JP2009264532A - 車両用ドラムブレーキのブレーキシュー - Google Patents

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Abstract

【課題】ドラムの形状に起因するブレーキ鳴きを抑制し得るブレーキシューを提供する。
【解決手段】円盤部6aと円筒部6bを有するドラム6に押付けられて制動力を発生するブレーキシュー1であって、ライニング2を有し、ライニング2は、頂点Aと頂点Dおよび頂点Bと頂点Cがそれぞれ対角線上に位置する略四角形状である。そして頂点Aまでの距離が他の頂点の距離よりも短くなる任意の点aと、頂点Bまでの距離が他の頂点までの距離よりも短くなる任意の点bと、頂点Cまでの距離が他の頂点までの距離よりも短くなる任意の点cと、頂点Dまでの距離が他の頂点までの距離よりも短くなる任意の点dとした場合に、任意の点a,b,c,dにおけるライニングの硬さは、任意の点aにおける硬さが最も柔らかく、任意の点dにおける硬さが最も硬い。
【選択図】図2

Description

本発明は、ドラムの内周面に押付けられて制動力を発生する車両用ドラムブレーキのブレーキシューに関する。とりわけ材料特性の異なる複数の部分を具備するライニングを具備したブレーキシューに関する。
ブレーキシューは、ドラムブレーキの内周面に対して摺動することで制動力を発生するライニングを有している。ライニングは、通常、同一材料および同一特性を有する一枚の長尺形状に形成される。しかし材料特性の異なる複数の部分を備えるライニングも従来知られている。例えば、長手方向の両端部分とその間の中間部分を異なる材料で構成し、両端部分の摩擦係数を中間部分よりも小さくしたライニングが知られている(特許文献1参照)。これにより緩くブレーキを操作した際のブレーキ鳴きを抑制し、かつ強くブレーキを操作した際のブレーキの効きを確保している。また従来、ライニングの短手方向の両端部分とその間の中間部分を異なる材料で構成し、両端部分の摩擦係数を中間部分よりも小さくしたライニングも知られている(特許文献2、3参照)。これによりブレーキシューの剛性に起因するブレーキ鳴きを抑制している。
特開2005−291219号公報 特開平10−176728号公報 特開平10−274264号公報
しかしブレーキ鳴きは、他の原因でも生じ得る。例えば、ブレーキシューが押付けられるドラムは、通常、円盤状の円盤部と該円盤部の外周に立設する円筒状の円筒部を有しており、円筒部の軸方向の一端に円盤部を固着している。ブレーキ制動時には、この円筒部の内壁にライニングを備えたブレーキシューを押し当てて制動力を発生するので、ブレーキシューの押圧力をドラムの円筒部で受けることになる。したがってドラムの円筒部は、円盤部に固着している軸方向の一端部と、軸方向の他端部とで制動時の変位が異なる。詳しくは、制動時に円筒部の一端部が円盤部に固着していることにより強度が強いのに対し、円筒部の他端部は拡径方向に変位し易くなっている。これが原因でブレーキ鳴きが生じ得ると推定され得る。しかし従来、ドラムの形状に着目したブレーキシューの開発や、ドラムの変位に起因するブレーキ鳴きを抑制するブレーキシューの開発がなされていなかった。そこで本発明は、ドラムの形状に起因するブレーキ鳴きを抑制し得るライニングを有するブレーキシューを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備える車両用ドラムブレーキのブレーキシューであることを特徴とする。すなわち請求項1に記載の発明によると、円筒部と円筒部の軸方向の一端に固着した円盤部とを有し車輪の回転と共に回転するドラムの前記円筒部の内周面に押付けられて制動力を発生する車両用ドラムブレーキのブレーキシューであって、ドラムの内周面に押付けられるライニングを有し、ライニングは、頂点Aと頂点Cおよび頂点Bと頂点Dがそれぞれ対向した略四角形状であり、頂点Aまでの距離が他の頂点B,C,Dまでの距離よりも短くなる任意の点aと、頂点Bまでの距離が他の頂点A,C,Dまでの距離よりも短くなる任意の点bと、頂点Cまでの距離が他の頂点A,B,Dまでの距離よりも短くなる任意の点cと、頂点Dまでの距離が他の頂点A,B,Cまでの距離よりも短くなる任意の点dとした場合に、任意の点a,b,c,dにおけるライニングの硬さは、前記任意の点aにおける硬さが最も柔らかく、前記任意の点dにおける硬さが最も硬くしたことである。
