JP2009163003A - 平版印刷版原版 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均開口径0.5〜5μmの中波構造と平均開口径0.01〜0.2μmの小波構造とを重畳した構造の砂目形状を表面に有する支持体上に、側鎖にカルボキシル基およびカルボン酸エステル基を有する高分子化合物を含有する中間層と、重合開始剤、重合性化合物、及びバインダーポリマーを含有する画像形成層と、を順次積層してなることを特徴とする平版印刷版原版である。
【選択図】なし
Description
特に、親水性支持体上に、感光スピードに優れる光重合開始剤、付加重合可能なエチレン性不飽和化合物、及びアルカリ現像液に可溶なバインダーポリマーを含有する光重合型の画像形成層、並びに必要に応じて酸素遮断性の保護層を設けた平版印刷版原版(例えば、特許文献1、参照)は、生産性に優れ、更に現像処理が簡便であり、解像度や着肉性もよいといった利点から、望ましい印刷性能を有するものである。
この問題に対し、画像形成層上に水溶性ポリマーを含有する保護層を設ける方法、或いは、無機質の層状化合物と水溶性ポリマーを含有する保護層を設ける方法(例えば、特許文献3、参照)が知られている。これらの保護層の存在により、重合阻害が防止され、画像形成層の硬化反応が促進され、画像部の強度を向上させることが可能となる。
しかしながら、従来の中間層を用いた場合には、長時間、特には、高温高湿条件下で長時間保存した場合の現像除去性が低下したり、中間層の上層に画像形成層を塗布する際に画像形成層の溶媒により中間層が溶解あるいは膨潤することにより耐刷性や汚れ性に悪影響が生じる場合があり、近年の高耐刷化と低汚れ性の要求レベル向上に対して十分に対応しているとは言い難かった。
即ち、本発明は、以下の構成を有する。
<表面の砂目形状>
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、その表面が、平均開口径0.5〜5μmの中波構造と、平均開口径0.01〜0.2μmの小波構造とを重畳した構造の砂目形状を有することを特徴とする。
本発明において、平均開口径0.5〜5μmの中波構造は、主にアンカー(投錨)効果によって画像形成層を保持し、耐刷力を付与する機能を有する。中波構造のピットの平均開口径が0.5μm以上であれば、支持体表面の上層に設けられる画像形成層との密着性が良く、平版印刷版の耐刷性に優れる。また、中波構造のピットの平均開口径が5μm以下であれば、アンカーの役割を果たすピット境界部分の数の減少を抑えることができるので、やはり耐刷性の向上に有用である。
大波構造の平均波長が上記範囲であれば、中波構造との差による効果的な波形状を達成でき、さらに、露光現像後、大波構造に起因する露出された非画像部のぎらつきや、検版性の低下を抑制できる。なお、大波構造の平均波長は、10〜80μmであるのがより好ましい。
電子顕微鏡を用いて支持体の表面を真上から倍率2,000倍で撮影し、得られた電子顕微鏡写真においてピットの周囲が環状に連なっている中波構造のピット(中波ピット)を少なくとも50個抽出し、その直径を読み取って開口径とし、平均開口径を算出する。大波構造を重畳した構造の場合も同じ方法で測定する。また、測定のバラツキを抑制するために、市販の画像解析ソフトによる等価円直径測定を行うこともできる。この場合、上記電子顕微鏡写真をスキャナーで取り込んでデジタル化し、ソフトウェアにより二値化した後、等価円直径を求める。本発明者が測定したところ、目視測定の結果とデジタル処理の結果とは、ほぼ同じ値を示した。大波構造を重畳した構造の場合も同様であった。
高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて支持体の表面を真上から倍率50,000倍で撮影し、得られたSEM写真において小波構造のピット(小波ピット)を少なくとも50個抽出し、その直径を読み取って開口径とし、平均開口径を算出する。
小波構造の開口径に対する深さの比の平均は、高分解能SEMを用いて支持体の破断面を倍率50,000倍で撮影し、得られたSEM写真において小波ピットを少なくとも20個抽出し、開口径と深さとを読み取って比を求めて平均値を算出する。
触針式粗さ計で2次元粗さ測定を行い、ISO4287に規定されている平均山間隔Smを5回測定し、その平均値を平均波長とする。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、後述するアルミニウム板に表面処理を施すことによって、上述した表面の砂目形状をアルミニウム板の表面に形成させたものであることが好ましい。本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、例えば、アルミニウム板に粗面化処理および陽極酸化処理を施して得ることができるが、この支持体の製造工程は、特に限定されず、粗面化処理および陽極酸化処理以外の各種の工程を含んでいてもよい。
以下に示すように、上述した表面の砂目形状を形成させるための代表的方法として、アルミニウム板に機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および電解液を用いた電気化学的粗面化処理を順次施す方法、アルミニウム板に機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および異なる電解液を用いた電気化学的粗面化処理を複数回施す方法、アルミニウム板にアルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および電解液を用いた電気化学的粗面化処理を順次施す方法、アルミニウム板にアルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および異なる電解液を用いた電気化学的粗面化処理を複数回施す方法が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの方法において、前記電気化学的粗面化処理の後、更に、アルカリエッチング処理および酸によるデスマット処理を施してもよい。これらの方法により得られた本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、上述したような2種以上の異なる周期の凹凸を重畳した構造が表面に形成されており、平版印刷版としたときの耐汚れ性および耐刷性のいずれにも優れる。以下、表面処理の各工程について、詳細に説明する。
機械的粗面化処理は、電気化学的粗面化処理と比較してより安価に、平均波長5〜100μmの凹凸のある表面を形成することができるため、粗面化処理の手段として有効である。機械的粗面化処理方法としては、例えば、アルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、特開平6−135175号公報および特公昭50−40047号公報に記載されているナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法を用いることができる。また、凹凸面をアルミニウム板に圧接する転写方法を用いることもできる。即ち、特開昭55−74898号公報、特開昭60−36195号公報、特開昭60−203496号公報の各公報に記載されている方法のほか、転写を数回行うことを特徴とする特開平6−55871号公報、表面が弾性であることを特徴とした特願平4−204235号明細書(特開平6−024168号公報)に記載されている方法も適用可能である。
