JP2009201788A - 生体情報測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリングホイールに設けた電極部を使って心電波形等の生体情報を測定する装置において、生体情報のSN比を改善して、測定精度を向上する。
【解決手段】運転者によって把持された状態のステアリングホイール2を、ステアリングホイール2を駆動させないデフォルト状態から、ステアリングホイール2を運転者側から見て左回りに90度回転させて「右電極部20が上に位置し、左電極部10が下に位置する状態」になるまでの90度の回転区間中における複数の所定回転角度において心電波形の測定・記録を行う。その測定した複数の所定回転角度における心電波形の中でR波振幅が最大となるとなるものを求め、その求めたステアリング角度α(測定用回転角度α)の位置にステアリングホイール2を回転させ、心電波形の正式な測定・記録を実行する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両のステアリングホイールに設けられた電極を利用して車両運転者の生体情報を測定する生体情報測定装置に関する。
従来、ステアリングホイールのリング部に左右一対の電極部を設け、車両運転者がこれら各電極部を左右の手で把持した際に各電極間に生じる電位差を検出することで、運転者の心電波形を測定する測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−255516号公報
しかしながら、このような測定装置では、ステアリングホイールの左右に設けた電極部間に生じた電位差で運転者の心電波形を測定するようにされており、両手を左右に位置させた状態での計測となるため、原理的に第1誘導での計測となる。また、ステアリングホイールに電極部を設けるため、医療現場で使用するような湿式電極の使用が困難である。
これらのことから、各電極部を介して得られる心電信号は相対的に微弱なものとなってしまう。そのため、ノイズ除去用のフィルタ等を利用しても、心電信号から雑音成分を充分除去することができず、最終的に得られる心電波形のSN比(信号対雑音比)を、心疾患を診断し得る程度にまで改善することができない、といった問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、ステアリングホイールに設けた電極部を使って心電波形等の生体情報を測定する装置において、最終的に得られる生体情報のSN比を改善して、生体情報の測定精度を向上することを目的とする。
(1)全自動の場合
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の生体情報測定装置においては、測定手段が、ステアリングホイールの左右の把持部に設けられた電極部を介してステアリングホイールを把持した運転者の生体情報を測定するのであるが、本願発明者は、ステアリングホイールを把持する際、「両手を左右に位置させる姿勢」よりも「右手を上、左手を下にする姿勢」に近づけた方が生体情報(例えば心電波形)の信号対雑音比(以下、SN比とも称す。)が増加することを見いだした。
そこで、制御手段が次のような制御を実行する。駆動手段を制御して、運転者によって把持された状態の前記ステアリングホイールを回転駆動させながら測定手段により生体情報を測定させると共に、その測定時の回転角度を検出手段によって検出することを、複数の回転位置において実行する。その測定した複数の所定回転角度における生体情報の中で信号対雑音比が最も良いものに対応する所定回転角度を測定用回転角度として決定する。これらが決定処理である。そして、その決定した測定用回転角度にステアリングホイールを回転駆動させた状態で、測定手段によって正式な生体情報の測定を実行させる。
このようにすることで、「両手を左右に位置させる姿勢」に対して「右手を上、左手を下にする姿勢」に近づけた状態の回転角度が測定用回転角度に設定され、SN比が改善された状態で生体情報を測定できる。つまり、最終的に得られる生体情報のSN比を改善して、生体情報の測定精度を向上することができる。
なお、運転者によって把持された状態のステアリングホイールをどの程度回転駆動させるかに関しては、例えば「右手を上、左手を下にする姿勢」から逆の「右手を下、左手を上にする姿勢」までの180度の区間を回転させてもよいが、簡易的に請求項2に示すようにしてもよい。つまり、決定処理において、左右の把持部が上下に位置するまでステアリングホイールを運転者側から見て左回りに90度回転させる中で、複数の所定回転角度において測定手段により生体情報を測定させるのである。
上述のように、「右手を上、左手を下にする姿勢」に近づけた方が「両手を左右に位置させる姿勢」よりも生体情報のSN比が増加し、さらに「右手を下、左手を上にする姿勢」よりも生体情報のSN比が増加する可能性が極めて高いとの知見を得ている。そのため、請求項2に示すような90度の回転区間の中で適切な測定用回転角度を決定すれば、それで足りるケースがほとんどであると考えられる。
