JP2009010706A - 信号中継装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】停電などの事情によって商用交流電源からの電力の供給が止まっても、IP電話サービスなどのサービスを利用できるような仕組みを提供すること。
【解決手段】交流電源と接続される受電端子と、パケットなどの信号を入出力するための端子を含む複数の端子を有する複数のコネクタであって、各々の端子同士が電線により繋がる複数のコネクタと、受電端子と電線により繋がった手段であって、その電線を介して受電端子から供給される交流電力を基に、複数のコネクタの一部または全部に繋がる電線へ放電するためのバックアップ電力を蓄電する蓄電手段と、を備える信号中継装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、信号中継装置に関する。
VoIP(Voice over Internet Protocol)を搭載した端末間による通話を支援するIP(Internet Protocol)電話サービスが広く普及してきている。IP電話サービスでは、音声信号のパケット化やルーティングに関わる手続きが、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)のトランスポート層やインターネット層に属するプロトコル、例えば、UDP(User Datagram Protocol)やIPに従って行われる。よって、利用者は、それらの上位の層にて発呼や着呼などの手続きを司るSIP(Session Initiation Protocol)やH.323などに準拠したアプリケーションを、ルータ、リピータハブ、スイッチングハブなどのネットワーク機器に接続される端末に搭載しさえすれば、それらのネットワーク機器を介してサービスの提供を受けることが可能である(SIPやH.323の詳細については、特許文献1や2を参照のこと)。
特開2005−160055号 特開2005−191881号
ところで、固定電話は、PSTN(Public Switched Telephone Networks)の通話線を介して自らを動作させる電力を得る。これに対し、固定電話と同様の外観をなすIP電話サービスの専用端末であるIP電話機の多くは、自らとインターネット通信網との間に介在するネットワーク機器から電力の供給を受けて動作する。このネットワーク機器から供給される電力はインラインパワーなどと呼ばれる。しかしながら、そのインラインパワーの供給元となるネットワーク機器自体は商用交流電源から電力の供給を受けるため、停電などの事情によって商用交流電源からネットワーク機器への電力の供給が止まると、IP電話機の使用もできなくなるという問題がある。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、停電などの事情によって商用交流電源からの電力の供給が止まっても、IP電話サービスなどのサービスを利用できるような仕組みを提供することを目的とする。
本発明の好適な態様にかかる信号中継装置は、交流電源と接続される受電端子と、パケットなどの信号を入出力するための端子を含む複数の端子を有する複数のコネクタであって、各々の端子同士が電線により繋がる複数のコネクタと、受電端子と電線により繋がった手段であって、その電線を介して受電端子から供給される交流電力を基に、複数のコネクタの一部または全部に繋がる電線へ放電するためのバックアップ電力を蓄電する蓄電手段とを備える。
この発明において、複数のコネクタの端子同士を繋ぐ電線に介挿された素子であって、あるコネクタの端子から入力された信号が示すパケットの宛先である電話機に応じて別のコネクタを選択し、選択したコネクタに繋がる電線へ信号を送出する第1のスイッチング素子をさらに備えてもよい。
また、複数のコネクタの各々は、パケットを示す信号を入出力するためのパケット用端子と、パケットを示す信号を入出力しない残余端子とを有し、複数のコネクタの残余端子に繋がる電線の各々と蓄電手段に繋がる電線との間に介挿された素子であって、それらの各コネクタの残余端子に繋がる電線と蓄電手段に繋がる電線との接続の有無を個別に切り換える第2のスイッチング素子をさらに備えてもよい。
また、複数のコネクタのいずれかに接続された端末の端末アドレスと、それらの端末アドレスに宛てられたパケットの転送先を示す転送先データとを対応付けて記憶したメモリと、受電端子から供給される交流電力の電圧を検出する検出手段と、検出手段が検出した電圧が所定の条件を満たすとき、複数のコネクタのうちの一部のコネクタの残余端子に繋がる電線と蓄電手段に繋がる電線との接続を指示する信号を第2のスイッチング素子へ供給するとともに、その残りのコネクタに接続された一または複数の端末の端末アドレスと対応する転送先データをメモリから特定し、特定した転送先データを含む転送要求メッセージを示すパケットを、端末が接続されていないコネクタを介して出力する制御手段とをさらに備えてもよい。
