JP2012243767A - E×bウィーンフィルタの磁場分布を制御するための方法及び構造 - Google Patents

E×bウィーンフィルタの磁場分布を制御するための方法及び構造 Download PDF

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Abstract

【課題】E×Bウィーン質量フィルタにおいて、質量フィルタの入射側及び出射側エンドキャップでの磁場分布を調整するための方法及び構造を提供する。
【解決手段】戻り経路の磁束の磁気抵抗は、入射側及び出射側エンドキャップの外径に設けられたスロット内に複数の磁気シムを設けることによって、さらに、入射側及び出射側アパーチャを囲む円形の磁束ダム内に複数の磁気プラグシムを設けることによって、変更可能である。磁場を完全に機械的に調整することの利点としては、従来の電磁石の調整方法と比較して、高い信頼性、簡素化、低コスト及び消費電力の節約を含む。質量分離の磁場を生成するため、永久磁石及び電磁石のいずれかを用いることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、荷電粒子ビームシステムに関し、特にイオンビームシステムのための質量フィルタに関する。
いくつかの集束イオンビーム(FIB)カラムは、複数のイオン種を放出するイオン源を使用するように設計されている。基板上に集束されるイオンビームについて、これらのイオン種のうち一つだけを選択するため、FIBカラムには、通常、質量フィルタが含まれる。質量フィルタの一種である「ウィーンフィルタ」は、交差する電場と磁場(E×B)を用い、不要なイオン種を軸外に偏向させ、それによって不要なイオン種を質量分離アパーチャに衝突させる。このタイプのフィルタは「E×Bフィルタ」とも称される。電場と磁場の相対的な強度は、所望のイオン種が偏向されないで質量フィルタを通過し、次いで質量分離アパーチャを通過し、最終的には基板表面上に集束するように設定される。
イオンはウィーンフィルタの「物理的アパーチャ」内を通過する。これは電極と磁極の面で囲まれた領域である。理想的には、磁場の大きさと電場の大きさとは、質量フィルタを貫くビーム軸全体に沿って同じ比率となることが好ましい。一般的に、従来技術では、この場の整合という目的を達成するために、各種の電極及び磁極片の構成が採用されているが、質量フィルタの入射口及び出射口で電場と磁場の両方を終端するエンドキャップの近傍において適切な場の比率を維持することは難しい。一般的に、エンドキャップは小さなアパーチャを有し、それを介してイオンビームが質量フィルタに入射し、質量フィルタから出射する。アパーチャ内で反転する電場も、ピークとなる余分なE場もないように、E場を滑らかに終端させることは、理想的な電気伝導率を有するいずれかの金属製エンドキャップを用いれば、比較的容易である。反対に、磁性材料は、比例する電気伝導率(空気又は真空中)よりもはるかに低い透磁率を有するため、アパーチャ内で負のオーバーシュートや余分なB場のピークがないようにB場を終端することはずっと困難であることが分かっている。
入射側及び出射側アパーチャを含む質量フィルタの軸方向の長さ全体にかけてE場とB場の分布のより良い整合を得るために、E×B質量フィルタの入射側及び出射側アパーチャ内及びその近傍のB場分布を調整することができる改善された方法及び装置が必要である。E場に対してB場を調整するような場合、B場を調整するためにE×B質量フィルタに追加される電磁石電源及び電磁コイルを必要としないで、完全に機械的に実施されることが望ましい。
米国特許第4789787号明細書
したがって、本発明の目的は、集束イオンビームシステムに使用するための改善されたE×Bウィーン質量フィルタを提供することである。本発明の好ましい実施形態によるE×Bフィルタは、磁場分布を機械的に調整する構造及び方法を提供し、電場と磁場のより良い整合を実現するような入射側及び出射側アパーチャを提供し、それによってエンドキャップ近傍と入射側及び出射側アパーチャ内を含むE×Bフィルタの長さ全体にかけて、対向する電気力と磁気力とを一致させる。さらに本発明の目的は、エンドキャップと磁極片との間のより接近した内部間隔を実現することによって、本発明の好ましい実施形態にしたがって設計されたE×B質量フィルタの長さを短縮可能にすることである。
上記は、以下に記載された本発明の詳細な説明をより良く理解するために本発明の特徴と技術的利点を概説したものである。その他の本発明の特徴と利点は以下に説明する。当業者によれば、ここに開示された概念及び特定の実施形態は、本発明と同様の目的を達成するために、改良や他の構成に変形する基礎として容易に利用できるものと理解される。また、当業者は、かかる均等な構成についても、添付された特許請求の範囲に記載された発明の趣旨と範囲から逸脱しないものと理解する。
本発明の一実施形態によれば、荷電粒子ビームの質量フィルタは、質量フィルタ内で電場を形成する電極の組みと、前記質量フィルタ内で前記電場に直交する磁束を形成する磁石の組みと、前記電極及び磁石を保持し、前記磁束の戻り経路を形成するヨークと、ビームを前記質量フィルタに入射させる入射側アパーチャを含み、自己と前記ヨークとの間の磁気抵抗を機械的に調整可能である入射側エンドキャップと、前記ビームを前記質量フィルタから出射させる出射側アパーチャを含み、自己と前記ヨークとの間の磁気抵抗を機械的に調整可能である出射側エンドキャップと、を備える。
本発明の一実施形態によれば、荷電粒子ビームの質量フィルタは、質量フィルタ内で電場を形成する電極の組みと、質量フィルタ内で電場に直交する磁束を形成する磁石の組みと、電極及び磁石を保持し、磁束の戻り経路を形成するヨークと、ビームを質量フィルタに入射させる入射側アパーチャを含み、自己の外縁には第1の溝があり、自己とヨークとの間の磁気抵抗を調整するように第1の溝に複数の磁気シムが設けられる入射側エンドキャップと、ビームを質量フィルタから出射させる出射側アパーチャを含み、自己の外縁には第2の溝があり、自己とヨークとの間の磁気抵抗を調整するように第2の溝に複数の磁気シムが設けられる出射側エンドキャップと、を備える。
本発明の一実施形態では、荷電粒子ビームの質量フィルタは、入射側エンドキャップとヨークとの間の磁気抵抗が磁気シムを使用して調整され、出射側エンドキャップとヨークとの間の磁気抵抗が磁気シムを使用して調整される。本発明の一実施形態では、磁気シムが入射側及び出射側アパーチャ内の磁場を大幅に低減するように構成される。本発明の一実施形態では、磁気シムが入射側及び/又は出射側アパーチャ内の磁場の方向を変更するように構成される。そして、本発明の一実施形態では、磁気シムが入射側及び出射側アパーチャ内の磁場を質量フィルタ内の最大の磁束の1%未満の大きさに低減するように構成される。
本発明の一実施形態では、荷電粒子ビームの質量フィルタは、入射側アパーチャを囲む入射側磁束ダムと、入射側アパーチャ内の磁場の方向及び大きさを調整するように入射側磁束ダムに設けられる複数の磁気プラグシムと、出射側アパーチャを囲む出射側磁束ダムと、出射側アパーチャ内の磁場の方向及び大きさを調整するように出射側磁束ダムに設けられる複数の磁気プラグシムと、を備える。本発明の一実施形態では、入射側及び出射側アパーチャ内の磁場の大きさが質量フィルタ内の最大の磁束の1%未満の大きさに調整される。本発明の一実施形態では、磁気シム及び磁気プラグシムが、E×Bフィルタの全長にわたって、対向する電気力と磁気力とを等しくするように使用可能である。そして、本発明の一実施形態では、質量フィルタ内の磁場の調整は、質量フィルタを形成するいずれの構成要素の材料も変更せずに達成可能である。
本発明の一実施形態では、磁石の組みは、永久磁石の組みを含む。そして、本発明の一実施形態では、磁石の組みは、電磁石の組みを含む。
