JP2009197675A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】主燃料経路からのエアの排出性能を向上させる。
【解決手段】フィードポンプから吐出された燃料を高圧ポンプを介してインジェクタに導く主燃料経路111、112と、フィードポンプから吐出された燃料の一部を燃料タンクに戻す戻し燃料経路130とを備える燃料噴射装置において、主燃料経路のうちフィードポンプと高圧ポンプとの間に分離器36を配置し、エアが混入した燃料に分離器36内で旋回運動を与えることにより、エアと燃料を分離させる。その際、エアは燃料よりも比重が小さいため分離器36内の空間360、361の径方向中心部付近に集まる。そこで、分離器36内の空間360、361の径方向中心部に戻し燃料経路130を開口させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室内へ燃料を噴射する燃料噴射装置に関する。
ディーゼルエンジン用の畜圧式燃料噴射装置は、高圧燃料を蓄えるコモンレール、コモンレールへ高圧燃料を圧送する高圧ポンプ、燃料タンクから高圧ポンプへ燃料を供給するフィードポンプ、コモンレールに蓄えられた高圧燃料を内燃機関の燃焼室内へ噴射するインジェクタ等を備えている(例えば、特許文献1参照)。さらに、特許文献1に開示された燃料噴射装置は、フィードポンプから吐出された燃料の一部を、ハウジングに形成されたカム室を介して燃料タンクに戻すようにしている。
特開2006−207499号公報
燃料噴射装置は、フィードポンプから吐出された燃料を高圧ポンプを介してインジェクタに導く主燃料経路中にエアが混入すると、噴射精度が低下したり、あるいはキャビテーションエロージョンにより耐久性が低下するという問題が発生する。そして、特許文献1に開示された燃料噴射装置のように、フィードポンプから吐出された燃料の一部を燃料タンクに戻す場合には、燃料とともに一部のエアが燃料タンクに戻されてエアが主燃料経路から排出されるものの、大部分のエアは主燃料経路から排出されない。
本発明は上記点に鑑みて、主燃料経路からのエアの排出性能を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、燃料を溜めておく燃料タンク(30)と、燃料タンク(30)から燃料を汲み上げて吐出するフィードポンプ(32)と、フィードポンプ(32)から吐出された燃料をさらに加圧して圧送する高圧ポンプ(33)と、高圧ポンプ(33)から圧送された燃料を内燃機関の燃焼室内へ噴射するインジェクタ(2)と、フィードポンプ(32)から吐出された燃料を高圧ポンプ(33)を介してインジェクタ(2)に導く主燃料経路(110〜114)と、主燃料経路(110〜114)のうちフィードポンプ(32)と高圧ポンプ(33)との間に配置されるとともに、内部の空間(360、361)に流入する燃料に旋回運動を与えてエアが混入した燃料をエアと燃料とに分離し、エアを空間(360、361)の径方向中心部に集め、燃料を空間(360、361)の外周側に集める分離器(36)と、空間(360、361)の軸方向端部で且つ空間(360、361)の径方向中心部に開口し、空間(360、361)に流入した燃料の一部を燃料タンク(30)に戻す戻し燃料経路(130、132)とを備えることを特徴とする。
これによると、エアが混入した燃料に分離器(36)内で旋回運動を与えることにより、エアと燃料が分離される。エアは燃料よりも比重が小さいため分離器(36)内の空間(360、361)の径方向中心部付近に集まる。したがって、分離器(36)内の空間(360、361)の径方向中心部に開口させた戻し燃料経路(130、132)を介して多くのエアが主燃料経路(110〜114)外に排出され、主燃料経路(110〜114)からのエアの排出性能が向上する。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の燃料噴射装置において、空間(360、361)は、円柱状の空間(360)と、円柱状の空間(360)から遠ざかるのに伴って径が小さくなる円錐状の空間(361)とを備え、フィードポンプ(32)から延びる主燃料経路(111)は、円柱状の空間(360)に開口し、高圧ポンプ(33)に至る主燃料経路(112)は、円錐状の空間(361)に開口し、戻し燃料経路(130、132)は、円柱状の空間(360)の軸方向端部で且つ円柱状の空間(360)の径方向中心部に開口していることを特徴とする。
