JP2009232784A - 刈取変速装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 高低変速用の被シフト部材22と、その被シフト部材22のスライド方向の端部に形成されている歯部22aと係合する歯部23aを有した出力用回転体23,24とを備え、被シフト部材22と出力用回転体23,24とのそれぞれの対向面に形成されている歯部22a,23a,24aに、原動側の一方向回転を従動側へ伝える係合接当面22b,23b,24bと、原動側の逆方向の回転が従動側へ伝わらないように逆方向の回転に伴って乗り上げ可能な傾斜面22c,23c,24cとを形成してある。
【選択図】 図8
Description
[1] エンジンからの出力をHST(静油圧式無段変速装置)で変速してミッションケース内に導入し、ミッションケース内で走行駆動系と刈取部駆動系とに分岐し、走行駆動系の動力はミッションケース内でギヤ変速して走行部へ伝達し、刈取部駆動系の動力は、ワンウェイクラッチを介して刈取部へ伝達するように構成したもの(特許文献1参照)。
[2] エンジンからの出力をHST(静油圧式無段変速装置)で変速してミッションケース内に導入し、ミッションケース内で走行駆動系と刈取部駆動系とに分岐し、走行駆動系の動力はミッションケース内でギヤ変速して走行部へ伝達し、刈取部駆動系の動力も高低にギヤ変速し、かつワンウェイクラッチを介して刈取部へ伝達するように構成したもの(特許文献2参照)。
しかしながら、この種のコンバインにおいては、機体を後進作動させたときに、刈取部駆動系にも前進時とは逆方向の回転動力が伝達されることになるため、この逆回転を刈取部駆動系には伝達しないようにする必要がある。このため、上記特許文献1及び2に記載のものでは、刈取部への出力軸に設けた出力用プーリ内にワンウェイクラッチを設けていた。
このように、ミッションケースから突出させた出力軸に取り付けた出力用プーリ内にワンウェイクラッチを設けようとすれば、出力用プーリ自体の軸方向長さが長くなって、出力用プーリが大型化するという不具合があり、また、そのための配置スペースも大きくなって、各種伝動部材が錯綜するコンバイン内部の配置スペースを削減するという不都合がある。
上記課題を解決するために講じた本発明の技術手段は、請求項1に記載のように、刈取搬送装置への出力軸上でスライド操作自在に設けられた高低変速用の被シフト部材と、その被シフト部材のスライド方向の端部に形成されている歯部と係合する歯部を有した出力用回転体とを備え、
前記被シフト部材と出力用回転体とのそれぞれの対向面に形成されている歯部に、原動側の一方向回転を従動側へ伝えるように前記回転方向で互いに係合する係合接当面を形成するとともに、前記原動側の逆方向の回転が従動側へ伝わらないように、互いの歯部の対向面に前記逆方向の回転に伴って乗り上げ可能な傾斜面を形成してあることを特徴とする。
上記のように、解決手段1にかかる本発明の刈取変速装置では、出力用プーリの内部にワンウェイクラッチを設けるのではなく、ミッションケース内に装備されている高低変速用の変速装置を有効利用して、一方向回転機構を小型なものに構成している。
つまり、高低変速用の変速装置が必然的に備えているところの被シフト部材と、その被シフト部材のスライド方向の端部に形成されている歯部と係合する歯部を有した出力用回転体とを有効利用して、その歯部形状を変更する程度の簡単な構造改良によって、装置の大型化を招くことなく、コンパクトな一方向回転機構を構成し得たものである。
したがって、機体後進時の逆転駆動を避けながらの刈取搬送装置への動力伝達に必要な出力用プーリの小型化と配置スペースの削減とを、刈取変速装置自体の簡単な構造改良によって達成できる利点がある。
本発明の刈取変速装置における第2の解決手段は、請求項2の記載のように、刈取搬送装置への出力軸上に低速側出力用回転体と高速側出力用回転体とを配備するとともに、前記低速側出力用回転体と高速側出力用回転体との間における出力軸上にスライド操作自在な高低変速用の被シフト部材を設け、
前記被シフト部材と、前記低速側出力用回転体及び高速側出力用回転体とのそれぞれの対向面に動力伝達用の歯部を形成し、
前記被シフト部材と高速側出力用回転体とのそれぞれの対向面に形成されている歯部に、原動側の一方向回転を従動側へ伝えるように前記回転方向で互いに係合する係合接当面を形成するとともに、前記原動側の逆方向の回転が従動側へ伝わらないように、互いの歯部の対向面に前記逆方向の回転に伴って乗り上げ可能な傾斜面を形成してあることを特徴とする。
