開示する発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る半導体装置の構成および動作について、図1乃至図5を参照して説明する。
図1は、メモリセルを有する半導体装置のブロック図の一例である。
半導体装置は、駆動回路101と、複数のメモリセル102と、電位生成回路103と、書き込み終了検知回路104と、を有する。駆動回路101は、書き込み回路111と、データバッファ112と、ベリファイ回路113と、読み出し回路114と、を有する。複数のメモリセル102はそれぞれ、酸化物半導体を用いたトランジスタ(図示せず)と、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタ(図示せず)とを有する。また、半導体装置は、入出力信号(I/O)を与える配線(データ入出力線ともいう)、出力信号(VERI)を与える配線(ベリファイ信号線ともいう)、読み出し信号(READ)を与える配線、書き込み信号(WRITE)を与える配線を有する。駆動回路101は、複数のメモリセル102の各列に設けられている。
データバッファ112は、書き込み回路111に電気的に接続されている。書き込み回路111は、複数の第1の信号線121を介して電位生成回路103に電気的に接続されている。書き込み回路111は、第2の信号線122を介して複数のメモリセル102のそれぞれに電気的に接続されている。読み出し回路114は、第3の信号線123を介して複数のメモリセル102のそれぞれに電気的に接続されている。ベリファイ回路113は、第4の信号線124を介して書き込み終了検知回路104に電気的に接続されている。また、読み出し回路114は、データバッファ112と、ベリファイ回路113に電気的に接続されている。ベリファイ回路113は、データバッファ112、および書き込み回路111とそれぞれ電気的に接続されている。
駆動回路101は、複数のメモリセルを駆動する機能を有する。電位生成回路103は、複数の電位(V0乃至Vj)(jは2以上の整数)を生成する機能を有する。
電位生成回路103で生成される複数の電位(V0乃至Vj)(jは2以上の整数)の大きさはそれぞれ異なっている。電位生成回路103で生成される大きさの異なる複数の電位(V0乃至Vj)(jは2以上の整数)のそれぞれが、複数の第1の信号線121のいずれかに供給され、書き込み回路111に供給される。
データバッファ112は、複数のメモリセル102のそれぞれに書き込むデータを保持する機能、及び読み出したデータを保持する機能を有する。書き込み回路111は、データバッファ112に保持されたデータに基づいて、複数のメモリセル102のそれぞれに、電位生成回路103で生成される複数の電位のうちいずれか一の電位(例えば、V1)をデータとして書き込む機能を有する。読み出し回路114は、メモリセル102に書き込まれたデータを読み出す機能を有する。ベリファイ回路113は、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータとが一致するか否かをベリファイする機能を有する。
読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータとが一致したメモリセル102では、書き込み電位が上記一の電位(例えば、V1)に決定される。読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータとが一致しないメモリセル102では、書き込み電位が電位生成回路103で生成される複数の電位のうちの別の2種の電位(例えば、V2またはV3)に変更される。
読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータとが一致しないメモリセル102では、書き込み電位が別の2種の電位(例えば、V2またはV3)に変更された後、再度書き込み、ベリファイが行われる。このベリファイ後に、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータとが一致したメモリセル102では、書き込み電位が上記2種の電位(例えば、V2またはV3)に決定される。また、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータとが一致しないメモリセル102では、ベリファイ回路113から書き込み終了検知回路104にデータが入力され、書き込み電位が複数の電位のうちのさらに別の2種の電位(例えば、Vj−1またはVj)に変更される。このようにして、書き込み電位が順次別の電位に変更され、書き込み、ベリファイが行われ、複数のメモリセルの書き込み電位が決定される。
ベリファイ回路113にて同一行のメモリセル102の全てのデータが、データバッファ112に保持された書き込みデータと一致すると、ベリファイ回路113から書き込み終了検知回路104にデータが入力され、書き込み動作が終了する。
上記において、メモリセル102を構成するトランジスタのしきい値電圧のばらつきなどに起因して、複数のメモリセル102それぞれを動作するために必要な電位(メモリセルのしきい値電圧ともいう)は、ばらつき(分布幅)を有する場合がある。
複数のメモリセル102のしきい値電圧がばらつき(分布幅)を有する場合に、複数のデータ”0”のメモリセル102にデータ”1”を書き込む手順の一例を図2(A)〜(D)、図3(A)〜(D)、図4(A)、(B)に示す。なお、電位生成回路103で生成される複数の電位(V0乃至Vj)(jは2以上の整数)のうち、電位V0(例えば、接地電位)はデータ”0”を書き込む電位であり、電位V1乃至Vjはデータ”1”を書き込む電位である。
図2(A)は、メモリセル数Nを横軸にとり、メモリセル102のしきい値電圧Vthを縦軸にとり、複数のメモリセル102のしきい値電圧Vthの分布を示したグラフである。図2(A)には、書き込み前(データ”0”)と書き込み後のしきい値電圧Vthの分布を示している。矢印の前が書き込み前(データ”0”)のしきい値電圧Vthの分布であり、矢印の後が書き込み後のしきい値電圧Vthの分布である。また、書き込みに用いた電位の大きさ(V=V1)を矢印の横に示している。
図2(A)に示すように、電位生成回路103で生成される複数の電位(V0乃至Vj)(jは2以上の整数)のうち一の電位(ここではV1)を書き込み電位として用いて複数のメモリセル102に書き込み(書き込み−1とする)を行う。すると、書き込み前(データ”0”)のしきい値電圧Vthの分布から書き込み後のしきい値電圧Vthの分布に変化する。
次に、図2(B)に示すように、書き込み−1を行ったメモリセル102に書き込まれたデータを読み出し回路114で読み出し、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致するか否かをベリファイ(ベリファイ−1とする)する。
ベリファイ−1において、読み出し回路114で読み出されるデータは、メモリセル102のしきい値電圧VthがVaより上であればデータ”0”となり、メモリセル102のしきい値電圧VthがVbより下であればデータ”2”となり、メモリセル102のしきい値電圧VthがVb以上Va以下であればデータ”1”となる。
つまり、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致する(ベリファイOKともいう)範囲は、図2(B)のD2で示す範囲となる。図2(B)のD2で示す範囲にある(即ち、ベリファイOKとなる)メモリセル102では、書き込み電位として電位V1を用いたときに、データ”1”を得ることができる。したがって、図2(B)のD2で示す範囲にある(即ち、ベリファイOKとなる)メモリセル102では、書き込み電位が上記一の電位(V1)に決定される。
また、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致しない(ベリファイNGともいう)範囲は、図2(B)のD1およびD3で示す範囲となる。この図2(B)のD1およびD3で示す範囲にある(即ち、ベリファイNGとなる)メモリセル102では、書き込み電位として電位V1を用いたときに、データ”1”を得ることができず、データ”0” および、データ”2”が検出される。
図2(B)のD1およびD3で示す範囲にある(即ち、データ”0”および、データ”2”が検出され、ベリファイNGとなった)メモリセル102では、書き込み電位が電位生成回路103で生成される複数の電位のうちの別の2種の電位(ここでは、V2またはV3)に変更される。その後、再度書き込み、ベリファイが行われる。
図2(C)には、図2(B)のD1およびD3で示す範囲にあるメモリセル102について、書き込み電位が電位生成回路103で生成される複数の電位のうちの別の2種の電位V2または電位V3を書き込み電位として用いて書き込み(書き込み−2とする)を行うときの、しきい値電圧Vthの分布を示している。なお、ここでは便宜上、図2(B)のD1およびD3で示す範囲にあるメモリセル102だけを抜き出して記載しているが、書き込み−2のステップで、同時に他のメモリセル102に書き込みを行ってもよい。即ち、書き込み−2のステップで、同時に、図2(B)のD2で示す範囲にあるメモリセル102に、電位V1の書き込みを行ってもよい。
また、図2(C)では、便宜上、電位V2およびV3の書き込み前(データ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧が、電位V1の書き込み前(図2(A)のデータ”0”)のしきい値電圧と同様の分布を有するように記載しているが、電位V2およびV3の書き込み前(データ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧が、電位V1の書き込み後(図2(B)のデータ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧と同様の分布を有していてもよい。
図2(C)に示すように、電位生成回路103で生成される複数の電位(V0乃至Vj)(jは2以上の整数)のうち電位V2およびV3を書き込み電位として用いて書き込み(書き込み−2とする)を行うと、書き込み前(データ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧Vthの分布から書き込み後のしきい値電圧Vthの分布に変化する。
次に、図2(D)に示すように、メモリセル102に書き込まれたデータを読み出し回路114で読み出し、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致するか否かをベリファイ(ベリファイ−2とする)する。ここでも便宜上、図2(B)のD1およびD3で示す範囲にあるメモリセル102だけを抜き出して記載している。
ベリファイ−2において、読み出し回路114で読み出されるデータは、メモリセル102のしきい値電圧VthがVaより上であればデータ”0”となり、メモリセル102のしきい値電圧VthがVbより下であればデータ”2”となり、メモリセル102のしきい値電圧VthがVb以上Va以下であればデータ”1”となる。
つまり、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致する(ベリファイOKともいう)範囲は、図2(D)のD5で示す範囲となる。図2(D)のD5で示す範囲にある(即ち、ベリファイOKとなる)メモリセル102では、書き込み電位として電位V2または電位V3を用いたときに、データ”1”を得ることができる。したがって、図2(D)のD5で示す範囲にある(即ち、ベリファイOKとなる)メモリセル102では、書き込み電位が上記の2種の電位(V2またはV3)に決定される。
また、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致しない(ベリファイNGともいう)範囲は、図2(D)のD4およびD6で示す範囲となる。この図2(D)のD4およびD6で示す範囲にある(即ち、ベリファイNGとなる)メモリセル102では、書き込み電位として電位V2または電位V3を用いたときに、データ”1”を得ることができず、データ”0”およびデータ”2”が検出される。
図2(D)のD4およびD6で示す範囲にある(即ち、データ”0”および、データ”2”が検出され、ベリファイNGとなった)メモリセル102では、書き込み電位が電位生成回路103で生成される複数の電位のうちのさらに別の2種の電位(ここでは、V4またはV5)に変更される。その後、再度書き込み、ベリファイが行われる。
図3(A)には、図2(D)のD4およびD6で示す範囲にあるメモリセル102について、書き込み電位が電位生成回路103で生成される複数の電位のうちのさらに別の2種の電位V4または電位V5を書き込み電位として用いて書き込み(書き込み−3とする)を行うときの、しきい値電圧Vthの分布を示している。なお、ここでは便宜上、図2(D)のD4およびD6で示す範囲にあるメモリセル102だけを抜き出して記載しているが、書き込み−3のステップで、同時に他のメモリセル102に書き込みを行ってもよい。即ち、書き込み−3のステップで、同時に、図2(B)のD2で示す範囲にあるメモリセル102に電位V1の書き込みを行い、図2(D)のD5で示す範囲にあるメモリセル102に電位V2または電位V3の書き込みを行ってもよい。
また、図3(A)では、便宜上、電位V4およびV5の書き込み前(データ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧が、電位V1の書き込み前(図2(A)のデータ”0”)のしきい値電圧と同様の分布を有するように記載しているが、電位V4およびV5の書き込み前(データ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧が、電位V2およびV3の書き込み後(図2(D)のデータ”0”およびデータ”2”)のしきい値電圧と同様の分布を有していてもよい。
図3(A)に示すように、電位生成回路103で生成される複数の電位(V0乃至Vj)(jは2以上の整数)のうち電位V4およびV5を書き込み電位として用いて書き込み(書き込み−3とする)を行うと、書き込み前(データ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧Vthの分布から書き込み後のしきい値電圧Vthの分布に変化する。
次に、図3(B)に示すように、メモリセル102に書き込まれたデータを読み出し回路114で読み出し、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致するか否かをベリファイ(ベリファイ−3とする)する。ここでも便宜上、図2(D)のD4およびD6で示す範囲にあるメモリセル102だけを抜き出して記載している。
ベリファイ−3において、読み出し回路114で読み出されるデータは、メモリセル102のしきい値電圧VthがVaより上であればデータ”0”となり、メモリセル102のしきい値電圧VthがVbより下であればデータ”2”となり、メモリセル102のしきい値電圧VthがVb以上Va以下であればデータ”1”となる。
つまり、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致する(ベリファイOKともいう)範囲は、図3(B)のD8で示す範囲となる。図3(B)のD8で示す範囲にある(即ち、ベリファイOKとなる)メモリセル102では、書き込み電位として電位V4または電位V5を用いたときに、データ”1”を得ることができる。したがって、図3(B)のD8で示す範囲にある(即ち、ベリファイOKとなる)メモリセル102では、書き込み電位が上記さらに別の2種の電位(ここでは、V4またはV5)に決定される。
また、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致しない(ベリファイNGともいう)範囲は、図3(B)のD7およびD9で示す範囲となる。この図3(B)のD7およびD9で示す範囲にある(即ち、ベリファイNGとなる)メモリセル102では、書き込み電位として電位V4または電位V5を用いたときに、データ”1”を得ることができず、データ”0”および、データ”2”が検出される。
図3(B)のD7およびD9で示す範囲にある(即ち、データ”0”および、データ”2”が検出され、ベリファイNGとなった)メモリセル102では、書き込み電位が電位生成回路103で生成される複数の電位のうちのさらに別の2種の電位(ここでは、V6またはV7)に変更される。その後、再度書き込み、ベリファイが行われる。
図3(C)には、図3(B)のD7およびD9で示す範囲にあるメモリセル102について、書き込み電位が電位生成回路103で生成される複数の電位のうちのさらに別の2種の電位V6または電位V7を書き込み電位として用いて書き込み(書き込み−4とする)を行うときの、しきい値電圧Vthの分布を示している。なお、ここでは便宜上、図3(B)のD7およびD9で示す範囲にあるメモリセル102だけを抜き出して記載しているが、書き込み−4のステップで、同時に他のメモリセル102に書き込みを行ってもよい。即ち、書き込み−4のステップで、同時に、図2(B)のD2で示す範囲にあるメモリセル102に電位V1の書き込みを行い、図2(D)のD5で示す範囲にあるメモリセル102に電位V2またはV3の書き込みを行い、図3(B)のD8で示す範囲にあるメモリセル102に電位V4またはV5の書き込みを行ってもよい。
また、図3(C)では、便宜上、電位V6およびV7の書き込み前(データ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧が、電位V1の書き込み前(図2(A)のデータ”0”)のしきい値電圧と同様の分布を有するように記載しているが、電位V6およびV7の書き込み前(データ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧が、電位V4およびV5の書き込み後(図2(D)のデータ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧と同様の分布を有していてもよい。
図3(C)に示すように、電位生成回路103で生成される複数の電位(V0乃至Vj)(jは2以上の整数)のうち電位V6およびV7を書き込み電位として用いて書き込み(書き込み−4とする)を行うと、書き込み前(データ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧Vthの分布から書き込み後のしきい値電圧Vthの分布に変化する。
次に、図3(D)に示すように、メモリセル102に書き込まれたデータを読み出し回路114で読み出し、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致するか否かをベリファイ(ベリファイ−4とする)する。ここでも便宜上、図3(B)のD7およびD9で示す範囲にあるメモリセル102だけを抜き出して記載している。
ベリファイ−4において、読み出し回路114で読み出されるデータは、メモリセル102のしきい値電圧VthがVaより上であればデータ”0”となり、メモリセル102のしきい値電圧VthがVbより下であればデータ”2”となり、メモリセル102のしきい値電圧VthがVb以上Va以下であればデータ”1”となる。
つまり、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致する(ベリファイOKともいう)範囲は、図3(D)のD11で示す範囲となる。図3(D)のD11で示す範囲にある(即ち、ベリファイOKとなる)メモリセル102では、書き込み電位として電位V6または電位V7を用いたときに、データ”1”を得ることができる。したがって、図3(D)のD11で示す範囲にある(即ち、ベリファイOKとなる)メモリセル102では、書き込み電位が上記の2種の電位(V6またはV7)に決定される。
また、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致しない(ベリファイNGともいう)範囲は、図3(D)のD10およびD12で示す範囲となる。この図3(D)のD10およびD12で示す範囲にある(即ち、ベリファイNGとなる)メモリセル102では、書き込み電位として電位V6または電位V7を用いたときに、データ”1”を得ることができず、データ”0”およびデータ”2”が検出される。
図3(D)のD10およびD12で示す範囲にある(即ち、データ”0”および、データ”2”が検出され、ベリファイNGとなった)メモリセル102では、書き込み電位が電位生成回路103で生成される複数の電位のうちのさらに別の2種の電位(ここでは、V8またはV9)に変更される。その後、再度書き込み、ベリファイが行われる。
