JP2009018667A - タイヤの摩耗検知方法及びタイヤの摩耗検知装置 - Google Patents

タイヤの摩耗検知方法及びタイヤの摩耗検知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れるとともに、タイヤトレッド部の摩耗状態を精度よく検知することのできる方法とその装置を提供する。
【解決手段】タイヤのインナーライナー部に加速度センサ11を設置してタイヤトレッド内面の加速度を検出するとともに、得られた加速度の時系列波形からのブロックが路面に踏込んだときに発生する踏み込み時のピークを含む踏み込み領域の加速度波形、もしくは、路面から離れるときに発生する蹴り出し時のピークを含む蹴り出し領域の加速度波形を抽出して、この抽出された加速度波形を周波数分析して得られた周波数スペクトルの所定の周波数領域の加速度の大きさである周波数帯域値Pfを求め、この周波数帯域値Pfと予め設定された閾値K(v)とを比較して、当該タイヤの摩耗進展の度合を判定するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤの摩耗の進展を検知する方法とその装置に関するものである。
一般に、タイヤが摩耗すると、その摩耗度合に応じて湿潤路における排水性能が低下するなど、タイヤの性能は大きく変化することから、自動車の安全性を高める上では、路面と接触しているタイヤの状態、特に、その摩耗度合を検知することは重要である。タイヤの摩耗が更に進むと、バーストの危険性も高くなる。
タイヤの摩耗量を推定する方法としては、図8(a)〜(c)に示すような、複数の導電ゴムから成る抵抗体51aと抵抗素子51bを並列に接続した抵抗手段51とこの抵抗手段51に直列に接続した直流電源52を備えたセンサ53と、このセンサ53の検出信号をアンテナ54を介して送信する送信部55とを備えたタイヤ装着ユニット50をタイヤトレッド部60のブロック61内に埋設して、当該ブロック61の摩耗に応じて変化する上記抵抗手段51の抵抗値を検出してタイヤトレッド部60の摩耗量を推定する方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−28950号公報
しかしながら、上記方法では、タイヤトレッド部60のブロック61内にアンテナ54を有する送信部55を備えたタイヤ装着ユニット50を埋設する必要があるため、実際の製造が困難であるだけでなく、センサ53が接地面に露出しているため、耐久性を確保することが難しいといった問題点があった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、耐久性に優れるとともに、タイヤトレッド部の摩耗状態を精度よく検知することのできる方法とその装置を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討の結果、タイヤの摩耗に伴ってブロック剛性が実質的に高くなり、このため、ブロックの踏み込み時においてはブロックの振動が大きくなり、逆に、蹴り出し時において振動が小さくなることから、上記ブロックの振動に起因するトレッド内面の加速度の大きさを検出すれば、タイヤ踏面にセンサを配置することなく、タイヤの摩耗状態を精度よく検知することができることを見出し、本発明に到ったものである。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、タイヤの摩耗を検知する方法であって、トレッド内面の加速度波形を検出し、上記加速度波形のブロック踏み込み点近傍に現れるピーク位置側の踏み込み領域、及び、上記加速度波形のブロック蹴り出し点近傍に現れるピーク位置側の蹴り出し領域の一方の領域もしくは両方の領域の加速度波形からタイヤの摩耗状態を検知するようにしたものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤの摩耗検知方法において、上記踏み込み領域と蹴り出し領域のそれぞれの長さを、上記踏み込み点近傍に現れるピーク位置と上記蹴り出し点近傍に現れるピーク位置との間の時間間隔に基づいて設定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤの摩耗検知方法において、上記踏み込み領域と蹴り