電気化学的粗面化処理(以下、「電解粗面化処理」とも称する)には、通常の交流を用いた電気化学的粗面化処理に用いられる電解液を用いることができる。中でも、塩酸または硝酸を主体とする電解液を用いることで、本発明に特徴的な凹凸構造を表面に形成させることができる。
本発明における電解粗面化処理としては、陰極電解処理の前後に酸性溶液中での交番波形電流による第1の電気化学的粗面化処理および第2の電気化学的粗面化処理を行うことが好ましい。陰極電解処理により、アルミニウム板の表面で水素ガスが発生してスマットが生成することにより表面状態が均一化され、その後の交番波形電流による電解処理の際に均一な電解粗面化が可能となる。この電解粗面化処理は、例えば、特公昭48−28123号公報および英国特許第896,563号明細書に記載されている電気化学的グレイン法(電解グレイン法)に従うことができる。この電解グレイン法は、正弦波形の交流電流を用いるものであるが、特開昭52−58602号公報に記載されているような特殊な波形を用いて行ってもよい。また、特開平3−79799号公報に記載されている波形を用いることもできる。また、特開昭55−158298号公報、特開昭56−28898号公報、特開昭52−58602号公報、特開昭52−152302号公報、特開昭54−85802号公報、特開昭60−190392号公報、特開昭58−120531号公報、特開昭63−176187号公報、特開平1−5889号公報、特開平1−280590号公報、特開平1−118489号公報、特開平1−148592号公報、特開平1−178496号公報、特開平1−188315号公報、特開平1−154797号公報、特開平2−235794号公報、特開平3−260100号公報、特開平3−253600号公報、特開平4−72079号公報、特開平4−72098号、特開平3−267400号公報、特開平1−141094号公報の各公報に記載されている方法も適用できる。また、前述のほかに、電解コンデンサーの製造方法として提案されている特殊な周波数の交番電流を用いて電解することも可能である。例えば、米国特許第4,276,129号明細書および同第4,676,879号明細書に記載されている。
電解槽は、縦型、フラット型、ラジアル型等の公知の表面処理に用いる電解槽が使用可能であるが、特開平5−195300号公報に記載されているようなラジアル型電解槽が特に好ましい。電解槽内を通過する電解液は、アルミニウムウェブの進行方向に対してパラレルであってもカウンターであってもよい。
硝酸を主体とする電解液を用いた電気化学的粗面化処理により、平均開口径0.5〜5μmのピットを形成することができる。ただし、電気量を比較的多くしたときは、電解反応が集中し、5μmを超えるハニカムピットも生成する。このような砂目を得るためには、電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、1〜1000C/dm2であるのが好ましく、50〜300C/dm2であるのがより好ましい。この際の電流密度は20〜100A/dm2であるのが好ましい。また、高濃度または高温の硝酸電解液を用いると、平均開口径0.2μm以下の小波構造を形成させることもできる。
塩酸はそれ自身のアルミニウム溶解力が強いため、わずかな電解を加えるだけで表面に微細な凹凸を形成させることが可能である。この微細な凹凸は、平均開口径が0.01〜0.2μmであり、アルミニウム板の表面の全面に均一に生成する。このような砂目を得るためには電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、1〜100C/dm2であるのが好ましく、20〜70C/dm2であるのがより好ましい。この際の電流密度は20〜50A/dm2であるのが好ましい。
特に、第1の電解粗面化処理として硝酸電解を行い、第2の電解粗面化処理として塩酸電解を行う場合において、(a)〜(e)の少なくとも一つを満たすようにすると、小波構造の開口径の標準偏差を0.2以下とすることが容易になるので好ましい。
(a)塩酸電解において、電解液の塩酸濃度を1〜8g/Lとする。
(b)塩酸電解において、電気量をアノード反応にあずかる電気量の総和で10〜100C/dm2とする。
(c)塩酸電解において、交流の周波数を100〜300Hzとする。
(d)塩酸電解において、交流の波形のTPを2msec以下とする。
(e)塩酸電解後に後述するアルカリエッチング処理を行い、該アルカリエッチング処理において、エッチング量を0.1〜0.5g/m2とする。
アルカリエッチング処理は、上記アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させることにより、表層を溶解する処理である。
電解粗面化処理またはアルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗い(デスマット処理)が行われる。用いられる酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ化水素酸、ホウフッ化水素酸が挙げられる。上記デスマット処理は、例えば、上記アルミニウム板を塩酸、硝酸、硫酸等の濃度0.5〜30質量%の酸性溶液(アルミニウムイオン0.01〜5質量%を含有する。)に接触させることにより行う。アルミニウム板を酸性溶液に接触させる方法としては、例えば、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、酸性溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。デスマット処理においては、酸性溶液として、上述した電解粗面化処理において排出される硝酸を主体とする水溶液もしくは塩酸を主体とする水溶液の廃液、または、後述する陽極酸化処理において排出される硫酸を主体とする水溶液の廃液を用いることができる。デスマット処理の液温は、25〜90℃であるのが好ましい。また、処理時間は、1〜180秒であるのが好ましい。デスマット処理に用いられる酸性溶液には、アルミニウムおよびアルミニウム合金成分が溶け込んでいてもよい。
以上のように処理されたアルミニウム板には、更に、陽極酸化処理が施される。陽極酸化処理はこの分野で従来行われている方法で行うことができる。この場合、例えば、硫酸濃度50〜300g/Lで、アルミニウム濃度5質量%以下の溶液中で、アルミニウム板を陽極として通電して陽極酸化皮膜を形成させることができる。陽極酸化処理に用いられる溶液としては、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸等を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、必要に応じて陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアを封じる封孔処理を行ってもよい。封孔処理は、沸騰水処理、熱水処理、蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等の公知の方法に従って行うことができる。例えば、特公昭56−12518号公報、特開平4−4194号公報、特願平4−33952号明細書(特開平5−202496号公報)、特願平4−33951号明細書(特開平5−179482号公報)等に記載されている装置および方法で封孔処理を行ってもよい。