図4(A)には、図3(D)のD10およびD12で示す範囲にあるメモリセル102について、書き込み電位が電位生成回路103で生成される複数の電位のうちのさらに別の2種の電位V8または電位V9を書き込み電位として用いて書き込み(書き込み−5)とする)を行うときの、しきい値電圧Vthの分布を示している。なお、ここでは便宜上、図3(D)のD10およびD12で示す範囲にあるメモリセル102だけを抜き出して記載しているが、書き込み−5のステップで、同時に他のメモリセル102に書き込みを行ってもよい。即ち、書き込み−5のステップで、同時に、図2(B)のD2で示す範囲にあるメモリセル102に電位V1で書き込みを行い、図2(D)のD5で示す範囲にあるメモリセル102に電位V2または電位V3で書き込みを行い、図3(B)のD8で示す範囲にあるメモリセル102に電位V4または電位V5の書き込みを行い、図3(D)のD11で示す範囲にあるメモリセル102に電位V6または電位V7の書き込みを行ってもよい。
また、図4(A)では、便宜上、電位V8およびV9の書き込み前(データ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧が、電位V4およびV5の書き込み前(図3(A)のデータ”0” および、データ”2”)のしきい値電圧と同様の分布を有するように記載しているが、電位V8およびV9の書き込み前(データ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧が、電位V6およびV7の書き込み後(図3(D)のデータ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧と同様の分布を有していてもよい。
図4(A)に示すように、電位生成回路103で生成される複数の電位(V0乃至Vj)(jは2以上の整数)のうち電位V8および電位V9を書き込み電位として用いて書き込み(書き込み−5とする)を行うと、書き込み前(データ”0”および、データ”2”)のしきい値電圧Vthの分布から書き込み後のしきい値電圧Vthの分布に変化する。
次に、図4(B)に示すように、メモリセル102に書き込まれたデータを読み出し回路114で読み出し、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致するか否かをベリファイ(ベリファイ−5とする)する。ここでも便宜上、図3(D)のD10およびD12で示す範囲にあるメモリセル102だけを抜き出して記載している。
ベリファイ−5において、読み出し回路114で読み出されるデータは、メモリセル102のしきい値電圧VthがVaより上であればデータ”0”となり、メモリセル102のしきい値電圧VthがVbより下であればデータ”2”となり、メモリセル102のしきい値電圧VthがVb以上Va以下であればデータ”1”となる。
つまり、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持された書き込みデータ(すなわち、メモリセル102に書き込むデータ)とが一致する(ベリファイOKともいう)範囲は、図4(B)のD13で示す範囲となる。図4(B)のD13で示す範囲にある(即ち、ベリファイOKとなる)メモリセル102では、書き込み電位として電位V8または電位V9を用いたときに、データ”1”を得ることができる。したがって、図4(B)のD13で示す範囲にある(即ち、ベリファイOKとなる)メモリセル102では、書き込み電位が上記さらに別の2種の電位(ここでは、V8またはV9)に決定される。
ここでは、読み出し回路114で読み出されたデータと、データバッファ112に保持されたデータ(即ち、メモリセル102に書き込むデータ)とが全て一致する(ベリファイOKともいう)。その範囲は、図4(B)のD13で示す範囲となる。この段階で、複数のメモリセル102の全ての書き込み電位(ここでは、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9のいずれかの電位)が決定される。なお、図4(B)のD13で示す範囲と図2(B)のD2で示す範囲とは一致している。
複数のメモリセル102全てでベリファイOKとなると、ベリファイ回路から書き込み終了検知回路へ信号が入力され、書き込み動作が終了する。または、所定の回数(例えば、j回)、書き込み、ベリファイを行うことで、書き込み動作を終了させてもよい。書き込み動作が終了すると、例えば図5(A)に示すように、書き込み前(データ”0”)のしきい値電圧Vthのばらつき(分布幅)よりも書き込み後(データ”1”)のしきい値電圧Vthのばらつき(分布幅)を小さくすることができる。その結果、動作電圧を低減することができる。
上記では、メモリセル102が有するデータが”0”、”1”および”2”の3値である例を説明したが、メモリセル102が有するデータが4値以上(多値)である場合にも上記構成を適用することができる。書き込み前のしきい値電圧Vthのばらつき(分布幅)よりも書き込み後のしきい値電圧Vthのばらつき(分布幅)を小さくすることができるので、メモリを多値化する場合にも有利である。例えば図5(B)に示すように、書き込み前(データ”0”)のしきい値電圧Vthのばらつき(分布幅)よりも書き込み後(データ”1”、”2”、および”3”)のしきい値電圧Vthのばらつき(分布幅)を小さくすることができる。その結果、動作電圧を増大させず、かつ、メモリセルの面積を増大させずに記憶容量を増大することができる。
書き込み後のしきい値電圧Vthのばらつき(分布幅)は、同じデータを書き込む複数の電位のうち隣り合う電位間の電位幅程度に抑えることが可能となる。同じデータを書き込む複数の電位を狭い間隔で生成することで、書き込み後のメモリセルのしきい値電圧Vthのばらつき(分布幅)を小さくすることが可能である。
図2、図3および図4に示したように、複数のメモリセル102のしきい値電圧は、ばらつき(分布幅)を有する場合、しきい値電圧が最小(Vth_min)であるメモリセルとしきい値電圧が最大(Vth_max)であるメモリセルとでは、同じデータを書き込む場合であっても、書き込み電位として決定される電位が異なる場合がある。
例えば、しきい値電圧が最小(Vth_min)であるメモリセル102へデータ”1”を書き込む書き込み電位として決定される電位は、図4(A)、(B)に示すように電位V9となり、しきい値電圧が最大(Vth_max)であるメモリセル102へデータ”1”を書き込む書き込み電位として決定される電位は、図4(A)、(B)に示すように電位V8となる。
ここで、しきい値電圧が最小(Vth_min)であるメモリセル102への書き込み電位として決定される電位(ここではV9)は、電位生成回路にて生成される複数の電位(V0乃至Vj)(jは2以上の整数)のなかで、データ”1”を書き込む電位(即ち、V1乃至Vj)(jは2以上の整数)のうち最小の電位またはそれ以上の大きさの電位であることが好ましい。また、しきい値電圧が最大(Vth_max)であるメモリセル102への書き込み電位として決定される電位(ここではV8)は、電位生成回路にて生成される、データ”1”を書き込む複数の電位(V1乃至Vj)(jは2以上の整数)のうち最大の電位またはそれ以下の大きさの電位であることが好ましい。
逆に言うと、電位生成回路にて生成される複数の電位のなかで、データ”1”を書き込む電位(即ち、V1乃至Vj)(jは2以上の整数)のうち最小の電位は、しきい値電圧が最小(Vth_min)であるメモリセルへの書き込み電位として決定される電位(ここではV9)と同じまたはそれ以下の大きさであることが好ましい。また、電位生成回路にて生成されるデータ”1”を書き込む複数の電位のうち最大の電位は、しきい値電圧が最大(Vth_max)であるメモリセルへの書き込み電位として決定される電位(ここではV8)と同じまたはそれ以上の大きさであることが好ましい。
上記において、複数のメモリセル102のそれぞれにおいて、酸化物半導体を用いたトランジスタ(図示せず)のソースまたはドレインの一方は、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタ(図示せず)のゲートに電気的に接続されている構成とすることができる。
上記において、書き込み回路111と複数のメモリセル102のそれぞれとを電気的に接続する第2の信号線122は、複数のメモリセル102がそれぞれ有する酸化物半導体を用いたトランジスタ(図示せず)のソースまたはドレインの他方に電気的に接続されている構成とすることができる。
上記において、読み出し回路114と複数のメモリセル102のそれぞれとを電気的に接続する第3の信号線123は、複数のメモリセル102がそれぞれ有する酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタ(図示せず)のソースまたはドレインの一方に電気的に接続されている構成とすることができる。
上記において、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタ(図示せず)は、半導体材料を含む基板に設けられたチャネル形成領域を有することが好ましい。
本実施の形態に係る半導体装置では、メモリセル102を構成するトランジスタのしきい値電圧にばらつきがあっても、書き込み後の複数のメモリセル102のしきい値電圧のばらつき(分布幅)を小さくすることができ、半導体装置の動作電圧を低減することができる。または、動作電圧を増大させずかつメモリセルの面積を増大させずに、メモリを多値化することができ、半導体装置の単位面積あたりの記憶容量を増大することができる。または、書き込み、保持、読み出し等の動作を確実に行える半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る半導体装置の回路構成および動作について、図6乃至図15を参照して説明する。なお、回路図においては、酸化物半導体を用いたトランジスタであることを示すために、OSの符号を併せて付す場合がある。
(駆動回路の説明)
図6は半導体装置のブロック図である。
駆動回路601は、データバッファ612、書き込み回路611、ベリファイ回路613、読み出し回路614で構成されており、データの書き込み、読み出し、ベリファイを行なう機能を有する。また、駆動回路601は各列に設けられている。
電位生成回路603は、i×j(iは2以上の整数、jは3以上の奇数)本の書き込み電位供給線(図1の第1の信号線121に相当する)に電気的に接続しており、それぞれの書込み電位供給線V(1,1)〜(i,j)が駆動回路601の書き込み回路611(1)〜(n)に電気的に接続され、複数の書き込み電位を書き込み回路611(1)〜(n)に供給する。なお、iはメモリセル602に格納することができるデータ(値)の数であり、(j+1)/2はベリファイを実施する最大の数となる。また、nは列の数であり、1以上の整数となる。
メモリセル602は、m行×n列で構成されており、各行ごとに駆動回路601とビット線BL(1)〜(n)(図1の第2の信号線122または第3の信号線123に相当する)を介して電気的に接続されている。メモリセル602は、書き込みが実行された場合にビット線BL(1)〜(n)に供給された電位を記憶し、読み出しが実行されたときに記憶しているデータをビット線BL(1)〜(n)に出力する。なお、図6では、書き込み用の信号線と読み出し用の信号線とをビット線BL(1)〜(n)で兼用する例を示したが、書き込み用の信号線と読み出し用の信号線とを別々に設けてもよい。なお、mは行の数であり、1以上の整数となる。
書き込み終了検知回路604は、n本のベリファイ信号線(図1の第4の信号線124に相当する)に電気的に接続しており、それぞれのベリファイ信号線VE(1,3)〜(n,3)が駆動回路601のベリファイ回路613(1)〜(n)に電気的に接続され、ベリファイ回路613(1)〜(n)において、ベリファイした結果に基づく信号が書き込み終了検知回路604に供給される。
データバッファ612(1)〜(n)は、書き込み回路611(1)〜(n)、ベリファイ回路613(1)〜(n)、読み出し回路614(1)〜(n)にそれぞれ電気的に接続されている。また、データバッファ612(1)〜(n)は、データ入出力線I/O(1)〜(k)(kは2以上の整数)、アドレス選択信号線CA(1)〜(n)、書き込みデータ転送信号線TW、読み出しデータ転送信号線TRにそれぞれ電気的に接続されている。データバッファ612(1)〜(n)は、書き込みを行なう場合にアドレス選択信号線CA(1)〜(n)によって選択されたデータバッファ612とデータ入出力線I/O(1)〜(k)を電気的に接続することで、データ入出力線I/O(1)〜(k)から入力されたデータをデータバッファ612(1)〜(n)のいずれかに保持する。そして、書き込みデータ転送信号線TWから書き込みデータ転送信号が入力されると、データバッファ612(1)〜(n)に保持していたデータを書き込み回路611(1)〜(n)およびベリファイ回路613(1)〜(n)に出力する。また、読み出しを行なう場合に読み出しデータ転送信号線TRより読み出しデータ転送信号が入力されると、読み出し回路614(1)〜(n)から出力されたデータがデータバッファ612(1)〜(n)に保持される。そして、アドレス選択信号線CA(1)〜(n)によって選択されたデータバッファ612(1)〜(n)のいずれかがデータ入出力線I/O(1)〜(k)と電気的に接続され、データバッファ612(1)〜(n)に保持されているデータがデータ入出力線I/O(1)〜(k)に出力される。なお、kは書き込みデータの情報量を示す1以上の整数で、1つのメモリセルに4値までのデータを格納できる場合をk=2、1つのメモリセルに8値までのデータを格納できる場合をk=3とすることができる。
書き込み回路611(1)〜(n)は、書き込み電位供給線V(1,1)〜(i,j)を介して電位生成回路603に電気的に接続されている。また、書き込み回路611(1)〜(n)は、データバッファ612(1)〜(n)、ベリファイ回路613(1)〜(n)、メモリセル602(1,1)〜(m,n)にそれぞれ電気的に接続されている。また、書き込み回路611(1)〜(n)には、信号線SP、信号線RST、書き込み信号線WRITEが電気的に接続されている。書き込み回路611(1)〜(n)は、データバッファ612から入力されたデータとベリファイ回路613から入力された信号VE(1,1)〜(n,1)、および信号VE(1,2)〜(n、2)に応じて書き込み電位供給線(1,1)〜(i,j)の1本を選択してビット線BL(1)〜(n)と電気的に接続する。
ベリファイ回路613(1)〜(n)は、書き込み回路611(1)〜(n)、データバッファ612(1)〜(n)、読み出し回路614(1)〜(n)にそれぞれ電気的に接続されている。また、ベリファイ回路613(1)〜(n)は、ベリファイ出力信号線TVEに電気的に接続される。ベリファイ回路613(1)〜(n)は、データバッファ612(1)〜(n)から入力される書き込みデータと読み出し回路614(1)〜(n)から入力される読み出しデータを比較する。また、ベリファイ出力信号線TVEにベリファイ出力信号が入力されるとデータを比較した結果を書き込み回路611(1)〜(n)、および書き込み終了検知回路604に出力する。
読み出し回路614(1)〜(n)は、データバッファ612(1)〜(n)、ベリファイ回路613(1)〜(n)、メモリセル602(1,1)〜(m,n)に電気的に接続されている。また、読み出し回路614(1)〜(n)には、信号線PRE、信号線TRD、信号線PULSE、信号線RST2、読み出し信号線READが電気的に接続されている。読み出し回路614(1)〜(n)は、読み出し信号線READから読み出し信号が入力されると、メモリセル602(1,1)〜(m,n)のいずれか1行分のデータを読み出す。また、信号線TRDにパルスが入力されると、読み出したデータをデータバッファ612(1)〜(n)、ベリファイ回路613(1)〜(n)にそれぞれ出力する。
デコーダ605は、アドレス信号線CAddr及び、駆動回路601のデータバッファ612(1)〜(n)に電気的に接続されており、アドレス信号CAddrに応じてデータの書き込み、読み出しを行なう駆動回路601を選択する。
データバッファ612、電位生成回路603、書き込み回路611、メモリセル602、読み出し回路614、ベリファイ回路613、書き込み終了検知回路604、の具体的な回路や動作については以下に説明する。
(データバッファの説明)
図7は、図6のデータバッファ612の回路の一例を示している。データ入出力線I/O(1)〜(k)は、それぞれトランジスタ702の各ドレイン電極と電気的に接続され、アドレス選択信号線CA(x)(xは1以上n以下の整数)は、トランジスタ702のゲート電極と電気的に接続され、トランジスタ702の各ソース電極はラッチ回路LAT701(x,1)〜(x,k)の一端とそれぞれが電気的に接続されている。また、ラッチ回路LAT701(x,1)〜(x,k)のもう一端はトランジスタ703及び704の各ドレイン電極にそれぞれ電気的に接続され、トランジスタ703の各ゲート電極は書き込みデータ転送信号線TWと電気的に接続され、トランジスタ703の各ソース電極は信号線WDA(x,1)〜(x,k)と電気的に接続され、トランジスタ704の各ゲート電極は読み出しデータ転送信号線TRと電気的に接続され、トランジスタ704の各ソース電極は信号線RDA(x,1)〜(x,k)と電気的に接続される。
次に、データバッファ612の書き込みデータの入力動作について説明する。まず、データ入出力線I/O(1)〜(k)より任意の書き込みデータが順次送られる。そのタイミングと同期してアドレス選択信号線CA(x)に高電位VH(例えば5V)が印加されトランジスタ702がオン状態となり、ラッチ回路LAT701(x,1)〜(x,k)にデータ入出力線I/O(1)〜(k)の情報が保持される。その後、高電位VHが印加されていたアドレス選択信号線CA(x)は低電位VL(例えば0V)が印加され、トランジスタ702はオフ状態となる。前記の手順で1〜n列全てのラッチ回路LAT701にデータを保持、または書き込みに必要な列のラッチ回路LAT701にデータを保持する。次に、書き込みデータ転送信号線TWに高電位VHが印加されてトランジスタ703がオン状態となり、ラッチ回路LAT701(1,1)〜(n,k)に保持されていた任意のデータが、信号線WDA(1,1)〜(n,k)に伝達される。
(電位生成回路の説明)
図8は図6の電位生成回路603の一例を示している。電位生成回路603は、メモリセル602のビット線BL(n)に印加するための電位を生成する機能を有する。
はじめに電位生成回路603の構成について、図8を参照して説明する。電位生成回路603は、電源電位Vdd(例えば5V)と抵抗801の一方と電気的に接続され、抵抗801の他方と抵抗811の一方は電気的に接続され、抵抗811の他方と抵抗821の一方は電気的に接続され、抵抗821の他方は接地され(または低電位が与えられ)、各抵抗間にボルテージフォロア802、812の入力端が電気的に接続される。また、ボルテージフォロア802及び812の出力端と接地電位(または低電位)の間には、抵抗803、805および813、815が電気的に接続され、ボルテージフォロア802及び812の出力端、および各抵抗803、805及び813、815の間には、ボルテージフォロア804、806、および814、816が電気的に接続され、ボルテージフォロア804、806、および814、816の出力端は、書き込み電位供給線V(1,1)〜(i,j)に電気的に接続される。
次に、電位生成回路603の動作について説明する。電源電位Vddが供給されるとボルテージフォロア802、812の入力端には、抵抗801、811、821の総和に対して電源電位Vddからそれぞれのボルテージフォロアまでに電気的に接続されている抵抗の比が電圧降下して入力される。そして、ボルテージフォロア802および812の出力電位もボルテージフォロア802および812の入力電位と同一の電位となる。ボルテージフォロア802および812の出力電位は、それぞれボルテージフォロア804、および814に入力され、ボルテージフォロア804、および814の出力電位はそれぞれ、ボルテージフォロア804、および814の入力電位と等しい電位がV(1,j)およびV(i,j)として書き込み電位供給線に出力される。一方、ボルテージフォロア802および812の出力端と接地電位(または低電位)の間には抵抗803、805および813、815が電気的に直列接続され、抵抗803と抵抗805の間にはボルテージフォロア806の入力端が電気的に接続されている。そのため、ボルテージフォロア806の入力電位は、抵抗803、805の総和に対してボルテージフォロア802の出力端からボルテージフォロア806までに電気的に接続されている抵抗の比だけボルテージフォロア802の出力電位から電圧降下した電位が入力される。そして、ボルテージフォロア806の出力端にはボルテージフォロア806の入力電位と等しい電位がV(i,1)として書き込み電位供給線に出力される。同様の構成で、ボルテージフォロア816の出力端にもボルテージフォロア816の入力電位と等しい電位がV(1,1)として書き込み電位供給線に出力される。
