JP2012121752A - 複合粒子、複合粒子内添紙及び塗工紙 - Google Patents

複合粒子、複合粒子内添紙及び塗工紙 Download PDF

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Abstract

【課題】高い歩留まり性、不透明度向上能及び白色度を有する複合粒子、並びにこの複合粒子を用い、かつ優れた不透明度等を有する複合粒子内添紙及び塗工紙を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、製紙スラッジを主原料とし、脱水、熱処理及び粉砕工程を経て得られた再生粒子と、二酸化チタン粒子とが凝集剤にて凝集されてなる複合粒子である。また、本発明の複合粒子内添紙は、上記複合粒子が内添されており、本発明の塗工紙は、基紙と、この基紙の少なくとも一方の面に形成される1又は複数層の塗工層とを有する塗工紙であって、上記塗工層が上記複合粒子を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、再生粒子と二酸化チタン粒子とを含む複合粒子、複合粒子内添紙及び塗工紙に関する。
紙には、不透明度、白色度、印刷適性などを改善するために、これらの各機能向上に適した様々な填料が内添されている。上記填料としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、水和ケイ酸(ホワイトカーボン)、尿素−ホルマリンポリマー微粒子などが用いられている。これらの中でも、二酸化チタンは屈折率が高く、光散乱能に優れるため、不透明度の向上には有効ではある。しかしながら、この二酸化チタン粒子は、高価であり、吸油能が小さく、加えて粒子径が小さいことに起因して抄紙の際の歩留まりが低いという不都合を有している。
このような中、填料としての二酸化チタン粒子の歩留まりを向上させるべく、各種方法が提案されている。この方法としては、炭酸カルシウム粒子と酸化チタン粒子とを特定の凝集剤(カチオン性ポリマー、両性ポリマー、アクリル酸モノマー等)を用いて凝集させて凝集粒子を得る方法(特開2004−18336号公報及び特開平6−93204号公報参照)が挙げられる。しかし、このような2種の粒子を凝集させる方法によれば、凝集剤による炭酸カルシウム粒子と酸化チタン粒子との結合は強いものではないため、抄紙の際にこの凝集状態が維持されないこと等により、十分な歩留まり向上効果を得ることができず、その結果、得られる紙の不透明度を効果的に向上させることができない。
一方、製紙工場の各種工程から排出される製紙スラッジ中の無機物を、いわゆる再生粒子として、製紙用填料等に再利用することが、製紙業界において環境問題に関わる重要な課題となっている。このような再生粒子を製造する方法としては、製紙スラッジを主原料とし、脱水、熱処理及び粉砕工程をこの順に経るものが一般的である。このような再生粒子は、様々な改良が行われているが、原料が廃棄物であるが故に粒径をはじめとした品質が一定ではなく、白色度も十分ではない。
そこで、再生粒子等の填料の品質を向上させる技術として、粒子にシリカを被覆させる複合化が試みられている(特開2008−81390号公報及び特開2003−49389号公報参照)。このように再生粒子にシリカを被覆させることで、歩留まり及び白色度の向上は見られるものの、再生粒子を他の填料と同様の品質とするためには改善の余地がある。
特開2004−18336号公報 特開平6−93204号公報 特開2008−81390号公報 特開2003−49389号公報
本発明は、上述の事情に基づいてなされたものであり、再生粒子及び二酸化チタン粒子を用い、高い歩留まり性、不透明度向上能及び白色度を有する複合粒子、並びにこの複合粒子を用い、かつ優れた不透明度等を有する複合粒子内添紙及び塗工紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
製紙スラッジを主原料とし、脱水、熱処理及び粉砕工程を経て得られた再生粒子と、
二酸化チタン粒子と
が凝集剤にて凝集されてなる複合粒子である。
当該複合粒子は、比較的粒径の大きい再生粒子と二酸化チタン粒子とが凝集されてなるため、再生粒子の表面を覆うように二酸化チタン粒子が凝集した状態となっている。従って、当該複合粒子によれば、二酸化チタン粒子を用いているにもかかわらず粒径が比較的大きく、優れた歩留まり性及び不透明度向上能を発揮することができる。特に、当該複合粒子においては、単なる凝集剤による凝集効果のみならず、粒径の小さい二酸化チタン粒子の一部が凝集の際に多孔質状の再生粒子の孔部分(凹部)に侵入して固着することなどにより強固な凝集状態が形成されている。このため、当該再生粒子によれば、抄紙等の際にもこの凝集状態が維持され、優れた歩留まり性を発揮することができる。また、当該複合粒子は、白色度が高い二酸化チタン粒子が再生粒子を覆う状態となっているため、再生粒子を用いているにもかかわらず白色度が高い。
当該複合粒子の表面の少なくとも一部がシリカで被覆されているとよい。当該複合粒子によれば、このように表面の少なくとも一部がシリカで被覆されているため、上記二種類の粒子がさらに強固に固定され、抄紙等の工程においても、この凝集状態をより確実に維持することができ、歩留まり性をより高めることができる。また、当該複合粒子は、表面の少なくとも一部を被覆するこの多孔質状のシリカの優れた吸油能により、高い吸油度を発揮することができ、印刷不透明度を高めることができる。
上記シリカの被覆率が5質量%以上30質量%以下であるとよい。当該複合粒子によれば、シリカ被覆率を上記範囲とすることで、抄紙の際等においても二種類の粒子の凝集状態を十分に維持することができ、その結果、歩留まり性をより高めることができることに加え、シリカと他の粒子とのバランスにより優れた白紙不透明度と印刷不透明度との両立を図ることができる。
当該複合粒子の平均粒子径が2μm以上15μm以下であるとよい。当該複合粒子は、上記範囲の平均粒子径を有することにより、填料として用いた際、紙力の低下を抑えつつより優れた歩留まり性を発揮することができる。
上記再生粒子の平均粒子径(一次粒子径)が1μm以上10μm以下であり、上記二酸化チタン粒子の平均粒子径(一次粒子径)が0.2μm以上1μm以下であるとよい。当該複合粒子によれば、上記範囲の粒径を有する二種類の粒子を用いることで、上述した比較的粒径の大きい再生粒子を核として、この表面を覆うように粒径の小さい複数の二酸化チタン粒子が凝集した状態を形成しやすい。従って、当該複合粒子は、二酸化チタン粒子の優れた光散乱能を十分に発揮させ、不透明度及び白色度を共にさらに高めることができる。
本発明の複合粒子内添紙は、上記複合粒子が内添されている。当該複合粒子内添紙によれば、上記性能を有する複合粒子が内添されているため、この填料としての複合粒子の歩留まり性が高く、白紙不透明度や印刷不透明度を高めることができる。
本発明の塗工紙は、基紙と、この基紙の少なくとも一方の面に形成される1又は複数層の塗工層とを有する塗工紙であって、上記塗工層が上記複合粒子を含有することを特徴とする。当該塗工紙は、上記複合粒子を顔料として塗工層に含有しているため、白紙不透明度及び印刷後不透明度に優れる。
ここで、平均粒子径とは、レーザー回析散乱法により測定された粒度分布における体積平均粒径(D50)をいう。