なお、ステアリングホイールに対する左右の手の把持の仕方によって心臓の位置(傾きなど)が変化することにより、生体情報のSN比が変化すると考えられる。そのため、心臓の位置(傾き)が特殊な人の場合は、「両手を左右に位置させる姿勢」に対して「右手を下、左手を上にする姿勢」に近づけた状態において最も生体情報のSN比が増加するかもしれない。よって、そのようなレアケースまで対応するならば、上述の「右手を上、左手を下にする姿勢」から逆の「右手を下、左手を上にする姿勢」までの180度の区間を回転させて測定するようにしてもよい。
(2)半自動の場合
請求項3に記載の生体情報測定装置においては、測定手段が、ステアリングホイールの左右の把持部に設けられた電極部を介してステアリングホイールを把持した運転者の生体情報を測定するのであるが、制御手段が次のような制御を実行する。
運転者によって把持された状態の前記ステアリングホイールを所定の回転位置に回転させるよう報知手段を介して運転者へ報知する。その所定回転位置に回転されたステアリングホイールを把持している状態において測定手段により生体情報を測定させると共にその測定時の回転角度を検出手段によって検出することを、複数の回転位置において実行する。その測定した複数の所定回転位置における生体情報の中で信号対雑音比が最も良いものに対応する回転角度を測定用回転角度として決定する。これらが決定処理である。そして、その決定した測定用回転角度にステアリングホイールを回転駆動させた状態で、測定手段によって正式な生体情報の測定を実行させる。
このようにすることで、「両手を左右に位置させる姿勢」に対して「右手を上、左手を下にする姿勢」に近づけた状態の回転角度が測定用回転角度に設定され、SN比が改善された状態で生体情報を測定できる。つまり、最終的に得られる生体情報のSN比を改善して、生体情報の測定精度を向上することができる。
この場合も、所定の回転位置に関して、例えば「右手を上、左手を下にする姿勢」から逆の「右手を下、左手を上にする姿勢」までの180度の区間中の複数の回転位置を設定してもよいが、簡易的には次のようにしてもよい。つまり、決定処理において、左右の把持部が上下に位置するまでステアリングホイールを運転者側から見て左回りに90度回転させる中で、複数の回転位置において測定手段により生体情報を測定させるのである。
なお、報知手段は、表示や音声などによって報知すればよいが、ステアリングホイールを所定の回転位置を回転させるように運転者へ報知する際には、少なくとも表示によって運転者へ報知すると、運転者が理解し易い。
上記(1)(2)の2つのパターンの生体情報測定装置の何れにおいても、請求項6に示すような工夫を施しても良い。
つまり、情報を記憶しておく情報記憶手段を備え、制御手段が次のような制御を行う。決定処理によって決定した測定用回転角度を情報記憶手段に記憶させておき、決定処理の実行前に 情報記憶手段に測定用回転角度が記憶されているか否か判断する。そして、測定用回転角度が記憶されていない場合には決定処理を実行する。一方、測定用回転角度が記憶されている場合には、決定処理を実行することなく、その記憶されている測定用回転角度にステアリングホイールを回転駆動させた状態で、測定手段によって正式な生体情報の測定を実行させるのである。
このようにすれば、決定処理を実行して測定用回転角度を一度記憶させておけば、次回からは決定処理を実行することなく、記憶されている測定用回転角度を用いて測定ができるので便利である。
なお、複数の運転者が利用する場合には、運転者毎の識別情報に対応させて測定用回転角度を記憶させておけば、対応可能である。
(3)マニュアルの場合
請求項7に記載の生体情報測定装置においては、ステアリングホイールの上下の把持部に電極部がそれぞれ設けられており、測定手段が、その左右の電極部を介してステアリングホイールを把持した運転者の生体情報を測定する。
上述のように、「右手を上、左手を下にする姿勢」に近づけた方が「両手を左右に位置させる姿勢」よりも生体情報のSN比が増加し、さらに「右手を下、左手を上にする姿勢」よりも生体情報のSN比が増加する可能性が極めて高いとの知見を得ている。そのため、ステアリングホイールの上下の把持部に設けた電極部を運転者に把持させるようにして測定すれば、SN比が改善された状態で生体情報を測定できる。つまり、最終的に得られる生体情報のSN比を改善して、生体情報の測定精度を向上することができる。
なお、上述のように、ステアリングホイールに対する左右の手の把持の仕方によって心臓の位置(傾きなど)が変化することにより、生体情報のSN比が変化すると考えられ、その変化の仕方は人によって異なる可能性がある。そのため、(1)全自動の場合や、(2)半自動の場合のように、運転者がステアリングホイールを把持する位置を変えながら適切な位置(回転角度)を決定するようにした方が好ましいが、簡易的には、請求項7に示すような構成でも、最終的に得られる生体情報のSN比を改善して、生体情報の測定精度を向上することは可能である。