なお、データ”0”(メモリセル602に書き込む電位が0V)を書き込む場合にのみ書き込み電位供給線を1本とすることで、電位生成回路603が有する書き込み電位供給線の数を(i−1)×j+1本とすることができる。これにより、書き込み電位供給線の数が減少するため、配線を減らせる分、メモリセル602の占有面積を大きくすることができる。また、データ”i”(メモリセル602に書き込む電位が最大)を書き込む場合にのみ書き込み電位供給線を1本とすることで、前記と同様の効果を得ることができる。さらに、データ”0”とデータ”i”を書き込む場合に書き込み電位供給線を1本とすることで、電位生成回路603が有する書き込み電位供給線の数を(i−2)×j+2本とすることもでき、配線を減らせる分、メモリセル602の占有面積をより大きくすることができる。
電位生成回路603は図8の回路以外でも公知の回路を用いることで、複数の異なる電位供給線を有する回路を作ることができる。そのため、図8の回路に限定されることはない。
(書き込み回路の説明)
図9は、図6の書き込み回路611の一例を示している。書き込み回路611は複数の書き込み電位供給線のうち1本をビット線と電気的に接続し、ビット線に書き込み電位を供給する機能を有する。
図6に示すデータバッファ612と電気的に接続される信号線WDA(x,1)〜(x,k)は、デコーダ901(x)の入力端と電気的に接続され、デコーダ901(x)の各出力端は、トランジスタ902の各ソース電極と電気的に接続され、トランジスタ902および903の各ゲート電極は、インバータ904の出力端と電気的に接続される。インバータの入力端は、信号線SPと電気的に接続され、トランジスタ902および903の各ドレイン電極はシフトレジスタ905(x,1,1)〜(x,i,2)のいずれか2つに電気的に接続され、信号線RSTおよび信号線VE(x,1)およびVE(x,2)は、シフトレジスタ905(x,1,1)〜(x,i,2)とそれぞれ電気的に接続される。また、シフトレジスタ905(x,1,1)の各出力端はトランジスタ906の各ドレイン電極とそれぞれ電気的に接続され、シフトレジスタ905(x,1,1)の第1の出力端はトランジスタ907の各ゲート電極と電気的に接続される。さらに、シフトレジスタ905(x,1,2)の各出力端はトランジスタ907の各ドレイン電極とそれぞれ電気的に接続され、シフトレジスタ905(x,1,2)の第1の出力端はトランジスタ906の各ゲート電極と電気的に接続される。上記と同様に、シフトレジスタ905(x,i,1)の各出力端はトランジスタ908の各ドレイン電極とそれぞれ電気的に接続され、シフトレジスタ905(x,i,1)の第1の出力端はトランジスタ909の各ゲート電極と電気的に接続される。また、シフトレジスタ909(x,i,2)の各出力端はトランジスタ909の各ドレイン電極とそれぞれ電気的に接続され、シフトレジスタ905(x,i,2)の第1の出力端はトランジスタ908の各ゲート電極と電気的に接続される。各トランジスタ906、907、908、909のソース電極はそれぞれトランジスタ910、911、912、913、914、915のゲート電極にそれぞれ電気的に接続され、トランジスタ910、911、912、913、914、915のドレイン電極は、書き込み電位供給線V(1,1)〜(i,j)とそれぞれ電気的に接続され、トランジスタ910、911、912、913、914、915のソース電極は、トランジスタ916のドレイン電極に電気的に接続され、トランジスタ916のゲート電極は書き込み信号線WRITEと電気的に接続され、トランジスタ916のソース電極はビット線BL(x)と電気的に接続される。
次に、書き込み回路611の動作について説明する。はじめに信号線SPの出力は低電位VLが印加されており、トランジスタ902はオフ状態となり、トランジスタ903がオン状態となる。そのため、シフトレジスタ905(x,1,1)〜(x,i,2)のスタートパルスには接地電位が入力されている。そして、信号線RSTに高電位VHが印加され、シフトレジスタ905(x,1,1)〜(x,i,2)がリセット状態となり、シフトレジスタ905(x,1,1)〜(x,i,2)はすべて低電位VLが出力される。そのため、トランジスタ906、907、908、909はすべてオフ状態となり、トランジスタ910、911、912、913、914、915もすべてオフ状態となる。その後、信号線RSTに低電位VLが印加され、シフトレジスタ905のリセット動作が終了する。
シフトレジスタ905のリセット動作と同時に、書き込みデータ転送信号線TWに高電位VHが印加され、データバッファ612より出力される書き込みデータが信号線WDA(x,1)〜(x,k)を通してデコーダ901(x)に入力される。デコーダ901は書き込みデータをデコードしてデコードした結果に相当する電位(例えばデータ”1”なら高電位VH、データ”0”なら低電位VL)をトランジスタ902の各ドレイン電極に出力する。
信号線RSTに低電位VLが印加され、シフトレジスタ905のリセット動作が終了すると同時に信号線SPに高電位VHが印加されて、トランジスタ903がオフ状態となり、トランジスタ902がオン状態となる。そして、デコーダ901の出力結果がシフトレジスタ905(x,1,1)〜(x,i,2)に入力される。なお、シフトレジスタ905(x,1,1)〜(x,i,2)のうちシフトレジスタ905(x,y,1)(yは1以上とi以下の整数)とシフトレジスタ905(x,y,2)の2つのシフトレジスタには高電位VH、それ以外のシフトレジスタには低電位VLが入力される。シフトレジスタ905にデコーダ901の出力結果が入力されると、高電位VHが入力されたシフトレジスタ905のみ動作する。シフトレジスタ905が動作すると、第1の出力端に電気的に接続された信号線に高電位VHが印加され、第1の出力端以外の出力端に電気的に接続された信号線には低電位VLが印加される。シフトレジスタ905の第1の出力端に電気的に接続された信号線に高電位VHが印加されると、シフトレジスタ905の第1の出力端と電気的に接続されている各トランジスタのゲート電極にも高電位が印加される。そして、シフトレジスタ905の第1の出力端と電気的に接続されている各トランジスタはすべてオン状態となる。しかし、シフトレジスタ905の出力端に高電位が印加されているのは第1の出力端に電気的に接続された信号線のみのため、トランジスタ910、911、912、913、914、915のうちV(y,(j+1)/2)の書き込み電位供給線とドレイン電極が電気的に接続されるトランジスタのゲート電極にのみ高電位が印加され、そのトランジスタのみオン状態となる。そして、信号線WBL(x)には、オン状態となったトランジスタのドレイン電極と電気的に接続されている書き込み電位供給線V(y,(j+1)/2)の電位が供給される。
信号線WBL(x)に書き込み電位が供給された後、信号線SPに低電位VLが印加されてデコーダ901の出力端とシフトレジスタ905(x,1,1)〜(x,i,2)の入力端は絶縁状態(非導通状態ともいう)となる。一方でトランジスタ903がオン状態となるためシフトレジスタ905には接地電位が入力されるが、シフトレジスタ905の出力は動作開始時の状態を維持する。また、信号線SPに低電位VLが印加されるタイミングに同期して、書き込み信号線WRITEに高電位VHが印加されトランジスタ916がオン状態となり、ビット線BL(x)には、信号線WBL(x)の電位が供給され、メモリセル602に書き込みが行なわれる。書き込みが終了すると、書き込み信号線WRITEの電位はVLとなりトランジスタ916がオフ状態となり、ビット線BL(x)は電気的にフローティングの状態(浮遊状態ともいう)となる。
ビット線BL(x)はフローティングの状態となると、第1のベリファイ読み出しが行なわれる(ベリファイ読み出しを行うことをベリファイするともいう)。ベリファイ読み出しの結果、メモリセル602に書き込むデータ(即ち、データバッファ612に保持されたデータ)とベリファイ読み出ししたデータとが一致する場合、信号線VE(x,1)およびVE(x,2)は低電位VLの状態を維持して、シフトレジスタ905(x,1,1)〜(x,i,2)の出力の電位も維持され、信号線WBL(x)の電位も書き込み電位V(y,(j+1)/2)に維持される。このように、信号線WBL(x)の電位が電位V(y,(j+1)/2)に維持されることを、書き込み電位が電位V(y,(j+1)/2)に決定される、または書き込み電位として電位V(y,(j+1)/2)を採用するともいう。
一方、メモリセル602に書き込むデータ(即ち、データバッファに保持されたデータ)とベリファイ読み出ししたデータとが一致しない場合、信号線VE(x,1)およびVE(x,2)のいずれかに高電位VHが印加される。
信号線VE(x,1)に高電位が印加された場合、書き込みデータに対して読み出しデータが大きいと判定されたこと(例えば、データ”1”を書き込んだがデータ”2”が読み出されたこと)になる。シフトレジスタ905(x,1,1)〜(x,i,1)は、信号線VE(x,1)に高電位VHが入力されると第1の出力端に電気的に接続された信号線に高電位VHを出力しているシフトレジスタ905のみ、別の出力端に電気的に接続された信号線、例えば第2の出力端に電気的に接続された信号線に高電位VHを出力する。そして、出力が遷移したシフトレジスタ905の第1の出力端がゲート電極に電気的に接続されるトランジスタは全てオフ状態となり、出力が遷移したシフトレジスタ905の出力端がドレイン電極に電気的に接続されるトランジスタのドレイン電極に印加される電位も遷移する。また、シフトレジスタ905の第2の出力端の電位が遷移することでトランジスタ910、911、912、913、914、915のうち書き込み電位供給線V(y,((j+1)/2)−1)に接続されるトランジスタのみオン状態となる。そして、信号線WBL(x)に印加される電位はV(y,(j+1)/2)から(y,((j+1)/2)−1)に減少する。
信号線VE(x,2)に高電位が印加された場合、書き込みデータに対して読み出しデータが小さいと判定されたこと(例えば、データ”1”を書き込んだがデータ”0”が読み出されたこと)になる。シフトレジスタ905(x,1,2)〜(x,i,2)は、信号線VE(x,2)に高電位VHが入力されると第1の出力端に電気的に接続された信号線に高電位VHを出力しているシフトレジスタ905のみ、別の出力端に電気的に接続された信号線、例えば第2の出力端に電気的に接続された信号線に高電位VHを出力する。そして、出力が遷移したシフトレジスタ905の第1の出力端がゲート電極に電気的に接続されるトランジスタは全てオフ状態となり、出力が遷移したシフトレジスタ905の第2の出力端がドレイン電極に電気的に接続されるトランジスタのドレイン電極に印加される電位も遷移する。また、シフトレジスタ905の第2の出力端の電位が遷移することでトランジスタ910、911、912、913、914、915のうち書き込み電位供給線V(y,((j+1)/2)+1)に接続されるトランジスタのみオン状態となる。そして、信号線WBL(x)に印加される電位はV(y,(j+1)/2)から(y,((j+1)/2)+1)に増大する。
その後、信号線VE(x,1)またはVE(x,2)の電位は低電位VLとなるが、シフトレジスタ905の出力は変わらず維持される。書き込み信号線WRITEに高電位VHが印加されトランジスタ916がオン状態となり、ビット線BL(x)には、信号線WBL(x)の電位が供給され、メモリセル602に再度書き込みが行なわれる。
データの書込みは、1行分のメモリセルまたは、1行中の書き込みを必要とする数のメモリセルの書き込みデータと読み出しデータが一致するまで繰り返される。
上述の書き込み、ベリファイ読み出しをそれぞれ最大(j+1)/2回繰り返し、書き込むデータとベリファイ読み出しした結果が一致するまでビット線BL(x)に印加する電位の変更を繰り返し行うことで、書き込み電位を決定することができ、メモリセル602のしきい値ばらつきを小さくすることができる。また、書き込みデータに対して読み出しデータが大きい、および小さいという2つの水準のベリファイを同時に行なうことで、従来のベリファイに比べて、ベリファイの回数が半分に減り、書き込み時間を短縮することができる。さらに、書き込み電圧を各データの書き込み電圧の中央値付近とすることで、メモリセルのしきい値分布幅が小さい場合にはさらに書き込み処理を早く終了させることができる。
(メモリセルの説明)
図10は、図6のメモリセル602(1,1)〜(m,n)を示している。
はじめに、メモリセル602の構成について説明する。メモリセル602(1,1)は、ビット線BL(1)とトランジスタ1001のドレイン電極が電気的に接続され、トランジスタ1001のゲート電極とワード線WL_OS(1)が電気的に接続され、トランジスタ1001のソース電極とトランジスタ1003のゲート電極は、容量素子1004の電極の一方と電気的に接続され、容量素子1004の電極の他方はワード線WL(1)に接続される。また、ビット線BL(1)とトランジスタ1003のドレイン電極が電気的に接続され、トランジスタ1003のソース電極と信号線VSLが電気的に接続されて、1つのメモリセル602が構成される。
次に書き込み動作について説明する。メモリセル602にデータが書き込まれるときは、書き込み信号線WRITEの電位が高電位VHまで上昇し、ビット線BL(1)〜(n)には書き込み電位が印加される。書き込み信号線WRITEの電位が高電位VHに上昇すると同時に、ワード線WL(1)〜(m)のうち書き込み対象となる1行のワード線の電位も高電位VHから低電位VLに減少にする。その後、ワード線WL_OS(1)〜(m)のうち書き込み対象となる1行のワード線の電位も高電位VHまで上昇する。例えば、ワード線WL_OS(1)の電位が高電位VHまで上昇すると、OSトランジスタ1001のゲート電極及びワード線WL_OS(1)と電気的に接続される1行目の全てのOSトランジスタのゲート電極に高電位VHが印加され、各OSトランジスタがオン状態となる。そして、メモリセル602のフローティングノード1002は、ビット線BL(1)に印加された書き込み電位と同等の電位となる電荷が蓄えられる。そして、ワード線WL_OS(1)とトランジスタのゲート電極が電気的に接続される1行目のOSトランジスタ全てがオフ状態となる。その後、ワード線WL(1)に印加される電位が低電位VLから高電位VHに上昇し、同時に信号線WRITEの電位も高電位VHから低電位VLに減少する。トランジスタ1001は、オフ電流が極めて小さいという特徴を有しているため、フローティングノード1002に蓄えられた電荷の保持が容易になり、また保持された情報の読み出しが容易になる。
また、信号線VSLには、読み出しおよびベリファイ読み出しの動作時に高電位VR(例えば3Vなど)が供給され、読み出しとベリファイ読み出し以外の動作時に低電位VLが供給される。
(読み出し回路の説明)
図11は、図6の読み出し回路614の一例を示している。読み出し回路614はメリセル602に書き込まれた情報を読み出す機能を有する
読み出し回路614においてトランジスタ1101のソース電極には、低電位VBLが印加され、トランジスタ1101のゲート電極は、信号線PREと電気的に接続され、トランジスタ1101のドレイン電極とトランジスタ1102のソース電極は、インバータの入力端と電気的に接続され、前記インバータの出力端はトランジスタ1103の各ゲート電極と電気的に接続される。また、トランジスタ1102のゲート電極は、読み出し信号線READと電気的に接続され、トランジスタ1102のドレイン電極は、ビット線BL(x)と電気的に接続される。そして、トランジスタ1103の各ドレイン電極は信号線C(x,1)〜(x,k)と電気的に接続され、信号線C(x,1)〜(x,k)はカウンタ1111(x)の出力端と電気的に接続され、カウンタ1111(x)の入力端は、信号線PULSE及び信号線RST2がそれぞれ電気的に接続される。さらに、トランジスタ1103の各ソース電極は、ラッチ回路1112(x,1)〜(x,k)の各入力端とそれぞれ対となって電気的に接続され、ラッチ回路1112(x,1)〜(x,k)の各出力端は、トランジスタ1104の各ドレイン電極とそれぞれ対となって電気的に接続され、トランジスタ1104の各ゲート電極は、信号線TRDとそれぞれ電気的に接続され、トランジスタ1104の各ソース電極とトランジスタ1105の各ドレイン電極は、信号線RDA(x,1)〜(x,k)とそれぞれ対となって電気的に接続され、トランジスタ1105の各ゲート電極は信号線/TRDとそれぞれ電気的に接続され、トランジスタ1105の各ソース電極は接地される(または低電位が与えられる)。
次に、読み出し回路614の動作について、図11を参照して説明する。読み出しまたはベリファイ読み出しが行なわれると、信号線PREが高電位VHとなりトランジスタ1101がオン状態となり、次に読み出し信号線READが高電位VHとなって1102がオン状態となる。そして、ビット線BL(x)は低電位VBLと等しくなる。このとき、トランジスタ1103のゲート電極には高電位VHが印加され、トランジスタ1103はオン状態となる。読み出し信号線READが高電位VHになると同時に、信号線RST2にもパルスが印加され、カウンタ1111(x)はリセット状態となり、信号線C(x,1)〜C(x,k)はそれぞれ低電位VLが出力される。信号線RST2が低電位VLになると同時に信号線PREも低電位となり、ビット線BL(x)はフローティング状態となる。
ビット線BL(x)がフローティング状態になった後、図10のメモリセルのワード線WL(z)(zは1以上m以下の整数)の電位は段階的に減少する。ワード線WL(z)の電位が減少すると、フローティングノード1002に書き込まれていたデータによってトランジスタ1003がオン状態になりビット線BL(x)の電位は高電位VSLと等しくなる。仮にメモリセルにデータ”0”が書き込まれていた場合、ワード線WL(z)の電位が1段階減少したときにビット線BL(x)は高電位VSLと等しくなる。一方メモリセルにデータ”i”が書き込まれていた場合、ワード線WL(z)の電位がi+1段階減少したときにビット線BL(x)は高電位VSLと等しくなる。なお、ワード線WL(z)の電位が段階的に減少する回数はi+1とし、i+1回電位が減少した後の電位は低電位VLになるものとする。
ワード線WL(z)が段階的に減少するタイミングに同期して、図11の信号線PULSEにもパルスが入力される。カウンタ1111(x)は信号線PULSEが入力されるごとに、出力信号C(x,1)〜C(x,k)の値は大きくなる。ラッチ回路1112(1)〜(k)は、トランジスタ1103がオン状態である限り出力信号C(x,1)〜C(x,k)と同等の電位がそれぞれに記憶されるが、メモリセルのデータが読み出されビット線BL(x)が高電位VSLとなると、トランジスタ1103のゲート電極には低電位VLが印加されるためトランジスタはオフ状態となる。そしてラッチ回路1112(1)〜(k)のデータは、トランジスタ1103がオフ状態となる前の信号線C(x,1)〜C(x,k)のデータを保持する。そして、ラッチ回路1112(1)〜(k)に保持されたデータは読み出しデータとなる。
図10のワード線WL(z)が段階的に減少して低電位VLとなると、メモリセルのデータ”0”〜”i”のうちのいずれかのデータが読み出せたことになり、図11のラッチ回路1112(1)〜(k)には、読み出したデータがエンコードされた状態で保持されている。そして信号線TRDが高電位VHとなり、トランジスタ1104がそれぞれオン状態、トランジスタ1105がそれぞれオフ状態になると信号線RDA(x,1)〜RDA(x,k)は、ラッチ回路1112(1)〜(k)とそれぞれ同じ電位が出力される。なお、信号線TRDが低電位の間はトランジスタ1104がオフ状態、トランジスタ1105がオン状態となり、信号線RDA(x,1)〜RDA(x,k)には接地電位(または低電位)が出力される。信号線RDA(x,1)〜RDA(x,k)に読み出したデータを出力した後、信号線TRDは低電位VLとなり信号線RDA(x,1)〜RDA(x,k)には接地電位(または低電位)が出力される。
(ベリファイ回路の説明)