以上説明したように、本発明の複合粒子は、高い歩留まり性、不透明度向上能及び白色度を有する。従って、この複合粒子を用いた複合粒子内添紙及び塗工紙は優れた不透明度等を発揮することができる。
以下、本発明の複合粒子、複合粒子内添紙及び塗工紙の実施の形態について、順に詳説する。
<複合粒子>
本発明の複合粒子は、製紙スラッジを主原料とし、脱水、熱処理及び粉砕工程を経て得られた再生粒子と、二酸化チタン粒子とが凝集剤にて凝集されてなる複合粒子である。
当該複合粒子は、比較的粒径の大きい再生粒子と二酸化チタン粒子とが凝集されてなるため、再生粒子の表面を覆うように二酸化チタン粒子が凝集した状態となっている。従って、当該複合粒子によれば、二酸化チタン粒子を用いているにもかかわらず粒径が比較的大きく、優れた歩留まり性及び不透明度向上能を発揮することができる。特に、当該複合粒子においては、単なる凝集剤による凝集効果のみならず、粒径の小さい二酸化チタン粒子の一部が、凝集の際に多孔質状の再生粒子の孔部分に固着することなどにより強固な凝集状態が形成されている。このため、当該再生粒子によれば、抄紙等の際にもこの凝集状態が維持され、凝集状態が崩れにくいため優れた歩留まり性を発揮することができる。また、当該複合粒子は、白色度が高い二酸化チタン粒子が再生粒子を覆う状態となっているため、再生粒子を用いているにもかかわらず白色度が高い。
当該複合粒子の平均粒子径としては、2μm以上15μm以下が好ましく、4μm以上10μm以下がさらに好ましい。当該複合粒子は、上記範囲の平均粒子径を有することにより、填料として用いた際、紙力の低下を抑えつつ、より優れた歩留まり性能を発揮することができる。また、塗工液中に含有されて顔料として用いる際などの均一分散性を向上させることができる。従って、填料又は顔料として用いた際の不透明度等を効率的に高めることができる。
当該複合粒子の平均粒径が上記下限未満の場合は、填料として用いたときに歩留まり性が十分に向上しないおそれがあり、また、不透明度向上能も十分ではない。一方、この平均粒子径が上記上限を超えると填料として用いた場合、パルプ繊維間の強度を低下させる結果、紙力が低下する場合があり、また、粒径が大きいことで、スラリー又は塗工液中での均一分散性が低下し、不透明度及び印刷後不透明度が低下するおそれがある。
上記再生粒子と二酸化チタン粒子との含有比(質量比)としては、30:70〜90:10が好ましく、50:50〜90:10がさらに好ましい。両粒子の含有比をこのような範囲とすることで、再生粒子を核として、この表面に粒径の小さい二酸化チタン粒子を効率的に凝集した状態とすることができる。従って、当該複合粒子によれば、二酸化チタン粒子の優れた光散乱能を活かしつつ、凝集体として粒径を大きくすることで、より優れた歩留まり性を発揮することができる。また、当該複合粒子によれば、白色度の高くない再生粒子を二酸化チタンで効率的に被覆することで、白色度をより高めることができる。
<再生粒子>
上記再生粒子は、製紙スラッジを主原料とし、脱水、熱処理及び粉砕工程を経て得られたものである。このような工程を経て得られた再生粒子は、過燃焼が抑えられており、スラリー化の際の増粘を抑制することができる。また、上記再生粒子は、不定形状かつ多孔質形状であるため、上述のように凝集の際、比較的粒径の小さい二酸化チタン粒子を孔部分等に固定することが可能である。なお、この再生粒子の好ましい製造方法については、後に詳述する。
上記再生粒子の平均粒子径(一次粒子径)としては、1μm以上10μm以下が好ましく、2μm以上5μm以下がさらに好ましい。再生粒子の平均粒子径を上記範囲とすることで、粒径の小さい再生粒子同士の凝集が進み、一方、粒径の元々大きい粒子は凝集が進行しにくい効果が得られ、複合粒子の粒径を所望する範囲に制御しやすくなり、抄紙の際の歩留まりをより高めることができる。
再生粒子の平均粒子径が上記下限未満の場合は、凝集剤によっても十分な粒径にまで凝集が進まず、歩留まりが十分に高まらない場合がある。逆に、再生粒子の平均粒子径が上記上限を超える場合は、得られる凝集体の粒径が大きくなりすぎる場合があり、この結果紙力が低下するおそれがある。
<二酸化チタン粒子>
二酸化チタン粒子は、屈折率が高く、光散乱能に優れるため、白紙不透明度を高めることができる。
当該複合粒子に用いられる二酸化チタン粒子は、平均粒子径(一次粒子径)が0.2μm以上1μm以下であることが好ましく、0.3μm以上0.8μm以下がさらに好ましい。また、上記再生粒子の平均粒子径に対する、上記二酸化チタン粒子の平均粒子径としては、0.05倍以上0.4倍以下であるとよい。
上記二酸化チタン粒子の平均粒子径をこのような範囲とすることで、上述した比較的粒径の大きい再生粒子を核として、この表面を覆うように粒径の小さい複数の二酸化チタン粒子が凝集した状態を形成しやすい。従って、当該複合粒子は、二酸化チタン粒子の優れた光散乱能を十分に発揮させて、不透明度及び白色度を共にさらに高めることができる。二酸化チタン粒子の平均粒子径が上記下限未満の場合は、凝集が進行しにくく、十分な粒径の複合粒子を得られにくくなる場合がある。逆に、二酸化チタン粒子の平均粒子径が上記上限を超えると、再生粒子の孔部分(凹部)に侵入しにくくなるなどにより、凝集性が低く、歩留まりが低下するおそれがある。
上記二酸化チタン粒子としては、特に限定されず、製紙用として公知のものを用いることができる。この二酸化チタン粒子の結晶形態としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型等のいずれも使用することができるが、ルチル型又はアナターゼ型を用いることが好ましい。
<凝集剤>
凝集剤は、再生粒子と二酸化チタン粒子とを凝集させる。この凝集剤としては、その高分子鎖により複数の粒子を絡み取り凝集させることができるものであれば特に限定されずカチオン性高分子、アニオン性高分子、非イオン性高分子等の高分子化合物を用いることができる。但し、本発明者等の知見によると、再生粒子と二酸化チタン粒子とを含むスラリーを用い、再生粒子を核としてその表面に二酸化チタン粒子を被覆させるには、カチオン性高分子を用いることが好ましく、カチオン性合成高分子を用いることがさらに好ましい。凝集剤としてカチオン性高分子を用いることで、負に帯電している再生粒子表面にこの凝集剤が優先的に付着し、その表面に二酸化チタン粒子を効果的に付着させることができ、一方、カチオン化された比較的大きい再生粒子同士の凝集を抑え、得られる複合粒子が大型化することを抑えることができる。また、カチオン性合成高分子を用いることで、この凝集剤のカチオン電荷密度及び好適な分子量を容易に調整することができる。
この凝集剤の質量平均分子量の下限としては、粒径の小さい粒子同士は凝集が進み、一方、粒径の元々大きい粒子は凝集が進行しにくい効果、すなわち粒度分布を狭くする効果を十分に発現させため、400万が好ましく、600万がさらに好ましく、700万が特に好ましい。一方、この質量平均分子量の上限としては、2,000万が好ましく、1,200万がさらに好ましく、1,000万が特に好ましい。凝集剤の分子量を上記範囲とすることで、粒径の小さい再生粒子同士は凝集が進み、一方、粒径の元々大きい再生粒子同士は凝集が進行しにくい凝集性を発揮することができる。特に、上述のような平均粒子径を有する再生粒子に対しては、このような範囲の分子量を有する凝集剤を用いることで、所望する粒子径を有する複合粒子(凝集体)を効率的に得ることができる。なお、質量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)を用いて測定した数値である。