ブレーキシューを上記の構成としたことで、ブレーキ制動時にブレーキシューのライニングがドラムの円筒部の内周面に押付けられる際の強さを、ライニングの硬さによって調節し得る。したがって略四角形状のライニングを4つの領域に区画し、任意の位置の硬度を調節し、最も柔らかい任意の点aの領域と最も硬い任意の点dの領域とをライニングの対角位置に配置し、ライニングが対角方向に捩じれることを許容することでブレーキの鳴きやライニングの偏磨耗を抑制できる。
請求項2に記載の発明によれば、ドラムの形状が起因となるブレーキ鳴きを抑制できる。しかも同時に、ライニングの回入・回出方向(長手方向)の振動を起因とするブレーキ鳴きも抑制できる。前者のメカニズムは、ドラムは、円筒部の軸方向他端側(円盤部が固着されていない側)が軸方向一端側(円盤部が固着されている側)よりも径方向、例えば径拡開方向の変位が大きくなる。これに対してライニングは、変位の大きい円盤部に近い領域が円盤部から遠い領域に比べて柔らかくなっている。そのためドラムの形状に起因するブレーキ鳴きを抑制できる。
後者のメカニズムは、ライニングが制動時に回入側部と回出側部の二箇所でドラムに当った際に不安定な振動が生じ得ることに対応したものである。例えば、強くブレーキを操作する際など、高圧でライニングをドラムに押圧した場合や、ライニングの中央部が両端部よりも多く消耗した場合等において二箇所でドラムに当り、ブレーキシューの不安定振動が生じ得る。これに対してライニングは、回出側部が回入側部よりも硬いため、ライニングとドラム間の圧力は、制動時の傾動支点となるライニングの回出側部が大きくなる。そのため制動時におけるブレーキシューの不安定振動が小さくなり、ブレーキ鳴きが抑制され得る。かくしてドラムの形状に起因するブレーキ鳴きのみならず、回入・回出方向のブレーキシューの不安定振動によるブレーキ鳴きをも同時に抑制できる。
上記効果は、請求項3,4,6に記載の発明においても得ることができる。
さらに請求項5に記載の発明によると、第一〜第四のライニング体のドラムに摺接する摺接面積をA1〜A4、ヤング率をE1〜E4とした際に、
A2≒A3、
0.8≦(E1×A1)/(E2×A2)≦1.2、
0.8≦(E4×A4)/(E2×A2)≦1.2
になるように設定されている。
したがって(E1×A1)、(E2×A2)、(E3×A3)、(E4×A4)がほぼ等しくなるように設定される。これにより第一〜第四のライニング体の磨耗量がほぼ等しくなり、ライニングの偏磨耗が防止され得る。
本発明の実施の形態を図1〜4にしたがって説明する。図1に示すようにドラムブレーキ5は、車体側の部材に取付けられる円盤状のバッキングプレート7と、バッキングプレート7上に移動可能に設けられる一対のブレーキシュー1と、車輪側に取付けられて車輪とともに回転するドラム6を有している。
ブレーキシュー1は、図1,2に示すように三日月状の金属製のウェブ4と、ウェブ4の外周端縁に立設される金属製のリム3を一体に有している。リム3の外周面には、摩擦材であるライニング2が固着されている。ウェブ4は、図1,3に示すようにその中央部がホールドダウン10によってバッキングプレート7に浮き上がり不能でかつ移動可能に取付けられる。ウェブ4は、一端部にホイールシリンダ8に当接するトー部4aを有し、他端部にアンカ9に当接するヒール部4bを有している。
アンカ9は、車体側の部材に固定される部材であって、図1に示すようにヒール部4bの間に突出して、ブレーキシュー1の周方向の移動を規制する。ホイールシリンダ8は、トー部4aの間に突出して車体側に固定される本体部8aと、本体部8aに移動可能に挿入される一対のピストン8bを有している。ピストン8bは、本体部8a内の液圧がブレーキペダルの踏込み操作に連動して上昇することでトー部4aを押して、ブレーキシュー1をドラム6に押付ける。
一対のブレーキシュー1の間には、図1に示すようにリターンスプリング12,13とストラット11が設けられている。リターンスプリング12,13は、トー部4a寄り間とヒール部4b寄り間に取付けられる。したがってブレーキシュー1は、リターンスプリング12,13の付勢力によってドラム6から離れた待機位置に移動する。ストラット11は、ブレーキシュー1とドラム6の隙間を一定大きさに保つために、ライニング2が薄くなった際に全長が伸びる構造を有している。