本発明の一実施形態によれば、荷電粒子ビームの質量フィルタの入射側及び出射側アパーチャ内の磁場を機械的に調整する方法は、(a)質量フィルタ内で電場を形成する電極の組みと、質量フィルタ内で電場に直交する磁束を形成する磁石の組みと、電極及び磁石を保持し、磁束の戻り経路を形成するヨークと、ビームを質量フィルタに入射させる入射側アパーチャを含み、自己とヨークとの間の磁気抵抗を機械的に調整可能である入射側エンドキャップと、ビームを質量フィルタから出射させる出射側アパーチャを含み、自己とヨークとの間の磁気抵抗を機械的に調整可能である出射側エンドキャップと、を備える荷電粒子ビームの質量フィルタを準備し、(b)入射側アパーチャ内又はその近傍の磁場を測定する磁場測定装置を設定し、(c)入射側アパーチャ内又はその近傍で測定された磁場が質量フィルタ内の最大の磁束の1%未満に低減されるように、入射側エンドキャップとヨークとの間の磁気抵抗を機械的に調整し、(d)出射側アパーチャ内又はその近傍の磁場を測定する磁場測定装置を設定し、(e)出射側アパーチャ内又はその近傍で測定された磁場が質量フィルタ内の最大の磁束の1%未満に低減されるように、出射側エンドキャップとヨークとの間の磁気抵抗を機械的に調整することを含む。
荷電粒子ビームの質量フィルタの入射側及び出射側アパーチャ内の磁場を機械的に調整する方法は、さらに入射側アパーチャを囲む入射側磁束ダムと、入射側磁束ダム内に設けられる複数の磁気プラグシムと、出射側アパーチャを囲む出射側磁束ダムと、出射側磁束ダム内に設けられる複数の磁気プラグシムと、備える荷電粒子ビームの質量フィルタにおいて、さらに、入射側アパーチャ内又はその近傍の磁場の方向及び大きさを測定する磁場測定装置を設定し、入射側アパーチャ内の磁場の方向及び大きさを調整するように入射側磁束ダム内の磁気プラグシムを機械的に設定し、出射側アパーチャ内又はその近傍の磁場の方向及び大きさを測定する磁場測定装置を設定し、出射側アパーチャ内の磁場の方向及び大きさを調整するように出射側磁束ダム内の磁気プラグシムを機械的に設定することを含む。
本発明とその利点をより完全に理解するため、添付の図面と併せて以下の説明を参照されたい。
添付の図面は、正しい縮尺で描かれるように意図されたものではない。図面中、同一の又はほぼ同一の構成は、様々な形状で表現されているが、同様の数字によって代表されている。分かりやすくするため、全ての図面において、全ての構成が表記されているわけではない。
従来のE×B質量フィルタの四分の一切欠き等角投影図である。 従来のE×B質量フィルタの磁気回路を示す側断面図である。 従来のE×B質量フィルタの入射側エンドキャップの概略平面図である。 従来のE×B質量フィルタの入射側エンドキャップの概略側断面図である。 図2に示された磁気回路に等価な電気回路である。 従来のE×B質量フィルタにおける軸方向のB場分布を計算したグラフであり、入射側及び出射側アパーチャのB場がギャップ間磁場に対して反対の方向となる。 従来のE×B質量フィルタにおける軸方向のB場分布を計算したグラフであり、入射側及び出射側アパーチャのB場がギャップ間磁場と同じ方向となる。 本発明の好ましい実施形態によるE×B質量フィルタの四分の一切欠き等角投影図である。 本発明の好ましい実施形態によるE×B質量フィルタの磁気回路を示す側面断面図である。 本発明の好ましい実施形態によるE×B質量フィルタの入射側エンドキャップの概略平面図である。 本発明の好ましい実施形態によるE×B質量フィルタの入射側エンドキャップの概略側断面図である。 図8に示された磁気回路に等価な電気回路である。 本発明の好ましい実施形態によるE×B質量フィルタの軸方向のB場分布を計算したグラフである。
本発明の好ましい実施形態は、磁場分布を機械的に調整するための方法及び構造を提供し、電場と磁場とのより良い整合を達成するようなE×B質量フィルタの入射側及び出射側アパーチャを提供し、それによって、エンドキャップの内面と磁極片の端部との間、及び入射側及び出射側アパーチャ内を含むE×Bフィルタの全長にかけて、対向する電気力と磁気力とを一致させることができる。本発明によるE×B質量フィルタの入射側及び出射側エンドキャップの外側の外縁は、ラジアルスロットを有する厚型リングで構成されることが好ましい。そのラジアルスロット内に磁気シムを取り付けてもよく、エンドキャップ内の二つの磁束分布が釣り合うように調整することもできる。(1)質量フィルタの外側の戻りの経路に対応する磁束について、この磁束の大部分が磁極片間に広がる磁束からなり、質量フィルタを通過したイオンに作用する力を生じさせる。(2)磁極片の端部からエンドキャップへの「漏れ」に対応する磁束について、この磁束は、質量フィルタのイオンビーム偏向作用に寄与しないので、実質的に「無駄」となる。これら二つの磁束分布は、一般的にエンドキャップ内の入射側及び出射側アパーチャの近傍で反対方向に流れるものである。
さらに、エンドキャップの近傍及びアパーチャ内のB場の機械的な調整が、入射側及び出射側アパーチャの両方を囲む円形の磁束ダム内で磁気プラグシムを使用して実施される。本発明の好ましい実施形態では、電磁コイル又は電源を必要とせず、完全に機械的なB場の調整を可能とする。本発明の好ましい実施形態において永久磁石及び電磁石のいずれの場合にもB場の漏れが生じるので、この利点は、本発明の好ましい実施形態において磁極片を励磁するために電磁石を用いる場合に対しても適用される。エンドキャップの近傍及びアパーチャ内部のB場を完全に機械的に調整すれば、従来の電磁石の方法と比較して、簡素化、低コスト、消費電力の節約及びB場の高い安定性(電源の変動が存在しないため)を含む利点がある。リアルタイムでのB場の調整は、エンドキャップのラジアルスロット内の磁気シムの数量、位置及び組成(すなわち、透磁率)、並びに、入射側及び出射側アパーチャを囲む磁束ダム内の磁気プラグシムの数量、位置及び組成(すなわち、透磁率)を調整しながら、入射側及び出射側アパーチャにおけるB場を検出するガウスメーターを使用して実施することができる。「B場の調整」は、磁場の大きさを低減すること(好ましくは、ピークの大きさの1%未満の値とすること)、並びに、磁場の方向を変えることの両方を含む。磁気シムを使用すると、後述するように、方向(+又は−)を変更することができる。一方、磁気プラグシムを使用すると、入射側及び出射側アパーチャ内及びその近傍で任意の角度に磁場の方向を偏向することができる。磁場が様々な方向にシフトすることがあることを出願人が実験的に見出したことは非常に重要であり、これはおそらく質量フィルタ構成材料の不均一性に起因するものと考えられる。
このように、本発明の実施形態では、従来の典型的な質量フィルタ及び集束イオンビームシステムに対して、一つ以上の利点を提供する。すべての実施形態がすべての利点を提供するわけではない。本発明の一実施形態では、イオン種の質量電荷比に基づいてビーム中のイオン種を分離することができるE×B質量フィルタを提供する。本発明の一実施形態では、機械的に変更可能な磁場分布を提供することができる。本発明の一実施形態では、入射側及び出射側アパーチャ内で機械的に変更可能な磁場を提供する。本発明の一実施形態では、入射側及び出射側アパーチャ内及びその近傍の磁場の大きさを機械的に制御することを提供する。
本発明の方法及び構造をより完全に説明するために、従来のE×Bウィーンフィルタについてここでより詳細に説明する。E×Bウィーンフィルタ設計において、適切なE×B質量分離のための二つの基準がある。
(1)E場とB場は直交しなければならない。
(2)E場とB場とは、同一の質量電荷比のイオンに適用される磁気力によって電気力を打ち消すために、すべての点で、同じ強度比B/Eを有するものでなければならない。
適切な質量フィルタリングによって質量フィルタを通過するイオンを最大とするため(すなわち、いずれにおいても同一の質量電荷比によって力を打ち消すため)、可能な限り大開口のアパーチャ、可能な限り質量フィルタの軸方向の長さにかけて(理想的には入射側アパーチャから出射側アパーチャまでのフィルタを貫くすべての経路)、これら二つの基準を満たすことが望ましい。質量フィルタを通過するイオンビームの軌道の一部でこれらの二つの基準が満足されない範囲では、光学的な収差とビームのずれが増大し、これらは両方とも質量フィルタひいては質量フィルタを備える集束イオンビームシステムの性能を低下させてしまう。
