以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
図1から図3は本発明に係るボタンの表裏判別装置の実施形態を示すものであり、図1は要部のブロック図、図2は要部の模式的正面図、図3は図2のZ−Z線に沿った模式的平面図である。
本実施形態のボタンの表裏判別装置は、従来公知のボタン付けミシンにおけるボタンをミシンの縫製位置へ搬送する搬送経路途中に設置されるものを例示している。
図1に示すように、本実施形態のボタンの表裏判別装置1(以下、単に、表裏判別装置と記す。)は、照明装置2と、イメージセンサ3と、操作パネル4と、制御手段5とを有している。
前記照明装置2は、ボタン搬送路Wを照射するためのものである。この照明装置2による照射位置は、ボタン搬送路Wに設けられた検査ステージとなる検査位置IP(図3参照)とされている。
ここで、本実施形態のボタン搬送路Wについて図2および図3により説明する。
前記ボタン搬送路Wは、ボタンBを図示しないミシンの縫製位置へ搬送する搬送経路途中に設置されている。すなわち、ボタン搬送路Wは、ボタンBの供給位置からミシンの縫製位置に至る搬送経路の一部を構成するものである。
図2および図3に示すように、本実施形態のボタン搬送路Wは、平坦な搬送面Waと、この搬送面Waの右端部において搬送面Waに対して直角をなすように上方に向かって延出されたガイド面Wbとにより、全体として断面L字状をなすように形成されている。また、搬送面Waは、水平面に対してガイド面Wbの形成側が下方に位置するように傾斜配置されている。そして、ボタンBは、図示しない搬送アームによって、搬送面Wa上を図3の矢印Aにて示すボタン搬送方向に沿って搬送されるようになっている。この時、ボタンBは、表面および裏面の一方が搬送面Waと接触しつつ搬送されるとともに、外周の一端がガイド面Wbに接触しつつ搬送されるようになっている。
すなわち、図2および図3に示す搬送面Waは、ボタンBを載置する載置面として機能し、この搬送面上をボタンBが移動するようになっている。また、ボタンBが載置される搬送面Waは、ボタンBを図示しないミシンの縫製位置へ搬送する搬送経路途中に設けられている。さらに、ガイド面Wbは、搬送面Waに載置されたボタンBの外周の一端を当接させるために、搬送面Waに、搬送面Waに対して直交するように上方に向かって立設されている。また、ガイド面Wbは、ボタンBが搬送経路に沿って搬送される際に、ボタンBの外周の一端がガイド面Waに接しつつ搬送されるように搬送経路の搬送方向、すなわち、ボタン搬送方向に沿うように形成されている。またさらに、搬送面Waは、水平面に対してガイド面Wbの形成側が下方に位置するように傾斜配置されているので、ガイド面Wbは、ボタンBの一端を位置決めする機能と、搬送面WaからボタンBが脱落するのを防止する機能とを有している。したがって、ガイド面Wbは、ボタンBの搬送経路を容易に確立する機能を有している。
なお、ボタン搬送路Wとしては、ボタンBの表裏を判別するだけであればガイド面Wbに接して移動する構成であればよい。例えば、滑り台のように、ボタンBの自重によって落下するものであってもよい。また、搬送面Waの材質としては、透過性を備えていてもよいし、透過性を備えていなくてもよい。但し、ガイド面Wbの材質としては、透過性を備えていない不透明なものであることが好ましい。したがって、搬送路Wを一体形成する場合には、不透明な素材を使用することが好ましい。
図1に戻って、本実施形態の照明装置2は、斜光照明装置7と落射照明装置8との2つを有している。
前記斜光照明装置7は、少なくともボタンBの表裏の判別に用いるため斜光Laを得るためのものである。この斜光照明装置7は、図示しない光源からの光を面状の発光面7bから平行光に近似した光として出射するライトボックス7aを有している。そして、図2および図3に示すように、ライトボックス7aを検査位置IPの左斜め上方に配置するとともに、その発光面7bをボタン搬送路Wの検査位置IPに向くように、搬送面Waに対して傾斜するように配置することにより、ガイド面Wbによって遮光されることなく、検査位置IPの搬送面Waに対して上方から斜めに照らす光線である斜光Laを確実に照射することができるように構成されている。
すなわち、斜光照明装置7は、ボタン搬送路Waを通過するボタンBに斜光Laを照射することができるようになっている。
前記落射照明装置8は、少なくともボタンBの直径、糸通し孔Baの孔数および孔ピッチの判別に用いるための落射光Lb(同軸落射光)、すなわち、ボタンBの中心線に沿ってほぼ平行な光を得るためのものである。この落射照明装置8は、斜光照明装置7と同様に、図示しない光源からの光を面状の発光面8bから平行光に近似した光として出射するライトボックス8aを有している。そして、図2および図3に示すように、ライトボックス8aをボタン搬送路Wの検査位置IPの直上に配置するとともに、その発光面8bを搬送面Waに対して平行に配置することにより、ガイド面Wbによって遮光されることなく、検査位置IPの搬送面Waに対して真上から照らす光線である落射光Lbを確実に照射することができるようになっている。
したがって、本実施形態の表裏判別装置1においては、載置面としての搬送面Waに載置されたボタンBに対して、斜光Laと落射光Lbとを照射することができるようになっている。
前記各ライトボックス7a、8aのそれぞれの光源としては、LED、電球および蛍光灯(蛍光ランプ)などを挙げることができる。本実施形態においてはLEDが用いられている。また、光の色は任意の色から選択することができる。また、光源としては、LED、電球などの点光源、棒状の蛍光ランプなどの直線光源、円板光源、球面光源、長方形光源などから選択することができる。
前記斜光照明装置7は、図1に示すように、斜光照明駆動回路10を介して制御手段5と電気的に接続されており、制御手段5から送出される制御指令により、点灯および消灯のタイミングなどの動作制御と、輝度の制御(調整)がなされるようになっている。
前記落射照明装置8は、図1に示すように、斜光照明装置7と同様に、落射照明駆動回路11を介して制御手段5と電気的に接続されており、制御手段5から送出される制御指令により、点灯および消灯のタイミングなどの動作制御と、輝度の制御(調整)がなされるようになっている。
前記イメージセンサ3は、照明によりボタンBの直下に形成される影を検出するためのものであり、図2および図3に示すように、ボタン搬送路Wに設けられた検査位置IPに埋設されている。このイメージセンサ3は、斜光Laと落射光Lbの両者を受光することができるようになっている。
すなわち、イメージセンサ3は、斜光Laおよび落射光Lbのそれぞれが載置面に照射された際に、載置面上に形成されるボタンBの影が投影されるように載置面に埋設されている。具体的には、載置面としての搬送面Waにイメージセンサ3の受光側に位置する上面が面一になるように配設されている。
前記イメージセンサ3は、光量の多少によって発生する電荷量が変化する複数の図示しない受光素子(電荷結合素子)を配列することにより形成されており、検査位置IPを通過するボタンBにより遮光される照明の光量の変化を電気信号に変換して制御手段5に出力するようになっている。このイメージセンサ3としては、複数の受光素子が1列に配列されている一次元センサ(リニアイメージセンサ)であってもよいし、複数の発光素子が全体として平面状をなすように配列された2次元センサ(エリアイメージセンサ)であってもよい。また、イメージセンサ3としては、CCDセンサであってもよいし、CMOSセンサであってもよい。
