JP2007289993A - 粉末成形用金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】打錠機のような粉末を圧縮して成形する装置に使用する金型であって、実用的な機械的特性と耐食性とを有し、高価な原料を使用せず、かつ、粉末冶金法によらずに製造できるNi基合金を材料とする金型を提供する。
【解決手段】重量%で、C:0.1%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cu:4.0%以下、Cr:30〜45%およびAl:1.5〜5.0%を含有し、P:0.03%以下、S:0.01%以下であって、残部がNiおよび不可避な不純物からなる組成の合金を固溶化処理し、時効処理して硬度を高めた材料からなる粉末成形用金型。固溶化処理に続く冷間加工により金型形状を与えることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】重量%で、C:0.1%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cu:4.0%以下、Cr:30〜45%およびAl:1.5〜5.0%を含有し、P:0.03%以下、S:0.01%以下であって、残部がNiおよび不可避な不純物からなる組成の合金を固溶化処理し、時効処理して硬度を高めた材料からなる粉末成形用金型。固溶化処理に続く冷間加工により金型形状を与えることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、打錠機のような、粉末を圧縮して成形するための金型に関する。本発明の金型は、高い機械的性能とすぐれた耐食性を有し、保管やメンテナンスが容易である。
錠剤は、打錠機に設けた杵と臼とを用いて打錠末を圧縮成型することにより製造される。ふつう、打錠機は、回転盤に臼孔を設け、臼孔の下方に配置した下杵の位置を調節して臼孔内の空間を所定の容積に設定し、この臼孔内に粉末状の薬剤などの打錠末を一定量収容した後、上杵でこの粉末を圧縮して錠剤を形成し、ついで形成された錠剤を下杵で押し上げて臼孔から取り出すように構成してある。杵と臼とは、頻繁に繰り返される圧縮操作で容易に変形してはならないから、高い機械的強度が要求され、従来は超硬合金や合金工具鋼を用いて製作されてきた。
しかし、従来の杵や臼は、その材料となる金属が基本的には腐食される性質をもつため、使用しないときは表面を油膜で保護したり、真空中で保管したりするなどの、面倒な管理が必要であった。錠剤を構成する薬剤には強酸性物質が含まれている場合があり、それを打錠すると金属の腐食がいっそう進行し、打錠作業中に腐食が始まるおそれもある。そうした腐食が杵や臼の表面に発生すると、その表面の滑り性や製品錠剤との離型性が低下し、錠剤が臼孔から取り出しにくくなる上、杵や臼の表面に粉末が付着して残り、製品錠剤の表面が粗面になったり、クラックが生じたり、明瞭な刻印を形成することができなくなったりする。腐食により生じた異物が、錠剤に混入するおそれもある。このような問題はいずれも、錠剤製造の生産性を著しく低下させる。
腐食を防止するため、杵や臼にクロムメッキなどの表面処理を施すことがあるが、表面処理により腐食を完全に抑制することは困難である。たとえば、下地処理が不完全であるとメッキが剥離することがあるし、膜の均一性がよくないとピンホールが発生したりする。そこで、従来は杵や臼の表面を頻繁に清掃したり、打錠雰囲気を低湿度に保持してすこしでも腐食の進行を抑制したりするなどの対策がとられてきた。これも、煩雑な管理を要求する対策である。近年では、クロムメッキそのものが、環境への配慮から廃止される傾向にある。
圧縮成型用金型として、特殊な合金を材料とする焼結体を使用することが提案された(特許文献1)。この合金は、重量で、Coを36〜53%、Wを10〜20%、Cを2〜3%を含有する成分に、TaとNbの少なくとも一方を0.2〜5%加えた組成のものである。この金型は、機械的性質と耐食性の両方にすぐれ、打錠の繰り返しにより温度が上昇しても寸法変化が小さい、といった利点を有するが、材料が高価であり、かつ加工性が低いという難点がある。
出願人はさきに、とくにエンジン排気系やガスタービン周辺の耐熱部品として好適なNi基合金を開示した(特許文献2)。このNi基合金は、重量で、C:0.1%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cr:30〜45%およびAl:1.5〜5.0%を含有し、残部が不可避的不純物およびNiからなる合金組成を有し、γ’相およびα相の複合析出により強化されている合金である。その後の研究により、この種の合金が粉末成形金型の材料としても好適であることが判明した。