本発明によると、停電などの事情によって商用交流電源からの電力の供給が止まっても、IP電話サービスなどの信号を利用したサービスを利用できる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の信号中継装置について、以下、図面を参照しながら説明する。本実施形態の特徴は、IP電話機のインラインパワーの供給元となり、信号中継装置となるスイッチングハブにバッテリを搭載し、停電の有無に関わらずそのスイッチングハブに接続されたIP電話機へインラインパワーを安定的に供給できるようにした点にある。
図1は、本実施形態にかかるIP電話システムの全体構成を示す図である。図1に示すように、このシステムは、VoIP網制御装置10とIP電話機70を有する複数のLAN(Local Area Network)通信網20とをインターネット通信網90により接続している。インターネット通信網90は、TCP/IPに従った手順でパケットをルーティングする各ノードと、それらを接続する電話回線とを含む。
VoIP網制御装置10は、MPU(Micro Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク、ネットワークインターフェースなどを備えたコンピュータである。VoIP網制御装置10は、各IP電話機70のIPアドレスと電話番号の相互の変換処理、通信帯域処理、輻輳処理などの各処理を行うことにより、それらのIP電話機70間の通話を支援する。
LAN通信網20の各々は、信号中継装置となるスイッチングハブ50を間に挟んでルータ型モデム30と複数のIP電話機70(「端末」に相当)とをケーブル接続することにより構築されている。IP電話機70の各々は、SIP(Session Initiation Protocol)に準拠した各処理の手順を記したプログラム(以下、「SIPプログラム」と呼ぶ)を実装している。そして、それらのIP電話機70は、VoIP網制御装置10による支援の下、スイッチングハブ50、ルータ型モデム30、およびインターネット通信網90を介して別のLAN通信網20のIP電話機70と各種メッセージのパケットを送受信し、そのIP電話機70との間にセッションを確立する。あるIP電話機70と別のLAN通信網20のIP電話機70との間にセッションが確立されると、以降の音声データのパケットの送受信を通じて通話が実現される。以降の説明において、インターネット通信網90からLAN通信網20の末端のIP電話機70へ向かうパケットの下り方向を適宜「ダウンリンク」と呼び、IP電話機70からインターネット通信網90へ向かうパケットの上り方向を適宜「アップリンク」と呼ぶ。
図2は、LAN通信網20を構築する、ルータ型モデム30、スイッチングハブ50、IP電話機70のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、ルータ型モデム30は、受電端子31、給電部32、RJ11コネクタ33、RJ45コネクタ34、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)信号変換回路35、PHYチップ(Physical Layer Chip)36、ROM37、MPU38、RAM39を有する。これら各部のうち、給電部32、ADSL信号変換回路35、PHYチップ36、ROM37、MPU38、RAM39は、略直方体の筐体(図示せず)に内蔵される。また、RJ11コネクタ33とRJ45コネクタ34は、筐体の背面から外部に向かって露出しており、受電端子31は、その筐体に設けた孔から外部に引き出された電源ケーブルと接続されている。
受電端子31は、コンセントプラグであり、カバー(図示せず)の前端に穿設した孔から一対の金属製の栓刃を吐出させるとともに、その栓刃と電源ケーブル内の電線の一端とを繋いだ構造をなしている。この受電端子31の栓刃を商用交流電源(図示せず)のプラグソケットに挿入すると、その商用交流電源から電源ケーブルを介して給電部32へ交流電力が供給される。給電部32は、AC/DCコンバータ40、バッテリ41を有する。AC/DCコンバータ40は、商用交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する。変換により得られた直流電力は、電線を介して各部へ供給されるとともに、バッテリ41に蓄電される。停電などの事情によって交流電力の供給が止まり、または、その電力品質のレベル低下が発生すると、バッテリ41に蓄電された電力が各部へ供給される。
RJ11コネクタ33は、モデムケーブルを介してインターネット通信網90と接続されている。一方、RJ45コネクタ34は、スイッチングハブ50のRJ45コネクタ53a(後述)とUTP(Unshielded Twist Pair)ケーブルを介して接続される。