本実施形態のイメージセンサ3としては、対象物の映像を高分解能で、高速でかつ連続的に計測することができるなどという理由により、CCDラインセンサ3aが用いられている。このCCDラインセンサ3aは、複数の受光素子の配列方向である長手方向が図3の矢印Aにて示すボタン搬送方向に対して直交する幅方向である図2および図3の左右方向に沿って配置されている。また、CCDラインセンサ3aの受光面上をボタンBが通過するように構成されている。このため、図2および図3に示すように、斜光照明装置7は、載置面上に形成される影がガイド面Wbの直交方向に向かって形成されるようにガイド面Wbに対向して配置されている。
具体的には、図2および図3に示すように、ボタン搬送路Wの幅方向、すなわち、ボタン搬送方向Aに対して直交する方向におけるガイド面Wbとは反対側において、CCDラインセンサ3aの長手方向の延長線の上方に斜光照明装置7が配置されており、その発光面7bから出射される斜光Laは、ボタンBが存在しない状態においてCCDラインセンサ3a全体を照射することができるようになっている。また、落射照明装置8は、CCDラインセンサ3aの上方に配置されており、その発光面8bから出射される落射光Lbは、ボタンBが存在しない状態においてCCDラインセンサ3a全体を照射することができるようになっている。なお、CCDラインセンサ3aの長さ、詳しくは複数の受光素子の配列長さ(有効長さ)は、ボタンBの直径より大きく形成されている。
前記CCDラインセンサ3aは、図1に示すように、CCD駆動回路12を介して制御手段5と電気的に接続されており、制御手段5から送出される制御指令により、動作タイミングなどの動作制御がなされるとともに、各受光素子が受光した光の明暗を電荷の量に光電変換し、これらを順次読み出して電気信号に変換した出力(検出信号:電圧)を各受光素子の長手方向に沿った座標に対応して制御手段5に送出することができるようになっている。
前記操作パネル4は、例えば、タッチパネルが用いられており、このタッチパネルは、情報の入力操作に用いる入力手段としての透明なシート状の入力センサの背面に、情報の表示に用いる表示手段としての表示パネルが配設されて構成されている。このようなタッチパネルには、各種の情報の表示に用いる表示部4aおよび各種の情報の入力操作に用いる入力部4bが設けられており、入力部4bには、基準値などの各種の情報の入力を行う入力ボタンや入力および設定の終了に用いる決定ボタンなどの各種の操作ボタンが設けられている。
なお、操作ボタンは、実際の突起物ではなく、タッチパネルの予め設定された位置に絵記号などで表示されているものであり、操作ボタンの表示部4a分を操作者が指などで接触あるいは押下することにより、どの操作ボタンが操作されたかを入力センサで検出して、表示されている操作ボタンの機能が実行されるようになっている。
また、操作ボタンの表示は、プルダウンメニューとされており、特定の操作ボタンの操作に関連づけて、入力部4bの操作ボタンの表示や表示部4aの表示内容などの画面を切り換えることができるようになっている。
前記操作パネル4は、図1に示すように、制御手段5と電気的に接続されており、入力情報を制御手段5に送出することができるとともに、制御手段5から送出される制御指令により、表示部4aの表示内容などの動作制御を行うことができるようになっている。
前記制御手段5は、可動部の動作制御を司るためのものであり、図1に示すように、少なくとも各種の演算処理を行う演算部として機能するCPU14と、プログラムやデータを記憶する記憶部として機能するメモリ15とを主として形成されている。また、メモリ15は、適宜な容量のROM、RAMおよびデータの消去と書き込みとを行うことのできるEEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどにより形成されている。なお、不揮発性メモリとしては、着脱可能なものであってもよい。
前記制御手段5のCPU14には、基準信号発生回路17が接続されており、基準信号発生回路17から出力される基準信号(クロック信号:クロック・パルス)により、各部の動作タイミングが制御されるようになっている。
前記メモリ15には、少なくとも基準データ保持メモリ21、計測データ保持メモリ22、ワークメモリ23、データ処理部24、動作制御部25が設けられている。
前記基準データ保持メモリ21は、基準値や設定値などを記憶するためのものであり、各種の基準値および設定値が記憶されるようになっている。この基準データ保持メモリ21には、不揮発性メモリが割り当てられる。
本実施形態の基準データ保持メモリ21には、少なくともボタンBの表裏の判別に用いる基準ボタンデータ、CCDラインセンサ3aによるボタンBの影の検出レベルの設定値である検出レベル設定値、ボタンBの直径の判別に用いる基準ボタン直径データ(基準直径値)、および、ボタンBの糸通し孔Baの判別に用いる基準孔データが記憶されている。
前記基準ボタンデータとしては、ボタンBの「表」を判別するときに用いるFデータ(F値)と、ボタンBの「裏」を判別するときに用いるRデータ(R値)とを挙げることができる。
前記検出レベル設定値としては、照明装置2による斜光Laおよび落射光Lbのそれぞれの照明設定値である輝度、およびCCDラインセンサ3aそれ自体の感度設定値であるセンサ感度を挙げることができる。
これら輝度およびセンサ感度は、通常は、初期設定値が用いられている。すなわち、表裏の判別に供するボタンBが光を遮光する不透明な材質で形成されている場合には、検出レベル設定値として初期設定値が用いられるようになっている。
また、表裏の判別に供するボタンBが光を透過する透過性の材質で形成されている場合には、操作パネル4の操作入力により検出レベル設定値を調整するようになっている。すなわち、光が透過する透明なボタンBでは、光を遮蔽する不透明なボタンBと異なり、CCDラインセンサ3aが検出したボタンBの影による出力の電圧が0V(ボルト)にならず、ボタンBを検出することができないことになる。しかしながら、透明なボタンBといえどもその透過率は100%ではないので、操作パネル4からの入力により検出レベルを上げることで、CCDラインセンサ3aからの出力の電圧の中間電位でボタンBを検出することができるようになっている。
したがって、操作パネル4、すなわち操作パネル4の入力部4bは、CCDラインセンサ3aによるボタンBの影の検出レベルを設定する検出レベル設定手段として機能するようになっている。
前記基準ボタン直径データ(基準直径値)としては、判別対象のボタンBに対応する基準直径値が用いられている。そして、基準孔データとしては、同じく判別対象のボタンBに対応する糸通し孔Baの基準孔数、基準孔ピッチを挙げることができる。
なお、基準データ保持メモリ21には、予め種々のボタンBに対応した各種の基準データおよび設定値をそのボタンBの種類と関連させて記憶し、使用するボタンBの種類のものを読み出して用いるようにしてもよい。
前記計測データ保持メモリ22は、CCDラインセンサ3aが検出したボタンBの影の長さに基づいて形成あるいは取得した計測データを一時的に記憶するためのものであり、計測データは、検査位置IPを通過するボタン毎、すなわち表裏の判別に供するボタン毎に更新されるようになっている。この計測データ保持メモリ22には、不揮発性メモリが割り当てられる。
前記計測データとしては、載置面上に載置されるボタン上方、本実施形態においては不図示の搬送手段により搬送されて検査位置IPを通過するボタンBに斜光Laを照射した際に、ボタン直下の載置面上であるイメージセンサ上、詳しくはCCDラインセンサ3aの受光面に斜光Laの照射方向に向かって形成される影(以下、単に、ボタンBの直下に形成される影と記す。)の長さに基づいて得られる表裏の判別に用いる計測ボタンデータと、検査位置IPを通過するボタンBに落射光Lb照射した際に、ボタン直下の載置面上であるCCDラインセンサ3aの受光面に形成される影(以下、単に、ボタンBの直下に形成される影と記す。)の長さや位置などに基づいて得られる計測ボタン直径データ(計測直径値)、および、計測孔データを挙げることができる。また、計測孔データとしては、計測孔数および計測孔ピッチを挙げることができる。
