JP2009299775A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コスト高や防振特性の不安定化を招くことなくキャビテーションの衝撃を低減することのできる液体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】主液室6と副液室7とを区画する仕切り部材4を、高弾性樹脂もしくは高弾性熱可塑性エラストマーで構成するとともに、オリフィス8を、仕切り部材4に形成された主液室側に開口する溝19と、溝19を閉塞する閉塞部材13とで構成し、この閉塞部材13を、前記高弾性樹脂もしくは高弾性熱可塑性エラストマーより弾性の低い樹脂または熱可塑性エラストマーで構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、中心部材と、この中心部材の半径方向外側に配置された筒状部材と、これらの部材の間に配設されこれらの部材同士を連結するゴム部材とを具え、前記ゴム部材の軸方向一方側に、前記筒状部材に液密に取り付けられた仕切り部材を配設し、この仕切り部材と前記ゴム部材との間に主液室を形成するとともに、主液室の、前記仕切り部材を挟んだ反対側に膜部材を設けこの膜部材と前記仕切り部材との間に副液室を形成し、前記仕切り部材内に形成したオリフィスを通してこれらの液室を相互に連通させてなる液体封入式防振装置に関し、特に、液中のキャビテーション現象に伴う異音や異常振動を抑えることのできるものに関する。
中心部材と、この中心部材の半径方向外側に軸方向にずれて配置された筒状部材と、これらの部材の間にこれらの部材同士を全周にわたって連結するゴム部材を具え、前記ゴム部材の軸方向一方側に、前記筒状部材に液密に取り付けられた仕切り部材を配設し、この仕切り部材と前記ゴム部材との間に主液室を形成するとともに、主液室の、前記仕切り部材を挟んだ反対側に膜部材を設け仕切り部材と膜部材との間に副液室を形成し、前記仕切り部材内に形成したオリフィスによりこれらの液室を相互に連通させてなる液体封入式防振装置は、従来から知られており、この装置は、中心部材と筒状部材とが軸方向に相対変位する際の振動を、オリフィスを通過する流体の共振作用によって所望の防振性能を付与するよう構成されて、例えば、エンジンを支持しエンジンからの車体側に伝達される振動を低減するのに用いられる。
このような液体封入式防振装置において、急激に大きな振動が入力されると異音や異常振動が発生することが分かっていて、このような異音や振動の問題は、近年において、特に自動車におけるエンジンマウントの小型軽量化や、エンジンを含むパワーユニットの静粛性の向上等に伴って、問題が顕在化してきている。この要因は、大きな振動が入力されると、主液室内のオリフィス入り口を中心に仕切り部材付近に気泡が発生し、発生した気泡が消失する際に発せられるエネルギーが水撃圧となって周囲の壁を振動させることによって異音や異常振動が発生させる、いわゆるキャビテーション現象であることが分かってきている。
そして、このようなキャビテーション現象を有効に抑えることのできる液体封入式防振装置として、気泡を多く発生する付近に位置する仕切り部材を、仕切金具とこの表面に加硫接着された被覆ゴムとで構成し、この被覆ゴムによって水撃圧を減衰緩和するよう構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−204964号公報
しかしながら、上記に説明した従来技術においては、第一に、ゴムを仕切金具に加硫接着して結合されているため、接着剤塗布工程や加硫工程が不可避のものとなり、コストがかかるという問題があり、そのためにはコストダウンのため仕切金具を薄くする必要があるが、この場合仕切り部材としての剛性が低下することに加えて、防振特性に支配的な役割を果たすオリフィスそのものは被覆ゴムだけで構成されているため、防振特性が不安定になるという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、コスト高や防振特性の不安定化を招くことなくキャビテーション現象に起因する異音や異常振動の発生を抑えることのできる液体封入式防振装置を提供することを目的とする。
<1>は、中心部材と、この中心部材の半径方向外側に配置された筒状部材と、これらの部材の間に配置されこれらの部材同士を連結するゴム部材とを具え、前記ゴム部材の軸方向一方側に、前記筒状部材に液密に取り付けられた仕切り部材を配設し、この仕切り部材と前記ゴム部材との間に主液室を形成するとともに、主液室の、前記仕切り部材を挟んだ反対側に膜部材を設けこの膜部材と前記仕切り部材との間に副液室を形成し、前記仕切り部材内に形成したオリフィスを通してこれらの液室を相互に連通させてなる液体封入式防振装置において、