また、上記いずれの場合においても、複数の電極部は、運転者がステアリングホイールを把持する際に把持しやすい位置に配置すればよいが、より好ましくは、請求項8に記載のように、ステアリングホイールの運転席側表面に配置することが望ましい。
つまり、ステアリングホイールの運転席側表面は、運転者がステアリングホイールの左右を把持した際に、運転者の掌において、最も皮膚が薄くなっている親指の付け根部分が当接されることから、各電極部を請求項8に記載のように配置すれば、心電信号等の生体信号をより検出し易くなり、生体信号のSN比を改善して、生体情報の測定精度を向上できる。
また、測定手段は、車両のどこに設けてもよいが、配線のし易さ及び雑音低減のためには、電極部の近くに配置することが望ましく、そのためには、請求項9に記載のように、ステアリングホイール内に実装するとよい。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、車両運転者の心電波形を測定する生体情報測定装置の構成を表すブロック図であり、図2は、当該検出装置各部の車両への配置状態を表す説明図である。また、図2において、(a)はステアリングホイール2を運転席側からみた正面図であり、(b)はステアリングホイール2の側面図である。
図1に示すように、本実施形態の生体情報測定装置には、車両運転者から心電波形を取得するためにステアリングホイール2の左右の把持部にそれぞれ設けられた左右の電極部(左電極部10及び右電極部20)が備えられている。
この左右の電極部10、20は、図2に示すように、ステアリングホイール2のリング部(ホイールリング)4で、左右のスポーク部(ホイールスポーク)6が連結される部分に設けられている。
また、この左右の電極部10、20は、運転者が左右の手でそれぞれ同時に把持できるように、リング部の周方向に沿って配置されており、左右のスポーク部6の連結部に配置された中央部分は、それぞれ、スポーク部6側に張り出すように形成されている。なお、これは、運転者がこの部分を把持した際に、運転者の掌に接触する面積を広くして、運転者の掌との接触インピーダンスを小さくするためである。
また、これら各電極部10、20は、運転者がステアリングホイール2を把持した際に、運転者の掌において皮膚の厚みが少ない親指の付け根当たりが接触するよう、ステアリングホイール2の運転席側表面に配置されている。なお、これも、各電極部10、20と運転者の掌との接触インピーダンスを小さくするためである。
また、図1に示すように、各電極部10、20は、第1電極11、21と、第2電極12、22とからなる電極対として構成されている。そして、これら各電極部10、20の各電極11、12、21、22は、スイッチング回路部30を介して、心電波形(換言すれば心電信号)及び接触インピーダンス測定用の各測定回路部に接続される。
すなわち、本実施形態の生体情報測定装置には、左右の電極部10、20にそれぞれ接続されて、左右の電極部10、20間に生じた電位差を増幅することで心電信号を生成する増幅部40と、左右の電極部10、20と運転者の掌との間の接触インピーダンスを測定するためのインピーダンス測定部50とが設けられており、スイッチング回路部30を介して、左右の電極部10、20の第1電極11、21を増幅部40に接続することにより、増幅部40を介して心電信号を測定したり、あるいは、スイッチング回路部30を介して、各電極部10、20の第1電極11、21と第2電極12、22とをインピーダンス測定部50に接続することにより、インピーダンス測定部50を介して接触インピーダンスを測定できるようにされている。
なお、スイッチング回路部30は、左右の電極部10、20毎に、各電極11、12、21、22を基準電位(本実施形態ではグランド:GND)に接続するか、増幅部40若しくはインピーダンス測定部50の測定回路部側に接続するかを切り換える第1切換スイッチ32と、この第1切換スイッチ32を介して測定回路部側に切り換えられた電極11、12、21、22を、増幅部40か、若しくは、インピーダンス測定部50に接続する第2切換スイッチ34とから構成されている。
また、このスイッチング回路部30の切り換え、増幅部40を用いた心電信号の測定、及び、インピーダンス測定部50を用いた接触インピーダンスの測定は、全て、CPU、ROM、RAM等を中心に構成されたマイクロコンピュータ(以下単にCPUという)60により実行される。
また、CPU60には、無線通信部70が接続されており、CPU60は、無線通信部70に接続された外部機器(具体的には運転者が所持する携帯機器や車載機器等)からの要求に従い、接触インピーダンスや心電信号の測定結果を、無線通信部70を介して外部機器に送信する。
また、CPU60には、情報記憶部75が接続されている。この情報記憶部75は、フラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリを備え、後述する測定用回転角度αなどを記憶しておくことができる。
