JP2012201544A - 温度計測器付きオリフィス、及びガラスびんの製造方法 - Google Patents

温度計測器付きオリフィス、及びガラスびんの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴブの形態を変化させずに、ゴブの温度管理を確実に行うことができる温度計測器付きオリフィス、及びガラスびんの製造方法を提供する。
【解決手段】オリフィス本体2の押出口7に、溶融ガラス61を内側に流通させる検出リング10とこれに接続された熱電対26を備える温度計測器3を設け、押出口7から押し出される溶融ガラス61の形状を変えずに、当該溶融ガラス61を検出リング10に連続的に接触させてその表面温度を計測し、この計測結果を基にゴブ62の形態を制御し、常に同形態のゴブ62をガラスびん成形装置55に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスびんなどのガラス製品を成形する成形装置にゴブを供給するための機器に設けられ、押し出される溶融ガラスの温度が計測可能な温度計測器付きオリフィス、及びその温度計測器付きオリフィスを用いたガラスびんの製造方法に関する。
従来、ガラスびんなどのガラス成形品を得るために次のような製造方法がとられている。フォアハースで所定温度、所定量に調整され移送されてきた溶融ガラスを、スパウトに一旦滞留させ、ここでフィーダーチューブによって溶融ガラスの流量をさらに調整しつつ、スパウトに設けられたオリフィスから溶融ガラスを所要の大きさで押し出し、これをカットして溶融ガラスの塊であるゴブとする。そして、このゴブを例えばガラスびん成形装置の粗型に供給し、これをプレス成形又はエアによって成形してパリソンとし、これを仕上型に移してガラス成形品を得る。
成形されたガラス成形品には、表面の傷、微少クラックなどの欠陥が生じるため、これらの欠陥を取り除くための対策が必須とされる。ガラス成形品の表面の欠陥を最小限にとどめることは、ガラス成形品をガラス本来の性状に近づけることができ、機械的強度などの特性の向上にも繋がる。そのためには、上記製造工程を流れる溶融ガラスの状態を安定化させることが要求されるが、同工程を経る溶融ガラスは、多様な装置や環境に曝され微妙にその形態を変化させる。このような形態の変化を抑えるため、工程途中の状態や成形された成形品の状態を把握し、それに応じて金型温度、マシンスピード、成形時間などの多様な製造条件を調整することが考えられる。しかし、これらの条件を変更することは、かえって品質の不安定化の要因ともなる。
そこで、オリフィスから押し出される溶融ガラスで形成されるゴブの形態を安定化することが、欠陥の無いガラス成形品を得るために効果的であることに着目し、ゴブの形成に関連する周辺機器の調整を行うことでゴブの形態を安定化させ、これによって表面の傷、微少クラックなどの無い高品質のガラス成形品を得ることとしている。ゴブの形態を安定化させるには、ゴブの温度管理が最も重要である。
例えば、スパウトの入口に流れてくる溶融ガラスの温度を計測し、これをゴブの温度の目安とすることが考えられる。しかし、スパウトの入口に流れてくる溶融ガラスは、さらにスパウトで攪拌され、オリフィスから押し出されるため、当該溶融ガラスの温度と、押し出され、カットされた状態のゴブの温度との間には隔たりがある。
ゴブに近いか或いはゴブ自体の温度を計測する方法として次のものが挙げられる。1つ目は、ゴブとなる溶融ガラスを押し出すオリフィスに熱電対を差し込み、オリフィスの温度を計測する方法である。2つ目は、放射温度計などによりオリフィスから押し出される溶融ガラスや、ゴブの温度を非接触で計測する方法である。例えば、特許文献1には、成形中に、成形型に内蔵させた熱電対の先端をガラスに直接的に接触させて、当該ガラスの温度を計測する方法が記載されており、3つ目として、これを転用する方法が挙げられる。具体的には、オリフィスに貫通孔を形成し、この貫通孔に熱電対を通して当該オリフィスに入ってきた溶融ガラスの温度を直接的に計測する。
特開平11−71118号公報