図1は、従来のE×B質量フィルタ100の四分の一切欠き等角投影図である。断面A−Aについては図2に示されている。磁極片102は、セラミック絶縁体104に取付けられており、セラミック絶縁体104は、磁石106(ネオジム−鉄−ボロン(NdFeB)若しくはサマリウム−コバルト(SmCo)の合金磁石、又はその他の類似の強力な永久磁石など)に取付けられている。他の実施形態では、ここに示されている永久磁石106を電磁コイルに置き換えてもよい。磁石106(通常は一組であるがこの切欠き図100では一方のみ表示されている)は、典型的には比較的高飽和の磁性材料(ニッケル−鉄(例えば、NiFe43又はNiFe48)など)で構成されるヨーク108に取り付けられる。
図1では、質量分離を受けるイオンビームは、入射側エンドキャップ122のアパーチャ124を介して質量フィルタ100に入射する。種々の質量分離を受けるイオンビームは、出射側エンドキャップ126のアパーチャ128を介して質量フィルタ100から出射する。一般に、非選択のイオン種(すなわち、これらの種は試料上に集束するイオンビームにおいて望まれない)の偏向角度は、E場の軸(図1の左下から右上)に沿って偏向される。ほとんどの場合、この偏向によれば、これらの非選択イオンビームが出射側アパーチャ128を通過することが十分に少なくなり、E×B質量フィルタの下方の質量分離アパーチャ(図示せず)によって阻止することができる。選択イオンビームは、ほぼ、出射側アパーチャ128の中心を通過し、次いで、試料上に集束する。イオンビームの質量分離を実行する磁場は、二つの磁極片102の内面の間に形成される。これらの「ギャップ間磁場」224が図2に示される。
電場は、B場224に対して垂直方向に、電極142の組みの間に形成される。電極は、図示された実施形態では、絶縁体146を抑える取付ネジ144(ヨーク108に螺合する)によって内側方向に抑え込まれている。ヨーク108及びハウジング118のクリアランスホールを通じて放射状に外側方向に延びるロッド148を介して、電極142への電気的接続が作用する。ロッド148は、外側端部にコロナ防止用ボール154を有する。本願に示されている電極及び磁極片の構成は、参照により援用する米国特許第4789787号(1988年12月6日登録)に記載された構成に対応するものである(当該特許文献の図4A及び4B参照)。
入射口側スペーサ130及び出射口側スペーサ132は、各々、ヨーク108からエンドキャップ122及び126を離隔する。スペーサ130の材料選択によって、入射側エンドキャップ122内を放射状に流れる磁束(一般的にはイオンビームに対して垂直)と、ヨーク108内を軸方向に流れる磁束(一般的にはイオンビームに対して平行)との間の磁気結合の強さ(図4の磁気抵抗432及び434)が決定される。同様に、スペーサ132の材料選択によって、出射側エンドキャップ132内を放射状に流れる磁束と、ヨーク108内を軸方向に流れる磁束との間の磁気結合の強さ(図4の磁気抵抗482及び484)が決定される。スペーサ130及び132は、磁気結合が小さくなる(すなわち、図4の磁気抵抗432、434、482及び484の値が大きくなる)ように、アルミニウム又は300シリーズステンレス鋼などの非磁性材料から製造されてもよい。スペーサ130及び132は、磁気結合が大きくなる(すなわち、磁気抵抗432、434、482及び484の値が小さくなる)ように、NiFe43、NiFe48又は400シリーズアルミニウムなどの磁性材料から製造されてもよい。
一般に図1に示したようなE×B質量フィルタ100では、スペーサ130及び132の材料選択が限られていることから、望ましいレベルの磁気結合を正確に達成することは困難又は不可能である。本発明の目的は、エンドキャップ122と126とヨーク108の間の磁気結合が望ましいレベルの磁気結合(図10の可変の磁気抵抗1032、1034、1082、1084、1010及び1060)を達成するように、機械的に変更可能な調整手段を提供することである。
ハウジング118は、エンドキャップ122及び126、スペーサ130及び132、及びヨーク108を共に圧着するクランプリング120(ネジ156によって螺合)で、ヨーク108を囲い込む。E×B質量フィルタの下方には、E×B質量フィルタ100から発生するビーム偏向誤差の補正に使用されるXYビーム偏向器182が設けられる。
図2は、従来のE×B質量フィルタの磁気回路を示すA−A側断面図200である。矢印202〜234は、ギャップ、磁性材料及び磁石内の磁束の分布を示す。B場224は、E×B質量フィルタを通過するイオンビームに作用し、一般的には二つの電極142(図1に示す)の間の電場によって誘導される電気力に近い又は同じ大きさで反対の方向の磁気力をイオンに与える。磁束222及び226は、磁極片102とヨーク108との間にあって、磁石106及び絶縁体104を貫く。入射側エンドキャップ122内では、磁束202及び206は、常に左方向へ流れ、磁気回路の外側を流れる両方の戻り磁束(return flux)の方向に対応し、さらに、漏れ磁束(leakage flux)228と230とを磁石106の外側の端で繋げる。同様に、出射側エンドキャップ126内では、磁束208及び212は、常に左方向へ流れ、磁気回路の外側を流れる両方の戻り磁束の方向に対応し、さらに、漏れ磁束232と234とを磁石106の外側の端で繋げる。磁束214及び218は、入射側エンドキャップ122とヨーク108との間を繋ぎ、スペーサ130を介して通過する。磁束216及び220は、出射側エンドキャップ126とヨーク108との間を繋ぎ、スペーサ132を介して通過する。
入射側エンドキャップ122は十分な電気伝導率を有するので、E場は、かなり急に終端する傾向にあり、通常アパーチャ124内ではE場がほとんどない。適切なE×B操作のためにB場強度はE場に比例(軸上のいずれにおいても同一の比率)しなければならないので、B場も同様にアパーチャ124内で強さがほぼゼロに降下するものとしなければならない。同様の考慮事項がエンドキャップ126のアパーチャ128内の磁束210にも当てはまる。
しかしながら、図2では、入射側アパーチャ124内には左方向を指す磁束204が現れている。このことは、磁石106からの戻り磁束202及び206の量が漏洩磁束228及び230(エンドキャップ122内を右方向に流れる)を超えることを意味する。したがって、ギャップ間磁場224と、磁束204との間には、B場の反転が存在する(図5のディップ510参照)。もし磁束204が右方向を指していた場合、磁石106からの戻り磁束202及び206の量が漏れ磁束228及び230よりも少ないことを意味する。この場合、ギャップ間磁場224と磁束204との間には磁束の反転がないものと考えられる(図6のピーク610参照)。しかしながら、入射側エンドキャップ122の機能は、B場及びE場の両方を、理想的にはE×B質量フィルタの軸に沿った距離の関数として減少するほぼ同一の比率で終端することであり、それによって、正しいB/E比を維持することができる。
いくつかの条件下では、スペーサ130及び132を製造する際の異なる材料選択によって、磁束204及び210の方向を制御することが可能かもしれないが、磁束204及び210がほとんどなくなるように、戻り磁束とギャップ間の磁束とを正確に一致させることは通常は困難である。磁束204及び210の方向と大きさを調整するため、別のオプションとして、エンドキャップ122及び126を製造する際の材料選択が可能である。適切な透磁率を有する適正な材料の例としては、合金SS430などの400シリーズステンレス鋼を含む。しかしながら、これらの解決策は、以下に説明する本発明の実施形態よりもはるかに限定されたものであり柔軟性もない。
