JP2010146839A - 非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱寸法安定性の向上した耐熱性多孔質層を有し、耐熱性やシャットダウン機能等に優れたセパレータを提供すること。
【解決手段】主として熱可塑性樹脂にて形成されシャットダウン機能を有する微多孔膜の片面又は両面を、ポリイミド微粒子を含む耐熱性多孔質層で被覆することを特徴とする非水系二次電池用セパレータ。得られたセパレータは、耐熱性、シャットダウン機能に加えて、優れた熱寸法安定性を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は非水系二次電池用セパレータに関し、特に、非水系二次電池用セパレータの構成要素である、耐熱性多孔質層の熱寸法安定性の向上に関するものである。
非水電解質電池、特に、リチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池は、高エネルギー密度であり、携帯電話・ノートパソコンといった携帯用電子機器の主電源として広範に普及している。このリチウムイオン二次電池は、更なる高エネルギー密度化が求められているが、安全性の確保が技術的な課題となっている。リチウムイオン二次電池の安全性確保においてセパレータの役割は重要であり、シャットダウン機能を有するという観点から、現状ではポリオレフィン、特にポリエチレン微多孔膜が用いられている。ここで、シャットダウン機能とは、電池の温度が上昇したときに、微多孔膜の孔が閉塞し電流を遮断する機能のことを言い、電池の熱暴走を食い止める働きがある。
一方、リチウムイオン二次電池は、年々高エネルギー密度化がなされており、安全性確保のためシャットダウン機能に加えて耐熱性も要求されてきている。しかしながら、シャットダウン機能は、ポリエチレンの溶融による孔の閉塞をその作動原理としているので耐熱性と相反するものである。このため、シャットダウン機能が作動した後、さらに電池がシャットダウン機能が作動する温度以上に曝され続けることで、セパレータの溶融(いわゆるメルトダウン)が進行してしまう場合がある。このメルトダウンの結果、電池内部で短絡が生じ、これに伴って大きな熱が発生してしまい、電池は発煙・発火・爆発といった危険に曝されることになる。このため、セパレータにはシャットダウン機能に加えて、シャットダウン機能が作動する温度近傍でメルトダウンが生じない程度の、十分な耐熱性が要求される。
この点において、従来、耐熱性とシャットダウン機能を両立させるために、ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面(表面と裏面)を耐熱性多孔質層で被覆したり、耐熱性繊維からなる不織布を積層させるという技術が提案されている。例えば、ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面にポリイミド等からなる耐熱性多孔質膜を積層した非水電解質電池セパレータが知られている(特許文献1〜4参照)。
このような非水電解質電池セパレータは、ポリエチレンの融点近傍(140℃程度)でシャットダウン機能が作動すると共に、耐熱性多孔質層が十分な耐熱性を示すことにより200℃以上においてもメルトダウンが発生しないため、優れた耐熱性及びシャットダウン機能を発揮する。しかしながら、かかる耐熱性多孔質層の成分であるポリイミドの熱寸法安定性としては十分ではなく、更なる熱寸法安定性の向上が望まれていた。
特開2006−155914号公報 特開2006−164873号公報 特開2006−348280号公報 特開2007−335166号公報
そこで、本発明は、熱寸法安定性の向上した耐熱性多孔質層を有し、耐熱性やシャットダウン機能等に優れたセパレータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。
(1) 熱可塑性樹脂にて形成されシャットダウン機能を有する微多孔膜と、この微多孔膜の片面又は両面に積層された耐熱性多孔質層と、を含む非水系二次電池用セパレータであって、前記耐熱性多孔質層は、ポリイミド微粒子と、無機フィラーと、耐熱性の有機バインダと、を含んで構成されていることを特徴とする非水系二次電池用セパレータ。
(2) 前記耐熱性多孔質層において、前記ポリイミド微粒子は0.01〜20重量%、前記無機フィラーは50〜95重量%、前記有機バインダは4.99〜49.99重量%含まれていることを特徴とする上記(1)に記載の非水系二次電池用セパレータ。
(3) 前記ポリイミド微粒子が、繊維径が0.5nm〜50nmであり、かつ、繊維長が繊維径の5倍以上の繊維状であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の非水二次電池用セパレータ。
(4) 前記ポリイミドが、下記式(1)で示されるパラフェニレンピロメリットイミドの繰り返し単位を主成分とすることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の非水二次電池用デパレータ。
Figure 2010146839
(5) 前記有機バインダが、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドからなる群から選ばれる1種又は2種以上のものであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の非水二次電池用セパレータ。