しかし、上記の1つ目の方法では、オリフィス自体の放熱や、流れている溶融ガラスの熱を直ぐに伝えられないことなどがあり、この方法で計測した温度をゴブの温度の目安とすることはできない。2つ目の方法では、この方法の性質に起因するバラツキが大きく、押し出される溶融ガラスや、ゴブの温度管理には適当ではない。3つ目に挙げた方法に関し、例えば上記のようにスパウトの入口で温度を計測するのであれば、計測器のゴブへの影響は無いが、ゴブの径を決めるオリフィス内で熱電対を溶融ガラスに直接的に接触させると、ゴブの形態が変化してしまい、ガラス成形品の品質をかえって低下させるという問題がある。
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、ゴブの形態を変化させずに、ゴブの温度管理を確実に行うことができる温度計測器付きオリフィス、及びガラスびんの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、次の技術的手段を講じた。
即ち、本発明の温度計測器付きオリフィスは、所定温度に調整され移送されてきた溶融ガラスを所要の大きさで押し出すオリフィス本体と、このオリフィス本体を通る溶融ガラスの温度を計測する温度計測器と、を備えた温度計測器付きオリフィスであって、前記温度計測器は、前記オリフィス本体の押出口から押し出される溶融ガラスの形状を変えずに当該溶融ガラスの表面に連続的に接触可能な内周面を有する高熱伝導性の検出リングと、この検出リングに温度検出可能に接続され、前記オリフィス本体の押出口から押し出される溶融ガラスの温度を当該検出リングで介して検出する熱電対と、前記検出リング及び前記熱電対を前記オリフィス本体に対して支持する支持手段と、を有していることを特徴とするものである。
本発明の温度計測器付きオリフィスとすれば、押し出される溶融ガラスの形状を変えずに当該溶融ガラスの表面に連続的に接触可能な内周面を有する高熱伝導性の検出リングに、温度検出可能に熱電対が接続され、当該検出リングを介して当該溶融ガラスの温度が計測される。そのため、ゴブの径を決めるオリフィス内で熱電対を溶融ガラスに直接的に接触させることなく、当該ゴブが形成される直前の溶融ガラスの温度を確実に計測できる。これにより、ゴブの形態を変化させずに、ゴブの温度をより厳密に把握することができる。
前記検出リングと前記熱電対とが互いにプラズマ溶接法によって接続されていることが好ましい。熱電対がプラズマ溶接法によって検出リングに接続されていれば、熱電対の感度を損なわせない状態で検出リングに当該熱電対を強固に固定することができる。
前記検出リングは、強化白金材料からなることが好ましい。検出リングが強化白金材料とされていれば、高温下における検出リングの耐久性が格段に向上し、当該検出リングを長期に渡って使用することができる。
前記検出リングや支持手段には、多様な構成のものを採用することができ、例えば、前記検出リングは、前記押出口から押し出される溶融ガラスを接触させる接触リング部と、この接触リング部の前記オリフィス本体側の端縁から外方へ延出された鍔部とで断面逆L字型に形成されており、前記支持手段は、前記検出リングの鍔部を前記オリフィス本体の底面とで挟持し、かつ前記熱電対を貫通させる貫通孔を有するサポートリングを備えているものが挙げられる。この場合、支持手段のサポートリングによって検出リング及び熱電対がオリフィス本体に対して固定され、コンパクトな温度計測器とすることができる。
前記支持手段は、前記検出リング、前記熱電対、及び前記サポートリングを収納し前記温度計測器をユニット化する筐体部材を備え、この筐体部材が、前記オリフィス本体に対して着脱自在に設けられていることが好ましい。この場合、検出リング、熱電対、及びサポートリングを備える温度計測器がユニット化され、筐体部材がオリフィス本体に対して着脱自在となっているため、温度計測器を単体で扱え、そのメンテナンスが容易となり、また、既存のオリフィスへの装着をも可能とすることができる。
前記検出リングが、溶融ガラスの過放熱によって前記鍔部と前記オリフィス本体の底面との間に溶融ガラスが詰まるのを防止する大きさで形成されていることが好ましい。この場合、より安定した状態で溶融ガラスの温度を計測でき、さらに温度計測器付きオリフィスのメンテナンスの回数を減らすことができる。
前記サポートリングは、絶縁材で形成されていることが好ましい。この場合、オリフィス本体などとサポートリングとの間の作用で生じる、溶融ガラスの電解による泡の発生を防止することができる。
