JP2008196629A - 空気バネ - Google Patents

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Abstract

【課題】オリフィスの設計自由度が高く、高周波音の発生防止対策を講じることができる空気バネを提供する。
【解決手段】内部の本体側空気室2aに加圧空気が充填され、加圧空気の圧力によって弾力が調整される空気バネ本体2と、補助側空気室10aを内部に有する補助タンク10とを備え、空気バネ本体2のベース板4にハンドリング用ネジ孔7とオリフィス31とをそれぞれ設け、オリフィス31を介して本体側空気室2aと補助側空気室10aが連通された空気バネ1に、オリフィス31を、ベース板4のハンドリング用ネジ孔7に対してオフセットした位置に設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両等の振動抑制に使用されて好適な空気バネに関する。
特許文献1に開示されるように、鉄道車両等の振動を抑制するために空気バネが使用される。この種の空気バネの一従来例としては、図8及び図9に示すものがある。
図8及び図9において、空気バネ100は、内部の本体側空気室101aに加圧空気が充填され、加圧空気の圧力によって弾力が調整される空気バネ本体101と、この空気バネ本体101の下方に配置され、補助空気室102aを内部に有する補助タンク102と、空気バネ本体101と補助タンク102との間に介在されたゴムバネ部103とを備え、空気バネ本体101と補助タンク102の双方の本体側空気室101aと補助空気室102aが連通路104を介して連通されている。
空気バネ本体101は、上下位置に配置された一対のベース板110,111と、この一対のベース板110,111の間を囲むうように固定されたベローズ体112とを備えている。下方のベース板111には、そのセンター位置にハンドリング用ネジ孔113が設けられている。このハンドリング用ネジ孔113に上方から内部に進入させたハンドリング部材(図示せず)をネジ込みで固定し、空気バネの運搬などのハンドリングが容易に行える構造となっている。
連通路104は、下方のベース板111に設けられたオリフィス114と、ゴムバネ部103の中心位置を貫通する貫通孔115と、ゴムバネ部103の底面板105より下方に突設されたボス部116とから構成されている。
オリフィス114は、下方のベース板111のハンドリング用ネジ孔113の下面部に、つまり、ハンドリング用ネジ孔113と同一位置に設けられている。
上記構成において、鉄道車両の振動によって空気バネ本体101内の空気が圧縮(加圧)・膨張(減圧)されると、空気バネ本体101の本体側空気室101aと補助タンク102の補助空気室102a間の差圧によって双方の空気が連通路104を介して流出入する。そして、空気流が連通路104のオリフィス114を通過する際に発生する摩擦や拡散によって減衰力が得られるものである。
このオリフィス114による減衰効果は、孔面積が小さく、且つ、孔長さが短い方が効果的である。従って、ベース板111のハンドリング用ネジ孔113とオリフィス114を併設する従来の構成は、必然的にオリフィス114の孔長さが短くなるため、減衰効果の点で有効である。又、ハンドリング用ネジ孔113とオリフィス114が同一位置である従来例の構成は、ベース板111の加工性にも優れている。
特開2005−231464号公報
しかし、オリフィス114の孔長さが短いと、高周波音(いわゆる笛吹き音)が発生することが判明した。近年においては、車両の静寂性要求が高く空気バネ100からの耳障りな高周波音の発生を防止する必要がある。
ここで、オリフィス114の孔形状を工夫することで高周波音の発生を防止することが考えられるが、上記従来例では、オリフィス114がハンドリング用ネジ孔113と同じ位置に配置されているため、オリフィス114の設計自由度が非常に低く、高周波音(笛吹き音)の発生防止対策を講じることができない。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、オリフィスの設計自由度が高く、耳障りな高周波音の発生防止対策を講じることができる空気バネを提供することを目的とする。
本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴に係る発明は、内部に本体側空気室が形成され、この本体側空気室に加圧空気が充填され、加圧空気の圧力によって弾力が調整される空気バネ本体と、内部に補助空気室を有する補助タンクと、前記空気バネ本体のベース板にハンドリング用ネジ孔と、前記本体側空気室と前記補助空気室とを連通するオリフィスとを備えた空気バネであって、前記オリフィスは、前記ベース板の前記ハンドリング用ネジ孔に対してオフセットした位置に設けられたことを要旨する。
かかる特徴によれば、ハンドリング用ネジ孔の制約を受けることなく、しかも、ベース板の板厚の全てをオリフィスの長さ寸法とすることができるため、オリフィスの設計自由度が高くなり、高周波音を抑制できる形態とすることができる。