(6) 前記芳香族ポリアミドが、メタ型全芳香族ポリアミドであることを特徴とする上記(5)記載の非水系二次電池用セパレータ。
(7) 前記非水系二次電池用セパレータが、リチウムイオン二次電池用セパレータであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
(8) リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池において、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータを用いることを特徴とする非水系二次電池。
本発明によれば、熱寸法安定性の向上した耐熱性多孔質層を有し、耐熱性やシャットダウン機能等に優れたセパレータを提供することができる。かかるセパレータは、例えば、リチウムイオン二次電池等の非水系二次電池の性能を向上させるのに有効である。
[非水系二次電池用セパレータ]
本発明は、熱可塑性樹脂にて形成されシャットダウン機能を有する微多孔膜と、この微多孔膜の片面又は両面に積層された耐熱性多孔質層と、を含む非水系二次電池用セパレータであって、前記耐熱性多孔質層は、ポリイミド微粒子と、無機フィラーと、耐熱性の有機バインダと、を含んで構成されていることを特徴とする非水系二次電池用セパレータである。
このような本発明の非水系二次電池用セパレータは、シャットダウン機能を有する微多孔膜を被覆している耐熱性多孔質層を、ポリイミド微粒子と、無機フィラーと、耐熱性の有機バインダとを含有させて構成したことにより、耐熱性およびシャットダウン機能に加えて、優れた熱寸法安定性を有する。また、非水系二次電池においては、電極の耐酸化性が電池そのものの耐久性に影響を及ぼすことが知られているが、ポリイミド微粒子は酸素指数が高く耐酸化性が高いため、本発明の非水系二次電池用セパレータを用いることで非水系二次電池の耐久性を改善することが可能となる。
本発明において、耐熱性多孔質層に含まれるポリイミド微粒子の形状は、特に限定されるものではないが、繊維状であることが好ましい。繊維状のポリイミド微粒子としては、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察した際の短軸の長さである繊維径が0.5〜50nmであり、かつ、繊維長が繊維径の5倍以上の繊維状であるものが好ましい。繊維径は、1〜40nmがさらに好ましく、特に2〜35nmが好ましい。繊維径を0.5nm以上とすることで、ポリイミド分子が完全に分子分散せずに、部分凝集して微粒子の構造を形成するようになり、熱寸法安定性を向上させることができる。また、繊維径を50nm以下にすることで、耐熱性多孔質層においてポリイミド微粒子が良好に分散するようになる。また、繊維長を繊維径の5倍以上とすることで、熱寸法安定性を向上させることができる。
本発明のポリイミド微粒子は、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が濃度0.05〜30重量%の状態で酸無水物を用いてイミド化することにより製造可能である。このようなポリイミドとしては、下記式(1)で示されるパラフェニレンピロメリットイミドの繰り返し単位を主成分とするものが好ましい。
Figure 2010146839
パラフェニレンピロメリットイミドは、非常に剛直な構造を有するが故、パラフェニレンピロメリットイミドの重合単位を多く含有するほど結晶性が向上しポリイミド微粒子を形成しやすくなる。高い熱寸法安定性を発現するためには、パラフェニレンピロメリットイミドの重合単位の含有量としては、好ましくは50モル%以上であり、さらに好ましくは55モル%以上である。55モル%未満であればその結晶性が損なわれ、本発明のポリイミド微粒子を形成するのが困難となることがある。
ピロメリット酸およびパラフェニレンジアミン以外の構成の成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記式(2)で示される酸無水物および下記式(3)で示されるジアミンを使用することができる。なお、式(2)中、R1は少なくとも4価の有機基を表す。また、式(3)中、R2は脂肪族もしくは芳香族一般を表す。
Figure 2010146839
Figure 2010146839
式(2)に示した酸無水物の具体例としては、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−チオフェンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,6,7−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,9,10−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ピリジン二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、等が挙げられるが、これに限られるものではない。