これによると、円錐状の空間(361)内では、円柱状の空間(360)から遠ざかるのに伴って圧力が高くなる。そして、エアは圧力が高い部位には流れにくく、一方、エアは圧力が低い部位、すなわち、円柱状の空間(360)側に流れ易いため、円柱状の空間(360)の軸方向端部で且つ円柱状の空間(360)の径方向中心部に開口させた戻し燃料経路(130、132)を介してより多くのエアが主燃料経路(110〜114)外に排出され、主燃料経路(110〜114)からのエアの排出性能がさらに向上する。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料噴射装置において、主燃料経路(110〜114)のうちフィードポンプ(32)と高圧ポンプ(33)との間から分岐してフィードポンプ(32)の上流側に接続された調圧燃料経路(140)と、調圧燃料経路(140)に配置され、主燃料経路(110〜114)の燃料圧力に応じて調圧燃料経路(140)の通路面積を制御して主燃料経路(110〜114)の燃料圧力を調整する調圧弁(35)とを備え、分離器(36)は、調圧燃料経路(140)の分岐部よりも上流側に配置されていることを特徴とする。
これによると、分離器(36)が調圧燃料経路(140)の分岐部よりも下流側に配置されている場合よりも分離器(36)を通過する燃料の流量が多いため、戻し燃料経路(130)を介してより多くのエアが主燃料経路(110〜114)外に排出され、主燃料経路(110〜114)からのエアの排出性能がさらに向上する。
請求項8に記載の発明では、請求項6または7に記載の燃料噴射装置において、高圧ポンプ(33)およびフィードポンプ(32)は、共通の本体ハウジング(37)に収容されて集合体とされ、燃料フィルタ(31)は、本体ハウジング(37)の外部に配置され、分離器(36)は、燃料フィルタ(31)に組み込まれていることを特徴とする。
これによると、高圧ポンプ(33)やフィードポンプ(32)が収容された本体ハウジング(37)に分離器(36)を組み込む場合よりも、分離器(36)の搭載スペースの確保が容易である。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る燃料噴射装置の全体構成図である。
この燃料噴射装置は、高圧燃料を蓄えるコモンレール1、コモンレール1内の高圧燃料を車両用ディーゼルエンジンの各燃焼室に噴射するインジェクタ2、コモンレール1に高圧燃料を供給する燃料供給装置3を備えて構成されている。
コモンレール1は、燃料供給装置3より供給された高圧燃料を目標レール圧に保持して蓄える畜圧手段である。なお、目標レール圧は、例えば、アクセル開度信号、エンジン回転数信号といったディーゼルエンジンの運転状態に基づいて、図示しない制御装置(以下、ECUという。)によって決定される。
さらに、コモンレール1には、コモンレール1内の燃料圧力が予め定めた上限値を超えたときに開弁してコモンレール1の燃料圧力を逃がすプレッシャリミッタ1aが取り付けられている。プレッシャリミッタ1aより流出した燃料は、高圧系戻し燃料経路100を介して、燃料供給装置3の燃料タンク30に戻される。
インジェクタ2は、高圧燃料をディーゼルエンジンの燃焼室に噴射する燃料噴射手段である。インジェクタ2には、コモンレール1の高圧燃料が主燃料経路110を介して供給され、コモンレール1から供給された燃料のうち噴射されない余剰燃料は、高圧系戻し燃料経路101を介して燃料タンク30へ戻される。なお、このインジェクタ2はECUに接続されており、ECUの制御信号によって、燃料の噴射時期および噴射量が制御される。
燃料供給装置3は、燃料を溜めておく燃料タンク30、燃料を濾過する燃料フィルタ31、燃料タンク30から燃料を汲み上げるフィードポンプ32、フィードポンプ32から供給される燃料を加圧してコモンレール1へ圧送する高圧ポンプ33、フィードポンプ32から高圧ポンプ33へ供給される燃料流量を調整する吸入調量弁34、フィードポンプ32から高圧ポンプ33へ供給される燃料の圧力を調整する調圧弁35、エアが混入した燃料に旋回運動を与えることによりエアと燃料を分離する分離器36等を有して構成される。
また、燃料供給装置3は、フィードポンプ32、高圧ポンプ33、吸入調量弁34、調圧弁35、および分離器36が、共通の本体ハウジングに収容されて集合体となっている。燃料タンク30および燃料フィルタ31は、本体ハウジングの外部に配置されている。
燃料タンク30とフィードポンプ32は、吸入燃料経路120を介して接続されており、この吸入燃料経路120に燃料フィルタ31が配置されている。