凝集剤の質量平均分子量が上記下限未満の場合は、十分な凝集能を発揮することができず、粒子の凝集が進まないため、歩留まりの向上が発揮されないおそれがある。逆に、この平均分子量が上記上限を超える場合は、凝集能が強すぎて、偏凝集の発生や、スラリーの粘度が上昇して抄紙の作業性が低下したり、得られる紙の紙力が低下したりするおそれがある。
また、凝集剤のカチオン電荷密度の上限としては、30meq/gが好ましく、20meq/gがさらに好ましく、15meq/gが特に好ましい。一方、このカチオン電荷密度の下限としては、0.1meq/gが好ましく、1meq/gがさらに好ましく、2meq/gが特に好ましい。凝集剤のカチオン電荷密度を上記範囲とすることで、再生粒子がもつブロードな粒度分布において、粒径の小さい粒子同士は凝集が進み、一方、粒径の元々大きい粒子は凝集が進行しにくい好適な凝集性を発揮することができる。なお、凝集剤として複数の成分を用いる場合は、その凝集剤全体としてのカチオン電荷密度をいう。
本発明において、上記カチオン電荷密度は以下の方法で測定した値である。試料をpH4.0の水溶液に調整した後、流動電位法に基づく粒子荷電測定装置(Muteck PCD−03)にて、1/1000規定のポリビニル硫酸カリウム水溶液を用いた滴定によって、アニオン要求量を測定する。下記式(1)により試料1gあたりのカチオン電荷密度を計算する。
カチオン電荷密度=A/B ・・・(1)
A:pH4.0に調整した凝集剤水溶液のアニオン要求量(μeq/l)
B:凝集剤水溶液の固形分濃度(g/l)
凝集剤のカチオン電荷密度が上記上限を超えると、再生粒子に加えて、二酸化チタン粒子もがカチオン電荷を帯び、電荷による反発で凝集が生じにくくなる場合がある。逆に、凝集剤のカチオン電荷密度が上記下限未満の場合は、負に帯電している再生粒子(特に粒径の小さい再生粒子)を電気的に凝集させることができる効果を十分に発揮することができず、ブロードな粒度分布となる場合がある。
凝集剤として好適に用いられることのできるカチオン性合成高分子としては、(メタ)アクリレート系カチオン性単量体の単独重合物又は非イオン性単量体との共重合物、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロライド)、ジアルキルアミン−エピクロルヒドリン縮合物、アルキレンジクロライド−ポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリエチレンイミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、ポリビニルアミジン、キトサン、ポリアルキレンポリアミンなどを挙げることができ、これらを1種又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、凝集性及びスラリーの増粘抑制性の点から、(メタ)アクリレート系カチオン性単量体と非イオン性単量体との共重合物が好ましく、(メタ)アクリレート系カチオン性単量体と非イオン性単量体との共重合物及びポリアルキレンポリアミンの混合物が特に好ましい。
(メタ)アクリレート系カチオン性単量体としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリレート系カチオン性単量体の中でも、再生粒子及び二酸化チタン粒子に対する凝集性及びスラリーの増粘抑制性の点から(メタ)アクリル系単量体を用いることが好ましく、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドが、より好ましく、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドが特に好ましい。
(メタ)アクリレート系カチオン性単量体との共重合に用いられる非イオン性単量体としては、アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トのなどを挙げることができる。これらの中でもアクリルアミドを用いることが、所望の分子量及び電荷密度を有するカチオン性合成高分子を得られやすい点から好ましい。
<シリカ>
当該複合粒子においては、表面の少なくと一部がシリカで被覆されているとよい。このような複合粒子によれば、表面の少なくとも一部がシリカで被覆されているため、上記二種類の粒子がさらに強固に固定され、抄紙等の工程においても、この凝集状態をより確実に維持することができ、歩留まり性をより高めることができる。また、当該複合粒子は、表面の少なくとも一部を被覆するこの多孔質状のシリカの優れた吸油能により、高い吸油度を発揮することができ、印刷不透明度を高めることができる。
上記シリカとしては、特に限定されず公知のものを用いることができる。なお、後述するように水溶液中でシリカを析出し被覆させることで、効率的に凝集体に被覆させることができ、かつ、多孔質状に被覆させることができるため優れた吸油能を発揮することができる。
このシリカの被覆率としては、5質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。シリカ被覆率をこのような範囲とすることで、抄紙の際等においても二種類の粒子の凝集状態を十分に維持することができ、その結果、歩留まりをより高めることができることに加え、シリカと他の粒子とのバランスにより優れた白紙不透明度と印刷不透明度との両立を図ることができる。なお、このシリカ被覆率は、粒子の元素分析を行い、含有する構成成分からクレー、炭酸カルシウム、タルク等の含有割合を推定し、シリカ被覆後のシリカ成分の含有率から算出することができる。また、シリカの被覆率とは、複合粒子全体の質量に対するシリカの質量の割合をいう。
シリカ被覆率が上記下限未満の場合は、このシリカが二種類の粒子のバインダーとして十分に機能せず、抄紙の際に凝集状態が分断し、歩留まりが向上しないおそれがある。また、シリカによる十分な吸油度の向上効果が発揮されない場合がある。逆に、シリカ被覆率が上記上限を超える場合は、シリカ被覆量が多くなりすぎるため、二酸化チタン粒子の光散乱機能が十分に発揮されず、白紙不透明度が低下するおそれがある。
<用途、品質等>
当該複合粒子は、製紙の際の内添填料または塗工用顔料として、単独で又は通常の炭酸カルシウム、カオリンクレー、タルク、二酸化チタン、サチンホワイト、プラスチックピグメント等の顔料と混合して好適に用いることができる。
当該複合粒子を内添填料や塗工用顔料として使用する場合、例えば、上記通常の内添用填料や塗工用顔料の合計量に対して、当該複合粒子を5〜100質量%、好適には10〜100質量%添加して使用することができる。
当該複合粒子は、上述のように高い白色度を有する。当該複合粒子の具体的な白色度としては、80%以上が好ましく、85%以上がさらに好ましい。なお、この白色度は、Tappi−534pm−76法に準じて測定した値である。
当該複合粒子の吸油度は、30mL/100g以上150mL/100g以下、より好ましくは60mL/100g以上100mL/100g以下の範囲が好ましい。このような吸油度を有する複合粒子を内添填料として使用すると、紙層中においてこの複合粒子が紙層中に含浸されるインクのビヒクル分や有機溶剤等を吸収するため用紙の印刷不透明度が低下するのを抑制し、また、インクのビヒクル分や有機溶剤等を吸収することで、インク乾燥性やニジミの防止効果を顕著に発揮することができる。この吸油度が30mL/100g未満の場合には上記の効果が十分でなく、複合粒子がインクの吸収・乾燥性を阻害する傾向が生じる場合が有る。また吸油度が150mL/100gを超えると、インクの吸収性が高いためインクの沈みこみ、いわゆる発色性が劣る不都合が生じる場合がある。