出し領域のそれぞれの長さを車輪速に応じて設定するようにしたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のタイヤの摩耗検知方法において、上記踏み込み領域及び蹴り出し領域の一方の領域もしくは両方の領域の加速度波形の所定の周波数帯域の加速度の大きさである周波数帯域値を算出し、この算出された周波数帯域値に基づいて当該タイヤの摩耗状態を検知することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のタイヤの摩耗検知方法において、上記所定の周波数帯域をタイヤ種により変更することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載のタイヤの摩耗検知方法において、上記所定の周波数帯域を複数とするとともに、上記各周波数帯域で算出された複数の周波数帯域値を用いて演算された周波数帯域演算値に基づいて当該タイヤの摩耗状態を検知することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4〜請求項6のいずれかに記載のタイヤの摩耗検知方法において、上記周波数帯域値もしくは上記周波数帯域演算値が予め設定された閾値を超えたときに摩耗の進展を検知することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載のタイヤの摩耗検知方法において、上記閾値を車輪速度に応じて変更することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、上記閾値をタイヤ種もしくはタイヤ内圧に応じて変更することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、タイヤの摩耗を検知する装置であって、トレッド内面の加速度を検出する加速度センサと、上記検出された加速度の時間変化波形からブロックの踏み込み点近傍に現れるピーク位置側の踏み込み領域の加速度波形とブロックの蹴り出し点近傍に現れるピーク位置側の蹴り出し領域の加速度波形を抽出する加速度波形抽出手段と、上記加速度波形抽出手段で抽出された踏み込み領域の加速度波形と蹴り出し領域の加速度波形の一方もしくは両方の加速度波形の所定周波数領域の加速度の大きさである周波数帯域値を算出する帯域値算出手段と、この算出された帯域値に基づいてタイヤの摩耗が進展しているかどうかを判定する摩耗判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、トレッド内面の加速度波形を検出するとともに、この加速度波形から抽出した踏み込み領域及び蹴り出し領域の一方の領域もしくは両方の領域の加速度波形を用いて当該タイヤの摩耗状態を検知するようにしたので、タイヤ踏面にセンサを配置することなく、タイヤの摩耗状態を精度よく検知することができる。
このとき、上記踏み込み領域と蹴り出し領域のそれぞれの長さを、上記踏み込み点近傍に現れるピーク位置と上記蹴り出し点近傍に現れるピーク位置との間の時間間隔に基づいて設定するようにすれば、加速度波形を抽出するための領域幅を適切に設定できるので、タイヤの摩耗状態の検知を効率よく行うことができる。また、車輪速に応じて上記領域幅を設定するようにすれば、上記加速度波形を抽出するための領域幅を更に適正化することができる。
また、ブロックの振動の大きさには周波数依存性があるので、上記踏み込み領域及び蹴り出し領域の一方の領域もしくは両方の領域の加速度波形の所定の周波数帯域の加速度の大きさである周波数帯域値を算出し、この算出された周波数帯域値に基づいて当該タイヤの摩耗状態を検知するようにすれば、タイヤの摩耗状態を更に精度よく検知することができる。このとき、上記所定の周波数帯域を複数とし、上記各周波数帯域で算出された複数の周波数帯域値を用いて演算された周波数帯域演算値に基づいて当該タイヤの摩耗状態を検知するようにすれば、検知の精度を更に向上させることができる。
更に、上記周波数帯域値もしくは上記周波数帯域演算値が予め設定された閾値を超えたときに摩耗の進展を検知するようにすれば、タイヤが不適切な状態になる前に、当該タイヤの状態を、例えば、警報手段等を用いてドライバーに認識させることができるだけでなく、上記検知結果を利用して、溝深さ不足によるハイドロプレーニングを未然に防止する対策をとることができるので、車輌の走行安全性を向上させることができる。このとき、上記閾値をタイヤ種及び車輪速度に応じて変更するようにすれば、摩耗の進展を更に適切に判定することができる。
