JP2012148260A - ロール塗布装置およびロール塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コーターパン7内の塗布液を汲み上げるロール4を備え、連続的に走行する基材に対して塗布液を塗布するロール塗布装置100において、コーターパン7中の塗布液面付近の所定の位置に、塗布液と気体とを同時に吸引する吸引口を設け、コーターパン7内の気泡を効率的に除去する。
【選択図】図2
Description
これらの問題を解決する方法として、超音波脱泡手段と遠心分離式脱泡手段とを順次連設した脱泡装置が開示されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1の方法では、脱気装置によりある程度コーターパン内の気泡を除去することは可能であるが、生産性を上げるためにロール回転速度を高速とした場合や、高速塗布時の高剪断力に耐えるために界面活性剤等、気泡の原因となる成分を塗布液中で増量した場合では、気泡の発生量が増加して気泡の除去が間に合わない問題も発生する。
また、近年、消費者の美観に対する意識の向上に伴い、塗膜外観に関する要求が格段に高まっており、より塗布欠陥の少ない塗膜を得るためのロール塗布装置およびロール塗布方法の開発が望まれていた。
前記コーターパン内の塗布液面上と液面下にまたがって配置された吸引口を介して、前記塗布液と気体とを同時に吸引して排出する排出装置を備え、
前記吸引口の全開口面積(S1)を前記吸引口の水平方向の最大幅で除して得られる平均開口高さ(H1)が1mm以上であり、
気体が通過する前記吸引口の開口面積(S2)を塗布液面位置における前記吸引口の水平方向の幅で除して得られる平均開口高さ(H2)が0.5mm以上であり、
前記全開口面積(S1)と前記開口面積(S2)との比率(S2/S1)が0.8以下であることを特徴とする、ロール塗布装置。
図1および図2は、それぞれ本発明のロール塗布装置の一実施態様の要部構成例を示す側面図および平面図である。図1に示されるロール塗布装置100は、バックアップロール2に巻き付きながら連続的に通板する基材1の片面に塗布液を塗布する形式の3ロールコーター(3本ロールコーター)である。
なお、基材1としては、種々の基材を使用することができ、例えば、冷延鋼板、亜鉛等のめっきや化成処理等が施された表面処理鋼板、電磁鋼板などの鋼板や、アルミ板、紙、フィルムなどを用いることができる。
各ロールのロール径およびロール胴長は使用される基材に応じて適宜最適な径および胴長が選択されるが、薄鋼板への塗布の場合、通常、ロール径は70〜400mmφ程度が好ましい。ロール径が70mmφより小さい場合は、たわみが発生しやすくなり、ロール径が400mmφより大きい場合は、各ロール間の接触面積が大きくなり、外観欠陥が発生しやすくなるためである。ロール胴長は、塗布したい幅と同等以上になるように適宜選択すればよい。
アプリケーターロール3の表面も塗布液の性状や目標付着量、塗布条件によって適宜選択すればよいが、被塗布材である鋼板等に傷を付けたくない場合は、ゴムがライニングされたゴムロールを用いることが好ましい。
そして、図1中の矢印はロールの回転方向または基材の走行方向を示す。各ロールの回転方向は、各ロール間およびアプリケーターロール3と基材1間において逆方向であり、ミタリングロール5上には塗布液をかきとるブレード6が設置されている。なお、ロールの回転方向は特に限定されない。
また、コーターパン7の大きさも特に制限されず、少なくともピックアップロール4が塗布液に浸漬した部分の断面積より大きければよい。なお、コーターパン7が矩形状である場合、図2に示されるように、コーターパン7の長手辺がロールの軸方向と平行になるように、コーターパン7を配置することが多い。
図2においては、吸引口9aは1つだけ記載されているが、複数個使用されてもよい。
平均開口高さ(H1)が1mm未満であると、液面上と液面下の位置関係を所定の関係に維持するのが難しく、塗布液を吸い込む流れが弱まり、気泡の吸引効率が悪くなり、所望の効果を得にくいため、平均開口高さ(H1)は1mm以上とする。
なお、例えば、スリット状の吸引口9aの長手方向が塗布液8の液面と平行で、短手方向が塗布液8の液面に対して所定の角度有して傾斜している場合、全開口面積(S1)は吸引口9aを水平方向から見た際の吸引口9aの面積を意図する。
平均開口高さ(H2)は、吸引口9aの気体が通過する部分の水平方向(幅方向)における開口高さの平均値を示している。言い換えれば、塗布液面から吸引口9aまでの高さの水平方向における平均値である。平均開口高さ(H2)は、1〜8mmであることが好ましく、2〜5mmであることがより好ましい。
平均開口高さ(H2)が0.5mm未満であると、塗布液の表面張力の効果により、塗布液が吸引口を塞いでしまい、結果として塗布液のみを吸引してしまい所望の効果が得られない。