ADSL信号変換回路35は、RJ11コネクタ33から供給されるアナログ信号を変換して得たイーサネット(登録商標)フレーム(以下、単に「フレーム」と呼ぶ)のコード列をMPU38へ供給するとともに、MPU38から供給されるフレームのコード列を変換して得たアナログ信号をRJ11コネクタ33へ供給する。また、PHYチップ36は、RJ45コネクタ34から供給されるデジタル信号を変換して得たフレームのコード列をMPU38へ供給し、MPU38から供給されるフレームのコード列を変換して得たデジタル信号をRJ45コネクタ34へ供給する。
図3は、フレームのデータ構造の概要を示す図である。フレームは、TCP/IPのアプリケーション層のプログラム(例えば、SIPプログラム)に引き渡されるデータ91の前段に、UDPヘッダ92、IPヘッダ93、およびフレームヘッダ94を付加した構造をなしている。このフレームのフレームヘッダ94を除いた部分が「パケット」に相当する。
UDPヘッダ92は、データの送信元のアプリケーション層のプログラムに固有のポート番号を示す宛先ポート番号や、その宛先のプログラムに固有のポート番号を示す発信元ポート番号を示すコード列を内包する。IPヘッダ93は、パケットの送信元の送信元IPアドレスやその宛先の宛先IPアドレスを示すコード列を内包する。フレームヘッダ94は、フレームの送信元の送信元MAC(Media Access Control)アドレスやその宛先の宛先MACアドレスなどを示すコード列を内包する。
図2において、ROM37には、パケットのルーティングに関わる処理の手順などを記したプログラムが記憶される。そのプログラムを実行するMPU38は、自らがダウンリンク側に従えたIP電話機70へのIPアドレス(プライベートIPアドレス)の割り当て、ルーティングテーブルやアドレス管理テーブルのRAM39への書き込み、フレームに含まれるMACアドレスやポート番号の書き換え、などといった処理を行う。
MPU38は、ADSL信号変換回路35からフレームのコード列が供給されると、そのフレームのIPヘッダ93の宛先IPアドレスを基に割り出したパケットの宛先が、自らがダウンリンク側に従えたIP電話機70のいずれかであるかを判断する。そして、いずれかのIP電話機70を宛先とするパケットを含むフレームであるときは、宛先MACアドレスを自らのMACアドレスからパケットの宛先(IP電話機70)のそれに書き換えたフレームのコード列を、PHYチップ36へ供給する。PHYチップ36に供給されたフレームのコード列はデジタル信号に変換された上でRJ45コネクタ34からスイッチングハブ50へ送出され、その宛先のIP電話機70へ転送される
また、MPU38は、PHYチップ36からフレームのコード列が供給されると、そのフレームのIPヘッダ93の宛先IPアドレスを基に割り出したパケットの宛先が、自らのアップリンク側のノード(例えば、VoIP網制御装置10)であるか否かを判断する。そして、アップリンク側のノードを宛先とするパケットを含むフレームであるときは、宛先MACアドレスを自らのMACアドレスからその宛先に至る転送ルート上の直近のノードのそれに書き換えたフレームのコード列を、ADSL信号変換回路35へ供給する。ADSL信号変換回路35へ供給されたフレームのコード列はアナログ信号に変換された上でRJ11コネクタ33から公衆回線へ送出され、その宛先のノードまで転送される。
スイッチングハブ50は、図2に示すように、受電端子51、給電部52、複数のRJ45コネクタ53a〜53d(以下、適宜「RJ45コネクタ53」と記す)、トランス54、PHYチップ55、スイッチングIC(Integrated Circuit:「第1のスイッチング素子」に相当)56、RAM57を有する。これら各部のうち、給電部52、トランス54、PHYチップ55、スイッチングIC56、RAM57は、略直方体の筐体(図示せず)に内蔵される。また、RJ45コネクタ53は、筐体の背面から外部に向かって露出しており、受電端子51は、その筐体に設けた孔から外部に引き出された電源ケーブルと接続されている。
受電端子51は、ルータ型モデム30のそれと同様の構造をなすコンセントプラグである。よって、この受電端子51の栓刃を商用交流電源のプラグソケットに挿入すると、その商用交流電源から電源ケーブルを介して給電部52へ交流電力が供給される。給電部52は、AC/DCコンバータ58、バッテリ59(「蓄電手段」に相当)を有し、各々の構造はルータ型モデム30のそれと同様である。
複数のRJ45コネクタ53のうちの1つであるRJ45コネクタ53aは、ルータ型モデム30用として確保され、ルータ型モデム30のRJ45コネクタ34とUTPケーブルを介して接続される。また、残りのRJ45コネクタ53b〜dは、各IP電話機70用としてそれぞれ確保され、各IP電話機70のRJ45コネクタ71(後述)の各々とUTPケーブルを介して接続される。