なお、斜光Laによる影の長さ、および、落射光Lbによる影の長さについては後に詳しく説明する。
ここで、斜光Laよる影と、落射光Lbよる影とを区別するために、以下、斜光LaよりボタンBの直下に形成される影を斜影、落射光LbによりボタンBの直下に形成される影を陰影と記す。
前記ワークメモリ23は、少なくともCPU14による演算データおよび中間データなどを記憶するためのものであり、CPU14による処理動作を行う際には、必要なプログラムやデータを読み込んで記憶するようになっている。このワークメモリ23には、RAMが割り当てられる。
前記データ処理部24は、ボタンBの表裏、直径および糸通し孔Baのそれぞれを判別するのに必要なプログラムおよびデータを記憶するためのものであり、このデータ処理部24には、少なくともボタンBの表裏の判別、ボタンBの直径および糸通し孔Baのそれぞれの判別を行うためのデータ処理である計測データと基準データとを比較する比較処理に供するプログラムおよびデータが記憶されている。なお、比較処理については、従来公知のものが用いられているので、その詳しい説明については省略する。このデータ処理部24には、RAMおよび/または不揮発性メモリが割り当てられる。
前記動作制御部25は、表裏判別装置1の動作制御を行うためのものであり、少なくとも、斜光Laを照射した際に、搬送面Waに載置されたボタン直下に形成される斜影長さをCCDラインセンサ3aで検出し、検出した斜影長さに基づいてボタンBの表裏を判別するように、CPU14が斜光照明装置7およびCCDラインセンサ3aなどの動作制御を行うための動作制御プログラムおよびデータが予め記憶されている。
具体的には、検査位置IPを通過するボタンBに斜光Laを照射することにより、ボタン直下に投影されるボタンBの斜影長さをイメージセンサ3としてのCCDラインセンサ3aで検出し、検出した斜影長さに基づいてボタンBの表裏を判別するように、CPU14が斜光照明装置7およびCCDラインセンサ3aなどの動作制御を行うための動作制御プログラムおよびデータが予め記憶されている。
すなわち、載置面上に載置されるボタン上方から斜光Laを照射した際に、ボタン直下の載置面上に斜光Laの照射方向に向かって形成される斜影長さに基づいて、ボタンBの外周縁の断面形状の表裏の相違を判別することにより、ボタンBの表裏を判別するように、CPU14が、斜光照明装置7およびCCDラインセンサ3aなどの動作制御を行うための動作制御プログラムおよびデータが予め記憶されている。
前記斜影長さとしては、載置面上のボタンBの中心部下方を通って斜光Laの照射方向に向かう直線上の影の長さを用いることが好ましい。また、斜影長さとしては、ガイド面Wbの直交方向(図8(a)の左右方向)に沿う斜影長さの最大値を用いることがより好ましい。
また、動作制御プログラムおよびデータとしては、斜影長さに基づいて計測ボタンデータを形成し、この計測ボタンデータを基準となる基準ボタンデータと比較することによりボタンBの表裏を判別するように形成されていることが好ましい。
なお、動作制御部25には、RAMおよび/または不揮発性メモリが割り当てられる。
また、本実施形態の動作制御部25には、ボタンBの表裏の判別に加えて、ボタンBの直径および糸通し孔Baの判別を行うために、ボタンBに落射光Lbを斜光Laと交互に照射し、落射光Lbにより形成されるボタンBの直下のイメージセンサ3としてのCCDラインセンサ3aの受光面に投影されるボタンの陰影の長さ(以下、単に、陰影長さと記す。)や位置などをCCDラインセンサ3aで検出し、検出したボタンBの陰影長さや位置などに基づいて、ボタンBの計測ボタン直径データおよびボタンBの糸通し孔Baの計測孔データを取得し、この計測ボタン直径データおよび計測孔データのそれぞれを基準となる基準ボタン直径データおよび基準孔データと比較することによりボタンBの直径および糸通し孔Baを判別するように、CPU14が、斜光照明装置7、落射照明装置8およびCCDラインセンサ3aなどの動作制御を行うための動作制御プログラムおよびデータが予め記憶されている。
さらに、本実施形態の動作制御部25には、CPU14が、基準信号発生回路17からの基準信号に基づいて斜光照明装置7および落射照明装置8のそれぞれを交互に点灯させるタイミングをCCDラインセンサ3aの動作周期毎になるように制御するための動作制御プログラムおよびデータも記憶されている。
すなわち、斜光照明装置7は、基準データ保持メモリ21に記憶された照明設定値(初期設定値あるいは検出レベル設定手段としての入力部4bにより設定された照明設定値)に基づいて、CPU14が斜光照明駆動回路10を介して出力する駆動信号により、斜光Laの輝度が制御されるようになっている。
前記落射照明装置8は斜光照明装置7と同様に、基準データ保持メモリ21に記憶された照明設定値(初期設定値あるいは検出レベル設定手段としての入力部4bにより設定された照明設定値)に基づいて、CPU14が、落射照明駆動回路11を介して出力する駆動信号により落射光Lbの輝度が制御されるようになっている。
また、動作制御部25には、CPU14が、CCDラインセンサ3aからのボタンBの影の検出信号によりボタンBの有無を判別し、ボタンBの表裏などの判別動作の開始・終了を制御するための動作制御プログラムおよびデータも記憶されている。
またさらに、動作制御部25には、CPU14が、ボタン表裏判別装置1の初期設定動作を行うためのプログラムおよびそのデータや、CPU14が、図示しないミシン本体およびボタン供給装置のそれぞれの制御部との相互間で動作タイミングやデータなどの送受信を行うためのプログラムおよびデータなども記憶されている。
本実施形態の制御手段5は、ミシン本体およびボタン供給装置のそれぞれの制御部から独立させて個別に設けられている。このため、制御手段5は、各制御部とインターフェースを介して電気的に接続されており、ボタン供給装置の制御部は、制御手段5から出力されるボタンBの表裏および糸通し孔Baのそれぞれの判別結果に基づいて各部の動作制御、例えば、ボタン供給装置を駆動してボタンBをミシン本体の縫製位置に供給したり、あるいはボタンBを供給経路から排除するエラー処理をしたりするようになっている。
なお、制御手段5は、ミシン本体およびボタン供給装置の少なくとも一方の制御部の機能の一部を借りて実現してもよい。
また、本実施形態のボタン表裏判別装置1においては、ボタンBの外周の一部の欠損、外周縁に接する斜面の一部の欠損などの外観欠陥を判別することも可能である。この外観欠陥は、CCDラインセンサ3aから出力される出力信号の出力パターンの異常の有無により判別することができる。すなわち、本来ボタンBで遮光される影の部分が欠陥によりCCDラインセンサ3aに到達するので、欠陥部分のCCDラインセンサ3aの出力が「High」になる。この場合、基準データ保持メモリ21には、CCDラインセンサ3aによる出力パターンの基準パターンを斜光Laによるものと落射光Lbによるものとの両者について記憶することが肝要である。また、糸通し孔Baの孔径を判別するようにすることもできる。この場合、基準データ保持メモリ21に、基準孔径を記憶することが肝要である。
さらに、本実施形態のボタン表裏判別装置1においては、ボタンBの表裏、ボタンBの直径、および、糸通し孔Ba(孔数およびピッチ)の判別を行うように形成されているが、ボタンBの表裏のみを判別するように形成してもよい。すなわち、ボタンBの表裏のみを判別する場合には、落射照明装置8は不要である。