この仕切り部材を高弾性樹脂もしくは高弾性熱可塑性エラストマーで構成するとともに、前記オリフィスを、前記仕切り部材に形成された主液室側に開口する溝と、この溝を閉塞する閉塞部材とで構成し、この閉塞部材を、前記高弾性樹脂もしくは高弾性熱可塑性エラストマーより弾性の低い樹脂または熱可塑性エラストマーで構成してなる体封入式防振装置である。
<2>は、<1>において、仕切り部材の、主液室に面する側に、所定周波数以上の入力に対して選択的に振動して周囲に流路を形成するよう構成されたメンブランを収容するメンブラン収容室を配設するとともに、このメンブラン収容室の底面に副液室に連通する開口部を設けるとともに、前記閉塞部材でメンブラン収容室も閉塞するよう構成し、この閉塞部材に主液室とメンブラン収容室とを連通させる開口部を設けてなる液体封入式防振装置である。
<3>は、<1>もしくは<2>において、前記閉塞部材に穴を形成するとともに、前記仕切り部材にこの穴に係合される突起を設け、この穴に係合させた突起の先端を超音波もしくは熱により溶融して加締めることにより、前記閉塞部材を前記仕切り部材に固定してなる液体封入式防振装置である。
<4>は、<1>もしくは<2>において、前記閉塞部材を、超音波溶着もしくは熱溶着により前記仕切り部材に固定してなる液体封入式防振装置である。
<5>は、<4>において、前記ベースポリマーを、PP(ポリプロピレン)、PPB(ポリフェリニンサルファイド)もしくはPA(ポリアミド)としてなる液体封入式防振装置である。
<6>は、<1>〜<5>のいずれかにおいて、前記主液室から前記仕切り部材内に形成されたオリフィスに通じる、仕切り部材の開口部に、仕切り部材本体から一体的に開口部内に突出する弁体を設け、この弁体を、主液室とオリフィス内の圧力差により弾性変形して、オリフィスの流路の一部を拡縮するよう構成してなる液体封入式防振装置である。
<1>によれば、この仕切り部材を高弾性樹脂もしくは高弾性熱可塑性エラストマーで構成するとともに、前記オリフィスを、前記仕切り部材に形成された主液室側に開口する溝と、この溝を閉塞する閉塞部材とで構成し、この閉塞部材を、前記高弾性樹脂もしくは高弾性熱可塑性エラストマーより弾性の低い樹脂または熱可塑性エラストマーで構成してなるので、キャビテーションによって気泡が多く発生するオリフィス付近で主液室に接している低弾性の閉塞部材により水撃圧を効果的に減衰緩和させることができ、しかも、これを低コストで製作することができる。
<2>によれば、仕切り部材の、主液室に面する側に、所定周波数以上の入力に対して選択的に振動して周囲に流路を形成するよう構成されたメンブランを収容するメンブラン収容室を配設するとともに、このメンブラン収容室の底面に副液室に連通する開口部を設けるとともに、前記閉塞部材でメンブラン収容室も閉塞するよう構成し、この閉塞部材に主液室とメンブラン収容室とを連通させる開口部を設けたので、メンブランの収容室内でメンブランが振動して周囲に当たって発生する異音を効果的に抑えることができる。
<3>によれば、前記閉塞部材に穴を形成するとともに、前記仕切り部材にこの穴に係合される突起を設け、この穴に係合させた突起の先端を超音波もしくは熱により溶融して加締めることにより、前記閉塞部材を前記仕切り部材に固定するので、オリフィスの、上記接合に係る変形を極めて小さく抑えることができる。
<4>によれば、前記閉塞部材を、超音波溶着もしくは熱溶着により前記仕切り部材に固定したので、これらの間の接着を極めて強いものにすることができる。
<5>によれば、前記ベースポリマーを、PP(ポリプロピレン)、PPB(ポリフェリニンサルファイド)もしくはPA(ポリアミド)としたので、仕切り部材を安価なものとすることができ、しかも、成型性がよいので歩留まりも向上させることができる。
<6>によれば、前記主液室から前記仕切り部材内に形成されたオリフィスに通じる、仕切り部材の開口部に、仕切り部材本体から開口部内に突出する弁体を設け、この弁体を、主液室とオリフィス内の圧力差により弾性変形して、オリフィスの流路の一部を拡縮するよう構成したので、主液室が急激に圧力上昇したとき、弁体が弾性変形してオリフィスの流路を狭めるので、主液室の液量の変化を抑え、キャビテーションの原因となる、リバウンド時の主液室の液圧低下(負圧)を抑えることができ、しかも、この弁体を、仕切り部材本体と一体的に構成したので、コストの点および、これを金属で構成した場合に対比して異音の発生を防止することができる。