そして、図2に示すように、スイッチング回路部30は、左電極部10用と右電極部20用とに分離されて、エアバッグ等が設けられるステアリングホイール2の中央部8の左右両側に配置され、他の回路部、つまり、増幅部40、インピーダンス測定部50、CPU60、及び無線通信部70は、共通の基板80に実装されて、ステアリングホイール2の中央部8の略中心位置に収納されている。
また、CPU60には、ステアリング駆動モータ90、ステアリング回転角度センサ95、ナビECU100が接続されている。
ステアリング駆動モータ90は、ステアリングホイール2を回転させるための駆動モータである。PU60は、ステアリング駆動モータ90を制御してステアリングホイール2を回転させることができる。
ステアリング回転角度センサ95は、ステアリングホイール90の回転角度を検出するためのセンサであり、中立位置からの回転角度をCPU60へ出力する。
ナビECU100は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを中心として構成された電子制御装置であり、地図上における車両の現在位置を特定し、経路案内等のナビゲーション処理を行う。このナビECU100には、操作スイッチ群110、表示装置120、音声出力装置130が接続されている。
操作スイッチ群110は、表示装置120と一体に構成され表示画面上に設置されるタッチパネル及び表示装置120の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等が用いられる。なお、タッチパネルと表示装置120とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式、電磁誘導方式、静電容量方式、あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
表示装置120は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT等の何れを用いてもよい。また、音声出力装置130は、各種案内の音声を出力することができる。
CPU60は、操作スイッチ群110にて受け付けた運転者からの指示を、ナビECU100を介して入力し、それに応じて各種処理を実行して、ステアリング駆動モータ90を制御したり、ナビECU100を介して表示装置120や音声出力装置130を制御する。
なお、本実施形態では、経路案内等のナビゲーション処理を行うために、ナビECU100に元々操作スイッチ群110、表示装置120、音声出力装置130が接続されていることを利用するため、CPU60とナビECU100とを接続した。しかし、ナビゲーション機能を搭載しない車両であるならば、CPU60と操作スイッチ群110、表示装置120、音声出力装置130とを直接接続してもよい。
次に、図3は、増幅部40の構成を表すブロック図である。
この増幅部40は、スイッチング回路部30を介して接続される2つの電極間に生じた電位差を検出して増幅するための差動増幅回路42と、差動増幅回路42からの出力を所定レベルまで増幅する利得調整可能な可変増幅回路44と、可変増幅回路44からの出力信号の中から、心電波形を測定するのに必要な周波数帯(例えば約35Hz以下)の信号(心電信号)のみを選択的に通過させるバンドパスフィルタ(BPF)46とから構成されている。
また、このBPF46は高周波側のカットオフ周波数を調整可能な可変BPFからなり、この可変BPF46のカットオフ周波数や可変増幅回路44の利得は、CPU60からD/A変換器64を介して出力される制御信号により調整される。
次に、図4は、インピーダンス測定部50の構成を表す回路図である。
インピーダンス測定部50は、本実施形態では、インピーダンス測定部50とCPU60での演算処理とにより、ロックインアンプとしての機能を実現し、スイッチング回路部30を介して接続された2つの電極間(図では電極11−12間)のインピーダンスZを測定する。
すなわち、インピーダンス測定部50は、CPU60からD/A変換器66を介して入力される単一周波信号Eを、バッファ52を介して取り込み、基準抵抗Rrefを介して、一方の電極11に印加することで、単一周波信号Eを、基準抵抗Rrefと電極11−12間の抵抗(接触インピーダンス)Zで分圧し、その分圧電圧Vを、バッファ54を介してCPU60に出力する。
そして、CPU60は、この分圧電圧VをA/D変換器62を介して取り込み、単一周波信号Eと分圧電圧Vとを乗算して、ローパスフィルタにてフィルタリング処理することにより、雑音を除去した分圧電圧Vを求める(ロックインアンプ機構)。そして、更にCPU60は、このロックインアンプ機構により得られた電圧Vと単一周波信号Eとを用いて、「V=G・E」のゲインGを求め、インピーダンスZを算出する。なお、この場合の演算式は、「Z=Rref×G/(1−G)」となる。
次に、例えば車両のエンジン運転中に、CPU50において繰り返し実行される心電波形測定処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
CPU60は、操作スイッチ群110(及びナビECU100)を介して運転者からの開始指示を受け付けると、図5に示す処理を開始する。