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について、本発明のボタンの表裏判別方法の実施形態とともに説明する。
本実施形態のボタンの表裏判別方法(以下、単に、表裏判別方法と記す。)は、載置面上に載置されるボタン上方から斜光Laを照射した際に、ボタン直下の載置面上に斜光Laの照射方向に向かって形成される斜影長さに基づいて、ボタンBの外周縁の断面形状の相違を判別することにより、ボタンBの表裏を判別するようになっている。この斜影長さは、載置面上のボタンBの中心部下方を通って斜光Laの照射方向に向かう直線上の斜影長さであることが好ましい。
具体的には、ボタン搬送路Wに設けられた載置面としての搬送面Waを通過するボタンBに斜光Laを照射し、この斜光Laの一部をボタンBが遮光することによりボタンBの直下に形成されるボタンBの斜影長さをイメージセンサ3としてのCCDラインセンサ3aで検出し、検出したボタンBの斜影長さに基づいてボタンBの表裏を判別するようになっている。
また、本実施形態の表裏判別方法においては、イメージセンサ3により検出されるボタンBの斜影長さを、ボタンBの中心部下方を通って斜光Laの照射方向に向かう直線上の影の長さとし、この斜影長さに基づいて計測ボタンデータを形成し、この計測ボタンデータを基準となる基準ボタンデータと比較することによりボタンBの表裏を判別するようになっている。
さらに、本実施形態の表裏判別方法においては、ボタンBに落射光Lbを斜光Laと交互に照射し、この落射光Lbの一部をボタンBが遮光することによりボタンの直下に形成されるボタンBの陰影をCCDラインセンサ3aで検出し、検出したボタンBの陰影長さや位置などに基づいて、少なくともボタンBの計測ボタン直径データ、ボタンBの糸通し孔Baの計測孔データを取得し、この計測ボタン直径データおよび計測孔データのそれぞれを基準となる基準ボタン直径データおよび基準孔データと比較することによりボタンBの直径および糸通し孔を判別するようになっている。
ここで、本実施形態のボタンの表裏判別方法におけるボタンの表裏の判別について詳しく説明する。
まず、表裏の判別に供するボタンについて図4および図5により説明する。
図4はボタンの一例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は平面図である。また、図5はボタンの他例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図4および図5に示すように、ボタンBとしては、糸通し孔Baの数が4つのもの(図4)と、糸通し孔Baの数が2つのもの(図5)とがある。また、ボタンBには表裏がある。例えば、図4(a)および図5(a)のそれぞれに誇張して示すように、外周に小さいアールRaを備えた上面が表面とされ、外周に大きいアールRbを備えた下面が裏面とされている。したがって、ボタンBは、外周縁の断面形状が表裏で異なるものが多い。そして、ボタンBは、ミシンの縫製位置において、裏面が縫製物と対向するように、表面を上向きにして縫着されるものである。すなわち、ボタンBは、「表」が上を向いた状態で布地などの縫製物に縫着されるようになっている。
前記照明とCCDラインセンサの出力との関係について説明する。
まず、ボタン搬送路Wの検査位置IPにボタンBが存在しない場合について図6および図7により説明する。
図6はボタン搬送路の検査位置にボタンが存在しないときの斜光照明とCCDラインセンサとの関係を示すものであり、(a)は斜光による照明状態の模式図、(b)は斜光によるCCDラインセンサの出力特性である。また、図7はボタン搬送路の検査位置にボタンが存在しないときの落射照明とCCDラインセンサとの関係を示すものであり、(a)は落射光による照明状態の模式図、(b)は落射光によるCCDラインセンサの出力特性である。
前記ボタン搬送路Wの検査位置IPにボタンBが存在しない状態で斜光Laを照射すると、図6(a)に示すように、斜光Laが検査位置IPに配置されているCCDラインセンサ3aの全体を照らすので、CCDラインセンサ3aの出力はほぼ全域にわたって「High」となる。この時、斜光照明装置7の発光面7bからCCDラインセンサ3aの受光面までの距離がCCDラインセンサ3aの長手方向に沿って異なるが、斜光照明装置7からの光が完全な平行光であれば、発行面7bと受光面との距離に無関係に受光面全域にわたって一定の出力が得られる。しかし、実際には、完全な平行光を得ることが難しいので、CCDラインセンサ3aからの出力(電圧)は、図6(b)に示すように、斜光照明装置7に最も近い図6(a)の左端に配置されている受光素子による出力が最大となり、斜光照明装置7に最も離れた図6(a)の右端(ガイド面側)に配置されている受光素子による出力が最小となり、全体としては最大出力と最小出力とを直線で結ぶ斜線状になる。
すなわち、CCDラインセンサ3aの出力特性は、図6(b)に示すように、斜光照明装置7に近い部分の出力(電圧)は大きく、斜光照明装置7から離れるにつれて出力が漸減するパターンとなる。
前記ボタン搬送路Wの検査位置IPにボタンBが存在しない状態で落射光Lbを照射すると、図7(a)に示すように、落射光LbがCCDラインセンサ3aの全体を上方から照らすので、CCDラインセンサ3aの出力は「High」となる。この時、落射照明装置8の発光面8bからCCDラインセンサ3aの受光面までの距離がCCDラインセンサ3aの長手方向においてほぼ均等なため、CCDラインセンサ3aの出力特性は、図7(b)に示すように、出力が一定になる。
つぎに、ボタン搬送路Wの検査位置IPにボタンBの中央部分が存在する場合について図8から図11により説明する。
図8はボタン搬送路の検査位置にボタンの中央部分が表面を上に向けて存在するときの斜光照明とCCDラインセンサとの関係を示すものであり、(a)は斜光による照明状態の模式的正面図、(b)は光を遮光するボタンでの斜光によるCCDラインセンサの出力特性の一例、(c)は光を透過するボタンに対応するように検出レベルを設定した状態における斜光によるCCDラインセンサの出力特性の一例である。
図9はボタン搬送路の検査位置にボタンの中央部分が裏面を上に向けて存在するときの斜光照明とCCDラインセンサとの関係を示すものであり、(a)は斜光による照明状態の模式的正面図、(b)は光を遮光するボタンでの斜光によるCCDラインセンサの出力特性の一例、(c)は光を透過するボタンに対応するように検出感度を設定した状態における斜光によるCCDラインセンサの出力特性の一例である。
前記ボタン搬送路Wの検査位置IPにボタンBの中央部分が表面を上(搬送面Waと反対側)に向けた状態で存在するときに斜光Laを照射すると、ボタンBの外周がガイド面Wbに案内されているので、ボタンBが光を遮光(遮蔽)する不透明な場合には、図8(a)に示すように、斜光Laの一部、詳しくは斜光照明装置7に近い図8(a)の左側部分を除く部分をボタンBが遮光する。この時、ボタンBの直下に形成される斜影がCCDラインセンサ3aに投影される。この場合、CCDラインセンサ3aの出力特性は、図8(b)に示すように、斜光照明装置7に近い部分は光を受光して斜影が形成されないので、その出力(電圧)は「High」になり、ボタンBの斜影が形成される部分は光を受光しないので出力は0Vになる。また、CCDラインセンサ3aの受光面に対向するボタンBの裏面の外周には大きなアールRbが形成されているので、CCDラインセンサ3aがボタンBの斜影を検知してその出力が0Vになる斜影長さLSFは、図8(a)に示すボタンBの直径Dより小さくなる。なお、このボタン搬送路Wの検査位置IPにボタンBの中央部分が存在する場合、斜影長さLSFは、ガイド面Wbの直交方向に沿うボタンBの斜影長さの最大値となる。このとき、ガイド面Wbには、ボタンBの外周縁の一部が当接しているので、ガイド面Wbは斜影長さLSFを検出する際の基準面として作用し、斜影長さLSFは、ガイド面Wbからガイド面Wbの直交方向に沿う斜影の端部までの距離として検出される。
