JP2009006948A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常走行時における操舵フィーリングの悪化を防止しつつ、非常時における自動操舵制御を行うことが可能なパワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】入力軸40に形成された各左、右回転用受圧面42,43と各左、右回転用ピストン120,220との傾斜面接触をもって、入力軸40に左、右回転方向のトルクを付与する。各左、右回転用ピストン120,220は、上記自動操舵制御を行う際に各左、右回転用受圧面42,43のうち第1傾斜面42a,43aをそれぞれ押圧して比較的大きい操舵トルクを発生する一方で、通常走行時に各左、右回転用受圧面42,43のうち第1傾斜面42a,43aと傾斜角度の異なる第2傾斜面42b,43bをそれぞれ押圧して比較的小さい反力トルクを発生する。
【選択図】図6

Description

本発明は、運転者の操舵力を油圧によりアシストするパワーステアリング装置に関し、特に、主として大型車両に用いられるいわゆるインテグラル型のパワーステアリング装置に関する。
この種のパワーステアリング装置では、ステアリングホイールによって回動操作される入力軸と、走行車輪に連動する出力軸と、をトーションバーを介して連結し、それら入出力軸間に形成されたロータリーバルブをもって操舵アシスト用のパワーシリンダとポンプとの間の油路を切り替えることで、上記パワーシリンダのピストンを作動させて操舵力をアシストするようになっている。また、例えば特許文献1に開示されているように、操舵に伴う操舵抵抗を運転者にフィードバックすべく、運転者が操舵を行ったときに、上記ポンプからの油圧によって反操舵方向の操舵反力を発生させる反力機構が設けられている。
特許文献1に記載の反力機構は、入力軸に断面V字状の凹部を形成するとともに、出力軸側のプランジャに保持されたボールを上記凹部に着座させ、上記プランジャをもって上記ボールを入力軸側に押圧するようにしたものである。つまり、運転者の操舵によって入出力軸が相対回転すると、ボールの中心と凹部の中心とが入出力軸の周方向でオフセットする。その状態で、ポンプからの油圧によりプランジャを介してボールを入力軸側に押圧することで、上記ボールと凹部との傾斜面接触をもって入力軸に反操舵方向の反力トルクを付与し、その反力トルクがステアリングホイールの操舵反力として伝達されることとなる。
特開平3−258658号公報
ところで、運転者が例えば不意に眠気におそわれたりした場合に、車両がふらついて走行したり、道路の白線を超えて隣の走行レーンに移動したりすることが考えられる。このような場合に例えば車両の走行レーンからの逸脱を認識し、車両を本来の走行レーンに復帰させたり、その復帰を促すべく、自動的に操舵を行うことができれば、車両をより安全に走行させることができる。
そこで、特許文献1に記載の反力機構において、トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時にボールの中心と凹部の中心とが入出力軸の周方向でオフセットするように設定し、例えば車両の走行レーンからの逸脱を認識した場合に、上記反力機構によってロータリーバルブを積極的に駆動させるようにすれば、上述した自動操舵制御を実現できるようになる。
しかしながら、特許文献1に記載の反力機構では上記自動操舵制御を行うことが考慮されておらず、例えば車両が走行レーンから逸脱したとき等の非常時に上記自動操舵制御を行うべく、上記反力機構がロータリーバルブを作動させるに足るトルクを発生するように設定すると、通常走行時における上記操舵反力が過大となり、操舵フィーリングが悪化するという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、特に、通常走行時における操舵フィーリングの悪化を防止しつつも、非常時における上記自動操舵制御を行うことが可能なパワーステアリング装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、ステアリングホイールが連結された入力軸と、その入力軸とトーションバーを介して連結された出力軸と、入出力軸間に形成され、それら入出力軸の相対回転に応じて操舵アシスト用のパワーシリンダのうち右操舵用圧力室および左操舵用圧力室にポンプからの液圧を選択的に供給するロータリーバルブと、上記ポンプからの液圧により入力軸に右回転方向のトルクを付与する右回転用入力軸駆動手段と、上記ポンプからの液圧により入力軸に左回転方向のトルクを付与する左回転用入力軸駆動手段と、車両、運転者および道路のうち少なくともいずれかの情報を検出する環境情報検出手段と、その環境情報検出手段の出力信号に基づいて上記両入力軸駆動手段に供給される液圧を制御する液圧制御手段と、を備えていて、上記液圧制御手段は、運転者が操舵を行った際に上記両入力軸駆動手段をもって入力軸に反操舵方向の反力トルクを与える一方で、上記環境情報検出手段の出力信号に応じて上記両入力軸駆動手段により入力軸に操舵トルクを与えてロータリーバルブを駆動するようになっているパワーステアリング装置であって、上記両入力軸駆動手段は、入力軸の外周に形成された受圧面と、出力軸内にその出力軸の径方向で進退可能に設けられ、上記ポンプからの液圧をもって受圧面を押圧する入力軸駆動ピストンと、をそれぞれ備え、入力軸駆動ピストンと受圧面との傾斜面接触をもって入力軸にトルクを付与するようになっていて、入力軸駆動ピストンの進退方向に対する受圧面の傾斜角度が入力軸駆動ピストンの進退方向で変化していることを特徴としている。
したがって、この請求項1に記載の発明では、入力軸駆動ピストンは、入力軸に上記操舵トルクを付与する際に、受圧面を押圧することで入力軸を回転させてその押圧方向に移動する一方で、入力軸に上記反力トルクを付与する際には、受圧面を押圧しつつも運転者の操舵力によって押し戻されて反押圧方向に移動することとなる。そして、受圧面の上記傾斜角度は入力軸駆動ピストンの進退方向で変化しているため、その傾斜角度の変化によって上記両入力軸駆動手段の発生するトルク特性が変化することとなる。
つまり、例えば車両の走行レーンからの逸脱を認識したとき等の非常時に、上記両入力軸駆動手段がロータリーバルブを作動させるに足る上記操舵トルクを発生する一方で、通常走行時には上記両入力軸駆動手段が適切な上記反力トルクを発生するように設定することができ、通常走行時における操舵フィーリングの悪化を防止しつつも、非常時には上記自動操舵制御を行うことが可能となる。
その上で、請求項2に記載の発明は、上記両入力軸駆動手段の受圧面が、その受圧面のうち入力軸駆動ピストンの押圧方向側に形成された第1傾斜面と、受圧面のうち入力軸駆動ピストンの反押圧方向側に形成され、入力軸駆動ピストンの進退方向に対する傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、からそれぞれ構成されていて、トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時において、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面にそれぞれ当接していることを特徴としている。