上記のように、解決手段2にかかる本発明の刈取変速装置では、出力用プーリの内部にワンウェイクラッチを設けるのではなく、ミッションケース内に装備されている高低変速用の変速装置を有効利用して、一方向回転機構を小型なものに構成している。
つまり、高低変速用の変速装置が必然的に備えているところの低速側出力用回転体と高速側出力用回転体との間の出力軸上にスライド操作自在に配置した高低変速用の被シフト部材を有効利用して、その被シフト部材と高速側出力用回転体とのそれぞれの対向面に形成されている歯部の歯部形状を変更する程度の簡単な構造改良によって、装置の大型化を招くことなく、コンパクトな一方向回転機構を構成し得たものである。
したがって、機体後進時の逆転駆動を避けながらの刈取搬送装置への動力伝達に必要な出力用プーリの小型化と配置スペースの削減とを、刈取変速装置自体の簡単な構造改良によって達成できる利点がある。
本発明の刈取変速装置における第3の解決手段は、請求項3の記載のように、出力軸と低速側出力用回転体との間に、被シフト部材と高速側出力用回転体とのそれぞれの対向面に形成された歯部によって伝達される回転方向と同方向の回転を伝達するワンウェイクラッチを介装してある点に特徴がある。
上記のように、解決手段3にかかる本発明の刈取変速装置では、前記解決手段2にかかる発明と同等な作用効果の他に、次の作用効果をも奏する。
すなわち、刈取対象茎稈が極端に倒伏していて、大きく引き起こす必要がある場合、機体の走行速度に対する引き起こし速度の割合を高めるために、刈取変速装置を高速側へ切換操作するのであるが、このとき、被シフト部材が低速側出力用回転体との係合を解き、高速側出力用回転体に係合するまでの間では、被シフト部材には高低何れの側からも動力が伝達されない状態が生じる。
したがって、被シフト部材のみを介して出力軸に動力を伝える構造であれば、上記の係合がされていない間だけ動力が伝達されない状態が生じるおそれがあるが、本発明では、出力軸と低速側出力用回転体との間においても、被シフト部材と高速側出力用回転体とのそれぞれの対向面に形成された歯部によって伝達される回転方向と同方向の回転を伝達するワンウェイクラッチを介装してあるので、動力切れのない状態で出力軸に動力を伝達し続けることができる利点がある。
まず、本発明の刈取変速装置を適用したコンバイン全体の構造について説明する。
図1には自脱形コンバインの全体側面が、図2にはその全体平面が示されている。このコンバインは、角パイプ材などによって枠状に形成した機体フレーム1を備え、機体フレーム1の下部に左右一対のクローラ式走行装置10を装備している。機体フレーム1の前方及び左前部には昇降揺動可能に連結した刈取搬送装置3が設けられ、機体フレーム1の左後部に脱穀装置4を搭載し、機体フレーム1の右後部に穀粒貯留装置5を搭載し、さらに、機体フレーム1の右前部に設けた原動部6、原動部6の上方側に形成した搭乗運転部11などを備えている。
図2に示すように、前記搭乗運転部11では、機体の前後進変速操作を行う変速レバー11A、ならびに機体の操向操作を行う操向操作レバー11Bを備えるとともに、刈取変速装置2の高低変速操作などを指令するための操作盤11Cを備えている。
前記原動部6に備えられるエンジン60は、その出力軸60Aの軸心方向が左右向きになる姿勢で機体フレーム1に搭載されている。そのエンジン60から左右の各クローラ式走行装置10への伝動は、図3に示すように、機体の左右中央部に向けて突出するエンジン60の出力軸60Aの左端部から、左右の各クローラ式走行装置10の駆動輪10Aにわたる走行用の伝動系を介して行われる。走行用の伝動系は、ベルト式の伝動装置12、主変速装置として備えた静油圧式無段変速装置13、及び、ミッションケース14に副変速装置として内装したギヤ式変速装置(図示せず)、などによって構成されている。
このように揺動変位するグレンタンク51の底部に備えられたスクリューコンベヤ55や前記穀粒排出用オーガ52に対する入力部53は、グレンタンク51の前記縦軸心y周りでの揺動を許容するための係脱構造を備えている。
前記伝動軸57に伝えられた動力は、その伝動軸57に対して軸端側を係脱される入力伝動軸58に伝えられ、かつ、その入力伝動軸58のベベルギヤ58aと前記スクリューコンベヤ55の軸端側に設けられたベベルギヤ55aを介して前記スクリューコンベヤ55や前記穀粒排出用オーガ52伝達されるように構成されている。