図2に示すように、スイッチングハブ50の給電部52のAC/DCコンバータ58およびバッテリ59は、PHYチップ55、スイッチングIC56、RAM57の各素子と電線により繋がっており、その電線を介してAC/DCコンバータ58やバッテリ59から各素子へ電力が供給される。さらに、AC/DCコンバータ58およびバッテリ59は、トランス54を介してIP電話機70用のRJ45コネクタ53b〜53dの一部の端子(後述)とも電線により繋がっており、その端子からIP電話機70へも電力が供給される。
図4は、RJ45コネクタ53b〜53d、71の端子配列と、それらの両コネクタを接続するUTPケーブル95の断面構造とを示す図である。図4に示すように、RJ45コネクタ53b〜53d,71は、1から8の番号を割り振った8つの端子を配列した構造をなしている。ルータ型モデム30のRJ45コネクタ53b〜53dは、デジタル信号の送信用として1番と2番の端子が、受信用として3番と6番の端子が割り当てられたMDI(Medium Dependent Interface)−Xタイプとなっている。一方、後述するIP電話機70のRJ45コネクタ71は、デジタル信号の受信用として1番と2番の端子が、送信用として3番と6番の端子が割り当てられたMDIタイプとなっている。そして、本実施形態では、デジタル信号の送信用と受信用のいずれにも割り当てられていない、RJ45コネクタ53b〜53dの7番と8番の端子(「残余端子」に相当)を、電線によりAC/DCコンバータ58およびバッテリ59と繋いでいる。よって、スイッチングハブ50のRJ45コネクタ53b〜53dとIP電話機70のRJ45コネクタ71に、8本の電線を2本ずつ一組にしてより合わせたストレートタイプのUTPケーブル95の端を接続することにより、1番、2番、3番、6番の端子(「パケット用端子」に相当)を介してデジタル信号を送受信させるだけでなく、7番と8番の端子を介してスイッチングハブ50からIP電話機70へ電力を供給することができる。
図2の説明に戻る。スイッチングハブ50のPHYチップ55は、RJ45コネクタ53a〜53dから供給されるデジタル信号を変換して得たフレームのコード列をスイッチングIC56へ供給し、スイッチングIC56から供給されるフレームのコード列を変換して得たデジタル信号をそのスイッチングIC56が指定するRJ45コネクタ53a〜53dへ供給する。
スイッチングIC56は、RAM57へのアドレス管理テーブルの書き込み、そのアドレス管理テーブルに従ったフレームの送出、などといった処理を行う。スイッチングIC56は、PHYチップ55から供給されるフレームのコード列をRAM57に記憶させた上でそのフレームの宛先MACアドレスを特定する。そして、特定した宛先MACアドレスが示すIP電話機70またはルータ型モデム30が接続されたRJ45コネクタ53を送出先として指示した上で、そのフレームのコード列をPHYチップ55へ供給する。PHYチップ55に供給されたフレームのコード列はデジタル信号に変換され、指示にかかるRJ45コネクタ53からIP電話機70またはルータ型モデム30へ送出される。
IP電話機70は、RJ45コネクタ71、PHYチップ72、ROM73、MPU74、RAM75、マイクロホン76、スピーカ77、LCD(Liquid Crystal Display)78、タッチキー79、コーデック80を有する。これら各部のうち、PHYチップ72、ROM73、MPU74、RAM75、コーデック80は、略直方体の筐体(図示せず)に内包され、RJ45コネクタ71、LCD78、タッチキー79は、筐体の背面または前面から外部に露出されている。さらに、マイクロホン76とスピーカ77は、受話器(図示せず)に収容されている。また、PHYチップ72、ROM73、MPU74、コーデック80の各部は、RJ45コネクタ71の7番と8番の端子と電線により繋がっており、それらの両端子を介してスイッチングハブ50から電力が各部へ供給される。このため、IP電話機70には給電部が搭載されていない。
RJ45コネクタ71は、MDIタイプの端子配列を有するコネクタであり、その7番と8番の端子を介してスイッチングハブ50から電力の供給を受け得ることは上述したところである。
LCD78は、MPU74による制御の下、各種情報を表示する。また、タッチキー79は、ダイヤルキーなどを有し、各々の押下操作を検出したことを示す信号をMPU74へ供給する。
マイクロホン76は、自らが収音した音の音声信号をコーデック80へ供給する。スピーカ77は、コーデック80から供給される音声信号に応じた音を放音する。コーデック80は、音声信号から音声データへの符号化、および音声データから音声信号への復号化を司る。
PHYチップ72は、RJ45コネクタ71から供給されるデジタル信号を変換して得たフレームのコード列をMPU74へ供給し、MPU74から供給されるフレームのコード列を変換して得たデジタル信号をRJ45コネクタ71へ供給する。
ROM73には、自機に固有の電話番号やSIPプログラムなどが記憶される。そのプログラムを実行するMPU74は、別のLAN通信網20のIP電話機70とセッションを確立し、そのIP電話機70との間で音声データを内包するパケットを送受信することにより、通話を実現する。