一方、請求項3に記載の発明は、上記両入力軸駆動手段の受圧面が、その受圧面のうち入力軸駆動ピストンの押圧方向側に形成された第1傾斜面と、受圧面のうち入力軸駆動ピストンの反押圧方向側に形成され、入力軸駆動ピストンの進退方向に対する傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、からそれぞれ構成されていて、トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時において、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面と第2傾斜面との境界部にそれぞれ当接していることを特徴としている。
請求項2,3に記載の発明では、上記両入力軸駆動手段の操舵トルク発生時に、入力軸駆動ピストンがその押圧方向に移動しつつ受圧面のうち第1傾斜面を押圧して比較的強いトルクを発生する一方で、上記両入力軸駆動手段の反力トルク発生時に、入力軸駆動ピストンがその反押圧方向に移動しつつ受圧面のうち第2傾斜面を押圧して比較的弱いトルクを発生するようになる。
また、請求項4に記載の発明は、上記両入力軸駆動手段の受圧面が、その受圧面のうち入力軸駆動ピストンの押圧方向側に形成された第1傾斜面と、受圧面のうち入力軸駆動ピストンの反押圧方向側に形成され、入力軸駆動ピストンの進退方向に対する傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、それら第1傾斜面と第2傾斜面との境界に位置する角部と、からそれぞれ構成されていることを特徴としていて、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面を押圧しつつその進退方向に移動し、上記角部を通過したときに、入力軸駆動ピストンが第1傾斜面上から第2傾斜面上へ即座に移動するようになる。
請求項5に記載の発明は、上記両入力軸駆動手段の受圧面が、その受圧面のうち入力軸駆動ピストンの押圧方向側に形成された第1傾斜面と、受圧面のうち入力軸駆動ピストンの反押圧方向側に形成され、入力軸駆動ピストンの進退方向に対する傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、それら第1傾斜面と第2傾斜面との境界に位置する平面状の面取り部と、からそれぞれ構成されていることを特徴としていて、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面を押圧しつつその進退方向に移動し、上記面取り部を通過したときに、入力軸駆動ピストンが第1傾斜面上から第2傾斜面上へスムーズに移動するようになる。
請求項6に記載の発明は、上記両入力軸駆動手段の受圧面が、その受圧面のうち入力軸駆動ピストンの押圧方向側に形成された第1傾斜面と、受圧面のうち入力軸駆動ピストンの反押圧方向側に形成され、入力軸駆動ピストンの進退方向に対する傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、それら第1傾斜面と第2傾斜面との境界に位置する曲面状の面取り部と、からそれぞれ構成されていることを特徴としていて、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面を押圧しつつその進退方向に移動し、上記面取り部を通過したときに、入力軸駆動ピストンが第1傾斜面上から第2傾斜面上へよりスムーズに移動するようになる。
さらに、請求項7に記載の発明は、上記パワーシリンダの右操舵用圧力室が上記液圧制御手段を介して左回転用入力軸駆動手段と連通可能になっている一方で、上記パワーシリンダの左操舵用圧力室が上記液圧制御手段を介して右回転用入力軸駆動手段と連通可能になっていることを特徴としている。
すなわち、この請求項7に記載の発明では、上記液圧供給手段により、上記パワーシリンダの右操舵用圧力室と左回転用入力軸駆動手段を連通させるとともに、上記パワーシリンダの左操舵用圧力室と右回転用入力軸駆動手段を連通させることで、運転者が右操舵を行ったときに、上記パワーシリンダの右操舵用圧力室に液圧が供給され、その右操舵用圧力室に連通する左回転用入力軸駆動手段が反操舵方向の反力トルクを発生する一方で、運転者が左操舵を行ったときに、上記パワーシリンダの左操舵用圧力室に液圧が供給され、その左操舵用圧力室に連通する右回転用入力軸駆動手段が反操舵方向の反力トルクを発生するようになる。
請求項8に記載の発明は、入力軸に表面硬化処理を施してあることを特徴としていて、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動手段と当接する受圧面の硬度が大となり、その耐久性が向上するメリットがある。
請求項9に記載の発明は、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが、凹状のボール受容部が受圧面側に形成されたピストン本体と、そのピストン本体のボール受容部に受容され、受圧面と当接するボールと、からそれぞれ構成されていて、上記両入力軸駆動手段のうち入力軸駆動ピストンのボールの外径がピストン本体のうちボール受容部の内径よりも小さくなるようにそれぞれ設定されていることを特徴としていて、上記両入力軸駆動手段のピストン本体に変形を生じさせることなく、そのピストン本体にボールを組み付けることができるため、その組付後におけるピストン本体の外径の修正が不要となるメリットがある。
一方、請求項10に記載の発明は、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが、凹状のボール受容部が受圧面側に形成されたピストン本体と、そのピストン本体のボール受容部に受容され、受圧面と当接するボールと、からそれぞれ構成されていて、上記両入力軸駆動手段のうち入力軸駆動ピストンのボールがピストン本体のボール受容部にそれぞれ圧入されていることを特徴としていて、上記両入力軸駆動手段のピストン本体にボールを確実に保持させることができるメリットがある。
その上で請求項11に記載の発明は、上記両入力軸駆動手段のうち入力軸駆動ピストンのピストン本体が入力軸と接触しないようにそれぞれ設定されていることを特徴としていて、上記両入力軸駆動手段のピストン本体と入力軸との接触による操舵フィーリングの悪化を防止することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の発明における受圧面を、入力軸駆動ピストンの進退方向に対して傾斜した第1傾斜面と、入力軸駆動ピストンの進退方向に対する傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、から構成するとともに、入力軸に上記反力トルクを与える際に入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第2傾斜面を押圧する一方で、入力軸に上記操舵トルクを与える際に入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面を押圧するようになっていることを特長としている。