陽極酸化処理後または封孔処理後、親水化処理を行ってもよい。親水化処理としては、例えば、米国特許第2,946,638号明細書に記載されているフッ化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特許第3,201,247号明細書に記載されているホスホモリブデート処理、英国特許第1,108,559号明細書に記載されているアルキルチタネート処理、独国特許第1,091,433号明細書に記載されているポリアクリル酸処理、独国特許第1,134,093号明細書および英国特許第1,230,447号明細書に記載されているポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載されているホスホン酸処理、米国特許第3,307,951号明細書に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−16893号公報および特開昭58−18291号公報に記載されている親油性有機高分子化合物と2価の金属との塩による処理、米国特許第3,860,426号明細書に記載されているように、水溶性金属塩(例えば、酢酸亜鉛)を含む親水性セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)の下塗層を設ける処理、特開昭59−101651号公報に記載されているスルホ基を有する水溶性重合体を下塗りする処理が挙げられる。
上述した各処理の工程終了後には水洗を行うのが好ましい。水洗には、純水、井水、水道水等を用いることができる。処理液の次工程への持ち込みを防ぐためにニップ装置を用いてもよい。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体を得るためには、公知のアルミニウム板を用いることができる。本発明に用いられるアルミニウム板は、寸度的に安定なアルミニウムを主成分とする金属であり、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。純アルミニウム板のほか、アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板を用いることもできる。
本発明の中間層について詳しく説明する。
本発明の中間層は、側鎖にカルボキシル基およびカルボン酸エステル基を有する高分子化合物(以下、「特定高分子化合物」とも称する)を含有する。
前記特定高分子化合物は、側鎖にカルボキシル基と、カルボン酸エステル基とを、同時に有するものであれば、特に制限はない。例えば、1つの側鎖にカルボキシル基とカルボン酸エステル基とを有するものであっても、カルボキシル基とカルボン酸エステル基が別の側鎖に設けられるものであってもよい。
本発明は、特定高分子化合物を含有することで、画像形成の際の、未露光領域の現像除去性を高めるものである。
一般式(1)におけるR1は、水素原子、炭素数1〜30の置換基(例えば、炭素数1〜30のアルキル;メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、炭素数1〜30のアルコキシ;メトキシ、エトキシ、ブトキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、炭素数1〜30のアルコキシカルボニル;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、またはシアノ等)、またはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を表す。より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、フッ素原子、または塩素原子であり、特に好ましくは、水素原子またはメチル基である。
また、一般式(1)におけるL1が−CR2−または−NR−で表されるときのRで示される置換基としては、一般式(1)におけるR1において説明した置換基と同じ基が挙げられ、好ましくは、メチル基である。
一般式(2)中、Yは、カルボン酸エステル基を有する炭素数2〜30の基を表し、炭素数は、好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜10である。ここで、前記Yは、カルボン酸エステルを形成するアルキル基、アリール基等と、カルボン酸エステル基とを合わせて炭素数が合計2〜30となればよく、下記構造式(2−1)で表すことができる。
L2とR3は、L2の炭素数とR3の炭素数との合計が2〜30となる範囲で選ぶことができる。
前記塩基としては、公知の任意のものを用いることが可能であるが、好ましい例としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、2族の金属(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど)、その他の金属イオン(アルミニウム、チタン、鉄、亜鉛など)の水酸化物、酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルコキシドなど、アンモニア(気体、または、水溶液)、アミン類(メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ピリジン、モルホリン、グアニジンなど)、などを挙げることができる。更に好ましくは、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アンモニア水溶液、アミン類などを挙げることができる。特に好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、アンモニア水、トリエチルアミン、ピリジンなどを挙げることができる。
特に好ましくは、一般式(1)で表される構造単位(i)と、一般式(3)で表される構造単位(iii)とを少なくとも含有する共重合体を、実質的に水を含まない溶媒中(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)で合成した後に、水および塩基を同時(塩基の水溶液を添加する場合も含む)または逐次に添加して中和する製造法が選択される。
前記特定高分子化合物中に含まれる未反応モノマー量は任意であるが、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。
−ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法による平均分子量の測定の分析条件−
カラム:Shodex OHpak SB−806M HQ 8×300mm
Shodex OHpak SB−806M HQ 8×300mm
Shodex OHpak SB−802.5 HQ 8×300mm
移動層 :50mMリン酸水素二ナトリウム溶液(アセトニトリル/水=1/9)
流 量 :0.8ml/min.