図5は、2つのIP電話機70間で通話のためのセッションを確立し、それを解消して通話を終えるまでの手順を示すシーケンス図である。なお、この図5において、発呼元となるIP電話機70をIP電話機70Aとし、発呼先となるIP電話機70をIP電話機70Bとする。
まず、受話器を上げるなどの操作によりオフフック状態となった発呼元のIP電話機70Aへ、タッチキー79の操作を通じて発呼先の電話番号が入力される。電話番号の入力を受けたIP電話機70Aは、VoIP網制御装置10のIPアドレスに宛てた第1の呼設定要求メッセージのパケットを送信する(S100)。第1の呼設定要求メッセージのパケットを受信したVoIP網制御装置10は、IP電話機70BのIPアドレスに宛てた第2の呼設定要求メッセージのパケットを送信する(S110)。VoIP網制御装置10は、各IP電話機70の各々のIPアドレスと電話番号を対応付けたVoIP管理テーブル(図示せず)を有している。そして、第1の呼接続設定要求に含まれる電話番号を基にそのVoIP管理テーブルを参照することにより、第2の呼設定要求メッセージの宛先となるIP電話機70BのIPアドレスを特定する。
第2の呼設定要求メッセージのパケットを受信したIP電話機70Bは、VoIP網制御装置10のIPアドレスに宛てた呼設定受付メッセージのパケットを送信するとともに(S120)、VoIP網制御装置10に宛てた第1の呼出制御メッセージのパケットを送信する(S130)。呼設定受付メッセージのパケットを受信したVoIP網制御装置10は、IP電話機70AのIPアドレスに宛てた第2の呼出制御メッセージのパケットを送信する(S140)。なお、呼設定受付メッセージは、発呼が受け付けられて呼び出しが開始されたことを示すメッセージであり、第1の呼出制御メッセージおよび第2の呼出制御メッセージは、発呼先で呼び出しが行われているもののオフフック状態にはなっていないことを示すメッセージである。
この後、発呼先のIP電話機70Bが、受話器を上げるなどの操作によりオフフック状態になると、そのIP電話機70Bは、VoIP網制御装置10に宛てた第1の応答メッセージのパケットを送信する(ステップS150)。第1の応答メッセージのパケットを受信したVoIP網制御装置10は、IP電話機70AのIPアドレスに宛てた第2の応答メッセージのパケットを送信する(ステップS160)。
第2の応答メッセージのパケットを受信したIP電話機70Aは、VoIP網制御装置10のIPアドレスに宛てた第1の確認応答メッセージのパケットを送信する(S170)。第1の確認応答メッセージのパケットを受信したVoIP網制御装置10は、IP電話機70BのIPアドレスに宛てた第2の確認応答メッセージのパケットを送信する(S180)。
IP電話機70Bが、第2の確認応答メッセージのパケットを受信すると、IP電話機70Bには音声データを含むパケットを受け入れるためのポートが確保され、そのポートとIP電話機70Aの側に確保されているポートの間との通信接続が確立する。そして、以降は、IP電話機70A,70Bのマイクロホン76が収音した音声の音声データを含むパケットが両ポート間で送受信され、通話が実現する。
一方のIP電話機70(図5ではIP電話機70A)が、受話器を置くなどの操作によりオンフック状態になると、そのIP電話機70Aは、VoIP網制御装置10のIPアドレスに宛てた第1の切断メッセージのパケットを送信する(S190)。第1の切断メッセージのパケットを受信したVoIP網制御装置10では、IP電話機70BのIPアドレスに宛てた第2の切断メッセージのパケットを送信する(S200)。ここで、IP電話機70A,Bは、各々のRJ45コネクタ71の7番と8番の端子を介してスイッチングハブ50から電力の供給を受けており、電力の供給元となるスイッチングハブ50は、受電端子51から供給される電力を蓄電するバッテリ59を搭載している。よって、停電により商用交流電源からの電力の供給が止まっても、各IP電話機70A,Bは、上述した各メッセージを送受信してセッションを確立し、通話を実現できる。
第2の切断メッセージのパケットを受信したIP電話機70Bは、VoIP網制御装置10のIPアドレスに宛てた第1の切断応答メッセージのパケットを送信する(S210)。第1の切断応答メッセージのパケットを受信したVoIP網制御装置10は、IP電話機70AのIPアドレスに宛てた第2の切断応答メッセージのパケットを送信する(S220)。IP電話機70Aが、第2の切断応答メッセージのパケットを受信すると、そのIP電話機70AとIP電話機70Bのポート間の通信接続が解除され、通話が終了する。