まず、運転者に対してステアリングホイール2を握るように指示する(S10)。これは、ナビECU100を介して表示装置120や音声出力装置130を制御し、画像を表示したり、音声を出力したりして行う。なお、画像、音声の少なくとも何れか一方にて指示すればよい。
ステアリングホイール2を握っているか否か判定し(S20)、握っていれば(S20:YES)、情報記憶部75に測定用回転角度αが記憶されているか否か判定する(S30)。
測定用回転角度αが記録されていない場合には(S30:NO)、ステアリング駆動モータ90を制御してステアリングホイール2を自動で回転させながら、心電波形を測定・記録する(S40)。本実施形態では、ステアリング駆動モータ90を駆動させないデフォルト状態(図2(a)に示す状態)から、ステアリングホイール2を運転者側から見て左回りに90度回転させて「右電極部20が上に位置し、左電極部10が下に位置する状態」になるまでの90度の回転区間中における複数の所定回転角度において心電波形の測定・記録を行う。
この所定回転角度は、例えばステアリング駆動モータ90を駆動させないデフォルト状態(図2(a)に示す状態)を0度とし、左回りに角度が増加すると考え、「右電極部20が上に位置し、左電極部10が下に位置する状態」が90度だとすると、45度、60度、75度、90度というように、40度〜90度の区間中の4つの回転角度を所定回転角度として設定することが考えられる。もちろん、これらは一例であり、もっと多くの回転角度にて測定・記録させるようにしてもよいし、例えば同じ4つの回転角度にて測定するとしても、60度、70度、80度、90度というように、60度〜90度の区間中を角度の間隔を狭くして測定・記録させるようにしてもよい。
そして、これら測定・記録した複数の所定回転角度における心電波形の中で、「SN比が最も良いもの」に相当すると考えられる「R波振幅が最大となるとなるもの」を求める(S50)。その求めたステアリング角度αを測定用回転角度αとして情報記憶部75に記憶させる(S60)。
そして、その測定用回転角度αの位置にステアリングホイール2を回転させ(S70)、心電波形の正式な測定・記録を実行する(S80)。
一方、情報記憶部75に測定用回転角度αが記録されている場合には(S30:YES)、S40〜S60の処理を実行することなく、S70へ移行して測定用回転角度αの位置にステアリングホイール2を回転させ、心電波形の正式な測定・記録を実行する(S80)。
以上説明したように、本実施形態の生体情報測定装置においては、運転者によって把持された状態のステアリングホイール2を、ステアリングホイール2を駆動させないデフォルト状態(図2(a)に示す状態)から、ステアリングホイール2を運転者側から見て左回りに90度回転させて「右電極部20が上に位置し、左電極部10が下に位置する状態」になるまでの90度の回転区間中における複数の所定回転角度において心電波形の測定・記録を行う。そして、その測定した複数の所定回転角度における心電波形の中で、「SN比が最も良いもの」に相当すると考えられる「R波振幅が最大となるとなるもの」を求め、その求めたステアリング角度αを測定用回転角度αとして情報記憶部75に記憶させる。そして、その測定用回転角度αの位置にステアリングホイール2を回転させ、心電波形の正式な測定・記録を実行する。
本願発明者は、ステアリングホイール2を把持する際、「両手を左右に位置させる姿勢」よりも「右手を上、左手を下にする姿勢」に近づけた方が心電波形のSN比が増加することを見いだした。そのため、上述のように制御することで、「両手を左右に位置させる姿勢」に対して「右手を上、左手を下にする姿勢」に近づけた状態の回転角度が測定用回転角度αとして設定され、SN比が改善された状態で心電波形を測定できる。つまり、最終的に得られる心電波形のSN比を改善して、心電波形の測定精度を向上することができる。
また、図5のS40,S50の処理を行って求めたステアリング角度αは、測定用回転角度αとして情報記憶部75に記憶させるため、次回からはその記憶されている測定用回転角度αを用いて測定ができるので便利である。
なお、ステアリングホイール2をどの程度回転駆動させるかに関しては、例えば「右手を上、左手を下にする姿勢」から逆の「右手を下、左手を上にする姿勢」までの180度の区間を回転させてもよい。ステアリングホイール2に対する左右の手の把持の仕方によって心臓の位置(傾きなど)が変化することにより、心電波形のSN比が変化すると考えられるため、心臓の位置(傾き)が特殊な人の場合は、「両手を左右に位置させる姿勢」に対して「右手を下、左手を上にする姿勢」に近づけた状態において最も心電波形のSN比が増加するかもしれない。よって、そのようなレアケースまで対応するならば、上述の「右手を上、左手を下にする姿勢」から逆の「右手を下、左手を上にする姿勢」までの180度の区間を回転させて測定することも考えられる。