前記熱電対を構成する対の素線が、互いに所要間隔をおいた状態で前記検出リングに接続されていることが好ましい。熱電対を構成する対の素線が、検出リングの同じ箇所に接続されていれば、捻れた際に対の素線が短絡することや、その接続箇所に溶融ガラスの泡が付着することで、正確な計測ができない場合がある。対の素線が、互いに所要間隔をおいた状態で検出リングに溶接されていれば、捻れても対の素線は短絡し難く、その接続箇所に溶融ガラスの泡が付着してもその影響は少なく、正確な計測結果を得ることができる。
前記オリフィス本体の押出口は、当該オリフィス本体の中心軸を挟んで互いに対称位置に設けられた第1及び第2押出口からなると共に、前記温度計測器は、これら第1及び第2押出口にそれぞれ設けられた第1及び第2温度計測器からなり、前記熱電対は、前記第1及び第2押出口から押し出される溶融ガラスの内側表面温度を計測できるように前記第1及び第2温度計測器の前記検出リングの内側に接続された内側熱電対と、前記第1及び第2押出口から押し出される溶融ガラスの外側表面温度を計測できるように前記第1及び第2温度計測器の前記検出リングの外側に接続された外側熱電対とで構成されていることが好ましい。この場合、第1及び第2押出口から押し出される各ゴブの内側と外側の表面温度を計測することができる。
本発明のガラスびんの製造方法は、フォアハースで所定温度に調整され移送されてきた溶融ガラスを、スパウトに設けられたオリフィスで所定の大きさに押し出し、これをカットしてゴブとし、このゴブをガラスびん成形装置に供給してガラスびんを成形するガラスびんの製造方法において、前記オリフィスの押出口から押し出される溶融ガラスをその形状を変えずに検出リングの内側に流通させてその内周面に接触させ、当該検出リングを介した熱電対によって当該溶融ガラスの表面温度を連続的に計測し、この計測結果を基にゴブの形態を制御して、常に同形態のゴブをガラスびん成形装置に供給することを特徴とするものである。
上記本発明のガラスびんの製造方法とすれば、オリフィスの押出口から押し出される溶融ガラスの形状を変えずにその表面温度が連続的に計測され、この計測結果を基に、常に同形態のゴブがガラスびん成形装置に供給されるため、高品質なガラス成形品を得ることができる。
上記の通り、本発明によれば、オリフィス内で熱電対を溶融ガラスに直接的に接触させることなく、ゴブが形成される直前の溶融ガラスの温度が確実に計測されるので、ゴブの形態を変化させずにその温度をより厳密に把握でき、ゴブの温度管理を確実に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る温度計測器付きオリフィスを用いたガラスびんの製造方法を説明するための模式図である。 温度計測器付きオリフィスの底面図である。 図2のA−A線断面図である(片方の温度計測器は側面図)。 図3のB−B線断面図である。 図3の一部を拡大した断面図である。 (a)は検出リングの側面図であり、(b)は検出リングの底面図である。 熱電対を表した概念図である。 温度計測器付きオリフィスを用いてガラスびんの製造方法を実施した際のスパウトの入口の溶融ガラスの温度(上側)と温度計測器付きオリフィスで計測した溶融ガラスの温度(下側)である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る温度計測器付きオリフィス(以下、オリフィスという)1を用いたガラスびんの製造方法を説明するための模式図である。ガラス溶融窯でガラス原料を加熱して溶融させ、この溶融ガラスをガラスフィーダ50に送る。ガラスフィーダ50のフォアハース51で所定温度、所定量に調整され移送されてきた溶融ガラス60を、スパウト52に一旦滞留させ、ここで図示しないフィーダーチューブやプランジャーなどによって、当該溶融ガラス60を攪拌し温度を均一にしてその流量を調整し、スパウト52に設けられたオリフィス1から溶融ガラス60を所要の径で押し出す。そして、オリフィス1から押し出された溶融ガラス61をシャー53でカットして溶融ガラスの塊であるゴブ62とする。このゴブ62を移送手段54で移送してガラスびん成形装置55に供給し、プレスアンドブロー方式やブローアンドブロー方式によってガラス成形品を得る。より具体的には、ゴブ62をガラスびん成形装置55の粗型に供給し、これをプレス成形又はエアによって成形してパリソンとし、これを仕上型に移してガラス成形品を成形する。本実施形態のオリフィス1では、2つの粗型を備えたガラスびん成形装置55に、同時に2つのゴブ62を供給できるようになっており、同時に2つのガラス成形品が得られる。