本発明の実施形態について図に基づいて説明する。図1は、この実施形態の液体封入式防振装置をその中心軸を通る断面において示す断面図であり、液体封入式防振装置10は、中心に位置する中心部材1と、中心部材1の半径方向外側に配置された筒状部材2と、これらの部材1、2の間にこれらの部材1、2同士を連結するゴム部材3とを具え、ゴム部材3の軸方向一方側に、筒状部材2に液密に取り付けられた仕切り部材4を配設し、仕切り部材4とゴム部材3との間に主液室6を形成するとともに、主液室6の、仕切り部材4を挟んだ反対側に膜部材5を設け膜部材5と仕切り部材4との間に副液室7を形成し、仕切り部材4内に形成したオリフィス8を通してこれらの液室6、7を相互に連通させて構成されていて、中心部材1と筒状部材2との軸方向の相対変位に対してオリフィス8を通過する液体の共振作用によって所望の防振性能を得ることができる。
図2は、仕切り部材4を示す断面図であり、また、図3は、その平面図であり、本発明はその特徴として、仕切り部材4が、高弾性樹脂もしくは高弾性熱可塑性エラストマーで構成されているとともに、オリフィス8が、仕切り部材4に形成された主液室側に開口する溝19と、この溝19を閉塞する閉塞部材13とで構成され、この閉塞部材13が、前記高弾性樹脂もしくは高弾性熱可塑性エラストマーより弾性の低い樹脂または熱可塑性エラストマーで構成されていて、この構成により、キャビテーションによって、主液室6のオリフィス8付近で多く発生する気泡に対して、それらが消滅する際の水撃圧を、低弾性の閉塞部材によって効果的に減衰緩和させることができ、しかも、これを低コストで製作することができる。
さらに、オリフィス8は、剛性の高い仕切り部材4の溝として形成されているので、その形状の変形を抑えることができ、防振特性が安定化するという効果ももたらすことができる。なお、図3において、18は、主液室6からオリフィス8へ通じる開口部を示す。
上記のような液体封入式防振装置10において、振動入力が所定周波数以上となった場合には、液体の粘性による応答遅れによってオリフィス8を通過させて主液室6と副液室7との間で液を移動させることができないので、高周波領域の振動入力に対しても液の移動を可能にするため、仕切り部材4の副液室7に面する側に、副液室7との間で液の連通を許容する開口部12を有するメンブラン収容室9を形成しそこにメンブラン11を収容するのが好ましく、さらには、メンブラン11を収容した状態でメンブラン収容室9を閉塞部材13で閉止するとともに、閉塞部材13に、主液室6とメンブラン収容室9との液の連通を許容する開口穴14を形成するのが好ましい。
このように配設されたメンブラン11は、例えば板状のゴム材料で形成されていて、所定周波数以上の高周波入力に対して振動し、メンブラン11とメンブラン収容室9の底面との間や、メンブラン11と閉塞部材13との間に、振動しない状態においては形成されない隙間を形成するので、このことによって、閉塞部材13の開口部14から、メンブラン11の外周面とメンブラン収容室9の内周面との間の隙間15を経由して、メンブラン11の底面の開口部12まで至る流路が形成され、主液室6と副液室7との間で液体が移動できるようになり、このことによって、高周波領域においても良好な防振特性を得ることができる。
ここで、仕切り部材4への閉塞部材13の固定は、仕切り部材4の、閉塞部材13を受ける面の複数箇所に突起23を骨格部21ち同じ材料で一体的に形成し、一方、閉塞部材13に突起23を通す貫通穴25を形成しておき、突起23を貫通穴25に差し込んだあと、突起23の先端24を超音波もしくは熱によって溶融して加締めることによって固定するのが好ましく、簡易にしかも、仕切り部材4を変形させることなく閉塞部材13を仕切り部材4に取り付けることができる。
また、仕切り部材4への閉塞部材13の、上記とは別の固定方法として、仕切り部材4と閉塞部材13とを構成する樹脂のベースポリマーを同一のものとし(もしくは異なるものでもかまわないが)、超音波溶着もしくは熱溶着により行うのも好ましく、この場合、ベースポリマーとして、PP(ポリプロピレン)、PPB(ポリフェリニンサルファイド)もしくはPA(ポリアミド)とするのが好ましい。
