JP2013117329A - 粉体熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1,500℃前後もしくはそれ以上の高温で粉体材料を熱処理する場合に、加熱段階で粉体材料から生じるガスの円滑な抜き出しが可能であると共に、冷却段階におけるブリッジ発生も阻止することが可能であって、粉体材料の流動性を確保することができ、また、粉体材料を均質に熱処理することも可能な粉体熱処理装置を提供する。
【解決手段】粉体材料Pを装入する上方装入部3と、粉体材料を重力方向下方へ案内しつつ熱処理するガイドシャフト7と、粉体を排出する下方排出部4と、ガイドシャフトの上方から下方へ向けて挿入され、ガイドシャフト内の粉体材料の粉面部分及びその周辺を撹拌するための上側撹拌部材20と、ガイドシャフトの下方から上方へ向けて、上側撹拌手段20に対し距離を隔てて挿入され、ガイドシャフト内の粉体材料を撹拌するための下側撹拌部材5とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、1,500℃前後もしくはそれ以上の高温で粉体材料を熱処理する場合に、加熱段階で粉体材料から生じるガスの円滑な抜き出しが可能であると共に、冷却段階におけるブリッジ発生も阻止することが可能であって、粉体材料の流動性を確保することができ、また、粉体材料を均質に熱処理することも可能な粉体熱処理装置に関する。
従来、粉体を熱処理する設備として、特許文献1が知られている。特許文献1の「粉体処理用シャフト炉」は、簡単な構成で、原料供給ホッパー内でのブリッジ形成防止、粉体間空気の大幅減少による粉体の酸化防止等を可能とした粉体処理用シャフト炉を提供することを課題とし、下端に原料供給管を、上部に原料補給バルブを有し、かつ原料供給管に原料供給バルブを備えた密閉式原料供給ホッパーと、装入室と、加熱部および冷却部を備えた炉本体と、間欠式排出装置を備えた排出室とを前記順序で連結し、原料供給管を装入室内に位置させて円筒状シャフトの上端が装入室内で原料供給管に対向し、下端が排出室に位置するように炉本体を上下に貫通配設し、原料供給ホッパー内の原料粉体を円筒状シャフトの上端に供給し、排出板で処理粉体を間欠的に切り出すように粉体処理用シャフト炉を構成している。
粉体を処理する一般的な設備において、粉体のブリッジを防止する技術としては、特許文献2〜6が知られている。
特許文献2の「ホッパー装置」は、広い範囲を小さな力で撹拌することに有利なブリッジ防止機構を備えるホッパー装置を提供することを課題とし、ホッパー装置は、粉粒状体を収容し、下部に設けられた排出口が開かれることにより排出口を通して粉粒状体を排出する貯留容器と、貯留容器の内部に粉粒状体によってブリッジが形成されることを防止するブリッジ防止機構とを備える。ブリッジ防止機構は、回転軸と、回転軸の中心軸に対して傾斜した1又は複数の傾斜面に沿って回転軸から放射状に延びる複数の撹拌棒とを含む。
特許文献3の「粉粒体貯蔵タンク装置」は、インターナルフロー現象、ブリッジ現象、或いは残留・固着現象などの発生を防止し、収容されている粉粒体をスムーズに流出させることにより先入れ先出しを保証し、且つ構造が簡単で、しかも従来のこの種の装置に後付けすることもできる粉粒体貯蔵タンク装置を提供することを課題とし、筒状体の下部に逆円錐形状をしたコーン部が連接され、このコーン部の下端頂部に排出口が設けられたタンク本体を備える粉粒体貯蔵タンク装置において、タンク本体の内部に、頂部を開口した円錐部をコーン部から支持脚により所定の間隔をあけて設置して構成されている。
