JP2012171939A - アミド含有スルフィド化合物、並びにその製造方法及び用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(1)で示されるアミド含有スルフィド化合物を含んでなるパラジウムイオン抽出剤、又は下記一般式(1)で示されるアミド含有スルフィド化合物を担体に固定化させたパラジウムイオン吸着剤を用いて、パラジウムイオンを選択的に分離回収する。
(式中、Rは各々独立して、メチル基、エチル基、炭素数3〜18の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、又は炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を表し、nは各々独立して、1〜4の整数を表し、Lはメチレン基、エチレン基、炭素数3〜8の直鎖、分岐若しくは環状アルキレン基、又は炭素数6〜14のアリーレン基を表す。)
【選択図】なし
Description
で示される新規アミド含有スルフィド化合物、当該新規アミド含有スルフィド化合物を含んでなるパラジウムイオン抽出剤、当該新規アミド含有スルフィド化合物を担体に固定化してなるパラジウムイオン吸着剤、並びに当該パラジウムイオン抽出剤又は吸着剤を用いたパラジウムイオンの分離及び回収方法に関する。
[1]
下記一般式(1)で示される新規アミド含有スルフィド化合物。
[2]
上記一般式(1)で示されるアミド含有スルフィド化合物を含んでなるパラジウムイオン抽出剤。
[3]
上記一般式(1)で示されるアミド含有スルフィド化合物を担体に固定化したパラジウムイオン吸着剤。
[4]
担体がシリカゲルであることを特徴とする[2]に記載のパラジウムイオン吸着剤。
[5]
パラジウムイオン抽出剤又は吸着剤と、パラジウムイオンを含有する水溶液とを接触させることを特徴とするパラジウムイオンの分離方法。
[6]
パラジウムイオン抽出剤又は吸着剤とパラジウムイオンを含有する水溶液とを接触させ、次いで逆抽出剤又は脱着剤と接触させることを特徴とするパラジウムの回収方法。
で示される化合物と下記一般式(3)
で示される化合物とを塩基存在下で反応させ、下記一般式(4)
で示される化合物を得、次に、一般式(4)で示される化合物とチオ安息香酸とを塩基存在下で反応させて、下記一般式(5)
で示される化合物を得、次に、一般式(5)で示される化合物と下記一般式(6)
で示される化合物とを塩基存在下で反応させることにより、一般式(1)で示されるアミド含有スルフィド化合物を得ることができる。
アミド含有スルフィド化合物の合成例として、N,N’−ビス−(3−チアウンデカニル)−1,3−プロパンジアミン(以下、化合物(11)と称する)の合成例を以下に記す。
200mLナス型フラスコに1,3−プロパンジアミン(7) 3.71g(50mmol)、水50g、ジエチルエ−テル 20gを量り取り、これに20重量%水酸化ナトリウム水溶液24.00g(120mmol)を加えた。この混合物に対し、クロロ塩化アセチル(8) 13.55g(120mmol)を0℃にて1時間かけて滴下し、更に0℃で1時間攪拌した。生じた白色固体をろ取した後、水、ジエチルエ−テルで順次洗浄し、上記式(9)で示されるジアシル化体(以下、ジアシル化体(9)と称する)を収量10.41g、収率91.7%で得た。
ジチオエステル化体(10)の合成
100mLナス型フラスコに炭酸カリウム 2.65g(19.2mmol)、水40gを量り取り、これにチオ安息香酸2.65g(19.2mmol)を加えて40℃で30分間攪拌した。これに上記ジアシル化体(9) 1.82g(8mmol)及びテトラヒドロフラン(THF) 10gを加え、40℃で3時間攪拌した。その後更に0℃で1時間攪拌し、生じた白色固体をろ取した後、水で洗浄し、上記式(10)で示されるジチオエステル化体(以下、ジチオエステル化体(10)と称する。)を収量3.51g、収率95.6%で得た。
化合物(11)の合成
100mLナス型フラスコに上記ジチオエステル化体(10) 2.15g(5mmol)、メタノ−ル 20gを量り取り、これに20重量%水酸化ナトリウム水溶液2.00g(10mmol)を加え、窒素気流下室温で2時間攪拌した。これに1−ブロモオクタン 1.93g(10mmol)を加え、室温で20時間攪拌した。溶媒を減圧下留去した後、テトラヒドロフラン 10g、水10g、20%水酸化ナトリウム水溶液2.00g(10mmol)を加え、40℃で1時間撹拌した。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチルで抽出した(10mL×2)。有機層を合わせ、飽和重曹水10mL、水10mL、飽和食塩水10mLで順次洗浄した。硫酸ナトリウムで脱水した後、溶媒を減圧下留去し、化合物(11)を収量2.12g、収率95.1%で得た。
実施例2 吸着剤Aの調製