図3Aは、図1及び図2の従来のE×B質量フィルタ100のアパーチャ124を有する入射側エンドキャップ122の概略平面図300である。入射側エンドキャップ122内部及びアパーチャ124両端の磁束分布は、矢印302、304及び306によって示される。通常はエンドキャップ122内の右から左への均一な磁束分布となるところ、アパーチャ124は、磁束線をかき乱す。しかしながら、磁束線302については、アパーチャ124から十分に離れており、ごく小さな乱れしか現れない。アパーチャ124に近い磁束線304ついては、図示のようにアパーチャ124の周囲を取り囲むような大きな乱れを有する。アパーチャ124の両端では、磁束306は、上述したとおり、磁石106から流れる戻り磁束202及び206と、磁極片102の端部からの漏洩磁束228及び230との間の釣り合いによって決定される大きさを持ったおおよそ均一な分布を有する。図3Bは、従来のE×Bにおけるアパーチャ124を有する入射側エンドキャップ122の概略のB−B側面断面350である。
アパーチャ124内の磁束306は、従来の質量フィルタ100におけるB場がエンドキャップ122によって適切に終端されていないことを示す。
図4は、図2に示された磁気回路に等価な電気回路400である。この回路図では、抵抗には、図1及び図2のE×B質量フィルタの各種素子の磁気抵抗に対するそれぞれの対応が付されている。電源402及び404は、二つの磁石106の残留磁気(remanence)を表す電圧V0を有する。Rgap406は、イオンが通過するE×Bの物理的なアパーチャに対応する磁極片102の間のギャップの磁気抵抗を表す。Ryoke416は、磁石106によって誘導され図2の左側磁石106の右側から右側磁石106の左側へ向かう磁束の大部分を伝えるヨーク108の磁気抵抗を表す。Rspacer1432及びRspacer2434は、各々、図2の入射側エンドキャップ122の左端及び右端のスペーサ130の両端の磁気抵抗に対応する。同様に、Rspacer3482及びRspacer4484は、各々、図2の出射側エンドキャップ126の左端及び右端のスペーサ132の両端の磁気抵抗に対応する。Raperture1408及びRendcap1410は並列であって、各々、入射側アパーチャ124の両端の磁気抵抗及び(入射側エンドキャップ122内の)アパーチャ124の周りの磁気抵抗を表わす。Raperture2458及びRendcap2460は並列であって、各々、出射側アパーチャ128の両端の磁気抵抗及び(出射側エンドキャップ126内の)アパーチャ128の周りの磁気抵抗を表す。最後に、四つの抵抗Rleak1412、Rleak2414、Rleak3462及びRleak4464は、磁極片102の端部と二つのエンドキャップ122及び126の内面との間の磁気抵抗を表す。
8個の電位のノード420、422、424、426、428、430、474及び476は図4に示されており、そこでは、例えば、ノード420の電位はV420などと表記される。電流についても同様に表記され、例えば、抵抗Rgap406を流れる電流はI406などである。E×B質量フィルタでは、(磁極片102の間のギャップでの最大のB場に対して、アパーチャ124及び128内のB場を可能な限り小さい割合に低減させるように)スペーサ130及び132の材料選択がなされることから、Rspacer1432、Rspacer2434、Rspacer3482及びRspacer4484を除いたすべての磁気抵抗は、E×B質量フィルタの設計に際してあらかじめ決定されている。また、磁石106の強度(V0)は、磁石材料(例えば、ネオジム−鉄−ボロン、サマリウム−コバルト又はアルニコ)の選択によってあらかじめ決定される。後述の分析を簡単にするために、以下のように仮定、定義する。
endcap1=Rendcap2=Rendcap (式1)
aperture1=Raperture2=Raperture (式2)
spacer1=Rspacer2=Rspacer3=Rspacer4=Rspacer (式3)
leak1=Rleak2=Rleak3=Rleak4=Rleak (式4)
また、対称性により、以下のように仮定できる。
420=−V422=(I406gap)/2=VA (式5)
426=V476=−V424=−V474
=(I408aperture)/2=(I410endcap)/2=V (式6)
430=−V428=(I416yoke)/2=V (式7)
430−V426=V−V=I434spacer (式8)
426−V422=V−(−VA)=V+VA=I414l (式9)
磁極片102の間のギャップでの最大のB場に対して可能な限り小さい割合となるようにアパーチャ124及び128内のB場を低減するには、電流I408及びI458が、各々、両方とも回路図400からほぼゼロでなければならならず、Raperture及びRendcapの両端のいずれにも電圧降下が存在せず、以下の式が成り立つ。
B=0, (式10)
408=I410=I458=I460=0, (式11)
412=I432=I414=I434=I462=I482=I464=I48=I1, (式12)
406=I416=I2. (式13)
式12及び式13からI1とI2を式5及び式7に代入すると以下が得られる。
A=(I2gap)/2, (式14)
C=(I2yoke)/2. (式15)
式10からVBを、式12及び13からI1とI2を、式8及び式9に代入すると以下が得られる。
A=I1leak, (式16)
C=I1spacer. (式17)
式14と式15の比は、式16と式17の比と等しいので以下が得られる。
A/VC=Rgap/Ryoke=Rleak/Rspacer. (式18)
そして、Rspacerについて解くと以下が得られる。
spacer=(Rleakyoke)/Rgap (式19)
このように、式18によれば、ギャップの磁気抵抗対ヨークの磁気抵抗の比が、漏れの磁気抵抗(すなわち、磁極片の端部とエンドキャップとの間の磁気抵抗)対スペーサの磁気抵抗の比に等しくなければならないことが示されている。スペーサ130及び132とエンドキャップ122及び126の材料選択や設計においては可能な限り厳密に式19を満足するものとすべきであるが、しかしながら、従来では、式19を満足することは、通常、所望の磁気特性を有する磁性材料の選択が限られているため実現していない。
一般的には以下が成り立つ(磁石106が効率的に使用された場合)。
gap>>Ryoke. (式20)
そして、式18から
leak>>Rspacer, (式21)
ここで、式21の不等性は、可能性のあるスペーサ設計の定性的な指標として有用であり、式19に挿入されるギャップ、ヨーク及び漏れの磁気抵抗の計算又は測定が与えられる。式20及び式21は、磁石ヨーク及びスペーサを設計する際の定性的な指標として有用となることもある。
非対称な入射口及び出射口の幾何構造(スペーサ及び/又はエンドキャップ設計)を持たない本発明のE×B質量フィルタの場合、以下の式が成り立つ。
gap/Ryoke=Rleak1/Rspacer1=Rleak2/Rspacer2
=Rleak3/Rspacer3=Rleak4/Rspacer4. (式22)
図5は、従来のE×B質量フィルタにおける軸方向のB場分布506を計算したグラフ500である。図5の例は、スペーサの磁気抵抗が非常に小さい場合に相当し、磁石106からの戻り磁束(左方向へ流れる)が入射側及び出射側アパーチャの両方で右方向へ流れる漏れ磁束を超過することが可能になる。横(X軸)方向のB場504が、Z軸(イオンビームが伝搬する+Z方向)に沿う軸上位置502に対してプロットされている。B場510及び508(図2の磁束204及び210にそれぞれ対応する)は、ギャップ間磁場512(図2の磁束224)とは対向する方向に反転する。入射側アパーチャ124はZ軸上の0mmの位置にあり、出射側アパーチャ128の中心は約42mmの位置にある。入射側アパーチャ124で、磁束204は、図2に示すように左に進む。0mmの位置でのB場の負の窪み510は、入射側アパーチャ124内の磁場の反転に対応しており、E場とB場の間の好ましくない不整合を示す。出射側アパーチャ128での負の窪み508は図2に示される左方向へ進む磁束210に対応し、これもまた好ましくない不整合を示す。