すなわち、この請求項12に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、上記両入力軸駆動手段の操舵トルク発生時に、入力軸駆動ピストンがその押圧方向に移動しつつ受圧面のうち第1傾斜面を押圧して比較的強いトルクを発生する一方で、上記両入力軸駆動手段の反力トルク発生時に、入力軸駆動ピストンがその反押圧方向に移動しつつ受圧面のうち第2傾斜面を押圧して比較的弱いトルクを発生するようになる。
請求項13に記載の発明は、トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時において、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面にそれぞれ当接していることを特徴としていて、請求項2に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
請求項14に記載の発明は、トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時において、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面と第2傾斜面との境界部にそれぞれ当接していることを特徴としていて、請求項3に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
請求項15に記載の発明は、上記パワーシリンダの右操舵用圧力室が上記液圧制御手段を介して左回転用入力軸駆動手段と連通可能になっている一方で、上記パワーシリンダの左操舵用圧力室が上記液圧制御手段を介して右回転用入力軸駆動手段と連通可能になっていることを特徴としていて、請求項7に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
請求項16に記載の発明は、入力軸に表面硬化処理を施してあることを特徴としていて、請求項8に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
請求項17に記載の発明は、請求項1に記載の発明における受圧面が、その受圧面のうち入力軸駆動ピストンの押圧方向側に形成され、入力軸駆動ピストンの進退方向に対して傾斜した第1傾斜面と、受圧面のうち入力軸駆動ピストンの反押圧方向側に形成され、入力軸駆動ピストンの進退方向に対する傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、をそれぞれ有していることを特徴としている。
すなわち、この請求項17に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様な作用効果が得られるとともに、上記両入力軸駆動手段の操舵トルク発生時に、入力軸駆動ピストンがその押圧方向に移動しつつ受圧面のうち第1傾斜面を押圧して比較的強いトルクを発生する一方で、上記両入力軸駆動手段の反力トルク発生時に、入力軸駆動ピストンがその反押圧方向に移動しつつ受圧面のうち第2傾斜面を押圧して比較的弱いトルクを発生するようになる。
請求項18に記載の発明は、トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時において、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面にそれぞれ当接していることを特徴としていて、請求項2に記載の発明と同様の作用効果が得られる。
請求項19に記載の発明は、トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時において、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面と第2傾斜面との境界部にそれぞれ当接していることを特徴としていて、請求項3に記載の発明と同様な作用効果が得られる。
請求項20に記載の発明は、入力軸に表面硬化処理を施してあることを特徴としていて、請求項8に記載の発明と同様な作用効果が得られる。
以下、本発明に係るパワーステアリング装置のより具体的な実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、各実施例では、このパワーステアリング装置を、例えばトラックなどの大型車両に適用したものを示している。
図1は、本発明に係るパワーステアリング装置1のシステム構成図である。
パワーステアリング装置1は、ステアリングホイールSWに接続する操舵軸2と、アシスト方向を切り替えるロータリーバルブ600と、油圧パワーシリンダ10内に設けられ、油圧によりアシスト力を発生するアシスト用ピストン70と、アシスト用ピストン70に噛合い、アシスト用ピストン70の往復運動により回転して図示外の転舵輪を転舵するセクターシャフト30を有する。
また、操舵軸2は、入力軸40および出力軸60と、それら入出力軸40,60を接続するトーションバー50から構成される(図2参照)。さらに、パワーステアリング装置1は、油圧により入力軸40へ反力を付与する左回転用入力軸駆動部100(左回転用入力軸駆動手段)および右回転用入力軸駆動部200(右回転用入力軸駆動手段)と、それら両入力軸駆動部100,200へ供給する作動油の液圧を制御する液圧制御部300(液圧制御手段)と、を有する。
そして、ステアリングホイールSWが操舵されると、ポンプPから吐出された作動油は、ロータリーバルブ600によって隔成される左、右操舵用圧力室21,22のいずれか一方へと供給される。これによってアシスト用ピストン70が駆動され、そのアシスト用ピストン70によってセクターシャフト30を回動させることによって転舵が行われる。なお、作動油の余剰分は、リザーバタンク5に排出される。
両入力軸駆動部100,200は、それぞれ入力軸40に対し左回転方向、右回転方向のトルクを付与するアクチュエータであって、通常操舵時には反力アクチュエータとして機能する一方、運転者の居眠り運転時またはわき見運転時など、自動操舵制御が必要な場合には、入力軸40を回転させてロータリーバルブ600を駆動し、トルク付与方向の操舵アシストを行う操舵アクチュエータとして機能する。
液圧制御部300は、コントロールユニット301、および左、右回転用コントロールバルブ310,320を有する。コントロールユニット301は、バッテリEと接続し、車両環境を検出する環境情報検出部400(環境情報検出手段)からの信号に基づいて左、右回転用コントロールバルブ310,320を駆動することとなる。
左、右回転用コントロールバルブ310,320は、油路31,32によりそれぞれロータリーバルブ600と接続してポンプPの吐出圧の供給を受ける。つまり、出力軸60に対し入力軸40が右方向に相対回転すると、作動油は左回転用コントロールバルブ310に供給される一方、左方向に相対回転すると、作動油は右回転用コントロールバルブ320へと供給される。この際、作動油の余剰分はリザーバタンク5へと排出される。
環境情報検出部400は、車速センサ401、走行路の白線認識カメラ403および運転者の視線認識カメラ402を有する。そして、この環境情報検出部400を介して検出された車速、白線と車両との位置関係、および運転者の視線に基づき、上記コントロールユニット301が左、右回転用コントロールバルブ310,320を駆動する。