その他の特徴に係る発明は、オリフィスの内周面は、両端に向かうに従って拡径する拡径面として形成されていることを要旨とする。
かかる特徴によれば、オリフィスを通過する空気流が拡径面によってオリフィスの出入口付近をスムーズに流れるため、空気の乱流による高周波音の発生を抑制できる。つまり従来では、空気流がオリフィスを通過する際に、オリフィスの出入口の角に当たって乱流を引き起こし、この乱硫によって高周波音(いわゆる笛吹き音)が発生していたが、かかる空気の乱流を抑制できることから高周波音の発生を抑制できる。
その他の特徴に係る発明は、拡径面は、円弧面であることを要旨とする。
その他の特徴に係る発明は、拡径面の曲率半径Rは、ベース板の板厚をtとすると、(1/3)・t≦R≦(1/2)・tの範囲であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、オリフィスの中央箇所は、最小径を維持できるため、減衰特性を保持しつつ高周波音の発生を防止できる。
本発明によれば、オリフィスの設計自由度が高く、高周波音の発生防止対策を講じることができる空気バネを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明の一実施形態を示し、図1は空気バネの断面図、図2は下方のベース板の平面図、図3は図2のA−A線断面図、図4はベース板のオリフィス付近の拡大断面図、図5(a)は従来例における高周波音の発生状態の実験結果を示す図、図5(b)は本実施形態における高周波音の発生状態の実験結果を示す図である。
図1に示すように、空気バネ1は、内部の本体側空気室2aに加圧空気が充填され、加圧空気の圧力によって弾力が調整される空気バネ本体2と、この空気バネ本体2の下方に配置され、補助側空気室10aを内部に有する補助タンク10と、空気バネ本体2と補助タンク10との間に介在されたゴムバネ部20とを備え、空気バネ本体2と補助タンク10の双方の内部は連通路30を介して連通されている。
空気バネ本体2は、上下位置に配置された一対のベース板3,4と、この一対のベース板3,4の間を囲むように固定されたベローズ体5とを備え、これらによって内部に本体側空気室2aが形成されている。上方のベース板3には、センター位置に本体側空気室2aに空気を供給するための空気供給部6が設けられている。下方のベース板4には、そのセンター位置に有底のハンドリング用ネジ孔7が設けられている。このハンドリング用ネジ孔7に上方の空気供給部6から内部に進入させたハンドリング部材(図示せず)をネジ込みで固定し、空気バネの運搬などのハンドリングが容易に行える構造となっている。
ゴムバネ部20は、上面板21と、下面板22と、これらの間に交互に積層された複数の弾性材23及び剛材24とから構成されている。上面板21は、空気バネ本体2の下方のベース板4にボルト締結部25によって固定されている。下面板22には、そのセンター位置にパイプ部26が下方に向かって突設されている。
連通路30は、下方のベース板4に設けられたオリフィス31と、ゴムバネ部20の中心位置を貫通する貫通孔32と、ゴムバネ部20のパイプ部26内のパイプ通路33とから構成されている。
オリフィス31は、図2及び図3にも示すように、ハンドリング用ネジ孔7にオフセットした位置に設けられている。オフセット距離Lは、ベース板4の強度確保の観点より20mm以上が望ましい。又、オリフィス31は、図4に詳しく示すように、従来例とほぼ同一の小径(開口面積)に形成され、且つ、下方のベース板4の板厚t分の孔長さ寸法である。つまり、オリフィス31の加工に際して従来のようにハンドリング用ネジ孔7の制約を受けず、且つ、オリフィス31の形状に加工を施すことができる長さ寸法を有する。
以上の理由により、オリフィス31の内周面は、図4に詳しく示すように、両端に向かうに従って徐々に拡径する拡径面31aに形成されている。この実施形態では、拡径面31aは、円弧面であり、その曲率半径Rは、(1/3)・tに設定されている。
上記構成において、鉄道車両の振動によって空気バネ本体2内の空気が圧縮(加圧)・膨張(減圧)されると、空気バネ本体2の本体側空気室2aと補助タンク10の補助側空気室10a間の差圧によって双方の空気が連通路30を介して流出入する。そして、空気流が連通路30のオリフィス31を通過する際に発生する摩擦や拡散によって減衰力が得られる。
ここで、オリフィス31を通過する空気流は、拡径面31aによってオリフィス31の出入口付近をスムーズに流れるため、空気の乱流による高周波音(いわゆる笛吹き音)の発生を抑制できる。つまり従来では、空気流がオリフィスを通過する際に、オリフィスの出入口の角に当たって乱流を引き起こし、この乱硫によって高周波音(いわゆる笛吹き音)が発生していたが、かかる空気の乱流を抑制できることから高周波音の発生を抑制できる。