図2はオリフィス1の底面図であり、図3は図2のA−A線断面図であり(片方の温度計測器は側面図)、図4は図3のB−B線断面図であり、図5は図3の一部を拡大した断面図である。以下、各図において図1の上下に対応する側を上下とする。オリフィス1は、オリフィス本体2と、このオリフィス本体2に設けられた2つの第1及び第2温度計測器3、3とを備えている。オリフィス本体2は、円筒状のオリフィスケース4で囲われており、このオリフィスケース4とオリフィス本体2との間には、粘土材5が充填されている。図3に示すように、オリフィスケース4の底部上面4aには、当該オリフィスケース4とオリフィス本体2との間の隙間をなくし、各温度計測器3をあてがうリング部材24が固定されている。
オリフィスケース4の上下方向中途部には段差部4bが形成されており、図1のようにこの段差部4bの上側部分6で、オリフィス1がスパウト52に対して固定されている。図3のようにオリフィス本体2は、全体として下方へ向かうに従って窄むように形成されており、当該オリフィス本体2には、オリフィス本体2の中心軸を挟んで対称位置に設けられた第1及び第2押出口7、7が形成されている。オリフィス本体2には、当該オリフィス本体2を冷却する冷却機構8が設けられており、当該オリフィス本体2の底部2aには、冷却エアの出口となるエアスリット9が形成されている(図2参照)。第1押出口7と第2押出口7は、互いに同形状及び同寸法で形成されている。これにより、スパウト52から入ってきた溶融ガラス60は、第1及び第2押出口7、7で2つに分けられ、分けられた2本の溶融ガラス61は、全く同じ形状でオリフィス1から押し出される。
第1及び第2温度計測器3、3は、それぞれオリフィス本体2の中心軸を挟んだ対称位置で第1及び第2押出口7、7に合わせるようにして設けられている。各温度計測器3は、最も内側に位置する検出リング10と、この検出リング10に接続された熱電対11と、検出リング10及び熱電対11をオリフィス本体2に対して支持する支持手段12とで構成されている。支持手段12は、温度計測器3の外側を構成する筐体部材13と、この筐体部材13の内側に位置するサポートリング14とを備えている。
図4に示すように筐体部材13は、サポートリング14をその内側へ嵌め込み可能に形成された金属製の円盤状のものであり、熱電対11を貫通させるための外側通路15が図4左右にそれぞれ1つずつ形成されている。各外側通路15は、筐体部材13の径方向内側から径方向外側に渡ってL字型に貫通されている。各外側通路15には、熱電対11を位置決めするための凹状の位置決め部16が形成されており、この位置決め部16に位置決めスリーブ23が嵌め込まれている。筐体部材13には、4つのボルト孔17が形成されており、図2及び図3のように当該筐体部材13が、オリフィス本体2の底面2bへ4本のボルト20によって着脱自在に設けられている。図5のように筐体部材13の下部内側13aには、サポートリング14を受けるための環状の受け部18が形成されている。
サポートリング14は、各種のセラミックなどの絶縁材で断面矩形状に形成されており、筐体部材13の内径と略同径の外径と、オリフィス本体2の押出口7よりも検出リング10の厚み分だけ大きい内径を有し、筐体部材13の内側に嵌め込まれている。図5のようにサポートリング14の下端外側部分14aが、筐体部材13の受け部18に当接しており、これにより当該サポートリング14が、筐体部材13に支持されている。サポートリング14には、熱電対11を貫通させるための内側通路(貫通孔)19が、図4左右にそれぞれ1つずつ形成されている。各内側通路19は、熱電対11を保持できる孔寸法でサポートリング14の径方向内側から径方向外側に渡って貫通されている。そして、筐体部材13の各外側通路15とサポートリング14の各内側通路19とが連通されており、これらに通される熱電対11が、筐体部材13及びサポートリング14の内外を貫通できるようになっている。