フィードポンプ32は、吸入燃料経路120を介して燃料タンク30から汲み上げた燃料を高圧ポンプ33に供給するものである。本実施形態では、フィードポンプ32として内接歯車ポンプであるトロコイドポンプを採用しており、高圧ポンプ33のカム軸330に連結され、このカム軸330から回転駆動力が伝達される。
フィードポンプ32の下流側には、主燃料経路111を介して分離器36(詳細後述)が接続されている。分離器36は、2つの出口を有し、一方の出口は戻し燃料経路130を介して高圧ポンプ33のカム室331に接続され、このカム室331は戻し燃料経路131を介して燃料タンク30に接続されている。分離器36の他方の出口は主燃料経路112を介して吸入調量弁34に接続されている。
吸入調量弁34は、弁開度を連続的に変更可能に構成されたリニアソレノイド式の電磁弁であって、ディーゼルエンジンの運転状態に基づいてECUから出力される制御信号によって弁開度が制御される。
フィードポンプ32と分離器36とを接続する主燃料経路111から分岐した調圧燃料経路140は、フィードポンプ32の上流側に接続されており、この調圧燃料経路140には、調圧弁35が配置されている。
調圧弁35は、燃料通路開度を調整する弁体部、弁体部を閉弁させるように付勢するバネ手段等を有して構成され、機械的機構によってフィードポンプ32と分離器36間の燃料の圧力を一定圧に制御するものである。
吸入調量弁34の下流側には、主燃料経路113を介して高圧ポンプ33が接続されている。高圧ポンプ33は、図1の一点鎖線の枠内に示すように、ディーゼルエンジンに駆動されて回転するカム軸330や、シリンダの内部を往復運動して燃料を加圧する加圧手段としてのプランジャ332等を有して構成される。
カム軸330には、カム軸330の回転運動を直線運動に変換してプランジャ332に伝達するカム333が連結されている。
シリンダの内部には、プランジャ332の往復運動に応じて容積変化する加圧室334が形成されている。この加圧室334には、主燃料経路113を介して燃料が供給されるようになっている。主燃料経路113には、加圧室334に燃料が吸入される際に開弁する吸入弁335が配置されている。また、加圧室334は、主燃料経路114を介してコモンレール1に接続されている。この主燃料経路114には、加圧室334より燃料が吐出される際に開弁する吐出弁336が配置されている。
カム333は本体ハウジングに形成されたカム室331に配置されており、前述の戻し燃料経路130を介してカム室331へ導かれる燃料は、カム333とプランジャ332とが摺動する部位に対して潤滑油として作用する。戻し燃料経路130には、カム室331へ供給される燃料の流量を適宜に設定するためのオリフィス337が配置されている。
次に、分離器36について説明する。図2(a)は分離器36を模式的に示す正面図、図2(b)は図2(a)の左側面図である。
図2に示すように、分離器36は、円柱状の第1空間360と、円錐状の第2空間361とを備えている。第1空間360と第2空間361は、同軸に配置されている。また、第1空間360と第2空間361は、隣接して配置されており、その際、第2空間361は、第1空間360から遠ざかるのに伴って径が小さくなるようにして配置されている。
フィードポンプ32(図1参照)から延びる主燃料経路111は、第1空間360の外周側で、且つ反第2空間側の端部に近い位置に開口している。この主燃料経路111における第1空間360に開口する部位の向きは、第1空間360の軸から径方向にずれており、これにより主燃料経路111から第1空間360に流入する燃料に旋回運動を与えるようになっている。
吸入調量弁34(図1参照)に至る主燃料経路112は、第2空間361の外周側で、且つ反第1空間側の端部に近い位置に開口している。この主燃料経路112における第2空間361に開口する部位の向きは、第2空間361の軸から径方向にずれている。
高圧ポンプ33のカム室331(図1参照)に至る戻し燃料経路130は、第1空間360における反第2空間側の端部で、且つ第1空間360の径方向中心部に開口している。
図3は分離器36の具体的な構成を示す断面図である。図3に示すように、分離器36は、本体ハウジング37に形成された円柱状の孔371内にプラグ362が挿入されて構成されている。プラグ362は、本体ハウジング37に対して圧入または螺合されている。因みに、本体ハウジング37には、図1に示すフィードポンプ32、高圧ポンプ33、吸入調量弁34、および調圧弁35も収容されている。