特許文献4の「粉体のブリッジ防止・除去装置」は、粉体貯留タンク内に於ける粉体のブリッジの発生防止や粉体貯留タンク内に発生した粉体のブリッジの除去を行え、然も、既設の粉体貯留タンクにも簡単且つ容易に設置することができるようにすることを課題とし、上端部に粉体の投入口を、又、下端部に粉体の排出口を夫々有し、下部がホッパ状に形成された粉体貯留タンクに設置される粉体のブリッジ防止・除去装置であって、前記ブリッジ防止・除去装置は、粉体貯留タンク内に貯留されている粉体の層内に配置された振動体と、振動体に取り付けられ、振動体を振動させる振動機と、振動体及び振動機を粉体貯留タンクに支持する支持体とから成り、粉体貯留タンク内の粉体に直接振動を与えられるように構成している。
特許文献5の「粉砕物の貯蔵タンク」は、貯蔵された粉砕物に排出口の直上でブリッジ化や空洞化を起こさせることなく、スムーズに排出口から排出できる粉砕物の貯蔵タンクを提供することを目的とし、粉砕され回収された粉砕物を貯蔵するタンク本体と、タンク本体の下部に設けられた粉砕物の排出口とを備える粉砕物の貯蔵タンクにおいて、前記タンク本体内に貯蔵された前記粉砕物の上端と前記排出口に到る部分を上下方向に機械的に移動させる粉砕物の空洞化およびブリッジ化防止手段を備えている構成としている。
特許文献6の「サイロのブリッジ解消装置」は、粉体を貯留するサイロ本体の下端に取出口を設け、取出口の上部位置にサイロ本体内に高圧空気を噴き出す複数の高圧空気ノズルを設けた。他系統へ高圧空気を送気する高圧空気供給管をクーラーの手前で分岐して高圧空気供給管の分岐管を形成し、分岐管を高圧空気ノズルに連結した構成とし、クーラーの手前において分流した高温の乾燥した高圧空気が分岐管を通して高圧空気ノズルからサイロ本体に噴出することにより、粉体に湿気を与えることなくサイロ本体における粉体のブリッジ現象を防止することができる。既存の高圧空気を利用しているので、設備の簡略化およびコストの低減を図ることができる。
特開2001−26413号公報 特開2010−6402号公報 特開2001−278384号公報 特開2003−63590号公報 特開平8−333024号公報 実開平5−58692号公報
リチウムイオン二次電池用負極活物質や、生コークス、ピッチ、樹脂等に含まれるカーボン粉を黒鉛化処理して炭素粉末を製造する装置では、1,500〜2,000℃以上の高温で粉体材料を熱処理する。加熱段階では、粉体材料に含まれる不純物がガス化し、発生したガスによって粉体同士が固着し塊となってしまって、材料の流動性が阻害される。また、冷却段階では、粉体材料同士が凝集してブリッジが形成され、これによっても材料の流動性が阻害される。
これら粉体材料の流動性阻害に対しては、特許文献2〜6に開示されている撹拌操作が有効であるが、1,500℃以上という高温の熱処理に対し、これら特許文献に示されている、ほぼ常温で使用されるホッパー装置等に設備されるブリッジ防止機構等をそのまま適用することはできなかった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、1,500℃前後もしくはそれ以上の高温で粉体材料を熱処理する場合に、加熱段階で粉体材料から生じるガスの円滑な抜き出しが可能であると共に、冷却段階におけるブリッジ発生も阻止することが可能であって、粉体材料の流動性を確保することができ、また、粉体材料を均質に熱処理することも可能な粉体熱処理装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる粉体熱処理装置は、粉体材料を装入する上方装入部と、該上方装入部の下方に連設され、装入された粉体材料を重力方向下方へ案内しつつ熱処理する熱処理部と、該熱処理部の下方に連設され、熱処理された粉体を排出する下方排出部と、上記熱処理部の上方から下方へ向けて挿入され、該熱処理部内の粉体材料の粉面部分及びその周辺を撹拌するための上側撹拌部材と、上記熱処理部の下方から上方へ向けて、上記上側撹拌手段に対し距離を隔てて挿入され、該熱処理部内の粉体材料を撹拌するための下側撹拌部材と、これら上側撹拌部材及び下側撹拌部材を駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とする。