検出器 :RI
注入量 :100μl
試料濃度:0.1質量%
−前記例示化合物(a−1)の合成−
反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテル107.1質量部を取り、80℃に昇温して窒素気流下で30分間攪拌した。別途、メタクリル酸メチル75.1質量部、メタクリル酸64.6質量部、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル7.6質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル428.4質量部の混合溶液を調製し、反応溶液に2時間を要して滴下した。80℃で4時間30分反応させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル3.8質量部を加え、90℃に昇温して更に2時間攪拌した。反応溶液を20℃以下に冷却した後、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液202.5質量部を加えて攪拌し、例示化合物(a−1)の溶液(固形分濃度17.9%)を得た。GPC法による重量平均分子量は32,000であった。
−前記例示化合物(a−2)の合成−
反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテル99.7質量部を取り、80℃に昇温して窒素気流下で30分間攪拌した。別途、メタクリル酸メチル75.1質量部、アクリル酸54.1質量部、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル7.6質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル398.6質量部の混合溶液を調製し、反応溶液に2時間を要して滴下した。80℃で4時間30分反応させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル3.8質量部を加え、90℃に昇温して更に2時間攪拌した。反応溶液を20℃以下に冷却した後、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液202.5質量部を加えて攪拌し、例示化合物(a−2)の溶液(固形分濃度17.7%)を得た。GPC法による重量平均分子量は28,000であった。
本発明の中間層は、支持体上に種々の方法により塗布して設けられる。中間層は、例えば、次のような方法で設けることができる。メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの有機溶剤、もしくはそれらの混合溶剤、あるいは、これら有機溶剤と水との混合溶剤に、本発明の共重合体を溶解させた溶液を支持体上に塗布、乾燥して設ける方法と、メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤あるいはこれら有機溶剤と水との混合溶剤もしくはそれらの混合溶剤に本発明の高分子化合物を溶解させた溶液に、支持体を浸漬して高分子化合物を吸着させ、しかる後、必要により水などによって洗浄、乾燥して有機中間層を設ける方法である。前者の方法では、上記高分子化合物の好ましくは0.005〜20重量%、更に好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.05〜5重量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。上記の溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸などの無機酸、ニトロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸、フェニルスルホン酸などの有機ホスホン酸、安息香酸、フマル酸、リンゴ酸などの有機カルボン酸など種々有機酸性物質等によりpHを調整し、pHが0〜12、より好ましくはpHが3〜10の範囲で使用してもよい。本発明の共重合体高分子化合物の乾燥後の被覆量は、2〜100mg/m2が好ましく、更に好ましくは3〜50mg/m2であり、特に好ましくは4〜30mg/m2である。被覆量が2mg/m2よりも少ないと、本発明の効果が十分に得られない場合がある。また、100mg/m2より多くても同様である。
本発明の平版印刷版原版を、760〜1200nmの赤外線を発するレーザーを光源により画像形成する場合には、赤外線吸収剤を用いることが好ましい。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能と赤外線により励起して後述する重合開始剤(ラジカル発生剤)に電子移動/エネルギー移動する機能を有する。前記赤外線吸収剤は、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料であることが好ましい。
画像形成層の吸光度は、画像形成層に添加する赤外線吸収剤の量と画像形成層の厚みにより調整することができる。吸光度の測定は常法により行うことができる。測定方法としては、例えば、アルミニウム等の反射性の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの画像形成層を形成し、反射濃度を光学濃度計で測定する方法、積分球を用いた反射法により分光光度計で測定する方法等が挙げられる。
本発明の平版印刷版原版は、画像形成層に、重合開始剤を含有する。
本発明に用いられる重合開始剤としては、光、熱或いはその両方のエネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物が挙げられる。
本発明に使用できるラジカル発生剤としては、公知の熱重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを使用することができ、本発明において好適に用いられるラジカルを発生する化合物は、熱エネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を、開始、促進させる化合物を指す。熱ラジカル発生剤としては、公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などを、適宜、選択して用いることができる。また、ラジカルを発生する化合物は、単独又は2種以上を併用して用いることができる。
特に反応性、安定性の面から上記オキシムエステル化合物或いはジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が挙げられる。本発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではなく、イオン性のラジカル重合開始剤として機能する。
本発明において特に好ましい重合開始剤は、反応性、安定性のバランスから電子供与性基を有するヨードニウム塩、又は電子吸引性基を有するスルホニウム塩であり、中でも、カチオン部を有する骨格にアルコキシ基などを2つ以上有するヨードニウム塩、更に好ましくはアルコキシ基を3つ以上有するヨードニウム塩が最も好ましい。
本発明の平版印刷版原版に設けられる画像形成層は、重合性化合物を含有する。
前記重合性化合物は、分子内に、単官能基または2官能以上の多官能基を有する化合物であれば特に制限はないが、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であることが好ましい。
前記付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
これらの観点から、重合性化合物は、画像形成層中の不揮発性成分に対して、好ましくは5〜80質量%、更に好ましくは25〜75質量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。
そのほか、重合性化合物は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量に応じて任意に選択でき、さらに場合によっては前記した中間層等の層構成・塗布方法にも用いることができる。
本発明の平版印刷版原版に設けられる画像形成層は、バインダーポリマーを含有する。
前記バインダーポリマーは、画像形成層の皮膜形成剤として機能するポリマーであり、線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、どれを使用しても構わない。
このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂から選ばれる高分子が好ましい。なかでも、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。
バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
上記の中でも、側鎖に架橋性基を有する(メタ)アクリル酸共重合体およびポリウレタンがより好ましい。
現像処理がアルカリ現像液を用いて行われる態様においては、バインダーポリマーは、アルカリ現像液に溶解する必要があるため、アルカリ水に可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が好ましく使用される。特にpHが10以上のアルカリ現像液を用いる場合には、アルカリ可溶性バインダーが好適に用いられる。
