランスアミド化反応に触媒作用を与えてN-e-(γ−グルタミル)リシン架橋を生成する、カルシウム非依存性微生物トランスグルタミナーゼを使用して達成される架橋もまた、本発明の実施態様によれば好適である。
架橋技術の組み合わせもまた、本発明において利用して良い。例えば、凍結融解サイクルを使用して物理的架橋を提供し、次いで照射または光開始によって更に完全な架橋を提供しうる。別の例としては、化学的架橋に次いで照射を行っても良く、あるいは光開始または凍結融解工程をあらゆる化学的、照射または光開始による架橋の後に実施しても良い。
ある実施態様においては、照射を使用して様々な形状寸法、形態または変化度の水膨潤性または繊維強化物品材料の領域を選択的に架橋しうる。この選択的架橋は、繊維強化物品の機械的及び物理的特徴をカスタマイズして調整するために使用して良い。この架橋方法は、繊維強化物品の製造中に使用しても、あるいは該物品が所望の部位または位置、例えば腰、膝、脊柱、指、肘、つま先、足首、または肩の関節修復部位に、軟部組織に接触して配置された後に原位置にて使用しても良い。滅菌が望ましい所定の応用においては、架橋は滅菌と組み合わせて単一工程として良い。
本発明の水膨潤性物質は、最小限に破壊的な外科的処置を含む様々な応用において使用可能である。例えば、水膨潤性物質は、人工関節軟骨の調製のために人工半月板または関節支持部材として使用してよく、顎関節、近位指節関節、中手指節関節、中足骨指節関節、または腰部被膜関節の修復において使用して良い。
本発明の水膨潤性物質は、また、所定の実施態様においては椎間板の骸核を置換または修理するために使用可能である。腰椎における変性円板疾患は、椎間板の脱水及び脊椎単位の生物医学的機能の喪失によって特徴付けられる。最近のアプローチは、骸核と呼称される円板の中心部分のみを置換することである。
水膨潤性物質または繊維強化物品は、自然なヒトの脊椎円板の一部または全てを置換するために使用される人工脊椎円板に使用しても良い。例としては、人工脊椎円板は弾性の核、弾性の編組繊維輪、及び末端プレートを含んで良い。水膨潤性物質または繊維強化物品は、例えば弾性の核に使用して良い。
水膨潤性物質の、治療薬または他の活性剤を放出する性能が報告されている。本発明の水膨潤性物質は、水膨潤性物質に含浸させるかまたは繊維強化物品の表面上に提供される、タンパク質、薬剤、または他の生理学的作用剤の溶出を生体内で提供するために使用しても良い。前記水膨潤性物質のための任意の付加的添加剤には、成長因子、鎮痛薬、抗生物質、幹細胞、または骨軟骨性細胞が含まれる。
(実施例1−23についての一般的操作及び方法)
繊維強化ヒドロゲル類の製造のための一般的な操作及び方法(実施例1−23)を以下に説明する。表1は、実施例中で使用した各物質の量を示す。PVA及びPVA繊維の量はグラムで表され、水及びDMSOはミリリットルで、繊維の直径はデニールで、長さはミリメートルで表される。前記繊維に、Sterigenics(Charlote, NC)で、25+/-3kGyまたは50+/-3kGyのいずれかの線量でガンマ線を用いて照射した。
Haake Polylab(登録商標)ツインスクリューレオメーターに、PVA、水、DMSO、及びPVA繊維を仕込んだ。前記物質を120℃にて5分間撹拌した。Sigma Aldrich製のPVAは、99+%加水分解されており、146000乃至186000kDaの平均分子量を有する。ポリ(エチレンコビニルアルコール)を、Sigma Aldrichから入手したまま、44%のエチレンを含んだ状態で使用した。使用したPVA繊維は、Kuraray Co. Ltd (日本)製のKuralon(登録商標)RECシリーズである。前記PVA背には、使用前に照射した。Sigma Aldrich製のDMSOは、0.4%相当の水を含んでいた。
5分間撹拌した後、試料を取り除き、室温で冷却し、Battenfeld BA100 CD射出成型機における使用のためにフレーク形状に切断した。得られた物質は依然として半透明で弾性であり、且つしなやかであった。
(実施例1−14)
実施例1−10で得られた半透明で弾性且つしなやかな物質を、240乃至280°F(115乃至138℃)のノズル温度及び型は室温にて、Battenfeld BA100 CD射出成型機でさらに処理した。射出成型による試料はまずアルコールに最低20分間浸し、次いで水に浸した。試料1−10を80℃の水中に20分間浸し、次いで室温の水に2日間浸した。図1及び図2は、それぞれ試料2及び9の、ゲルマトリックス中への繊維の導入を示す。試料11−14は、二日間にわたり室温の水にのみ浸した。繊維は肉眼でも観察できた。溶融流れの方向に幾分の繊維列が存在した。