ただし、本願発明者は、「右手を上、左手を下にする姿勢」に近づけた方が「両手を左右に位置させる姿勢」よりも心電波形のSN比が増加し、さらに「右手を下、左手を上にする姿勢」よりも心電波形のSN比が増加する可能性が極めて高いとの知見を得ている。そのため、上述のように90度の回転区間の中で適切な測定用回転角度αを決定すれば、それで足りるケースがほとんどであると考えられる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて種々の態様をとることができる。
(a)上記実施形態の生体情報測定装置においては、運転者はステアリングホイール2の左右の把持部にそれぞれ設けられた左右の電極部(左電極部10及び右電極部20)を把持すればよく、後は特段の動作をすることなく、生体情報測定装置が自動的にステアリングホイール2を回転させて心電波形の測定を行った。いわば「全自動」である。
これに対して、ステアリングホイール2の回転動作を運転者が行うようにしてもよい。この場合は、いわば「半自動」となる。半自動で実行する場合のCPU60にて実行される測定処理を図6のフローチャートを参照して説明する。
CPU60は、操作スイッチ群110(及びナビECU100)を介して運転者からの開始指示を受け付けると、図6に示す処理を開始する。
まず、運転者に対してステアリングホイール2を握るように指示する(S110)。これは、ナビECU100を介して表示装置120や音声出力装置130を制御し、音声や画像にて行う。なお、音声、画像の少なくとも何れか一方にて行えばよい。
ステアリングホイール2を握っているか否か判定し(S120)、握っていれば(S120:YES)、情報記憶部75に測定用回転角度αが記憶されているか否か判定する(S30)。
測定用回転角度αが記録されていない場合には(S130:NO)、ステアリングホイール2を規定の位置(1,2…n)に回すよう運転者に対して指示する(S140)。これは、ナビECU100を介して表示装置120や音声出力装置130を制御し、音声や画像にて行う。
なお、音声、画像の少なくとも何れか一方にて行えばよいが、運転者が規定位置にステアリングホイール2を回転させるための指示であるため、例えばステアリングホイール2の模式図を表示装置120へ表示し、そのステアリングホイール2の模式図を規定位置まで回転させた図を表示させれば、運転者にとっては感覚的に理解し易い。そのため、例えば表示装置120へ上述のような模式図を表示すると共に、音声出力装置130によって「表示した図のようにステアリングホイールを○○度左へ回転させてください」といった音声ガイダンスをするようにしてもよい。
続くS150では、ステアリングホイール2が規定の位置になっているか否か判断する。この判断は、ステアリング回転角度センサ95によって検出したステアリングホイール90の回転角度が、規定の位置(1,2…n)に対応する回転角度と一致するか否かで判断する。
この規定位置は、例えばステアリングホイール2を回転させないデフォルト状態(図2(a)に示す状態)を0度とし、左回りに角度が増加すると考え、「右電極部20が上に位置し、左電極部10が下に位置する状態」が90度だとすると、45度、60度、75度、90度それぞれに回転させた位置を規定位置として設定することが考えられる。もちろん、これらは一例である。
ステアリングホイール2が規定の位置に移動してなければ(S150:NO)、S140の処理を繰り返す。一方、規定の位置に移動していれば(S150:YES)、心電波形を測定・記録する(S160)。
全ての規定の位置(1,2…n)での測定・記録が済んだか否か判断し(S170)、
全ての規定位置で計測していなければ(S170:NO)、S140へ戻る。
一方、全ての規定位置での計測・記録が済んだ場合には(S170:YES)、これら全ての規定の位置(1,2…n)で測定・記録した複数の心電波形の中で、「信号対雑音比が最も良いもの」に相当すると考えられる「R波振幅が最大となるとなるもの」を測定した規定位置に対応するステアリング買う度αを求める(S180)。その求めたステアリング角度αを測定用回転角度αとして情報記憶部75に記憶させる(S190)。
そして、その測定用回転角度αの位置にステアリングホイール2を回転させ(S200)、心電波形の正式な測定・記録を実行する(S210)。
一方、情報記憶部75に測定用回転角度αが記録されている場合には(S130:YES)、S140〜S190の処理を実行することなく、S200へ移行して測定用回転角度αの位置にステアリングホイール2を回転させ、心電波形の正式な測定・記録を実行する(S210)。
このようにしても、上述した実施形態と同様の効果が発揮される。
(b)複数の運転者が利用する場合には、運転者毎の識別情報(運転者ID)に対応させて測定用回転角度αを記憶させておけば、対応可能である。例えば、測定開始時に運転者IDを受け付けるようにし、情報記憶部75には運転者IDと測定用回転角度αとを対応させて記憶させておく。このようにすれば、複数人が同一の車両を利用する場合に置いても対応可能である。
(c)図5及び図6のフローチャートを参照して説明したのは、いわば「全自動」「半自動」で適切な測定用回転角度αを決定する実施形態であったが、簡易的に同様の目的を達成するには、図7に示すような構成を採用することも考えられる。