式(3)に示したジアミンの具体例としては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノアントラセン、2,7−ジアミノアントラセン、1,8−ジアミノアントラセン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノ(m−キシレン)、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノトルエンベンジジン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、1,4−ビス(3−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)アミンビス(4−アミノフェニル)−N−メチルアミンビス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミンビス(4−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、1,1−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等を例示することができる。これらは単独で用いてもよいが複数用いてもよい。
ポリアミド酸の重合体は、溶液中ジアミンと酸との反応から得られる。ポリアミド酸の重合に際しては酸成分として主たる成分すなわち55モル%以上をピロメリット酸二無水物として用いる。55モル%以下の場合、目的とする高弾性率を発揮するポリイミドフィラーを得ることが困難である。その他の酸成分としては先述のとおりである。ジアミン成分としては、50モル%以上のパラフェニレンジアミンを用いる。50モル%未満の場合、目的とする熱寸法安定性を発現するポリイミド微粒子を得ることが困難である。好ましくは55モル%以上のパラフェニレンジアミンを用いる。その他のジアミン成分として先述のとおりである。
またポリアミド酸を重合する際の溶媒としてはポリアミック酸を分解することなく良好に溶解するものであれば何でもよく、具体例としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド系の非プロトン性極性溶媒、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチルウレア、1,3−ジプロピルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチルスルホン、などの非プロトン性極性溶媒、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン,4−ピコリン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,6−ルチジン、などの複素芳香族化合物、クレゾール類、エチレングリコール、テトラメチレングリコールなどのジオール類などが挙げられる。
なおこれらの溶媒は四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの有機ハロゲン化物、ベンゼン、トルエン、ベンゾニトリル、キシレン、ソルベントナフサ、およびジオキサンのような他の溶媒と混合して使用することもできる。
この発明におけるポリアミド酸を得るためには前記の有機溶媒中、ジアミンの使用量を、酸無水物のモル数に対する比を制御することによりその分子量をコントロールすることが可能となる。好ましいモルバランスとしては酸無水物成分1モルに対して、ジアミン成分0.6〜1.4モルである。0.6モル以下もしくは1.4以下の場合モルバランスが大きく崩れており分子量が低すぎて繊維状態を形成しにくいことがある。
このポリマーにおいてポリマーの末端を封止するために、ポリイミドの重合に対して1官能性基として作用する化合物を使用することが好ましい。酸成分としては、炭素数8〜20の酸無水物の構造を1つだけ有する酸無水物、例えば、無水フタル酸およびその置換体、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびその置換体、無水コハク酸およびその置換体、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物およびその置換体、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物およびその置換体などを例示することができる。アミン成分としては炭素数1〜20のアミノ基を1つだけ有する化合物、例えば、メチルアミン、アニリン、シクロヘキシルアミン、アミノジフェニル、アミノナフタレンおよびその置換体が挙げられる。
重合時の濃度としては、0.05〜30重量%が好ましい。重合時の濃度が0.05重量%以下の場合には、溶媒除去に多くのコストがかかったり、生産性が低くなるために好ましくない。30重量%以下とすることで重合時の急激な発熱を抑制させることが可能となるため好ましい。重合時の濃度としては0.05〜20重量%が好ましく、0.05〜10重量%がさらに好ましい。
また重合反応温度としては−10〜50℃が好ましく、さらに好ましくは−10〜30℃である。低温で反応させることにより、加水分解による分子量の低下、また末端封鎖の不完全を抑制することが可能となるが、温度が低すぎる場合にはモノマーの溶解度、得に酸無水物の溶解性が高くないため、反応が進行しない場合がある。
こうして得られたポリアミド酸溶液に脱水縮合剤を添加することで溶液中イミド化を行う。
