JP2012110164A - 回転電機のロータコア - Google Patents

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Abstract

【課題】回転強度の高い回転電機のロータコアを提供する。
【解決手段】コアプレート片3には、一方の面から突出した凸部11〜11と、他層のかしめ部の凸部と嵌合する凹部12〜12とを有するかしめ部10〜10が複数設けられており、これら凸部及び凹部は、その嵌め合いが径方向では締り嵌めとなると共に、円周方向では隙間d21〜d24を有した隙間嵌めとなっている。かしめ部10〜10は、積層方向に重なるコアプレートの継ぎ目D位置に隣接する第1かしめ部10,10と、コアプレートの端部に設けられた第2かしめ部10,10と、これら第1及び第2かしめ部の間に形成される第3かしめ部10,10,10,10とから構成されていると共に、上記隙間d21〜d24は、第2かしめ部の凹部と他層のコアプレート片の第1かしめ部の凸部との間の隙間d21が最も大きく構成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、複数のコアプレートを積層して形成する回転電機のロータコアに係り、詳しくは、そのかしめ構造に関する。
一般に、渦電流の発生を低減するために電磁鋼板を打ち抜いたコアプレートを積層して形成された回転電機のロータコアが知られている。従来、このような複数のコアプレート(鉄心用抜き板9)を積層したロータコア(回転子鉄心8)において、コアプレート9にポンチによって円形のかしめ部16を複数形成し、積層されたコアプレート同士をダボかしめによってかしめるものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上記特許文献1のようにコアプレートを積層してロータコアを形成するには、複数のコアプレートが必要となるが、コアプレートの形状が円環形状であると、母材からコアプレートを打ち抜く際に円環の中心部を使用できず、歩留まりが低くなる。そのため、このコアプレートを複数の円弧状のコアプレート片を連結して形成すると共に、コアプレート片の継ぎ目の位相(円周方向の位置)がずれるようにコアプレートを積層して(いわゆるレンガ積み)ロータコアを形成することがある(特許文献2参照)。
そして、このようにコアプレート片をレンガ積みしてロータコアを形成すると共に、ダボかしめによってコアプレート同士をかしめると、歩留まりが高く、かつ単体でその形状を保持可能なロータコアを形成することができる。
特開2010−142114号公報 特開2002−262496号公報
しかしながら、上記コアプレートをコアプレート片を連結して形成すると、ロータコアが回転した際に遠心力に基づいて、かしめ部に対して、コアプレートの円周方向に向かって強い応力が発生する。
また、円形のかしめ部には、かしめられることによって、その全周に亘って引っ張りの残留応力が生じており、かしめ部の遠心力に基づいて応力が発生する部分には、これら引っ張りの残留応力と、遠心力に基づく応力との両方の応力が働いてしまう。
そのため、ロータコアの回転強度を必要な強度に保つためには、コアプレートを分割せずにロータコアを形成する場合に比して、上記かしめ部の強度を向上させる必要がある。かしめ部の強度を向上させるには、上記遠心力に基づく応力及び残留応力の働く面積を大きくして、これらの応力を分散して受けることが考えられるが、円形のかしめ部の直径を大きくするとロータコアの径方向の幅を大きくする必要があり、ロータコアが大径化する虞があると共に、歩留まりも悪化してしまうという問題があった。
一方、ロータコアを厚くして、遠心力に基づく応力及び残留応力が働く面積を大きくしようとした場合、ロータコアに発生する渦電流が大きくなり、回転電機の効率が低下するという問題があった。
更に、上記遠心力に基づいて発生する応力は、コアプレートの円周方向に複数形成されたかしめ部の内、その円周方向の位置によって働く応力の大きさにばらつきがあり、特定のかしめ部に大きな応力が生じてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、かしめ部を、遠心力に基づく応力を受ける部分と、残留応力が生じる部分とが分離するように形成すると共に、各かしめ部に働く応力を出来る限り均一にすることによって、上記課題を解決したロータコアを提供することを目的とする。