アルカリ水に可溶性である為に、アルカリ可溶性基を有することが好ましい。アルカリ可溶性は酸基であることが好ましく、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基などが挙げられる。これらのうち、被膜性・対刷性・現像性の両立という観点から、カルボキシル基を有するバインダーポリマーが特に好ましい。
さらに、アルカリ可溶性バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、上記のように架橋性をもたせることができる。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
アルカリ可溶性バインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい
アルカリ可溶性バインダーポリマーの含有量は、画像形成層の全固形分に対して、通常5〜90質量%であり、10〜70質量%であるのが好ましく、10〜60質量%であるのがより好ましい。この範囲内で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
本発明の平版印刷版原版の画像形成層には、更にその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤について説明する。
前記した重合性化合物、重合開始剤、およびバインダーポリマーを含む重合性組成物にある種の添加剤を用いることで、感度を更に向上させることができる。このような化合物を以後、共増感剤という。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、熱重合開始剤により開始される光反応、と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、カチオン)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(i)還元されて活性ラジカルを生成し得るもの、具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類、ヘキサアリールビイミダゾール類等、鉄アレーン錯体類、(ii)酸化されて活性ラジカルを生成し得るもの、具体的には、例えば、トリアリールアルキルボレート類、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−フェニルイミノジ酢酸及びその誘導体、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等(iii)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するもの、具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等の分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
これらの共増感剤は、単独で又は2種以上併用して用いることができる。使用量は前記重合性化合物100質量部に対し0.05〜100質量部、好ましくは1〜80質量部、更に好ましくは3〜50質量部の範囲が適当である。
また、本発明においては、さらに、画像形成層の形成に用いる重合性組成物の製造中又は保存中において重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t―ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t―ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、平版印刷版原版とする場合、支持体等への塗布後の乾燥の過程でその画像形成層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
更に、本発明の平版印刷版原版においては、その画像形成層の着色を目的として染料もしくは顔料を添加してもよい。これにより、印刷版としての、製版後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させることができる。着色剤としては、多くの染料は光重合系画像形成層の感度の低下を生じるので、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては、例えば、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料及び顔料の添加量は全組成物の約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。
更に、本発明の平版印刷版原版においては、硬化皮膜の物性を改良するための無機充填剤や、その他、可塑剤、画像形成層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
その他、画像形成層と支持体との密着性向上や、未露光領域の現像除去性を高めるための添加剤、中間層(下塗り層)を設けることが可能である。例えば、ジアゾニウム構造を有する化合物や、ホスホン化合物、等、基板と比較的強い相互作用を有する化合物の添加や下塗りにより、密着性が向上し、耐刷性を高めることが可能であり、一方ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーの添加や下塗りにより、非画像部の現像性が向上し、汚れ性の向上が可能となる。
ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N―ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ―ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50質量%が適当である。
本発明の平版印刷版原版は、画像形成層上に保護層を設けることが好ましい。
保護層は、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、画像形成層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが望ましい。このような保護層に関する工夫は従来、種々なされており、例えば、米国特許第3,458,311号明細書および特開昭55−49729号公報に詳しく記載されている。このような保護層を本発明の平版印刷版原版にも適用することができる。
また、本発明の平版印刷版原版は、重合型の画像形成層を有していることから、露光時において大気中の酸素を遮断して重合阻害作用を呈する酸素遮断能を有することが望ましい。一方で、保存時の安定性或いはセーフライト適性の観点で暗重合防止作用を呈する程度の酸素透過能を有することも望ましく、両機能を有する程度において、低酸素遮断性を有する保護層とすることが望ましい。
保護層に主成分として用いられる材料としては、比較的、結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが当業界でよく知られている。これらの中で、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性に最も良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要とされる酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、およびアセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。
具体的には、(株)クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。上記の共重合体としては、88〜100%加水分解されたポリビニルアセテートクロロアセテートまたはプロピオネート、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタールおよびそれらの共重合体が挙げられる。その他有用な水溶性高分子化合物としてはポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびアラビアゴム等が挙げられ、これらは単独または併用して用いてもよい。
画像形成層に用いうる市販のポリビニルアルコールとしては、具体的には、株式会社クラレ製の、PVA−102、PVA−103、PVA−104、PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−120、PVA−124、PVA−117H、PVA−135H、PVA−HC、PVA−617、PVA−624、PVA−706、PVA−613、PVA−CS、PVA−CST、日本合成化学工業株式会社製の、ゴーセノールNL−05、NM−11、NM−14、AL−06、P−610、C−500、A−300、AH−17、日本酢ビ・ポバール株式会社製の、JF−04、JF−05、JF−10、JF−17、JF−17L、JM−05、JM−10、JM−17、JM−17L、JT−05、JT−13、JT−15等が挙げられる。
具体的な酸変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、株式会社クラレ製の、KL−118、KM−618、KM−118、SK−5102、MP−102、R−2105、日本合成化学工業株式会社製の、ゴーセナールCKS−50、T−HS−1、T−215、T−350、T−330、T−330H、日本酢ビ・ポバール株式会社製の、AF−17、AT−17等が挙げられる。