この時縮合剤としては、無水酢酸、無水安息香酸、トリフルオロ酢酸二無水物といった酸無水物;ホスゲン、塩化チオニル、塩化トシル、塩化ニコチル等の塩化物;三塩化リン、亜リン酸トリフェニル、ジエチルリン酸シアニドのようなリン化合物;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドのようなN,N’−2置換カルボジイミドといった縮合剤上げることができる。脱水縮合剤の使用量は、ポリアミド酸を十分にイミド化する量であればよい。アミド酸結合1モルに対して、0.8モル〜50モルであり、好ましくは、0.9モル〜30モルであり、さらに好ましくは、1モルから10モルである。
また脱水縮合反応に際してアミン触媒を用いてもよい。アミン触媒としてはまたさらに縮合反応の進行を容易にするために、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミンといった三級脂肪族アミン;N,N−ジメチルアニリン、1,8−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ナフタレンの如き芳香族アミン、ピリジン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、N,Nージメチルアミノピリジンの如き複素環式化合物が反応促進剤として挙げられる。例えばトリエチレンジアミンアミン、N,N−ジメチルアミノピリジンを用いた場合溶液中でのイミド化を早くすることが可能である。触媒の添加量としては特に規定するものではないが脱水縮合剤に対して0.005モル等量%〜100モル等量%である。
脱水縮合反応時のポリアミド酸濃度としては0.05〜30重量%であることが好ましい。反応時の濃度が0.05重量%以下の場合には、生産性が低くなるために好ましくない。30重量%以下とすることで分子鎖の絡まりを抑制し、繊維状ポリイミド微粒子を作成することが可能となる。反応時の濃度としては0.05〜20重量%が好ましく、0.05〜10重量%がさらに好ましい。
脱水縮合剤とポリアミド酸の反応温度としては十分に反応が進行する温度範囲であればよく特に規定するものではないが概ね−10〜220℃である。またこの際十分に分散させることが好ましい。分散方法としては特に規定するものではないが高速攪拌・超音波処理・高せん断の分散設備などを利用してもよい。こうして耐熱性多孔質層の熱寸法安定性といった諸物性向上に有効なポリイミド微粒子が得られる。
こうして得られたポリイミド微粒子は単離して、耐熱性多孔質層に使用することが可能である。また溶液の状態のままで有機バインダおよび無機フィラーを混合してもよい。
本発明の非水系二次電池用セパレータにおいて、耐熱性多孔質層中におけるポリイミド微粒子、無機フィラーおよび耐熱性の有機バインダの含有量は特に限定されるものではないが、耐熱性多孔質層において、ポリイミド微粒子が0.01〜20重量%、無機フィラーが50〜95重量%、有機バインダが4.99〜49.99重量%含まれていることが好ましい。ポリイミド微粒子は、少量の含有率でも飛躍的に熱寸法安定性を向上することができ、0.01重量%含まれていればその効果が得られるようになる。一方、ポリイミド微粒子の含有量が20重量%を超えると、密着性が低下するため好ましくない。また、無機フィラーの含有量が50重量%未満の場合も熱寸法安定性が低下するため好ましくない。一方、無機フィラーの含有量が95重量%を超える場合、耐熱性多孔質層の強度が不足し、粉落ちなどが発生しやすくなるため好ましくない。また、有機バインダの含有量が4.99重量%未満であると、粉落ちなどが発生しやすくなるため好ましくない。一方、有機バインダの含有量が49.99重量%を超えると、ポリイミド微粒子および無機フィラーを所望量添加できなくなるため好ましくない。
本発明における無機フィラーとしては、例えば金属水酸化物、金属酸化物、金属窒化物、炭酸塩、硫酸塩、粘土鉱物等が挙げられる。金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム、水酸化ジルコニウム、水酸化ニッケル、水酸化ホウ素、ベーマイト等、金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、 酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化錫、酸化鉄等、金属窒化物としては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタニウム等、炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等、硫酸塩としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等、粘土鉱物としては、ケイ酸カルシウム、タルク、マイカ、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト、ベントナイト、ゼオライト、セピオライト、カオリン、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、バイデライト等が挙げられ、もしくはこれらの2種以上の組合せが挙げられる。