50mLナス型フラスコに実施例1で合成した化合物(11) 0.25gをジクロロメタン 5mLに溶解させ、これにシリカゲル(富士シリシア化学製、商品名:MB5D 200−350)0.75gを加え、更に40℃で30分間攪拌した。溶媒を減圧下にて留去した後、得られた白色粉末を室温で減圧乾燥することにより化合物(11)を25重量%の割合で含浸担持させたシリカゲルを調製した(吸着剤Aとする)。
実施例1において、1,3−プロパンジアミン 3.71gの代わりに1,2−フェニレンジアミン 5.41gを用いる以外は、実施例1と同様にして、下記式(12)
実施例4 吸着剤Bの調製
実施例2において、化合物(11)の代わりに化合物(12)を用いた以外は実施例2と同様に行い、化合物(12)を25重量%の割合で含浸担持させたシリカゲルを調製した(吸着剤Bとする)。
実施例2において、化合物(11)の代わりに化合物(12)を用い、シリカゲルとして、MB5D 200−350の代わりにMB4B 30−50(富士シリシア化学製)を用いた以外は、実施例2と同様に行い、化合物(12)を25重量%の割合で含浸担持させたシリカゲルを調製した(吸着剤Cとする)。
比較例の特許文献2の請求項範囲に該当するパラジウム抽出剤の合成例として、N,N−ジエチル−3−チアウンデカンアミド(以下、化合物(15)と称する。)の合成例を以下に記す。
200mLナス型フラスコに炭酸カリウム 15.20g(110mmol)、水80gを量り取り、これにチオ安息香酸15.20g(110mmol)を加えて室温で30分間攪拌した。これに2−クロロ−N,N−ジエチルアセタミド(13) 14.96g(100mmol)、及びテトラヒドロフラン 20gを加え、室温で3時間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチルで抽出した(10mL×2)。有機層を合わせ、水10mL、飽和食塩水10mLで順次洗浄した。硫酸ナトリウムで脱水した後、溶媒を減圧下留去し、化合物(14)を収量25.67g、収率100%で得た。
化合物(15)の合成
100mLナス型フラスコに上記チオエステル化体(14) 1.26g(5mmol)、メタノ−ル 20gを量り取り、これに20重量%水酸化ナトリウム水溶液1.00g(5mmol)を加え、窒素気流下室温で2時間攪拌した。これに1−ブロモオクタン 0.97g(5mmol)を加え、室温で20時間攪拌した。溶媒を減圧下留去した後、テトラヒドロフラン 10g、水10g、20%水酸化ナトリウム水溶液1.00g(5mmol)を加え、40℃で1時間撹拌した。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチルで抽出した(10mL×2)。有機層を合わせ、飽和重曹水10mL、水10mL、飽和食塩水10mLで順次洗浄した。硫酸ナトリウムで脱水した後、溶媒を減圧下留去し、化合物(15)を収量1.28g、収率98.5%で得た。
調製例1 吸着剤Dの調製
実施例2において、化合物(11)の代わりに化合物(15)を用いた以外は実施例2と同様に行い、化合物(15)を25重量%の割合で含浸担持させたシリカゲルを調製した(吸着剤Dとする)。
ジアシル化体(17)の合成
200mLナス型フラスコに牛脂プロピレンジアミン(16)(花王製、商品名:ジアミン RRT)9.51g(30mmol)、10重量%水酸化ナトリウム水溶液30.00g(75mmol)、ジエチルエーテル 40gを加えた。この混合物に対し、クロロ塩化アセチル(8) 8.47g(75mmol)を室温にて2時間かけて滴下し、更に室温で30分間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチルで抽出した(15mL×2)。有機層を合わせ、飽和重曹水15mL、飽和食塩水15mLで順次洗浄した。硫酸ナトリウムで脱水した後、溶媒を減圧下留去し、上記式(17)で示されるジアシル化体(以下、ジアシル化体(17)と称する。)を収量12.59g、収率89.3%で得た。
化合物(18)の合成
300mLナス型フラスコに実施例1で合成したジチオエステル化体(10) 11.53g(26.8mmol)、メタノ−ル 100gを量り取り、これに20重量%水酸化ナトリウム水溶液10.71g(53.5mmol)を加え、窒素気流下室温で2時間攪拌した。これに上記ジアシル化体(17) 1.14g(5mmol)を加え、室温で20時間攪拌した。溶媒を減圧下留去した後、テトラヒドロフラン 30g、水30g、20重量%水酸化ナトリウム水溶液10.71g(53.5mmol)を加え、40℃で1時間撹拌した。反応液を分液ロートに移し、酢酸エチルで抽出した(20mL×3)。有機層を合わせ、飽和重曹水20mL、飽和食塩水20mLで順次洗浄した。硫酸ナトリウムで脱水した後、溶媒を減圧下留去し、化合物(18)を収量15.40g、収率92.9%で得た。
調製例2 吸着剤Eの調製
実施例2において、化合物(11)の代わりに化合物(18)を用いた以外は実施例2と同様に行い、化合物(18)を25重量%の割合で含浸担持させたシリカゲルを調製した(吸着剤Eとする)。