図12は、ベリファイ回路613の一例を示している。ベリファイ回路613は書き込みデータとベリファイ読み出しのデータを比較し、書き込みが正常に終了したか否かを判定する機能を有する。
ベリファイ回路613において、信号線WDA(x,1)〜(x,k)およびRDA(x,1)〜(x,k)は、kビット大小比較回路1201の入力端にWDA(x,1)とRDA(x,1)、…、WDA(x,k)とRDA(x,k)がそれぞれ対になって電気的に接続される。また、kビット大小比較回路1201の出力信号線1202、1203、1204はトランジスタ1205の各ドレイン電極にそれぞれ電気的に接続され、トランジスタ1205のゲート電極は信号線TVEにそれぞれ電気的に接続され、トランジスタ1205のソース電極は信号線VE(x,1)、VE(x,2)、VE(x,3)とそれぞれ電気的に接続される。
次に、ベリファイ回路613の動作について説明する。データの書込みが行なわれるとデータバッファ612から信号線WDA(x,1)〜WDA(x,k)を通して書き込みデータがkビット大小比較回路1201に入力される。そしてベリファイ読み出しが行なわれると読み出し回路614から信号線RDA(x,1)〜RDA(x,k)を通してメモリセルに書き込んだ読み出しデータがkビット大小比較回路1201に入力される。kビット大小比較回路1201では入力された書き込みデータとベリファイ読み出しデータを比較して、書き込みデータに対してベリファイ読み出しデータが大きい場合は、信号線1203および信号線1204の電位を高電位VHで出力し、信号線1202の電位を低電位VLで出力する。また、書き込みデータに対してベリファイ読み出しデータが小さい場合は、信号線1202および信号線1204の電位を高電位VHで出力し、信号線1203の電位を低電位VLで出力する。そして、書き込みデータとベリファイ読み出しデータが等しい場合は信号線1202、信号線1203、信号線1204はすべて低電位VLが出力される。
書き込みおよびベリファイ読み出しが行なわれ、書き込みデータとベリファイ読み出しデータの大小を比較した後、信号線TVEが高電位VHとなりトランジスタ1205はそれぞれオン状態となり、信号線VE(x、1)には信号線1203の電位が出力され、信号線VE(x、2)には信号線1202の電位が出力され、信号線VE(x、3)には信号線1204の電位が出力される。そしてベリファイが終了すると信号線TVEには低電位VLが出力され、トランジスタ1205はそれぞれオフ状態となり、信号線1202、1203、1204と信号線VE(x,1)、VE(x,2)、VE(x,3)とはそれぞれ絶縁状態となる。
なお、ベリファイ回路613は、図12の回路以外にも一般的に知られている回路を組み合わせることで構成することができる。ベリファイ回路613は、書き込みデータとベリファイ読み出しデータの比較を行い、書き込みデータとベリファイ読み出しデータが異なる場合に信号線VE(x,1)またはVE(x,2)、およびVE(x,3)にパルスを出力する回路であればよい。
(書き込み終了検知回路の説明)
図13は、書き込み終了検知回路604の一例を示している。書き込み終了検知回路604は1行分のメモリセルへのデータの書込みが終了したどうかを検知する回路である。
はじめに、書き込み終了検知回路604の構成について、図13を参照して説明する。各駆動回路601から出力される信号線VE(1,3)〜VE(n,3)はトランジスタ1301〜1302のそれぞれゲート電極に電気的に接続され、トランジスタ1301〜1302は、各トランジスタのソース電極と隣接するトランジスタのドレイン電極が電気的に接続され、トランジスタ1301のソース電極は高電位Vddと電気的に接続され、トランジスタ1302のドレイン電極はトランジスタ1303のソース電極と電気的に接続される。また、トランジスタ1303のゲート電極とトランジスタ1304のゲート電極はインバータ1305の出力端と電気的に接続され、トランジスタ1303のドレイン電極とトランジスタ1304のドレイン電極は信号線VERIと電気的に接続される。そして、トランジスタ1304のソース電極は接地され、インバータ1305の入力端は信号線TVEと電気的に接続される。
次に、書き込み終了検知回路の動作について説明する。ベリファイ読み出しが行なわれ、書き込みデータとベリファイ読み出しのデータが比較された後、信号線TVEが高電位VHとなると、トランジスタ1303とトランジスタ1304のゲート電極にはそれぞれ低電位VLが印加される。そして、トランジスタ1303はオン状態となりトランジスタ1304はオフ状態となる。また、信号線TVEが高電位になると同時に、各列のベリファイ回路613(1)〜(n)からベリファイの結果が信号線VE(1,3)〜VE(n,3)を通して入力される。
全ての列のベリファイ回路において書き込みデータとベリファイ読み出しのデータが一致した場合、信号線VE(1,3)〜VE(n,3)はすべて低電位となりトランジスタ1301〜1302は全てオン状態となる。そして、信号線VERIは高電位Vddと導通し、信号線VERIの電位は高電位Vddとなる。一方、1列以上のベリファイ回路において書き込みデータとベリファイ読み出しのデータが一致しない場合、信号線VE(1,3)〜VE(n,3)のうちデータが一致しなかった列の数だけ高電位が出力される。信号線VE(x,3)に高電位が出力されるとトランジスタ1301〜1302のうち信号線VE(x,3)とゲート電極が電気的に接続されるトランジスタはオフ状態となり、信号線VERIは高電位Vddと絶縁状態のままとなる。
ベリファイ読み出しを行なった後、信号線VERIの電位が高電位Vddになると書き込みを行なった1行全てのメモリセルにデータの書き込みが終了し、信号線VERIの電位が低電位VLのままであれば、書き込みを行なった1行分のメモリセルのうちいずれか1つまたは1つ以上のメモリセルにて書き込みとベリファイ読み出しが一致しなかったことが判定できる。そして、書き込みとベリファイ読み出しが一致しなかった場合は、再書き込みを行なえば書込みとベリファイ読み出しが一致しなかったメモリセルに対して1つ前の書き込み電位とは異なる電位で書き込みを行なうことができる。
図14は書き込みのタイミングチャートである。図14において点aでメモリセルへ書き込みが行なわれ、点bにてベリファイ読み出しが行なわれ、点cにてベリファイ読み出しが終了する。書き込みデータとベリファイ読み出しのデータが一致せずベリファイNGとなった場合、点cから再度点aへ戻り書き込みが繰り返される。
図15は読み出しのタイミングチャートである。読み出しを行なう場合のメモリセルおよび読み出し回路614の動作については、図11の説明においてすでに述べているため、省略するものとする。
(読み出し動作の説明)
図6の読み出し回路614にて読み出されたデータは信号線RDA(x,1)〜RDA(x,k)に出力され、信号線RDA(x,1)〜RDA(x,k)のデータはデータバッファ612(1)〜(n)に入力される。データバッファ612(1)〜(n)に読み出しデータが入力された後、信号線TRには高電位が出力され、図7のトランジスタ704はそれぞれオン状態となり、信号線RDA(x,1)〜RDA(x,k)とラッチ回路701(x,1)〜(x,k)はそれぞれが対となって導通する。そして、ラッチ回路701(x,1)〜(x,k)には読み出しデータが格納される。ラッチ回路701(x,1)〜(x,k)にそれぞれデータが格納されると、信号線TRには低電位が出力され信号線RDA(x,1)〜RDA(x,k)とラッチ回路701(x,1)〜(x,k)はそれぞれ絶縁状態となる。
データバッファ612(1)〜(n)にそれぞれ読み出しデータが格納された後、アドレス選択信号線CA(1)〜CA(n)が順次選択され、データバッファ612(1)〜(n)に格納されていた読み出しデータが順次データ入出力線IO(1)〜(k)へ出力される。データバッファ612(1)〜(n)のすべてのデータまたは、必要とする数のデータを読み出して読み出し動作が終了する。なお、読み出しデータが複数行にわたる場合、上記の動作を繰り返すことで複数行のデータを読み出すことができる。
開示する発明に係る半導体装置では、メモリセルを構成するトランジスタのしきい値電圧にばらつきがあっても、書き込み後の複数のメモリセルのしきい値電圧のばらつき(分布幅)を小さくすることができ、半導体装置の動作電圧を低減することができる。または、動作電圧を増大させずかつメモリセルの面積を増大させずに、メモリを多値化することができ、半導体装置の単位面積あたりの記憶容量を増大することができる。または、書き込み、保持、読み出し等の動作を確実に行える半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る半導体装置が有するメモリセルの回路構成およびその動作について、図16を参照して説明する。なお、回路図においては、酸化物半導体を用いたトランジスタであることを示すために、OSの符号を併せて付す場合がある。
〈メモリセルの基本構成〉
図16(A−1)に示すメモリセルにおいて、第1の配線(1st Line)とトランジスタ1600のソース電極(またはドレイン電極)とは、電気的に接続され、第2の配線(2nd Line)とトランジスタ1600のドレイン電極(またはソース電極)とは、電気的に接続されている。また、第3の配線(3rd Line)とトランジスタ1602のソース電極(またはドレイン電極)とは、電気的に接続され、第4の配線(4th Line)と、トランジスタ1602のゲート電極とは、電気的に接続されている。そして、トランジスタ1600のゲート電極と、トランジスタ1602のドレイン電極(またはソース電極)は、容量素子1604の電極の一方と電気的に接続され、第5の配線(5th Line)と、容量素子1604の電極の他方は電気的に接続されている。
ここで、トランジスタ1602には、例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタが適用される。酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が極めて小さいという特徴を有している。このため、トランジスタ1602をオフ状態とすることで、トランジスタ1600のゲート電極の電位を極めて長時間にわたって保持することが可能である。そして、容量素子1604を有することにより、トランジスタ1600のゲート電極に与えられた電荷の保持が容易になり、また、保持された情報の読み出しが容易になる。
トランジスタ1600については、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタが適用される。情報の読み出し速度を向上させるという観点からは、例えば、単結晶シリコンを用いたトランジスタなど、スイッチング速度の高いトランジスタを適用するのが好適である。
また、図16(B)に示すように、容量素子1604を設けない構成とすることも可能である。
図16(A−1)に示すメモリセルでは、トランジスタ1600のゲート電極の電位が保持可能という特徴を生かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
はじめに、情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線の電位を、トランジスタ1602がオン状態となる電位にして、トランジスタ1602をオン状態とする。これにより、第3の配線の電位が、トランジスタ1600のゲート電極、および容量素子1604に与えられる。すなわち、トランジスタ1600のゲート電極には、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位を与える電荷(以下、低電位を与える電荷を電荷QL、高電位を与える電荷を電荷QHという)のいずれかが与えられるものとする。なお、異なる三つまたはそれ以上の電位を与える電荷を適用して、記憶容量を向上させても良い。その後、第4の配線の電位を、トランジスタ1602がオフ状態となる電位にして、トランジスタ1602をオフ状態とすることにより、トランジスタ1600のゲート電極に与えられた電荷が保持される(保持)。
トランジスタ1602のオフ電流は極めて小さいから、トランジスタ1600のゲート電極の電荷は長時間にわたって保持される。
次に、情報の読み出しについて説明する。第1の配線に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線に適切な電位(読み出し電位)を与えると、トランジスタ1600のゲート電極に保持された電荷量に応じて、第2の配線は異なる電位をとる。一般に、トランジスタ1600をnチャネル型とすると、トランジスタ1600のゲート電極にQHが与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Hは、トランジスタ1600のゲート電極にQLが与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけのしきい値とは、トランジスタ1600を「オン状態」とするために必要な第5の配線の電位をいうものとする。したがって、第5の配線の電位をVth_HとVth_Lの中間の電位V0とすることにより、トランジスタ1600のゲート電極に与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいてQHが与えられた場合には、第5の配線の電位がV0(>Vth_H)となれば、トランジスタ1600は「オン状態」となる。QLが与えられた場合には、第5の配線の電位がV0(<Vth_L)となっても、トランジスタ1600は「オフ状態」のままである。このため、第2の配線の電位を見ることで、保持されている情報を読み出すことができる。
しかしながら、メモリセルを構成するトランジスタ(例えば、トランジスタ1600)のしきい値電圧にばらつきがあると、当該トランジスタのしきい値電圧のばらつきに起因して、複数のメモリセルそれぞれを動作するために必要な電位(メモリセルのしきい値電圧ともいう)にもばらつきが生じる。例えば、トランジスタ1600のしきい値電圧にばらつきがあると、情報を読み出す際のメモリセルのしきい値電圧にもばらつきが生じる。そのため複数のメモリセルそれぞれの動作電圧は、メモリセルのしきい値電圧のばらつきを考慮して幅をもたせて設定される。そのためメモリセルの動作電圧の低減には限界があった。
開示する発明の一態様に係る半導体装置では、実施の形態1において図1乃至図5に示したように、書き込み電位が順次別の電位に変更され、書き込み、読み出し、ベリファイが行われ、複数のメモリセルの書き込み電位が決定される。これにより、書き込み後の半導体装置のメモリセルのしきい値電圧のばらつき(分布幅)を小さくし、動作電圧を低減する、または記憶容量を増大する、または書き込み、保持、読み出し等の動作を確実に行え、かつ書き込みを高速化させて行える半導体装置およびその駆動方法を提供することができる。
なお、メモリセルをアレイ状に複数配置して用いる場合には、所望のメモリセルの情報のみを読み出せることが必要になる。このように、所定のメモリセルの情報を読み出し、それ以外のメモリセルの情報を読み出さない場合には、読み出しの対象ではないメモリセルの第5の配線に対して、ゲート電極の状態にかかわらずトランジスタ1600が「オフ状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより小さい電位を与えればよい。または、ゲート電極の状態にかかわらずトランジスタ1600が「オン状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより大きい電位を第5の配線に与えればよい。
次に、情報の書き換え(再度の書き込みともいう)について説明する。情報の書き換えは、上記情報の書き込みおよび保持と同様に行われる。つまり、第4の配線の電位を、トランジスタ1602がオン状態となる電位にして、トランジスタ1602をオン状態とする。これにより、第3の配線の電位(新たな情報に係る電位)が、トランジスタ1600のゲート電極および容量素子1604に与えられる。その後、第4の配線の電位を、トランジスタ1602がオフ状態となる電位にして、トランジスタ1602をオフ状態とすることにより、トランジスタ1600のゲート電極は、新たな情報に係る電荷が与えられた状態となる。
このように、開示する発明に係る半導体装置が有するメモリセルは、再度の情報の書き込みによって直接的に情報を書き換えることが可能である。このためフラッシュメモリなどにおいて必要とされる高電圧を用いてのフローティングゲートからの電荷の引き抜きが不要であり、消去動作に起因する動作速度の低下を抑制することができる。つまり、メモリセルを有する半導体装置の高速動作が実現される。
なお、図16(A−1)および図16(B)に示す第3の配線は、実施の形態1において図1に示す第2の信号線122に相当する。図16(A−1)および図16(B)に示す第2の配線は、実施の形態1において図1に示す第3の信号線123に相当する。
なお、トランジスタ1602のドレイン電極(またはソース電極)は、トランジスタ1600のゲート電極と電気的に接続されることにより、不揮発性メモリ素子として用いられるフローティングゲート型トランジスタのフローティングゲートと同等の作用を奏する。以下において、トランジスタ1602のドレイン電極(またはソース電極)とトランジスタ1600のゲート電極が電気的に接続される部位をノードFGと呼ぶ場合がある。トランジスタ1602がオフの場合、当該ノードFGは絶縁体中に埋設されたと見ることができ、ノードFGには電荷が保持される。酸化物半導体を用いたトランジスタ1602のオフ電流は、シリコン半導体で形成されるトランジスタの10万分の1以下であるため、トランジスタ1602のリークによる、ノードFGに蓄積された電荷の消失を無視することが可能である。つまり、酸化物半導体を用いたトランジスタ1602により、電力の供給が無くても情報の保持が可能な不揮発性の記憶装置を実現することが可能である。
例えば、トランジスタ1602の室温(25℃)でのオフ電流が10zA(1zA(ゼプトアンペア)は1×10−21A)以下であり、容量素子1604の容量値が10fF程度である場合には、少なくとも104秒以上のデータ保持が可能である。なお、当該保持時間が、トランジスタ特性や容量値によって変動することはいうまでもない。
また、開示する発明の半導体装置が有するメモリセルにおいては、従来のフローティングゲート型トランジスタにおいて指摘されているゲート絶縁膜(トンネル絶縁膜)の劣化という問題が存在しない。つまり、従来問題とされていた、電子をフローティングゲートに注入する際のゲート絶縁膜の劣化という問題を解消することができる。これは、原理的な書き込み回数の制限が存在しないことを意味するものである。また、従来のフローティングゲート型トランジスタにおいて書き込みや消去の際に必要であった高電圧も不要である。
図16(A−1)に示すメモリセルは、当該メモリセルを構成するトランジスタなどの要素が抵抗および容量を含むものとして、図16(A−2)のように考えることが可能である。つまり、図16(A−2)では、トランジスタ1600および容量素子1604が、それぞれ、抵抗および容量を含んで構成されると考えていることになる。R1およびC1は、それぞれ、容量素子1604の抵抗値および容量値であり、抵抗値R1は、容量素子1604を構成する絶縁層による抵抗値に相当する。また、R2およびC2は、それぞれ、トランジスタ1600の抵抗値および容量値であり、抵抗値R2はトランジスタ1600がオン状態の時のゲート絶縁層による抵抗値に相当し、容量値C2はいわゆるゲート容量(ゲート電極と、ソース電極またはドレイン電極との間に形成される容量、及び、ゲート電極とチャネル形成領域との間に形成される容量)の容量値に相当する。
トランジスタ1602がオフ状態にある場合のソース電極とドレイン電極の間の抵抗値(実効抵抗とも呼ぶ)をROSとすると、トランジスタ1602のゲートリーク電流が十分に小さい条件において、R1およびR2が、R1≧ROS、R2≧ROSを満たす場合には、電荷の保持期間(情報の保持期間ということもできる)は、主としてトランジスタ1602のオフ電流によって決定されることになる。
逆に、当該条件を満たさない場合には、トランジスタ1602のオフ電流が十分に小さくとも、保持期間を十分に確保することが困難になる。トランジスタ1602のオフ電流以外のリーク電流(例えば、トランジスタ1600におけるソース電極とゲート電極の間において生じるリーク電流等)が大きいためである。このことから、本実施の形態において開示するメモリセルは、R1≧ROS、およびR2≧ROSの関係を満たすものであることが望ましいといえる。