図2は、ステアリングホイール2を運転席側からみた正面図であり、車両運転者から心電波形を取得するためにステアリングホイール2の上下の把持部にそれぞれ設けられた電極部(上電極部120及び下電極部110)が備えられている。
この上下の電極部120,110は、図2(a)に示す左右の電極部10,20をそれぞれ、ステアリングホイール2を運転者側から見て左回りにほぼ90度回転させた位置に配されている。そして、運転者は下電極部110を左手で把持し、上電極部120を右手で把持した状態で、上下の電極部120,110間に生じた電位差に基づいて心電波形を測定する。なお、下電極部110を左手で把持し、上電極部120を右手で把持して測定することは、例えば説明書などに記載しておくなどして、運転者に理解してもらう。
図5及び図6のフローチャートを参照して説明した「全自動」「半自動」の場合とは異なり、適切な測定位置となるよう運転者がステアリングホイール2を把持するパターンであるため、「マニュアル」と称する。
上述のように、「右手を上、左手を下にする姿勢」に近づけた方が「両手を左右に位置させる姿勢」よりも生体情報のSN比が増加し、さらに「右手を下、左手を上にする姿勢」よりも生体情報のSN比が増加する可能性が極めて高いとの知見を得ている。
そのため、ステアリングホイール2の上下の把持部に設けた電極部120,110を運転者に把持させるようにして測定すれば、SN比が改善された状態で心電波形を測定できる。つまり、最終的に得られる心電波形のSN比を改善して、心電波形の測定精度を向上することができる。
ところで、図7に示す例では、上下の電極部120,110は正確にステアリングホイール2の上下に配されているのではなく、上電極部120はわずかに右側にずれ、下電極部110はわずかに左側にずれている。このようにすれば、下電極部110を左手で把持し、上電極部120を右手で把持することが、運転者にとって感覚的に理解し易い。
なお、上述のように、ステアリングホイール2に対する左右の手の把持の仕方によって心臓の位置(傾きなど)が変化することにより、心電波形のSN比が変化すると考えられ、その変化の仕方は人によって異なる可能性がある。そのため、図5及び図6のフローチャートを参照して説明した「全自動」「半自動」の場合のように、運転者がステアリングホイール2を把持する位置を変えながら適切な位置(回転角度)を決定するようにした方が好ましいが、簡易的には、図7に示すように、固定位置である上下位置を把持して測定する構成でも、最終的に得られる心電波形のSN比を改善して、心電波形の測定精度を向上することは可能である。
(d)上記実施形態の生体情報測定装置は、生体情報として心電波形を測定するものとして説明したが、生体情報測定装置には、インピーダンス測定部50が備えられているので、これを利用して、心電波形と生体インピーダンスとを同時に測定するようにしてもよい。
その場合は、上述した各電極部10、20の接触インピーダンスの測定、心電波形及び誘導雑音の測定に用いる左右の電極部10、20の組の設定、誘導雑音の測定、及び、心電波形の測定に用いる増幅部40の利得及びカットオフ周波数の調整等を行った後、生体インピーダンスを測定できるように、その電極部10、20の第1電極11、21を、インピーダンス測定部50に接続し、第2電極12、22を、基準電位(GND)に接続するようにスイッチング回路部30を切り換える。
そして、電極部10、20を使って、心電波形を測定すると共に、インピーダンス測定部50を介して、生体インピーダンスZbを測定する。なお、この生体インピーダンスZbの測定は、接触インピーダンスZiの測定と同様に行う。
そして、生体インピーダンスZbから、この生体インピーダンスZbの測定に用いた電極部10、20の接触インピーダンスを減じることで、生体インピーダンスZbを補正し、その補正後の生体インピーダンスZbをRAMに格納する。
実施形態の生体情報測定装置の全体の構成を表すブロック図である。 生体情報測定装置各部のステアリングホイールへの配置状態を表す説明図である。 増幅部の構成を表すブロック図である。 インピーダンス測定部の構成を表す回路図である。 CPUにて実行される心電波形測定処理を表すフローチャートである。 心電波形測定処理の別例を表すフローチャートである。 上下の把持部に電極部が設けられたステアリングホイールの説明図である。
符号の説明
2…ステアリングホイール、4…リング部、6…スポーク部、8…中央部、10…左電極部、11…第1電極、12…第2電極、20…右電極部、21…第1電極、22…第2電極、30…スイッチング回路部、32…第1切換スイッチ、34…第2切換スイッチ、40…増幅部、42…差動増幅回路、44…可変増幅回路、46…可変BPF、50…インピーダンス測定部、52,54…バッファ、60…CPU(マイクロコンピュータ)、62…A/D変換器、64,66…D/A変換器、70…無線通信部、75…情報記憶部、80…基板、90…ステアリング駆動モータ、95…ステアリング回転角度センサ、100…ナビECU、110…操作スイッチ群、120…表示装置、130…音声出力装置。