円柱状の孔371のうち、プラグ362が侵入していない部位が第1空間360となっている。第2空間361はプラグ362内に形成されている。プラグ362には、第2空間361とプラグ362の外周部とを連通する連通孔363が形成されており、第2空間361は連通孔363を介して、吸入調量弁34(図1参照)に至る主燃料経路112に接続されている。なお、連通孔363は、吸入調量弁34に至る主燃料経路112の一部をなしている。
次に、上記構成になる本実施形態装置の作動を説明する。まず、ディーゼルエンジンの作動に伴って高圧ポンプ33のカム軸330が回転する。前述の如く、カム軸330にはフィードポンプ32が連結されているので、カム軸330からフィードポンプ32へ回転駆動力が伝達される。
この駆動力によってフィードポンプ32が駆動され、フィードポンプ32は、吸入燃料経路120を介して燃料タンク30から燃料を汲み上げる。そして、フィードポンプ32から圧送された燃料は、主燃料経路111、112を介して吸入調量弁34へ流入する。
吸入調量弁34の弁開度は、ECUから出力された制御信号によって制御されているので、ディーゼルエンジンの作動に必要十分な流量の燃料が、主燃料経路113を介して高圧ポンプ33へ流入する。
さらに、カム軸330とともにカム333が回転すると、高圧ポンプ33のプランジャ332が往復運動する。この往復運動によってプランジャ332がシリンダの内部をカム軸330側へ移動すると、加圧室334の容積が拡大して加圧室334の圧力が低下する。これにより、吸入弁335が開弁して吸入調量弁34下流側の燃料が加圧室334に吸入される。
また、プランジャ332がシリンダの内部を反カム軸側へ移動すると、加圧室334の容積が縮小して加圧室334に吸入された燃料が加圧される。加圧された燃料の圧力が吐出弁336の開弁圧を超えると、吐出弁336が開弁して、加圧室334の燃料が主燃料経路114を介してコモンレール1へ圧送される。
これにより、コモンレール1に高圧燃料が蓄えられる。そして、コモンレール1に蓄えられた高圧燃料は、ECUの制御信号によって駆動されるインジェクタ2からディーゼルエンジンの各燃焼室に噴射される。
ここで、燃料タンク30等から燃料中にエアが混入した場合、以下のようにしてエアが主燃料経路110〜114外に排出される。
すなわち、フィードポンプ32から吐出された燃料は、分離器36の第1空間360に流入する際に旋回運動が与えられ、エアと燃料が分離される。この際、エアよりも比重が大きい燃料は、分離器36内の空間の外周側に集まり、燃料よりも比重が小さいエアは、分離器36内の空間の径方向中心部付近に集まる。また、第2空間361内では、第1空間360から遠ざかるのに伴って圧力が高くなるため、エアは圧力が低い第1空間360側に集まる。したがって、第1空間360の径方向中心部付近にエアが集まりやすい。
そして、第1空間360の径方向中心部付近に集まったエア混入率の高い燃料は、戻し燃料経路130、131を介して燃料タンク30に戻され、多くのエアが主燃料経路110〜114外に排出される。
一方、第2空間361側に流れたエア混入率の低い燃料は、主燃料経路112を介して吸入調量弁34に供給される。このように、主燃料経路110〜114にはエア混入率の低い燃料が供給されるため、噴射精度の低下や、キャビテーションエロージョンによる耐久性の低下が、防止ないしは抑制される。
(第1実施形態の変形例)
上記実施形態において、図4に示す第1変形例のように、分離器36を、調圧燃料経路140の分岐部よりも上流側に配置してもよい。これによると、分離器36が調圧燃料経路140の分岐部よりも下流側に配置されている場合よりも分離器36を通過する燃料の流量が多いため、戻し燃料経路130、131を介してより多くのエアが主燃料経路110〜114外に排出され、主燃料経路110〜114からのエアの排出性能がさらに向上する。
また、図5に示す第2変形例では、戻し燃料経路130の一部をなすパイプ364を本体ハウジング37に圧入し、パイプ364の開口端部を第1空間360内に位置させている。より詳細には、パイプ364の開口端部を、第1空間360内においてエアが集まりやすい部位に位置させている。これによると、戻し燃料経路130、131を介してより多くのエアが主燃料経路110〜114外に排出され、主燃料経路110〜114からのエアの排出性能がさらに向上する。
また、図6に示す第3変形例では、分離器36内において、フィードポンプ32(図1参照)から延びる主燃料経路111の開口部と、プラグ362の連通孔363との間に、フィルタ365を配置している。これによると、連通孔363側へのエアの移動がフィルタ365によって阻止されるため、吸入調量弁34(図1参照)に供給される燃料のエア混入率がさらに低くなる。