図6は、従来のE×B質量フィルタの軸方向のB場分布606を計算したグラフ600である。図6の例は、スペーサの磁気抵抗が非常に大きい場合に相当し、磁石106からの漏れ磁束(右方向へ流れる)が入射側及び出射側アパーチャの両方で左方向に流れる戻り磁束を超過することが可能になる。横(X軸)方向のB場604が、Z軸(イオンビームが伝搬する+Z方向)に沿う軸上位置602に対してプロットされている。B場610及び608(各々、図2の磁束204及び210に対応する)は大きさを増すが、ギャップ間磁場(図2の磁束224)と同じ方向である。入射側及び出射側アパーチャは、図5のようにZ軸上に配置されている。入射側アパーチャ124では、磁束204は右方向に進むことになる(図2に示す磁束204とは反対)。0mmでのB場の正のピーク610は、入射側アパーチャ124内の場の集中に対応するものであり、E場とB場との好ましくない整合を示す。出射側アパーチャ128での正のピーク608は、右方向への磁束210に対応するものであり(図2に示す磁束210とは反対)、これもまたE場とB場との好ましくない整合を示す。図5と比較すれば、この例の場合の方がE場とB場との間の不一致が入射口124及び出射口128の両方の内部でかなり大きいことが示される(すなわち、ピーク608及び610は、窪み508及び510よりもずっと大きなB場の大きさを有する)。
図7〜図11において説明される本発明では、エンドキャップにおける磁気シムの手段、及びエンドリングにおける磁気プラグシムの手段によって、上記の式18の整合比に近づけることができ、このため、単にスペーサ130及び132、又はエンドキャップ122及び126の材料選択の手段によって実現可能なものよりも、E×Bの全長にわたって必要なB/E比を満たすためのはるかに優れた柔軟性を実現する。
図7は、本発明の好ましい実施形態を示すE×B質量フィルタ700の四分の一切欠き等角投影図である。断面C−Cについては図8に示されている。磁極片702は、セラミック絶縁体704に取付けられており、セラミック絶縁体704は、磁石706(典型的にはネオジム−鉄−ボロン(NdFeB)若しくはサマリウム−コバルト(SmCo)の合金磁石、又はその他の類似の強力な永久磁石など)に取付けられている。本発明の範囲内の他の実施形態では、ここに示されている永久磁石706を電磁コイルに置き換えてもよい。磁石706(通常は一組であるがこの切欠き図700では一方のみ表示されている)は、典型的には比較的高飽和の磁性材料(ニッケル−鉄(例えば、NiFe43又はNiFe48)など)で構成されるヨーク708に取り付けられる。
図7では、質量分離を受けるイオンビームは、入射側エンドキャップ722に取付けられた入射側リング730のアパーチャ724を介して質量フィルタ700に入射する。種々の質量分離を受けるイオンビームは、出射側エンドキャップ726に取付けられた出射側リング732のアパーチャ728を介して質量フィルタ700から出射する。一般に、非選択のイオン種(すなわち、これらの種は試料上に集束するイオンビームにおいて望まれない)の偏向角度は、E場の軸(図7の左下から右上)に沿って偏向される。ほとんどの場合、この偏向によれば、これらの非選択イオンビームが出射側アパーチャ728を通過することが十分に少なくなり、E×B質量フィルタの下方の質量分離アパーチャ(図示せず)によって阻止することができる。選択イオンビームは、ほぼ、出射側アパーチャ728の中心を通過し、次いで、試料上に集束する。イオンビームの質量分離を実行する磁場は、二つの磁極片702の内面の間に形成される。これらの「ギャップ間磁場」824が図8に示される。
電場は、B場824に対して垂直方向に、電極742の組みの間に形成される。電極は、図示された好ましい実施形態では、絶縁体746を抑える取付ネジ744(ヨーク708に螺合する)によって内側方向に抑え込まれている。ヨーク708及びハウジング718のクリアランスホールを通じて放射状に外側方向に延びるロッド748を介して、電極742への電気的接続が作用する。ロッド748は、外側端部にコロナ防止用ボール754を有する。ここに示された電極及び磁極片の構成は、参照により援用する米国特許第4789787号(1988年12月6日登録)に記載された構成に対応するものである(当該特許文献の図4A及び4B参照)。入射側エンドキャップ722は、図1に示した従来のE×B質量フィルタにおけるスペーサ130の代わりに厚型外周リング792を有する。外周リング792は、外周リングの軸方向の磁気抵抗を増加するように作用するラジアルスロット750を有する。外周リング792の軸方向の磁気抵抗を低減するため、磁気シム790がスロット750に挿入されてもよい。シム790の数量、位置及び透磁率は機械的に調整可能であるので、広いレンジにかけて小刻みに、外周リング792の磁気抵抗を変化させることが可能であり、それによって、図1に示すような従来技術のE×B質量フィルタで達成可能なものよりもずっと精細なエンドキャップの磁気抵抗の調整が可能となる。同様の考慮事項が、厚型外周リング794及び磁気シム796を有する出射側エンドキャップ726のラジアルスロット756にも当てはまる。
ハウジング718は、エンドキャップ722及び726、及びヨーク708を共に圧着するクランプリング720(ネジ757によって螺合)で、ヨーク708を囲い込む。E×B質量フィルタの下方には、E×B質量フィルタ700から発生するビーム偏向誤差の補正に使用されるXYビーム偏向器782が設けられる。偏向器782は、本発明の一部ではない。
図1及び図2の従来の質量フィルタとは対照的に、本発明による質量フィルタ700は、B場分布とE場分布とのより厳密な整合を実現する。このより良い整合は、機械的に変更可能な磁気抵抗1010、1060、1032、1034、1082、及び1084(図10参照)によって可能となる。
図8は、本発明の好ましい実施形態を示すE×B質量フィルタの磁気回路のC−C側面断面図800である。矢印802〜834は、ギャップ、磁気材料及び磁石内の磁束の分布を示す。B場824は、E×B質量フィルタを通過するイオンビームに作用し、一般的には二つの電極742(図7では一つ)の間の電場によって誘導される電気力に近い又は同じ大きさで反対の方向の磁気力をイオンに与える。磁束822と826は、磁極片702とヨーク708との間にあって、磁石706及び絶縁体704を貫く。入射側エンドキャップ722及び入射側リング730内では、磁束802及び806は、常に左方向へ流れ、磁気回路の外側を流れる両方の戻り磁束の方向に対応し、さらに、漏れ磁束828と830とを磁石706の外側の端で繋げる。同様に、出射側エンドキャップ726及び出射側リング732内では、磁束808及び812は、常に左方向に流れ、磁気回路の外側を流れる両方の戻り磁束の方向に対応し、さらに、漏れ磁束832と834と磁石706の外側の端で繋げる。磁束814及び818は、入射側エンドキャップ722とヨーク708との間を繋ぎ、エンドキャップ722の外周リング792、さらにラジアルスロット750内のいずれかの磁気シム790を通過する。磁束816及び820は、出射側エンドキャップ726とヨーク708との間を繋ぎ、エンドキャップ726の外周リング794、さらにラジアルスロット756内のいずれかの磁気シム796を通過する。
ここで、入射側リング730内の入射側アパーチャ724内部のB場を検討する。上述した従来技術の質量フィルタとは異なり、本発明による質量フィルタでは、入射側及び出射側アパーチャ内の磁場の向きと大きさは、電場と磁場とを一致させるように調整することができ、それによって、E×Bフィルタ長にわたって、対向する電気力と磁気力とを等しくすることができる。図8に示すように、入射側アパーチャ724内のB場を打ち消すように、磁気シム790の数量、配置及び透磁率が設定され、そのため、アパーチャ724を横切る磁束が現れない(図2の磁束204と比較)。以下の図9A、9B及び10の検討では、入射側アパーチャ724内のB場の低減を達成するための構造及び方法について説明する。