Claims (9)

  1. ステアリングホイールの左右の把持部にそれぞれ設けられた電極部と、
    該左右の電極部を介して、前記ステアリングホイールを把持した運転者の生体情報を測定する測定手段と、
    を備えた生体情報測定装置であって、
    ステアリングホイールを回転駆動させるための駆動手段と、
    ステアリングホイールの回転角度を検出する検出手段と、
    各種制御を行う制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記駆動手段を制御して、前記運転者によって把持された状態の前記ステアリングホイールを回転駆動させながら前記測定手段により生体情報を測定させると共に、その測定時の回転角度を前記検出手段によって検出することを、複数の回転位置において実行し、その測定した前記複数の所定回転角度における生体情報の中で信号対雑音比が最も良いものに対応する回転角度を測定用回転角度として決定する決定処理を実行し、
    その決定した測定用回転角度に前記ステアリングホイールを回転駆動させた状態で、前記測定手段によって正式な生体情報の測定を実行させることを特徴とする生体情報測定装置。
  2. 前記制御手段は、前記決定処理において、前記左右の把持部が上下に位置するまで前記ステアリングホイールを運転者側から見て左回りに90度回転させる中で、複数の所定回転角度において前記測定手段により生体情報を測定させることを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
  3. ステアリングホイールの左右の把持部にそれぞれ設けられた電極部と、
    該左右の電極部を介して、前記ステアリングホイールを把持した運転者の生体情報を測定する測定手段と、
    を備えた生体情報測定装置であって、
    運転者に対して報知する報知手段と、
    ステアリングホイールの回転角度を検出する検出手段と、
    各種制御を行う制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記運転者によって把持された状態の前記ステアリングホイールを所定の回転位置に回転させるよう前記報知手段を介して前記運転者へ報知し、その所定回転位置に回転されたステアリングホイールを把持している状態において前記測定手段により生体情報を測定させると共にその測定時の回転角度を前記検出手段によって検出することを、複数の回転位置において実行し、その測定した前記複数の所定回転位置における生体情報の中で信号対雑音比が最も良いものに対応する回転角度を測定用回転角度として決定する決定処理を実行し、
    その決定した測定用回転角度に前記ステアリングホイールを回転駆動させた状態で、前記測定手段によって正式な生体情報の測定を実行させることを特徴とする生体情報測定装置。
  4. 前記制御手段は、前記決定処理において、前記左右の把持部が上下に位置するまで前記ステアリングホイールを運転者側から見て左回りに90度回転させる中で、複数の所定回転位置において前記測定手段により生体情報を測定させることを特徴とする請求項3に記載の生体情報測定装置。
  5. 前記報知手段は、前記ステアリングホイールを所定の回転位置を、少なくとも表示によって運転者へ報知することを特徴とする請求項3または4に記載の生体情報測定装置。
  6. 情報を記憶しておく情報記憶手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記決定処理によって決定した測定用回転角度を前記情報記憶手段に記憶させておき、前記決定処理の実行前に 前記情報記憶手段に前記測定用回転角度が記憶されているか否か判断し、測定用回転角度が記憶されていない場合には前記決定処理を実行し、一方、測定用回転角度が記憶されている場合には、前記決定処理を実行することなく、その記憶されている測定用回転角度に前記ステアリングホイールを回転駆動させた状態で、前記測定手段によって正式な生体情報の測定を実行させること
    を特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の生体情報測定装置。
  7. ステアリングホイールの上下の把持部にそれぞれ設けられた電極部と、
    該左右の電極部を介して、前記ステアリングホイールを把持した運転者の生体情報を測定する測定手段と、
    を備えた生体情報測定装置。
  8. 前記各電極部は、ステアリングホイールの運転席側表面に配置されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の生体情報測定装置。
  9. 前記測定手段は、前記ステアリングホイール内に実装されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の生体情報測定装置。
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