なお、当該複合粒子は製紙用以外に、例えばゴム、プラスチック、塗料、インキ等のフィラーなどとして用いることができる。当該複合粒子をフィラーとして用いることで高い白色度と隠蔽性を付与することができる。
<複合粒子の製造方法>
当該複合粒子の製造方法としては特に限定されないが、例えば、
(1)再生粒子と二酸化チタン粒子とを凝集剤により凝集させる凝集工程、及び、必要に応じて
(2)上記凝集体表面の少なくとも一部にシリカを被覆させるシリカ被覆工程
を有する方法を挙げることができる。以下、各工程について順に詳説する。
<(1)凝集工程>
この凝集工程は、例えば再生粒子と二酸化チタン粒子とを水中へ分散させた粒子スラリーへ、凝集剤を添加することによって行うことができる。両粒子の水中へ分散は、この2種の粒子を同時に水中へ分散させてもよいし、再生粒子を水中へ分散させた再生粒子スラリー中に二酸化チタン粒子を分散させてもよく、その逆であってもよい。
なお、凝集剤としてカチオン性凝集剤を用いる場合は、再生粒子と二酸化チタン粒子(又は二酸化チタン粒子を水中へ分散させた二酸化チタン粒子スラリー)を水中へ分散させた再生粒子と二酸化チタン粒子のスラリー中にカチオン性凝集剤を添加するとよい。この方法により、単独の粒子にカチオン性凝集剤を添加させた後工程で他の粒子を添加する手段と異なり、先の粒子にて凝集剤の効果が消費されことなくカチオン性凝集剤を用いる効果(負に帯電している再生粒子表面にカチオン性凝集剤が優先的に付着し、その表面に二酸化チタン粒子を効果的に付着させることができ、一方、カチオン化された比較的大きい再生粒子同士の凝集を抑え、得られる複合粒子が大型化することを抑えることができる効果)を十分に発揮させることができる。
粒子スラリーにおける両粒子(再生粒子と二酸化チタン粒子との合計)の固形分濃度としては、5質量%以上40%質量以下が好ましく、10質量%以上35質量%以下がさらに好ましく、15質量%以上25質量%以下が特に好ましい。粒子スラリーの濃度を上記範囲とすることで、粒子の凝集性の効率化を図ることができる。
粒子スラリーの濃度が上記下限未満の場合は、凝集剤の添加によっても、粒子が好適な粒径にまで凝集しないおそれがある。一方、粒子スラリーの濃度が上記上限を超える場合は、粘度が高すぎて作業性が低下したり、また、複合粒子の粒度分布が広がり、歩留まりが低下するおそれがある。
また、凝集剤の添加量としては、再生粒子及び二酸化チタン粒子の合計固形分に対して、固形分換算で200ppm以上3,000ppm以下が好ましく、1,000ppm以上2,500ppm以下がさらに好ましく、1,500ppm以上2,000ppm以下が例えば再生粒子がもつブロードな粒度分布において、粒径の小さい粒子同士は凝集が進み、一方、粒径の元々大きい粒子は凝集が進行しにくい効果を効果的に発揮するため特に好ましい。
凝集剤の添加量が上記下限未満の場合は、十分な凝集を発揮させることができず、歩留まりの向上効果が発揮されない場合がある。逆に、凝集剤の添加量が上記上限を超えると、スラリーの増粘が顕著に生じたり、三次、四次凝集が生じ、得られる紙の紙力が低下する場合がある。
<(2)シリカ被覆工程>
このシリカ被覆工程においては、上記工程で得られた凝集体の表面にシリカを被覆させる。このシリカの被覆方法としては、凝集体スラリーに珪酸アルカリ水溶液と鉱酸とをこの順に添加し、凝集体表面にシリカを被覆させる方法や、ケイ酸アルカリ水溶液に凝集体スラリーを加えて混合し、その後鉱酸を添加してシリカを被覆させる方法などを挙げることができる。
上記珪酸アルカリ水溶液は特に限定されないが、珪酸ナトリウム溶液(3号水ガラス)が入手に容易である点で望ましい。珪酸アルカリ溶液の濃度は水溶液中の珪酸分(SiO2換算)で3〜10質量%が好適である。10質量%を超えると形成される凝集体にシリカが被覆された複合粒子はシリカ被覆複合粒子ではなく、ホワイトカーボンで被覆されてしまい、芯部(凝集体)を形成する再生粒子及び二酸化チタンの光学的特性が全く発揮されなくなってしまうおそれがある。また、3質量%未満では得られる複合粒子中のシリカ成分が低下するおそれがある。
上記鉱酸としては希硫酸、希塩酸、希硝酸などの鉱酸の希釈液等が挙げられるが、価格や、ハンドリングの点、再生粒子中のカルシウム分の溶出防止や設備・装置の腐食対策と言った理由で希硫酸が最も好ましい。さらに、希硫酸を使用する場合の添加時の濃度は、0.2〜4.0モル濃度が好ましい。また、鉱酸添加量が多いほど短時間内にシリカが析出するので、それらの条件に合わせて添加速度を調整することが好ましい。なお、5分以内の添加は、均一な反応系の構成が不十分になるおそれがある。
本工程における反応温度に関しては、60〜100℃の範囲が好ましい。本発明者らの鋭意検討の結果から、本発明に使用する再生粒子及び二酸化チタン粒子の凝集体とシリカとの反応温度はシリカの生成、結晶成長速度及び形成されたシリカ被覆複合粒子の力学的強度に影響を及ぼす。反応温度が60℃未満ではシリカの生成・成長速度が遅く、形成されたシリカ被覆複合粒子の被覆性に劣り、被覆の剥落が生じやすく、填料内添紙の抄造時にかかる剪断力で被覆が壊れやすい。また、100℃を超えると、水系反応であるためオートクレーブを使用しなければならないため反応工程が複雑になってしまう。
また、本工程における反応保持時間(鉱酸の添加時間)としては、20分以上3時間以下が好ましく、30分以上2時間以下がさらに好ましい。反応保持時間が上記下限未満の場合は、十分なシリカ被覆が行われないおそれがある。逆に、反応保持時間が上記上限を超えると、シリカ被覆量が多すぎて、複合粒子の粒径が大きくなりすぎ、この結果、紙力や不透明度の低下などが生じるおそれがある。
また、再生粒子と二酸化チタン粒子との凝集体のシリカ被覆を行う場合、例えば凝集体を珪酸アルカリ水溶液に添加、分散しスラリーを調製するが、このスラリー濃度は、3〜35質量%が好ましい。スラリー濃度を調整することにより、形成されるシリカ被覆複合粒子の粒径がコントロールされると同時に凝集体とシリカの組成比率を決めることができる。
好ましいシリカ被覆工程としては、両粒子の凝集体を珪酸アルカリ水溶液に添加・分散し凝集体スラリーとして調製する。その後、このスラリーを攪拌しながら、液温を60〜100℃の範囲に保持して鉱酸を添加し、シリカゾルを生成させる。この混合液(凝集体、ケイ酸アルカリ及び鉱酸の混合液)のpHを中性〜弱アルカリ性、好ましくは混合液をpH8〜11の範囲に調整することによりシリカ被覆複合粒子を得ることができる。
<複合粒子内添紙>
本発明の複合粒子内添紙は、上記複合粒子が内添されたものである。当該複合粒子内添紙によれば、上記複合粒子が内添されているため、この填料としての複合粒子の歩留りが高く、白紙不透明度や印刷不透明度を高めることができる。
本発明の複合粒子を内添填料として用いて複合粒子内添紙を製造する方法は、通常の填料内添紙の製造方法と同様であり、例えば当該複合粒子と必要に応じて他の填料とを混合したスラリーをパルプ原料スラリーに添加し、さらに必要に応じて紙力増強剤、サイズ剤、歩留向上剤等の添加剤を加えた紙料スラリーとし、これを抄紙することにより得られる。パルプ原料(固形分)に対する填料添加率は、1〜50質量%、好適には3〜30質量%である。