本発明は、円環状のコアプレート(2)を複数積層して形成されると共に、前記コアプレート(2)を均等に分割した円弧状のコアプレート片(3)が連結されて前記コアプレート(2)の一層が形成され、かつ前記コアプレートの前記コアプレート片(3)の継ぎ目(D,D)の円周方向(C)の位置が、一層毎に交互に異なるように構成された回転電機のロータコア(1)において、
前記コアプレート片(3)は、積層方向一方側の面に形成された凸部(11)と、積層方向他方側で前記凸部(11)と同じ位置に形成され、前記コアプレート片(3)が積層された際に積層方向他方側の面と接する他層の前記コアプレート片(3)の凸部(11)と嵌合する凹部(12)と、を有するかしめ部(10)を、前記コアプレート(2)の円周方向に複数備え、
前記複数のかしめ部(10〜10)を、前記他層のコアプレート片(3)の継ぎ目位置(D)に隣接する第1かしめ部(10,10)と、前記コアプレート片(3)の端部に設けられた第2かしめ部(10,10)と、これら第1及び第2かしめ部の間に形成される第3かしめ部(10,10,10,10)とから構成すると共に、前記第1かしめ部(10,10)の凹部(12,12)が、前記他層の前記コアプレート片(3)の前記第2かしめ部(10,10)の凸部(11,11)に嵌合し、前記第2かしめ部(10,10)の凹部(12,12)が、前記他層のコアプレート片(3)の前記第1かしめ部(10,10)の凸部(11,11)に嵌合し、前記第3かしめ部(10,10,10,10)の凹部(12,12,12,12)が、前記他層の前記コアプレート片(3)の前記第3かしめ部(10,10,10,10)の凸部(11,11,11,11)に嵌合するように前記コアプレート(2)を積層し、
これら第1乃至第3のかしめ部(10〜10)の凸部(11〜11)及び凹部(12〜12)の嵌め合いを、前記コアプレート(2)の半径方向(R)では締り嵌めとすると共に、前記コアプレート(2)の円周方向(C)では所定の隙間(d)を存する隙間嵌めとしかつ、前記第2かしめ部(10,10)の凹部(12,12)と前記他層のコアプレート片(3)の前記第1かしめ部(10,10)の凸部(11,11)との間の円周方向(C)の前記隙間(d21)を、前記第3かしめ部(10,10,10,10)の凹部(12,12,12,12)と前記他層のコアプレート片(3)の前記第3かしめ部(10,10,10,10)の凸部(11,11,11,11)との間の円周方向(C)の前記隙間(d23,d24)よりも大きくした、
ことを特徴とする。
また、前記第1かしめ部(10,10)の凹部(12,12)と前記他層のコアプレート片(3)の前記第2かしめ部(10,10)の凸部(11,11)との間の円周方向(C)の隙間(d22)の大きさを、前記第2かしめ部(10,10)の凹部(12,12)と前記他層のコアプレート片(3)の前記第1かしめ部(10,10)の凸部(11,11)との間の円周方向(C)の前記隙間(d21)以下でかつ、前記第3かしめ部(10,10,10,10)の凹部(12,12,12,12)と前記他層のコアプレート片(3)の前記第3かしめ部(10,10,10,10)の凸部(11,11,11,11)との間の円周方向(C)の前記隙間(d23,d24)以上となるように設定すると好適である。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより各請求項の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る発明によると、かしめ部の嵌め合いを、コアプレートの半径方向は締り嵌めとすると共に、コアプレートの円周方向は所定の隙間を有する隙間嵌めとすることによって、遠心力に基づく応力を受けるかしめの円周方向部分に、かしめ部をかしめる際に生じる引っ張り残留応力が生じることを防止することが出来る。また、上記隙間を、ロータコアの回転時には、嵌合するかしめ部の凸部と凹部とが当接するような隙間としたことによって、遠心力に基づく応力をかしめ部の残留応力が生じていない部分で受けることができる。更に、1つのコアプレート片に複数のかしめ部を設け、これら複数のかしめ部のうち、同じ層のコアプレートの継ぎ目位置に隣接するかしめ部の凹部が、他層のかしめ部の凸部と嵌合して形成する上記隙間を、それ以外のかしめ部の凹部が、他層のかしめ部の凸部と嵌合して形成する隙間よりも大きくすることによって、かしめ部の円周方向の位置に依らず、1つのコアプレート片の各かしめ部に掛る応力の差を、出来る限り少なくすることができる。そして、これら残留応力が生じる部分と、遠心力を受ける部分とを分離するようにかしめ部を形成したことと、かしめ部の隙間を調整して、1つのコアプレート片に形成される複数のかしめ部に均等に応力が生じるようにしたこととが相俟って、回転強度の高いロータコアを形成することができる。