上記水溶性高分子化合物は、少なくとも1種を用いればよく、複数種を併用してもよい。複数種の水溶性高分子化合物を併用した場合でも、その合計の量が上記の質量範囲であることが好ましい。
本発明に係る保護層には、前記高分子化合物に加え、フィラーを含有することが好ましい。フィラーを含有することによって、画像形成層表面の耐キズ性の向上が図れ、さらには、平版印刷版原版を、合紙を介することなく積層した場合に生じる隣接する平版印刷版原版との接着が抑制され、平版印刷版原版同士の剥離性を優れたものとしうるため、ハンドリング性が向上するという利点をも有することになる。かかるフィラーとしては、有機フィラー、無機フィラー、無機−有機複合フィラー等のいずれでもよく、またこれらのうち、2種以上を混合して用いてもよい。好ましくは無機フィラーと有機フィラーの併用である。
フィラーの形状は、目的に応じて適宜選択されるが、例えば、繊維状、針状、板状、球状、粒状(なお、ここで「粒状」とは「不定形状の粒子」を指し、以下、本明細書において同じ意味で用いる。)、テトラポット状およびバルーン状等が挙げられる。これらのうち、好ましいものは板状、球状、粒状である。
有機フィラーの含有量は、保護層の全固形分量に対し、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは、2〜10質量%である。
これらのうち、保護層に特に好適なものとして、雲母化合物が挙げられる。この雲母に代表される無機質の層状化合物について以下に詳述する。
前記保護層は、無機質の層状化合物を含有することが好ましい。無機質の層状化合物を併用することにより、酸素遮断性はさらに高まり、また、保護層の膜強度が一層向上して耐キズ性が向上する他、保護層にマット性を付与することができる。
その結果、保護層は、上記の酸素等の遮断性に加え、変形などによる劣化やキズの発生を抑制することが可能となる。さらに、保護層にマット性を付与することによって、平版印刷版原版を積層した場合に、平版印刷版原版の保護層表面と隣接する平版印刷版原版の支持体裏面との接着を抑制することが可能となる。
無機質の層状化合物以外の無機フィラーの保護層に含有される量も同様に、保護層の全固形分量に対し、5〜50質量%の範囲であることが好ましく、10〜40質量%の範囲が特に好ましい。
また、無機−有機複合フィラーを用いることもできる。無機−有機複合フィラーとしては、例えば、上記有機フィラーと無機フィラーの複合化物が挙げられ、複合化に用いられる無機フィラーとしては、金属粉体、金属化合物(例えば、酸化物、窒化物、硫化物、炭化物及びこれらの複合化物等)の粒子が挙げられ、好ましくは酸化物及び硫化物等であり、より好ましくはガラス、SiO2、ZnO、Fe2O3、ZrO2、SnO2、ZnS、CuS等の粒子が挙げられる。無機−有機複合フィラーの保護層への含有量としては、保護層の全固形分量に対し、5〜50質量%の範囲であることが好ましく、10〜40質量%の範囲がより好ましい。
本発明において、保護層は単層に限らず、互いに異なる組成を有する複数の保護層を重層構造で設けることも可能である。重層構造の保護層の好ましい態様としては、画像形成層に近接して無機質の層状化合物を含有する保護層を下部保護層として設け、その表面にフィラーを含有する保護層を上部保護層として、これらを順次積層する態様が挙げられる。
このような積層構造の保護層を設けることによって、最上層の保護層において、フィラーに起因する耐傷性、耐接着性の利点を十分に生かしながら、下部保護層の優れた酸素遮断性と相俟って、傷の発生及び所望されない酸素透過のいずれに起因する画像欠損も効果的に防止することができる。
本発明における保護層は、25℃−1気圧における酸素透過度が、0.5ml/m2・day以上100ml/m2・day以下であることが好ましく、このような酸素透過度を達成するように、塗布量を調整することが好ましい。
保護層の塗布方法は、特に制限されるものではなく、上記成分を含む水性保護層用塗布液を、画像形成層上に塗布することで実施される。例えば、米国特許第3,458,311号明細書又は特開昭55−49729号公報に記載されている方法も適用することができる。
保護層に用いる雲母化合物等の無機質の層状化合物の分散方法の例について述べる。まず、水100質量部に先に雲母化合物の好ましいものとして挙げた膨潤性雲母化合物を5〜10質量部添加し、充分水になじませ、膨潤させた後、分散機にかけて分散する。ここで用いる分散機としては、機械的に直接力を加えて分散する各種ミル、大きな剪断力を有する高速攪拌型分散機、高強度の超音波エネルギーを与える分散機等が挙げられる。具体的には、ボールミル、サンドグラインダーミル、ビスコミル、コロイドミル、ホモジナイザー、ティゾルバー、ポリトロン、ホモミキサー、ホモブレンダー、ケディミル、ジェットアジター、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置等が挙げられる。一般には、上記の方法で分散した雲母化合物の2〜15質量%の分散物は高粘度或いはゲル状であり、保存安定性は極めて良好である。この分散物を用いて保護層用塗布液を調製する際には、水で希釈し、充分攪拌した後、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子化合物(又は、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子化合物を溶解した水溶液)と配合して調製するのが好ましい。
重層構造の保護層を設ける場合の塗布方法には特に制限はなく、同時重層塗布を行う方法、逐次塗布して重層する方法のいずれも適用することができる。
重層塗布を行う場合の、無機質の層状化合物を含有する下部保護層とフィラーを含有する上部保護層との塗布量は、下部保護層が0.1g/m2〜1.5g/m2が好ましく、0.2g/m2〜1.0g/m2がより好ましく、上部保護層が0.1g/m2〜4.0g/m2が好ましく、0.2g/m2〜3.0g/m2がより好ましい。両者のバランスとしては、1:1〜1:5であることが好ましい。
本発明の平版印刷版原版を用いた製版方法としては、本発明の平版印刷版原版を、露光した後、アルカリ性水溶液による現像処理工程を実施する方法を挙げることができる。さらに、これらの露光処理工程、現像処理工程のほかに、特定pHの処理液による処理工程や、後述する任意の他の工程を有していてもよい。
露光処理に用いられる光源としては、750nm〜1400nmの波長で露光し得るものであることが好ましく、赤外線レーザーが好適なものとして挙げられる。中でも、本発明においては、750nm〜1400nmの波長の赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザーにより画像露光されることが好ましい。レーザーの出力は100mW以上が好ましく、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザデバイスを用いることが好ましい。また、1画素あたりの露光時間は20μ秒以内であることが好ましい。平版印刷版原版に照射されるエネルギーは10〜300mJ/cm2であることが好ましい。露光のエネルギーを上記範囲とすることで、画像形成層の硬化が十分に進行し、また、画像形成層がレーザーアブレーションされ、画像が損傷することを防止することができる。
現像処理では、現像液を用いて、画像形成層の非画像部を除去する。
なお、本発明においては、上述のように、現像処理における処理速度、即ち、現像処理における平版印刷版原版の搬送速度(ライン速度)は、1.25m/分以上であることが好ましく、より好ましくは、1.35m/分以上である。また、搬送速度の上限値には特に制限はないが、搬送の安定性の観点からは、3m/分以下であることが好ましい。
尚、画像形成層の、中間層が隣接する側とは反対の表面に設けてもよい前記保護層は、前述の通り有機樹脂微粒子と雲母粒子とを含有しているものが好ましく、このような保護層は有機樹脂微粒子の分散性が良好であるため、現像処理後の現像液における有機樹脂微粒子の分散性にも優れる。そのため、本発明に用いる現像液は、経時安定性が良好となる。
以下、本発明に用いられる現像液について説明する。
本発明に用いられる現像液は、pH14以下のアルカリ水溶液であることが好ましく、また、芳香族アニオン界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明における現像液に用いられる芳香族アニオン界面活性剤は、現像促進効果、重合性ネガ型の画像形成層成分および保護層成分の現像液中での分散安定化効果があり、現像処理安定化において好ましい。
これら芳香族アニオン界面活性剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。芳香族アニオン界面活性剤の添加量は、現像液中における芳香族アニオン界面活性剤の濃度が1.0〜10質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは2〜10質量%の範囲とすることが効果的である。ここで、含有量が1.0質量%以上であると、現像性低下および画像形成層成分の溶解性低下を防止することができ、含有量が10質量%以下であると、印刷版の耐刷性の低下を抑制することができる。
これらその他の界面活性剤の現像液中における含有量は有効成分換算で、0.1〜10質量%が好ましい。