パラジウムイオンを50mg/Lと白金イオンを150mg/L含む1mol/L塩酸溶液10mLに、実施例2で調製した吸着剤Aを20mg添加して室温で1時間攪拌した。その後、孔径0.45μmのメンブレンフィルタ−を用いてろ過し、ろ液中の残存金属濃度を測定した。残存金属濃度と初濃度とから、各金属イオンの吸着率を求めた結果、パラジウムイオン吸着率は87.6%、白金イオン吸着率は0%であった。この時のパラジウムイオン吸着量は吸着剤A 1g当たり21.9mg、白金イオン吸着量は吸着剤A 1g当たり0mgであり、パラジウムイオンが高選択的に吸着された。
実施例6において、吸着剤Aの代わりに、実施例4で調製した吸着剤Bを20mg用いた以外は実施例6と同様に行った結果、パラジウムイオン吸着率は99.7%、白金イオン吸着率は0%であった。この時のパラジウムイオン吸着量は吸着剤B 1g当たり24.9mg、白金イオン吸着量は吸着剤B 1g当たり0mgであり、パラジウムイオンが高選択的に吸着された。
実施例5で調製した吸着剤C 0.2gを水に分散させた後、ガラス製の内径5mm、長さ100mmのカラムに充填した。金属標準液及び塩酸水溶液を用いて調製した、表1に示す濃度の各種金属イオンを含有する1mol/L塩酸溶液(以下、移動相と称する)をカラム上部から36mL/Hrの流速で50mL通液して金属イオンの吸着を行った。水20mLを通液してカラムを洗浄した後、5重量%の濃度のDL−メチオニンを含む3mol/L塩酸溶液をカラム上部から36mL/Hrの流速で50mL通液して金属イオンの脱着を行い、カラム下部から流出液(以下、回収液と称する)を得た。流出液中の金属濃度を測定した結果を表2に示す。以上の操作により、パラジウムイオンが高選択的に分離回収された。なお、回収液中のパラジウム濃度からパラジウムイオン吸着量を算出したところ、吸着剤C 1g当たり38.0mgであった。
実施例6において、吸着剤Aの代わりに、調製例1で調製した吸着剤Dを20mg用いた以外は実施例6と同様に行った結果、パラジウムイオン吸着率は99.2%、白金イオン吸着率は45.7%であった。この時のパラジウムイオン吸着量は吸着剤D 1g当たり24.8mg、白金イオン吸着量は吸着剤D 1g当たり34.3mgであり、パラジウムイオンを高選択的に吸着する事は出来なかった。
実施例6において、吸着剤Aの代わりに、調製例2で調製した吸着剤Eを20mg用いた以外は実施例6と同様に行った結果、パラジウムイオン吸着率は99.0%、白金イオン吸着率は7.3%であった。この時のパラジウムイオン吸着量は吸着剤E 1g当たり24.8mg、白金イオン吸着量は吸着剤E 1g当たり5.5mgであり、パラジウムイオンを高選択的に吸着する事は出来なかった。
Claims (9)
- 一般式(5)
(式中、nは各々独立して、1〜4の整数を表す。Lはメチレン基、エチレン基、炭素数3〜8の直鎖、分岐若しくは環状アルキレン基、又は炭素数6〜14のアリーレン基を表す。Bzはベンゾイル基を表す。)
で示される化合物と一般式(6)
(式中、Rはメチル基、エチル基、炭素数3〜18の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、又は炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を表す。Yはハロゲン元素を表す。)
で示される化合物を塩基存在下で反応させることを特徴とする、一般式(1)
(式中、Rは各々独立して、メチル基、エチル基、炭素数3〜18の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、又は炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を表す。nは各々独立して、1〜4の整数を表す。Lはメチレン基、エチレン基、炭素数3〜8の直鎖、分岐若しくは環状アルキレン基、又は炭素数6〜14のアリーレン基を表す。)
で示されるアミド含有スルフィド化合物の製造方法。 - 担体がシリカゲルであることを特徴とする請求項4に記載のパラジウムイオン吸着剤。
- 請求項3に記載のパラジウムイオン抽出剤と、パラジウムイオンを含有する水溶液とを接触させて、パラジウムイオンを抽出することを特徴とするパラジウムイオンの分離方法。
- 請求項3に記載のパラジウムイオン抽出剤とパラジウムイオンを含有する水溶液とを接触させてパラジウムイオンを抽出した抽出剤と、逆抽出剤を接触させてパラジウムイオンを含む水溶液を得ることを特徴とするパラジウムの回収方法。
- 請求項4又は請求項5に記載のパラジウムイオン吸着剤と、パラジウムイオンを含有する水溶液とを接触させて、パラジウムイオンを吸着することを特徴とするパラジウムイオンの分離方法。
- 請求項4又は請求項5に記載のパラジウムイオン吸着剤とパラジウムイオンを含有する水溶液と接触させてパラジウムイオンを吸着した吸着剤と、脱着剤を接触させてパラジウムイオンを含む水溶液を得ることを特徴とするパラジウムの回収方法。
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