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本最良の形態に係るタイヤ摩耗検知装置10の構成を示す機能ブロック図で、同図において、11はタイヤトレッド内面の加速度を検出する加速度センサ、12は車輪の回転速度を検出する車輪速センサ、13は上記加速度センサで検出した加速度波形の踏み込み点近傍に現れるピーク位置と蹴り出し点近傍に現れるピーク位置とを検出して上記ピーク位置間の時間間隔を算出するとともに、上記車輪速センサ12で検出した車輪速と上記時間間隔とに基づいて当該加速度波形の踏み込み領域の長さを決定する抽出領域設定手段、14は当該加速度波形から上記抽出領域設定手段13で設定された踏み込み領域の加速度波形を抽出する加速度波形抽出手段、15は上記加速度波形抽出手段で抽出された踏み込み領域の加速度波形から、予め設定された周波数帯域の加速度の大きさである周波数帯域値を算出する帯域値算出手段、16は上記車輪速センサ12で検出した車輪速に基づいて当該タイヤの摩耗の進展を判定するための周波数帯域値の閾値を設定する閾値設定手段、17は上記帯域値算出手段15で算出された周波数帯域値と上記閾値設定手段16で設定された閾値とを比較して当該タイヤの摩耗が進展しているかどうかを判定する摩耗判定手段、18はこの摩耗判定手段17で判定した摩耗進展の判定結果に基づいてタイヤの摩耗進行しているという警報を発する警報手段である。
本例では、加速度センサ11を、図2に示すように、タイヤ1のインナーライナー部2で、タイヤトレッド3の接地面となる中央部のブロック4に対応する位置に配置して、路面から上記ブロック4に入力する振動に起因するタイヤトレッド3の内面の加速度波形を検出する。なお、本例では、上記加速度センサ11の検出方向をタイヤ周方向になるように配置して、トレッド内面のタイヤ周方向の加速度を検出するようにしている。
車輪速センサ12は、ヨークとコイルとから成るセンサ部を図示しないナックルに装着して車軸の回転を検出する周知の電磁誘導型の車輪速センサを用いている。
また、上記抽出領域設定手段13から摩耗判定手段17までの各手段は車体側に設置されて演算部19を構成し、警報手段18は運転席近傍に設置される。
上記加速度センサ11の出力信号を演算部19に送る構成としては、例えば、図2に示すように、インナーライナー部2もしくはホイール5に送信器11Fを設置して、上記出力信号を図示しない増幅器で増幅した後、無線にて上記演算部19に送信する構成とすることが好ましい。なお、演算部19をタイヤ側に設けて摩耗判定手段17の判定結果を警報手段18に送信する構成としてもよい。
次に、本最良の形態に係るタイヤの摩耗検知方法について説明する。
まず、加速度センサ11によりタイヤトレッド内面の加速度を検出しこの加速度の時系列波形(以下、加速度波形という)を抽出領域設定手段13に送る。
図3は上記加速度波形の一例を示す図である。タイヤトレッド3の表面に形成されたブロック4には、上記ブロック4が接地するとき(踏み込み時)と路面から離れるとき(蹴り出し時)に大きく振動する。これらの振動はインナーライナー部2の加速度として上記加速度センサ11で検出されるので、ブロック4が上記加速度波形の踏み込み時の位置である踏み込み点近傍に位置したときと蹴り出し時の位置である蹴り出し点近傍に位置したときとに大きなピークが現れる。抽出領域設定手段13では、上記踏み込み点近傍に現れるピーク位置と蹴り出し点近傍に現れるピーク位置との時間間隔T(sec)を算出して、踏み込み領域の長さΔL(m)を決定する。具体的には、上記時間間隔T(sec)から、踏み込み点と蹴り出し点との中間点の時間Tmを決定し、この中間点の時間Tmを終点とし上記T(sec)前を始点とする時間領域([Tm−T]〜[Tm])を踏み込み領域の時間長さΔT(sec)とする。これにより、上記踏み込み領域は、上記踏み込みのピークが現れた時間を中心としてその前後(ΔT/2)の間の領域になる。このとき、車輪速センサ12で検出した車輪速Vを用いて、上記時間間隔T(sec)及び踏み込み領域の時間長さΔT(sec)をタイヤの接地長さである距離L(m)と踏み込み領域の長さΔL(m)とに変換する。このように、車輪速Vを用いて、踏み込み領域の長さを距離として表わしておけば、ブロック4の路面に対する位置に対応したインナーライナー部2の加速度の大きさが分かるので、ブロック4の挙動を把握することができる。