比率(S2/S1)が0.8超であると、塗布液を吸い込む流れが弱まり、気泡の吸引効率が悪くなり、所望の効果が得られない。また、比率(S2/S1)を小さくしすぎると気泡の吸引量に比して塗布液の吸引量が多くなりすぎて効率が低下するため、0.2以上が好ましい。比率(S2/S1)は、0.2〜0.6であることが好ましく、0.3〜0.5であることがより好ましい。
全開口面積(S1)の面積は特に制限されず、使用されるコーターパンなどの大きさにより適宜最適な大きさが採用されるが、通常、400〜2000mm2程度が好ましく、600〜1600mm2程度がより好ましい。
また、図2に示すように、吸引ノズル9の吸引口9aは、ピックアップロール4の軸方向に塗布液の流れが発生するように、ピックアップロール4の軸方向の一端部側(付近)に配置されることが好ましい。
コーターパン7中の塗布液8の流速は特に制限されないが、本発明の効果がより得られるようにするために、ピックアップロールの塗布液かきあげ部から1cm離れた位置の液面の流速が0.05〜0.5m/sであることが好ましく、0.1〜0.3m/sがより好ましい。
気体噴射装置は、塗布液面に対して気体を噴射できれば、その構成は特に制限されないが、通常、図2に示すように、気体を噴射する噴射口を有する気体噴射ノズル10と、気体噴射ノズル10に接続された気体供給装置12とを備える。気体噴射ノズル10と気体供給装置12とは、図2に示すように、必要に応じて配管などを介して接続されていてもよい。
気体噴射ノズル10は、コンプレッサー、ブロア、ファンなどの気体供給装置12と配管を介して接続しており、供給される気体としては空気などが挙げられる。
気体噴射ノズル10の塗布液面に対する傾斜角度は、気体の噴射による気泡の発生を抑制する点から、30°以下が好ましく、5〜15°がより好ましい。
気体噴射ノズル10より噴射される気体量は特に制限されないが、気泡の発生を抑えつつ、塗布液の流れを発生させやすいノズル噴射口のガス速度としては、30〜100m/s、より好ましくは、40〜60m/sが好ましい。
気体噴射ノズル10の噴射口の大きさは特に制限されず、ロールの大きさやコーターパンの大きさによって適宜最適な大きさが選択される。
なお、図2において、気体噴射ノズル10は1つだけ記載されているが、複数個使用されてもよい。複数個使用する場合は、並列して使用してもよいし、上下に配置してもよい。
吸引口9aから塗布液8が吸引、排出されると同時に、塗布液8の液面の高さを一定に保つように、コーターパン7に塗布液8を適宜供給してもよい。
なかでも、ロール塗布装置100は、吸引口9aからコーターパン7外に排出された塗布液を脱気装置に送液して、脱気装置にて脱気した後、脱気された塗布液をコーターパン7内に供給することで塗液を循環させる塗布液循環手段を有していることが好ましい。なお、図2において、塗布液循環手段は省略されている。
塗布液循環手段は、吸引口9aからコーターパン7外に排出された塗布液を脱気装置に送液する第1の送液装置と、塗布液を脱気する脱気装置と、脱気された塗布液をコーターパン7に供給する第2の送液装置とを備えることが好ましい。
第1の送液装置および第2の送液装置としては、定量ポンプなどの送液装置が使用される。
また、塗布液循環手段は、脱気装置の後に、脱気された塗布液を貯留する塗布液タンクを備えていてもよい。
また、塗布液タンクで貯留した塗布液を吸引して塗布液供給口からコーターパン7内に送液する送液用ポンプを使用して、塗布液をコーターパン7に戻してもよい。
まず、コーターパン7内の塗布液8をピックアップロール4で汲み上げ、汲み上げた塗布液8の液量をミタリングロール5で調整した後、アプリケーターロール3に転写し、アプリケーターロール3を連続的に走行する基材1に接触させ、アプリケーターロール3表面の塗布液8を基材1表面に転写することで、基材1表面に塗布液8を塗布する。表面に塗布液8が塗布された基材1は、次いで図示されていない加熱設備または乾燥設備に通板されて、加熱乾燥され、基材1表面に所要の塗膜が形成される。ミタリングロール5表面に付着した塗布液8は、その一端をミタリングロール5表面に押し付けて配置されたブレード6で掻き取られ、コーターパン7に戻る。
上記のロール塗布装置100によれば、ピックアップロール4周辺で発生した気泡を十分に取り除くことができ、気泡の基材への付着や、ロール間への咬みこみを防止することができる。
上記実施形態は3ロール方式によるコーティング方式について述べているが、本発明では、3ロール方式に限定されず、1ロール方式、2ロール方式であってもよい。
図4および図5に、それぞれに2ロール方式の実施形態の側面図および平面図を示す。2ロール方式の場合についても、上述した吸引口を設けることにより、塗布液8の液面上に存在する気泡を除去することができる。
上述したように、気体噴射装置は必要に応じて設けられる任意の構成要素である。