請求項2に係る発明によると、第1かしめ部の凹部と他層のコアプレート片の第2かしめ部の凸部との間の上記隙間の大きさを、第2かしめ部の凹部と他層のコアプレート片の第1かしめ部の凸部との間の隙間以下でかつ、第3かしめ部の凹部と他層のコアプレート片の第3かしめ部の凸部との間の円周方向の隙間以上となるように設定することによって、1つのコアプレート片に形成される複数のかしめ部により均等に応力を生させることができる。
本発明の実施形態に係るロータコアを示す模式図。 本発明の実施形態に係るコアプレート片を示す模式図。 本発明の実施形態に係るかしめ部の形状を説明する模式図であって、(a)かしめ部の平面図、(b)かしめ部のA−A断面図、(c)かしめ部のB―B断面図。 本発明の実施形態に係るコアプレート片のかしめ部に掛る残留応力を説明する模式図であって、(a)コアプレート片を積層する前の状態を示す図、(b)コアプレート片を積層した後の状態を示す図、(c)図4(b)の要部拡大図。 本発明の実施形態に係るコアプレート片のかしめ部に掛る遠心力に基づく応力を説明する模式図であって、(a)異なる層のコアプレート片に生じる遠心力を説明する模式図、(b)図5(a)の要部拡大図。 (a)本発明の実施形態に係るコアプレート片に設けられた複数のかしめ部の関係を示す模式図、(b)図6(a)のM―M断面図、(c)図6(a)のコアプレート片が積層された際の状態を示す断面図。 本発明の実施形態に係るコアプレート片に設けられた各かしめ部における、その凸部と他層のかしめ部の凹部との間の隙間の大きさを示すグラフ。 図7の隙間の大きさを、各かしめ部ごとに調整した場合と、調整しない場合とにおいて、各かしめ部の凸部に生じる応力の大きさを示すグラフ。 本発明の実施形態に係るコアプレート片の変形例。
以下、本発明の実施形態に係る回転電機のロータコアについて、図面に基づいて説明をする。なお、以下の説明中において、締り嵌めとは、嵌め合わす凸部の幅を凹部の幅よりも少し大きくした形式の嵌め合いのことを言い、隙間嵌めとは、凸部と凹部との間に所定の隙間を有した形式の嵌め合いのことを言う。
図1及び図2に示すように、IPMモータ(回転電機)用のロータコア1は、円環状のコアプレート2が複数積層されて形成されている。該コアプレート2は、電磁鋼板の母材から打ち抜かれた板状の部材であり、歩留まりの向上を図るために、該コアプレート2を均等に分割(本実施形態では5分割)した円弧状のコアプレート片3を連結して形成されている。
具体的には、このコアプレート片3の一端部には、円周方向に隣接するコアプレート片3と連結するための突起部5aが形成されていると共に、他端部には、上記コアプレート片3の突起部5aが嵌め込まれる嵌め込み部5bが形成されている。1つのコアプレート2には、これらコアプレート片同士の継ぎ目D,D、即ち突起部5aと嵌め込み部5bとの接合箇所がコアプレート片3の数と同数だけ形成されている。
上記コアプレート2は、どの一層のコアプレート2も同じ形状のコアプレート片3を結合して円環状に形成されているが、積層方向に重なる(隣接する)コアプレート2に対してコアプレート片3の継ぎ目D,Dの円周方向の位置(位相)を一層毎に交互にずらすレンガ積みによって積層されている。即ち、コアプレート2の継ぎ目D,Dの円周方向の位置が、積層方向に重なる前記コアプレート同士で交互に異なるように構成されている。例えば図1において、便宜的にロータコア1の底部から数えて積層されたコアプレート2を奇数層と、偶数層とに分けると、偶数層のコアプレート片3は、その端部位置(継ぎ目D)が奇数層のコアプレート片3の端部位置(継ぎ目D)に対して位置が所定角度ずれるように配設されている。
また、上記コアプレート片3には、ネオジウム磁石などの希土類永久磁石が嵌挿される磁石嵌挿穴6と、積層された複数のコアプレート2同士を締結するかしめ部10と、がその円周方向に複数、形成されている。このかしめ部10は、磁石嵌挿穴6の両端部の内周側にそれぞれ設けられており、コアプレート2が仮組された後にかしめ部10をかしめることによって、ロータコア1は、各コアプレート2がばらばらにならずに、その形状を保持できるようになっている。
ついで、上記かしめ部10について詳しく説明をする。図2及び図3に示すように、かしめ部10は、プレス成型によってコアプレート片を一方の面(積層方向一方側の面)側に突出させた凸部(ダボ)11と、この凸部11が形成されることにより、コアプレート片3の凸部11の裏面(積層方向他方側で凸部11と同じ位置)に形成される凹部12と、から構成されており、この凹部12に他のコアプレート片3の凸部11が嵌合することによって、ダボかしめされるようになっている。