前記上側撹拌部材は黒鉛製であり、該上側撹拌部材には金属製動力伝達部材が連結され、該金属製動力伝達部材が前記熱処理部にシール材を介して回転・摺動自在に挿通されることを特徴とする。
前記上側撹拌部材及び前記下側撹拌部材の少なくともいずれか一方には、その内部に加熱装置が内蔵されていることを特徴とする。
本発明にかかる粉体熱処理装置にあっては、1,500℃前後もしくはそれ以上の高温で粉体材料を熱処理する場合に、加熱段階で粉体材料から生じるガスを円滑に抜き出すことができると共に、冷却段階におけるブリッジ発生も阻止することができて、粉体材料の流動性を確保することができ、また、粉体材料を均質に熱処理することもできる。
本発明に係る粉体熱処理装置の好適な一実施形態を示す側断面図である。 図1中、A部拡大断面図である。 図1に示した粉体熱処理装置に用いられる上側及び下側撹拌部材の変形例を示す要部拡大側面図である。 図3中、B−B線矢視断面図である。 図1に示した粉体熱処理装置における粉体材料の流動状態を説明するための説明図である。 図1の粉体熱処理装置の下側撹拌部材に加熱装置を内蔵した様子を示す概略構成図である。
以下に、本発明に係る粉体熱処理装置の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1には、本実施形態に係る粉体熱処理装置1の側断面図が示されている。本実施形態に係る粉体熱処理装置1は主に、上方部分が高さ方向に真直であって、下方部分が二股に分岐して形成された中空筒状の炉体シェル2と、炉体シェル2の上方かつ側方に配置され、炉体シェル2内部へ粉体材料Pを装入する上方装入部3と、炉体シェル2の下方部分に設けられ、炉体シェル2内部から、熱処理された粉体Pを排出する下方排出部4とを備えて構成される。
粉体材料Pは、例えばリチウムイオン二次電池用負極活物質や生コークス、ピッチ、樹脂等であって、これらを1,500〜2,000℃以上の高温に加熱して黒鉛化処理することにより、炭素粉末が得られる。もちろん、その他の粉体材料であっても良いことはもちろんである。
炉体シェル2は、粉末材料Pを熱処理する熱処理部を構成する。熱処理部は、加熱帯Hと冷却帯Cとから構成される。加熱帯Hは、炉体シェル2の上方部分に備えられ、冷却帯Cは、二股に分岐されることで斜め下方へ延出された一方の下方部分に備えられる。二股に分岐されることで炉体シェル2の高さ方向下方へ延出された他方の下方部分は、後述する下側撹拌部材5を設備するための挿通部6を構成する。下方排出部4は、冷却帯C側に設けられる。
炉体シェル2の内部には、当該炉体シェル2との間に隙間を隔てて、ガイドシャフト7が設けられる。ガイドシャフト7は、黒鉛など耐熱性に優れる素材で形成される。ガイドシャフト7は、下方部分を二股に分岐した炉体シェル2とほぼ同じ形態で、中空筒体状に形成され、加熱帯Hから冷却帯C及び挿通部6にわたって設けられる。
加熱帯Hにおいて、炉体シェル2とガイドシャフト7との間には、ガイドシャフト7を取り囲む配置でヒータ8が設けられると共に、ヒータ8と炉体シェル2との間には、断熱材9が充填される。ヒータ8は、ガイドシャフト7を加熱し、これによりガイドシャフト7内部を昇温する。
他方、冷却帯Cにおいて、炉体シェル2とガイドシャフト7との間の隙間には、冷却水Wが外部から循環供給され、これにより、ガイドシャフト7内部を冷却するための水冷ジャケット10が構成される。
炉体シェル2の上部には、ガイドシャフト7の上端開口部7aを覆って、気密性を有する中空ボックス状の上部シェル11が設けられる。上部シェル11には、ガイドシャフト7内へ粉体材料Pを装入する上方装入部3が接続される。