図6(a)は検出リング10の側面図であり、同図(b)は検出リング10の底面図である。検出リング10は高熱伝導性の強化白金材料からなり、上下方向に伸びる円筒状の接触リング部21と、この接触リング部21の上端(端縁)21aから外方へ延出された鍔部22とで断面逆L字型に形成されている。接触リング部21は、オリフィス本体2の押出口7と同じ内径を有している。図5に示すように、検出リング10の鍔部22が、オリフィス本体2の底面2bと、サポートリング14とで挟持され固定されている。この状態で、検出リング10の接触リング部21の内周面21bは、オリフィス本体2の押出口7の内周面7aと面一となっている。従って、オリフィス本体2の押出口7から押し出される溶融ガラス61は、その形状を全く変えずに検出リング10内を通って流れていく。
接触リング部21の内周面21bが、各押出口7の内周面7aと面一となっていることから、当該接触リング部21の内周面21bは、溶融ガラス61の表面に連続的に接触可能となっている。検出リング10の鍔部22は、図5にも示すようにサポートリング14の外端までには至っていない。検出リング10の寸法が大きすぎると、この部分へきた溶融ガラス61の過放熱が生じ、鍔部22とオリフィス本体2の底面2bとの間に溶融ガラス61が詰まる場合がある。接触リング部21は、溶融ガラス61の温度を検出する部分であるため、これを損なうほど短くすることはできない。そのため本実施形態では、検出リング10の鍔部22の長さを、可及的に短くしている。これにより、溶融ガラス61が、検出リング10で冷却され、鍔部22とオリフィス本体2の底面2bとの間に詰まってしまうのを防止している。なお、検出リング10の寸法や厚みは適宜変更でき、例えば厚みを0.3mm程度とすれば、溶融ガラス61の過放熱を効果的に防ぐことができる。
図3及び図4に示すように熱電対11は、第1及び第2押出口7、7から押し出される溶融ガラス61、61の内側表面温度を計測できるように第1及び第2温度計測器3、3の各検出リング10の内側に接続された内側熱電対25と、第1及び第2押出口7、7から押し出される溶融ガラス61、61の外側表面温度を計測できるように第1及び第2温度計測器3、3の当該各検出リング10の外側に接続された外側熱電対26とで構成されている。図4のように各温度計測器3の内側熱電対25及び外側熱電対26は、それぞれ連通された、筐体部材13の外側通路15とサポートリング14の内側通路19に通されており、各外側通路15の位置決め部16に設けられた位置決めスリーブ23を介して位置決めされている。これら内側熱電対25及び外側熱電対26は、それぞれセラミックチューブ30で被覆されており、図2のようにオリフィス本体2の底面2bにクランプ31によって留められている。第1及び第2温度計測器3、3のそれぞれの内側熱電対25及び外側熱電対26の基端部32には、コネクター33が設けられており、このコネクター33を図示しない計測機器に繋ぐことによって温度の計測ができるようになっている。
図7は内側熱電対25及び外側熱電対26を表した概念図である。内側熱電対25及び外側熱電対26は、互いに同じ構成を有しており、白金材料からなる対の素線27、27と、これら素線27、27の周りに設けられて当該各素線27を保護する碍子28と、これらを覆うフレキシブルチューブ29とで構成されている。内側熱電対25及び外側熱電対26のそれぞれの対の素線27、27が、互いに所要間隔をおいた状態で検出リング10にプラズマ溶接法によって温度検出可能に接続されている。なお、本実施形態では、対の素線27、27間の間隔を3mmとしている。プラズマ溶接法を採用した理由は、内側熱電対25及び外側熱電対26のそれぞれの対の素線27、27を、当該各熱電対25、26の感度を損なわせない状態で検出リング10に強固に固定することができるからである。
対の素線が検出リング10の同じ箇所に接続されていれば、対の素線が捻れた際、対の素線が短絡することや、その接続箇所に溶融ガラス61の泡が付着することで、正確な計測ができない場合がある。本実施形態のように各熱電対25、26の対の素線27、27が、互いに所要間隔をおいた状態で検出リング10に溶接されていれば、捻れても対の素線27、27は短絡し難く、その接続箇所に溶融ガラス61の泡が付着しても、その影響は少なく、正確な計測結果を得ることができる。
オリフィス本体2の第1及び第2押出口7、7から押し出される溶融ガラス61、61は、各温度計測器3の検出リング10の接触リング部21の内周面21bへ連続的に接触し流れていく。そして、各温度計測器3の検出リング10に接続された内側熱電対25及び外側熱電対26によって、当該検出リング10に接触する溶融ガラス61の内側表面温度及び外側表面温度が検出される。これにより、オリフィス本体2の第1及び第2押出口7、7から押し出される溶融ガラス61、61の形状を変えずに、当該溶融ガラス61、61の温度を確実に計測することができる。