ところで、これら凸部11及び凹部12からなるかしめ部10には、かしめられる際に発生する残留応力と、ロータコア1が回転する際に掛る遠心力に基づく応力と、の2つの応力が作用する。
上記残留応力は、かしめ部10が締り嵌めされることによって生じる応力であり、図4に示す互いに積層されるA〜C層L,L,Lのコアプレート片3,3,3を例に取って説明すると、かしめ部10は、締り嵌めとなる部分10aにおいて、凸部11の幅Wr1が締め代d分だけ凹部12の幅Wr2よりも大きくなるように形成されている(図4(a)参照)。
図4(b)に示すように、コアプレート片3,3,3は、凸部11が締め代分dだけ幅狭な凹部12に圧入されて締り嵌めされることによって、その積層方向に連結されるが、図4(c)のコアプレート片3のように、凸部11が他の層(C層L)のコアプレート片3の凹部12に圧入されると、圧入された凸部11は、C層Lの凹部12の壁部12aから圧縮する方向(C層Lの凹部からB層Lの凸部11に向かう方向)の応力Tcを受ける。
一方、凹部12に他の層(A層L)の凸部が圧入されると、その凹部12には、A層Lの凸部11の壁部11aから拡大する方向(A層Lの凸部11からB層Lの凹部12向かう方向)に応力Ttが作用する。そして、これら凸部11及び凹部12を接続するB層Lの接続部Iでは、互いに反対方向に向かって働く上記応力Tc,Ttが掛り、これら凸部側及び凹部側からの応力Tc,Ttが釣り合って、上述した引っ張りの残留応力が発生する。
また、上記遠心力に基づく応力は、ロータコア1が回転することによってかしめ部10に発生する応力であり、ロータコア1が回転すると、図5(a)に示すように、重なり合うコアプレート片3,3のそれぞれには遠心力F,Fが作用する。
これら重なり合うコアプレート片3,3に作用する遠心力F,Fを、コアプレート片3,3の円周方向成分FEX,FOXと半径方向成分FEY,FOYとに分けて考えると、図5(b)に示すように、半径方向成分FEY,FOYは、どちらもコアプレート2の中心から外径側に向かう方向に作用するため、重なり合うコアプレート片3,3間で互いに反力を受けることができず、層の異なるコアプレート片3,3同士を連結するかしめ部10には、ほとんど力が作用しない。
一方、遠心力F,Fの円周方向成分FOX,FEXは、重なり合うコアプレート片3,3間でその作用方向が異なるため、これらコアプレート片3,3を連結するかしめ部10で互いに反力を受けることができる。即ち、コアプレート片3の端部に形成されたかしめ部10に着目すると、重なり合うコアプレートが円周方向に沿って反対側に移動しようとすることによって、かしめ部10には、コアプレート2の円周方向に遠心力に基づく応力が発生する。なお、遠心力F,Fの半径方向成分FEY,FOYは、その力をコアプレート2全体のかしめ部で分散して受けるが、特にコアプレート片3の継ぎ目D,D近くのかしめ部に大きな力が作用する。
上述した図3に示す本発明に係るかしめ部10は、これら遠心力に基づく応力と、引っ張りの残留応力とが同じ場所に生じないように構成されており、上記残留応力が生じる締り嵌めとなる部分10aと、遠心力による応力が生じる部分10bと、が別々に分かれて構成されている。
具体的には、かしめ部10は、凸部11及び凹部12のコアプレート2の円周方向(コアプレート片3の接線方向)Cの壁部11a,12aを直線状に形成した直線部10aと、これら凸部11及び凹部12のコアプレート2の半径方向Rの壁部11b,12bを所定の曲率の円弧状に形成した円弧部10bと、を有し、上記直線部10a間を円弧部10bによって結んだ長円形状をしており、この直線部10aによってかしめ部10の締り嵌めとなる部分を形成している。
即ち、かしめ部10は、直線形状の壁部11a,11a間の幅である凸部11のコアプレート2の半径方向Rの幅Wr2を、直線状の壁部12a,12a間の幅である凹部12のコアプレート2の半径方向Rの幅Wr1よりも大きくし(Wr2>Wr1)、これら凸部11及び凹部12の半径方向Rの嵌め合いを締り嵌めとしている。
また、かしめ部10には、その円周方向に遠心力F,Fに基づく応力が作用するため、凸部11及び凹部12の円周方向の端部である上記円弧部10bは、円弧形状の壁部11b,12b間に所定の隙間dを有する隙間嵌めとなっている。即ち、この円弧部10bによりかしめ部10の隙間嵌めとなる部分を形成しており、円弧状の壁部11b,11b間の幅に相当する凸部11のコアプレート2の円周方向Cの幅Wc2が、円弧状の壁部12b,12b間の幅に相当する凹部12のコアプレート2の円周方向の幅Wc1よりも小さくなっている(Wc1>Wc2)。