パルプ原料スラリーに添加する添加剤としては公知のものを用いることができ、例えば紙力増強剤としては澱粉類、植物性ガム、水性セルロース誘導体、ポリアクリルアミド等を、サイズ剤としてはロジン、澱粉、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、ポリビニルアルコール、アルキルケテンダイマー、ASA(アルケニル無水コハク酸)、中性ロジン等を、また歩留向上剤としてはポリアクリルアミド及びその共重合体、第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。資料スラリーには、さらに必要に応じて染料、顔料等の色料を添加してもよい。
上記紙料スラリーを公知の抄紙機で抄造することにより複合粒子内添紙を製造することができる。当該複合紙料内添紙の坪量は特に限定されないが、通常10〜300g/m程度である。
<塗工紙>
本発明の塗工紙は、基紙と、この基紙の少なくとも一方の面に形成される1層又は複数層の塗工層とを有する塗工紙であって、上記塗工層が上記複合粒子を含有することを特徴とする。当該塗工紙によれば、上記複合粒子を顔料として塗工層に用いているため、白紙不透明度及び印刷後不透明度に優れる。
本発明の複合粒子を用いて塗工紙を製造する方法は、通常の塗工紙の製造方法と同様であり、例えば本発明の複合粒子を必要に応じて他の顔料と混合し、分散剤を添加して得たスラリーを接着剤や他の添加剤を混合して塗料を調整し、これを中質紙、上質紙等の紙材上に塗工することにより得られる。
当該複合粒子を用いて塗工紙を製造する場合においても、当該複合粒子の吸油度は、30〜150mL/100gの範囲が好ましい。これは、接着剤と混合して使用する場合、その塗工液中において複合粒子が接着剤を吸収し、その真密度が低下するため沈降が抑制され、さらに複合粒子が塗工層中で偏った沈降を呈さなくなり、塗工層中で均一に分散される効果が顕著に現れるためである。この吸油度が30mL/100g以下の場合には上記の効果が不十分であり、複合粒子の真比重と塗工液の比重との差により複合粒子が沈降して塗工層中に不均一な分散状態になるので好ましくない。逆に、吸油度が150mL/100gを越える場合では、塗工層に塗工顔料として配合した場合には、ラテックス、澱粉等のバインダーを吸収し、塗工層強度が低下する不都合が生じる。
塗工液に含有される接着剤としては、公知のものを用いることができ、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、若しくはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又はアルカリ非溶解性の重合体ラテックス等が使用される。
さらに上記のような合成接着剤のほかに、例えばカチオン化澱粉、酸化澱粉、酸素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、冷水可溶澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂等の水溶性合成接着剤等を適宜選択して併用できる。また、必要に応じて、顔料スラリーや塗料中には消泡剤、耐水化剤、流動性変性剤、着色剤、蛍光増白剤等の各種添加剤が添加される。また、分散剤としてはヘキサメタリン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ等が挙げられる。
塗工液の塗工方法としては、塗工量に応じて、エアーナイフ、ブレード、ゲートロール、ロッド、バー、キャスト、グラビア、カーテン等の公知の塗工機(コーター)で行うことができる。塗工量は片面当たり乾燥質量で通常数〜数10g/m程度である。
このようにして得られた乾燥後の塗工紙は、一般に印刷適性(例えば、高平滑や高光沢)を付与する目的で、カレンダに通紙して加圧仕上げが施される。この場合のカレンダ装置としては、例えばスーパーカレンダ、グロスカレンダ、ソフトコンパクトカレンダなどの金属またはドラムと弾性ロールの組み合わせになる各種カレンダが、オンマシン又はオフマシン仕様で適宜使用できる。
<再生粒子の製造方法>
ここで、本発明の複合粒子に好適な再生粒子の製造方法について、原料並びに脱水、熱処理及び粉砕の各工程の順に詳説する。なお、熱処理工程と粉砕工程との間に、配合・スラリー化工程を有することが好ましく、さらに必要に応じてその他の工程を設けることができる。
(原料)
再生粒子の原料としては、主原料として製紙スラッジが用いられ、製紙スラッジの中でも、脱墨フロスが好適に用いられる。脱墨フロスとは、古紙パルプを製造する古紙処理工程において、主に、古紙に付着したインクを取り除く脱墨工程でパルプ繊維から分離されるものをいう。製紙における古紙パルプ製造工程では、安定した品質の古紙パルプを連続的に生産する目的から、使用する古紙の選定、選別を行い、一定品質の古紙を使用する。そのため古紙パルプ製造工程に持ち込まれる無機物の種類やその比率、量が基本的に一定になる。しかも古紙中に未燃物の変動要因となるビニールやフィルムなどのプラスチック類が含まれていた場合も、これらの異物は脱墨フロスを得る脱墨工程に至る前段階で除去される。したがって、脱墨フロスは、工場排水工程や製紙原料調成工程等の、他の工程で発生する製紙スラッジと比べて、極めて安定した品質の再生粒子を製造するための原料となる。
(脱水工程)
脱水工程は、脱墨フロス等の原料の水分を所定割合まで除去する工程である。例えば、古紙パルプを製造する脱墨工程においてパルプ繊維から分離された脱墨フロスは、種々の操作を経て、公知の脱水設備により脱水される。
脱水工程の一例としては、以下の工程が挙げられる。まず一の脱水手段であるスクリーンによって、脱墨フロスから水を分離して脱水する。このスクリーンにおいて水分率を70%〜90%に脱水した脱墨フロスは、別の脱水手段である例えばスクリュープレスに送り、更に所定の水分率まで脱水する。
脱水後の原料(脱墨フロス)は、60%以下、好ましくは30%以上50%未満、より好ましくは30%以上45%以下、特に好ましくは30%超40%以下の含水状態とするとよい。
脱水後の原料の水分率が60%を超えると、熱処理工程における処理温度の低下を招き、加熱のためのエネルギーロスが多大になるとともに、原料の燃焼ムラが生じやすくなり均一な燃焼を進め難くなる。また、排出される排ガス中の水分が多くなり、ダイオキシン対策における再燃焼処理効率の低下と、排ガス処理設備の負荷が大きくなる不都合を有する。他方、脱水後の原料の水分率が30%未満と低いと、脱水処理エネルギーの削減に反する。
上述のように、原料(脱墨フロス)の脱水を多段工程で行い急激な脱水を避けると、無機物の流出が抑制でき脱墨フロスのフロックが硬くなりすぎるおそれがない。脱水処理においては、脱墨フロスを凝集させる凝集剤等の脱水効率を向上させる助剤を添加しても良いが、凝集剤には、鉄分を含まないものを使用することが好ましい。鉄分が含有されると、鉄分の酸化により再生粒子の白色度が低下するおそれがある。
脱水工程のための設備は、再生粒子の他の工程の設備に隣接することが生産効率の面で好ましいが、予め古紙パルプ製造工程に隣接して設備を設け、脱水を行った物を搬送することも可能であり、トラックやベルトコンベア等の搬送手段によって定量供給機まで搬送し、この定量供給機から熱処理工程に供給することもできる。