以上説明した本実施形態では、バックアップ電力を蓄電するバッテリ41,59をルータ型モデム30とスイッチングハブ50に搭載し、且つ、スイッチングハブ50の電力をそのRJ45コネクタ53b〜53dの7番と8番の端子を介してIP電話機70へ供給し得るようになっている。よって、停電の発生により商用交流電源からの電力の供給が停止した場合でも、ルータ型モデム30、スイッチングハブ50、さらにはIP電話機70の各部へバッテリ41,59から電力を供給することにより、IP電話サービスを継続して利用することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、以下、図面を参照しながら説明する。第1実施形態にかかるスイッチングハブ50は、IP電話機70用の各RJ45コネクタ53b〜53dがバッテリ59と電線により繋がっており、停電が発生すると、バッテリ59からそれらのRJ45コネクタ53b〜53dを介して各IP電話機70へ電力がほぼ均等に供給されるようになっている。これに対し、本実施形態にかかるスイッチングハブ50は、RJ45コネクタ53b〜53dとバッテリ59との間にスイッチを介挿する。そして、停電が発生すると、それらのスイッチを個別に切り換えることによって一部のIP電話機70への電力の供給を制限し、電力の供給を制限するIP電話機70への発呼があったとき、その発呼の転送を要求するメッセージのパケットをVoIP網制御装置10に宛てて送信する。
本実施形態にかかるIP電話システムの、VoIP網制御装置10、ルータ型モデム30、およびIP電話機70のハードウェア構成は、第1実施形態と同様であり、再度の説明を割愛する。
図6は、第2実施形態にかかる信号中継装置となるスイッチングハブ50のハードウェア構成を示す図である。図6に示すように、このスイッチングハブ50は、受電端子51、給電部52、複数のRJ45コネクタ53a〜53d、トランス54、PHYチップ55、スイッチングIC56、RAM57に加えて、タイマ60、電圧検出部61(「検出手段」に相当)、制御部62(「制御手段」に相当)を有する。また、AC/DCコンバータ58およびバッテリ59とRJ45コネクタ53b〜53dの各々とを繋ぐ電線には、スイッチ(「第2のスイッチング素子」に相当)66b〜66d(以下、適宜「スイッチ66」と記す)がそれぞれ介挿されている。そして、それらのスイッチ66b〜66dは、制御部62より供給される信号に応じて開閉する。また、タイマ60は、時間を計時する。電圧検出部61は、受電端子51に供給される交流電力の電圧を検出し、検出した電圧を示す信号を制御部62へ供給する。
制御部62は、ROM63、MPU64、RAM65を有する。そして、制御部62のROM63には、停電時における、各スイッチ66b、66c、66dの開閉や、発呼の転送を要求するメッセージの送信に関わる処理の手順を記したプログラムが記憶される。このプログラムを実行するMPU64は、IP電話機70用のRJ45コネクタ53b〜53d毎の設定データを取り纏めた設定テーブルをRAM65に生成し、停電が発生すると、その設定テーブルの内容に従って処理を行う。この設定テーブルを記憶しておくRAM65が、請求項の「メモリ」に相当する。
図7は、設定テーブルのデータ構造を示す図である。この設定テーブルは、各々が、IP電話機70用の各RJ45コネクタ53b〜53dと対応する複数のレコードの集合体である。このテーブルをなすレコードの各々は、「ポート」、「給電時間」、「電話番号」、「IPアドレス」、「発呼転送先」の5つのフィールドを有する。「ポート」のフィールドには、各JR45コネクタに固有のコネクタポート番号が記憶される。「給電時間」のフィールドには、給電時間データが記憶される。給電時間データは、バッテリ59に蓄電された電力の供給を開始してからその供給を停止するまでの時間を示すデータである。この給電時間データは、各RJ45コネクタ53b〜53dに接続されるIP電話機70の重要度、使用頻度などを考慮して個別に設定されることが望ましい。「電話番号」のフィールドには、各IP電話機70の電話番号を示すデータが記憶される。「IPアドレス」のフィールドには、各RJ45コネクタ53b〜53dに接続されたIP電話機70のIPアドレス(プライベートIPアドレス)が記憶される。「発呼転送先」のフィールドには、転送先データが記憶される。転送先データは、電力の供給が止まったIP電話機70への発呼があった際の転送先を示すデータである。転送先を示すデータは、固定電話や携帯電話の電話番号であってもよいし、別のLAN通信網20のIP電話機70のIPアドレス(グローバルIPアドレス)であってもよい。
図8は、スイッチングハブ50の制御部62が実行する特徴的な処理を示すフローチャートである。スイッチングハブ50の制御部62は、電圧検出部61から供給される信号を基に、停電の発生の有無を監視する。そして、停電が発生したと判断すると(S300:Yes)、タイマ60へ計時の開始を指示する信号を供給する(S310)。信号の供給を受けたタイマ60は、その時からの経過時間を示す信号を制御部62へ逐次供給する。
計時の開始を指示する信号をタイマ60へ供給した制御部62は、タイマ60による支援の下、設定テーブルのいずれかのレコードの「給電時間」のフィールドの給電時間データが示す時間が経過したか否かを判断する(S320)。