上述したように、入射側エンドキャップ722及び入射側リング730の機能は、B場とE場の両方を、理想的には、E×B質量フィルタの軸に沿った距離の関数として減少するほぼ同一の比率で終端させることであり、これによって、正しいB/E比を維持することができる。入射側エンドキャップ722及び入射側リング730が十分な電気伝導率を有するので、E場はかなり急に終端する傾向にあり、通常アパーチャ724内にはE場がほとんどない。適切なE×B操作のためには、B場強度はE場に比例(軸上のいずれにおいても同一の比率)するものとすべきであり、したがって、B場も同様にアパーチャ724内で強さがほぼゼロに降下するものとしなければならない。同様の考慮事項が、エンドキャップ726に取付けられた出射側リング732のアパーチャ728内部のB場にも当てはまる。上述した従来技術の質量フィルタとは異なり、本発明の好ましい実施形態では、入射側アパーチャ724及び出射側アパーチャ728内のB場は、E場に比例するように、ほぼゼロの強さに降下するように形成することができる。ここに記載された本発明を利用し、適当な材料選択によって入射側エンドキャップ722、出射側エンドキャップ726、入射側リング730、出射側リング732、磁気シム790、及び磁気シム796を製造すると、入射側アパーチャ724及び出射側アパーチャ728内のB場を、磁極片702の間のギャップでのB場の最大値1112の1%未満に打ち消すことが可能となる(図11参照)。エンドキャップ、リング及びシムに好ましい材料の例としては、400シリーズステンレス鋼(特にSS430合金)などの適度な透磁率を有する材料を含む。
このように、本発明によれば、E×Bの入射口と出射口でのE場とB場の適切な整合を達成するための機械的な方法と構造が可能となる。当業者によく知られているとおり、より良い整合でE×B質量フィルタの収差が低減し、また、質量フィルタから出射するビームのより良いアライメントが可能となる。図9A、9B及び10の検討では、入射側アパーチャ724内のB場の低減を達成するための構造及び方法について説明する。出射側アパーチャ728内でも同じB場の低減が達成される。
図9Aは、本発明の好ましい実施形態のE×B質量フィルタの入射側エンドキャップ722、入射側リング730及びプラグシム906の概略平面図900である。入射側エンドキャップ722及び入射側リング730内の磁束分布が図8の矢印802及び806によって示されている。上述したように、入射側エンドキャップ722、入射側リング730及びシム790の数量、形状及び材料の適切な選択で、アパーチャ724内の磁場が、磁極片702の間のギャップにおけるB場の最大値の1%未満に低減する可能性がある。図9A及び9Bは、B場の大きさと方向の両方を含む、アパーチャ724内のB場全体をさらに制御可能にする本発明の好ましい実施形態のいくつかの追加の構成要素を示す。
入射側リング730は、入射側エンドキャップ722とは異なる材料で構成されてもよい。入射側リング730内では、図9A及び9Bに示すように、磁束ダム902がアパーチャ724の壁904を取り囲み、磁束の一部に対して高い磁気抵抗の障壁を形成する(通常磁束線914はアパーチャ724に近接して通過する(例えば、図3Aの磁束線304参照))。磁束線912は、磁束ダム902から遠くにあり、このため、入射側エンドキャップ722及び入射側リング730内で右から左方向への真っすぐな流れからわずかしか偏向しない。いくつかの場合では、アパーチャ724内及びその近傍でのE場とB場との最適な整合のために、B場がいくらか局所的に偏向することが望ましく、例えば、磁石706が(一般的に起こるように)非対称的に励磁するように製造されたE×B質量フィルタにおいて、B場の方向を補正するが可能である。
図9A及び9Bに示されるように、磁気プラグシム906が磁束ダム902の様々な部分に挿入されてもよい。磁気プラグシム906の材料選択では、典型的には、400シリーズステンレス鋼などの軟磁性材料、又はニッケル−鉄合金などの高透磁率の磁性材料を用いることができる。プラグシム906は四つの円弧状セグメントとして示されているが、他の様々な形状が本発明の範囲内でもあり、薄いリング、より大きな角度で閉じられた円弧、周辺部に可変の厚みを有する円弧なども含んでよい。アパーチャ724内のB場を測定しながら磁束ダム902内に一つ又は複数の磁気プラグシム906を配置することによって、入射側リング730の近傍及びアパーチャ724内のB場を最適化するようなE×B質量フィルタのリアルタイムでの機械的な調整が実現する可能性がある。図9Bは、本発明の好ましい実施形態のE×B質量フィルタのアパーチャ724についての入射側エンドキャップ722及び入射側リング730の概略のD−D側断面図950である。
図10は、図8に示された磁気回路に等価な電気回路1000である。この概略図では、図4と同様に、抵抗には、図7及び8のE×B質量フィルタの各種素子に対するそれぞれの対応が付されている。電源1002及び1004は、二つの磁石706の残留磁気(remanence)を表す電圧V0を有する。Rgap1006は、イオンが通過するE×Bの物理的なアパーチャに対応する磁極片702の間のギャップの磁気抵抗を表す。Ryoke1016は、磁石706によって誘導され図8の左側磁石706の右側から右側磁石706の左側へ向かう磁束の大部分を伝えるヨーク708の磁気抵抗を表す。Rflux valve 11032とRflux valve 21034は、厚型外周リング792の左右のラジアルスロット750(必要に応じて磁気シム790を含む)からなる二つの磁束バルブ(flux valves)の両端の(調整可能な)磁気抵抗に対応する。同様に、Rflux valve 31082とRflux valve 41084は、厚型外周リング794の左右のラジアルスロット756(必要に応じて磁気シム796を含む)からなる二つの磁束バルブの両端の(調整可能な)磁気抵抗に対応する。Raperture11008及びRendcap11010は並列であって、各々、入射側アパーチャ724の両端の磁気抵抗、及び(入射側エンドキャップ722及び入射側リング730内の)アパーチャ724の周りの磁気抵抗を表わす。Raperture21058及びRendcap21060は並列であって、各々、出射側アパーチャ728の両端の磁気抵抗、及び(出射側エンドキャップ726及び出射側リング732内の)アパーチャ728の周りの磁気抵抗を表す。最後に、四つの抵抗Rleak11012、Rleak21014、Rleak31062及びRleak41064は、磁極片702の端部と二つのエンドキャップ722及び726の内面との間の磁気抵抗を表す。8個の電位のノード1020、1022、1024、1026、1028、1030、1074及び1076は図8に示されており、そこでは、例えば、ノード1020の電位はV1020などと表記される。
図4での計算を図10にも同様に適用する。図10の磁気抵抗及び磁石に対応するように分かりやすく数値を置き換えた。図4と図10との一つの違いは、四つの固定のスペーサの磁気抵抗Rspacer1、Rspacer2、Rspacer3及びRspacer4が、四つの機械的に調整可能な磁束バルブの磁気抵抗Rflux valve1、Rflux valve2、Rflux valve3、及びRflux valve4に置き換えられていることである。また、固定のエンドキャップの磁気抵抗Rend cap 1及びRend cap 2も可変のエンドキャップの磁気抵抗に置換されている。入射側磁束バルブの磁気抵抗の調整は、ラジアルスロット750へ又はラジアルスロット750から、磁気シム790を挿入する又は除去すること、あるいは、ラジアルスロット750に異なる透磁率を有する磁気シム790を挿入することによって実施される。エンドキャップの磁気抵抗の調整は、磁束ダム902へ又は磁束ダム902から、磁気プラグシム90を挿入する又は除去することによって、あるいは、磁束ダム902へ異なる透磁率を有する磁気プラグシム906を挿入することによって実施される。
図4から得られた結論、特に方程式18及び式19は、図10にも適用され、RspacerをRflux valveに置き換えて変形させてもよい。
A/VC=Rgap/Ryoke=Rleak/Rflux valve, (式23)
flux valve=(Rleakyoke)/Rgap. (式24)