(実施例15)
実施例2で得られた水膨潤性物質を、Battenfeld BA100 CD射出成型機で処理し、引張バー及び加圧成型試料見本を形成した。前記試料例をアルコールに最低20分間浸し、次いで80℃の水に20分間浸した。その後、前記試料は室温の脱塩水中で二時間に亘り溶媒交換させた。該試料に反復的な凍結融解サイクルを3回行った。このサイクルでは、前記試料を−30℃の冷凍庫に12時間入れて凍結させ、次いで室温にて12時間に亘り融解させた。
(実施例16)
実施例3で得られた水膨潤性物質を、実施例15に記載のように処理した。
(実施例17)
実施例1で得られた水膨潤性物質を、窒素充填し、Sterigenics(Charlote, NC)で75kGyにて照射した。その後、試料は、試験の前に脱塩水中で1日間再水和させた。
(実施例18)
水膨潤性物質が実施例2により得られ、これを実施例17に記載の通り処理した。
(実施例19)
水膨潤性物質が実施例3により得られ、これを実施例17に記載の通り処理した。
(実施例20)
水膨潤性物質が実施例4により得られ、これを実施例17に記載の通り処理した。
(実施例21)
水膨潤性物質が実施例6により得られ、これを実施例17に記載の通り処理した。
(実施例22)
水膨潤性物質が実施例7により得られ、これを実施例17に記載の通り処理した。
(実施例23)
水膨潤性物質が実施例8により得られ、これを実施例17に記載の通り処理した。
選択したヒドロゲルについての機械的動作特性を、米国材料試験協会基準(ASTM D638 Type IV specimens)を使用し、またInstron Corporation社製のModel 3345で従来技術を使用して測定した。試験の間中、引張試料には、蠕動ポンプを使用して1秒当たり60滴の速度で水分補給し続けた。圧縮試験は、室温の水浴中にてInstron Corporation社製のModel 3345で行った。圧縮試料は0.25×0.25インチの円筒状であった。引っ張り特性についての測定値を、表2にまとめる。圧縮特性についての測定値は、表3にまとめる。実施例17−23の引っ張り特性は、表4に報告する。
表2、3、及び4にまとめた結果は、架橋繊維を含有する試料が、コントロール試料に対して相当優れた機械特性を有していたことを示す。このデータにより、照射後には前記物質がより硬くなり、伸長が減少し、また一層架橋していたことが示される。
本発明は、添付の請求項にさらに表される。本発明は、その精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び変形を採用してよい。本発明の実施態様の説明において、明確性のために特定の用語を使用している。しかしながら、本発明は、こうした特定の用語を過度に選択的に限定することを意図せず、選択された各用語が、同様に機能する全ての技術的等価物を含むことが理解されるべきである。
図1は、処理後に完全である残存繊維を示す、実施例2の走査型電子顕微鏡のデジタル画像である。 図2は、処理後に完全である残存繊維を示す、実施例9の走査型電子顕微鏡のデジタル画像である。

Claims (31)

  1. 水膨潤性ポリマー中に分散した複数の架橋ポリマー性繊維を含有する繊維強化された水膨潤性の物質を含む、移植可能な物品。
  2. 前記の水膨潤性ポリマーが、親水性ポリマーを含む、請求項1の物品。
  3. 前記の水膨潤性ポリマーが、ホモポリマーを含む、請求項1の物品。
  4. 前記の水膨潤性ポリマーが、親水性ポリマー及び疎水性ポリマーを含む、請求項1の物品。
  5. 前記の水膨潤性ポリマーが、ポリマーブレンドを含む、請求項1の物品。
  6. 前記水膨潤性ポリマーが、熱可塑性物質を含む、請求項1の物品。
  7. 前記水膨潤性ポリマーが、コポリマーを含む、請求項1の物品。