特開平11−158571
特開2002−69557
本発明の目的は、上述した知見を活用し、高価な材料を使用せず、かつ、粉末冶金法によらずに製造できるNi基合金を材料とする金型であって、実用的な機械的特性と耐食性とを有するものを提供することにある。
本発明の粉末成形用金型は、重量%で、C:0.1%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cu:4.0%以下、Cr:30〜45%およびAl:1.5〜5.0%を含有し、P:0.03%以下、S:0.01%以下であって、残部がNiおよび不可避な不純物からなる組成の合金で製作した粉末成形用金型である。
本発明の粉末成形用金型は、粉末成形用金型として使用したとき、繰り返し打錠に耐える硬さと十分な耐食性を有するから、摩耗や腐食がもたらす成形時の諸問題が解消する。不使用時の管理やメンテナンスの煩雑さもない。焼結製品ではないから、金型の製造が容易で、コストも低廉である。上記の組成の合金は非磁性であるから、この金型を使用して金属粉末の成形を行なうこともできる。
本発明の粉末成形用金型の製造に当たっては、鍛造ないし圧延に続き、冷間加工を行なうことが推奨される。それにより結晶粒が微細化し、靱性が高まる。加工は材料が軟らかい状態(Hvにして200程度)で行ない、ついで時効処理をして硬化させる(Hv700程度)と、いっそう有利である。材料とするNi基合金は、時効にともなう体積変化がほとんどないから、硬化させたのちに金型を精加工する必要がない。
この金型の材料とするNi基合金の組成を上記のように定めた理由は、下記のとおりである。
C:0.1%以下
Cは合金の溶製時に脱酸剤として作用するが、多量の存在は強度および靱性を低下させるので、0.1%を上限とする。好ましくは、0.08%以下である。
Cは合金の溶製時に脱酸剤として作用するが、多量の存在は強度および靱性を低下させるので、0.1%を上限とする。好ましくは、0.08%以下である。
Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下
SiもMnも、合金の溶製時に脱酸剤として作用するが、どちらも多量の存在は、強度および靱性を低下させるので、2.0%以下の添加に止める。好ましくは、どちらも1.0%以下である。
SiもMnも、合金の溶製時に脱酸剤として作用するが、どちらも多量の存在は、強度および靱性を低下させるので、2.0%以下の添加に止める。好ましくは、どちらも1.0%以下である。
Cu:4.0%以下
Cuは、合金に耐硫酸性を与える。この効果を得るためには、0.01%以上、さらに0.10%以上のCuを添加することが好ましい。ただし、4.0%を超えると熱間加工性が低下するので、これを添加量の上限とする。
Cuは、合金に耐硫酸性を与える。この効果を得るためには、0.01%以上、さらに0.10%以上のCuを添加することが好ましい。ただし、4.0%を超えると熱間加工性が低下するので、これを添加量の上限とする。
Cr:30〜45%
Crは、α相を形成する重要な元素であり、α相がγ’相と複合析出することにより、高い強度と高い硬度とが得られる。Crはまた、この材料に期待される耐食性を担う成分である。これらの効果は、30%以上のCrが存在してはじめて確実なものになる。45%を超える添加は、加工性を低くするので避けなければならない。好ましい範囲は、32〜42%である。
Crは、α相を形成する重要な元素であり、α相がγ’相と複合析出することにより、高い強度と高い硬度とが得られる。Crはまた、この材料に期待される耐食性を担う成分である。これらの効果は、30%以上のCrが存在してはじめて確実なものになる。45%を超える添加は、加工性を低くするので避けなければならない。好ましい範囲は、32〜42%である。
Al:1.5〜5.0%
Alは、γ’相を形成する元素であり、上記したγ’相とα相との複合析出による高い強度高い硬度の発現という機構にとって、重要な存在である。この効果を確実に得るためには、Alを1.5%以上添加しなければならない。ただし、添加量が5.0%を超えると加工性を損なうので、これを添加の限度とする。
Alは、γ’相を形成する元素であり、上記したγ’相とα相との複合析出による高い強度高い硬度の発現という機構にとって、重要な存在である。この効果を確実に得るためには、Alを1.5%以上添加しなければならない。ただし、添加量が5.0%を超えると加工性を損なうので、これを添加の限度とする。
P:0.03%以下、S:0.01%以下