なお、式23において、Rleak対Rflux valveの比は、個々の磁気抵抗の値ではなく、E×Bの場の整合において全体に関するものである。したがって、エンドキャップと磁極片との間隔を近づける(Rleakが小さくなる)ことは、(シム790及び796を調整すること又はシム790及び796をさらに追加することによって)Rflux valveを対応するように小さくできれば、実行可能である。エンドキャップと磁極片との間隔を近づければ、本発明の好ましい実施形態によるE×Bフィルタの全体的な長さを短縮することができる。
非対称な入射口及び出射口の幾何構造(スペーサ及び/又はエンドキャップ設計)を持つ本発明の好ましい実施形態のE×B質量フィルタの場合、以下の式が成り立つ。
gap/Ryoke=Rleak 1/Rflux valve 1=Rleak 2/Rflux valve 2
=Rleak 3/Rflux valve 3=Rleak 4/Rflux valve 4. (式25)
図11は、本発明の好ましい実施形態の軸方向のB場分布1106を計算したグラフ1100である。横(X軸)方向のB場1104が、Z軸(イオンビームが伝搬する+Z方向)に沿う軸上位置1102に対してプロットされている。質量フィルタの入射側では、B場1110がピーク値1112から0テスラに滑らかに降下し、図5のようには負のディップ510を持たず、図6のようには第2のピーク610も持たない。同様に、質量フィルタの出射側では、B場1108が0テスラに滑らかに降下し、図5のようには負のディップ508を持たず、図6のようには第2のピーク608も持たない。このように、グラフ1100は、E場により近く一致するように入射側と出射側のB場を調整するための本発明の好ましい実施形態の有効性を示し、したがって最適なE×B操作のための場の整合基準を満たすのである。
本発明は、幅広い適用性を有しており、上記の例に記載され、示されたとおり、多くの利点を提供することができる。本実施形態は、特定の適用に応じて様々な変更が可能であるが、必ずしも全部の実施形態が、すべての利点を提供できるものではなく、本発明に従って達成できるすべての目的を満たすものでもない。本発明を実施するのに適した粒子ビームシステムは、例えば、本出願の譲受人であるFEI社から市販されている。
さらに、本発明の実施形態は、コンピュータハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合わせによって、又は非一時的(non−transitory)なコンピュータが読み取り可能なメモリに格納されたコンピュータ命令によって、実施可能であることを認識すべきである。本方法は、標準的なプログラミング技術を利用したコンピュータプログラム(コンピュータプログラムを伴って構成される非一時的なコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であって、本明細書に記載された方法及び図面に従う特定の定義済みの方法でコンピュータを動作させるように構成された記憶媒体を含む)によって実施することができる。各プログラムは、コンピュータシステムと通信するために、高級の手続き型言語又はオブジェクト指向プログラミング言語によって実施可能である。ただし、プログラムは、必要に応じてアセンブリ言語又は機械語によって実施されてもよい。いずれの場合でも、言語はコンパイル言語又はインタープリタ言語であってよい。さらに、プログラムは、その目的のためにプログラムされた専用の集積回路上で実行することができる。
また、この方法は、いずれの形式のコンピュータプラットフォームでも実施可能である。これは特に限定されるものでなく、パーソナルコンピュータ、ミニコンピュータ、メインフレーム、ワークステーション、ネットワーク又は分散コンピューティング環境、分離しているコンピュータプラットフォーム、荷電粒子装置又は他の撮像素子と統合された又は通信可能な機器などを含む。本発明の態様は、記憶媒体又はデバイスに格納された機械可読コードにおいて実施でき、記憶媒体又はデバイスは、可搬式であってもよいし、コンピュータプラットフォームと一体であってもよく、例えば、ハードディスク、光学式読み取り・書き込み可能な記憶媒体、RAM、ROMなどがある。すなわち、本明細書に記載の手順を実行するコンピュータによって記憶媒体又はデバイスが読み出されたとき、そのコンピュータを設定・動作させることができように、プログラムで制御できるコンピュータによって読み取り可能なものであればよい。さらに、機械可読コード又はその一部は、有線又は無線ネットワーク経由で送信することができる。本明細書に記載された発明は、マイクロプロセッサ又は他のデータプロセッサと協働して上記の手順を実行するための命令又はプログラムを含む場合、これら又はその他の各種のコンピュータ可読記憶媒体を含むものである。また、本発明は、本明細書に記載された方法及び技術に従ってプログラムされている場合、コンピュータそれ自体も含むものである。
コンピュータプログラムには、ここに記載された関数を演算するための入力データを適用することができ、出力データを生成するように入力データを変換することができる。出力情報は、ディスプレイモニターなどの一つ又は複数の出力デバイスに適用されてもよい。本発明の好ましい実施形態では、変換されたデータは、物理的な及び有形のオブジェクトを表すものであり、これらはディスプレイ上で物理的な及び有形のオブジェクトの特定の視覚的描写を生成することを含む。
本明細書中で使用される用語「B場」と「磁場」とは同じ意味で使用されている。用語「FIB」又は「集束イオンビーム」は、本明細書中ではいずれのコリメートされたイオンビームも指すように使用されており、イオン光学系によって集束されるイオンビーム及び成形されたイオンビームも含む。また、「エンドキャップ内」、「エンドキャップ近傍」又は「アパーチャ近傍」の磁場についての議論では、エンドキャップ内面と、磁極片の端部と、アパーチャ入射口及び出射口内との間の領域を含むと理解される。
本発明及びその利点について詳細に説明したが、ここに記載された実施形態に対しては、添付された特許請求の範囲により定められる本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換及び修正が可能であると理解されるべきである。さらに、本出願の範囲については、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法及びステップの特定の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、本発明、プロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法又はステップの開示によって、既存の技術、又は本明細書に記載された実施形態に対応し、実質的に同じ機能を果たしたり、実質的に同じ効果を奏したりする将来技術についても、本発明に従って利用可能であると容易に理解することができる。したがって、添付された特許請求の範囲は、上記のようなプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法及びステップをその範囲に含むものである。
700 E×B質量フィルタ
702 磁極片
706 磁石
708 ヨーク
722 入射側エンドキャップ
724 入射側アパーチャ
726 出射側エンドキャップ
728 出射側アパーチャ
750、756 ラジアルスロット
790、796 磁気シム
902 磁束ダム
906 磁気プラグシム

Claims (20)

  1. 質量フィルタ内で電場を形成する電極の組みと、
    前記質量フィルタ内で前記電場に直交する磁束を形成する磁石の組みと、
    前記電極及び磁石を保持し、前記磁束の戻り経路を形成するヨークと、
    ビームを前記質量フィルタに入射させる入射側アパーチャを含み、自己と前記ヨークとの間の磁気抵抗を機械的に調整可能である入射側エンドキャップと、