ドラム6は、図2,3に示すように円盤状の円盤部6aと、円筒状の円筒部6bを一体に有している。円盤部6aは、円筒部6bの軸方向の一端に固着されており、中央孔6a2と複数の取付孔6a1を有している。中央孔6a2は、円盤部6aの略中央に形成されている。複数の取付孔6a1は、円盤部6aの外周寄りにおいて略一定間隔で形成されている。取付孔6a1は、ハブ14に固着されたスタットボルト15に挿通される。スタットボルト15には、図示省略の車輪も取付けられる。したがってドラム6は、車両走行時に車輪とハブ14とともに回転する。図1,3に示すようにドラム6の内周側には、ブレーキシュー1が配設される。ブレーキシュー1のライニング2は、ドラム6の円筒部6bの内周面6b1と対面する。ライニング2は、摩擦材料から成形されており、制動時に円筒部6bの内周面6b1に押付けられて内周面6b1に対して摺動して制動力を発生する。
ライニング2は、図2,4に示すように短冊状であって、リム3に沿って円弧状に成形されている。ライニング2は、展開すると略四角形であって、頂点A〜Dを有している。頂点Aと頂点Dおよび頂点Bと頂点Cは、それぞれ対角線上に位置している。ライニング2は、複数のライニング体2a〜2dから構成されている。ライニング体2a〜2dは、展開するとそれぞれが略四角形であって、円筒部6bに摺接する摺接面積A1〜A4を有している。ライニング体2a〜2dのヤング率E1〜E4と、硬度(HRS)H1〜H4は、式(1)〜(4)を満たすように設定されている。
E1<E2≒E3<E4 つまり H1<H2≒H3<H4・・・(式1)
A1>A2≒A3>A4・・・(式2)
0.8≦(E1×A1)/(E2×A2)≦1.2・・・(式3)
0.8≦(E4×A4)/(E2×A2)≦1.2・・・(式4)
したがって第一のライニング体2aは、最もヤング率が小さく、軟質である(柔らかい)ため、ライニング2の軟質部を構成する。第四のライニング体2dは、最もヤング率が大きく、硬質である(硬い)ため、ライニング2の硬質部を構成する。ライニング体2a〜2dのヤング率等の材料特性は、材料成分を相違させることで調整される。あるいは材料成分が同じでプレス圧を相違させることで調整される。ヤング率E2とE3、および摺接面積A2とA3は、ほぼ等しく設定されており、これらの差が5%以下好ましくは3%以下に設定されている。ヤング率E1〜E4は、さらに(式5)を満たすように設定されることが好ましい。
(E2/E1)≒(E4/E2)=m・・・(式5)
mは、1.1以上、好ましくは1.2以上で、かつ2以下、好ましくは1.5以下に設定される。
ドラム6は、図3,4に示すように車両前進時の制動時において矢印R方向に回転する。この時、第一のライニング体2aは、ドラム6の円筒部6bの回入側でかつ円盤部6aの反対側(図4上左側)の領域に位置する。第二のライニング体2bは、回入側でかつ円盤部6a側(図4上右側)の領域に位置する。第三のライニング体2cは、円筒部6bの回出側でかつ円盤部6aの反対側(図4下左側)の領域に位置する。第四のライニング体2dは、回出側でかつ円盤部6a側(図4下右側)の領域に位置する。
ライニング2は、図4に示すように円筒部6bが回入する回入側縁2eと、回出する回出側縁2fと、円盤部6a側の円盤部側縁2hと、円盤部6aと反対側の円盤部反対側縁2gの四縁を有している。ライニング2は、頂点Aが回入側縁2eと円盤部反対側縁2gの交点となるように配設される。これにより頂点Bは、回入側縁2eと円盤部側縁2hの交点に位置する。頂点Cは、回出側縁2fと円盤部反対側縁2gの交点に位置し、頂点Dは、回出側縁2fと円盤部側縁2hの交点に位置する。