一方で、C1とC2は、C1≧C2の関係を満たすことが望ましい。C1を大きくすることで、第5の配線によってノードFGの電位を制御する際に、第5の配線の電位を効率よくノードFGに与えることができるようになり、第5の配線に与える電位間(例えば、読み出しの電位と、非読み出しの電位)の電位差を低く抑えることができるためである。
このように、上述の関係を満たすことで、より好適なメモリセルを有する半導体装置を実現することが可能である。なお、R1およびR2は、トランジスタ1600のゲート絶縁層や容量素子1604の絶縁層によって制御される。C1およびC2についても同様である。よって、ゲート絶縁層の材料や厚さなどを適宜設定し、上述の関係を満たすようにすることが望ましい。
本実施の形態で示す半導体装置においては、ノードFGが、フラッシュメモリ等のフローティングゲート型トランジスタのフローティングゲートと同等の作用をするが、本実施の形態のノードFGは、フラッシュメモリ等のフローティングゲートと本質的に異なる特徴を有している。
フラッシュメモリでは、コントロールゲートに印加される電位が高いため、その電位が、隣接するセルのフローティングゲートに影響を与えないように、セルとセルとの間隔をある程度保つ必要が生じる。このことは、半導体装置の高集積化を阻害する要因の一つである。そして、当該要因は、高電界をかけてトンネル電流を発生させるというフラッシュメモリの根本的な原理に起因するものである。
一方、本実施の形態に係る半導体装置が有するメモリセルは、酸化物半導体を用いたトランジスタのスイッチングによって動作し、上述のようなトンネル電流による電荷注入の原理を用いない。すなわち、フラッシュメモリのような、電荷を注入するための高電界が不要である。これにより、隣接セルに対する、コントロールゲートによる高電界の影響を考慮する必要がないため、高集積化が容易になる。
また、高電界が不要であり、大型の周辺回路(昇圧回路など)が不要である点も、フラッシュメモリに対するアドバンテージである。例えば、本実施の形態に係るメモリセルに印加される電圧(メモリセルの各端子に同時に印加される電位の最大のものと最小のものの差)の最大値は、2段階(1ビット)の情報を書き込む場合、一つのメモリセルにおいて、5V以下、好ましくは3V以下とすることができる。
さらに、容量素子1604を構成する絶縁層の比誘電率εr1と、トランジスタ1600を構成する絶縁層の比誘電率εr2とを異ならせる場合には、容量素子1604を構成する絶縁層の面積S1と、トランジスタ1600においてゲート容量を構成する絶縁層の面積S2とが、2・S2≧S1(望ましくはS2≧S1)を満たしつつ、C1≧C2を実現することが容易である。すなわち、容量素子1604を構成する絶縁層の面積を小さくしつつ、C1≧C2を実現することが容易である。具体的には、例えば、容量素子1604を構成する絶縁層においては、酸化ハフニウムなどのhigh−k材料でなる膜、または酸化ハフニウムなどのhigh−k材料でなる膜と酸化物半導体でなる膜との積層構造を採用してεr1を10以上、好ましくは15以上とし、ゲート容量を構成する絶縁層においては、酸化シリコンを採用して、εr2=3〜4とすることができる。
このような構成を併せて用いることで、開示する発明に係る半導体装置が有するメモリセルの、より一層の高集積化が可能である。
なお、半導体装置が有するメモリセルの記憶容量を大きくするためには、高集積化以外に、多値化の手法を採ることもできる。例えば、メモリセルの一に3段階以上の情報を書き込む構成とすることで、2段階(1ビット)の情報を書き込む場合と比較して記憶容量を増大させることができる。例えば、上述のような、低電位を与える電荷QL、高電位を与える電荷QHに加え、他の電位を与える電荷Qをトランジスタ1600のゲート電極に与えることで、多値化を実現することができる。
本実施の形態に示す半導体装置では、酸化物半導体を用いたトランジスタ1602はオフ電流が極めて小さいため、これを用いることにより極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない場合(ただし、電位は固定されていることが望ましい)であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
また、開示する発明に係る半導体装置では、メモリセルを構成するトランジスタのしきい値電圧にばらつきがあっても、書き込み後の複数のメモリセルのしきい値電圧のばらつき(分布幅)を小さくすることができ、半導体装置の動作電圧を低減することができる。または、動作電圧を増大させずかつメモリセルの面積を増大させずに、メモリを多値化することができ、半導体装置の単位面積あたりの記憶容量を増大することができる。または、書き込み、保持、読み出し等の動作を確実に行える半導体装置を提供することができる。
また、本実施の形態に示す半導体装置では、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲートへの電子の注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行う必要がないため、ゲート絶縁層の劣化といった問題が全く生じない。すなわち、開示する発明に係る半導体装置では、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上する。さらに、トランジスタのオン状態、オフ状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作も容易に実現しうる。
また、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタは、十分な高速動作が可能であるため、これを、酸化物半導体を用いたトランジスタと組み合わせて用いることにより、半導体装置の動作(例えば、情報の読み出し動作)の高速性を十分に確保することができる。また、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタにより、高速動作が要求される各種回路(論理回路、駆動回路など)を好適に実現することが可能である。
このように、酸化物半導体以外の材料を用いたトランジスタ(より広義には、十分な高速動作が可能なトランジスタ)と、酸化物半導体を用いたトランジスタ(より広義には、十分にオフ電流が小さいトランジスタ)とを一体に備えることで、これまでにない特徴を有する半導体装置を実現することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る半導体装置の応用例について、図17を用いて説明する。ここでは、記憶装置の一例について説明する。なお、回路図においては、酸化物半導体を用いたトランジスタであることを示すために、OSの符号を併せて付す場合がある。
図17(A)、図17(B)および図17(C)は、図16(A−1)に示す半導体装置(以下、メモリセルとも記載する。)を複数用いて形成される、記憶装置として用いることができる半導体装置の回路図である。図17(A)および図17(B)は、メモリセルが直列に接続された、いわゆるNAND型の半導体装置の回路図であり、図17(C)は、メモリセルが並列に接続された、いわゆるNOR型の半導体装置の回路図である。
図17(A)に示す半導体装置は、ソース線SL、ビット線BL、第1信号線S1、m本の第2信号線S2、m本のワード線WL、m個のメモリセルを有する。図17(A)では、ソース線SLおよびビット線BLを1本ずつ有する構成となっているが、これに限られることなく、ソース線SLおよびビット線BLを複数本有する構成としてもよい。
各メモリセル(代表として、メモリセル1750(i)を考える。ここで、iは1以上m以下の整数)において、トランジスタ1700(i)のゲート電極と、トランジスタ1710(i)のドレイン電極(またはソース電極)と、容量素子1720(i)の電極の一方とは、電気的に接続されている。また、第1信号線S1とトランジスタ1710(i)のソース電極(またはドレイン電極)とは、電気的に接続され、第2信号線S2(i)と、トランジスタ1710(i)のゲート電極とは、電気的に接続されている。そして、ワード線WL(i)と、容量素子1720(i)の電極の他方は電気的に接続されている。
また、メモリセル1750(i)が有するトランジスタ1700(i)のソース電極は、隣接するメモリセル1750(i−1)が有するトランジスタ1700(i−1)のドレイン電極と電気的に接続され、メモリセル1750(i)が有するトランジスタ1700(i)のドレイン電極は、隣接するメモリセル1750(i+1)が有するトランジスタ1700(i+1)のソース電極と電気的に接続される。ただし、直列に接続されたm個のメモリセルのうち、メモリセル1750(1)が有するトランジスタ1700(1)のドレイン電極は、ビット線BLと電気的に接続される。また、直列に接続されたm個のメモリセルのうち、メモリセル1750(m)が有するトランジスタ1700(m)のソース電極は、ソース線SLと電気的に接続される。
メモリセル1750(1)が有するトランジスタ1700(1)は、選択トランジスタを介してビット線BLと電気的に接続されていてもよい(図示せず)。この場合、選択トランジスタのゲート電極には、選択線G(1)が接続される。また、メモリセル1750(m)が有するトランジスタ1700(m)も、選択トランジスタを介してソース線SLと電気的に接続されていてもよい(図示せず)。この場合、選択トランジスタのゲート電極には、選択線G(2)が接続される。
図17(A)に示す半導体装置では、行ごとの書き込み動作および読み出し動作を行う。書き込み動作は次のように行われる。書き込みを行う行(例えば第i行)の第2の信号線S2(i)にトランジスタ1710(i)がオン状態となる電位を与え、書き込みを行う行のトランジスタ1710(i)をオン状態にする。これにより、指定した行のトランジスタ1700(i)のゲート電極に第1の信号線S1の電位が与えられ、該ゲート電極に所定の電荷が与えられる。このようにして、指定した行のメモリセルにデータを書き込むことができる。
また、読み出し動作は次のように行われる。読み出しを行う行(例えば、第i行)以外のワード線WLに、トランジスタ1700(i)のゲート電極に与えられた電荷によらず、読み出しを行う行以外のトランジスタ1700がオン状態となるような電位を与え、読み出しを行う行以外のトランジスタ1700をオン状態とする。それから、読み出しを行う行のワード線WL(i)に、トランジスタ1700(i)のゲート電極が有する電荷がどのデータに対応するかによって、トランジスタ1700(i)のオン状態またはオフ状態が選択されるような電位(読み出し電位)を与える。また、ソース線SLに定電位を与え、ビット線BLに接続されている読み出し回路(図示しない)を動作状態とする。ここで、ソース線SL−ビット線BL間の複数のトランジスタ1700(1)〜1700(m)のうち、読み出しを行う行のトランジスタ1700(i)を除いてオン状態となっているため、ソース線SL−ビット線BL間のコンダクタンスの大小は、読み出しを行う行のトランジスタ1700(i)の状態(オン状態またはオフ状態)によって決定される。読み出しを行う行のトランジスタ1700(i)のゲート電極が有する電荷がどのデータに対応するかによって、トランジスタの状態(オン状態またはオフ状態)は異なるから、それに応じて、ビット線BLの電位は異なる値をとることになる。ビット線BLの電位を読み出し回路によって読み出すことで、指定した行のメモリセルから情報を読み出すことができる。
しかしながら、メモリセルを構成するトランジスタ(例えば、トランジスタ1700(i))のしきい値電圧にばらつきがあると、当該トランジスタのしきい値電圧のばらつきに起因して、複数のメモリセルそれぞれを動作するために必要な電位(メモリセルのしきい値電圧ともいう)にもばらつきが生じる。例えば、トランジスタ1700(i)のしきい値電圧にばらつきがあると、情報を読み出す際のメモリセルのしきい値電圧にもばらつきが生じる。そのため複数のメモリセルそれぞれの動作電圧は、メモリセルのしきい値電圧のばらつきを考慮して幅をもたせて設定される。そのためメモリセルの動作電圧の低減には限界があった。
開示する発明の一態様に係る半導体装置では、実施の形態1において図1乃至図5に示したように、書き込み電位が順次別の電位に変更され、書き込み、読み出し、ベリファイが行われ、複数のメモリセルの書き込み電位が決定される。これにより、書き込み後の半導体装置のメモリセルのしきい値電圧のばらつき(分布幅)を小さくし、動作電圧を低減する、または記憶容量を増大する、または書き込み、保持、読み出し等の動作を確実に行える半導体装置およびその駆動方法を提供することができる。
なお、図17(A)に示す第1信号線S1は、実施の形態1において図1に示す第2の信号線122に相当する。図17(A)に示すビット線BLは、実施の形態1において図1に示す第3の信号線123に相当する。
図17(B)に示す半導体装置は、図17(A)と一部構成が異なる半導体装置である。
図17(B)に示す半導体装置と図17(A)に示す半導体装置との相違点の一として、図17(B)に示す半導体装置では、ビット線BLと、メモリセル1750(1)が有するトランジスタ1700(1)のドレイン電極とが、選択トランジスタ1730を介して電気的に接続されている点が挙げられる。選択トランジスタ1730はゲート電極において、選択トランジスタ1730のオンオフを切り替えるための選択線G(1)と電気的に接続されている。
また、図17(B)に示す半導体装置と図17(A)に示す半導体装置との相違点の一として、図17(A)に示す半導体装置においては、各メモリセルのトランジスタ1710はソース電極(またはドレイン電極)が第1信号線S1に接続されているのに対して、図17(B)に示す半導体装置においては、各メモリセルのトランジスタ1710は直列に接続されている点が挙げられる。つまり、メモリセル1750(i)が有するトランジスタ1710(i)のソース電極は、隣接するメモリセル1750(i−1)が有するトランジスタ1710(i−1)のドレイン電極と電気的に接続され、メモリセル1750(i)が有するトランジスタ1710(i)のドレイン電極は、隣接するメモリセル1750(i+1)が有するトランジスタ1710(i+1)のソース電極と電気的に接続される。ただし、直列に接続されたm個のメモリセルのうち、メモリセル1750(1)が有するトランジスタ1710(1)のソース電極は、第1信号線S1と電気的に接続される。また、直列に接続された各メモリセルにおいて、トランジスタ1710(i)のドレイン電極(またはソース電極)は、図17(A)に示す半導体装置と同様に、トランジスタ1700(i)のゲート電極と、容量素子1720(i)の電極の一方と電気的に接続される。
図17(B)に示す半導体装置の他の部分の構成については、図17(A)に示す半導体装置と同様なので、詳細については上述の記載を参照することができる。
なお、図17(B)に示す半導体装置において、第1信号線S1とビット線BLは別々に設けられているが、開示する発明はこれに限られるものではなく、第1信号線S1とビット線BLを同一の配線とする構成としても良い。
図17(B)に示す半導体装置でも、行ごとの書き込み動作および読み出し動作を行う。書き込み動作は次のように行われる。
書き込み動作は、行ごとに第m行から順番に行われる。第i行(i=1〜m)の書き込みを行う場合には、書き込みを行う行(第i行)の第2信号線S2(i)にトランジスタ1710(i)がオン状態となる電位を与え、書き込みを行う行のトランジスタ1710(i)をオン状態にする。ここで、トランジスタ1710(i)と第1信号線S1との間にトランジスタ1710(1)乃至トランジスタ1710(i−1)が存在する場合には、書き込みを行う行までのトランジスタ1710(1)乃至1710(i−1)もオン状態として、書き込みを行う行のメモリセル1750(i)に第1信号線S1の電位が与えられるようにする。これにより、指定した行のトランジスタ1700(i)のゲート電極に第1信号線S1の電位が与えられ、該ゲート電極に所定の電荷が与えられる。それから、第2信号線S2(i)の電位をGNDに固定すると、トランジスタ1700(i)のゲート電極に蓄積された電荷が保持される。このようにして、指定した行(第i行)のメモリセルにデータを書き込むことができる。
なお、図17(B)に示す半導体装置では、各メモリセル1750を構成するトランジスタ1710を直列に接続するため、任意の行のデータのみを書き換えることは困難である。そのため、駆動方法として、複数行の一括消去動作を設けることが好ましい。例えば、第1行から第m行までをブロックとして、ブロック毎の消去を行うことが好ましい。所定のブロックのデータを書き換える場合には、まず当該ブロックのデータを消去して、第m行から順番にデータを書き込むとよい。なお、直前に書き込んだ行のデータを書き換える場合には、消去動作は不要である。
また、読み出し動作は次のように行われる。まず、選択線G1に電位を与えることにより、選択トランジスタをオンにする。なお、選択線G1に接続される選択トランジスタと、選択線G2に接続される選択トランジスタがある場合には、2つのトランジスタをオン状態とする。また、読み出しを行う行(例えば、第i行)以外のワード線WLに、トランジスタ1700(i)のゲート電極に与えられた電荷によらず、読み出しを行う行以外のトランジスタ1700がオン状態となるような電位を与え、読み出しを行う行以外のトランジスタ1700をオン状態とする。それから、読み出しを行う行のワード線WL(i)に、トランジスタ1700(i)のゲート電極が有する電荷がどのデータに対応するかによって、トランジスタ1700(i)のオン状態またはオフ状態が選択されるような電位(読み出し電位)を与える。また、ソース線SLに定電位を与え、ビット線BLに接続されている読み出し回路(図示しない)を動作状態とする。ここで、ソース線SL−ビット線BL間の複数のトランジスタ1700(1)〜1700(m)のうち、読み出しを行う行のトランジスタ1700(i)を除いてオン状態となっているため、ソース線SL−ビット線BL間のコンダクタンスの大小は、読み出しを行う行のトランジスタ1700(i)の状態(オン状態またはオフ状態)によって決定される。読み出しを行う行のトランジスタ1700(i)のゲート電極が有する電荷がどのデータに対応するかによって、トランジスタの状態(オン状態またはオフ状態)は異なるから、それに応じて、ビット線BLの電位は異なる値をとることになる。ビット線の電位を読み出し回路によって読み出すことで、指定した行のメモリセルから情報を読み出すことができる。
図17(B)に示す半導体装置においても、実施の形態1において図1乃至図5に示したように、書き込み電位が順次別の電位に変更され、書き込み、読み出し、ベリファイが行われ、複数のメモリセルの書き込み電位が決定される。これにより、書き込み後の半導体装置のメモリセルのしきい値電圧のばらつき(分布幅)を小さくし、動作電圧を低減する、または記憶容量を増大する、または書き込み、保持、読み出し等の動作を確実に行える半導体装置およびその駆動方法を提供することができる。
なお、図17(B)に示す第1信号線S1は、実施の形態1において図1に示す第2の信号線122に相当する。図17(B)に示すビット線BLは、実施の形態1において図1に示す第3の信号線123に相当する。
図17(C)に示す半導体装置は、ソース線SL、ビット線BLおよび第1信号線S1をそれぞれn本有し、第2信号線S2およびワード線WLをそれぞれm数本有し、複数のメモリセル1750(1、1)〜1750(m、n)を有する。
各メモリセル(代表として、メモリセル1750(i、j)を考える。ここで、iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)は、トランジスタ1700(i、j)のゲート電極と、トランジスタ1710(i、j)のドレイン電極(またはソース電極)と、容量素子1720(i、j)の電極の一方とは、電気的に接続されている。また、ソース線SL(j)とトランジスタ1700(i、j)のソース電極とは、電気的に接続され、ビット線BL(j)とトランジスタ1700(i、j)のドレイン電極とは、電気的に接続されている。また、第1信号線S1(j)とトランジスタ1710(i、j)のソース電極(またはドレイン電極)とは、電気的に接続され、第2信号線S2(i)と、トランジスタ1710(i、j)のゲート電極とは、電気的に接続されている。そして、ワード線WL(i)と、容量素子1720(i、j)の電極の他方は電気的に接続されている。