なお、上記円弧部10bでは、かしめ部10がかしめられた時点では、凸部11の円弧状の壁部11bと、凹部12の円弧状の壁部12bとの間に隙間dが存在しているため、これら壁部11b,12b間で遠心力F,Fの円周方向成分FOX,FEXの反力を受けることができないが、この隙間dは、ロータコア1が回転して重なり合うコアプレート片3,3が円周方向に離れるように移動しようとすると、これらコアプレート片間の微小なズレや、コアプレート片3,3の弾性変形により無くなって、凸部11の円弧状の壁部11bと凹部12の円弧状の壁部12bとが当接できるように形成されている。言い換えると、ロータコア1の回転時にはこれら凸部11と凹部12とが当接するような隙間dとなっている。
ついで、上述したかしめ部10のコアプレート片3の円周方向の位置による違いについて説明をする。図6に示すように、1つのコアプレート片3には、その円周方向に複数(本実施形態では8つ)のかしめ部10〜10が形成されており、これらかしめ部10〜10は、積層方向に重なる前記コアプレート2の継ぎ目D位置(継ぎ目の円周方向位置)に隣接する第1かしめ部10,10と、コアプレート片3の端部に設けられた第2かしめ部10,10と、これら第1及び第2かしめ部の間に形成される第3かしめ部10,10,10,10とから構成されている。
図6(b),(c)に示すように、ロータコア1は、上記第1かしめ部10,10の凸部11,11及び凹部12,12が、凸部側及び凹部側の他層の前記コアプレート片3の第2かしめ部10,10の凹部12,12及び凸部11,11にそれぞれ嵌合し、第3かしめ部10,10,10,10の凸部11,11,11,11及び凹部12,12,12,12が、凸部側及び凹部側の他層の前記コアプレート片3の第3かしめ部10,10,10,10の凹部12,12,12,12及び凸部11,11,11,11にそれぞれ嵌合するようにコアプレート2が積層されている。
これら第1乃至第3のかしめ部10〜10の凸部11〜11及び凹部12〜12の嵌め合いは、上述したように、コアプレート2の半径方向Rでは締り嵌めとなっていると共に、前記コアプレート2の円周方向Cでは、ロータコア1の回転時にこれら凸部11〜11と凹部12〜12とが当接するような隙間dを存する隙間嵌めとなっており、この隙間dは、ひとつのかしめ部10に対して、凸部11と上層(凸部側の層)のコアプレート片3O1のかしめ部10の凹部12との間(例えば、かしめ部10に対しては凸部側隙間d21)と、凹部12と下層(凹部部側の層)のコアプレート片3O2のかしめ部10の凸部11との間(例えば、かしめ部10に対しては凹部側隙間d22)と、に形成される。
ところで、図8のグラフSは、上記隙間dを上記第1乃至第3かしめ部10〜10間で同一とした場合に、各かしめ部10〜10の凸部11〜11に掛る応力の大きさを表したものであるが、これら第1乃至第3かしめ部10〜10間で隙間dを同一とすると、コアプレート2の継ぎ目D,Dに隣接する第1及び第2かしめ部10,10,10,10の凸部11,11,11,11、特に積層方向に重なるコアプレート2の継ぎ目D位置に隣接する第1かしめ部10,10の凸部11,11に大きな応力が作用することが分かる。
これは、ロータコア1が回転すると、コアプレート片3の端部は中央部に比して遠心力による影響を大きく受けるためであり、コアプレート2の継ぎ目D,Dに隣接した第1及び第2かしめ部10,10,10,10に働く応力は、第3かしめ部10,10,10,10に働く応力よりも大きくなる。
とりわけ、第1かしめ部10,10は、これら隣接する一対の第1かしめ部10,10間に上下層の分割位置(継ぎ目D)が位置するため、それぞれ別のコアプレート片3o1、3o2のかしめ部10,10と嵌合している。そして、ロータコア1が回転して遠心力が発生すると、上下層のコアプレート片3o1,3o2は、円周方向Cに隣接するコアプレート片同士が継ぎ目Dを境にして離れる方向に移動しようとするが、これら別々の離れる方向に移動するコアプレート片3o1,3o1、3o2,3o2と嵌合する第1かしめ部10,10は、上下層のコアプレート片3o1,3o2の移動によって、同一コアプレート片3内において円周方向Cに離れる方向に引っ張られるため、大きな引っ張り応力が働く。