本発明のセパレータ構成において、耐熱性多孔質層はセパレータに耐熱性を付与する機能があるが、この層に前記のような無機フィラーを添加することで、高温時の短絡防止や寸法安定性といった観点から耐熱性多孔質層の耐熱性をより向上させることができる。また、一般的に耐熱性多孔質層で被覆したセパレータは、この耐熱層が強く静電気を帯びる傾向にあり、このような観点からハンドリング性が好ましくないことが多い。ここにおいて、耐熱性多孔質層に金属水酸化物等の無機フィラーを添加した場合は、帯電した電荷の減衰が速くなるため、帯電を低いレベルに保つことが可能となり、ハンドリング性が改善される。このような理由から、耐熱性多孔質層中へこのような無機フィラーを添加することは好適である。
本発明では前記耐熱性多孔質層において無機フィラーの平均粒子径は特に限定されるものではないが、0.1〜1μmの範囲が好ましい。無機フィラーの平均粒子径が1μmを超えると、耐熱性多孔質層の高温時の耐短絡性が低下し好ましくない。更に、耐熱性多孔質層を適切な厚みで成形する上で支障をきたすといった不具合もある。また、無機フィラーの平均粒子径が0.1μmより小さくなると、塗膜強度が低下し粉落ちの課題が生じるだけでなく、このように小さいものを用いることは、コスト上の観点から実質的に困難である。
本発明における耐熱性多孔質層には、耐熱性多孔質層の強度、形態保持等の観点から、耐熱性の有機バインダを含有させる必要がある。このような有機バインダとしては、融点200℃以上のポリマーあるいは融点を有しないが分解温度が200℃以上のポリマーが適当であり、好ましくは、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドからなる群から選ばれる1種又は2種以上のものである。特に、耐高温酸化性及び耐久性の観点から芳香族ポリアミドが好適であり、多孔質層を形成し易いという観点から、ポリメタフェニレンイソフタルアミド等のメタ型全芳香族ポリアミドが更に好適である。
本発明において、耐熱性多孔質層とは、内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となった層を意味する。この耐熱性多孔質層の空孔率は、60〜90%の範囲が好適である。耐熱性多孔質層の空孔率が90%を超えると、耐熱性が不十分となる傾向にあり好ましくない。また、60%より低いとサイクル特性や保存特性、放電性が低下する傾向となり好ましくない。なお、有機バインダは、主として、即ち、約90重量%以上が前記のようなポリマーからなるものであれば良く、約10重量%以下の、電池特性に影響を与えない他の成分を含んでいても良い。
本発明において微多孔膜に用いられる熱可塑性樹脂としては、融点200℃未満の熱可塑性樹脂が適当であり、好ましくはポリオレフィンであり、特に好ましいのは、ポリエチレンである。本発明で用いられるポリエチレンは、特に限定されるものではないが、高密度ポリエチレンや、高密度ポリエチレンと超高分子量ポリエチレンの混合物が好適である。また、例えば、ポリエチレン以外に、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等の他のポリオレフィンを混合して用いても良い。微多孔膜とは、内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となった膜を意味する。なお、微多孔膜は、主として、即ち、約90重量%以上が熱可塑性樹脂からなるものであれば良く、約10重量%以下の、電池特性に影響を与えない他の成分を含んでいても良い。
ポリエチレン等の微多孔膜の膜厚は、5μm以上であることが好ましい。この微多孔膜の膜厚が5μmより薄いと、引張強度や突刺強度といった機械物性が不十分となり好ましくない。また、耐熱性多孔質層の厚みは2μm以上が好適である。耐熱性多孔質層の厚みが2μmより薄くなると十分な耐熱性を得ることが困難となる。
微多孔膜の空孔率は20〜60%のものが好ましい。微多孔膜の空孔率が20%未満となると、セパレータの膜抵抗が高くなり過ぎ、電池の出力を顕著に低下させるため好ましくない。また、60%を超えると、シャットダウン特性の低下が顕著となり好ましくない。この微多孔膜の透気度を示すガーレ値(JIS・P8117)は、10〜500sec/100ccが好ましい。微多孔膜のガーレ値が500sec/100ccより高いと、イオン透過性が不十分となりセパレータの抵抗が高くなるという不具合が生じる。微多孔膜のガーレ値が10sec/100ccより低いと、シャットダウン機能の低下が著しく実用的でない。
本発明において前記耐熱性多孔質層は、前記微多孔膜の少なくとも一方の面に形成すればよいが、ハンドリング性、耐久性及び熱収縮の抑制効果の観点から、表裏両面に形成した方がより好ましい。
本発明の非水系二次電池用セパレータの膜厚は30μm以下が好ましく、さらに25μm以下が好ましい。セパレータの膜厚が30μmを超えると、これを適用した電池のエネルギー密度や出力特性が低下し好ましくない。非水系二次電池用セパレータの物性としては、ガーレ値(JIS・P8117)が10〜1000sec/100cc、好ましくは100〜400sec/100ccである。ガーレ値が10sec/100cc未満である場合は、微多孔膜のガーレ値が低過ぎ、シャットダウン機能の低下が著しく実用的でない。ガーレ値が1000sec/100ccを超えると、イオン透過性が不十分となり、セパレータの膜抵抗が増加して電池の出力低下を招くという不具合が生じる。膜抵抗は0.5〜10ohm・cm、好ましくは1〜5ohm・cmである。突き刺し強度は10〜1000g、好ましくは200〜600gの範囲のものである。