また、図7に示す第4変形例では、第1空間360および第2空間361をプラグ362内に形成している。プラグ362には、第1空間360とプラグ362の外周部とを連通する連通孔366が形成されており、第1空間360は連通孔366を介して、フィードポンプ32から延びる主燃料経路111に接続されている。なお、連通孔366は、フィードポンプ32(図1参照)から延びる主燃料経路111の一部をなしている。この場合、フィードポンプ32から延びる主燃料経路111の向きは、本体ハウジング37の孔371の軸に直交させることができるため、その主燃料経路111における孔371に開口する部位に、バリが発生しにくい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図8は第2実施形態に係る燃料噴射装置の全体構成図、図9は燃料フィルタ31の要部の構成を示す断面図である。本実施形態は、燃料供給装置3の構成、および分離器36の配置位置が、第1実施形態と異なっている。
図8に示すように、吸入燃料経路120には、燃料タンク30より吸入された燃料を濾過して異物を除去するプレフィルタ38、および、車両の組立時等に燃料経路内のエア抜きを行うために手動操作により燃料タンク30から燃料を汲み上げて圧送するプライミングポンプ39が配置されている。さらに、吸入燃料経路120のうちフィードポンプ32の入口側には、プレフィルタ38以降の燃料経路内で燃料に混入した異物を除去するゴーズフィルタ40が設けられている。
フィードポンプ32の下流側には、主燃料経路111を介して分離器36が接続されている。さらに、分離器36の下流側に燃料フィルタ31が配置されている。燃料フィルタ31は、主燃料経路112を介して吸入調量弁34に接続されている。また、燃料フィルタ31は、戻し燃料経路132を介して燃料タンク30に接続されている。
この戻し燃料経路132には、主燃料経路の燃料圧力(より詳細には、燃料フィルタ31に作用する燃料圧力)が所定圧以上になったときに戻し燃料経路132を開くリリーフ弁41が配置されている。このリリーフ弁41が開弁すると、フィードポンプ32より吐出された燃料の一部が、戻し燃料経路132を介して燃料タンク30へ戻される。
なお、本実施形態では、リリーフ弁41が開弁する予め定めた値として、エンジン始動時におけるフィードポンプ32の吐出圧以上で、且つエンジンのアイドリング時におけるフィードポンプ32の吐出圧未満の値を設定している。これにより、リリーフ弁41はエンジン始動後には常時開弁してエア抜きが行われる。
また、燃料フィルタ31には、フィードポンプ32からの吐出圧力を作用させることができるので、燃料フィルタ31は、プレフィルタ38およびゴーズフィルタ40よりも目の細かい濾過性能の高いフィルタを採用できる。従って、燃料フィルタ31は、プレフィルタ38やゴーズフィルタ40で除去できない小さな異物や水分等を取り除くことができる。
さらに、フィードポンプ32と燃料フィルタ31との間と、プライミングポンプとフィードポンプ32との間は、リターン燃料経路150にて接続されている。このリターン燃料経路150には、リターン燃料経路150を通過してフィードポンプ32上流側に戻る燃料流量を調整するリターン弁42が配置されている。
リターン弁42は、燃料通路開度を調整する弁体部、弁体部を閉弁させるように付勢するバネ手段等を有して構成され、機械的機構によってフィードポンプ32の下流側の燃料圧力が予め定めた値になるように調整する圧力制御弁である。そして、このリターン弁42の作用によって、フィードポンプ32からの過大な燃料圧力が燃料フィルタ31に作用することを防止できる。
燃料フィルタ31から吸入調量弁34へ至る主燃料経路112には、燃料フィルタ31を通過する燃料の流量を適宜に設定するためのオリフィス43が配置されている。
燃料フィルタ31から吸入調量弁34へ至る主燃料経路112のうち、オリフィス43の下流側かつ吸入調量弁34の上流側の部位から、調圧燃料経路140が分岐されている。そして、調圧燃料経路140に調圧弁35が配置されている。
調圧燃料経路140のうち、主燃料経路112と調圧弁35との間から、戻し燃料経路130が分岐されている。そして、この戻し燃料経路130は高圧ポンプ33のカム室331に接続されている。
吸入調量弁34から高圧ポンプ33に至る主燃料経路113から、余剰燃料戻し経路160が分岐されている。この余剰燃料戻し経路160は、吸入燃料経路120のうちプレフィルタ38の下流側かつゴーズフィルタ40の上流側の部位に、接続されている。そして、例えば吸入調量弁34が閉弁状態のときに、吸入調量弁34の下流側の余剰燃料を余剰燃料戻し経路160を介してフィードポンプ32上流側へ戻すことができる。この余剰燃料戻し経路160には、余剰燃料戻し経路160を通過する燃料の流量を適宜に設定するためのオリフィス44が配置されている。