  8. 前記水膨潤性ポリマーが、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(グリコール類)、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アクリル酸)、加水分解ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(エチレンイミン)、エトキシル化ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アリルアルコール)、及びポリ(アリルアミン)、並びにこれらの組み合わせのポリマーからなる群より選択される、請求項1の物品。
  9. 前記水膨潤性ポリマーが、生体高分子、キトサン、アガロース、ヒアルロン酸、コラーゲン、ゼラチン、(準)相互侵入網目構造ヒドロゲル類、ペプチド及びタンパク質、及びブレンド類、並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1の物品。
  10. 前記複数の架橋ポリマー性繊維と前記水膨潤性ポリマーとが、同一のポリマーを含む、請求項1の物品。
  11. 前記複数の架橋ポリマー性繊維が、ガンマ線照射ポリビニル(アルコール)繊維類である、請求項1の物品。
  12. 前記複数の架橋ポリマー性繊維が、前記水膨潤性ポリマー中でランダムに配向している、請求項1の物品。
  13. 全ポリマー含量が、少なくとも25重量%である、請求項1の物品。
  14. 全ポリマー含量が、少なくとも30重量%である、請求項13の物品。
  15. 前記架橋ポリマー繊維が、前記物品の全ポリマー含量の約1重量%乃至約10重量%を含む、請求項13の物品。
  16. 腰、膝、脊柱、指、肘、つま先、足首、または肩の関節、あるいは脊柱人工補綴物中に、関節修復物質、関節接合または支持面を含む、請求項1の物品。
  17. 水膨潤性親水性ポリマー;及び
    前記水膨潤性親水性ポリマー中に分散した複数の架橋ポリマー性繊維
    を含む、繊維強化された水膨潤性物品。
  18. 前記水膨潤性親水性ポリマーが、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(グリコール類)、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アクリル酸)、加水分解ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(エチレンイミン)、エトキシル化ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アリルアルコール)、及びポリ(アリルアミン)、並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項17の物品。
  19. 前記複数の架橋ポリマー繊維と前記水膨潤性親水性ポリマーとが、同一のポリマーを含む、請求項17の物品。
  20. 前記複数の架橋ポリマー性繊維が、ガンマ線照射ポリビニル(アルコール)繊維類である、請求項17の物品。
  21. 前記複数の架橋ポリマー性繊維が、前記水膨潤性ポリマー中でランダムに配向している、請求項17の物品。
  22. 全ポリマー含量が、少なくとも25重量%である、請求項17の物品。
  23. 全ポリマー含量が、少なくとも30重量%である、請求項22の物品。
  24. 前記架橋ポリマー繊維が、前記物品の全ポリマー含量の約1重量%乃至約10重量%を含む、請求項22の物品。
  25. 腰、膝、脊柱、指、肘、つま先、足首、または肩の関節、あるいは脊柱人工補綴物中に、関節修復物質、関節接合または支持面を含む、請求項17の物品。
  26. 架橋ポリマー性繊維及び親水性ポリマーを担体と混合して親水性ポリマー中に分散したポリマー性繊維を含む水膨潤性物質を形成する工程;
    前記水膨潤性物質を処理して繊維強化物品を形成する工程;
    を含む、繊維強化物品の造成方法。
  27. 前記処理が、前記水膨潤性物質を架橋させる工程を含む、請求項26の方法。
  28. 前記親水性ポリマー、架橋ポリマー性繊維、及び担体を、約80℃乃至約130℃の範囲の温度で混合する、請求項26の方法。
  29. 前記担体が、ジメチルスルホキシドを含む、請求項26の方法。
  30. 前記繊維強化物品が、少なくとも30重量%の全ポリマー含量を有する、請求項26の方法。
  31. 前記繊維強化物品を、溶液流延、加圧成型、射出成型、または液状射出成型によって処理する、請求項26の方法。
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