次に、加速度波形抽出手段14により、当該加速度波形からタイヤの摩耗状態を解析するために用いる加速度波形、すなわち、上記抽出領域設定手段13で設定された踏み込み領域の加速度波形を抽出する。
上記加速度波形抽出手段14で抽出された踏み込み領域の加速度波形は、帯域値算出手段15に送られ、帯域値算出手段15にて、予め設定された周波数帯域の加速度の大きさである周波数帯域値を算出する。
図4は、新品のタイヤと摩耗が進展したタイヤのそれぞれの踏み込み領域における加速度波形を周波数分析して得られた周波数スペクトルの一例を示す図で、同図の太い実線は摩耗が進展したタイヤを装着したときの周波数スペクトル、細い実線は新品のタイヤ(摩耗ゼロ)を装着したときの周波数スペクトルである。なお、試験に使ったタイヤは225/55R17で、そのときの車速は30km/hである。
タイヤが摩耗するとブロック高さが減少するので、それに伴ってブロック剛性は実質高くなる。これにより、ブロックが路面に踏込んだときの衝撃が大きくなるので、踏み込み領域における加速度の大きさは大きくなる。この例では、1kHz〜3kHzの領域での加速度の増大が顕著である。帯域値算出手段15では上記周波数スペクトルから1kHz〜3kHzの周波数帯域にある加速度の大きさを算出し、これを周波数帯域値Pfとして摩耗判定手段17に送る。
上記踏み込み領域の周波数帯域値は車輪速が大きいと大きくなることが分かっている。図5は、車輌をスムースなアスファルト路面にて30km/h,60km/h及び90km/h走行させてタイヤトレッド内面の加速度を計測して周波数分析し、その周波数スペクトルから1kHz〜3kHzの領域における周波数帯域値Pf(dB)を求めた結果を示すグラフで、同図の●印が新品(摩耗ゼロ)のタイヤを装着したときの周波数帯域値で、▲印が摩耗が進展したタイヤを装着したときの周波数帯域値である。このとき、試験に使ったタイヤは225/55R17である。
そこで、閾値設定手段16では、上記車輪速センサ12により検出された車輪速に基づいて、同図の直線で示した当該タイヤの摩耗の進展を判定するための周波数帯域値の閾値、すなわち、車輪速に依存する閾値K(v)を設定し、これを摩耗判定手段17に送る。
摩耗判定手段17では、上記周波数帯域値Pfと閾値K(v)とを比較し、当該タイヤの摩耗進展の度合を判定する。そして、上記周波数帯域値Pfが上記閾値K(v)を超えている場合には、摩耗判定手段17は当該タイヤの摩耗が進展していると判定し、警報手段18にその信号を入力して、警報用のLEDを点滅させるなどしてドライバーにタイヤの摩耗が進展していることを認識させる。
タイヤの摩耗が進展すると溝深さ不足するので、水深が浅くてもハイドロプレーニングが起きやすくなる。そこで、タイヤが不適切な状態になる前に、警報手段18を用いて、当該タイヤの状態をドライバーに認識させるようにすれば、ドライバーはタイヤ交換したりするなどの処置を行うことができるので、車輌の安全性を高めることができる。
このように本最良の形態では、タイヤ1のインナーライナー部2に加速度センサ11を設置してタイヤトレッド内面の加速度を検出するとともに、得られた加速度の時系列波形からのブロック4が路面に踏込んだときに発生する踏み込み時のピークを含む踏み込み領域の加速度波形を抽出し、この抽出された踏み込み領域の加速度波形を周波数分析して得られた周波数スペクトルの所定の周波数領域の加速度の大きさである周波数帯域値Pfを求め、この周波数帯域値Pfと予め設定された閾値K(v)とを比較して、当該タイヤの摩耗進展の度合を判定するようにしたので、タイヤ踏面にセンサを配置することなく、タイヤの摩耗状態を精度よく検知することができる。
なお、上記最良の形態では、上記加速度センサ11の検出方向をタイヤ周方向になるように配置して、トレッド内面のタイヤ周方向の加速度を検出したが、加速度センサ11の検出方向をタイヤ幅方向もしくはタイヤ径方向となるように配置して、トレッド内面のタイヤ幅方向もしくはタイヤ径方向の加速度を検出して周波数帯域値を求める構成としても同様の効果を得ることができる。