従来例と本実施形態における高周波音の発生状態を実験により比較検討した。この実験状況を具体的に説明する。鉄道車両を支持できる寸法緒元を有する、標準高さにおける有効直径が300〜600φの空気バネにおいて、支持荷重を53.9KN(55ton、内圧250KPa)、空気バネ標準高さを219mmとする。下側加振振幅を1.0〜10.0mmの範囲で、且つ、周波数を0.2〜4.0Hzの範囲内でそれぞれ変化させた時の高周波音の発生状況を調べた。高周波音の発生が認められなかった場合を×、高周波音の発生が認められた場合を○、高周波音の発生がかすかに認められた場合を△で表示すると、従来例では図5(a)の実験結果が、本実施形態では図5(b)の実験結果が得られた。図5(a)、(b)に示すように、従来例では、周波数が1.0Hz以上で高周波音の発生が認められたが、本実施形態では、全ての周波数帯で全く高周波音の発生が認められなかった。
以上、本発明では、ベース板4のハンドリング用ネジ孔7に対してオフセットした位置にオリフィス31が設けられているので、ハンドリング用ネジ孔7の制約を受けることなく、しかも、ベース板4の板厚tの全てをオリフィス31の孔長さ寸法とすることができるため、オリフィス31の設計自由度が高くなり、高周波音を抑制できる形態とすることができる。
具体的には、オリフィス31は、その内周面が両端に向かうに従って拡径する拡径面31aとして形成されているので、オリフィス31を通過する空気流が拡径面31aによってオリフィス31の出入口付近をスムーズに流れるため、空気の乱流による高周波音の発生を抑制できる。
又、オリフィス31は、その内周面が拡径面31aに形成されているが、オリフィス31の中央箇所は、最小径dを維持できるため、減衰特性を保持しつつ高周波音の発生を防止できる。
図6は、オリフィスの第1変形例の断面図を示す。図6に示すように、第1変形例のオリフィス40は、その内周面の拡径面40aが曲面として形成され、且つ、その曲率半径Rが(1/2)・tに設定されている。
この第1変形例でも、前記実施形態と同様に、オリフィス40の最小径dを確保しつつ、内周面を拡径面40aとすることができるため、減衰特性を保持しつつ高周波音の発生を防止できる。
オリフィス40の曲率半径Rは、(1/3)・t≦R≦(1/2)・tの範囲に設定すれば、オリフィス40の最小径dを確保しつつ、内周面を拡径面とすることができ、好ましい。つまり、曲率半径Rが(1/3)・t未満であれば、空気流のスムーズな流出入を図ることができず、乱流を引き起こす可能性が高い。又、曲率半径Rが(1/2)・tより大きいと、周面の両端にエッジが形成され、乱入を引き起こす可能性が高くなるためである。
図7はオリフィスの第2変形例の断面図である。図7に示すように、第2変形例のオリフィス41は、下方のベース板4の大径孔42に配置され、且つ、支持座部43によって保持された弾性体44に形成されている。そして、オリフィス41の内周面は、ストレートな拡径面41aとして形成されている。
この第2変形例でも、前記実施形態と同様に、オリフィス41の最小径dを確保しつつ、内周面を拡径面41aとしているため、減衰特性を保持しつつ高周波音の発生を防止できる。又、オリフィス41が弾性体44に形成されているので、弾性体44が空気振動を吸収するため、高周波音の発生を更に抑制できるという利点もある。
本発明の一実施形態を示し、空気バネの断面図である。 本発明の一実施形態を示し、下方のベース板の平面図である。 本発明の一実施形態を示し、図2のA−A線断面図である。 本発明の一実施形態を示し、ベース板のオリフィス付近の拡大断面図である。 本発明の一実施形態を示し、(a)は従来例における高周波音の発生状態の実験結果を示す図、(b)は本実施形態における高周波音の発生状態の実験結果を示す図である。 オリフィスの第1変形例の拡大断面図である。 オリフィスの第2変形例の拡大断面図である。 従来例の空気バネの断面図である。 図8のB部拡大図である。
符号の説明
1 空気バネ
2 空気バネ本体
2a 本体側空気室
4 ベース板
7 ハンドリング用ネジ孔
10 補助タンク
10a 補助空気室
30 連通孔
31 オリフィス
31a 拡径部
40 オリフィス
40a 拡径部
41 オリフィス
41a 拡径部
44 弾性体

Claims (4)

  1. 内部に本体側空気室が形成され、この本体側空気室に加圧空気が充填され、加圧空気の圧力によって弾力が調整される空気バネ本体と、内部に補助空気室を有する補助タンクと、前記空気バネ本体のベース板にハンドリング用ネジ孔と、前記本体側空気室と前記補助空気室とを連通するオリフィスとを備えた空気バネであって、
    前記オリフィスは、前記ベース板の前記ハンドリング用ネジ孔に対してオフセットした位置に設けられたことを特徴とする空気バネ。
  2. 前記オリフィスの内周面は、両端に向かうに従って拡径する拡径面として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気バネ。
  3. 前記拡径面は、円弧面であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気バネ。
  4. 前記拡径面の曲率半径Rは、前記ベース板の板厚をtとすると、(1/3)・t≦R≦(1/2)・tの範囲であることを特徴とする請求項3に記載の空気バネ。
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