[非水系二次電池用セパレータの製造方法]
本発明の非水系二次電池用セパレータの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の(i)〜(iv)の工程を経て製造することが可能である。即ち、(i)有機バインダの水溶性有機溶剤溶液に、ポリイミド微粒子及び無機フィラーを分散させ、塗工用スラリーを作製する工程と、(ii)得られた塗工用スラリーを、主としてポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜の片面又は両面に塗工する工程と、(iii)塗工された前記微多孔膜を、水又は水と前記有機溶剤の混合液からなる凝固液中に浸漬して有機バインダを凝固させる工程と、(iv)この凝固工程後の前記微多孔膜を、水洗し乾燥する工程と、を実施することからなる製造方法である。
前記工程(i)において、水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、有機バインダの良溶媒が好ましい。具体的には極性溶剤が好ましく、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。また、これらの極性溶剤に有機バインダに対して貧溶剤となる溶剤も、一部混合して用いることもできる。このような溶剤を適用することで、ミクロ相分離構造が誘発され、耐熱性多孔質層を形成する上で多孔化が容易となる。貧溶剤としては、アルコールの類が好適であり、特にグリコールのような多価アルコールが好適である。
工程(ii)では、微多孔膜の少なくとも一方の表面に、耐熱性多孔質層を形成する塗工液を塗工する。本発明においては、微多孔膜の両面に塗工するのが好ましい。塗工液の濃度は4〜9重量%が好ましい。塗工する方法は、ナイフコーター法、グラビアコーター法、スクリーン印刷法、マイヤーバー法、ダイコーター法、リバースロールコーター法、インクジェット法、スプレー法、ロールコーター法などが挙げられる。塗膜を均一に塗布するという観点において、特にリバースロールコーター法が好適である。より具体的には、例えば、ポリエチレン微多孔膜の両面に耐熱性多孔質層を形成する塗工液を塗工する場合は、一対のマイヤーバーの間を通してポリエチレン微多孔膜の両面に過剰に塗工液を塗布し、これを一対のリバースロールコーターの間を通し、過剰な塗工液を掻き落すことで精密計量するという方法が挙げられる。
工程(iii)では、塗工された微多孔膜を、有機バインダを凝固させることが可能な凝固液中に浸漬することで、有機バインダを凝固させ、多孔質層を成形する。凝固の方法としては、凝固液をスプレーで吹き付ける方法や、凝固液の入った浴(凝固浴)中に浸漬する方法などが挙げられる。凝固液は、有機バインダを凝固できるものであれば特に限定されないが、水又は塗工液に用いた有機溶剤に、水を適当量混合させたものが好ましい。ここで、水の混合量は凝固液に対して40〜80重量%が好適である。水の量が40重量%より少ないと、有機バインダを凝固するのに必要な時間が長くなったり、凝固が不十分になるという問題が生じる。また、80重量%より多いと溶剤回収においてコスト高となったり、凝固液と接触する表面の凝固が速すぎ、表面が十分に多孔化されないという問題が生じる。
工程(iv)は、工程(iii)に引き続き、得られたセパレータから水洗で凝固液を除去し、次いで乾燥する工程である。乾燥方法は特に限定されないが、乾燥温度は50〜80℃が適当であり、高い乾燥温度を適用する場合は、熱収縮による寸法変化が起こらないようにするために、ロールに接触させるような方法を適用することが好ましい。
[非水系二次電池]
上述した本発明の非水系二次電池用セパレータは、公知のいかなる構成の非水系二次電池にも適用することができ、安全性と熱寸法安定性に優れた電池が得られる。
適用される非水系二次電池の種類や構成は、何ら限定されるものではないが、本発明の非水系二次電池用セパレータは、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池に好適に応用することができる。中でも、リチウムイオン二次電池への適用が好ましい。
一般に非水系二次電池とは、負極と正極がセパレータを介して対向している電池要素に電解液が含浸され、これが外装に封入された構造となっているものをいう。負極は、負極活物質、導電助剤、バインダからなる負極合剤が集電体(銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔等)上に成形された構造となっている。負極活物質としては、リチウムを電気化学的にドープすることが可能な材料、例えば、炭素材料、シリコン、アルミニウム、スズが用いられる。正極は、正極活物質、導電助剤、バインダからなる正極合剤が集電体上に成形された構造となっている。正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn0.5Ni0.5、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiMn、LiFePOが用いられる。電解液は、リチウム塩、例えば、LiPF、LiBF、LiClOを非水系溶媒に溶解した構成である。非水系溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。外装材としては、金属缶又はアルミラミネートパック等が挙げられる。電池の形状は角型、円筒型、コイン型などがあるが、本発明のセパレータはいずれの形状においても好適に適用することが可能である。