また、図3のように筐体部材13に、検出リング10、内側熱電対25及び外側熱電対26、サポートリング14が収納されるようになっており、これにより、各温度計測器3がユニット化されている。そして、各温度計測器3をユニット化する筐体部材13が、オリフィス本体2に着脱自在となっていることから、当該各温度計測器3を単体で扱え、当該各温度計測器3のメンテナンスが容易となり、また、既存のオリフィスへの装着をも可能とすることができる。
本実施形態のオリフィス1とすれば、各温度計測器3に備えられた高熱伝導性の検出リング10を介して溶融ガラス61の表面温度が計測されるため、ゴブ62の径を決めるオリフィス本体2内で内側熱電対25及び外側熱電対26は、溶融ガラス61に直接的には接触せず、また、当該溶融ガラス61の形状は検出リング10によって変わることもない。これにより、ゴブ62の形態を変化させずに、ゴブ62が形成される直前の溶融ガラス61の温度が確実に計測される。つまり、ゴブ62の温度がより厳密に把握され、この温度とフォアハース51の温度との相関関係などを導くことにより、ゴブ62の温度管理を確実に行うことができる。また、ゴブ62の温度管理を基に、ゴブ62の形状及びゴブ62の長さを制御できるようになる。このことから、ガラスびん成形装置55に常に同じ形態のゴブ62を供給することができることとなり、高品質なガラス成形品を得ることができる。
上記本実施形態の構成を備えるオリフィス1によって、次のガラスびんの製造方法を実施することができる。即ち、フォアハース51で所定温度に調整され移送されてきた溶融ガラス60を、スパウト52に設けられたオリフィス1から所要の大きさで押し出し、これをカットしてゴブ62とし、このゴブ62をガラスびん成形装置55に供給してガラスびんを成形するガラスびんの製造方法であり、オリフィス1の各押出口7から押し出される溶融ガラス61をその形状を変えずに各検出リング10の内側に流通させてその内周面21bに接触させ、当該各検出リング10を介した内側熱電対25及び外側熱電対26によって溶融ガラス61の内側表面温度及び外側表面を連続的に計測し、この計測結果を基にゴブ62の形態を制御して、常に同形態のゴブ62をガラスびん成形装置55に供給するというものである。
このようなガラスびんの製造方法を採用すれば、オリフィス1の各押出口7から押し出される溶融ガラス61の形状を変えずに、その表面温度を連続的に計測でき、この計測結果を基にして、常に同形態のゴブ62をガラスびん成形装置55に供給できる。これにより、高品質なガラス成形品を得ることができる。
第1及び第2温度計測器3、3の各検出リング10は、強化白金材料からなるため、高温下における耐久性が格段に向上しており、当該各検出リング10を長期に渡って使用することができる。これにより、メンテナンスコストを低減させることができる。さらに、サポートリング14によって検出リング10及び各熱電対25、26がオリフィス本体2に対して固定されているため、温度計測器3をコンパクトなものとすることができ、小さい設置スペースに当該温度計測器3を設置することができる。
本実施形態では、検出リング10の鍔部22の長さを可及的に短くし、溶融ガラス61が、当該検出リング10で冷却され、鍔部22とオリフィス本体2の底面2bとの間に詰まるのを防止しているため、より安定した状態で溶融ガラス61の温度を計測でき、また、オリフィス1のメンテナンスの回数を減らすことができる。温度計測器3のサポートリング14が、各種のセラミックなどの絶縁材で形成されているため、オリフィス本体2やオリフィスケース4と当該サポートリング14との間の作用で生じる、溶融ガラス61の電解による泡の発生を防止することができる。さらに、絶縁材で形成されたサポートリング14は、金属製のものに比べて溶融ガラス61が冷え難く、溶融ガラス61への影響を少なくすることができる。