図4は、実施形態の変形例について、実施形態の図3に対応して示す、仕切り部材の平面図であり、図5は、通常状態における、その開口部付近を示す平面図およびその断面図、図6は、主液室の圧力が高まった状態における開口部付近を示す平面図およびその断面図であり、主液室6からオリフィス8に通じる仕切り部材4Aの開口部18Aに、仕切り部材4Aから突出した弁体16が、仕切り部材4Aと一体的に形成されて設けられており、通常は、弁体16以外の開口部分を通過して液が出入りするようになっているが、オリフィス8内に対比して主液室6の圧力が急激に高まったとき、その差圧によって弁体16が弾性変形し、弁体16は、図6に示すようにオリフィス8の流路の幅方向中央部分を閉じてその流路を狭めることができるよう構成されており、これによって、主液室の液量の変化を抑え、キャビテーションの原因となる、リバウンド時の主液室の液圧低下(負圧)を抑えるのに寄与することができる。
なお、図中、符号17は、オリフィス8から副液室7に通じる開口部を示す。
本発明に係る液体封入式防振装置は、自動車のエンジンマウントやボディマウントとして用いることができる。
本発明に係る実施形態の液体封入式防振装置を示す断面図である。 仕切り部材を示す断面図である。 仕切り部材を示す平面図である。 本発明に係る実施形態の変形例の液体封入式防振装置の仕切り部材を示す平面図である。 実施形態の変形例の仕切り部材の開口部付近を、通常状態において示す平面図および断面図である。 実施形態の変形例の仕切り部材の開口部付近を、主液室の圧力が高まった状態ににおいて示す平面図および断面図である。
符号の説明
1 中心部材
2 筒状部材
3 ゴム部材
4、4A 仕切り部材
5 膜部材
6 主液室
7 副液室
8 オリフィス
9 メンブラン収容室
10 液体封入式防振装置
11 メンブラン
12 メンブラン収容室に形成された開口部
13 閉塞部材
14 閉塞部材に形成された開口部
15 メンブランの外周面とメンブラン収容室の内周面との間の隙間
16 弁体
17 開口部
18、18A 開口部
19 溝
23 仕切り部材の突起
24 突起の先端
25 閉塞部材の貫通穴

Claims (6)

  1. 中心部材と、この中心部材の半径方向外側に配置された筒状部材と、これらの部材の間に配置されこれらの部材同士を連結するゴム部材とを具え、前記ゴム部材の軸方向一方側に、前記筒状部材に液密に取り付けられた仕切り部材を配設し、この仕切り部材と前記ゴム部材との間に主液室を形成するとともに、主液室の、前記仕切り部材を挟んだ反対側に膜部材を設けこの膜部材と前記仕切り部材との間に副液室を形成し、前記仕切り部材内に形成したオリフィスを通してこれらの液室を相互に連通させてなる液体封入式防振装置において、
    この仕切り部材を高弾性樹脂もしくは高弾性熱可塑性熱可塑性エラストマーで構成するとともに、前記オリフィスを、前記仕切り部材に形成された主液室側に開口する溝と、この溝を閉塞する閉塞部材とで構成し、この閉塞部材を、前記高弾性樹脂もしくは高弾性熱可塑性エラストマーより弾性の低い樹脂または熱可塑性エラストマーで構成してなる体封入式防振装置。
  2. 仕切り部材の、主液室に面する側に、所定周波数以上の入力に対して選択的に振動して周囲に流路を形成するよう構成されたメンブランを収容するメンブラン収容室を配設するとともに、このメンブラン収容室の底面に副液室に連通する開口部を設けるとともに、前記閉塞部材でメンブラン収容室も閉塞するよう構成し、この閉塞部材に主液室とメンブラン収容室とを連通させる開口部を設けてなる請求項1に記載の液体封入式防振装置。
  3. 前記閉塞部材に穴を形成するとともに、前記仕切り部材にこの穴に係合される突起を設け、この穴に係合させた突起の先端を超音波もしくは熱により溶融して加締めることにより、前記閉塞部材を前記仕切り部材に固定してなる請求項1もしくは2に記載の液体封入式防振装置。
  4. 前記閉塞部材を、超音波溶着もしくは熱溶着により前記仕切り部材に固定してなる請求項1もしくは2に記載の液体封入式防振装置。
  5. 前記ベースポリマーを、PP(ポリプロピレン)、PPB(ポリフェリニンサルファイド)もしくはPA(ポリアミド)としてなる請求項4に記載の液体封入式防振装置。
  6. 前記主液室から前記仕切り部材内に形成されたオリフィスに通じる、仕切り部材の開口部に、仕切り部材本体から一体的に開口部内に突出する弁体を設け、この弁体を、主液室とオリフィス内の圧力差により弾性変形して、オリフィスの流路の一部を拡縮するよう構成してなる請求項1〜5のいずれかに記載の液体封入式防振装置。
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