給電時間データが示す時間が経過したと判断した制御部62は(S320:Yes)、その給電時間データを記憶したレコードを設定テーブルから特定する(S330)。続いて、ステップS330で特定したレコードの「電話番号」のフィールドに記憶された電話番号、「IPアドレス」のフィールドに記憶されたIPアドレス、および、「発呼転送先」のフィールドに記憶された転送先データを含むVoIP網制御装置10宛ての転送設定要求メッセージのパケットを生成する(S340)。さらに、そのパケットを内包し、且つルータ型モデム30のMACアドレスを宛先MACアドレスとして埋め込んだフレームのコード列を、PHYチップ55へ供給する(S350)。そのフレームのコード列は、PHYチップ55によるデジタル信号への変換を経てRJ45コネクタ53aからルータ型モデム30へ送出される。さらに、そのフレームはルータ型モデム30による変換を経てインターネット通信網90へ送出され、VoIP網制御装置10まで転送される。
転送設定要求メッセージのパケットを受信したVoIP網制御装置10は、その転送設定要求メッセージに含まれる電話番号とIPアドレスの対を自らのVoIP管理テーブルから特定し、特定した対のIPアドレスを転送設定要求メッセージに含まれる転送先データと置き換える。この置き換え以降、VoIP網制御装置10がその対の電話番号を含む第1の呼設定要求メッセージ(図5のS100)を受信した場合、転送先データが示す固定電話や携帯電話の番号などを基に第2の呼設定要求メッセージ(図5のS110)の宛先が特定されることになる。また、転送先データをIPアドレスと置き換えたVoIP網制御装置10は、転送設定要求メッセージの送信元に宛てた設定完了メッセージのパケットを送信する。
転送設定要求メッセージのパケットを送信した後、スイッチングハブ50の制御部62は、設定完了メッセージの返信を待ち、その設定完了メッセージのパケットを含むフレームのコード列がPHYチップ55から供給されると(S360:Yes)、ステップS330で特定したレコードの「ポート」のフィールドのコネクタポート番号と対応するRJ45コネクタ53のスイッチ66(例えば、RJ45コネクタ53bのスイッチ66b)へ、信号(開信号)を供給する(S370)。信号(開信号)の供給を受けたスイッチ66が閉状態から開状態に変わると、バッテリ59からそのRJ45コネクタ53に接続されたIP電話機70への電力の供給が停止される。スイッチ66へ信号(開信号)を供給した制御部62は、ステップS320に戻り、別のレコードの「給電時間」のフィールドの給電時間データが示す時間の経過の有無に応じて以降の処理を行う。
以上説明した第2実施形態にかかるスイッチングハブ50は、停電が発生すると、設定テーブルにて設定された給電時間が経過したIP電話機70から順に、電力の供給を停止する。よって、ほとんど使われないIP電話機70への電力の供給は早急に停止させる一方で使われる頻度の極めて高いIP電話機70へはより長い時間に渡って電力を供給することにより、バッテリ59を長持ちさせることができる。また、電力の給電時間が経過したIP電話機70については、転送設定要求メッセージをVoIP網制御装置10へ送信し、設定完了メッセージの返信を受けてから電力の供給を停止する。よって、電力の供給が停止されたIP電話機70に対する発呼がエラーになる事態の発生を回避できる。
(他の実施形態)
本発明は、上述の各実施形態に限定されることなく、種々の変形実施が可能である。
上記実施形態は、スイッチングハブ50のバッテリ59に蓄電されたバックアップ電力を、RJ45コネクタ53b〜53dを介して各IP電話機70へ供給するようになっている。これに対し、ルータ型モデム30のRJ45コネクタ34にIP電話機70を接続し、ルータ型モデム30のバッテリ41に蓄電されたバックアップ電力をRJ45コネクタ34を介してIP電話機70へ供給するようにしてもよい。このとき、ルータ型モデム30は、信号中継装置となる。また、IP電話機70とインターネット通信網90の間に介在し、インターネット通信網90のノードから転送されるパケットをIP電話機70へ中継でき、且つ商用交流電源から自身に供給される交流電力を基にバックアップ電力を蓄電できる構成にさえなっていれば、それ自身が信号中継装置となるブリッジやモデムなどの他のネットワーク機器にIP電話機70を接続してもよい。
第2実施形態では、給電時間が経過すると、転送設定要求メッセージをVoIP網制御装置10へ送信し、その転送設定要求メッセージに対する設定完了メッセージの返信を受けたIP電話機70から順に、電力の供給を停止するようになっている。これに対し、この方式に代えて、または、この方式とともに、あるIP電話機70が接続されたRJ45コネクタ53b〜53dの給電時間が経過すると、電力の供給の停止を予告する音声データのパケットをそのIP電話機70へ供給し、スピーカ77からその予告の音声を放音させるようにしてもよい。同様に、電力の供給の停止を予告する文字列のテキストデータのパケットをそのIP電話機70へ供給し、LCD78にその文字列を表示させるようにしてもよい。この表示を上述の各方法に代えて、または、いずれか1つとともに、もしくは、全ての方法とともに行うようにしてもよい。