また、前記ボタン搬送路Wの検査位置IPにボタンBの中央部分が裏面を上(搬送面Waと反対側)に向けた状態で存在するときに斜光Laを照射すると、ボタンBの外周がガイド面Wbに案内されているので、ボタンBが不透明な場合には、図9(a)に示すように、斜光Laの一部、詳しくは斜光照明装置7に近い図9(a)の左側部分を除く部分をボタンBが遮光する。この時、ボタンBの直下に形成される斜影がCCDラインセンサ3aに投影される。この場合、CCDラインセンサ3aの出力特性は、図9(b)に示すように、斜光照明装置7に近い部分は光を受光して斜影が形成されないので、その出力(電圧)は「High」になり、ボタンBの斜影が形成される部分は光を受光しないので出力はで0Vになる。また、CCDラインセンサ3aの受光面に対向するボタンBの表面の外周には小さなアールRaが形成されているので、CCDラインセンサ3aがボタンBの斜影を検知してその出力が0Vになる斜影長さLSRは、図9(a)に示すボタンBの直径Dより小さくなる。このときも、ガイド面Wbは、斜影長さLSRを検出する際の基準面として作用し、斜影長さLSRは、ガイド面Wbからガイド面Wbの直交方向に沿う斜影の端部までの距離として検出される。
ここで、ボタンBの表面が上を向いた状態の斜影長さLSFと、ボタンBの裏面が上を向いた状態の斜影長さLSRとは、ボタンBの表面の外周のアールRaが裏面の外周のアールRbより小さいので、ボタンBの表面が上を向いた状態の斜影長さLSFがボタンBの裏面が上を向いた状態の斜影長さLSRより小さくなる(LSF<LSR)。
すなわち、ボタンBの外周縁の断面形状が表裏で異なりさえすれば、斜光によるボタンBの斜影をCCDラインセンサ3aで検出して得られる斜影長さLSF、LSRが表裏で異なることになる。
そこで、本実施形態においては、不透明なボタンBの場合には、ボタンBの表面が上を向いた状態の斜影長さLSFを基準ボタンデータのうちのFデータとし、ボタンBの裏面が上を向いた状態の斜影長さLSRを基準ボタンデータのうちのRデータとして予め基準データ保持メモリ21に記憶する。
なお、FデータおよびRデータとしては、斜影長さの検出誤差を吸収するための所定のマージンを付加するようにしてもよい。
なお、ボタンBの表裏による斜影長さは、ボタンBの中央部分(中心部)でなくとも異なるが、ボタン搬送方向に沿った位置の特定を短時間で容易かつ確実にできるとともに、ボタンBの表裏のそれぞれにおける斜影の長さ、および、表裏の斜影の長さの差が最も大きくなるので、表裏の判別を容易にできるなどの理由により、ボタンBの中央部分での斜影長さLSF、LSR、すなわち、ボタンBの中心部下方を通って斜光Laの照射方向に向かう直線上の影の長さを表裏の判別に用いることが好ましい。
なお、斜影長さLSF、LSRとしては、設計コンセプトなどの必要に応じて、CCDラインセンサ3aの出力が0Vになる長さだけでなく、図8(b)および図9(b)に示すように、「High」と「Low」との間に設けた図中破線にて示す検出レベルの設定線PLとの交点までの距離LSFa、LSRaを用いてもよいし、「High」から「Low」への変曲点までの距離LSFb、LSRbを用いてもよい。また、CCDラインセンサ3aの出力が「High」となる長さを用いるようにしてもよい。
ここで、前述したように、透過性のボタンBでは、図8(c)および図9(c)に示すように、CCDラインセンサ3aの出力が0Vにならないので、ボタンBの斜影、ひいてはボタンBを判別することができない。
そこで、ボタンBを判別することができるように、CCDラインセンサ3aによるボタンの影である斜影の検出レベル、詳しくは斜光Laの輝度および/またはCCDラインセンサ3aそれ自体のセンサ感度を操作パネル4の入力部4bへの入力操作により予め設定する。
具体的には、「High」と「Low」との中間電位でボタンBの影である斜影、ひいてはボタンBを判別できるように検出レベルを設定する。
つまり、図8(c)および図9(c)において長い破線にて示すCCDラインセンサ3aの検出レベルの基準線PLaを「High」と「Low」との中間位置に設定し、この基準線PLaとの交点までの距離LSFc、LSRcを斜影長さとして用いる。なお、検出レベルの基準線PLaは、初期設定状態においては出力が0Vのラインに設定されている。
前記斜影の位置などは、CCDラインセンサ3aを構成する複数の受光素子の配列方向の位置座標によって容易に取得することができる。
すなわち、CCDラインセンサ3aの受光素子の配列方向の右端が、ガイド面Wbよりも右側に配置されている場合には、斜光Laを遮蔽可能な不透明な材質で形成されたガイド面を用いることによりボタンが存在しない状態において、斜光Laがガイド面Wbによって遮光されるので、ガイド面Wbの直下に位置するCCDラインセンサ3aの受光素子の位置は、常に明暗境界となるので、この明暗境界を座標の原点とすることで、斜影長さを容易に得ることができる。
そこで、光を透過する透過性のボタンBの場合には、ボタンBの表面が上を向いた状態の斜影長さLSFcを基準ボタンデータのうちのFデータとし、ボタンBの裏面が上を向いた状態の斜影長さLSRcを基準ボタンデータのうちのRデータとして予め基準データ保持メモリ21に記憶する。
そして、検査位置IPを通過する表裏の判別に供するボタンBに斜光Laを照射して、そのボタンBの斜影長さを所定の時間間隔で順次CCDラインセンサ3aにより検出し、CCDラインセンサ3aの出力に基づいて斜影長さの最大値(検査位置IPにボタンBの中央部分(中心部)が存在するときの斜影長さ。)を計測ボタンデータとして取得し、この計測ボタンデータを基準ボタンデータのFデータLSF、LSFcあるいはRデータLSR、LSRcと比較することにより、表裏の判別に供するボタンBの表裏を判別する。なお、上述のように、ボタンBの表裏を判定するためは、搬送面Wa上にボタンBの中心部下方を通って斜光Laの照射方向に向かう直線上の影の長さを検出すること好ましいが、ボタンBの搬送中のいつの時点で搬送面Wa上にボタンBの中心部下方を通って斜光Laの照射方向に向かう直線上にボタンBの斜影が形成されるかを判別することは、難しい。しかし、搬送面Wa上にボタンBの中心部下方を通って斜光Laの照射方向に向かう直線上に斜影が形成されると、斜影の長さは最大となるから、このように、搬送面Wa上に形成される斜影の長さの最大値を取得することにより、容易に、ボタンBの中心部下方を通って斜光Laの照射方向に向かう直線上の影の長さを検出することができる。
図10はボタン搬送路の検査位置にボタンの中央部分が存在するときの落射照明とCCDラインセンサとの関係を示すものであり、(a)は落射光による照明状態の模式図、(b)は光を遮光するボタンでの落射光によるCCDラインセンサの出力特性の一例、(c)は光を透過するボタンに対応するように検出感度を設定した状態における落射光によるCCDラインセンサの出力特性の一例である。