前記現像液には、例えば、硬水に含まれるカルシウムイオンなどによる影響を抑制する目的で、2価金属に対するキレート剤を含有させることが好ましい。2価金属に対するキレート剤としては、例えば、Na2P2O7、Na5P3O3、Na3P3O9、Na2O4P(NaO3P)PO3Na2、カルゴン(ポリメタリン酸ナトリウム)などのポリリン酸塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、そのアミン塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのようなアミノポリカルボン酸類の他2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;2−ホスホノブタノントリカルボン酸−2,3,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,2、2、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類を挙げることができ、中でも、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、そのアミン塩;エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、そのアンモニウム塩、そのカリウム塩、;ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、そのアンモニウム塩、そのカリウム塩が好ましい。
このようなキレート剤の最適量は使用される硬水の硬度およびその使用量に応じて変化するが、一般的には、使用時の現像液中に0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲で含有させる。
前記現像液に用いられるアルカリ剤としては、例えば、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、および同リチウムなどの無機アルカリ剤および、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ剤等が挙げられる。本発明においては、これらを単独で用いてもよいし、若しくは2種以上を組み合わせて混合して用いてもよい。
〜1mol/Lが好ましく、より好ましくは0.05〜0.8mol/Lの範囲で使用される。
ここで、導電率を調整するための導電率調整剤として、有機酸のアルカリ金属塩類、無機酸のアルカリ金属塩類等を添加することが好ましい。
現像後の加熱には非常に強い条件を利用することができる。通常は加熱温度が200〜500℃の範囲で実施される。現像後の加熱温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じるおそれがある。
印刷時、版上の汚れ除去のため使用するプレートクリーナーとしては、従来より知られているPS版用プレートクリーナーが使用され、例えば、マルチクリーナー、CL−1、CL−2、CP、CN−4、CN、CG−1、PC−1、SR、IC(富士フイルム株式会社製)等が挙げられる。
<支持体Aの作成>
表面処理は、以下の(a)〜(e)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理及び水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径30μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いブラシ回転数250rpmでアルミ表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。
この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dm2の条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
この板を、15%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dm2で2.5g/m2の直流陽極酸化被膜を設けた後、水洗、乾燥し支持体Aとした。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
以上のようにして支持体Aを作成した。
次に、このアルミニウム支持体Aの表面に下記中間層用塗布液をワイヤーバーにて塗布し、100℃10秒間乾燥して中間層を形成した。塗布量は10mg/m2であった。
−中間層用塗布液−
・特定高分子化合物(下記表1に示すP−1) 0.05g
・メタノール 27g
・イオン交換水 3g
得られた中間層の上に、下記組成の画像形成層用塗布液を調製し、ワイヤーバーを用いて乾燥後の塗布量が0.9g/m2となるように塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で34秒間乾燥して画像形成層を形成した。
・赤外線吸収剤(下記IR−1) 0.038g
・重合開始剤A(下記S−1) 0.061g
・重合開始剤B(下記I−1) 0.094g
・メルカプト化合物(下記SH−1) 0.015g
・増感助剤(下記T−1) 0.081g
・付加重合性化合物(下記M−1) 0.428g
・バインダーポリマーA(下記B−1) 0.311g
・バインダーポリマーB(下記B−2) 0.250g
・バインダーポリマーC(下記B−3) 0.062g
・重合禁止剤(下記Q−1) 0.0012g
・銅フタロシアニン顔料分散物 0.159g
・フッ素系界面活性剤 0.0081g
(メガファックF−780−F 大日本インキ化学工業(株)、
メチルイソブチルケトン(MIBK)30質量%溶液)
・メチルエチルケトン 5.886g
・メタノール 2.733g
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.886g
(下部保護層の形成)
上記のようにして得られた画像形成層表面に、合成雲母(ソマシフMEB−3L、3.2%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(ゴーセランCKS−50:ケン化度99モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール日本合成化学工業株式会社製)界面活性剤A(日本エマルジョン社製、エマレックス710)及び界面活性剤B(アデカプルロニックP−84:旭電化工業株式会社製)の混合水溶液(保護層用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥させた。
この混合水溶液(保護層用塗布液)中の合成雲母(固形分)/ポリビニルアルコール/界面活性剤A/界面活性剤Bの含有量割合は、7.5/89/2/1.5(質量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であった。
下部保護層表面に、有機フィラー(アートパールJ−7P、根上工業(株)製)、合成雲母(ソマシフMEB−3L、3.2%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(L−3266:ケン化度87モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール日本合成化学工業株式会社製)、増粘剤(セロゲンFS−B、第一工業製薬(株)製)、高分子化合物A(下記構造)、及び界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710)の混合水溶液(保護層用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥させた。
この混合水溶液(保護層用塗布液)中の有機フィラー/合成雲母(固形分)/ポリビニルアルコール/増粘剤/高分子化合物A/界面活性剤の含有量割合は、4.7/2.8/67.4/18.6/2.3/4.2(質量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は1.8g/m2であった。
このようにして、実施例1の平版印刷版原版を製造した。
実施例1の平版印刷版原版の製造工程中、中間層用塗布液成分中の高分子化合物(P−1)を下記表2に示す高分子化合物(それぞれP−2〜P−4)に変更した他は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の平版印刷版原版を得た。なお、高分子化合物P−2〜P−4の詳細は、下記表1に示すとおりである。
実施例1の平版印刷版原版の製造工程中、支持体Aの作成の処理(a)において、ブラシ回転数を190rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の平版印刷版原版を得た。このようにして得られた支持体を支持体Bとする。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.40μmであった。
実施例1の平版印刷版原版の製造工程中、支持体Aの作成の処理(a)において、ブラシ回転数を310rpmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の平版印刷版原版を得た。このようにして得られた支持体を支持体Cとする。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.60μmであった。