前記入力伝動軸58は、グレンタンク51側に支持されていて、前記伝動軸57に対して抜き差し可能な凹入係合部58bを備えていて、伝動軸57からの回転動力は伝達されながら、軸線方向での抜き差しは可能に構成されているので、前記縦軸心y周りでのグレンタンク51の揺動に伴なう係脱を許容することができる。
図中の符号59は、伝動軸57を入力伝動軸58側へ押しつけ付勢するための押圧用スプリングである。
前記刈取搬送装置3における刈取速度は、前記静油圧式無段変速装置13による無段階での変速のみならず、ミッションケース14内に装備させた高低2段の変速操作が可能な刈取変速装置2によっても変速することができる。
この刈取変速装置2について詳述する。
前記高速側出力ギヤ23、及び低速側出力ギヤ24は、それぞれ、前記被シフト部材22よりも伝動方向上手側に位置する原動側の回転体に相当するものであり、その高速側出力ギヤ23、及び低速側出力ギヤ24に係脱される被シフト部材22が従動側の回転体となり、被シフト部材22を介して刈取出力軸21にエンジン側の動力が伝達される。
つまり、図4乃至図8に示すように、ミッションケース14の上部横側部に設けた刈取用出力プーリ31を支承する出力軸21にスプライン嵌合させた被シフト部材22を、ミッションケース14内で前記出力軸21に遊嵌された高速側出力ギヤ23に係合させる状態と、低速側出力ギヤ24に係合させる状態とにシフト操作自在に構成してある。
これらの歯部22a,23a,24aのうち、前記被シフト部材22と高速側出力ギヤ23との間の歯部22a,23aでは、図6乃至図8に示すように、互いの歯部22a,23aが係合するように噛み合うと、互いに逆方向への回転を阻止する状態に係合する係合接当面22b,23bを有している。そして、互いに同方向の回転で速度差があると係合を解除するように、互いの歯部22a,23aの対向面に前記逆方向の回転に伴って乗り上げ可能な傾斜面22c,23cを形成して、原動側の逆方向の回転が従動側へ伝わらないように構成してある。
この場合、被シフト部材22側では、その歯部22aが係合方向に突出して、前記係合接当面22bと傾斜面22cとを形成しているが、高速側出力ギヤ23側では、係合方向で凹入する部分円弧状の孔部の周方向端部に、前記係合接当面23bと傾斜面23cとを形成して、その歯部23aを構成している。
したがって、図8に示すように互いの歯部22a,23aが噛み合っていて、機体前進方向の回転(図8における矢印f方向)で、かつ原動側である高速側出力ギヤ23の歯部23aの回転速度が、従動側である被シフト部材22の歯部22aよりも高速であれば、高速側出力ギヤ23から被シフト部材22への動力が伝達され、刈取搬送装置3は高速で駆動される。この回転方向で、従動側である被シフト部材22の回転速度が高速側出力ギヤ23の回転速度を上回れば、同方向回転で被シフト部材22の先行回転を許すことになるが、現実の使用形態では、そのような現象を生じることはない。
つまり、前記被シフト部材22に形成された歯部22aと高速側出力ギヤ23に形成された歯部23aとで、一方向の回転だけを伝え、逆方向の回転は傾斜面22c,23cの乗り上げによりジャンプして外れるジャンプクラッチ形式のワンウェイクラッチ20を構成している。
したがって、低速側出力ギヤ24に機体後進方向の回転が伝えられると、低速側出力ギヤ24の歯部24aは、図8における矢印r方向へ移動し、被シフト部材22の歯部22aの傾斜面との協働で互いに離れる方向に移動し、低速側出力ギヤ24の後進方向の回転が被シフト部材22に伝達されることを避け、刈取搬送装置3の逆転駆動を回避できるようにしてある。
前記アーム部材26の一端側に連結された操作ワイヤー27aの引き操作(図4中、時計回り方向へ回動させる引き操作)で、被シフト部材22を高速側へ操作し(図4(a))、アーム部材26の他端側に連結された戻しバネ28の付勢力によって低速側(図4中、反時計回り方向へ回動させる戻し付勢)へ常時付勢されている(図4(b))。
上記電動モータ27の起動は、搭乗運転部11に設けた操作盤11Cの操作ボタンBを押し操作することによって、刈取高速と低速とを交互に切換操作できるように構成されている。