前記ボタン搬送路Wの検査位置IPにボタンBの中央部分が存在する状態で落射光Lbを照射すると、ボタンBの外周がガイド面Wbに案内されているので、ボタンBが不透明な場合には、図10(a)に示すように、落射光Lbの一部をボタンBが遮光する。この時、ボタンBの直下に形成される陰影がCCDラインセンサ3aに投影される。この場合、CCDラインセンサ3aの出力特性は、図10(b)に示すように、ボタンBから外れた部分は光を受光して陰影が形成されないので、その出力(電圧)は「High」になり、ボタンBの陰影が形成される部分は光を受光しないので出力は0Vになる。そして、ボタンBの陰影は、ボタンBをそのまま投影して映し出すので、ボタンBの表裏に関わりなく、CCDラインセンサ3aの出力が0Vになる陰影長さLDは、ボタンBの直径Dと同じになる(LD=D)。
なお、陰影長さLDとしては、設計コンセプトなどの必要に応じて、CCDラインセンサ3aの出力が0Vになる長さだけでなく、図10(b)に示すように、「High」と「Low」との間に設けた図中破線にて示す検出レベルの設定線PLとの交点までの距離LDaを用いてもよいし、「High」から「Low」への変曲点までの距離LDbを用いてもよい。また、CCDラインセンサ3aの出力が「High」となる長さを用いるようにしてもよい。
また、透過性のボタンBの場合には、斜光Laの場合と同様に、CCDラインセンサ3aによるボタンBの影である陰影の検出レベルを操作パネル4の入力部4bへの入力操作により設定する。
具体的には、図10(c)において長い破線にて示すCCDラインセンサ3aの検出レベルの基準線BLを「High」と「Low」との中間位置に設定し、この基準線BLとの交点までの距離LDcを陰影長さとして用いる。
したがって、ボタンBの直径Dを基準ボタン直径データ(基準直径値)として予め基準データ保持メモリ21に記憶する。
そして、検査位置IPを通過する表裏の判別に供するボタンBに落射光Lbを照射して、そのボタンBの陰影長さを所定の時間間隔で順次CCDラインセンサ3aにより検出し、CCDラインセンサ3aの出力に基づいて陰影長さの最大値(検査位置IPにボタンBの中央部分が存在するときの陰影長さ。)を計測ボタン直径データ(計測直径値)として取得し、この計測ボタン直径データを基準ボタンデータの基準ボタン直径データ(基準直径値)としてのボタンBの直径Dと比較することにより、表裏の判別に供するボタンBの直径を判別できる。
また、図6から図10は、説明の便宜上、搬送面Waを水平にして示してある。
図11は本実施形態のボタンの表裏判別装置における動作説明図であり、ボタンBがボタン搬送路Wを通過する搬送状態でボタンBの判定が行われる様子を示している。なお、図11に示す4列の図面のうちの左端列は、ボタン搬送路Wの検査位置IPに対するボタンBの搬送状態を示し、左端列の1つ右隣は落射光LbによるCCDラインセンサ3aの出力特性を示し、左端列の2つ右隣はボタンBの表面を上に向けた状態における斜光LaによるCCDラインセンサ3aの出力特性を示し、右端列はボタンBの表面を上に向けた状態における斜光LaによるCCDラインセンサ3aの出力特性を示す。また、出力特性についての横軸および縦軸については図6から図10と同様である。
本実施形態の表裏判別装置1において、ボタンBの判別は、照明装置2を駆動して斜光Laと落射光Lbを交互に検査位置IPに照射することにより開始する。勿論、ボタンBの搬送方向の先頭部分が検査位置IPの直前に到達したことを図示しないセンサにより検出して、照明装置2を駆動するようにしてもよい。
そして、搬送面Waを搬送されるボタンBは、図示しない搬送手段により等速で図11の矢印Aにて示すボタン搬送方向に沿って移動を開始する。搬送手段については、例えば、CCDラインセンサ3aを挟んで両側にベルトコンベアを配置し、これを駆動させてボタンBを搬送することができる。
図11(a)では、検査位置IPにボタンBが到達せずに、CCDラインセンサ3aがボタンBを検出していない状態(CCDラインセンサ3aからの出力が「High」)である。そして、動作制御部25は判別動作を終了と判断している。そのためデータ処理部24は待機状態にある。
ついで、図11(b)にてボタンBの端部を検出し、動作制御部25は、ボタンBの表裏を判別する判別動作開始と判断する。そして、動作制御部25は、判別動作開始のため、計測データ保持メモリ22のデータと、基準データ保持メモリ21のデータである基準ボタンデータ(Fデータ、Rデータ)、基準ボタン外径データ、基準孔データ(基準孔数、基準孔ピッチ)との比較を開始する。
図11(b)から図11(h)は、ボタンBの検出の一部であり、図11(h)以降もボタンBが検出されなくなるまで動作制御部25は判別動作を開始とし、データ処理部24は計測データと基準データとの比較を実行する。
そして、ボタンBが検査位置IPを通過してボタンBの検出がなくなり、動作制御部25が判別動作終了と判断した場合、制御手段5部は、ボタンBの表裏、直径D、孔数、孔ピッチのそれぞれの判別結果をミシン本体およびボタン供給装置の少なくとも一方の制御部に出力する。
前記ボタンBの表裏判別については、前述したように、斜光LaによるCCDラインセンサ3aからの出力に基づいて取得した斜影長さをFデータあるいはRデータと比較して、Fデータと一致する場合には、表裏を「表」、すなわち、ボタンBの表面が上を向いた上向きと判別し、Rデータと一致する場合には、表裏を「裏」、すなわち、ボタンBの表面が搬送面Waと対向する下を向いた下向きと判別する。勿論、斜影長さがFデータと一致しない場合に「裏」と判別し、Rデータと一致しない場合に「表」と判別するようにしてもよい。
前記ボタンBの直径Dの判別については、前述したように落射光LbによるCCDラインセンサ3aの出力に基づいて取得した計測直径値を基準直径値と比較し、基準直径値と異なる場合、正常なボタンBでないと判別する。
前記ボタンBの糸通し孔Baの判別については、落射光LbによるCCDラインセンサ3aからの出力とボタンBの搬送速度により実行する。
すなわち、ボタンBの表裏がどの様な向きに搬送されてもCCDラインセンサ3aは同時に3つ以上の糸通し孔Baを検出しない。
すなわち、図11(e)から図11(g)に示すように、糸通し孔Baの検出開始位置と検出終了位置が分かり、ボタンBの搬送速度が一定であれば、各糸通し孔Baのボタン上における位置が算出できる。また、孔径の最大値が分かれば糸通し孔Baの中心が計算でき、搬送速度よりボタン上の糸通し孔Baの孔位置が算出できる。この孔位置が分かるため、孔ピッチおよび孔数も判別できる。
すなわち、検査位置IPを通過する表裏の判別に供するボタンBに落射光Lbを照射して、そのボタンBの陰影を所定の時間間隔で順次CCDラインセンサ3aにより検出し、CCDラインセンサ3aの出力に基づいて陰影に含まれる糸通し孔Baによる「High」の位置およびその長さに基づいて計測孔データ(計測孔数、計測孔ピッチ)を取得し、この計測孔データを基準孔データと比較することにより、表裏の判別に供するボタンBの糸通し孔Ba(孔数、孔ピッチ)を判別できる。
なお、表裏の判別に供するボタンBの表裏、直径、孔数および孔ピッチのすべてが基準と同一である場合には、その判別結果としてボタンBが正常であることをあらわす正常信号をミシン本体およびボタン供給装置の少なくとも一方の制御部に出力する。
また、表裏の判別に供するボタンBの表裏、直径、孔数および孔ピッチの何れか1つでも基準と異なる場合には、そのボタンBを排除する排除信号をボタン供給装置の制御部に出力し、不図示の排除機構により排除するとよい。
そして、表裏の判別に供するボタンBの判別が終了、すなわち、判別結果の出力が終了したら、計測データ保持メモリ22のデータをクリアして待機する。これにより、つぎの表裏の判別に供するボタンBの判別に備える。
ここで、落射光Lbによるボタン形状イメージ図を図12に示す。
図12は、ボタンBが検査位置IPのCCDラインセンサ3a上を移動し時間軸上に落射光LbによるCCDラインセンサ3aからの出力の明暗切替えポイントを点で表し、その点を結びボタン形状イメージとしたものである。