図17(C)に示す半導体装置では、行ごとの書き込み動作および読み出し動作を行う。書き込み動作は、上述の図17(A)に示す半導体装置と同様の方法で行われる。読み出し動作は次のように行われる。まず、読み出しを行う行(例えば、第i行のメモリセル1750(i、1)〜(i、n))以外のワード線WLに、トランジスタ1700(i、1)〜(i、n)のゲート電極に与えられた電荷がどのデータに対応するかによらず、読み出しを行う行以外のトランジスタ1700がオフ状態となるような電位を与え、読み出しを行う行以外のトランジスタ1700をオフ状態とする。それから、読み出しを行う行のワード線WL(i)に、トランジスタ1700(i、1)〜(i、n)のゲート電極が有する電荷がどのデータに対応するかによってトランジスタ1700(i、1)〜(i、n)のオン状態またはオフ状態が選択されるような電位(読み出し電位)を与える。また、ソース線SL(j)に定電位を与え、ビット線BL(j)に接続されている読み出し回路(図示しない)を動作状態とする。ここで、ソース線SL(j)−ビット線BL(j)間のコンダクタンスの大小は、読み出しを行う行のトランジスタ1700(i、1)〜(i、n)の状態(オン状態またはオフ状態)によって決定される。つまり、読み出しを行う行のトランジスタ1700(i、1)〜(i、n)のゲート電極が有する電荷がどのデータに対応するかによって、ビット線BL(j)の電位は異なる値をとることになる。ビット線BL(j)の電位を読み出し回路によって読み出すことで、指定した行のメモリセルから情報を読み出すことができる。
図17(C)に示す半導体装置においても、図1乃至図5に示したように、書き込み電位が順次別の電位に変更され、書き込み、読み出し、ベリファイが行われ、複数のメモリセルの書き込み電位が決定される。これにより、書き込み後の半導体装置のメモリセルのしきい値電圧のばらつき(分布幅)を小さくし、動作電圧を低減する、または記憶容量を増大する、または書き込み、保持、読み出し等の動作を確実に行える半導体装置およびその駆動方法を提供することができる。
なお、図17(C)に示す第1信号線S1は、図1に示す第2の信号線122に相当する。図17(C)に示すビット線BLは、図1に示す第3の信号線123に相当する。
なお、上記においては、各メモリセル1750に保持させる情報量を1ビットとしたが、本実施の形態に示す半導体装置の構成はこれに限られない。書き込み時に各トランジスタ1700のゲート電極に与える電位を3種類以上用意して、各メモリセル1750が保持する情報量を増加させても良い。例えば、書き込み時に各トランジスタ1700のゲート電極にあたえる電位を4種類とする場合には、各メモリセルに2ビットの情報を保持させることができる。
図17において、第1信号線S1とビット線BLは、兼用してもよい。第1信号線S1とビット線BLを兼用することにより、配線数を低減することができる。また、図17(C)において、ソース線SLは共通化してもよい。
開示する発明に係る半導体装置では、メモリセルを構成するトランジスタのしきい値電圧にばらつきがあっても、書き込み後の複数のメモリセルのしきい値電圧のばらつき(分布幅)を小さくすることができ、半導体装置の動作電圧を低減することができる。または、動作電圧を増大させずかつメモリセルの面積を増大させずに、メモリを多値化することができ、半導体装置の単位面積あたりの記憶容量を増大することができる。または、書き込み、保持、読み出し等の動作を確実に行える半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る半導体装置が有するメモリセルの構成およびその作製方法について、図18乃至図22、図23を参照して説明する。
〈メモリセルの断面構成及び平面図〉
図18は、半導体装置が有するメモリセルの構成の一例である。図18(A)には半導体装置が有するメモリセルの断面を、図18(B)には半導体装置が有するメモリセルの平面を、それぞれ示す。図18(A)において、A1−A2は、トランジスタのチャネル長方向に垂直な断面図であり、B1−B2は、トランジスタのチャネル長方向に平行な断面図である。図18に示す半導体装置は、下部に第1の半導体材料を用いたトランジスタ1860を有し、上部に第2の半導体材料を用いたトランジスタ1862を有する。また、図18に示す半導体装置は、トランジスタ1860とトランジスタ1862と容量素子1864とを、一つずつ有する構成として示しているが、それぞれ複数有する構成も含む。
ここで、第1の半導体材料と第2の半導体材料とは異なる材料とすることが望ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料とし、第2の半導体材料を酸化物半導体とすることができる。酸化物半導体以外の半導体材料としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、またはガリウムヒ素等を用いることができ、単結晶半導体を用いることが好ましい。他に、有機半導体材料などを用いてもよい。このような半導体材料を用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用いたトランジスタは、その特性により長時間の電荷保持を可能とする。
トランジスタ1860およびトランジスタ1862は、nチャネル型トランジスタ、pチャネル型トランジスタのいずれも用いることができる。ここでは、トランジスタ1860およびトランジスタ1862は、いずれもnチャネル型トランジスタとして説明する。また、本発明の一態様において、技術的な本質は、情報を保持するために酸化物半導体のようなオフ電流を十分に低減することが可能な半導体材料をトランジスタ1862に用いる点にあるから、半導体装置に用いられる材料や半導体装置の構造など、半導体装置の具体的な構成をここで示すものに限定する必要はない。
トランジスタ1860は、半導体材料(例えば、シリコンなど)を含む基板1800に設けられたチャネル形成領域1816と、チャネル形成領域1816を挟むように設けられた不純物領域1820(ソース領域またはドレイン領域とも記す)と、不純物領域1820に接する金属化合物領域1824と、チャネル形成領域1816上に設けられたゲート絶縁層1808と、ゲート絶縁層1808上に設けられたゲート電極1810と、を有する。なお、図18において、明示的にはソース電極やドレイン電極を有しない場合があるが、便宜上、このような状態を含めてトランジスタと呼ぶ場合がある。また、この場合、トランジスタの接続関係を説明するために、ソース領域やドレイン領域を含めてソース電極やドレイン電極と表現することがある。つまり、本明細書において、ソース電極との記載には、ソース領域が含まれうる。
トランジスタ1860の金属化合物領域1824の一部には、電極1826が接続されている。ここで、電極1826は、トランジスタ1860のソース電極やドレイン電極として機能する。また、基板1800上にはトランジスタ1860を囲むように素子分離絶縁層1806が設けられており、トランジスタ1860上に絶縁層1828が設けられている。なお、高集積化を実現するためには、図18に示すように、トランジスタ1860がサイドウォール絶縁層を有しない構成とすることが望ましい。一方で、トランジスタ1860の特性を重視する場合には、ゲート電極1810の側面にサイドウォール絶縁層を設け、そのサイドウォール絶縁層と重畳する領域に形成された不純物濃度が異なる領域を含めて不純物領域1820を設けても良い。
トランジスタ1862は、絶縁層1828などの上に設けられた酸化物半導体層1844と、酸化物半導体層1844と電気的に接続されているソース電極またはドレイン電極1842a、およびソース電極またはドレイン電極1842bと、酸化物半導体層1844、ソース電極またはドレイン電極1842a、およびソース電極またはドレイン電極1842b、を覆うゲート絶縁層1846と、ゲート絶縁層1846上に酸化物半導体層1844と重畳するように設けられたゲート電極1848aと、を有する。
ここで、トランジスタ1862に用いられる酸化物半導体層1844は水素などの不純物が十分に除去されることにより、または、十分な酸素が供給されることにより、高純度化されたものであることが望ましい。例えば、酸化物半導体層1844の水素濃度は5×1019atoms/cm3以下、望ましくは5×1018atoms/cm3以下、より望ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。なお、上述の酸化物半導体層1844中の水素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定されるものである。このように、水素濃度が十分に低減されて高純度化され、十分な酸素の供給により酸素欠乏に起因するエネルギーギャップ中の欠陥準位が低減された酸化物半導体層1844では、キャリア濃度が1×1012/cm3未満、望ましくは、1×1011/cm3未満、より望ましくは1.45×1010/cm3未満となる。例えば、室温(25℃)でのオフ電流(ここでは、単位チャネル幅(1μm)あたりの値)は100zA(1zA(ゼプトアンペア)は1×10−21A)以下、望ましくは10zA以下となる。このように、i型化(真性化)または実質的にi型化された酸化物半導体層1844を用いることで、極めて優れたオフ電流特性のトランジスタ1862を得ることができる。
なお、トランジスタ1862では、微細化に起因して素子間に生じるリークを抑制するために、島状に加工された酸化物半導体層を用いているが、島状に加工されていない酸化物半導体層を採用しても良い。酸化物半導体層を島状に加工しない場合には、加工の際のエッチングによる酸化物半導体層の汚染を防止できる。
容量素子1864は、ソース電極またはドレイン電極1842a、ゲート絶縁層1846、および導電層1848b、とで構成される。すなわち、ソース電極またはドレイン電極1842aは、容量素子1864の一方の電極として機能し、導電層1848bは、容量素子1864の他方の電極として機能することになる。このような構成とすることにより、十分な容量を確保することができる。また、酸化物半導体層1844とゲート絶縁層1846とを積層させる場合には、ソース電極またはドレイン電極1842aと、導電層1848bとの絶縁性を十分に確保することができる。さらに、容量が不要の場合は、容量素子1864を設けない構成とすることもできる。
なお、トランジスタ1862および容量素子1864において、ソース電極またはドレイン電極1842a、およびソース電極またはドレイン電極1842bの端部は、テーパー形状であることが好ましい。ソース電極またはドレイン電極1842a、ソース電極またはドレイン電極1842bの端部をテーパー形状とすることにより、ゲート絶縁層1846の被覆性を向上させ、段切れを防止することができる。ここで、テーパー角は、例えば、30°以上60°以下とする。なお、テーパー角とは、テーパー形状を有する層(例えば、ソース電極またはドレイン電極1842a)を、その断面(基板の表面と直交する面)に垂直な方向から観察した際に、当該層の側面と底面がなす傾斜角を示す。
トランジスタ1862および容量素子1864の上には絶縁層1850および絶縁層1852が設けられている。そして、ゲート絶縁層1846、絶縁層1850、絶縁層1852などに形成された開口には、電極1854が設けられ、絶縁層1852上には、電極1854と接続する配線1856が形成される。配線1856はメモリセルの一と他のメモリセルとを接続する。なお、図18では電極1826および電極1854を用いて、金属化合物領域1824、ソース電極またはドレイン電極1842b、および配線1856を接続しているが、本発明の一態様はこれに限定されない。例えば、ソース電極またはドレイン電極1842bを直接、金属化合物領域1824に接触させても良い。または、配線1856を直接、ソース電極またはソース電極またはドレイン電極1842bに接触させても良い。
また、図18において、金属化合物領域1824とソース電極またはドレイン電極1842bを接続する電極1826と、ソース電極またはドレイン電極1842bと配線1856を接続する電極1854とは重畳して配置されている。つまり、トランジスタ1860のソース電極やドレイン電極として機能する電極1826と、トランジスタ1862のソース電極またはドレイン電極1842bと、が接する領域は、トランジスタ1862のソース電極またはドレイン電極1842bと、電極1854が接する領域と重なっている。このような平面レイアウトを採用することにより、コンタクト領域に起因する素子面積の増大を抑制することができる。つまり、半導体装置の集積度を高めることができる。
また、図18において、トランジスタ1860と、トランジスタ1862とは、少なくとも一部が重畳するように設けられている。また、トランジスタ1862や容量素子1864が、トランジスタ1860と重畳するように設けられている。例えば、容量素子1864の導電層1848bは、トランジスタ1860のゲート電極1810と少なくとも一部が重畳して設けられている。このような、平面レイアウトを採用することにより、高集積化を図ることができる。例えば、最小加工寸法をFとして、メモリセルの占める面積を15F2〜25F2とすることが可能である。
〈半導体装置が有するメモリセルの作製方法〉
次に、上記半導体装置が有するメモリセルの作製方法の一例について説明する。以下では、はじめに下部のトランジスタ1860の作製方法について図19および図20を参照して説明し、その後、上部のトランジスタ1862および容量素子1864の作製方法について図21および図22を参照して説明する。
〈下部のトランジスタの作製方法〉
下部のトランジスタ1860の作製方法について、図19および図20を参照して説明する。
まず、半導体材料を含む基板1800を用意する。半導体材料を含む基板としては、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板などを適用することができる。ここでは、半導体材料を含む基板1800として、単結晶シリコン基板を用いる場合の一例について示すものとする。なお、一般に「SOI基板」は、絶縁表面上にシリコン半導体層が設けられた構成の基板をいうが、本明細書等においては、絶縁表面上にシリコン以外の材料からなる半導体層が設けられた構成の基板も含むものとする。つまり、「SOI基板」が有する半導体層は、シリコン半導体層に限定されない。また、SOI基板には、ガラス基板などの絶縁基板上に絶縁層を介して半導体層が設けられた構成のものが含まれるものとする。
半導体材料を含む基板1800として、シリコンなどの単結晶半導体基板を用いる場合には、半導体装置の読み出し動作を高速化することができるため好適である。
基板1800上には、素子分離絶縁層を形成するためのマスクとなる保護層1802を形成する(図19(A)参照)。保護層1802としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコン、酸窒化シリコンなどを材料とする絶縁層を用いることができる。なお、この工程の前後において、トランジスタのしきい値電圧を制御するために、n型の導電性を付与する不純物元素やp型の導電性を付与する不純物元素を基板1800に添加してもよい。半導体がシリコンの場合、n型の導電性を付与する不純物元素としては、例えば、リンや砒素などを用いることができる。また、p型の導電性を付与する不純物元素としては、例えば、硼素、アルミニウム、ガリウムなどを用いることができる。
次に、上記の保護層1802をマスクとしてエッチングを行い、保護層1802に覆われていない領域(露出している領域)の、基板1800の一部を除去する。これにより他の半導体領域と分離された半導体領域1804が形成される(図19(B)参照)。当該エッチングには、ドライエッチングを用いるのが好適であるが、ウェットエッチングを用いても良い。エッチングガスやエッチング液については被エッチング材料に応じて適宜選択することができる。
次に、半導体領域1804を覆うように絶縁層を形成し、半導体領域1804に重畳する領域の絶縁層を選択的に除去することで、素子分離絶縁層1806を形成する(図19(C)参照)。当該絶縁層は、酸化シリコンや窒化シリコン、酸窒化シリコンなどを用いて形成される。絶縁層の除去方法としては、CMP(化学的機械的研磨)などの研磨処理やエッチング処理などがあるが、そのいずれを用いても良い。なお、半導体領域1804の形成後、または、素子分離絶縁層1806の形成後には、上記保護層1802を除去する。
ここで、CMP処理とは、被加工物の表面を基準にし、それにならって表面を化学的・機械的な複合作用により平坦化する手法である。より具体的には、研磨ステージの上に研磨布を貼り付け、被加工物と研磨布との間にスラリー(研磨剤)を供給しながら研磨ステージと被加工物とを各々回転または揺動させて、被研磨物の表面を、スラリーと被研磨物表面との間での化学反応と、研磨布と被研磨物との機械的研磨の作用により、被加工物の表面を研磨する方法である。
なお、素子分離絶縁層1806の形成方法として、絶縁層を選択的に除去する方法の他、酸素を打ち込むことにより絶縁性の領域を形成する方法などを用いることもできる。
次に、半導体領域1804の表面に絶縁層を形成し、当該絶縁層上に導電材料を含む層を形成する。
絶縁層は後のゲート絶縁層となるものであり、例えば、半導体領域1804表面の熱処理(熱酸化処理や熱窒化処理など)によって形成することができる。熱処理に代えて、高密度プラズマ処理を適用しても良い。高密度プラズマ処理は、例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガス、酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などのうちいずれかの混合ガスを用いて行うことができる。もちろん、CVD法やスパッタリング法等を用いて絶縁層を形成しても良い。当該絶縁層は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSixOy(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSixOy(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAlxOy(x>0、y>0))等を含む単層構造または積層構造とすることが望ましい。また、絶縁層の厚さは、例えば、1nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上50nm以下とすることができる。
導電材料を含む層は、アルミニウムや銅、チタン、タンタル、タングステン等の金属材料を用いて形成することができる。また、多結晶シリコンなどの半導体材料を用いて、導電材料を含む層を形成しても良い。形成方法も特に限定されず、蒸着法、CVD法、スパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いることができる。なお、本実施の形態では、導電材料を含む層を、金属材料を用いて形成する場合の一例について示すものとする。
その後、絶縁層および導電材料を含む層を選択的にエッチングして、ゲート絶縁層1808、ゲート電極1810を形成する(図19(C)参照)。
次に、半導体領域1804にリン(P)やヒ素(As)などを添加して、チャネル形成領域1816および不純物領域1820を形成する(図19(D)参照)。なお、ここではn型トランジスタを形成するためにリンやヒ素を添加しているが、p型トランジスタを形成する場合には、硼素(B)やアルミニウム(Al)などの不純物元素を添加すればよい。ここで、添加する不純物の濃度は適宜設定することができるが、半導体素子が高度に微細化される場合には、その濃度を高くすることが望ましい。
なお、ゲート電極1810の周囲にサイドウォール絶縁層を形成して、不純物元素が異なる濃度で添加された不純物領域を形成しても良い。
次に、ゲート電極1810、不純物領域1820等を覆うように金属層1822を形成する(図20(A)参照)。当該金属層1822は、真空蒸着法やスパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いて形成することができる。金属層1822は、半導体領域1804を構成する半導体材料と反応することによって低抵抗な金属化合物となる金属材料を用いて形成することが望ましい。このような金属材料としては、例えば、チタン、タンタル、タングステン、ニッケル、コバルト、白金等がある。
次に、熱処理を施して、上記金属層1822と半導体材料とを反応させる。これにより、不純物領域1820に接する金属化合物領域1824が形成される(図20(A)参照)。なお、ゲート電極1810として多結晶シリコンなどを用いる場合には、ゲート電極1810の金属層1822と接触する部分にも、金属化合物領域が形成されることになる。