一方、継ぎ目Dに隣接するかしめ部10,10の凸部11,11では、上述したように継ぎ目Dで別々のコアプレート片3,3に分かれているため、分割されたコアプレート片3,3間で直接的に力が作用することがないと共に、継ぎ目Dに力を逃がすことができるため、継ぎ目Dに隣接するかしめ部10,10の凸部11,11ほど大きな応力は生じない。
本実施形態では、図6及び図7に示すように、上記第1及び第2かしめ部10,10,10,10に高い応力が発生しないように、第1かしめ部10,10と他層の前記コアプレート片3O1,3O2の第2かしめ部10,10との間の隙間d21,d22を、第3かしめ部10,10,10,10と他層のコアプレート片3O1,3O2の第3かしめ部10,10,10,10との間の前記隙間d23,d24よりも大きく形成している。
特に凸部11,11に高い引っ張りの応力が発生しやすい第1かしめ部10,10に掛る応力を低減するために、第1乃至第3かしめ部10〜10は、第1かしめ部10,10と他層の前記コアプレート片3O1,3O2の第2かしめ部10,10との間の隙間d21,d22のうち、第1かしめ部10,10の凸部11,11と、凸部側の他層の前記コアプレート片3O1の第2かしめ部10,10の凹部12,12と間の隙間d21を、第1かしめ部10,10の凹部12,12と、凹部側の他層の前記コアプレート片3O2の第2かしめ部10,10の凸部11,11と間の隙間d22よりも大きくしている。
ついで、上述した隙間関係を、ひとつのコアプレート片3の第1乃至第3かしめ部10〜10の凸部11〜11と、上層(他層)のコアプレート片3O1のかしめ部10〜10凹部12〜12との間の隙間で考えてみる。図6(b)に示すように、かしめ部10〜10は、その凹部12〜12の幅がどのかしめ部においても一定に形成されていると共に、凸部11〜11は、各かしめ部によってその幅を変えて形成されている。
具体的には、第1かしめ部10,10の凸部11,11の幅Wc24,Wc25を最も小さく形成していると共に、次いで、第2かしめ部10,10の凸部11,11及び第1かしめ部10,10側の第3かしめ部10,10の凸部11,11の幅Wc21,Wc28,Wc23,Wc26が小さく形成され、そして、第2かしめ部10,10側の第3かしめ部10,10の凸部11,11の幅Wc22,Wc27を最も大きくしている。
即ち、図7に示すように、各かしめ部10〜10の凸部11〜11によって形成される隙間は、第1かしめ部10,10の隙間d21が最も大きく、第2かしめ部10,10及び第1かしめ部10,10側の第3かしめ部10,10の隙間d22,d23、第2かしめ部10,10側の第3かしめ部10,10の隙間d24の順に小さくなっている。
また、凹部側の観点からみると、第2かしめ部10,10の凹部(12,12)と上層のコアプレート片3O1の第1かしめ部10,10の凸部11,11との間の円周方向Cの隙間d21を、第3かしめ部10,10,10,10の凹部12,12,12,12と上層のコアプレート片3O1の第3かしめ部10,10,10,10の凸部11,11,11,11との間の円周方向Cの前記隙間d23,d24よりも大きくした。また、第1かしめ部10,10の凹部12,12と上層のコアプレート片3の第2かしめ部10,10の凸部11,11との間の円周方向Cの隙間d22の大きさを、第2かしめ部10,10の凹部12,12と上層のコアプレート片3O1の第1かしめ部10,10の凸部11,11との間の円周方向Cの隙間d21以下でかつ、第3かしめ部10,10,10,10の凹部12,12,12,12と他層のコアプレート片3の第3かしめ部10,10,10,10の凸部11,11,11,11との間の円周方向Cの隙間d23,d24以上となるように設定した、ともいえる。
なお、図7中のEの範囲は、第1かしめ部10,10の凸部側の隙間d21の設定許容範囲であり、第2かしめ部10,10の凸部側の隙間d22の設定許容範囲Eと略略一致している。また、Eは、第3かしめ部10,10の凸部側の隙間d22,d23,d26,d27の設定許容範囲であり、これら第3かしめ部10,10の凸部側の隙間d22,d23,d26,d27は、第1かしめ部10,10に近いほどその隙間が大きく、積層方向に重なる前記コアプレート2の継ぎ目D位置と、コアプレート片3の端部位置である継ぎ目Dとの間の中間点で、その隙間が小さくなるように設定されている。