左、右回転用コントロールバルブ310,320は、それぞれ左、右回転用ソレノイドSOL1,SOL2および左、右回転用スプール311,321を備えている。すなわち、コントロールユニット301からの指令に基づいて上記各ソレノイドSOL1,SOL2が駆動されることによってそれぞれのスプール311,321が駆動され、それら各スプール311,321が左、右回転用入力軸駆動部100,200へ供給される液圧をそれぞれ制御するようになっている。
図2は、パワーステアリング装置の軸方向断面図である。説明に際し、便宜上、入出力軸40,60の軸方向をy軸と定義し、入力軸40側を正とする。また、y軸周りに極座標を定義し、径方向をr軸とする(回転方向は左回り正である。図3参照)。
図2に示すように、ロータリーバルブ600は第1ハウジング11に収装されているとともに、アシスト用ピストン70は第2ハウジング12に収装されている。
両ハウジング11,12は、ともにほぼカップ状に形成され、互いの軸方向開口部において接続される。第1ハウジング11の軸方向底部にはステアリングホイールと接続された入力軸40が挿入されていて、その入力軸40は、トーションバー50によって出力軸60と接続する。一方、出力軸60は中空円筒状に形成されており、中空部分のy軸正方向側には入力軸40が収装され、y軸負方向側にはトーションバー50が収装される。つまり、入出力軸40,60間にトーションバー50を設けることにより、各入力軸駆動部100,200から入力軸40に付与されたトルクがトーションバー50の弾性力によって吸収され、これにより図示外の転舵輪に与える影響を小さくしている。そして、上記入出力軸40,60は、第1ハウジング11内に配設された第1、第2軸受91,92によってそれぞれ回転自在に軸支されている。
第2ハウジング12には、アシスト用ピストン70が軸方向移動可能に収装され、このアシスト用ピストン70により第2ハウジング12が入力軸40側の右操舵用圧力室21とカップ形状底部側の左操舵用圧力室22とに液密を保って隔成される。そして、第2ハウジング12の径方向一部に形成されたセクターシャフト格納部13内に、セクターシャフト30が第2ハウジング12と互いの軸が直行するように配置されている。
出力軸60は、アシスト用ピストン70へ軸方向に挿入され、ボールねじ機構61によりアシスト用ピストン70と嵌合している。また、アシスト用ピストン70の外周には周方向に刻まれたピストン歯部71が設けられ、そのピストン歯部71においてアシスト用ピストン70がセクターシャフト30と噛合っている。なお、セクターシャフト格納部13は、第1圧力室21と連通して作動油が導入され、セクターシャフト30とピストン歯部71との噛合いにおける潤滑を行うようになっている。
ロータリーバルブ600は、入出力軸40,60の相対回転に応じてINポート及びOUTポートから左、右操舵用圧力室21,22への作動油の導入または排出を行うバルブ機構として機能するものであって、出力軸60のうち反アシスト用ピストン70側端部に形成されたバルブボディ610と、そのバルブボディ610の内周側に配設され、入力軸40に外嵌して棒状の締結ピン80によってこの入力軸40と相対回転不能に結合された略円筒状のロータ620と、から主として構成されている。
そして、このロータリーバルブ600は、油路31を介して右操舵用圧力室21に接続され、上記バルブボディ610に対してロータ620が右回転方向に相対回転するとポンプPからの液圧が右操舵用圧力室21に導かれる一方、油路32を介して左操舵用圧力室22に接続され、バルブボディ610に対してロータ620が左回転方向に相対回転するとポンプPからの液圧が左操舵用圧力室22に導かれる。すなわち、出力軸60に対して入力軸40が右回転方向に相対回転すると、ロータリーバルブ600がポンプPと右操舵用圧力室21を連通し、左回転方向に相対回転すると、ロータリーバルブ600がポンプPと左操舵用圧力室22を連通するようになっている。
また、ロータリーバルブ600のy軸負方向側であって、入力軸40と出力軸60の重複部分に、フェイルセーフ部700および左、右回転用入力軸駆動部100,200が並列に設けられている。
図3は、図2における操舵軸2のA−A断面図である。また、図4は右回転用入力軸駆動部200を示す図2における操舵軸2のB−B断面図であって、図5は左回転用入力軸駆動部100を示す図2における操舵軸2のC−C断面図である。なお、図3〜5ではトーションバー50が捩じれていないロータリーバルブ600の中立時における状態を示している。
図3〜5に示すように、入力軸40のうちフェイルセーフ部700および左、右回転用入力軸駆動部100,200に相当する部位には入力軸セレーション部41が形成されている一方で、出力軸60のうちフェイルセーフ部700に相当する部位には出力軸セレーション部62が形成されていて、それら入力軸セレーション部41および出力軸セレーション部62をもってフェイルセーフ部700が構成されている。
そして、入力軸セレーション部41の各外歯部44が出力軸セレーション部62の各内歯部63にそれぞれ係止されることにより、入出力軸40,60は所定の許容回転量をもって相対回転を規制され、トーションバー50が必要以上に捩れることを回避するようになっている。
図4,5に示すように、出力軸60には、その周方向で等間隔に8つのピストン摺動孔110,210がr軸方向にそれぞれ貫通形成されていて、それら各ピストン摺動孔110,210に左、右回転用ピストン120,220(入力軸駆動ピストン)をそれぞれ収装することで左、右回転用入力軸駆動部100,200が構成されている。
各左回転用ピストン120のr軸方向外径側には、左回転用トルク生成室D1がそれぞれ形成されている一方、各右回転用ピストン220r軸方向外径側には、右回転用トルク生成室D2がそれぞれ形成されている。そして、各左回転用トルク生成室D1は、左回転用コントロールバルブ310および油路31,33を介して右操舵用圧力室21とそれぞれ連通する一方、各右回転用トルク生成室D2は、右回転用コントロールバルブ320および油路32,34を介して左操舵用圧力室22とそれぞれ連通するようになっている(図2参照)。
これにより、左、右操舵用圧力室21,22の液圧を各コントロールバルブ310,320によって制御して左、右回転用入力軸駆動部100,200へ供給することとなる。
ここで、左、右回転用入力軸駆動部100,200の各ピストン摺動孔110,210は、入力軸側セレーション部41の各歯溝45に対してそれぞれ回転方向位置をずらして設けられている。すなわち、左回転用入力軸駆動部100の各ピストン摺動孔110の軸線であるD−D線が各歯溝45の中心線であるE−E線に対して左回転方向に角度θ1だけそれぞれオフセットしているとともに、右回転用入力軸駆動部200の各ピストン摺動孔210の軸線であるF−F線が上記E−E線に対して右回転方向に角度θ1だけそれぞれオフセットしている。このオフセットにより、上記D−D線、F−F線は、互いに角度θ1の2倍の角度だけオフセットして設けられることとなる。
また、各左、右回転用ピストン120,220は、そのr軸方向内径側端部に凹状のボール受容部122,222が形成されたピストン本体121,221と、そのピストン本体121,221のボール受容部122,222に受容されたボール123,223と、からそれぞれ構成されている。なお、ボール123,223の外径は、ピストン本体121,221のうちボール受容部122,222の内径よりも小さくなるように設定されている。つまり、各ピストン本体121,221に変形を生じさせることなく、その各ピストン本体121,221にそれぞれボール123,223を組み付けることができるようにし、その組付後における各ピストン本体121、221の外径の修正を不要としている。