実施例1の平版印刷版原版の製造工程中、支持体Aの作成の処理(d)において、交流電圧の周波数を30Hzに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の平版印刷版原版を得た。このようにして得られた支持体を支持体Dとする。
実施例1の平版印刷版原版の製造工程中、支持体Aの作成の処理(c)において、電流密度を電流のピーク値で15A/dm2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の平版印刷版原版を得た。このようにして得られた支持体を支持体Eとする。
実施例1の平版印刷版原版の製造工程中、中間層用塗布液成分中の高分子化合物(P−1)を下記表2に示す高分子化合物(P−5)に変更した他は、実施例1と同様にして、実施例9の平版印刷版原版を得た。なお、高分子化合物P−5の詳細は、下記表1に示すとおりである。
実施例1の中間層に使用する特定高分子化合物を、下記比較高分子化合物P−6(分子量20,000)、および下記表1に記載のP−7に変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ比較例1、および比較例2の平版印刷版原版を得た。
実施例1の平版印刷版原版の製造工程中、支持体Aの作成の処理(d)において、交流電圧の周波数を10Hzに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の平版印刷版原版を得た。このようにして得られた支持体を支持体Fとする。
実施例1の平版印刷版原版の製造工程中、支持体Aの作成の処理(c)において、交流電圧の周波数を15Hzに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の平版印刷版原版を得た。このようにして得られた支持体を支持体Gとする。
実施例1の平版印刷版原版の製造工程中、支持体Aの作成の処理(c)において、電解液の液温を80℃とし、かつTPを0msecとした以外は、実施例1と同様にして、比較例5の平版印刷版原版を得た。このようにして得られた支持体を支持体Hとする。
実施例1の平版印刷版原版の製造工程中、支持体Aの作成の処理(d)を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例6の平版印刷版原版を得た。このようにして得られた支持体を支持体Iとする。
実施例1の支持体Aを、下記支持体Jに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の平版印刷版原版を得た。
表面処理は、以下の処理(f)〜処理(k)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理及び水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃でエッチング処理を行い、アルミニウム板を5g/m2溶解した。その後水洗を行った。
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオン0.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後水洗した。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。この時の電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオン0.5質量%、アンモニウムイオン0.007質量%含む)、温度30℃であった。交流電源は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが2msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で250C/cm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後水洗を行った。
アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を35℃で行い、アルミニウム板を0.2g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分の除去と、生成したピットのエッジ部分を溶解し、エッジ部分を滑らかにした。その後水洗した。
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後スプレーによる水洗を行った。
硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、温度33℃、電流密度が5A/dm2で、50秒間陽極酸化処理を行った。その後水洗を行った。この時の陽極酸化皮膜重量が2.7g/m2であった。
この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.27μmであった。
上記で得られた平版印刷版用支持体の表面の凹部について、下記の測定を行った。結果を表2に示す。なお、第2表中、「−」は、該当する波長の凹部がなかったことを示す。
SEMを用いて支持体の表面を真上から倍率2,000倍で撮影し、得られたSEM写真においてピットの周囲が環状に連なっている中波構造のピット(中波ピット)を50個抽出し、その直径を読み取って開口径とし、平均開口径を算出した。
高分解能SEMを用いて支持体の表面を真上から倍率50,000倍で撮影し、得られたSEM写真において小波構造のピット(小波ピット)を50個抽出し、その直径を読み取って開口径とし、平均開口径を算出した。
(1)生保存性評価(経時安定性評価)
未露光状態の平版印刷版原版を、25℃50%RHでアルミクラフトに梱包し、梱包体を60℃2日間保存した後、下記の方法で露光・現像して、非画像部濃度をマクベス反射濃度計RD−918を使用し測定した。また、作製直後の平版印刷版原版についても、同様の方法で露光・現像を行い、非画像部濃度を測定した。本実施例においては、それらの非画像部濃度の差Δを求め、生保存性の指標とした。Δの値が小さいほど生保存性がよく、0.02以下が実用上問題ないレベルである。結果を表2に示す。
作製された平版印刷版原版に、水冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したCreo社製Trendsetter3244VXにて、解像度175lpiの80%平網画像を、出力8W、外面ドラム回転数206rpm、版面エネルギー100mJ/cm2で露光した。露光後、水道水による水洗により保護層を除去した後、(1)感度評価の現像工程と同じ方法で現像した。そして、得られた平版印刷版を、小森コーポレーション(株)製印刷機リスロンを用いて印刷を行い、ベタ画像部の印刷物を観察し、画像がかすれはじめた枚数(刷了枚数)を耐刷性の指標とした。印刷汚れ性は1,000枚印刷し、1時間後に再度印刷した非画像部のインキ汚れを目視で5段階評価した。数字が大きいほど耐汚れ性に優れることを示す。評価が4以上は実用的なレベルであり、評価3では許容される下限である。結果を表2に示す。
また、中間層に用いる高分子化合物は、中和された酸基を含むほうが、経時後の耐印刷汚れ性に優れることがわかる。
これに対して、中間層に用いる高分子化合物が側鎖にカルボキシル基を含まない場合(比較例1)や、側鎖にカルボン酸エステル基を含まない場合(比較例2)は、実施例1〜9の平版印刷版原版よりも生保存性、汚れ性、耐刷性に劣る。また、小波の平均開口径が大きすぎる場合(比較例3)は、実施例1〜9の平版印刷版原版よりも生保存性、汚れ性に劣り、中波の平均開口径が大きすぎるまたは小さすぎる場合(比較例4および5)には、実施例1〜9の平版印刷版原版よりも生保存性、汚れ性、耐刷性に劣り、小波ピットを有さない場合(比較例6および7)は、実施例1〜9の平版印刷版原版よりも耐刷性に劣る。
12 ラジアルドラムローラ
13a、13b 主極
14 電解処理液
15 電解液供給口
16 スリット
17 電解液通路
18 補助陽極
19a、19b サイリスタ
20 交流電源
21 主電解槽
22 補助陽極槽
410 陽極酸化処理装置
412 給電槽
414 電解処理槽
416 アルミニウム板
418、426 電解液
420 給電電極
422、428 ローラ
424 ニップローラ
430 電解電極
432 槽壁
434 直流電源
Claims (3)
- 平均開口径0.5〜5μmの中波構造と平均開口径0.01〜0.2μmの小波構造とを重畳した構造の砂目形状を表面に有する支持体上に、側鎖にカルボキシル基およびカルボン酸エステル基を有する高分子化合物を含有する中間層と、重合開始剤、重合性化合物、及びバインダーポリマーを含有する画像形成層と、を順次積層してなることを特徴とする平版印刷版原版。
- 前記側鎖にカルボキシル基およびカルボン酸エステル基を有する高分子化合物が有するカルボキシル基の一部または全てが、中和されていることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版原版。
- 前記支持体が、硝酸を含有する水溶液中で交流電流を用いて支持体表面を粗面化する第1の電気化学的粗面化処理と、塩酸を含有する水溶液中で交流電流を用いて支持体表面を粗面化する第2の電気化学的粗面化処理と、をこの順に施すことによって得られることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版原版。
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