ついで、本発明の実施形態に係るロータコア1の作用について説明をする。作業者は、ロータコア1を作成するにあたり、図1に示すように、保持器(不図示)にコアプレート片3を環状に並べてコアプレート2を形成すると共に、このコアプレート上に次のコアプレート片3を積層して行く。この時、保持器はコアプレートの層が変わる度に所定角度だけ回転させられるため、上記コアプレート2は、積層方向に隣接するコアプレート2とコアプレート片3の継ぎ目D1,D2の円周方向Cの位置が交互にずれるように積層される。また、このコアプレート2の層が変わる際にはプレスによってだぼかしめされるため、積層されたコアプレート2が積層方向に連結される。そして、このコアプレート2が規定枚数積層されてロータコア1が形成される。
即ち、仮組されたコアプレート2がプレスされると、かしめ部10の直線部10aが締り嵌めによって嵌合し、コアプレート片3を積層方向に連結すると共に、これら積層された複数のコアプレート2によって1つのロータコア1が形成される。そして、作業者、このロータコア1の磁石嵌挿穴6にネオジム磁石を挿入してロータとすると共に、このロータを組み込んで回転電機を作成する。
ところで、回転電機に電力が供給されて上記ロータが回転すると、ロータコア1のコアプレート片3には、それぞれロータの回転速度に応じた遠心力が発生する。この遠心力が発生すると、図5に示すように、各コアプレート片3は、重なり合うコアプレート片3,3がコアプレート2の円周方向Cに離れる方向(例えば、コアプレート片3の場合、図中M方向)に移動しようとする。すると、これら重なり合うコアプレート片3,3を連結するかしめ部10では、隙間嵌めであった円弧部10bの壁部11b,12b間の隙間dがコアプレート片3,3の円周方向へのズレもしくは弾性変形によって無くなる。そして、かしめ部10に掛る遠心力の円周方向成分の力は、これら円弧状の壁部11b,12bが当接することによって受けられる。
この時、コアプレート片3に設けられた第1乃至第3かしめ部10〜10は、その凸部11〜11と他層のコアプレート片3O1,3O2のかしめ部10〜10の凹部12〜12と間に形成される隙間d21〜d24が狭いかしめ部10〜10から、上記円弧状の壁部11b,12bが当接する。具体的には、第2かしめ部側の第3かしめ部10,10、第1かしめ部10,10側の第3かしめ部10,10及び第2かしめ部10,10、そして、最後に第1かしめ部10,10の壁部11b,12bが当接し、上記円周方向成分の力は、各かしめ部10〜10にて分散して受けられる。
このように、かしめ部10に掛る遠心力を、円弧状に形成された壁部11b,12bの当接によって受けると、応力集中しないために大きな応力(遠心力)にも耐えることができる。また、かしめ部10の半径方向の嵌め合いを締り嵌めとし、この遠心力に基づいて発生する応力を受ける円弧部10bを隙間嵌めとしたことによって、円弧部10bには、締り嵌めによる引っ張りの残留応力が発生しておらず、より大きな遠心力に耐えることができる。
更に、上記締りはめとなる部分をコアプレート片3の接線方向に直線状に延接された直線部10aによって構成したことにより、この直線部で締り嵌めによる残留応力を均等に受けることができると共に、重なり合うコアプレート片3,3の円周方向へのズレを容易にしている。そして、これら遠心力に基づく応力を受ける部分と、残留応力が生じる部分とを分けることによって、かしめ部が大きな遠心力にも耐えられるようになり、ロータコア1の回転強度を向上させることができる。
更に、1つのコアプレート片3に複数のかしめ部を設け、これら複数のかしめ部のうち、積層方向に重なるコアプレート3の継ぎ目D位置及び同じ層コアプレート3の継ぎ目D位置に隣接する第1及び第2かしめ部10,10,10,10が、他層のコアプレート片3O1,3O2のかしめ部10,10,10,10と嵌合して形成する上記隙間d21,d22を、第3かしめ部10,10,10,10が、他層の第かしめ部10,10,10,10と嵌合して形成する隙間d23,d24よりも大きくすることによって、かしめ部10〜10の位置に依らず、1つのコアプレート片3の各かしめ部10〜10に掛る応力の差を、出来る限り少なくすることができる。
また、第1かしめ部10,10の凸部11,11と、上層のコアプレート片3O1の第2かしめ部10,10の凹部12,12との間の隙間d21を、他の隙間d22〜d24よりも大きくしたことによって、かしめ部10〜10の中で、最も大きな引っ張り応力が働く第1かしめ部10,10の凸部11,11に生じる応力を効果的に低減することができる。
これにより、かしめ部の強度が向上し、コアプレート2を分割したロータコア1においても、径方向にコンパクトな構成で必要な回転強度を達成することができる。また、コアプレート2の厚さも薄く形成することができるので、ロータコア1に発生する渦電流も小さく抑えることができ、歩留まりが高く効率の良い回転電機を、上記ロータコア1を用いて作成することができる。