以下、本発明に係るオリフィスで実際に溶融ガラスの表面温度を計測した例を説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。上記実施形態のオリフィスをスパウトへ設け、上記実施形態で例示した製造工程によりガラスびんを10日間に渡って成形した。10日間の途中で型替も行った。スパウトの入口の溶融ガラスの温度と、オリフィスの第1及び第2押出口に設けた第1及び第2温度計測器で計測した溶融ガラスの表面温度を計測した。計測結果を図8のグラフに示す。図8の上側のグラフは、スパウトの入口の溶融ガラスの9点(深さ方向の3点×横方向の右、中、左の3列)の計測結果であり、下側のグラフは、第1押出口の溶融ガラスの内側表面温度(H1内)及び外側表面温度(H1外)と、第2押出口の溶融ガラスの内側表面温度(H2内)及び外側表面温度(H2外)である。横軸は時間軸であり、一目盛りは12時間である。時間軸の矢印は型替時を表している。
図8のグラフから解るように、スパウトの入口で計測した溶融ガラスの温度は、非常に変動が大きいのに対して、オリフィスの第1及び第2押出口に設けた各温度計測器で計測した溶融ガラスの表面温度は振れ幅が少ない。このことは、各押出口に設けた各温度計測器で計測した表面温度の方がゴブの態様との相関を得やすく、スパウトの入口で計測した溶融ガラスの温度でゴブの温度管理をするよりも、各押出口に設けた各温度計測器で計測した溶融ガラスの表面温度でゴブの温度管理を行う方が、より厳密な温度管理ができることを表している。
上記実施形態のオリフィスをスパウトへ設け、フィーダーチューブの回転速度及び回転方向を変化させた際における、オリフィスの各押出口から押し出される溶融ガラスの表面温度の変化を計測した。フィーダーチューブの回転速度を変化させると、押し出される溶融ガラスの表面温度も変化し、当該表面温度が最も小さくなる回転速度が存在した。回転方向が正方向及び逆方向のどちらにも同様の現象がみられた。
各押出口の溶融ガラスの内側表面温度及び外側表面温度の最大温度差は、正方向への回転時で68〜72℃であり、逆方向への回転時で72〜78℃であり、正方向への回転の方で溶融ガラスの温度変化が小さくなることが認められた。正方向への回転時の場合、70sec/回で第1押出口の溶融ガラスの外側表面温度と第2押出口の溶融ガラスの外側表面温度との差が小さくなり、これより早い速度では、逆に温度差が大きくなった。逆方向への回転時の場合、上記の現象とは逆に、70sec/回で第1押出口の溶融ガラスの外側表面温度と第2押出口の溶融ガラスの外側表面温度との差が大きくなり、これより早い速度では、逆に温度差が小さくなった。
上記で開示した実施形態及び実施例は例示であり制限的なものではない。溶融ガラスが検出リングで冷却され、その検出リングの鍔部とオリフィス本体の底面との間に侵入し、その間でガスが生じる場合がある。このガスが溶融ガラスへ影響を及ぼさないように、温度計測器やその周辺部材にガスの通路を形成してもよい。検出リングの鍔部とオリフィス本体の底面との間に溶融ガラスが侵入するのを防止するために、検出リングの鍔部やオリフィス本体の底面を研磨加工して表面粗さを小さくし、隙間を極力小さくしてもよい。
上記実施形態の筐体部材はボルトで固定しているため、ボルトが焼き付いてしまうと交換作業に手間がかかる。筐体部材の固定手段として、ボルトを用いずに固定できる構成を採用することで、交換作業や組立作業を簡素化し、コストを下げるようにしてもよい。オリフィス本体に形成する押出口の数を変更して、これらの押出口に本発明に係るオリフィスを設けるようにしてもよい。温度計測器に設ける熱電対は内外の2つに限られるものではなく、1つ又は3つ以上としてもよい。温度計測器を構成する検出リング、熱電対の素材、形状、寸法や支持手段の構成は適宜変更することができる。本発明に係るオリフィスは、ガラスびん以外の他のガラス製品を製造する場合にも用いることができる。他のガラス製品を製造する場合には、オリフィス本体やこれに設けられる温度計測器を、そのガラス製品の製造に応じた仕様に変更すればよい。
1 オリフィス
2 オリフィス本体
2b 底面
3 第1及び第2温度計測器
4 オリフィスケース
7 第1及び第2押出口
7a 内周面
10 検出リング
12 支持手段
13 筐体部材
14 サポートリング
21 接触リング部
21b 内周面
22 鍔部
25 内側熱電対
26 外側熱電対
27 素線
52 スパウト
55 ガラスびん成形装置
60 溶融ガラス
61 溶融ガラス(押出口)
62 ゴブ

Claims (10)

