JP2007309656A - 焦電型赤外線ガス検知器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 焦電型赤外線センサから出力されるセンサ出力信号に対して所定の信号処理を行う信号処理回路を具えた焦電型赤外線ガス検知器において、信号処理回路は、ブースト回路および増幅回路を有し、焦電型赤外線センサの起動時においては、増幅回路によるセンサ出力信号に対する増幅率が、安定したセンサ出力信号が得られる定常時における基準増幅率より小さい大きさに設定され、焦電型赤外線センサが起動されてから所定時間が経過した後、増幅率が基準増幅率に変更される。
【選択図】 図3
Description
この焦電型赤外線センサ50から出力される電圧信号(センサ出力信号)は、電界効果型トランジスタ52に起因する直流成分にこの直流成分に比して微弱な焦電素子51からの交流成分が重畳されたものであり、この状態のまま出力するのであれば、ガス応答に係る信号成分(交流成分)を十分に高い信頼性をもって検出することができないことから、コンデンサCと抵抗R3とが直列接続されてなるフィルタ回路56によって、センサ出力信号における直流成分を除去し、その後、増幅器57によって、設定されたゲインで増幅されて出力される。図6において、R1は内部抵抗、R2は受信抵抗である。
しかしながら、このようなフィルタ回路56においては、抵抗R3が抵抗値が高いものであるため、コンデンサCの充・放電に長時間を要し、出力が安定化するまでに長時間を要する、すなわち起動時間が遅い、という問題がある。
前記信号処理回路は、少なくともセンサ出力信号の信号レベルを昇圧するブースト回路およびセンサ出力信号を所定の増幅率で増幅して出力する増幅回路を有し、
焦電型赤外線センサの起動時においては、増幅回路によるセンサ出力信号に対する増幅率が、安定したセンサ出力信号が得られる定常時における基準増幅率より小さい大きさに設定され、焦電型赤外線センサが起動されてから所定時間が経過した後、増幅回路によるセンサ出力信号に対する増幅率が基準増幅率に変更されることを特徴とする。
この焦電型赤外線ガス検知器は、導入される被検ガスに含まれる検知対象ガスの濃度に応じたガス検知信号を出力するガス検知部10と、焦電型赤外線ガス検知器における各構成部に適宜の動作指令信号を発すると共にガス検知部10から出力されるセンサ出力信号に対して所定の信号処理を行う信号処理回路30を含む制御部20とを備えている。
ガスセル11には、複数のガス流入出口11Aが互いに赤外線光源12の光軸方向(図1において左右方向)に離間して並ぶよう形成されている。
増幅器40による、センサ出力信号に対する増幅率(ゲイン)の大きさは、マイコン23によって調整可能とされており、後述するように、センサ出力信号が適正な大きさに制御された増幅率で増幅される。
具体的には、電界効果型トランジスタ36が非動作状態(ブースト回路OFF状態)にあるときには、フィルタ回路31は、コンデンサCと高抵抗R3および抵抗R4とにより構成されて時定数τ1が大きい状態とされ、一方、電界効果型トランジスタ36が動作状態(ブースト回路ON状態)にあるときには、高抵抗R3が短絡されることにより、フィルタ回路31がコンデンサCと抵抗R4とによって構成されて時定数τ2が小さい状態とされる。
赤外線光源12を所定の周期、例えば0.5secで点滅駆動させると、この赤外線光源12より放射される赤外線が周期的(断続的)に焦電素子16に供給されることにより持続的な電流信号が得られる。
この焦電素子16から出力される電流信号は、内部抵抗R1により電圧信号に変換されて、電界効果型トランジスタ18のゲートに印加されることにより、電界効果型トランジスタ18のソースからドレインに向けてドレイン電流が流れ、これにより、ソース電圧が受信抵抗R2に発生し、このソース電圧がセンサ出力信号として出力される。赤外線センサ15から出力されるセンサ出力信号は、上述したように、ガスセル11に導入されている被検ガス中の検知対象ガスの濃度に応じた波高値を有する、直流成分に交流成分が重畳されたものであり、フィルタ回路31によって直流成分が除去される。
具体的に説明すると、赤外線センサ15の起動直後においては、マイコン37からのブースト信号(ゲート電圧)が電界効果型トランジスタ36のゲートGに印加されることにより、電界効果型トランジスタ36のソースSからドレインDに向かって電流が流れる状態、すなわち電界効果型トランジスタ36がON状態(導通状態)とされ、高抵抗R3が短絡される。この状態においては、抵抗R4の抵抗値が小さいことから、コンデンサCの充・放電が速やかに行われてセンサ出力信号の信号レベルが急速に昇圧される。
そして、赤外線センサ15が起動されてから所定時間が経過した後に、ブースト回路35における電界効果型トランジスタ36に対するゲート電圧の印加が停止されて、フィルタ回路31がその時定数が大きい状態となるよう切り換えられる。この状態においては、高抵抗R3および抵抗R4との合成抵抗とが十分に大きいことから、得られるセンサ出力信号は十分な信号幅を有するものとなる。
センサ起動時における増幅率(以下、「初期増幅率(B)」という。)は、定常時において設定される基準増幅率(A)の50〜80%の大きさの範囲内、換言すれば、初期増幅率(B)の基準増幅率(A)に対する比率(B/A)が0.5〜0.8である大きさの範囲内で設定されることが好ましい。このような範囲内で設定されることにより、センサ出力信号が測定可能な範囲(測定レンジ)を逸脱することを確実に防止することができ、適正な信号を安定して得ることができる。