実際のCCDラインセンサ3aは、図12に示す表示時間間隔よりも時間間隔を狭く詳細にボタンデータを検出するが、図12では説明の便宜上時間ポイントを省略して図示してある。
図12に示すように、ボタンBは搬送面Waを等速で移動するため、時間に速度を乗じたものが搬送方向に沿った長さ(直径)となる。また、CCDラインセンサ3aによるボタンBの検出開始時点を「0」とする基準位置とした場合、搬送方向の座標が求まる。そして、CCDラインセンサ3aの出力の座標(ボタンBの搬送方向に対して直交する方向に配列されている受光素子の座標)とあわせて検出した位置を取得できる。
ここで、本発明のボタン表裏判別方法の実施形態について図13によりさらに説明する。
図13は本発明に係るボタンの表裏判別方法の実施形態の要部を示すフローチャートである。
本実施形態の表裏判別方法は、前述した図1に示す本実施形態の表裏判別装置1を用いて実施する。また、表裏判別装置1による動作は、制御手段5のCPU14がメモリ15に記憶されているプログラムおよびデータに基づいて、可動部の動作を制御して実行する。
図13に示すように、本実施形態の表裏判別方法は、まず、S(ステップ、以下、同じ)1−S4において、ボタンBの検出を行う。このボタンBの検出は、斜光照明装置7による斜光照明を点灯(落射照明は消灯する。)してデータ読込(CCDラインセンサ3aが検出したデータ(出力)の受信)を行い、ボタン未検出(S2のN:CCDラインセンサ3aからの出力が「High」のまま)の場合には、落射照明装置8による落射照明を点灯(斜光照明は消灯)してデータ読込を行う。そして、ボタンBを検出(S2のYおよびS4のY)するまでS1−S4を繰り返す。なお、図13においては、CCDラインセンサを、単に、ラインセンサと記す。
ここで、落射照明を用いない場合には、図13の破線にて示すにように、斜光照明のみによりS1、S2をこの順に繰り返す(図13の破線矢印にて示すS2のN)。
ついで、ボタンBを検出(S2のY、S4のY:CCDラインセンサ3aからの出力が「High」から変化)すると、S5において、検出開始時間T1をメモリ15の計測データ保持メモリ22に記憶する。また、検出回数Iと、以前の読込データをクリアする。
ついで、S6において、斜光照明を点灯して斜光LaによるCCDラインセンサ3aが検出した斜光照明データ(図11参照)をメモリ15、詳しくは、ワークメモリ23に記憶し、斜光照明を消灯する。
ついで、S7において、落射照明を点灯して落射光LbによるCCDラインセンサ3aが検出した落射照明データ(図11、図12参照)をメモリ15、詳しくは、ワークメモリ23に記憶し、落射照明を消灯する。
ついで、S8において、少なくとも斜光照明による斜影長さDRと、落射照明による左右外径陰影長さFRLおよびFRR(図11参照)と、落射照明による糸通し孔Baの孔位置の開始と終わりとなる第1立上がり位置FF1および第1立下がり位置FR1(図11参照)、落射照明による異なる糸通し孔Baの孔位置の開始と終わりとなる第2立上がり位置FF2および第2立下がり位置FR2(図11参照)のそれぞれを、検出回数Iをアドレスとしてメモリ15、詳しくは計測データ保持メモリ22に記憶する。なお、図13に示すように、糸通し孔Baは、最大2つが同時に検出され、3つ以上が同時に検出されることはない。但し、位置は異なる。
ついで、S9において、ボタンBの検出を終了したか否かを判断し、終了しない(CCDラインセンサ3aからの出力が「High」に復帰しない:S9のN)場合には、S10に進行して検出回数Iに1を加算して、ボタンBの検出が終了するまでボタンBが所定距離移動する毎にS6−S10の処理を繰り返す。
前記ボタンBの検出を終了した(CCDラインセンサ3aからの出力が「High」に復帰:S9のY)場合には、S11に進行して、ボタンBの検出終了時間T2をメモリ15、詳しくはワークメモリ23に記憶して、検出時間T(T2−T1)を算出する。そして、検出時間Tに予め設定されているボタン搬送速度Vを乗算してボタンBの縦方向(ボタンBの搬送方向と平行で、CCDラインセンサ3aの長手方向に対して直交する方向:図11に示すボタンの上下方向)の外径FLを算出する。この外径FLは、縦方向の計測直径値(計測ボタンデータ)である。なお、S8におけるDR、FRL、FF1、FR1、FF2、FR2およびFRRは、いずれもガイド面Wbから表裏の判別に供するボタンBの横方向(CCDラインセンサ3aの長手方向に平行で、ボタンBの搬送方向に対して直交する方向:図11に示すボタンの左右方向)の長さである。
ついで、S12において、斜光Laによる斜影長さDRの最大値MAX(DR(I))を求め、この最大値MAX(DR(I))から表裏の判別に供するボタンBの計測ボタンデータとなる斜影長さLS(LS=MAX(DR(I)))を求める。また、落射光Lbによる陰影長さFRの最大値MAX(FR(I))を求め、この最大値MAX(FR(I))から表裏の判別に供するボタンBの横方向の計測直径値(計測ボタン直径データ)となる陰影長さLD(LD=MAX(FRL(I)−FRR(I)))を求める(図11参照)。そして、斜影長さLSと陰影長さLDを求めたら、つぎのS13に進行する。
ついで、S13において、ボタンBの横方向の外径である陰影長さLDと縦方向の外径FLとを比較して一致すれば(S13のY)、つぎのS14に進行する。また、比較結果が一致しない場合(S13のN)には、S17に進行してボタンBを排除する。このS13は、ボタンBがいびつであるか否かを判断する工程である。なお、ボタンBの排除は、ボタンBが規定値外であることをあらわす信号を制御手段5から図示しないミシン本体およびボタン供給装置の少なくとも一方の制御部に送出し、この信号を受けた制御部により実行されることになる。
ついで、S14において、ボタンBの横方向の外径である陰影長さLDと基準データ保持メモリ22に記憶されている基準ボタン直径データである基準直径値F1、すなわちボタンBの直径Dとを比較して一致すれば(S14のY)、つぎのS15に進行する。また、比較結果が一致しない場合(S14のN)には、つぎのS17に進行してボタンBを排除する。
なお、縦方向の外径FLと横方向の外径LDとによりボタンBの中心の位置を判別することができる。また、立ち下がり位置および数から糸通し孔Baの孔数、孔ピッチを検出し、基準孔データと比較することにより、孔数、孔ピッチを判別することができる。また、検出した斜光照明データを基準データ保持メモリ21に予め記憶した基準となる斜光照明データと比較したり、検出した斜光照明データを基準データ保持メモリ21に予め記憶した基準となる落射照明データと比較したりすることにより、ボタンBの外周の欠損の判別を行うこともできる。なお、糸通し孔Baの孔位置および孔径を判別することもできる。
ついで、S15において、ボタンBの表裏の判別を実行する。すなわち、ボタンBの斜影長さLSと基準データ保持メモリ22に記憶されている基準ボタンデータとを比較して一致すれば(S15のY)、ボタンBの表裏を「表」と判別し、つぎのS16に進行する。
具体的には、取得した斜影長LSを基準ボタンデータのうちのFデータ(斜影長さLSF)と比較して一致すれば、ボタンBの表裏を「表」と判別する。そして、ボタンBが「表」であることをあらわす信号を制御手段5から図示しないミシン本体およびボタン供給装置の少なくとも一方の制御部に送出し、この信号を受けた制御部によりミシン本体へのボタンBの搬送が実行されることになる。
前記S15における比較結果が一致しない場合(S15のN)には、つぎのS17に進行してボタンBを排除する。
前記S16におけるボタンBの判別およびS17におけるボタンBの排除により、ボタンBの選別が終了する。そして、ボタンBの選別が終了すると、S1に戻って、つぎのボタンBの判別と選別を開始することになる。