さらに、各ピストン本体121,221から入力軸40側に各ボール123,223がそれぞれ突出していて、各トルク生成室D1,D2の液圧により各ピストン120,220がr軸方向内径側にそれぞれ移動することにより、上記各ボール123,223が入力軸40側の入力軸セレーション部41とそれぞれ傾斜面接触しつつ、その入力軸セレーション部41をそれぞれ押圧するようになっている。つまり、各左回転用ピストン120は、歯溝45の両側の歯面のうち上記E−E線よりもD−D線側の左回転用受圧面42において入力軸40をそれぞれ押圧し、各右回転用ピストン220は、歯溝45の両側の歯面のうち上記E−E線よりも上記F−F線側の右回転用受圧面43において入力軸40をそれぞれ押圧することとなる。
そして、入力軸40は所定の許容回転量をもって回動可能となっているため、各右回転用受圧面43が各右回転用ピストン220をもってr軸内径側に押圧されることにより入力軸40に右回転方向のトルクが作用し、その入力軸40が右回転方向へと回動する一方、各左回転用受圧面42が各左回転用ピストン120をもってr軸内径側に押圧されることにより入力軸40に左回転方向のトルクが作用し、その入力軸40が左回転方向へと回動することとなる。
図6は右回転用入力軸駆動部200のうち右回転用ピストン220と右回転用受圧面43との接触部を示す拡大図であって、図7は図6におけるP部のさらなる拡大図である。
図6,7に示すように、各受圧面42,43は、それら各受圧面42,43のうち各左、右回転用ピストン120,220の押圧方向側に形成され、各左、右回転用ピストン120,220の進退方向に沿ったF−F線に対して傾斜した第1傾斜面42a,43aと、各受圧面42,43のうち各左、右回転用ピストン120,220の反押圧方向側に形成され、上記F−F線に対する傾斜角度を第1傾斜面42a,43aよりも大きく設定した第2傾斜面42b,43bと、を有し、それら第1傾斜面42a,43aと第2傾斜面42b,43bとの間に角部42c,43cがそれぞれ形成されている。換言すれば、各受圧面42,43の上記傾斜角度が各左、右回転用ピストン120,220の進退方向で段階的に変化している。
そして、ロータリーバルブ600の上記中立時において、各左、右回転用ピストン120,220のボール123,223が各受圧面42,43の角部42c,43cにそれぞれ当接するように設定されている。
なお、入力軸40には、例えば高周波焼入れをもって表面硬化処理が施されていて、図6において仮想線をもって示すように入力軸40の表面に硬化層Sが形成されている。つまり、入力軸40の硬化層Sに各左、右回転用ピストン120,220を当接させることで、耐久性の向上を図っている。
したがって、本実施の形態では、例えばステアリングホイールSWが左方向操舵されると、トーションバー50のねじれに基づいて入力軸40が出力軸60に対して左回転方向に相対回転し、ロータリーバルブ600によりポンプPからの液圧が左操舵用圧力室22へ導入されて両圧力室21,22間に差圧が発生する。これによって、アシスト用ピストン70はy軸正方向へと移動し、セクターシャフト30が時計回りに回動して左方向操舵アシストが行われる。
その際、左操舵用圧力室22の作動油は、油路32により右回転用コントロールバルブ320へ導入されて液圧制御され、油路34を介して右回転用トルク生成室D2へと導入される。これによって、右回転用ピストン220が駆動され、右回転用入力軸駆動部200が入力軸40に右回転方向、すなわち反操舵方向の反力トルクを付与する。
図8は出力軸60に対して入力軸40が左回転方向に相対回転したときにおける右回転用ピストン220と右回転用受圧面43との接触状態の変化を示す図である。なお、図8では便宜上トーションバー50の図示を省略している。
詳細には、図8に実線をもって示すロータリーバルブ600の上記中立時から、図8に仮想線をもって示すように出力軸60に対して入力軸40が左回転方向に相対回転し、ロータリーバルブ600が左切り側に回転すると、右回転用ピストン220が右回転用受圧面43との当接をもって後退し、右回転用受圧面43の第2傾斜面43bに当接することとなる。その状態で右回転用ピストン220が右回転用受圧面43の第2傾斜面43bを押圧することで、入力軸40に比較的弱い反力トルクが付与される。
このとき、各右回転用ピストン220が入力軸40を押圧する押圧力の作用線Fから入力軸40の回転軸心Oまでの腕長さLは、入出力軸40,60の相対回転量に応じて変化することとなる。
ここで、図9はロータリーバルブ600の開度と右回転用入力軸駆動部200の腕長さLとの関係を示すグラフであって、本実施の形態、後述する第2の実施の形態、右回転用入力軸駆動部200の各受圧面として図10に示す各受圧面48,49を採用した比較例、の三者を比較している。なお、ロータリバルブ600の開度は左切り側を正としている。また、図10に示す比較例における左回転用受圧面48および右回転用受圧面49は、それら各受圧面48,49が各左、右回転用ピストン120,220の進退方向で均一な傾斜角度をもって形成されているものである。
つまり、図9に示すように、本実施の形態では、右回転用入力軸駆動部200をもって入力軸40に上記反力トルクを付与する際に、各右回転用ピストン220に各右回転用受圧面43の第2傾斜面43bをそれぞれ押圧させることで、ロータリーバルブ600の左切り側への開度が小さい第1領域S1において、その腕長さLが比較例よりも短くなるように設定し、上記反力トルクを比較例よりも軽減するようにしている。
なお、ロータリーバルブ600の左切り側への開度が大きい第2領域S2においては、腕長さLを比較例よりも長くすることで、上記反力トルクが比較例よりも増大するように設定していて、これにより舵の切り過ぎを防止するようにしている。
同様に、右方向操舵アシスト時には、右操舵用圧力室21の作動油も、油路31,33を介して左回転用トルク生成室D1に導入され、左回転用入力軸駆動部100が入力軸40に左回転方向、すなわち反操舵方向の比較的弱い反力トルクを付与することとなる。
上述のように、通常操舵時において、右操舵用圧力室21の液圧が高い場合には、左回転用入力軸駆動部100によって入力軸40に左回転方向のトルクが付与される一方、第2圧力室22の液圧が高い場合には、右回転用入力軸駆動部200によって入力軸40に右回転方向のトルクが付与される。
このとき、両コントロールバルブ310,320は、車速センサ401によって検出された車速に応じて駆動され、入力軸40に車速に応じた反力トルクが付与されることとなる。
一方、視線認識カメラ402により運転者の居眠り状態またはわき見状態が検出された場合には、両コントロールバルブ310,320を交互に駆動し、両入力軸駆動部100,200の各トルク生成室D1,D2の液圧を交互に上下させる。これにより、入力軸40には左回転方向および右回転方向の操舵トルクが交互に付与され、その入力軸40が左右双方向の回転を繰り返して捩り方向に振動する。そして、入力軸40と接続するステアリングホイールSWが左右捩れ方向へと振動し、運転者に警告を発する。