以下、実施例により本発明を詳述する。各種の物性値及び性能の測定方法は以下のとおりである。
[ポリイミド微粒子の繊維径及び繊維長]
日立製作所製 透過型顕微鏡(TEM)H−800を用いて形態観察を実施し、微粒子20点の繊維径及び長さをはかりその平均を算出した。
[膜厚]
接触式の膜厚計(ミツトヨ社製)にて20点測定し、これを平均することで求めた。ここで接触端子は底面が直径0.5cmの円柱状のものを用い、接触端子に1.2kg/cmの荷重が印加されるような条件で測定した。
[ガーレ値]
ガーレ値(秒/100cc)はJIS・P8117に従い測定した。
[空孔率]構成材料がa、b、c…、nからなり、構成材料の重量がWa、Wb、Wc…、Wn(g・cm)であり、それぞれの真密度がda、db、dc…、dn(g/cm)で、着目する層の膜厚をt(cm)としたとき、空孔率ε(%)は
ε={1−(Wa/da+Wb/db+Wc/dc+…+Wn/dn)/t}×100
より求めた。
[シャットダウン(SD)特性]
まず、セパレータをΦ19mmに打ち抜き、非イオン性界面活性剤(花王社製;エマルゲン210P)の3重量%メタノール溶液中に浸漬して風乾する。そしてセパレータに電解液を含浸させSUS板(Φ15.5mm)に挟んだ。ここで電解液は1M LiBF プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(1/1重量比)を用いた。これを2032型コインセルに封入した。コインセルからリード線をとり、熱電対を付けてオーブンの中に入れた。昇温速度1.6℃/分で昇温させ、同時に振幅10mV、1kHzの周波数の交流を印加することでセルの抵抗を測定し、抵抗値が上昇することでシャットダウン機能の有無を○×で評価した。各種の性能はまとめて表1に示した。
[熱収縮率]
サンプルを18cm(MD方向)×6cm(TD方向)に切り出す。TD方向を2等分する線上に上部から2cm、17cmの箇所(点A、点B)に印をする。また、MD方向を2等分する線上に左から1cm、5cmの箇所(点C、点D)に印をする。これにクリップをつけ(クリップをつける場所はMD方向の上部2cm以内の箇所)175℃に調整したオーブンの中につるし、無張力下で30分間熱処理をする。2点AB間、CD間の長さを熱処理前後で測定し、以下の式から熱収縮率を求めた。
MD方向熱収縮率={(熱処理前のABの長さ−熱処理後のABの長さ)/熱処理前のABの長さ}×100
TD方向熱収縮率={(熱処理前のCDの長さ−熱処理後のCDの長さ)/熱処理前のCDの長さ}×100
[ポリイミド微粒子の調整]
温度計・撹拌装置および原料投入口を備えた反応容器に、窒素雰囲気下モレキュラーシーブスで脱水したジメチルアセトアミド(DMAc)600mLを入れ、さらにパラフェニルジアミン0.21gを加えて完全に溶解した後、氷浴下0℃まで冷却した。この冷却したジアミン溶液に無水ピロメリット酸二無水物0.41gと無水フタル酸0.057gを添加し反応せしめた。氷浴下その後8時間反応させた。こうして得られたポリアミド酸溶液にトリエチレンジアミン0.043gを添加し完全に溶解させた後、60℃まで加熱し無水酢酸1mlとジメチルアセトアミド(DMAc)40mLからなる溶液を高速攪拌下滴下した。この後10℃で10時間保持することによって目的とするポリイミド微粒子が得られた。TEM写真からはその平均径が20nm、繊維長が1μmであった。またこの溶液から再沈殿で取り出したポリイミド微粒子をアセトンで洗浄した後減圧下80℃で乾燥したサンプルのIR測定を実施したところ、イミドに特有な1780cm−1のピークと720cm−1のピークが観察された。またこの溶液のポリイミド微粒子の濃度は0.09重量%であった。
[実施例1]
ポリエチレンパウダーとしてTicona社製のGUR2126(重量平均分子量415万、融点141℃)とGURX143(重量平均分子量56万、融点135℃)を用いた。GUR2126とGURX143を1:9(重量比)となるようにして、ポリエチレン濃度が30重量%となるように流動パラフィンとデカリンの混合溶媒中に溶解させ、ポリエチレン溶液を作製した。該ポリエチレン溶液の組成はポリエチレン:流動パラフィン:デカリン=30:45:25(重量比)である。このポリエチレン溶液を148℃でダイから押し出し、水浴中で冷却して、60℃で8分、95℃で15分乾燥し、ゲル状テープ(ベーステープ)を作製した。該ベーステープを縦延伸、横延伸と逐次行う2軸延伸にて延伸した。ここで、縦延伸は5.5倍、延伸温度は90℃、横延伸は延伸倍率11.0倍、延伸温度は105℃とした。横延伸の後に125℃で熱固定を行った。次にこれを塩化メチレン浴に浸漬し、流動パラフィンとデカリンを抽出した。その後、50℃で乾燥し、120℃でアニール処理することでポリエチレン微多孔膜を得た。このポリエチレン微多孔膜の物性は、膜厚12.0μm、空孔率36%、透気度301秒/100ccであった。
上記調整したポリイミド微粒子溶液を用いて、メタ型全芳香族ポリアミドであるコーネックス(登録商標;帝人テクノプロダクツ社製)、ポリイミド微粒子及び水酸化アルミニウム(昭和電工社製;H−43M)が重量比で20:0.1:79.9となるように調整し、これらをメタ型全芳香族ポリアミド濃度が5.5重量%となるようにジメチルアセトアミド(DMAc)とトリプロピレングリコール(TPG)が重量比50:50となっている混合溶媒に混合し塗工用スラリーを得た。