信号中継装置に接続される末端の装置としては、IP電話機70のほかに、通常の固定電話機としてもよい。
本発明の第1実施形態にかかる信号中継装置を含むIP電話システムの全体構成図である。 図1のIP電話システムをなすルータ型モデム、スイッチングハブ、IP電話機のハードウェア構成図である。 図1のIP電話システムに使用される信号であるフレームのデータ構造図である。 図1のIP電話システムに使用されるRJ45コネクタの端子配列とUTPケーブルの断面構造とを示す図である。 図1のIP電話システムにおいて2つのIP電話機間の通話のためのセッションを確立し、それを解消して通話を終えるまでの手順を示すシーケンス図である。 本発明の第2実施形態にかかる信号中継装置となるスイッチングハブのハードウェア構成図である。 図6のスイッチングハブの設定テーブルのデータ構造図である。 図1のIP電話システムにおいてスイッチングハブの制御部が実行する特徴的な処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10…VoIP網制御装置、20…LAN通信網、30…ルータ型モデム、31,51…受電端子、32,52…給電部、33…RJ11コネクタ、34,53,71…RJ45コネクタ、35…ADSL信号変換回路、36,55,72…PHYチップ、37,63,73…ROM、38,64,74…MPU、39,57,65,75…RAM、40,58…AC/DCコンバータ、41,59…バッテリ(「蓄電手段」に相当)、50…スイッチングハブ(「信号中継装置」に相当)、54…トランス、56…スイッチングIC(「第1のスイッチング素子」に相当)、60…タイマ、61…電圧検出部(「検出手段」に相当)、62…制御部(「制御手段」に相当)、66…スイッチ(「第2のスイッチング素子」に相当)、70…IP電話機(「端末」に相当)、76…マイクロホン、77…スピーカ、78…LCD、79…タッチキー、80…コーデック、90…インターネット通信網、91…データ、92…UDPヘッダ、93…IPヘッダ、94…フレームヘッダ

Claims (4)

  1. 交流電源と接続される受電端子と、
    パケットなどの信号を入出力するための端子を含む複数の端子を有する複数のコネクタであって、各々の上記端子同士が電線により繋がる複数のコネクタと、
    上記受電端子と電線により繋がった手段であって、その電線を介して上記受電端子から供給される交流電力を基に、上記複数のコネクタの一部または全部に繋がる電線へ放電するためのバックアップ電力を蓄電する蓄電手段と、
    を備えることを特徴とする信号中継装置。
  2. 前記複数のコネクタの端子同士を繋ぐ電線に介挿された素子であって、あるコネクタの端子から入力された信号が示すパケットの宛先である電話機に応じて別のコネクタを選択し、選択したコネクタに繋がる電線へ信号を送出する第1のスイッチング素子、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の信号中継装置。
  3. 前記複数のコネクタの各々は、
    パケットを示す信号を入出力するためのパケット用端子と、パケットを示す信号を入出力しない残余端子とを有し、
    前記複数のコネクタの上記残余端子に繋がる電線の各々と前記蓄電手段に繋がる電線との間に介挿された素子であって、それらの各コネクタの上記残余端子に繋がる電線と前記蓄電手段に繋がる電線との接続の有無を個別に切り換える第2のスイッチング素子、
    をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の信号中継装置。
  4. 前記複数のコネクタのいずれかに接続された端末の端末アドレスと、それらの端末アドレスに宛てられたパケットの転送先を示す転送先データとを対応付けて記憶したメモリと、
    前記受電端子から供給される交流電力の電圧を検出する検出手段と、
    前記検出手段が検出した電圧が所定の条件を満たすとき、前記複数のコネクタのうちの一部のコネクタの前記残余端子に繋がる電線と前記蓄電手段に繋がる電線との接続を指示する信号を前記第2のスイッチング素子へ供給するとともに、その残りのコネクタに接続された一または複数の端末の端末アドレスと対応する転送先データを前記メモリから特定し、特定した転送先データを含む転送要求メッセージを示すパケットを、端末が接続されていない前記コネクタを介して出力する制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の信号中継装置。
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