このように、本実施形態の表裏判別方法によれば、載置面上に載置されるボタン上方から斜光Laを照射した際に、ボタン直下の載置面上に斜光Laの照射方向に向かって形成される影の長さに基づいて、ボタンBの外周縁の断面形状の相違を判別することにより、ボタンBの表裏を判別するから、ボタンBの外周縁の断面形状が表裏で異なりさえすれば、斜光Laによってボタン直下に形成される斜影長さがボタンBの表裏によって異なるので、このボタンBの斜影長さに基づいてボタンBの表裏を確実かつ容易に判別することができる。
また、本実施形態の表裏判別方法によれば、斜光Laによってボタン直下に形成される斜影長さを、載置面上のボタンBの中心部下方を通って斜光Laの照射方向に向かう直線上の斜影長さとしているから、ボタンBの表裏のそれぞれにおける斜影長さ、および、表裏の斜影長さの差が最も大きくなるので、ボタンBの表裏をより容易に判別することができる。
本実施形態の表裏判別装置1によれば、ボタンBが載置される載置面としての搬送面Waと、載置面に斜光Laを照射する斜光照明装置7と、斜光Laが載置面に照射された際に、載置面上に形成されるボタンBの斜影が投影されるように載置面に埋設されたイメージセンサ3と、記憶部としてのメモリ15および演算部としてのCPU15を具備し可動部の動作制御を司るための制御手段5とを有しており、制御手段5は、斜光Laを照射した際に、載置面に載置されたボタン直下の載置面上に斜光Laの照射方向に向かって形成される斜影長さをイメージセンサ3で検出し、検出したボタンBの斜影長さに基づいてボタンBの表裏を判別するように形成されているから、本実施形態の表裏判別方法、すなわち、縫製物に縫い付けられるボタンBの表裏を判別するボタンBの表裏判別方法において、載置面上に載置されるボタン上方から斜光Laを照射した際に、ボタン直下の載置面上に斜光Laの照射方向に向かって形成される斜影長さに基づいて、ボタンBの外周縁の断面形状の表裏の相違を判別することにより、ボタンBの表裏を判別する表裏判別方法を簡便な構成で容易に実施することができる。
本実施形態の表裏判別装置1における載置面としての搬送面Waは、その上面にボタンBを確実に載置することができる。また、斜光照明装置7は、検査位置IPにおいて、載置面としての搬送面Waの検査位置に斜光Laを確実に照射することができるので、検査位置IPを通過するボタンBに、ボタン上方から斜光Laを照射することができる。さらに、イメージセンサ3は、載置面上に形成されるボタンBの斜影および斜影長さを容易に検出することができる。さらにまた、制御手段5は、イメージセンサ3で検出した斜影長さに基づいて、ボタンBの外周縁の断面形状の表裏の相違を判別することにより、ボタンBの表裏を判別することができる。
また、本実施形態の表裏判別装置1によれば、載置面としての搬送面Waは、ボタンBをミシンの縫製位置へ搬送する搬送経路途中に設けられ、搬送面Waには、搬送面Waに載置されたボタンBの外周の一端を当接させるために搬送面Waに対して直交するように上方に向かって立設されたガイド面Wbが設けられ、斜光照明装置7は、搬送面上に形成される影がガイド面Wbの直交方向に向かって形成されるようにガイド面Wbに対向して配置され、イメージセンサ3は、ガイド面Wbの直交方向に沿う斜影長さの最大値を検出するように形成されているから、本実施形態の表裏判別方法、すなわち、斜影長さが、搬送面上のボタンBの中心部下方を通って斜光Laの照射方向に向かう直線上の斜影長さである表裏判別方法を簡便な構成で容易に実施することができる。その結果、イメージセンサ3で検出したボタンBの表裏のそれぞれの斜影長さ、および、表裏の斜影長さの差が最も大きくなるので、ボタンBの表裏をより容易に判別することができる。
さらに、本実施形態の表裏判別装置1によれば、ガイド面Wbは、ボタンBが搬送経路に沿って搬送される際に、ボタンBの外周の一端がガイド面Wbに接しつつ搬送されるように搬送経路の搬送方向であるボタン搬送方向に沿うように形成され、制御手段5は、ボタンBが搬送面上をボタン搬送方向に沿って搬送されて搬送面Waの検査位置IPを通過する際に、イメージセンサ3で検出される斜影長さの最大値に基づいて、ボタンBの表裏を判別するように形成されているから、ボタンBの搬送を中断することなく、表裏の判別を行うことができるので、ボタンBの表裏の判別を自動的かつ効率よく行うことができる。また、ボタンのB外周の一端がガイド面Wbに接しつつ搬送面上を搬送されるので、ボタンBの搬送経路を容易に確立することができるとともに、イメージセンサ3で検出される斜影長さの基準位置を容易に確立することができる。
さらにまた、本実施形態の表裏判別装置1によれば、制御手段5は、ボタン5の斜影長さに基づいて計測ボタンデータを形成し、この計測ボタンデータを基準となる基準ボタンデータと比較することによりボタンBの表裏を判別するように形成されているから、計測ボタンデータと基準ボタンデータとを比較するという簡単な方法で、ボタンBの表裏を容易に判別することができる。また、基準ボタンデータを変更するという簡単な方法で、ボタンBの種類の変更に対応することができる。その結果、機械的な微調整を不要とすることができる。
またさらに、本実施形態の表裏判別装置1によれば、イメージセンサ3によるボタンBの影の検出レベルを設定する検出レベル設定手段としての入力部4bが設けられているから、ボタンの材質、詳しくは、透過性の程度に応じてイメージセンサ3によるボタンBの斜影の検出レベルを設定することができるので、ボタンBの斜影長さ確実に検出することができる。すなわち、ボタンBが透過性の場合には、不透明なボタンBの場合よりも検出レベルの設定を上げることにより、ボタンBの斜影を確実に検出することができる。また、透過性のボタンBの場合においては、透過性が高い場合には検出レベルを上げ、透過性が低い場合には、検出レベルの設定を透過性が高い場合に比べて下げるというように、透過性の程度に応じて検出レベルを設定することができるから、ボタンの斜影を確実に検出することができる。
また、本実施形態の表裏判別装置1によれば、イメージセンサ3が、CCDラインセンサ3aまたはCMOSラインセンサであるから、ボタンBの斜影長さを確実かつ容易に検出することができる。また、CCDラインセンサ3aを用いると、高分解能で、高速でかつ連続的にボタンBの斜影長さを検出することができる。さらに、CMOSラインセンサを用いると、低価格化を図ることができる。
また、本実施形態の表裏判別装置1によれば、ボタン直下の搬送面Wa上に斜光照明装置7による斜光の照射方向に向かって形成される斜影の長さに基づいて、ボタンの表裏を判定しているから、ボタンBの搬送面上に斜影の形成のためのスペースを設ける必要がなく、斜光照明の照射方向と反対側のボタンBの直下より外側に形成される斜影の長さに基づいて表裏を判定する場合と比較して、ボタンBの搬送面の幅を小さくすることができ、ボタンBの搬送経路をよりコンパクトに構成することができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、ボタンBのガイド面WbをボタンBの搬送方向に沿うように構成しているが、ボタンBの表裏判定時にボタンBの搬送面上にボタンBの搬送方向と直交するように上昇立設されるガイド面を有するガイド機構を設け、表裏判定時にこのガイド面にボタンBを当接させてボタンBの搬送を一旦停止させて表裏を判定し、表裏の判定結果が「表」である場合は、ガイド面を搬送面下方に下降させてボタンBを搬送可能とし、判定結果が「裏」である場合は、ガイド面の面方向が搬送方向に向かって若干傾くようにガイド機構を回転させてボタンBが搬送経路から離脱するように構成しても良い。