一対のマイヤーバー(番手#6)を20μmのクリアランスで対峙させた。マイヤーバーに上記塗工用スラリーを適量のせ、一対のマイヤーバー間にポリエチレン微多孔膜を通すことでポリエチレン微多孔膜の両面に塗工用スラリーを塗工した。これを重量比で水:DMAc:TPG=50:25:25で40℃となっている凝固液中に浸漬した。次いで水洗・乾燥を行い、該ポリエチレン微多孔膜の表裏に耐熱性多孔質層を形成し、本発明の非水系二次電池用セパレータを得た。
得られたセパレータの膜厚は20.3μmで、耐熱性多孔質層の空孔率は72%、透気度420秒/100ccであった。セパレータはシャットダウン特性を有し、セパレータの熱収縮率はMD14%、TD12%であった。
[実施例2]
塗工用スラリーの組成として、ポリイミド微粒子と水酸化アルミニウムとメタ型全芳香族ポリアミドとが重量比で10:40:50となるようにした以外は、実施例1と同様に非水系二次電池用セパレータを作製した。得られたセパレータの膜厚は20.1μmで、耐熱性多孔質層の空孔率は68%、透気度431秒/100ccであった。セパレータはシャットダウン特性を有し、セパレータの熱収縮率はMD18%、TD16%であった。
[実施例3]
塗工用スラリーの組成として、ポリイミド微粒子と水酸化アルミニウムとメタ型全芳香族ポリアミドとが重量比で10:80:10となるようにした以外は、実施例1と同様に非水系二次電池用セパレータを作製した。得られたセパレータの膜厚は19.8μmで、耐熱性多孔質層の空孔率は71%、透気度410秒/100ccであった。セパレータはシャットダウン特性を有し、セパレータの熱収縮率はMD11%、TD10%であった。
[比較例1]
塗工用スラリーの組成として、ポリイミド微粒子を用いないで、メタ型全芳香族ポリアミドと水酸化アルミニウムが重量比で20:80となるようにした以外は、実施例1と同様に非水系二次電池用セパレータを作製した。得られたセパレータの膜厚は20.0μmで、耐熱性多孔質層の空孔率は70%、透気度414秒/100ccであった。セパレータはシャットダウン特性を有し、セパレータの熱収縮率はMD21%、TD18%であった。
[比較例2]
塗工用スラリーの組成として、水酸化アルミニウムを用いないで、ポリイミド微粒子とメタ型全芳香族ポリアミドが重量比で0.1:99.9となるようにした以外は、実施例1と同様に非水系二次電池用セパレータを作製した。得られたセパレータの膜厚は20.2μmで、耐熱性多孔質層の空孔率は71%、透気度455秒/100ccであった。セパレータはシャットダウン特性を有し、セパレータの熱収縮率はMD30%、TD15%であった。
Figure 2010146839

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂にて形成されシャットダウン機能を有する微多孔膜と、この微多孔膜の片面又は両面に積層された耐熱性多孔質層と、を含む非水系二次電池用セパレータであって、
    前記耐熱性多孔質層は、ポリイミド微粒子と、無機フィラーと、耐熱性の有機バインダと、を含んで構成されていることを特徴とする非水系二次電池用セパレータ。
  2. 前記耐熱性多孔質層において、前記ポリイミド微粒子は0.01〜20重量%、前記無機フィラーは50〜95重量%、前記有機バインダは4.99〜49.99重量%含まれていることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  3. 前記ポリイミド微粒子が、繊維径が0.5nm〜50nmであり、かつ、繊維長が繊維径の5倍以上の繊維状であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水二次電池用セパレータ。
  4. 前記ポリイミドが、下記式(1)で示されるパラフェニレンピロメリットイミドの繰り返し単位を主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水二次電池用デパレータ。
    Figure 2010146839
  5. 前記有機バインダが、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドからなる群から選ばれる1種又は2種以上のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非水二次電池用セパレータ。
  6. 前記芳香族ポリアミドが、メタ型全芳香族ポリアミドであることを特徴とする請求項5記載の非水系二次電池用セパレータ。
  7. 前記非水系二次電池用セパレータが、リチウムイオン二次電池用セパレータであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
  8. リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池において、請求項1〜7のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータを用いることを特徴とする非水系二次電池。
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