なお、本実施形態においては、上記かしめ部10の凸部11と、他の層のコアプレート片3O1,3O2のかしめ部10の凹部12との間の隙間dの大きさを調節するのに、該かしめ部の凹部12の幅Wc1を一定にすると共に、各かしめ部10の凸部11の幅Wc21〜Wc28を変更していたが、当然にかしめ部10の凸部11の幅Wc2を一定にすると共に、各かしめ部の凹部12の幅Wc1を変更しても良い。また、図9に示すように、凸部11の凹部12に対する位置をずらし、ロータコア1が回転した際に、かしめ部の凸部及び凹部が当接する側の隙間dだけを調節するようにしても良い。
更に、上記かしめ部10は、円弧部10bを2つの曲率の円弧によって形成したり、曲率の小さな1つの大きな円弧によって形成したりして、直線部10aを長く形成するようにしても良い。
また、本実施形態において、かしめ部10は、円周方向の長さが半径方向の長さよりも長く形成されていたが、半径方向の長さを円周方向の長さよりも長く形成しても良い。
更に、上述したかしめ構造は、どのように組み合わされても良いと共に、IPMモータに限らずどのような回転電機のロータコアに使用されても良いことは当然である。
1 ロータコア
2 コアプレート
3 コアプレート片
10,10 第1かしめ部
10,10 第2かしめ部
10,10,10,10 第3かしめ部
10a 締り嵌めとなる部分(直線部)
10b 隙間嵌めとなる部分(円弧部)
11 凸部
11,11 第1かしめ部の凸部
11,11 第2かしめ部の凸部
11,11,11,11 第3かしめ部の凸部
12 凹部
12,12 第1かしめ部の凹部
12,12 第2かしめ部の凹部
12,12,12,12 第3かしめ部の凹部
r1 凹部のコアプレート半径方向の幅
r2 凸部のコアプレート半径方向の幅
c1 凹部のコアプレート円周方向の幅
c2 凸部のコアプレート円周方向の幅
隙間
21 第1かしめ部の凸部と、凸部側の他層のコアプレート片の第2かしめ部の凹部と間の隙間
22 第1かしめ部の凹部と、凹部側の他層のコアプレート片の第2かしめ部の凸部と間の隙間
23,d24 第3かしめ部と他層のコアプレート片の第3かしめ部との間の隙間
,D 継ぎ目
R 半径方向
C 円周方向

Claims (2)

  1. 円環状のコアプレートを複数積層して形成されると共に、前記コアプレートを均等に分割した円弧状のコアプレート片が連結されて前記コアプレートの一層が形成され、かつ前記コアプレートの前記コアプレート片の継ぎ目の円周方向の位置が、一層毎に交互に異なるように構成された回転電機のロータコアにおいて、
    前記コアプレート片は、積層方向一方側の面に形成された凸部と、積層方向他方側で前記凸部と同じ位置に形成され、前記コアプレート片が積層された際に積層方向他方側の面と接する他層のコアプレート片の凸部と嵌合する凹部と、を有するかしめ部を、前記コアプレートの円周方向に複数備え、
    前記複数のかしめ部を、前記他層のコアプレート片の継ぎ目位置に隣接する第1かしめ部と、前記コアプレート片の端部に設けられた第2かしめ部と、これら第1及び第2かしめ部の間に形成される第3かしめ部とから構成すると共に、前記第1かしめ部の凹部が、前記他層のコアプレート片の前記第2かしめ部の凸部に嵌合し、前記第2かしめ部の凹部が、前記他層のコアプレート片の前記第1かしめ部の凸部に嵌合し、前記第3かしめ部の凹部が、前記他層のコアプレート片の前記第3かしめ部の凸部に嵌合するように前記コアプレートを積層し、
    これら第1乃至第3のかしめ部の凸部及び凹部の嵌め合いを、前記コアプレートの半径方向では締り嵌めとすると共に、前記コアプレートの円周方向では所定の隙間を存する隙間嵌めとしかつ、前記第2かしめ部の凹部と前記他層のコアプレート片の前記第1かしめ部の凸部との間の円周方向の隙間を、前記第3かしめ部の凹部と前記他層のコアプレート片の前記第3かしめ部の凸部との間の円周方向の隙間よりも大きくした、 ことを特徴とする回転電機のロータコア。
  2. 前記第1かしめ部の凹部と前記他層のコアプレート片の前記第2かしめ部の凸部との間の円周方向の隙間の大きさを、前記第2かしめ部の凹部と前記他層のコアプレート片の前記第1かしめ部の凸部との間の円周方向の隙間以下でかつ、前記第3かしめ部の凹部と前記他層のコアプレート片の前記第3かしめ部の凸部との間の円周方向の隙間以上となるように設定した、
    請求項1記載の回転電機のロータコア。
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