高圧ポンプ33は、プランジャ332、吸入弁335、および吐出弁336が、それぞれ2個設けられている。具体的には、2個のプランジャ332がカム軸331の径方向に対向して配置され、燃料の吸入および圧送を交互に行うようになっている。
吸入燃料経路120のうち、プレフィルタ38の下流側かつゴーズフィルタ40の上流側には、プライミングポンプ39によって汲み上げられた燃料をフィードポンプ32の下流側へ送るためのバイパス燃料経路170が接続されている。このバイパス燃料経路170には、燃料の逆流を防止する逆止弁45が配置されている。
燃料供給装置3は、フィードポンプ32、高圧ポンプ33、吸入調量弁34、調圧弁35、ゴーズフィルタ40、リターン弁42、およびオリフィス43、44が、共通の本体ハウジングに収容されて集合体となっている。
また、燃料供給装置3のうち、燃料タンク30、燃料フィルタ31、分離器36、プレフィルタ38、プライミングポンプ39、リリーフ弁41、および逆止弁45は、本体ハウジングの外部に配置されている。
さらに、分離器36およびリリーフ弁41は、燃料フィルタ31に組み込まれている。すなわち、図9に示すように、分離器36は、燃料フィルタ31のハウジング310に形成された円柱状の孔311内にプラグ362が挿入されて構成されている。プラグ362は、フィルタハウジング310に対して圧入または螺合されている。
リリーフ弁41は、フィルタハウジング310に形成された円柱状の孔312内に有底円筒状のスリーブ410が挿入されている。スリーブ410は、フィルタハウジング310に対して圧入または螺合されている。スリーブ410内には、戻し燃料経路132を開閉する弁体411と、この弁体411を閉弁向きに付勢するばね412が配置されている。
本実施形態の装置では、フィードポンプ32から吐出された燃料は、分離器36の第1空間360に流入する際に旋回運動が与えられ、エアと燃料が分離される。この際、燃料は分離器36内の空間の外周側に集まりやすく、エアは第1空間360の径方向中心部付近に集まりやすい。
そして、第1空間360の径方向中心部付近に集まったエア混入率の高い燃料は、リリーフ弁41の開弁時に戻し燃料経路132を介して燃料タンク30に戻され、多くのエアが主燃料経路110〜114外に排出される。
一方、第2空間361側に流れたエア混入率の低い燃料は、主燃料経路112を介して、燃料フィルタ31内におけるフィルタエレメントが収容された室に流入し、フィルタエレメントにて濾過された後に吸入調量弁34に供給される。
本実施形態の燃料供給装置3のように、分離器36を燃料フィルタ31に組み込む場合は、フィードポンプ32や高圧ポンプ33等が収容された本体ハウジングに分離器36を組み込む場合よりも、分離器36の搭載スペースの確保が容易である。
なお、本実施形態では、分離器36の下流側に燃料フィルタ31を配置したが、図10に示す変形例のように、燃料フィルタ31は、フィードポンプ32と分離器36との間に配置してもよい。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、分離器36として、円柱状の第1空間360と円錐状の第2空間361とを備えるものを用いたが、円柱状の空間のみを備える分離器を用いてもよいし、円錐状の空間のみを備える分離器を用いてもよい。
本発明の第1実施形態に係る燃料噴射装置の全体構成図である。 (a)は図1の分離器36を模式的に示す正面図、(b)は(a)の左側面図である。 図1の分離器36の具体的な構成を示す断面図である。 第1実施形態の第1変形例を示す燃料噴射装置の全体構成図である。 第1実施形態の第2変形例を示す分離器36の断面図である。 第1実施形態の第3変形例を示す分離器36の断面図である。 第1実施形態の第4変形例を示す分離器36の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料噴射装置の全体構成図である。 図8の燃料フィルタ31の要部の構成を示す断面図である。 第2実施形態に係る燃料噴射装置の変形例を示す全体構成図である。
符号の説明
2 インジェクタ
30 燃料タンク
32 フィードポンプ
36 分離器
110〜114 主燃料経路
130〜132 戻し燃料経路
360 円柱状の空間
361 円錐状の空間

Claims (8)

  1. 燃料を溜めておく燃料タンク(30)と、