図4に示すように第一と第二のライニング体2a,2bの境界2p1と、第三と第四のライニング体2c,2dの境界2p2は、ほぼ一直線になっている。第一と第三のライニング体2a,2cの境界2q1と、第二と第四のライニング体2b,2dの境界2q2もほぼ一直線になっている。境界2p1,2p2は、回入側縁2eもしくは回出側縁2fを2m1:2m2の比で分断している。2m1は、第一と第三のライニング体2a,2cの短手長さに相当し、2m2は、第二と第四のライニング体2b,2dの短手長さに相当する。境界2q1,2q2は、円盤部反対側縁2gもしくは円盤部側縁2hを2n1:2n2の比で分断している。2n1は、第一と第二のライニング体2a,2bの長手長さに相当し、2n2は、第三と第四のライニング体2c,2dの長手長さに相当する。2m1:2m2と2n1:2n2は、(式5)からいずれもm:1であることが好ましく、mは、1.1以上、好ましくは1.2以上で、かつ2以下、好ましくは1.5以下に設定される。
またライニング2は、頂点Aまでの距離が他の頂点B,C,Dまでの距離よりも短くなる任意の点aと、頂点Bまでの距離が他の頂点A,C,Dまでの距離よりも短くなる任意の点bと、頂点Cまでの距離が他の頂点A,B,Dまでの距離よりも短くなる任意の点cと、頂点Dまでの距離が他の頂点A、B,Cまでの距離よりも短くなる任意の点dとした場合に、任意の点a〜dにおけるライニング2の硬さは、任意の点aにおける硬さが最も柔らかく、任意の点dにおける硬さが最も硬い。
またライニング2は、図4に示すように長手方向と短手方向をそれぞれ二つに等分する中心線2j1,2j2によって四つの領域とした際に、第一の領域2k1は、ドラム6の円筒部6bの回入側でかつ円盤部6aの反対側に位置する。第二の領域2k2は、回入側でかつ円盤部6a側に位置し、第三の領域2k3は、円筒部6bの回出側でかつ円盤部6aの反対側に位置し、第四の領域2k4は、回出側でかつ円盤部6a側に位置する。そして第一〜第四の領域2k1〜2k4の各平均ヤング率は、第一の領域2k1の平均ヤング率が最も小さく、第四の領域2k4の平均ヤング率が最も大きくなるように設定されている。
m=1.2に設定したブレーキシュー1を作成して、ブレーキ鳴きの試験を行った。同時に、通常のブレーキシューに対してもブレーキ鳴きの試験を行った。通常のブレーキシューとしては、全領域において第二のライニング体2bと同じ材料特性を有するライニングを備えるブレーキシューを準備した。ブレーキ鳴きの試験としては、実車にドラムブレーキを搭載して、制動時に生じ得るブレーキ鳴きの測定を行った。その結果、本形態のブレーキシュー1では、測定し得るブレーキ鳴きが発生せず、通常のブレーキシューではブレーキ鳴きが発生した。
以上のようにライニング2は、図2に示すように対角領域において硬さが調節されている。したがってブレーキ制動時にブレーキシュー1のライニング2がドラム6の円筒部6bの内周面6b1に押付けられる際の強さを、ライニング2の硬さによって調節し得る。したがって略四角形状のライニング2を4つの領域に区画し、任意の位置の硬度を調節し、最も柔らかい任意の点aの領域と最も硬い任意の点dの領域とをライニングの対角位置に配置し、ライニング2が対角方向に捩じれることを許容することでブレーキの鳴きやライニング2の偏磨耗を抑制できる。
またライニング2は、図2に示すように左上側の領域(ドラム6の円筒部6bの回入側でかつ円盤部6a側と反対側の領域)において軟質部(2a)を有し、右下側の領域(円筒部6bの回出側でかつ円盤部6a側の領域)において硬質部(2d)を有している。したがってドラム6の形状が起因となるブレーキ鳴きを抑制できる。しかも同時に、ライニング2の回入・回出方向(長手方向)の振動を起因とするブレーキ鳴きも抑制できる。前者のメカニズムは、ドラム6は、円筒部6bの軸方向他端側(円盤部6aが固着されていない側)が軸方向一端側(円盤部6aが固着されている側)よりも径方向、例えば径拡開方向の変位が大きくなる。これに対してライニング2は、変位の大きい円盤部6aに近い領域が円盤部6aから遠い領域に比べて柔らかくなっている。そのためドラム6の形状に起因するブレーキ鳴きを抑制できる。
後者のメカニズムは、ライニング2が制動時に回入側部と回出側部の二箇所でドラム6に当った際に不安定な振動が生じ得ることに対応したものである。例えば、強くブレーキを操作する際など、高圧でライニング2をドラム6に押圧した場合や、ライニング2の中央部が両端部よりも多く消耗した場合等において二箇所でドラム6に当り、ブレーキシュー1の不安定振動が生じ得る。これに対してライニング2は、回出側部が回入側部よりも硬いため、ライニング2とドラム6間の圧力は、制動時の傾動支点となるライニング2の回出側部が大きくなる。そのため制動時におけるブレーキシューの不安定振動が小さくなり、ブレーキ鳴きが抑制され得る。かくしてドラム6の形状に起因するブレーキ鳴きのみならず、回入・回出方向のブレーキシュー1の不安定振動によるブレーキ鳴きをも同時に抑制できる。