脱水後の原料は、熱処理工程に供給する前に、粉砕機(又は解砕機)等により、平均粒子径40mm以下、好ましくは平均粒子径3mm〜30mm、より好ましくは平均粒子径5mm〜20mmに粒子径を揃えると好適であり、また、粒子径50mm以下の割合が70質量%以上となるように粒子径を揃えると好適である。平均粒子径が3mm未満では過燃焼になりやすい。逆に、平均粒子径が40mmを超えると原料芯部まで均一に燃焼を図るのが困難になる。
上記脱水工程における平均粒子径及び粒子径の割合は、攪拌式の分散機で充分分散させた試料溶液を用いて測定した値である。なお、後述する各熱処理工程における粒子径は、JIS−Z8801−2:2000に基づき、金属製の板ふるいにて測定した値である。
(熱処理工程)
熱処理工程は、脱水された原料の更なる水分除去のための乾燥と、比較的低温の第1の燃焼とを一連で行う第1熱処理工程、及び第1熱処理工程で得られた熱処理物を再度、第1熱処理工程より高温で熱処理(燃焼)する第2熱処理工程を含む。このように順に温度を上げていく2段階の熱処理工程を経ることで、原料の過燃焼を抑え、得られる再生粒子をスラリー化した際の増粘を抑制することができる。また、熱処理温度としては、比較的低温で行うことで、同様に原料の過燃焼を抑え、得られる再生粒子をスラリー化した際の増粘を抑制することができる。熱処理温度の上限としては、具体的には780℃が好ましく、750℃がさらに好ましい。
(第1熱処理工程)
脱水工程を経た原料は、第1熱処理工程として、例えば本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉を用いて、熱処理される。
この内熱キルン炉においては、熱風発生炉にて生成された熱風が、排出口側から原料の流れと向流するように送り込まれる。この内熱キルン炉の一方側には排ガスチャンバーが、他方側には排出チャンバーが設けられている。排出チャンバーを貫通して熱風が内熱キルン炉の他方側から吹き込まれ、上記一方側から装入され、内熱キルン炉の回転に伴って上記他方側へ順次移送される原料の乾燥及び燃焼を行うようになっている。
このように第1熱処理工程においては、原料を、本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉によって乾燥・燃焼することにより、供給口から排出口に至るまで、緩やかに乾燥と有機分の燃焼とを行うことができ、熱処理物の微粉化が抑制され、凝集体形成、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する原料の燃焼度合いの制御と、粒揃えとを、安定的に行うことができる。なお、乾燥を別工程に分割し、例えば吹上げ式の乾燥機によって乾燥させることもできる。
第1熱処理工程における熱処理温度(例えば、内熱キルン炉の出口温度(熱風温度))は、300℃以上600℃未満、好ましくは400℃以上550℃未満、より好ましくは400℃以上500℃以下が好適である。第1熱処理工程においては、容易に燃焼可能な有機物を緩やかに燃焼させ、燃焼し難い残カーボンの生成を抑える目的から、上記範囲の温度で熱処理するのが好ましい。過度に温度が低いと、有機物の燃焼が不十分であり、他方、過度に温度が高いと過燃焼が生じ、炭酸カルシウムの分解によって酸化カルシウムが生成し易くなる。また、温度が600℃以上の場合は、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する脱水物の粒揃えが進行するよりも早くに乾燥・燃焼が局部的に進むため、粒子表面と粒子内部との未燃率の差を少なくし、均一にするのが困難になる。
第1熱処理工程は、原料に含有される燃焼容易な有機物を緩慢に燃焼させ、残カーボンの生成を抑制するため、上記条件下で、30分〜90分の滞留(熱処理)時間で熱処理させるのが好ましい。熱処理時間が30分未満では、十分な燃焼が行われず残カーボンの割合が多くなる。他方、熱処理時間が90分を超えると、脱水物の過燃焼による炭酸カルシウムの熱分解が生じ、また、得られる再生粒子が極めて硬くなる。有機物の燃焼及び生産効率の面では、40分〜80分の滞留時間で熱処理させるのが好ましい。恒常的な品質を確保するためには、50分〜70分の滞留時間で熱処理燃焼させるのが好ましい。
(第2熱処理工程)
第1熱処理工程を経た原料は、第2熱処理工程として、例えば本体が横置きで中心軸周りに回転する外熱ジャケットを有する外熱キルン炉を用いて、熱処理される。このように、第1及び第2熱処理工程を経ることで、原料中の有機分が燃焼除去され、無機物が熱処理物として排出されることができる。
第2熱処理工程においては、第1熱処理工程で燃焼しきれなかった残留有機物、例えば残カーボンを燃焼させるため、第1熱処理工程において供給される原料の粒子径よりも小さい粒子径に調整された熱処理物を用いることが好ましい。第1熱処理工程後の熱処理物の粒揃えは、平均粒子径10mm以下となるように調整するのが好ましく、平均粒子径1〜8mmとなるように調整するのがより好ましく、平均粒子径1〜5mmとなるように調整するのが特に好ましい。第2熱処理工程における外熱キルン炉入口での平均粒子径が1mm未満では過燃焼の危惧があり、平均粒子径10mm超では、残カーボンの燃焼が困難であり、芯部まで燃焼が進まず得られる再生粒子の白色度が低下するおそれがある。
外熱キルン炉の外熱源としては、外熱キルン炉内の温度制御が容易で、かつ長手方向の温度制御が容易な電気加熱方式の熱源が好適であり、したがって、電気ヒーターによる外熱キルン炉が好ましい。外熱源に電気を使用することにより、炉内の温度を細かく、かつ均一にコントロールすることができ、凝集体の形成、硬い・柔らかい等のさまざまな性質を有する熱処理物の燃焼度合いの制御と、粒揃えとを、安定的に行うことができる。また、電気炉は、電気ヒーターを炉の流れ方向に複数設けることで、任意に温度勾配を設けることが可能であると共に、熱処理物の温度を一定時間、一定温度に保持することができ、第1熱処理工程を経た熱処理物中の残留有機分、特に残カーボンを第2熱処理工程で炭酸カルシウムの分解を来たすことなく限りなくゼロに近づけることができ、例えば重質炭酸カルシウムと比べて低いワイヤー摩耗度で、高白色度の再生粒子を得ることができる。
第2熱処理工程における熱処理温度は、好ましくは550℃〜780℃、より好ましくは600℃〜750℃である。第2熱処理工程では、先に述べたように、第1熱処理工程で燃焼しきれなかった残留有機物、特に残カーボンを燃焼させる必要があるため、第1熱処理工程よりも高温で熱処理するのが好ましく、熱処理温度が550℃未満では、十分に残留有機物の燃焼を図ることができないおそれがあり、熱処理温度が780℃を超えると、熱処理物中の炭酸カルシウムの脱炭酸が進行し、粒子が硬くなるおそれがある。
第2熱処理工程としての外熱キルン炉における滞留(熱処理)時間としては、好ましくは60分以上、より好ましくは60分〜240分、特に好ましくは90分〜150分、最適には120分〜150分が、残カーボンを完全に燃焼させるに望ましい。特に残カーボンの燃焼は炭酸カルシウムの分解をできる限り生じさせない高温で、緩慢に燃焼させる必要があり、滞留時間が60分未満では、残カーボンの燃焼には短時間で不十分であり、他方、滞留時間が240分を超えると、炭酸カルシウムが分解するおそれがある。また、熱処理物の安定生産を行うにおいては、滞留時間を60分以上、過燃焼防止、生産性確保のためには、滞留時間を240分以下とするのが好適である。