    前記燃料タンク(30)から燃料を汲み上げて吐出するフィードポンプ(32)と、
    前記フィードポンプ(32)から吐出された燃料をさらに加圧して圧送する高圧ポンプ(33)と、
    前記高圧ポンプ(33)から圧送された燃料を内燃機関の燃焼室内へ噴射するインジェクタ(2)と、
    前記フィードポンプ(32)から吐出された燃料を前記高圧ポンプ(33)を介して前記インジェクタ(2)に導く主燃料経路(110〜114)と、
    前記主燃料経路(110〜114)のうち前記フィードポンプ(32)と前記高圧ポンプ(33)との間に配置されるとともに、内部の空間(360、361)に流入する燃料に旋回運動を与えてエアが混入した燃料をエアと燃料とに分離し、エアを前記空間(360、361)の径方向中心部に集め、燃料を前記空間(360、361)の外周側に集める分離器(36)と、
    前記空間(360、361)の軸方向端部で且つ前記空間(360、361)の径方向中心部に開口し、前記空間(360、361)に流入した燃料の一部を前記燃料タンク(30)に戻す戻し燃料経路(130、132)とを備えることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記空間(360、361)は、円柱状の空間(360)と、前記円柱状の空間(360)から遠ざかるのに伴って径が小さくなる円錐状の空間(361)とを備え、
    前記フィードポンプ(32)から延びる前記主燃料経路(111)は、前記円柱状の空間(360)に開口し、
    前記高圧ポンプ(33)に至る前記主燃料経路(112)は、前記円錐状の空間(361)に開口し、
    前記戻し燃料経路(130、132)は、前記円柱状の空間(360)の軸方向端部で且つ前記円柱状の空間(360)の径方向中心部に開口していることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記高圧ポンプ(33)を収容する本体ハウジング(37)を備え、
    前記高圧ポンプ(33)は、燃料を加圧する加圧手段(332)と、前記内燃機関に駆動されるカム軸(330)と、前記カム軸(330)の回転に伴って前記加圧手段(332)を駆動するカム(333)とを備え、
    前記本体ハウジング(37)には、前記カム(333)を収容するカム室(331)が形成され、
    前記戻し燃料経路(130)は、前記カム室(331)を経由して前記燃料タンク(30)に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記分離器(36)は、前記本体ハウジング(37)に組み込まれていることを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記主燃料経路(110〜114)のうち前記フィードポンプ(32)と前記高圧ポンプ(33)との間から分岐して前記フィードポンプ(32)の上流側に接続された調圧燃料経路(140)と、
    前記調圧燃料経路(140)に配置され、前記主燃料経路(110〜114)の燃料圧力に応じて前記調圧燃料経路(140)の通路面積を制御して前記主燃料経路(110〜114)の燃料圧力を調整する調圧弁(35)とを備え、
    前記分離器(36)は、前記調圧燃料経路(140)の分岐部よりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料噴射装置。
  6. 燃料を濾過する燃料フィルタ(31)を備え、
    前記燃料フィルタ(31)は、前記主燃料経路(110〜114)のうち前記フィードポンプ(32)から前記高圧ポンプ(33)に至る間に配置され、
    前記戻し燃料経路(132)は前記燃料タンク(30)に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  7. 前記戻し燃料経路(132)に配置されて、前記主燃料経路(110〜114)の燃料圧力が所定圧以上になったときに前記戻し燃料経路(132)を開くリリーフ弁(41)を備えることを特徴とする請求項6に記載の燃料供給装置。
  8. 前記高圧ポンプ(33)および前記フィードポンプ(32)は、共通の本体ハウジング(37)に収容されて集合体とされ、
    前記燃料フィルタ(31)は、前記本体ハウジング(37)の外部に配置され、
    前記分離器(36)は、前記燃料フィルタ(31)に組み込まれていることを特徴とする請求項6または7に記載の燃料噴射装置。
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