また、白線認識カメラ403により車線逸脱状態が検出された場合には、両コントロールバルブ310,320を駆動して入力軸40に操舵トルクを付与し、フェイルセーフ部700の許容回動範囲内で入出力軸40,60を相対回転させる。これにより、ロータリーバルブ600を駆動してその開度を積極的に変化させ、いわゆる自動操舵制御を行い、車線復帰させる。
図11は右回転用入力軸駆動部200を示す断面図であって、その右回転用入力軸駆動部200がロータリーバルブ600を右切り側に回転させた状態を示している。
詳細には、図11に示すように、例えば、車両が左側へ車線逸脱している場合には、右回転用コントロールバルブ320を駆動して右回転用ピストン220を入力軸40の径方向内側に前進させ、入力軸40に右回転方向の操舵トルクを付与する。なお、右回転用ピストン220が前進位置に位置する状態において、その右回転用ピストン220のピストン本体221と入力軸40との間に所定の隙間Gが確保されるようになっている。
そして、右回転用ピストン220が入力軸40の径方向内側に前進することで、その右回転用ピストン220は、右回転用受圧面43の第1傾斜面43aに当接するとともに、その第1傾斜面43aとの傾斜面接触をもって比較的強い右回転方向の操舵トルクを入力軸40に付与し、ロータリーバルブ600を右切り側に回転させる。これによって、右操舵用圧力室21の液圧を上昇させて右操舵方向へのアシスト力を発生させ、車両を右方向に回頭させることにより車線逸脱を回避する。
つまり、図9に示すように、ロータリーバルブ600が右切り側へ回転する第3領域S3において、ロータリーバルブ600を駆動するために十分な大きさの腕長さLを確保するように設定してある。
同様に、右側へ車線逸脱している場合には、左回転用コントロールバルブ310を駆動することで左回転用入力軸駆動部100をもって左回転方向の操舵トルクを入力軸40に付与し、車両を左回頭させて車線逸脱を回避することとなる。
したがって、本実施の形態によれば、通常走行時に各左、右回転用ピストン120,220が各第2傾斜面42b,43bをそれぞれ押圧して反力トルクを発生する一方で、自動操舵制御時に各左、右回転用ピストン120,220が各第1傾斜面42b,43bを押圧して操舵トルクを発生させ、両入力軸駆動部100,200の発生するトルク特性を通常走行時と自動操舵制御時とで変化させているため、例えば車両の走行レーンからの逸脱を認識した場合等に、両入力軸駆動部100,200がロータリーバルブ600を作動させるに足る比較的強い操舵トルクを発生する一方で、通常走行時には比較的弱い適切な反力トルクを発生するように設定することができ、通常走行時における操舵フィーリングの悪化を防止しつつも、非常時には自動操舵制御を行うことが可能となる。
また、各受圧面42,43のうち第1傾斜面42a,42bと第2傾斜面43a,43bとの境界に角部42c,43cを形成し、ロータリーバルブ600の上記中立時に、各左、右回転用ピストン120,220が各受圧面42,43のうち角部42c,43cに当接するように設定しているため、コントロールバルブ600の上記中立時から各左、右回転用ピストン120,220が進退方向に移動した際に、各受圧面42,43のうち第1傾斜面42a,43a上または第2傾斜面42b,43b上に各左、右回転用ピストン120,220が即座に移動し、両入力軸駆動部100,200の応答性が向上するメリットがある。
なお、本実施の形態では、ロータリーバルブ600の上記中立時に、各左、右回転用ピストン120,220が各受圧面42,43の角部42c,43cに当接するように設定しているが、ロータリーバルブ600の上記中立時に、各左、右回転用ピストン120,220が各受圧面42,43の第1傾斜面42a,43aに当接するように設定することも可能である。この場合には、例えば直進中の小さい舵角の修正操舵時に、各左、右回転用ピストン120,220が各受圧面42,43の角部42c,43cに当接せず、引っ掛かり感の少ない良好な操舵フィーリングが得られるメリットがある。
図12,13は上述した実施の形態における各受圧面42,43の変形例を示す図であって、右回転用入力軸駆動部200のうち上述した図7に相当する部位の拡大図である。なお、図12,13に図示された右回転用受圧面42について以下に説明するが、図12,13に示す変形例では、図示外の左回転用受圧面43も同様に構成されている。
図12に示す変形例は、右回転用受圧面42のうち第1傾斜面42aと第2傾斜面42bとの境界部に平面状の面取り部42dを形成したものであって、コントロールバルブ600の上記中立時から入出力軸40,60が相対回転した際に、各受圧面42,43のうち第1傾斜面42a,43a上または第2傾斜面42b,43b上に各左、右回転用ピストン120,220がスムーズに移動するようになる。
また、図13に示す変形例は、右回転用受圧面42のうち第1傾斜面42aと第2傾斜面42bとの境界部に曲面状の面取り部42eを形成したものであって、コントロールバルブ600の上記中立時から入出力軸40,60が相対回転した際に、各受圧面42,43のうち第1傾斜面42a,43a上または第2傾斜面42b,43b上に各左、右回転用ピストン120,220がよりスムーズに移動するようになる。
図14は上述した実施の形態における各左、右回転用ピストン120,220の変形例を示す図である。
図14に示す変形例は、各左、右回転用ピストン120,220のボール123,223をピストン本体121,221のボール受容部122,222に圧入したものであって、ボール123,223をピストン本体121、221に確実に保持させることができるメリットがある。
図15は本発明の第2の実施の形態を示す図であって、右回転用入力軸駆動部200のうち上述した図6に相当する部位の断面拡大図である。
図15に示す第2の実施の形態では、左回転用受圧面46および右回転用受圧面47を、それら各受圧面46,47のうち各左、右回転用ピストン120,220の押圧方向側に形成され、上記F−F線に対して傾斜した平面46a,47aと、各受圧面46,47のうち各左、右回転用ピストン120,220の反押圧方向側に形成され、平面46a,47aと入力軸セレーション部41の歯先面とを滑らかに連結する曲面46b,47bと、から構成したものである。換言すれば、各受圧面46,47の上記傾斜角度が各左、右回転用ピストン120,220の進退方向で連続的に変化している。
この第2の実施の形態においても、図9に示すように、上記第1領域S1において、その腕長さLが比較例よりも小さくなるように設定し、上記反力トルクを比較例よりも軽減する一方で、上記第3領域S3において、ロータリーバルブ600を駆動するために十分な大きさの腕長さLを確保するように設定し、自動操舵制御を行うことを可能としていて、第1の実施の形態とほぼ同様の効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態を示すパワーステアリング装置のシステム構成図。 パワーステアリング装置の軸方向断面図。 図2における操舵軸のA−A断面図。 図2における操舵軸のB−B断面図。 図2における操舵軸のC−C断面図。 図4における右回転用ピストンと右回転用受圧面との接触部を示す拡大図。 図6におけるP部の拡大図。 入出力軸の相対回転に伴う右回転用入力軸駆動部の動作を示す図。 ロータリーバルブの開度と腕長さとの関係を示すグラフ。 本発明に対する比較例を示す図。 右回転用入力軸駆動部がロータリーバルブを回転させた状態を示す図。 第1の実施の形態の変形例を示す図。 第1の実施の形態の別の変形例を示す図。 第1の実施の形態のさらなる別の変形例を示す図。 本発明の第2の実施の形態を示す図。