また、上記例では、踏み込み領域における加速度波形を用いてタイヤの摩耗状態を検知したが、蹴り出し領域の加速度波形を用いてもよい。蹴り出し領域は、上記踏み込み点近傍に現れるピーク位置と蹴り出し点近傍に現れるピーク位置との時間間隔T(sec)から求められる中間点の時間Tmを始点としそれから上記T(sec)後までの時間領域([Tm]〜[Tm+T])とすればよい。
図6は、新品のタイヤと摩耗が進展したタイヤのそれぞれの踏み込み領域における加速度波形を周波数分析して得られた周波数スペクトルの一例を示す図で、同図の太い実線は摩耗が進展したタイヤを装着したときの周波数スペクトル、細い実線は新品のタイヤ(摩耗ゼロ)を装着したときの周波数スペクトルである。
タイヤが摩耗してブロック剛性が実質高くなると、ブロックが路面を蹴り出すときの振動は小さくなるので、蹴り出し領域における加速度の大きさは踏み込み領域とは逆に、小さくなる。この例では、1kHz〜3kHzの領域での加速度の減少が顕著である。したがって、帯域値算出手段15では、上記周波数スペクトルから1kHz〜3kHzの周波数帯域にある加速度の大きさを算出し、これを周波数帯域値Pkとして摩耗状態の判定を行うようにすればよい。なお、蹴り出し領域の周波数帯域値Pkを用いる場合には、摩耗状態の判定に用いる閾値K(v)についても変更する必要があることはいうまでもない。
また、踏み込み領域の周波数帯域値Pfと蹴り出し領域の周波数帯域値Pkの両方を用いて摩耗状態を判定すれば、判定精度を更に向上させることができる。
また、上記例では、時間領域[Tm−T]〜[Tm]を踏み込み領域としているが、これに限るものではなく、例えば、踏み込みピーク位置からから接地中心位置までの領域としてもよい。また、上記ピーク位置は必ずしも踏み込み領域の中心にある必要はない。また、踏み込み領域を時間領域ではなく、タイヤの周上の領域としてももよい。具体的には、図7に示すように、タイヤ1の接地中心位置をP、タイヤ中心Oとしたとき、∠POQが45°進行方向側にある点Qと上記接地中心位置Pの間の領域Z1から選択される領域z1を踏込み領域とすればよい。このとき、上記踏み込み領域z1の長さとしては、例えば、30°相当長などのように、回転角で表わすと分かり易い。なお、上記領域Z1,z1の長さまたは回転角は、タイヤの径と車輪速Vとを用いて算出する。
これは、蹴り出し領域についても同様であって、この場合も、図7に示すように、タイヤTの接地中心位置Pから測って45°進行方向逆側の点Rと上記接地中心位置Pの間の領域Z2から選択される領域z2を蹴り出し領域とすればよい。
また、上記例では、加速度波形を周波数分析して得られた周波数スペクトルから、1kHz〜3kHzの領域での加速度の大きさ周波数帯域値Pfを求めたが、通過帯域が1kHz〜3kHzのバンドパスフィルタを用いて上記周波数帯域値Pfを求めるようにしてもよい。なお、上記抽出周波数帯域をタイヤ種、サイズ、車輪速、内圧情報等により変更するようにすれば、タイヤの摩耗状態を更に正確に検知することができる。
また、上記例では、周波数分析手段13を設けて、ドレッド内面部の前後加速度の周波数スペクトルを求め、この周波数スペクトルからドレッド内面部での前後加速度の帯域値を算出するようにしたが、帯域値を算出するには必ずしも周波数スペクトルを求める必要はなく、バンドパスフィルタを用いて、車輪速に基づいて設定された周波数帯域の前後加速度成分を抽出して上記帯域値を求めるようにしてもよい。
また、抽出周波数帯域については1つに限らず、複数の周波数帯域の周波数帯域値を用いてもよい。その際、摩耗状態の判定には、上記周波数帯域の周波数帯域値の平均値などのような、周波数帯域値から求められた演算値を用いるようにすればよい。
また、上記例では、加速度波形の周波数スペクトルの周波数帯域値Pfを求め、この周波数帯域値Pfと予め設定された閾値K(v)とを比較したが、予め新品タイヤの周波数帯域値P0を求めておき、実際に求めた周波数帯域値Pfが上記周波数帯域値P0よりも所定値以上大きくなった場合にタイヤの摩耗が進展していると判定するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明のタイヤの摩耗検知装置は、耐久性に優れるとともに、タイヤの摩耗状態を精度よく検知できるので、当該タイヤの摩耗の状態を、例えば、警報手段等を用いてドライバーに認識させるなどすれば、車輌の走行安全性を向上させることができる。