上記熱処理としては、例えば、フラッシュランプの照射による熱処理を用いることができる。もちろん、その他の熱処理方法を用いても良いが、金属化合物の形成に係る化学反応の制御性を向上させるためには、ごく短時間の熱処理を実現できる方法を用いることが望ましい。なお、上記の金属化合物領域は、金属材料と半導体材料との反応により形成されるものであり、十分に導電性が高められた領域である。当該金属化合物領域を形成することで、電気抵抗を十分に低減し、素子特性を向上させることができる。なお、金属化合物領域1824を形成した後には、金属層1822は除去する。
次に、金属化合物領域1824の一部と接する領域に、電極1826を形成する(図20(B)参照)。電極1826は、例えば、導電材料を含む層を形成した後に、当該層を選択的にエッチングすることで形成される。導電材料を含む層は、アルミニウムや銅、チタン、タンタル、タングステン等の金属材料を用いて形成することができる。また、多結晶シリコンなどの半導体材料を用いて、導電材料を含む層を形成しても良い。形成方法も特に限定されず、蒸着法、CVD法、スパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いることができる。
次に、上述の工程により形成された各構成を覆うように、絶縁層1828を形成する(図20(C)参照)。絶縁層1828は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム等の無機絶縁材料を含む材料を用いて形成することができる。特に、絶縁層1828に誘電率の低い(low−k)材料を用いることで、各種電極や配線の重なりに起因する容量を十分に低減することが可能になるため好ましい。なお、絶縁層1828には、これらの材料を用いた多孔性の絶縁層を適用しても良い。多孔性の絶縁層では、密度の高い絶縁層と比較して誘電率が低下するため、電極や配線に起因する容量をさらに低減することが可能である。また、絶縁層1828は、ポリイミド、アクリル等の有機絶縁材料を用いて形成することも可能である。なお、ここでは、絶縁層1828の単層構造としているが、本発明の一態様はこれに限定されない。2層以上の積層構造としても良い。3層構造とする場合には、例えば、酸化窒化シリコン層と、窒化酸化シリコン層と、酸化シリコン層の積層構造とすることができる。
なお、電極1826は、絶縁層1828を形成した後に、絶縁層1828に金属化合物領域1824にまで達する開口を形成し、当該開口を埋め込むように形成することも可能である。
この場合、例えば、開口を含む領域にPVD法によりチタン膜を薄く形成し、CVD法により窒化チタン膜を薄く形成した後に、開口に埋め込むようにタングステン膜を形成する方法を適用することができる。ここで、PVD法により形成されるチタン膜は、被形成面の酸化膜(自然酸化膜など)を還元し、下部電極など(ここでは金属化合物領域1824)との接触抵抗を低減させる機能を有する。また、その後に形成される窒化チタン膜は、導電性材料の拡散を抑制するバリア機能を備える。また、チタンや窒化チタンなどによるバリア膜を形成した後に、メッキ法により銅膜を形成してもよい。
以上により、半導体材料を含む基板1800を用いたトランジスタ1860が形成される(図20(C)参照)。このようなトランジスタ1860は、高速動作が可能であるという特徴を有する。このため、当該トランジスタを読み出し用のトランジスタとして用いることで、情報の読み出しを高速に行うことができる。
その後、トランジスタ1862および容量素子1864の形成前の処理として、絶縁層1828にCMP処理を施して、ゲート電極1810および電極1826の上面を露出させる(図20(D)参照)。ゲート電極1810および電極1826の上面を露出させる処理としては、CMP処理の他にエッチング処理などを適用することも可能であるが、トランジスタ1862の特性を向上させるために、絶縁層1828の表面は可能な限り平坦にしておくことが望ましい。
なお、上記の各工程の前後には、さらに電極や配線、半導体層、絶縁層などを形成する工程を含んでいても良い。例えば、配線の構造として、絶縁層および導電層の積層構造でなる多層配線構造を採用して、高度に集積化した半導体装置を実現することも可能である。
〈上部のトランジスタの作製方法〉
次に、上部のトランジスタ1862および容量素子1864の作製方法について、図21および図22を参照して説明する。
まず、ゲート電極1810、電極1826、絶縁層1828などの上に酸化物半導体層を形成し、当該酸化物半導体層を加工して、酸化物半導体層1844を形成する(図21(A)参照)。なお、酸化物半導体層を形成する前に、ゲート電極1810、電極1826、絶縁層1828の上に、下地として機能する絶縁層を設けても良い。当該絶縁層は、スパッタリング法をはじめとするPVD法やプラズマCVD法などのCVD法などを用いて形成することができる。
酸化物半導体層に用いる材料としては、少なくともIn、Ga、Sn及びZnから選ばれた一種以上の元素を含有する。例えば、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系酸化物半導体や、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、In−Sn−Zn−O系酸化物半導体、In−Al−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Al−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Al−Zn−O系酸化物半導体や、In−Hf−Zn−O系酸化物、In−La−Zn−O系酸化物、In−Ce−Zn−O系酸化物、In−Pr−Zn−O系酸化物、In−Nd−Zn−O系酸化物、In−Sm−Zn−O系酸化物、In−Eu−Zn−O系酸化物、In−Gd−Zn−O系酸化物、In−Tb−Zn−O系酸化物、In−Dy−Zn−O系酸化物、In−Ho−Zn−O系酸化物、In−Er−Zn−O系酸化物、In−Tm−Zn−O系酸化物、In−Yb−Zn−O系酸化物、In−Lu−Zn−O系酸化物や、二元系金属の酸化物であるIn−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Zn−O系酸化物半導体、Al−Zn−O系酸化物半導体、Zn−Mg−O系酸化物半導体、Sn−Mg−O系酸化物半導体、In−Mg−O系酸化物半導体や、In−Ga−O系の材料、一元系金属の酸化物であるIn−O系酸化物半導体、Sn−O系酸化物半導体、Zn−O系酸化物半導体などを用いることができる。また、上記酸化物半導体にInとGaとSnとZn以外の元素、例えばSiO2を含ませてもよい。
例えば、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体とは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を有する酸化物半導体、という意味であり、その組成比は問わない。
また、酸化物半導体層は、化学式InMO3(ZnO)m(m>0)で表記される薄膜を用いることができる。ここで、Mは、Zn、Ga、Al、Mn及びCoから選ばれた一または複数の金属元素を示す。例えばMとして、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、またはGa及びCoなどがある。
また、酸化物半導体層の厚さは、3nm以上30nm以下とするのが望ましい。酸化物半導体層を厚くしすぎると(例えば、膜厚を50nm以上)、トランジスタがノーマリーオンとなってしまうおそれがあるためである。
酸化物半導体層は、水素、水、水酸基又は水素化物などの不純物が混入しにくい方法で作製するのが望ましい。例えば、スパッタリング法などを用いて作製することができる。
本実施の形態では、酸化物半導体層を、In−Ga−Zn−O系の酸化物ターゲットを用いてスパッタリング法により形成する場合について説明するが、その他、酸化物半導体としてIn−Zn−O系の酸化物ターゲットを用いて形成しても良い。
In−Ga−Zn−O系の酸化物ターゲットとしては、In:Ga:Zn=1:x:y(xは0以上、yは0.5以上5以下)の組成式で表されるものを用いるのが好適である。例えば、In2O3:Ga2O3:ZnO=1:1:2[mol数比]の組成比を有するターゲットなどを用いることができる。また、In2O3:Ga2O3:ZnO=1:1:1[mol数比]の組成比を有するターゲットや、In2O3:Ga2O3:ZnO=1:1:4[mol数比]の組成比を有するターゲットや、In2O3:Ga2O3:ZnO=1:0:2[mol数比]の組成比を有するターゲットを用いることもできる。
また、酸化物半導体としてIn−Zn−O系の材料を用いる場合、用いるターゲットの組成比は、原子数比で、In:Zn=50:1〜1:2(モル数比に換算するとIn2O3:ZnO=25:1〜1:4)、好ましくはIn:Zn=20:1〜1:1(モル数比に換算するとIn2O3:ZnO=10:1〜1:2)、さらに好ましくはIn:Zn=15:1〜1.5:1(モル数比に換算するとIn2O3:ZnO=15:2〜3:4)とする。例えば、In−Zn−O系酸化物半導体の形成に用いるターゲットは、原子数比がIn:Zn:O=X:Y:Zのとき、Z>1.5X+Yとする。
なお、ターゲット中の金属酸化物の相対密度は80%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは99.9%以上である。相対密度の高いターゲットを用いることにより、緻密な構造の酸化物半導体層を成膜することが可能である。
また、酸化物半導体層の成膜雰囲気は、不活性雰囲気、酸化性雰囲気、又は不活性ガスと酸化性ガスとの混合雰囲気とするのが好適である。酸化性雰囲気とは、酸素、オゾンまたは二酸化窒素などの酸化性ガスを主成分とする雰囲気であって、水、水素などが含まれないことが好ましい。例えば、熱処理装置に導入する酸素、オゾン、二酸化窒素の純度は、8N(99.999999%)以上、好ましくは9N(99.9999999%)以上(即ち、不純物濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm未満)とする。酸化性雰囲気は、酸化性ガスを不活性ガスと混合して用いてもよい。その場合、酸化性ガスが少なくとも10ppm以上含まれるものとする。また、不活性雰囲気とは、窒素、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン)などの不活性ガスを主成分とする雰囲気である。例えば、熱処理装置に導入する不活性ガスの純度は、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上(すなわち、不純物濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とする。具体的には、酸化性ガスなどの反応性ガスが10ppm未満とする。
酸化物半導体層をスパッタリング法により成膜する際には、例えば、減圧状態に保持された処理室内に被処理物を保持し、被処理物の温度が100℃以上550℃未満、好ましくは200℃以上400℃以下となるように被処理物を熱する。または、酸化物半導体層の成膜の際の被処理物の温度は、室温としてもよい。そして、処理室内の水分を除去しつつ、水素や水などが除去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて酸化物半導体層を成膜する。被処理物を熱しながら酸化物半導体層を成膜することにより、酸化物半導体層に含まれる水素や水などの不純物を低減することができる。また、スパッタによる損傷を軽減することができる。処理室内の水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプなどを用いることができる。また、ターボポンプにコールドトラップを加えたものを用いてもよい。クライオポンプなどを用いて排気することで、処理室から水素や水などの不純物を除去することができるため、酸化物半導体層中の不純物濃度を低減できる。
酸化物半導体層を、スパッタリング法を用いて成膜する場合には、例えば、被処理物とターゲットの間との距離が170mm、圧力が0.4Pa、直流(DC)電力が0.5kW、雰囲気が酸素(酸素100%)雰囲気、またはアルゴン(アルゴン100%)雰囲気、または酸素とアルゴンの混合雰囲気、といった条件を適用することができる。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、パーティクル(成膜時に形成される粉状の物質など)を低減でき、膜厚分布も均一となるため好ましい。酸化物半導体層の厚さは、1nm以上50nm以下、好ましくは1nm以上30nm以下、より好ましくは1nm以上10nm以下とする。このような厚さの酸化物半導体層を用いることで、微細化に伴う短チャネル効果を抑制することが可能である。ただし、適用する酸化物半導体材料や、半導体装置の用途などにより適切な厚さは異なるから、その厚さは、用いる材料や用途などに応じて選択することもできる。
なお、酸化物半導体層をスパッタリング法により成膜する前には、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、成膜表面(例えば絶縁層1828の表面)の付着物を除去するのが好適である。ここで、逆スパッタとは、通常のスパッタにおいては、スパッタターゲットにイオンを衝突させるところを、逆に、処理表面にイオンを衝突させることによってその表面を改質する方法のことをいう。処理表面にイオンを衝突させる方法としては、アルゴン雰囲気下で処理表面側に高周波電圧を印加して、被処理物付近にプラズマを生成する方法などがある。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などによる雰囲気を適用してもよい。
また、酸化物半導体層の加工は、所望の形状のマスクを酸化物半導体層上に形成した後、当該酸化物半導体層をエッチングすることによって行うことができる。上述のマスクは、フォトリソグラフィなどの方法を用いて形成することができる。または、インクジェット法などの方法を用いてマスクを形成しても良い。なお、酸化物半導体層のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよい。もちろん、これらを組み合わせて用いてもよい。
上述のように成膜された酸化物半導体層1844は、非単結晶構造をとる場合がある。ここで、非単結晶構造とは、非晶質構造、微結晶(マイクロクリスタル、ナノクリスタルなど)構造、多結晶構造、非晶質中に微結晶や多結晶が含まれる構造、非晶質構造の表面に微結晶や多結晶が形成された構造などをいう。
次に、酸化物半導体層1844を成膜する方法について説明する。ここで成膜する酸化物半導体層1844は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜で形成される。
なお、CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OS膜は、非晶質相に結晶部および非晶質部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体膜である。
CAAC−OS膜は単結晶ではないが、また、非晶質のみから形成されているものでもない。また、CAAC−OS膜は結晶化した部分(結晶部分)を含むが、1つの結晶部分と他の結晶部分の境界を明確に判別できないこともある。
CAAC−OS膜を構成する酸素の一部は窒素で置換されてもよい。また、CAAC−OS膜を構成する個々の結晶部分のc軸は一定の方向(例えば、CAAC−OS膜を支持する基板面やCAAC−OS膜の表面や膜面、界面等に垂直な方向)に揃っていてもよい。あるいは、CAAC−OS膜を構成する個々の結晶部分のab面の法線は一定の方向(例えば、基板面、表面、膜面、界面等に垂直な方向)を向いていてもよい。
CAAC−OS膜は、その組成等に応じて、導体であったり、半導体であったり、絶縁体であったりする。また、その組成等に応じて、可視光に対して透明であったり不透明であったりする。なお、酸化物半導体層1844に用いられるCAAC−OS膜は半導体であるとする。
このようなCAAC−OS膜の例として、膜状に形成され、膜表面、基板面、または界面に垂直な方向から観察すると三角形、または、六角形の原子配列が認められ、かつその膜断面を観察すると金属原子、または、金属原子と酸素原子(あるいは窒素原子)の層状配列が認められる材料を挙げることもできる。
酸化物半導体層1844を絶縁層1828上にスパッタリング法、分子線エピタキシー法、原子層堆積法またはパルスレーザー蒸着法によって成膜する。なお、成膜時に被処理物を加熱することで、非晶質領域に対して結晶領域の占める割合の多い酸化物半導体層1844とすることができる。例えば、基板温度を150℃以上450℃以下とすればよい。好ましくは、基板温度を200℃以上350℃以下とする。このように基板温度を高めることによって、酸化物半導体層1844をより結晶化させることができる。
次に、酸化物半導体層1844を成膜した後に、第1の熱処理を行ってもよい。第1の熱処理を行うことによって、より非晶質領域に対して結晶領域の割合の多い酸化物半導体層1844とすることができる。第1の熱処理は、例えば200℃以上基板の歪み点未満で行えばよい。好ましくは、250℃以上450℃以下とする。雰囲気は限定されないが、酸化性雰囲気、不活性雰囲気または減圧雰囲気で行う。処理時間は3分〜24時間とする。処理時間を長くするほど非晶質領域に対して結晶領域の割合の多い酸化物半導体層1844を形成することができるが、24時間を超える熱処理は生産性の低下を招くため好ましくない。また、酸化物半導体層1844を成膜した後に、第1の熱処理を行うことにより、酸化物半導体層1844中の過剰な水素(水や水酸基を含む)を除去し、酸化物半導体層1844の構造を整え、エネルギーギャップ中の欠陥準位を低減することができる。
熱処理装置は電気炉に限られず、加熱されたガスなどの媒体からの熱伝導、または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いても良い。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて熱処理を行う装置である。ガスとしては、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。
例えば、第1の熱処理として、熱せられた不活性雰囲気中に被処理物を投入し、数分間熱した後、当該不活性雰囲気から被処理物を取り出すGRTA処理を行ってもよい。GRTA処理を用いると短時間での高温熱処理が可能となる。また、被処理物の耐熱温度を超える温度条件であっても適用が可能となる。なお、処理中に、不活性ガスを、酸素を含むガスに切り替えても良い。酸素を含む雰囲気において第1の熱処理を行うことで、酸素欠損に起因するエネルギーギャップ中の欠陥準位を低減することができるためである。
いずれにしても、第1の熱処理を行うことによって不純物を低減し、i型(真性半導体)またはi型に限りなく近い酸化物半導体層1844を形成することができる。また、非晶質領域に対して結晶領域の割合の多い酸化物半導体層1844を形成することができる。このような酸化物半導体層1844を用いることで、極めて優れた特性のトランジスタを実現することができる。
次に、酸化物半導体層1844などの上に、ソース電極およびドレイン電極(これと同じ層で形成される配線を含む)を形成するための導電層を形成し、当該導電層を加工して、ソース電極またはドレイン電極1842a、ソース電極またはドレイン電極1842bを形成する(図21(B)参照)。
導電層は、PVD法や、CVD法を用いて形成することができる。また、導電層の材料としては、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた元素や、上述した元素を成分とする合金等を用いることができる。マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、ネオジム、スカンジウムのいずれか、またはこれらを複数組み合わせた材料を用いてもよい。
導電層は、単層構造であっても良いし、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、チタン膜や窒化チタン膜の単層構造、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜が積層された2層構造、窒化チタン膜上にチタン膜が積層された2層構造、チタン膜とアルミニウム膜とチタン膜とが積層された3層構造などが挙げられる。なお、導電層を、チタン膜や窒化チタン膜の単層構造とする場合には、テーパー形状を有するソース電極またはドレイン電極1842a、およびソース電極またはドレイン電極1842bへの加工が容易であるというメリットがある。