  1. 所定温度に調整され移送されてきた溶融ガラスを所要の大きさで押し出すオリフィス本体と、このオリフィス本体を通る溶融ガラスの温度を計測する温度計測器と、を備えた温度計測器付きオリフィスであって、
    前記温度計測器は、
    前記オリフィス本体の押出口から押し出される溶融ガラスの形状を変えずに当該溶融ガラスの表面に連続的に接触可能な内周面を有する高熱伝導性の検出リングと、
    この検出リングに温度検出可能に接続され、前記オリフィス本体の押出口から押し出される溶融ガラスの温度を当該検出リングで介して検出する熱電対と、
    前記検出リング及び前記熱電対を前記オリフィス本体に対して支持する支持手段と、を有していることを特徴とする温度計測器付きオリフィス。
  2. 前記検出リングと前記熱電対とが互いにプラズマ溶接法によって接続されていることを特徴とする請求項1に記載の温度計測器付きオリフィス。
  3. 前記検出リングは、強化白金材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度計測器付きオリフィス。
  4. 前記検出リングは、前記押出口から押し出される溶融ガラスを接触させる接触リング部と、この接触リング部の前記オリフィス本体側の端縁から外方へ延出された鍔部とで断面逆L字型に形成されており、
    前記支持手段は、前記検出リングの鍔部を前記オリフィス本体の底面とで挟持し、かつ前記熱電対を貫通させる貫通孔を有するサポートリングを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の温度計測器付きオリフィス。
  5. 前記支持手段は、前記検出リング、前記熱電対、及び前記サポートリングを収納し前記温度計測器をユニット化する筐体部材を備え、この筐体部材が、前記オリフィス本体に対して着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の温度計測器付きオリフィス。
  6. 前記検出リングが、溶融ガラスの過放熱によって前記鍔部と前記オリフィス本体の底面との間に溶融ガラスが詰まるのを防止する大きさで形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の温度計測器付きオリフィス。
  7. 前記サポートリングは、絶縁材で形成されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の温度計測器付きオリフィス。
  8. 前記熱電対を構成する対の素線が、互いに所要間隔をおいた状態で前記検出リングに接続されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の温度計測器付きオリフィス。
  9. 前記オリフィス本体の押出口は、当該オリフィス本体の中心軸を挟んで対称位置に設けられた第1及び第2押出口からなると共に、前記温度計測器は、これら第1及び第2押出口にそれぞれ設けられた第1及び第2温度計測器からなり、
    前記熱電対は、前記第1及び第2押出口から押し出される溶融ガラスの内側表面温度を計測できるように前記第1及び第2温度計測器の前記検出リングの内側に接続された内側熱電対と、前記第1及び第2押出口から押し出される溶融ガラスの外側表面温度を計測できるように前記第1及び第2温度計測器の前記検出リングの外側に接続された外側熱電対とで構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の温度計測器付きオリフィス。
  10. フォアハースで所定温度に調整され移送されてきた溶融ガラスを、スパウトに設けられたオリフィスで所要の大きさに押し出し、これをカットしてゴブとし、このゴブをガラスびん成形装置に供給してガラスびんを成形するガラスびんの製造方法において、
    前記オリフィスの押出口から押し出される溶融ガラスをその形状を変えずに検出リングの内側に流通させてその内周面に接触させ、当該検出リングを介した熱電対によって当該溶融ガラスの表面温度を連続的に計測し、この計測結果を基にゴブの形態を制御して、常に同形態のゴブをガラスびん成形装置に供給することを特徴とするガラスびんの製造方法。
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