換言すると、ライニング2の短手方向の不安定振動と長手方向の不安定振動とを同時に抑制でき、これによってブレーキ鳴きを効果的に抑制できる。なおドラム6の形状およびライニング2の短手方向の不安定振動が起因するブレーキ鳴きは、大型車において特に現れやすい。そのため本形態のブレーキシュー1は、大型車にとりわけ有効である。
また第一〜第四のライニング体2a〜2dは、式(1)〜(4)になるように設定されている。したがって(E1×A1)、(E2×A2)、(E3×A3)、(E4×A4)がほぼ等しくなるように設定されている。これにより第一〜第四のライニング体2a〜2dの磨耗量がほぼ等しくなり、ライニング2の偏磨耗が防止され得る。
また本発明は、上記実施の形態に限定されず、下記の形態等であっても良い。
(1)例えば上記実施の形態のライニング2は、図2,4に示すように複数のライニング体2a〜2dを有しており、これらが別体に形成されていた。しかし複数のライニング体が一体に形成される形態であっても良い。
(2)上記実施の形態のライニング2は、図2,4に示すように四つのライニング体2a〜2dを有していた。しかし三つもしくは五つ以上のライニング体を有しており、ドラムの円筒部の回入側でかつドラムの円盤部側と反対側の領域にヤング率が最も小さい軟質部であるライニング体を有し、円筒部の回出側でかつ円盤部側の領域にヤング率が最も大きい硬質部であるライニング体を有している形態であっても良い。
(3)上記実施の形態のライニング体2a〜2dは、いずれも四角形であったが、この形状に限定されず、例えば楕円形状等であっても良い。
(4)上記実施の形態のライニング2は、図2上左側領域(円筒部6bの回入側でかつ円盤部6a側と反対側の領域)が最も柔らかく、下右領域(円筒部6bの回出側でかつ円盤部6a側の領域)が最も硬い構成になっていた。しかし図2上右領域が最も柔らかく、下左領域が最も硬い構成、あるいは図2下左領域が最も柔らかく、上右領域が最も硬い構成、図2下右領域が最も柔らかく、上左領域が最も硬い構成であっても良い。
ドラムを軸方向に垂直な平面で切断した状態におけるドラムブレーキの正面図である。 ブレーキシューおよびドラムの斜視図である。 図1のIII―III線断面矢視図である。 ブレーキシューの側面図である。
符号の説明
1…ブレーキシュー
2…ライニング
2a…第一のライニング体(軟質部)
2b…第二のライニング体
2c…第三のライニング体
2d…第四のライニング体(硬質部)
2e…回入側縁
2f…回出側縁
2g…円盤部反対側縁
2h…円盤部側縁
2j1,2j2…中心線
2k1〜2k4…領域
3…リム
4…ウェブ
5…ドラムブレーキ
6…ドラム
6a…円盤部
6b…円筒部
6b1…内周面
7…バッキングプレート
8…ホイールシリンダ
9…アンカ


Claims (6)

  1. 円筒部(6b)と該円筒部(6b)の軸方向の一端に固着した円盤部(6a)とを有し車輪の回転と共に回転するドラム(6)の前記円筒部(6b)の内周面(6b1)に押付けられて制動力を発生する車両用ドラムブレーキ(5)のブレーキシュー(1)であって、
    前記ドラム(6)の内周面(6b1)に押付けられるライニング(2)を有し、
    前記ライニング(2)は、頂点Aと頂点Dおよび頂点Bと頂点Cがそれぞれ対角線上に位置する略四角形状であり、
    前記頂点Aまでの距離が前記他の頂点B,C,Dまでの距離よりも短くなる任意の点aと、前記頂点Bまでの距離が前記他の頂点A,C,Dまでの距離よりも短くなる任意の点bと、前記頂点Cまでの距離が前記他の頂点A,B,Dまでの距離よりも短くなる任意の点cと、前記頂点Dまでの距離が前記他の頂点A,B,Cまでの距離よりも短くなる任意の点dとした場合に、前記任意の点a,b,c,dにおけるライニングの硬さは、前記任意の点aにおける硬さが最も柔らかく、前記任意の点dにおける硬さが最も硬いことを特徴とする車両用ドラムブレーキ(5)のブレーキシュー(1)。