符号の説明
1…パワーステアリング装置
10…油圧パワーシリンダ
21…右操舵用圧力室
22…左操舵用圧力室
40…入力軸
42…左回転用受圧面
42a…第1傾斜面
42b…第2傾斜面
42c…角部
42d…面取り部
42e…面取り部
43…右回転用受圧面
43a…第1傾斜面
43b…第2傾斜面
43c…角部
46…左回転用受圧面
47…右回転用傾斜面
50…トーションバー
60…出力軸
100…左回転用入力軸駆動部(左回転用入力軸駆動手段)
120…左回転用ピストン(入力軸駆動ピストン)
121…ピストン本体
122…ボール受容部
123…ボール
200…右回転用入力軸駆動部(右回転用入力軸駆動手段)
220…右回転用ピストン(入力軸駆動ピストン)
221…ピストン本体
222…ボール受容部
223…ボール
300…液圧制御部(液圧制御手段)
400…環境情報検出部(環境情報検出手段)
600…ロータリーバルブ
SW…ステアリングホイール
P…ポンプ

Claims (20)

  1. ステアリングホイールが連結された入力軸と、
    その入力軸とトーションバーを介して連結された出力軸と、
    入出力軸間に形成され、それら入出力軸の相対回転に応じて操舵アシスト用のパワーシリンダのうち右操舵用圧力室および左操舵用圧力室にポンプからの液圧を選択的に供給するロータリーバルブと、
    上記ポンプからの液圧により入力軸に右回転方向のトルクを付与する右回転用入力軸駆動手段と、
    上記ポンプからの液圧により入力軸に左回転方向のトルクを付与する左回転用入力軸駆動手段と、
    車両、運転者および道路のうち少なくともいずれかの情報を検出する環境情報検出手段と、
    その環境情報検出手段の出力信号に基づいて上記両入力軸駆動手段に供給される液圧を制御する液圧制御手段と、
    を備えていて、
    上記液圧制御手段は、運転者が操舵を行った際に上記両入力軸駆動手段をもって入力軸に反操舵方向の反力トルクを与える一方で、上記環境情報検出手段の出力信号に応じて上記両入力軸駆動手段により入力軸に操舵トルクを与えてロータリーバルブを駆動するようになっているパワーステアリング装置であって、
    上記両入力軸駆動手段は、入力軸の外周に形成された受圧面と、出力軸内にその出力軸の径方向で進退可能に設けられ、上記ポンプからの液圧をもって受圧面を押圧する入力軸駆動ピストンと、をそれぞれ備え、入力軸駆動ピストンと受圧面との傾斜面接触をもって入力軸にトルクを付与するようになっていて、入力軸駆動ピストンの進退方向に対する受圧面の傾斜角度が入力軸駆動ピストンの進退方向で変化していることを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 上記両入力軸駆動手段の受圧面は、その受圧面のうち入力軸駆動ピストンの押圧方向側に形成された第1傾斜面と、受圧面のうち入力軸駆動ピストンの反押圧方向側に形成され、上記傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、からそれぞれ構成されていて、
    トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時において、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面にそれぞれ当接していることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  3. 上記両入力軸駆動手段の受圧面は、その受圧面のうち入力軸駆動ピストンの押圧方向側に形成された第1傾斜面と、受圧面のうち入力軸駆動ピストンの反押圧方向側に形成され、上記傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、からそれぞれ構成されていて、
    トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時において、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面と第2傾斜面との境界部にそれぞれ当接していることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  4. 上記両入力軸駆動手段の受圧面は、その受圧面のうち入力軸駆動ピストンの押圧方向側に形成された第1傾斜面と、受圧面のうち入力軸駆動ピストンの反押圧方向側に形成され、上記傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、それら第1傾斜面と第2傾斜面との境界に位置する角部と、からそれぞれ構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパワーステアリング装置。
  5. 上記両入力軸駆動手段の受圧面は、その受圧面のうち入力軸駆動ピストンの押圧方向側に形成された第1傾斜面と、受圧面のうち入力軸駆動ピストンの反押圧方向側に形成され、上記傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、それら第1傾斜面と第2傾斜面との境界に位置する平面状の面取り部と、からそれぞれ構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパワーステアリング装置。
  6. 上記両入力軸駆動手段の受圧面は、その受圧面のうち入力軸駆動ピストンの押圧方向側に形成された第1傾斜面と、受圧面のうち入力軸駆動ピストンの反押圧方向側に形成され、上記傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、それら第1傾斜面と第2傾斜面との境界に位置する曲面状の面取り部と、からそれぞれ構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパワーステアリング装置。
  7. 上記パワーシリンダの右操舵用圧力室が上記液圧制御手段を介して左回転用入力軸駆動手段と連通可能になっている一方で、上記パワーシリンダの左操舵用圧力室が上記液圧制御手段を介して右回転用入力軸駆動手段と連通可能になっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパワーステアリング装置。
  8. 入力軸に表面硬化処理を施してあることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のパワーステアリング装置。
  9. 上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンは、凹状のボール受容部が受圧面側に形成されたピストン本体と、そのピストン本体のボール受容部に受容され、受圧面と当接するボールと、からそれぞれ構成されていて、