    前記ビームを前記質量フィルタから出射させる出射側アパーチャを含み、自己と前記ヨークとの間の磁気抵抗を機械的に調整可能である出射側エンドキャップと、を備えることを特徴とする荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  2. 前記入射側エンドキャップと前記ヨークとの間の磁気抵抗が磁気シムを使用して調整され、前記出射側エンドキャップと前記ヨークとの間の磁気抵抗が磁気シムを使用して調整されることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  3. 前記磁気シムが前記入射側及び出射側アパーチャ内の磁場を大幅に低減するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  4. 前記磁気シムが入射側及び/又は出射側アパーチャ内の磁場の方向を変更するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  5. 前記磁気シムが前記入射側及び出射側アパーチャ内の磁場を前記質量フィルタ内の最大の磁束の1%未満の大きさに低減するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  6. 前記入射側アパーチャを囲む入射側磁束ダムと、
    前記入射側アパーチャ内の磁場の方向及び大きさを調整するように前記入射側磁束ダムに設けられる複数の磁気プラグシムと、
    前記出射側アパーチャを囲む出射側磁束ダムと、
    前記出射側アパーチャ内の磁場の方向及び大きさを調整するように前記出射側磁束ダムに設けられる複数の磁気プラグシムと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  7. 前記入射側及び出射側アパーチャ内の磁場の大きさが前記質量フィルタ内の最大の磁束の1%未満の大きさに調整されることを特徴とする請求項6に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  8. 前記磁気シム及び前記磁気プラグシムが、前記E×Bフィルタの全長にわたって、対向する電気力と磁気力とを等しくするように使用可能であることを特徴とする請求項6に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  9. 前記質量フィルタ内の磁場の調整は、前記質量フィルタを形成するいずれの構成要素の材料も変更せずに達成可能であることを特徴とする請求項6に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  10. 前記磁石の組みは、永久磁石の組みを含むことを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  11. 前記磁石の組みは、電磁石の組みを含むことを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  12. 質量フィルタ内で電場を形成する電極の組みと、
    前記質量フィルタ内で前記電場に直交する磁束を形成する磁石の組みと、
    前記電極及び磁石を保持し、前記磁束の戻り経路を形成するヨークと、
    ビームを前記質量フィルタに入射させる入射側アパーチャを含み、自己の外縁には第1の溝があり、自己と前記ヨークとの間の磁気抵抗を調整するように前記第1の溝に複数の磁気シムが設けられる入射側エンドキャップと、
    前記ビームを前記質量フィルタから出射させる出射側アパーチャを含み、自己の外縁には第2の溝があり、自己と前記ヨークとの間の磁気抵抗を調整するように前記第2の溝に複数の磁気シムが設けられる出射側エンドキャップと、を備えることを特徴とする荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  13. 前記磁気シムが前記入射側及び出射側アパーチャ内の磁場を大幅に低減するように構成されることを特徴とする請求項12に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  14. 前記磁気シムが前記入射側及び出射側アパーチャ内の磁場を前記質量フィルタ内の最大の磁束の1%未満の大きさに低減するように構成されることを特徴とする請求項12に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  15. 前記入射側アパーチャを囲む入射側磁束ダムと、
    前記入射側アパーチャ内の磁場の方向及び大きさを調整するように前記入射側磁束ダムに設けられる複数の磁気プラグシムと、
    前記出射側アパーチャを囲む出射側磁束ダムと、
    前記出射側アパーチャ内の磁場の方向及び大きさを調整するように前記出射側磁束ダムに設けられる複数の磁気プラグシムと、を備えることを特徴とする請求項12に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  16. 前記入射側及び出射側アパーチャ内の磁場の大きさが前記質量フィルタ内の最大の磁束の1%未満の大きさに調整されることを特徴とする請求項15に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  17. 前記磁気シム及び前記磁気プラグシムが、前記E×Bフィルタの全長にわたって、対向する電気力と磁気力とを等しくするように使用可能であることを特徴とする請求項15に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  18. 前記質量フィルタ内の磁場の調整は、前記質量フィルタを形成するいずれの構成要素の材料も変更せずに達成可能であることを特徴とする請求項15に記載の荷電粒子ビームの質量フィルタ。
  19. 荷電粒子ビームの質量フィルタの入射側及び出射側アパーチャ内の磁場を機械的に調整する方法であって、
    (a)前記質量フィルタ内で電場を形成する電極の組みと、前記質量フィルタ内で前記電場に直交する磁束を形成する磁石の組みと、前記電極及び磁石を保持し、前記磁束の戻り経路を形成するヨークと、前記ビームを前記質量フィルタに入射させる入射側アパーチャを含み、自己と前記ヨークとの間の磁気抵抗を機械的に調整可能である入射側エンドキャップと、前記ビームを前記質量フィルタから出射させる出射側アパーチャを含み、自己と前記ヨークとの間の磁気抵抗を機械的に調整可能である出射側エンドキャップと、を備える荷電粒子ビームの質量フィルタを準備し、
    (b)前記入射側アパーチャ内又はその近傍の磁場を測定する磁場測定装置を設定し、
    (c)前記入射側アパーチャ内又はその近傍で測定された磁場が前記質量フィルタ内の最大の磁束の1%未満に低減されるように、前記入射側エンドキャップと前記ヨークとの間の磁気抵抗を機械的に調整し、
    (d)前記出射側アパーチャ内又はその近傍の磁場を測定する磁場測定装置を設定し、
    (e)前記出射側アパーチャ内又はその近傍で測定された磁場が前記質量フィルタ内の最大の磁束の1%未満に低減されるように、前記出射側エンドキャップと前記ヨークとの間の磁気抵抗を機械的に調整することを含むことを特徴とする方法。
  20. 前記荷電粒子ビームの質量フィルタは、
    さらに、前記入射側アパーチャを囲む入射側磁束ダムと、
    前記入射側磁束ダム内に設けられる複数の磁気プラグシムと、
    前記出射側アパーチャを囲む出射側磁束ダムと、
    前記出射側磁束ダム内に設けられる複数の磁気プラグシムと、備え、
    前記方法は、
    さらに、入射側アパーチャ内又はその近傍の磁場の方向及び大きさを測定する磁場測定装置を設定し、
    前記入射側アパーチャ内の磁場の方向及び大きさを調整するように前記入射側磁束ダム内の磁気プラグシムを機械的に設定し、
    出射側アパーチャ内又はその近傍の磁場の方向及び大きさを測定する磁場測定装置を設定し、
    前記出射側アパーチャ内の磁場の方向及び大きさを調整するように前記出射側磁束ダム内の磁気プラグシムを機械的に設定することを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
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