上記「発明を実施するための最良の形態」では、刈取用出力プーリ31の出力軸21と低速側出力ギヤ24との間に、ローラを用いた周知のワンウェイクラッチ29を介装して、被シフト部材22を低速側出力ギヤ24との係合を外し、高速側出力ギヤ23に噛み合わせるまでの間での刈取用出力プーリ31からの出力が一時的に消失することを避ける構造のものを示したが、このワンウェイクラッチ29は省略して実施することもできる。つまり、刈取用出力プーリ31の出力軸21と低速側出力ギヤ24との間では相対回転自在に構成してあってもよい。
この刈取変速装置2において、前記戻しバネ28は、両端部に引っかけ用のフック部分を形成して用いる引っ張りバネで構成したものに限らず、例えば、コイルバネを端部プレート間に挟み込んで、圧縮付勢力が生じるようにして用いてもよい。このようにすれば、引っ張りバネの端部を屈曲させて形成するフック部分を形成する必要がないので、機体後進時にジャンプクラッチ形式の前記ワンウェイクラッチ28がジャンプ動作を繰り返すようにガタついても、そのフック部分に割れなどが生じるおそれを回避する上で有効である。
被シフト部材22のスライド方向の両端部と、その各端部に対向する高速側出力ギヤ23、及び低速側出力ギヤ24の各対向面のそれぞれに形成される係合用の歯部22a,23a,24aは、「発明を実施するための最良の形態」で示したように、被シフト部材22側の歯部22aと、高速側出力ギヤ23、及び低速側出力ギヤ24の歯部23a,24aとのそれぞれが、原動側の一方向回転を従動側へ伝えるように前記回転方向で互いに係合する係合接当面22b,23b,24bと傾斜面22c,23c,24cを備えたものである必要はなく、例えば、被シフト部材22側の両端部の歯部22aにのみ、前記係合接当面22bと傾斜面22cとを形成し、高速側出力ギヤ23、及び低速側出力ギヤ24の各対向面のそれぞれに形成される歯部23a,24aは単なる貫通孔で形成するなどしてもよい。
刈取変速装置2における高速状態への切換操作を行うために、操作盤11Cに備える操作具としては、前述した押しボタンBに限らず、ダイヤルスイッチや、操作レバーなどの操作具を用いて、その操作位置の検出によって指令作業を検出するなど、適宜の構成を採用することができる。
刈取変速装置2における高速状態への切換操作を行うための手段としては、電動モータ27を使用して行うものに限らず、別途設けた手動操作レバーに連係して手動操作で行えるようにしてもよい。
2 刈取変速装置
2A 変速段切換機構
2B 変速操作機構
3 刈取搬送装置
4 脱穀装置
5 穀粒貯留装置
20 ワンウェイクラッチ
21 刈取出力軸
22 被シフト部材
23 高速側出力回転体
24 低速側出力回転体
Claims (3)
- 刈取搬送装置への出力軸上でスライド操作自在に設けられた高低変速用の被シフト部材と、その被シフト部材のスライド方向の端部に形成されている歯部と係合する歯部を有した出力用回転体とを備え、
前記被シフト部材と出力用回転体とのそれぞれの対向面に形成されている歯部に、原動側の一方向回転を従動側へ伝えるように前記回転方向で互いに係合する係合接当面を形成するとともに、前記原動側の逆方向の回転が従動側へ伝わらないように、互いの歯部の対向面に前記逆方向の回転に伴って乗り上げ可能な傾斜面を形成してある刈取変速装置。 - 刈取搬送装置への出力軸上に低速側出力用回転体と高速側出力用回転体とを配備するとともに、前記低速側出力用回転体と高速側出力用回転体との間における出力軸上にスライド操作自在な高低変速用の被シフト部材を設け、
前記被シフト部材と、前記低速側出力用回転体及び高速側出力用回転体とのそれぞれの対向面に動力伝達用の歯部を形成し、
前記被シフト部材と高速側出力用回転体とのそれぞれの対向面に形成されている歯部に、原動側の一方向回転を従動側へ伝えるように前記回転方向で互いに係合する係合接当面を形成するとともに、前記原動側の逆方向の回転が従動側へ伝わらないように、互いの歯部の対向面に前記逆方向の回転に伴って乗り上げ可能な傾斜面を形成してある刈取変速装置。 - 出力軸と低速側出力用回転体との間に、被シフト部材と高速側出力用回転体とのそれぞれの対向面に形成された歯部によって伝達される回転方向と同方向の回転を伝達するワンウェイクラッチを介装してある請求項2記載の刈取変速装置。
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Citations (6)
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