第2熱処理工程としての外熱キルン炉から排出される熱処理物の平均粒子径は、10mm以下、好ましくは1mm〜8mm、より好ましくは1mm〜4mmに調整すると好適である。この調整は、例えば、熱処理物を一定のクリアランスを持った回転する2本ロールの間を通過させること等により行うことができる。
第2熱処理工程を経た熱処理物は、好適には凝集体であり、例えば冷却機により冷却された後、振動篩機などの粒径選別機により選別され、燃焼品サイロに一時貯留される。この後、配合・スラリー化工程及び粉砕工程で目的の粒子径に調整された後、再生粒子として填料等の用途先に仕向けられる。
なお、以上では、脱墨フロスを原料として用いた場合を例示したが、脱墨フロスを主原料に、抄紙工程における製紙スラッジ等の他の製紙スラッジを適宜混入させたものを原料とすることなどもできる。
(配合・スラリー化工程)
配合・スラリー化工程は、上記第2熱処理工程から排出される熱処理物に酸及び/又は塩を配合し、その熱処理物を水中に懸濁させてスラリー化させる工程である。
この熱処理物は、後工程である粉砕工程において、効果的な粉砕を図るために、ミキサー等を使用して水中に懸濁させ、スラリーとした後に粉砕するのが好ましい。この際のスラリー濃度(スラリー全体に対する添加された熱処理物の質量比)の下限としては、15%が好ましく、20%がさらに好ましい。また、このスラリー化濃度の上限としては、50%が好ましく、40%がさらに好ましい。スラリー化濃度が上記下限未満であると最終的に得られた粒子を固形状とする際に、多大なエネルギーが生じるなど生産効率が低下する。逆に、スラリー化濃度が上記上限を超えると、のちの粉砕工程において効果的な粉砕が困難となる、また凝固、固化が生じやすくなるなどのおそれがある。
上記酸及び/又は塩は、カルシウムイオンの存在下でカルシウム塩を析出し得るものである。当該酸及び/又は塩によれば、過燃焼によって生じた酸化カルシウムやメタカオリンに起因しスラリー中に溶け出したカルシウムイオンと反応し、カルシウム塩を析出させることで、カルシウムイオンとスラリー中に共存する珪酸イオンやアルミン酸イオンとの反応を抑え、硬化物質の生成を抑制させることができる。この結果、この酸及び/又は塩を用いることで、スラリーの凝固、固化を抑えることができる。
(粉砕工程)
粉砕工程は、上記工程にて得られたスラリーを粉砕し、微粒子化することで再生粒子を得る工程である。この粉砕工程においては、公知の粉砕装置等を用いることができる。この粉砕工程を経て、スラリーを適宜必要な粒子径に微細粒化することで、得られる再生粒子を塗工用の顔料、内添用の填料として好適に使用することができる。
(その他の工程)
再生粒子の製造方法においては、原料の凝集工程、造粒工程や、各工程間における分級工程、スラリーを炭酸化する炭酸化工程等を設けてもよい。
(炭酸化工程)
得られた再生粒子のスラリーは、そのままではpHが12以上とアルカリ性を呈し、例えば、塗工用顔料用途における塗工液調整工程で他の薬品と反応して品質低下をまねくおそれがある。従って、熱処理物又は再生粒子中の酸化カルシウムを炭酸カルシウムに戻してpHを低減させるために、第1熱処理燃焼工程や第2熱処理工程において排出された排ガス中の二酸化炭素を利用して、例えば7〜9にpH調整すると好適である。
なお、この炭酸化工程は、配合・スラリー化工程と粉砕工程との間、粉砕工程と同時、又は粉砕工程の後に行ってもよい。なお、この二酸化炭素の吹き込みは、他の酸及び/又は塩の配合に替えて、又は加えて、炭酸の配合として、配合・スラリー化工程とすることもできる。
炭酸化に際しては、反応槽の底部にガス吹き込み口を設けるとともに、槽内のpHを測定するpH計を設け、バッチ処理で、スラリーのpHが所定の値以下になるまで槽中のスラリーに対してガスを吹き込むことで実施することが出来る。また、VFポンプのような歯車が噛み合う部分にガス吹き込み口を設け、スラリーに対して粉砕とガスの吹き込みを同時に実施することが出来る。
炭酸化のための二酸化炭素としては、CO分離工程として、例えばPSA型分離装置等の二酸化炭素分離装置を用いて排ガスから二酸化炭素を分離して用いることができる。また、排ガスを直接利用したり、市販の二酸化炭素ガスを利用、併用したりすることもできる。
二酸化炭素の吹き込み速度は、一定とすることも、また可変とすることも可能であり、可変とする場合、pHの推移に応じて適宜調整すること等ができる。
本形態において、再生粒子のいっそうの品質安定化を図るためには、被処理物の粒子径を、各工程で均一に揃えるための分級を行うことが好ましく、粗大や微小粒子を前工程にフィードバックすることで、より品質の安定化を図ることができる。
また、乾燥工程の前段階において、脱水処理を行った脱墨フロス(脱水物)を造粒することが好ましく、更には造粒物の粒子径を均一に揃えるための分級を行うことがより好ましく、粗大や微小の造粒粒子を前工程にフィードバックすることでより品質の安定化を図ることができる。造粒においては、公知の造粒設備を使用できるが、回転式、攪拌式、押し出し式等の設備が好適である。
以下、合成例及び実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例における各測定値は、以下の方法にて測定した値である。
[平均粒子径(μm)]
レーザー回折粒度分布測定装置〔マイクロトラック/日機装社〕(型番:MT−3300)を使用し、体積平均粒子径(D50:μm)を測定した。測定試料の調製は、0.1%ヘキサメタ燐酸ソーダ水溶液に粒子を添加し、超音波で1分間分散した。
[シリカ被覆率(質量%)]
堀場製作所製のX線マイクロアナライザーを用い、加速電圧(15KV)にて元素分析を行い、含有する構成成分からクレー、炭酸カルシウム、タルク等の含有割合を推定し、シリカ被覆後のシリカ成分の含有率から、シリカ被覆率(質量%)を算出した。
[白色度(%)]
Tappi−534pm−76法に基づいて粒子の白色度を測定した。
[吸油度(mL/100g)]
JIS−K5101記載の練り合わせ法に準じて測定した。すなわち105℃〜110℃で2時間乾燥した試料2g〜5gをガラス板に取り、精製アマニ油(酸価4以下のもの)をビュレットから少量ずつ試料の中央に滴下しその都度ヘラで練り合わせ、滴下練り合わせの操作を繰り返し、全体が初めて1本の棒状にまとまったときを終点として、精製アマニ油の滴下量を求め、下記式(2)によって吸油度を算出した。
吸油度(mL/100g)
=[アマニ油量(mL)×100]/紙料(g) ・・・(2)
[坪量(g/m)]
JIS−P8142に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
[灰分歩留(%)]
手抄で得られた複合粒子内添紙の灰分(JIS−P8251に準拠して測定)を、手抄に供した紙料中の灰分で除して算出した。
[白紙不透明度(%)]
JIS−P8149に記載の方法に準拠して測定した。
[印刷後不透明度(%)]
J.TAPPI 45に準拠して新聞用オフセット印刷インキ(墨)を使用し、RI印刷試験機(明製作所製)でインキ量を変えてベタ印刷を行った。印刷面反射率が9%の時の印刷前の裏面反射率(印刷面の反対面)に対する印刷後の裏面反射率の比率から、下記式(3)を用いて印刷不透明度(Y)を算出した。なお、反射率測定には分光白色度測機(スガ試験機製)を使用した。
Y={(印刷後裏面反射率)/(未印刷の裏面反射率)}×100 ・・・(3)
〔再生粒子の製造〕