本発明の最良の形態に係るタイヤの摩耗検知装置の構成を示す機能ブロック図である。 加速度センサの取付け例を示す図である。 タイヤトレッド内面の加速度波形を示す図である。 新品時と摩耗時の踏み込み領域における加速度波形の周波数スペクトルの一例を示す図である。 周波数帯域著と車輪速との関係を示す図である。 新品時と摩耗時の蹴り出し領域における加速度波形の周波数スペクトルの一例を示す図である。 踏み込み領域と蹴り出し領域の他の設定方法を示す図である。 従来のタイヤの摩耗量の推定方法を示す図である。
符号の説明
1 タイヤ、2 インナーライナー部、3 タイヤトレッド、4 ブロック、
5 ホイール、10 タイヤ摩耗検知装置、11 加速度センサ、11F 送信器、
12 車輪速センサ、13 抽出領域設定手段、14 加速度波形抽出手段、
15 帯域値算出手段、16 閾値設定手段、17 摩耗判定手段、18 警報手段、
19 演算部。

Claims (10)

  1. トレッド内面の加速度波形を検出し、上記加速度波形のブロック踏み込み点近傍に現れるピーク位置側の踏み込み領域、及び、上記加速度波形のブロック蹴り出し点近傍に現れるピーク位置側の蹴り出し領域の一方の領域もしくは両方の領域の加速度波形からタイヤの摩耗状態を検知することを特徴とするタイヤの摩耗検知方法。
  2. 上記踏み込み領域と蹴り出し領域のそれぞれの長さを、上記踏み込み点近傍に現れるピーク位置と上記蹴り出し点近傍に現れるピーク位置との間の時間間隔に基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの摩耗検知方法。
  3. 上記踏み込み領域と蹴り出し領域のそれぞれの長さを車輪速に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの摩耗検知方法。
  4. 上記踏み込み領域及び蹴り出し領域の一方の領域もしくは両方の領域の加速度波形の所定の周波数帯域の加速度の大きさである周波数帯域値を算出し、この算出された周波数帯域値に基づいて当該タイヤの摩耗状態を検知することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のタイヤの摩耗検知方法。
  5. 上記所定の周波数帯域をタイヤ種により変更することを特徴とする請求項4に記載のタイヤの摩耗検知方法。
  6. 上記所定の周波数帯域を複数とするとともに、上記各周波数帯域で算出された複数の周波数帯域値を用いて演算された周波数帯域演算値に基づいて当該タイヤの摩耗状態を検知することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のタイヤの摩耗検知方法。
  7. 上記周波数帯域値もしくは上記周波数帯域演算値が予め設定された閾値を超えたときに摩耗の進展を検知することを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載のタイヤの摩耗検知方法。
  8. 上記閾値を車輪速に応じて変更することを特徴とする請求項7に記載のタイヤの摩耗検知方法。
  9. 上記閾値をタイヤ種もしくはタイヤ内圧に応じて変更することを特徴とする請求項7に記載のタイヤの摩耗検知方法。
  10. トレッド内面の加速度を検出する加速度センサと、上記検出された加速度の時間変化波形からブロックの踏み込み点近傍に現れるピーク位置側の踏み込み領域の加速度波形とブロックの蹴り出し点近傍に現れるピーク位置側の蹴り出し領域の加速度波形を抽出する加速度波形抽出手段と、上記加速度波形抽出手段で抽出された踏み込み領域の加速度波形と蹴り出し領域の加速度波形の一方もしくは両方の加速度波形の所定周波数領域の加速度の大きさである周波数帯域値を算出する帯域値算出手段と、この算出された帯域値に基づいてタイヤの摩耗が進展しているかどうかを判定する摩耗判定手段とを備えたことを特徴とするタイヤの摩耗検知装置。
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