また、焦電型赤外線センサが起動されてから増幅率の大きさが切り換えるまでの時間、すなわち初期増幅率に設定される時間は、例えば10〜30秒間の時間の間で設定されることが好ましい。
一方、基準増幅率で増幅されて出力されるセンサ出力信号については、A/D変換手段22によってデジタル信号(A/D値)に変換され、これにより得られたデジタル信号に対して特定の信号処理を施して、例えば表示用の指示出力値が算出される。
この結果から明らかなように、図6に示す構成に従って構成したブースト回路を有さない信号処理回路を備えたものであれば、図4に示すように、赤外線センサが起動されてから安定したセンサ出力信号が得られるまでに要する時間であるセンサ起動時間が44秒程度必要であるのに対して、本発明に係る信号処理回路を備えたものによれば、センサ起動時間を5秒間程度に大幅に短縮することができ、センサ立ち上がり特性を十分に向上させることができることが確認された。
得られるセンサ出力信号の振幅の大きさが一定の大きさとなって、信号が測定可能範囲内から逸脱しない状態となった場合に、センサ出力が安定したものとし、赤外線センサが起動されてからこの状態に至るまでに要する時間をセンサ起動時間として評価した。
ここに、センサ出力信号を一定の増幅率で増幅する信号処理回路を備えたものにおいては、センサ出力信号を測定可能な範囲(0〜5V)で取得するためには、ブースト時間を5秒以上に設定することが必要であり、赤外線センサが起動されてからブースト回路をOFF状態とするまでの間に得られるセンサ出力信号はS/N比が低いものであり、十分な信頼性を得ることが困難であることが確認された。
なお、図3乃至図5において、(イ)は赤外線センサの起動された時点、(ロ)はブースト回路が停止された時点、(ハ)は増幅器による増幅率が変更された時点、(ニ)は安定したセンサ出力信号が得られるようになった時点を示す。
フィルタ回路を構成するコンデンサCの静電容量が22μF、高抵抗R3の抵抗値が200kΩ、抵抗R4の抵抗値が1kΩであり、電界効果型トランジスタ36が非動作状態とされた状態における時定数τ1が4.4秒、電界効果型トランジスタ36が動作状態とされた状態における時定数τ2が0.02秒である。
ブースト回路における基準電圧電源により印加される基準電圧(Vr)を2.5Vとした。
〔動作条件〕
ブースト回路が作動される時間(ブースト時間)を赤外線センサが起動されてから2秒間の間の時間に設定した。
増幅器による初期増幅率(A)を基準増幅率(B)の60%の大きさに設定し、初期増幅率(A)に設定される時間を、赤外線センサが起動されてから20秒間の時間の間に設定した。
例えば、初期増幅率の大きさおよびブースト時間等は、得られるセンサ出力信号が測定可能な範囲を超えないレベルで適宜に設定することができる。
また、増幅器による増幅率の大きさが、赤外線センサが起動されてから所定時間毎に段階的に変更されるよう設定されていてもよい。
さらに、ブースト回路を構成するスイッチ素子は、電界効果型トランジスタ(FET)に限定されるものではなく、例えばバイポーラトランジスタ、アナログスイッチ、メカニカルリレーなどを用いることができる。
11 ガスセル
11A ガス流入出口
12 赤外線光源
15 焦電型赤外線センサ
16 焦電素子
17 電流電圧変換回路
18 電界効果型トランジスタ
20 制御部
21 光源駆動回路
22 A/D変換手段
23 マイコン
24 D/A変換手段
30 信号処理回路
31 フィルタ回路
32 基準電圧電源
35 ブースト回路
36 電界効果型トランジスタ
37 マイコン
40 増幅器
G ゲート
S ソース
D ドレイン
C コンデンサ
R1 内部抵抗
R2 受信抵抗
R3、R4 抵抗
R5 プルダウン抵抗
50 焦電型赤外線センサ
51 焦電素子
52 電界効果型トランジスタ
53 赤外線光源
55 信号処理回路
56 フィルタ回路
57 増幅器
Claims (3)
- 焦電型赤外線センサから出力されるセンサ出力信号に対して所定の信号処理を行う信号処理回路を具えたものにおいて、
前記信号処理回路は、少なくともセンサ出力信号の信号レベルを昇圧するブースト回路およびセンサ出力信号を所定の増幅率で増幅して出力する増幅回路を有し、
焦電型赤外線センサの起動時においては、増幅回路によるセンサ出力信号に対する増幅率が、安定したセンサ出力信号が得られる定常時における基準増幅率より小さい大きさに設定され、焦電型赤外線センサが起動されてから所定時間が経過した後、増幅回路によるセンサ出力信号に対する増幅率が基準増幅率に変更されることを特徴とする焦電型赤外線ガス検知器。 - 焦電型赤外線センサが起動されてから10〜30秒間の時間の間、基準増幅率より小さい増幅率に設定されることを特徴とする請求項1に記載の焦電型赤外線ガス検知器。
- センサ起動時における増幅率が定常時における基準増幅率の50〜80%の大きさであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の焦電型赤外線ガス検知器。
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