また、図5に示すように、吸引ノズル9は、ピックアップロール4の中心軸を通る鉛直面で分けられたコーターパン7の2つの領域のうち、ピックアップロール4が塗布液8を汲み上げる側の領域に設けられることが好ましい。
各ロールとして、アプリケーターロール3には金属ロールにゴムをライニングしたゴムライニングロールを、ピックアップロール4とミタリングロール5には表面がフラットな金属ロールを使用した。各ロールのロール径としては、アプリケーターロール3とピックアップロール4が300mmφ、ミタリングロール5が200mmφである。各ロールのロール胴長は1.6mであり、ピックアップロール4とミタリングロール5間のギャップは90μmであった。コーターパン7の面積は、1000mm×1900mmであった。
また、基材の速度(ライン速度)を100m/min、アプリケーターロール3、ピックアップロール4、ミタリングロール5のそれぞれの回転速度を、100m/min、70m/min、30m/minとした。
気体噴射ノズル10としては、表1に示した形状のノズルを用い、噴射口を塗布液8の液面から高さ20mmの位置で、液面に対して5°傾けて配置した。
図3のように配置された吸引口9aから吸い込んだ塗布液は脱気装置に送液された。脱気装置としては、真空ポンプにより減圧した雰囲気で遠心分離を行う装置を使用した。吸引口9aからの塗布液8の吸引量は、30L/minであった。なお、上記脱気装置の真空ポンプの作用により吸引口9aから吸引した塗布液は、配管を介して上記脱気装置に送られ、脱気された後、配管を介して塗布液タンクに送られ、その後、送液用ポンプにより塗布液タンクから配管を介して、図示しない塗布液供給口よりコーターパン内7に戻された。
上記方法により得られた塗膜を有する鋼板表面を、目視により観察し、以下の基準に従って、評価した。結果を表1にまとめて示す。
「◎」:得られた塗膜表面(2000mm×1100mm)において、気泡ブツ欠陥が観察されない。
「○」:得られた塗膜表面(2000mm×1100mm)において、気泡ブツ欠陥が1個以上3個以下観察される。
「△」:得られた塗膜表面(2000mm×1100mm)において、気泡ブツ欠陥が3個超10個以下観察される。
「×」:得られた塗膜表面(2000mm×1100mm)において、気泡ブツ欠陥が10個超または、スジ状欠陥が観察される。
一方、吸引口が所定の条件を満たさない比較例1〜3においては、気泡ブツ欠陥が増加する傾向であった。
さらに、吸引ノズルを設けていない比較例4においては、ロール間への泡のかみこみにより、スジ状欠陥が発生した。
2 バックアップロール
3 アプリケーターロール
4 ピックアップロール
5 ミタリングロール
6 ブレード
7 コーターパン
8 塗布液
9 吸引ノズル
9a 吸引口
10 気体噴射ノズル
11 吸引装置
12 気体供給装置
20 気泡
100、200 ロール塗布装置
H1 平均開口高さ
H2 平均開口高さ
W 塗布液面位置における吸引口の幅
Claims (6)
- コーターパン内の塗布液を汲み上げるロールを備え、連続的に走行する基材に対して塗布液を塗布するロール塗布装置であって、
前記コーターパン内の塗布液面上と液面下にまたがって配置された吸引口を介して、前記塗布液と気体とを同時に吸引して排出する排出装置を備え、
前記吸引口の全開口面積(S1)を前記吸引口の水平方向の最大幅で除して得られる平均開口高さ(H1)が1mm以上であり、
気体が通過する前記吸引口の開口面積(S2)を塗布液面位置における前記吸引口の水平方向の幅で除して得られる平均開口高さ(H2)が0.5mm以上であり、
前記全開口面積(S1)と前記開口面積(S2)との比率(S2/S1)が0.8以下であることを特徴とする、ロール塗布装置。 - 前記吸引口が、前記ロールの軸方向に塗布液の流れが発生するように、前記ロールの軸方向の一端部側に配置される、請求項1に記載のロール塗布装置。
- 前記ロールの軸方向の他端部側に配置され、塗布液面に対して気体を噴射して、前記吸引口側に塗布液を流すための気体噴射装置を備える、請求項2に記載のロール塗布装置。
- 前記吸引口の開口形状がスリット状であり、吸引口の長手方向と塗布液面とが平行になるように吸引口が設けられる、請求項1〜3のいずれかに記載のロール塗布装置。
- 前記吸引口から前記コーターパン外に排出された塗布液を脱気装置に送液して、脱気した後、脱気された塗布液を前記コーターパン内に供給することで塗布液を循環させる塗布液循環手段を備える、請求項1〜4のいずれかに記載のロール塗布装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のロール塗布装置を使用して、連続的に走行する基材に対して塗布液を塗布するロール塗布方法。
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