  2. 請求項1に記載の車両用ドラムブレーキ(5)のブレーキシュー(1)であって、
    車両前進時の制動時における前記円筒部(6b)の回入側に位置する前記ライニングの回入側縁(2e)と、前記円筒部(6b)の軸方向他端側に位置する前記ライニングの側縁(2g)とによって形成される交点を前記頂点Aとしたことを特徴とする車両用ドラムブレーキ(5)のブレーキシュー(1)。
  3. 円筒部(6b)と該円筒部(6b)の軸方向の一端に固着した円盤部(6a)とを有しかつ車輪の回転と共に回転するドラム(6)の前記円筒部(6b)の内周面(6b1)に押付けられて制動力を発生する車両用ドラムブレーキ(5)のブレーキシュー(1)であって、
    前記ドラム(6)の内周面(6b1)に押付けられるライニング(2)を有し、
    前記ライニング(2)は、車両前進時の制動時における前記ドラム(6)の前記円筒部(6b)の回入側でかつ前記ドラム(6)の前記円盤部(6a)側と反対側の領域において他の領域よりもヤング率の小さい軟質部(2a)を有し、前記円筒部(6b)の回出側でかつ前記円盤部(6a)側の領域において他の領域よりもヤング率の大きい硬質部(2d)を有することを特徴とする車両用ドラムブレーキ(5)のブレーキシュー(1)。
  4. 円筒部(6b)と該円筒部(6b)の軸方向の一端に固着した円盤部(6a)とを有しかつ車輪の回転と共に回転するドラム(6)の前記円筒部(6b)の内周面(6b1)に押付けられて制動力を発生する車両用ドラムブレーキ(5)のブレーキシュー(1)であって、
    前記ドラム(6)の内周面(6b1)に押付けられるライニング(2)を有し、
    前記ライニング(2)は、車両前進時の制動時における前記ドラム(6)の前記円筒部(6b)の回入側でかつ前記ドラム(6)の前記円盤部(6a)の反対側に配設される第一のライニング体(2a)と、前記回入側でかつ前記円盤部(6a)側に配設される第二のライニング体(2b)と、前記円筒部(6b)の回出側でかつ前記円盤部(6a)の反対側に配設される第三のライニング体(2c)と、前記回出側でかつ前記円盤部(6a)側に配設される第四のライニング体(2d)を有し、
    前記第一〜第四のライニング体(2a〜2d)のヤング率をE1〜E4とした際に、
    E1<E2≒E3<E4
    になるように設定されていることを特徴とする車両用ドラムブレーキ(5)のブレーキシュー(1)。
  5. 請求項4に記載の車両用ドラムブレーキ(5)のブレーキシュー(1)であって、
    前記第一〜第四のライニング体(2a〜2d)の前記ドラム(6)に摺接する摺接面積をA1〜A4、ヤング率をE1〜E4とした際に、
    A2≒A3、
    0.8≦(E1×A1)/(E2×A2)≦1.2、
    0.8≦(E4×A4)/(E2×A2)≦1.2
    になるように設定されていることを特徴とする車両用ドラムブレーキ(5)のブレーキシュー(1)。
  6. 円筒部(6b)と該円筒部(6b)の軸方向の一端に固着した円盤部(6a)とを有しかつ車輪の回転と共に回転するドラム(6)の前記円筒部(6b)の内周面(6b1)に押付けられて制動力を発生する車両用ドラムブレーキ(5)のブレーキシュー(1)であって、
    前記ドラム(6)の内周面(6b1)に押付けられるライニング(2)を有し、
    前記ライニング(2)は、長手方向と短手方向をそれぞれ二つに等分した四領域とした際に、前記四領域は、車両前進時の制動時における前記ドラム(6)の前記円筒部(6b)の回入側でかつ前記ドラム(6)の前記円盤部(6a)側と反対側の第一の領域(2k1)と、前記回入側でかつ前記円盤部(6a)側の第二の領域(2k2)と、前記円筒部(6b)の回出側でかつ前記円盤部(6a)側と反対側の第三の領域(2k3)と、前記回出側でかつ前記円盤部(6a)側の第四の領域(2k4)を有し、
    前記第一〜第四の領域(2k1〜2k4)の各平均ヤング率は、前記第一の領域(2k1)の平均ヤング率が最も小さく、前記第四の領域(2k4)の平均ヤング率が最も大きくなるように設定されていることを特徴とする車両用ドラムブレーキ(5)のブレーキシュー(1)。

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