また、導電層は、導電性の金属酸化物を用いて形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ(In2O3−SnO2、ITOと略記する場合がある)、酸化インジウム酸化亜鉛(In2O3−ZnO)、または、これらの金属酸化物材料にシリコン若しくは酸化シリコンを含有させたものを用いることができる。
導電層のエッチングは、形成されるソース電極またはドレイン電極1842a、およびソース電極またはドレイン電極1842bの端部が、テーパー形状となるように行うことが好ましい。ここで、テーパー角は、例えば、30°以上60°以下であることが好ましい。ソース電極またはドレイン電極1842a、ソース電極またはドレイン電極1842bの端部をテーパー形状となるようにエッチングすることにより、後に形成されるゲート絶縁層1846の被覆性を向上し、段切れを防止することができる。
上部のトランジスタのチャネル長(L)は、ソース電極またはドレイン電極1842a、およびソース電極またはドレイン電極1842bの下端部の間隔によって決定される。なお、チャネル長(L)が25nm未満のトランジスタを形成する場合に用いるマスク形成の露光を行う際には、数nm〜数10nmと波長の短い超紫外線(Extreme Ultraviolet)を用いるのが望ましい。超紫外線による露光は、解像度が高く焦点深度も大きい。従って、後に形成されるトランジスタのチャネル長(L)を、10nm以上1000nm(1μm)以下とすることも可能であり、回路の動作速度を高めることが可能である。また、微細化によって、半導体装置の消費電力を低減することも可能である。
次に、ソース電極またはドレイン電極1842a、1842bを覆い、かつ、酸化物半導体層1844の一部と接するように、ゲート絶縁層1846を形成する(図21(C)参照)。
ゲート絶縁層1846は、CVD法やスパッタリング法等を用いて形成することができる。また、ゲート絶縁層1846は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンなどの材料を用いて形成する。また、ゲート絶縁層1846は、13族元素および酸素を含む材料を用いて形成することもできる。13族元素および酸素を含む材料としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムガリウムなどを用いることができる。さらに、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSixOy(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSixOy(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAlxOy(x>0、y>0))、などを含むように形成してもよい。ゲート絶縁層1846は、単層構造としても良いし、上記の材料を組み合わせて積層構造としても良い。また、その厚さは特に限定されないが、半導体装置を微細化する場合には、トランジスタの動作を確保するために薄くするのが望ましい。例えば、酸化シリコンを用いる場合には、1nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上50nm以下とすることができる。
ゲート絶縁層1846は、水素、水などの不純物を混入させない方法を用いて成膜することが好ましい。ゲート絶縁層1846に水素、水などの不純物が含まれると、後に形成される酸化物半導体膜に水素、水などの不純物の浸入や、水素、水などの不純物による酸化物半導体膜中の酸素の引き抜き、などによって酸化物半導体膜のバックチャネルが低抵抗化(n型化)してしまい、寄生チャネルが形成されるおそれがあるためである。よって、ゲート絶縁層1846はできるだけ水素、水などの不純物が含まれないように作製することが好ましい。例えば、スパッタリング法によって成膜するのが好ましい。成膜する際に用いるスパッタガスとしては、水素、水などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
なお、酸化物半導体層1844に用いられる酸化物半導体材料には、13族元素を含むものが多い。このため、13族元素および酸素を含む材料を用いて、酸化物半導体層1844と接するゲート絶縁層1846を形成する場合には、酸化物半導体層1844との界面の状態を良好に保つことができる。これは、13族元素および酸素を含む材料と、酸化物半導体材料との相性が良いことによる。例えば、酸化物半導体層1844と酸化ガリウムを用いたゲート絶縁層1846を接して設けることにより、酸化物半導体層1844とゲート絶縁層1846との界面における水素のパイルアップを低減することができる。また、ゲート絶縁層1846として、酸化アルミニウムを用いる場合は、水を透過させにくいという特性を有しているため、当該材料を用いることは、酸化物半導体層1844の水の浸入防止という点においても好ましい。
上述のように、ゲート絶縁層を薄くすると、トンネル効果などに起因するゲートリークが問題となる。ゲートリークの問題を解消するには、ゲート絶縁層1846に、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSixOy(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSixOy(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAlxOy(x>0、y>0))、などの高誘電率(high−k)材料を用いると良い。high−k材料をゲート絶縁層1846に用いることで、電気的特性を確保しつつ、ゲートリークを抑制するために膜厚を大きくすることが可能になる。なお、high−k材料を含む膜と、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウムなどのいずれかを含む膜との積層構造としてもよい。
また、ゲート絶縁層1846は、酸素が化学量論的組成比よりも多く含むことが好ましい。例えば、ゲート絶縁層1846として酸化ガリウムを用いた場合、化学量論的組成比はGa2O3+α(0<α<1)と表すことができる。また、酸化アルミニウムを用いた場合は、Al2O3+α(0<α<1)と表すことができる。さらに、酸化ガリウムアルミニウムを用いた場合は、GaxAl2−xO3+α(0<x<2、0<α<1)と表すことができる。
なお、酸化物半導体層の成膜後、酸化物半導体層1844の形成後、またはゲート絶縁層1846の形成後のいずれかにおいて、酸素ドープ処理を行ってもよい。酸素ドープとは、酸素(少なくとも、酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオン、のいずれかを含む)をバルクに添加することを言う。なお、当該「バルク」の用語は、酸素を、薄膜表面のみでなく薄膜内部に添加することを明確にする趣旨で用いている。また、「酸素ドープ」には、プラズマ化した酸素をバルクに添加する「酸素プラズマドープ」が含まれる。酸素ドープ処理を行うことにより、酸化物半導体層やゲート絶縁層に含まれる酸素を、化学量論的組成比より多くすることができる。
酸素ドープ処理は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)方式を用いて、マイクロ波(例えば、周波数2.45GHz)により励起された酸素プラズマを用いて行うことが好ましい。
ゲート絶縁層1846の形成後には、不活性ガス雰囲気下、または酸素雰囲気下で第2の熱処理を行うのが望ましい。熱処理の温度は、200℃以上450℃以下、望ましくは250℃以上350℃以下である。例えば、窒素雰囲気下で250℃、1時間の熱処理を行えばよい。第2の熱処理を行うことによって、トランジスタの電気的特性のばらつきを軽減することができる。また、ゲート絶縁層1846が酸素を含む場合、酸化物半導体層1844に酸素を供給し、該酸化物半導体層1844の酸素欠損を補填して、i型(真性半導体)またはi型に限りなく近い酸化物半導体層を形成することもできる。
なお、本実施の形態では、ゲート絶縁層1846の形成後に第2の熱処理を行っているが、第2の熱処理のタイミングはこれに限定されない。例えば、ゲート電極の形成後に第2の熱処理を行っても良い。また、第1の熱処理に続けて第2の熱処理を行っても良いし、第1の熱処理に第2の熱処理を兼ねさせても良いし、第2の熱処理に第1の熱処理を兼ねさせても良い。
上述のように、第1の熱処理と第2の熱処理の少なくとも一方を適用することで、酸化物半導体層1844を、その水素原子を含む物質が極力含まれないように高純度化することができる。
次に、ゲート電極(これと同じ層で形成される配線を含む)を形成するための導電層を形成し、当該導電層を加工して、ゲート電極1848aおよび導電層1848bを形成する(図21(D)参照)。
ゲート電極1848aおよび導電層1848bは、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて形成することができる。なお、ゲート電極1848aおよび導電層1848bは、単層構造としても良いし、積層構造としても良い。
次に、ゲート絶縁層1846、ゲート電極1848a、および導電層1848b上に、絶縁層1850および絶縁層1852を形成する(図22(A)参照)。絶縁層1850および絶縁層1852は、PVD法やCVD法などを用いて形成することができる。また、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化ガリウムアルミニウム等の無機絶縁材料を含む材料を用いて形成することができる。なお、絶縁層1850および絶縁層1852には、誘電率の低い材料や、誘電率の低い構造(多孔性の構造など)を用いることが望ましい。絶縁層1850および絶縁層1852の誘電率を低くすることにより、配線や電極などの間に生じる容量を低減し、動作の高速化を図ることができるためである。なお、本実施の形態では、絶縁層1850および絶縁層1852の単層構造としているが、本発明の一態様はこれに限定されず、2層以上の積層構造としても良い。
次に、ゲート絶縁層1846、絶縁層1850および絶縁層1852に、ソース電極またはドレイン電極1842bにまで達する開口1853を形成する。その後、開口1853にソース電極またはドレイン電極1842bと接する電極1854を形成し、絶縁層1852上に電極1854に接する配線1856を形成する(図22(B)参照)。なお、当該開口の形成は、マスクなどを用いた選択的なエッチングにより行われる。
電極1854は、例えば、開口1853を含む領域にPVD法やCVD法などを用いて導電層を形成した後、エッチング処理やCMP処理といった方法を用いて、上記導電層の一部を除去することにより形成することができる。
より具体的には、例えば、開口1853を含む領域にPVD法によりチタン膜を薄く形成し、CVD法により窒化チタン膜を薄く形成した後に、開口1853に埋め込むようにタングステン膜を形成する方法を適用することができる。ここで、PVD法により形成されるチタン膜は、被形成面の酸化膜(自然酸化膜など)を還元し、下部電極など(ここではソース電極またはドレイン電極1842b)との接触抵抗を低減させる機能を有する。また、その後に形成される窒化チタン膜は、導電性材料の拡散を抑制するバリア機能を備える。また、チタンや窒化チタンなどによるバリア膜を形成した後に、メッキ法により銅膜を形成してもよい。
なお、上記導電層の一部を除去して電極1854を形成する際には、その表面が平坦になるように加工することが望ましい。例えば、開口1853を含む領域にチタン膜や窒化チタン膜を薄く形成した後に、開口1853に埋め込むようにタングステン膜を形成する場合には、その後のCMP処理によって、不要なタングステン、チタン、窒化チタンなどを除去すると共に、その表面の平坦性を向上させることができる。このように、電極1854を含む表面を平坦化することにより、後の工程において、良好な電極、配線、絶縁層、半導体層などを形成することが可能となる。
配線1856は、スパッタ法をはじめとするPVD法や、プラズマCVD法などのCVD法を用いて導電層を形成した後、当該導電層をパターニングすることによって形成される。また、導電層の材料としては、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた元素や、上述した元素を成分とする合金等を用いることができる。マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、ネオジム、スカンジウムのいずれか、またはこれらを複数組み合わせた材料を用いてもよい。詳細は、ソース電極またはドレイン電極1842a、1842bなどと同様である。
以上により、トランジスタ1860、トランジスタ1862、および容量素子1864を含む半導体装置が完成する(図22(B)参照)。
また、酸化物半導体層1844とソース電極またはドレイン電極1842a、ソース電極またはドレイン電極1842bとの間に、ソース領域及びドレイン領域として機能する酸化物導電層をバッファ層として設けてもよい。図21(D)のトランジスタ1862に酸化物導電層を設けたトランジスタ2341、2342を図23(A)(B)に示す。
図23(A)(B)のトランジスタ2341、2342は、酸化物半導体層1844とソース電極またはドレイン電極1842a、ソース電極またはドレイン電極1842bとの間に、ソース領域及びドレイン領域として機能する酸化物導電層2304a、2304bが形成されている。図23(A)(B)のトランジスタ2341、2342は作製工程により酸化物導電層2304a、2304bの形状が異なる例である。
図23(A)のトランジスタ2341では、酸化物半導体膜と酸化物導電膜の積層を形成し、酸化物半導体膜と酸化物導電膜との積層を同じフォトリソグラフィ工程によって形状を加工して島状の酸化物半導体層1844と酸化物導電膜を形成する。酸化物半導体層1844及び酸化物導電膜上にソース電極またはドレイン電極1842a、ソース電極またはドレイン電極1842bを形成した後、ソース電極またはドレイン電極1842a、ソース電極またはドレイン電極1842bをマスクとして、島状の酸化物導電膜をエッチングし、ソース領域およびドレイン領域となる酸化物導電層2304a、2304bを形成する。
図23(B)のトランジスタ2342では、酸化物半導体層1844上に酸化物導電膜を形成し、その上に金属導電膜を形成し、酸化物導電膜および金属導電膜を同じフォトリソグラフィ工程によって加工して、ソース領域およびドレイン領域となる酸化物導電層2304a、2304b、ソース電極またはドレイン電極1842a、ソース電極またはドレイン電極1842bを形成する。
なお、酸化物導電層の形状を加工するためのエッチング処理の際、酸化物半導体層が過剰にエッチングされないように、エッチング条件(エッチング材の種類、濃度、エッチング時間等)を適宜調整する。
酸化物導電層2304a、2304bの成膜方法は、スパッタリング法や真空蒸着法(電子ビーム蒸着法など)や、アーク放電イオンプレーティング法や、スプレー法を用いる。酸化物導電層の材料としては、酸化亜鉛、酸化亜鉛アルミニウム、酸窒化亜鉛アルミニウム、酸化亜鉛ガリウム、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、などを適用することができる。また、上記材料に酸化珪素を含ませてもよい。
ソース領域及びドレイン領域として、酸化物導電層を酸化物半導体層1844とソース電極またはドレイン電極1842a、ソース電極またはドレイン電極1842bとの間に設けることで、ソース領域及びドレイン領域の低抵抗化を図ることができ、トランジスタ2341、2342が高速動作をすることができる。
また、酸化物半導体層1844、酸化物導電層2304a、2304b、ソース電極またはドレイン電極1842a、1842bの構成とすることによって、トランジスタ2341、2342の耐圧を向上させることができる。
酸化物半導体層を用いたトランジスタの作製工程は、高温処理を必要とせず、下部のトランジスタなど、他のデバイスや配線に影響を与えずに作製することができる。また、酸化物半導体層を用いたトランジスタの作製工程は、酸化物半導体以外の半導体材料(例えば、シリコン)を用いたトランジスタに比べて作製工程が少ない。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子機器に適用する場合について、図24を用いて説明する。本実施の形態では、コンピュータ、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯情報端末(携帯型ゲーム機、音響再生装置なども含む)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電子ペーパー、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)などの電子機器に、上述の半導体装置を適用する場合について説明する。
図24(A)は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、筐体2401、筐体2402、表示部2403、キーボード2404などによって構成されている。筐体2401と筐体2402の少なくとも一には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減されたノート型のパーソナルコンピュータが実現される。
図24(B)は、携帯情報端末(PDA)であり、本体2411には、表示部2413と、外部インターフェイス2415と、操作ボタン2414等が設けられている。また、携帯情報端末を操作するスタイラス2412などを備えている。本体2411内には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減された携帯情報端末が実現される。
図24(C)は、電子ペーパーを実装した電子書籍2420であり、筐体2421と筐体2423の2つの筐体で構成されている。筐体2421および筐体2423には、それぞれ表示部2425および表示部2427が設けられている。筐体2421と筐体2423は、軸部2437により接続されており、該軸部2437を軸として開閉動作を行うことができる。また、筐体2421は、電源2431、操作キー2433、スピーカー2435などを備えている。筐体2421、筐体2423の少なくとも一には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減された電子書籍が実現される。
図24(D)は、携帯電話機であり、筐体2440と筐体2441の2つの筐体で構成されている。さらに、筐体2440と筐体2441は、スライドし、図24(D)のように展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に適した小型化が可能である。また、筐体2441は、表示パネル2442、スピーカー2443、マイクロフォン2444、操作キー2445、ポインティングデバイス2446、カメラ用レンズ2447、外部接続端子2448などを備えている。また、筐体2440は、携帯電話機の充電を行う太陽電池セル2449、外部メモリスロット2450などを備えている。また、アンテナは、筐体2441に内蔵されている。筐体2440と筐体2441の少なくとも一には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減された携帯電話機が実現される。
図24(E)は、デジタルカメラであり、本体2461、表示部2467、接眼部2463、操作スイッチ2464、表示部2465、バッテリー2466などによって構成されている。本体2461内には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減されたデジタルカメラが実現される。
図24(F)は、テレビジョン装置2470であり、筐体2471、表示部2473、スタンド2475などで構成されている。テレビジョン装置2470の操作は、筐体2471が備えるスイッチや、リモコン操作機2480により行うことができる。筐体2471およびリモコン操作機2480には、先の実施の形態に示す半導体装置が搭載されている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減されたテレビジョン装置が実現される。
以上のように、本実施の形態に示す電子機器には、先の実施の形態に係る半導体装置が搭載されている。このため、消費電力を低減した電子機器が実現される。