原料として脱墨フロスを用い、水分率が45質量%、平均粒径が10mm、また、50mm以下の粒子の割合が90質量%となるように脱水工程を行った。この脱水物にシャワー水による洗浄を経て、第1熱処理工程、その後、第2熱処理工程を以下の条件で行い熱処理物を得た。
第1熱処理工程条件
燃焼形式:内熱キルン
燃焼温度:500℃
酸素濃度:10%
滞留時間:50分
第2熱処理工程条件
燃焼形式:外熱キルンと内熱キルンの併用
入口の平均粒子径:5mm
燃焼温度:700℃
酸素濃度:14%
滞留時間:140分
出口の平均粒子径:5mm
得られた熱処理物100質量部に対して、配合・スラリー化工程として、硫酸カルシウム二水和物0.3質量部を添加し、この添加物を水中に懸濁させて、濃度(スラリーの全質量に対する熱処理物の質量比)35質量%のスラリーを得て、粉砕装置にて粉砕した。この粉砕物を分級し、体積平均粒子径1.0μm、2.0μm、3.4μm、5.0μm及び10.0μmの再生粒子をそれぞれ得た。
<実施例1>
上記方法で得られた平均粒子径3.4μmの再生粒子60質量部と、平均粒子径0.5μmの二酸化チタン粒子40質量部とを水に分散させ、17.4質量%(固形分濃度)の粒子スラリーを得た。この粒子スラリーに、カチオン性凝集剤(ハイモ社製「ハイモロックFR−740」)を1,750ppm添加し、凝集体スラリーを得た。
上記凝集体スラリーを固形分濃度10%に調整し、このスラリー200gに珪酸ナトリウム水溶液(5質量%)60gを添加して、ホモミキサーを使用して回転数3,000rpmで20分間、分散処理を行い珪酸ナトリウムを含むスラリーを調製した。次に、このスラリーを攪拌機、温度センサー、還流冷却器の付いた1Lの四口フラスコに入れ、攪拌しながら油浴にて85℃に昇温した。次に容器内のスラリーを85℃に保ちながら、1規定の硫酸150mLを定量ポンプを使用して、滴下速度2.5mL/分で100分かけて滴下し、シリカで被覆された複合粒子1を含む複合粒子スラリーを得た。
得られた複合粒子1のシリカ被覆率は21質量%、平均粒子径は6.4μm、白色度は94.0%、吸油度は62mL/100gであった。
<実施例2〜17及び比較例1〜3>
表1に記載の再生粒子、二酸化チタン粒子、これらの配合比(質量比)、凝集剤及びシリカ被覆における反応条件とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜17及び比較例1〜3を行い、複合粒子1〜17及びi〜iiiを得た。
なお、実施例7、9及び17では、凝集後のシリカ被覆を行わなかった。比較例1では再生粒子のみを凝集させた後、シリカ被覆した。比較例2では、再生粒子の代わりに平均粒子径3.0μmの軽質炭酸カルシウム粒子を用いた。比較例3では、再生粒子と二酸化チタン粒子とを混合したのみで、凝集及びシリカ被覆はどちらも行わなかった。
また、用いた表1中の凝集剤は以下のとおりである。
・カチオン性凝集剤:ハイモ社製「ハイモロックFR−740」
アクリルアミドとアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドとの共重合体及びポリアルキレンポリアミン混合物
質量平均分子量:850万
カチオン電荷密度:8.0meq/g
・アニオン性凝集剤:ハイモ社製「ハイモロックFA230」
アクリル酸ナトリウムとアクリルアミドとの共重合体
質量平均分子量:1,400万
カチオン電荷密度:−4meq/g
得られた各複合粒子のシリカ被覆率、平均粒子径、白色度及び吸油度を表1に示す。
Figure 2012121752
<実施例18>
得られた複合粒子1を用いて、固形分濃度10%のスラリーを調製した。NBKP(フリーネス=CSF520mL)10質量部及びLBKP(フリーネス=CSF480mL)90質量部を配合したパルプスラリーに、上記スラリーを固形分で15質量部、硫酸バンドを0.5質量部、カチオン化澱粉0.7質量部、中性ロジンサイズ剤1.0質量部、歩留向上剤0.1質量部をそれぞれ添加し、固形分濃度0.9質量%の紙料を調製した。この紙料を手抄き抄紙機でパルプシートを作成し、乾燥後、ラボスーパーカレンダーに通紙して、米坪が64.7g/mの実施例18の複合粒子含有紙を得た。
<実施例19〜34及び比較例4〜6>
用いた複合粒子を表2に示すものにした以外は、実施例18と同様の操作を行い、実施例19〜34及び比較例4〜6の各複合粒子内添紙を得た。
得られた各複合粒子内添紙の坪量、灰分歩留、白紙不透明度及び印刷後不透明度を表2に示す。
Figure 2012121752
<実施例35>
顔料として、複合粒子1を20質量部、炭酸カルシウム粒子(ハイドロカーブ#90:オミヤ社)40質量部及びカオリン(HF−90:ヒューバー社)20質量部、SBRラテックス(PA4098:日本A&L社)11質量部、澱粉(スターコート:日本食品加工社)2質量部並びに分散剤(アロンA−6028:東亜合成化学工業)0.3質量部を水に配合し、コーレスミキサーでスラリー化し、固形分50質量%の塗工液を調製した。
この塗工液を坪量41.5g/mの上質原紙の片面に乾燥質量6.8g/mとなるように片面ずつロールテストコーターで塗工し、その後乾燥及びさらにテストスーパーカレンダ仕上げ(線圧160kg/cm×2回通紙)して塗工紙を得た。
<実施例36及び37並びに比較例7及び8>
複合粒子1のかわりに表3に示す各複合粒子を用い、表3の塗工量としたこと以外は、実施例35と同様の操作を行い、実施例36及び37並びに比較例7及び8の各塗工紙を得た。
得られた各塗工紙の不透明度及び印刷不透明度を表3に示す。
Figure 2012121752
表2及び表3の結果から、本発明の複合粒子が内添された複合粒子内添紙及び本発明の複合粒子が塗布された塗工紙は、優れた不透明度及び印刷後不透明度を有することがわかる。また、表2の結果から、本発明の複合粒子は高い歩留まり性及び白色度を有することが分かる。
本発明の複合粒子は、製紙における内添填料や塗工液における顔料として好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 製紙スラッジを主原料とし、脱水、熱処理及び粉砕工程を経て得られた再生粒子と、
    二酸化チタン粒子と
    が凝集剤にて凝集されてなる複合粒子。
  2. 表面の少なくとも一部がシリカで被覆されている請求項1に記載の複合粒子。
  3. 上記シリカの被覆率が5質量%以上30質量%以下である請求項2に記載の複合粒子。
  4. 平均粒子径が2μm以上15μm以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の複合粒子。
  5. 上記再生粒子の平均粒子径が1μm以上10μm以下であり、
    上記二酸化チタン粒子の平均粒子径が0.2μm以上1μm以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の複合粒子。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の複合粒子が内添された複合粒子内添紙。
  7. 基紙と、この基紙の少なくとも一方の面に形成される1又は複数層の塗工層とを有する塗工紙であって、
    上記塗工層が請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の複合粒子を含有することを特徴とする塗工紙。
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