    上記両入力軸駆動手段のうち入力軸駆動ピストンのボールの外径がピストン本体のうちボール受容部の内径よりも小さくなるようにそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のパワーステアリング装置。
  10. 上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンは、凹状のボール受容部が受圧面側に形成されたピストン本体と、そのピストン本体のボール受容部に受容され、受圧面と当接するボールと、からそれぞれ構成されていて、
    上記両入力軸駆動手段のうち入力軸駆動ピストンのボールがピストン本体のボール受容部にそれぞれ圧入されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のパワーステアリング装置。
  11. 上記両入力軸駆動手段のうち入力軸駆動ピストンのピストン本体が入力軸と接触しないようにそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項9または10に記載のパワーステアリング装置。
  12. ステアリングホイールが連結された入力軸と、
    その入力軸とトーションバーを介して連結された出力軸と、
    入出力軸間に形成され、それら入出力軸の相対回転に応じて操舵アシスト用のパワーシリンダのうち右操舵用圧力室および左操舵用圧力室にポンプからの液圧を選択的に供給するロータリーバルブと、
    上記ポンプからの液圧により入力軸に右回転方向のトルクを付与する右回転用入力軸駆動手段と、
    上記ポンプからの液圧により入力軸に左回転方向のトルクを付与する左回転用入力軸駆動手段と、
    車両、運転者および道路のうち少なくともいずれかの情報を検出する環境情報検出手段と、
    その環境情報検出手段の出力信号に基づいて上記両入力軸駆動手段に供給される液圧を制御する液圧制御手段と、
    を備えていて、
    上記液圧制御手段は、運転者が操舵を行った際に上記両入力軸駆動手段をもって入力軸に反操舵方向の反力トルクを与える一方で、上記環境情報検出手段の出力信号に応じて上記両入力軸駆動手段により入力軸に操舵トルクを与えてロータリーバルブを駆動するようになっているパワーステアリング装置であって、
    上記両入力軸駆動手段は、上記入力軸の外周に形成された受圧面と、出力軸内にその出力軸の径方向で進退可能に設けられ、上記ポンプからの液圧をもって受圧面を押圧する入力軸駆動ピストンと、をそれぞれ備えているとともに、
    受圧面は、入力軸駆動ピストンの進退方向に対して傾斜した第1傾斜面と、入力軸駆動ピストンの進退方向に対する傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、をそれぞれ有していて、
    入力軸に上記反力トルクを与える際に入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第2傾斜面を押圧する一方で、入力軸に上記操舵トルクを与える際に入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面を押圧するようになっていることを特徴とするパワーステアリング装置。
  13. トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時において、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面にそれぞれ当接していることを特徴とする請求項12に記載のパワーステアリング装置。
  14. トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時において、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面と第2傾斜面との境界部にそれぞれ当接していることを特徴とする請求項12に記載のパワーステアリング装置。
  15. 上記パワーシリンダの右操舵用圧力室が上記液圧制御手段を介して左回転用入力軸駆動手段と連通可能になっている一方で、上記パワーシリンダの左操舵用圧力室が上記液圧制御手段を介して右回転用入力軸駆動手段と連通可能になっていることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載のパワーステアリング装置。
  16. 入力軸に表面硬化処理を施してあることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載のパワーステアリング装置。
  17. ステアリングホイールが連結された入力軸と、
    その入力軸とトーションバーを介して連結された出力軸と、
    入出力軸間に形成され、それら入出力軸の相対回転に応じて操舵アシスト用のパワーシリンダのうち右操舵用圧力室および左操舵用圧力室にポンプからの液圧を選択的に供給するロータリーバルブと、
    上記ポンプからの液圧により入力軸に右回転方向のトルクを付与する右回転用入力軸駆動手段と、
    上記ポンプからの液圧により入力軸に左回転方向のトルクを付与する左回転用入力軸駆動手段と、
    車両、運転者および道路のうち少なくともいずれかの情報を検出する環境情報検出手段と、
    その環境情報検出手段の出力信号に基づいて上記両入力軸駆動手段に供給される液圧を制御する液圧制御手段と、
    を備えていて、
    上記液圧制御手段は、運転者が操舵を行った際に上記両入力軸駆動手段をもって入力軸に反操舵方向の反力トルクを与える一方で、上記環境情報検出手段の出力信号に応じて上記両入力軸駆動手段により入力軸に操舵トルクを与えてロータリーバルブを駆動するようになっているパワーステアリング装置であって、
    上記両入力軸駆動手段は、上記入力軸の外周に形成された受圧面と、上記出力軸内にその出力軸の径方向で進退可能に設けられ、上記ポンプからの液圧をもって上記受圧面を押圧する入力軸駆動ピストンと、をそれぞれ備えているとともに、
    上記受圧面は、その受圧面のうち入力軸駆動ピストンの押圧方向側に形成され、入力軸駆動ピストンの進退方向に対して傾斜した第1傾斜面と、受圧面のうち入力軸駆動ピストンの反押圧方向側に形成され、入力軸駆動ピストンの進退方向に対する傾斜角度を第1傾斜面よりも大きく設定した第2傾斜面と、をそれぞれ有していることを特徴とするパワーステアリング装置。
  18. トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時において、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面にそれぞれ当接していることを特徴とする請求項17に記載のパワーステアリング装置。
  19. トーションバーが捩じれていないロータリーバルブの中立時において、上記両入力軸駆動手段の入力軸駆動ピストンが受圧面のうち第1傾斜面と第2傾斜面との境界部にそれぞれ当接していることを特徴とする請求項17に記載のパワーステアリング装置。
  20. 入力軸に表面硬化処理を施してあることを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載のパワーステアリング装置。
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