これらは不純物であるが、通常の原料選択によっては混入が避けがたい成分であって、靱性にとっても耐食性にとっても、好ましくない存在である。記載したそれぞれの上限は、どちらも許容限度である。他の不純物としては、原料の選択にもよるが、Feがもっとも混入しやすい。しかし、通常は1%未満であり、その程度のFeの存在は、実用上差し支えない。
これらは不純物であるが、通常の原料選択によっては混入が避けがたい成分であって、靱性にとっても耐食性にとっても、好ましくない存在である。記載したそれぞれの上限は、どちらも許容限度である。他の不純物としては、原料の選択にもよるが、Feがもっとも混入しやすい。しかし、通常は1%未満であり、その程度のFeの存在は、実用上差し支えない。
表1に示す組成(重量%)のNi基合金を、真空誘導炉を用いて溶製し、50kgのインゴットに鋳造した。実施例は残部Niであり、比較例1および2は、従来粉末成形金型に使用された鋼であって、No.1はSUS304、No.2はSUH660である(従って、残部はFe)。各インゴットを鍛造、圧延し、直径18mmの丸棒にした。この丸棒から、JIS Z 2244に従う硬さ試験、JIS Z 2371に従う塩水噴霧試験、およびJIS G 0591に従う硫酸腐食試験の試験片を、それぞれ切り出した。
実施例1〜7および比較例3の試料は、1150℃に60分間保持する固溶化処理を施し、冷間加工に続いて、575℃に24時間保持する時効処理を施したものを試験した。別に、実施例1〜3の試料に関して、1150℃に60分間保持する固溶化処理から、直接575℃に48時間保持する時効処理を施した場合についても、上記の試験を行なった。
塩水噴霧試験および硫酸腐食試験の結果を、測定した硬さの値とともに、表2に示す。表2の塩水噴霧試験の欄において、○は発錆なし、△は部分発錆を示す。硫酸腐食試験の欄において、○は腐食減量が小、△は腐食減量がやや大であることを示す。
塩水噴霧試験および硫酸腐食試験の結果を、測定した硬さの値とともに、表2に示す。表2の塩水噴霧試験の欄において、○は発錆なし、△は部分発錆を示す。硫酸腐食試験の欄において、○は腐食減量が小、△は腐食減量がやや大であることを示す。
実施例1のNi基合金を材料に、回転式打錠機の回転盤と杵とを製作した。圧延材に、温度1150℃に60分間保持する固溶化熱処理を施し、冷間の打ち抜きにより円盤に多数の臼孔を設けて回転盤とし、この臼孔に適合する上杵および下杵を、冷間の型打ち鍛造によって製作した。続いて575℃に24時間保持する時効処理を行なって、各部品の硬さをHV700に高めた。このようにして製作した回転盤と上下の杵とを使用して、回転式打錠機を組み立てた。この打錠機を薬剤の高速打錠に使用したところ、変形や腐食を生じることなく、休止時も特段のメンテナンスをしなくても長期間操業することができた。
Claims (3)
- 重量%で、C:0.1%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Cu:4.0%以下、Cr:30〜45%およびAl:1.5〜5.0%を含有し、P:0.03%以下、S:0.01%以下であって、残部がNiおよび不可避な不純物からなる組成の合金で製作した粉末成形用金型。
- 固溶化処理および時効処理を施した請求項1の粉末成形用金型。
- 固溶化処理と時効処理との間に冷間加工を行なって金型形状を与えた請求項2の粉末成形用金型。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2006119928A JP2007289993A (ja) | 2006-04-24 | 2006-04-24 | 粉末成形用金型 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011125876A (ja) * | 2009-12-16 | 2011-06-30 | Yamashita Works:Kk | 打錠杵とこれを用いた打錠成形機 |
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| JPH05117828A (ja) * | 1991-02-18 | 1993-05-14 | Mitsubishi Materials Corp | 靱性に優れた刃物材の製造方法 |
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-
2006
- 2006-04-24 JP JP2006119928A patent/JP2007289993A/ja active Pending
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