上方装入部3は、熱処理する粉体材料Pをガイドシャフト7の加熱帯Hへ供給するために一時的に貯留する供給ホッパー12と、供給ホッパー12の下端開口に設けられ、開閉作動されて粉体材料Pを供給ホッパー12から払い出す開閉弁13と、開閉弁13に一端が接続されると共に他端が上部シェル11内部に挿入され、開閉弁13から払い出される粉体材料Pをガイドシャフト7内へ流下させるシュート14とから構成され、シュート14が上部シェル11に接続されることで、上方装入部3の下方に熱処理部の加熱帯Hが連設される。
上方装入部3からガイドシャフト7内に装入される粉体材料Pは、加熱帯Hから冷却帯C及び挿通部6にわたって充満する。炉体シェル2の冷却帯C下端には、下方排出部4が設けられる。
下方排出部4は、ガイドシャフト7の下端開口部7bと連通する切り出し穴15aを有するロータリーディスク15と、炉体シェル2に取付支持され、ロータリーディスク15がその内部で摺動回転するのを案内すると共に、切り出し穴15aに連通される排出ポート16aが下端開口部7b位置を避けて形成された水冷式のディスクハウジング16と、ディスクハウジング16に設けられ、ロータリーディスク15を回転駆動する回転モータ17とから構成され、ディスクハウジング16が炉体シェル2に接続されることで、熱処理部の冷却帯Cの下方に下方排出部4が連設される。
冷却帯Cで冷却された粉体Pは、ガイドシャフト7の下端開口部7bと連通したロータリーディスク15の切り出し穴15aへ向かって流れ込み、流れ込んだ粉体Pは、回転モータ17によるロータリーディスク15の回転動作でガイドシャフト7から切り出されて、ディスクハウジング16内を排出ポート16aへ向かって移送され、その後、切り出し穴15aが排出ポート16aに連通することで、ディスクハウジング16内から外方へ排出されるようになっている。
加熱帯Hから冷却帯C及び挿通部6にわたって粉体材料Pが充満している状態で、ロータリーディスク15により下方排出部4から粉体Pを排出しつつ、開閉弁13により供給ホッパー12から粉体材料Pを供給することで、ガイドシャフト7は粉体材料Pを重力方向下方へ案内し、これにより粉体材料Pは炉体シェル2内部で連続的に熱処理される。
粉体材料Pの加熱処理により、ガイドシャフト7内にはガスが発生する。ガイドシャフト7の上方に位置してその上端開口部7aと連通する上部シェル11には、ガスを排出するためのガス排出管18が接続される。ガス排出管18には、ガイドシャフト7内部の圧力を制御するために、開度調節自在な調節弁19が設けられる。
熱処理部の加熱帯H位置に対応するガイドシャフト7内部には、上方から下方へ向けて、ガイドシャフト7内に充満される粉体材料Pの粉面部分(上部表面部分)及びそれより深さ方向下方を含む周辺を、ガイドシャフト7内面からその中央にわたって撹拌・流動させるための上側撹拌部材20が挿入される。
上側撹拌部材20は本実施形態にあっては、先端が尖ったロッド状であって、その周面には、周方向に間隔を隔ててかつ長さ方向に多段に撹拌用のパドル20aが設けられている。上側撹拌部材20は、耐熱性に優れる黒鉛製で形成される。上側撹拌部材20には、高温のガイドシャフト7内に挿入される先端と反対側であって、温度の低い上部シェル11内部に位置される基端に、ロッド状に形成された金属製動力伝達部材21が連結される。
上部シェル11上には上部架台22が設置され、上部架台22に搭載された上部駆動手段23の出力軸に、動力伝達部材21を介して、上側撹拌部材20が連結される。上部シェル11には、動力伝達部材21を挿通させる上部貫通孔24が形成される。これにより、上側撹拌部材20は、上部架台22側からガイドシャフト7内方へ挿入して設置される。
上部駆動手段23は、ネジ機構等を備えて、その出力軸から、正逆往復回転運動及び上下方向往復直線運動を出力し、これにより上側撹拌部材20を、ガイドシャフト7内で正逆回転作動と同時に上下方向往復作動する。
図2に示すように、上部貫通孔24には、上部シェル11の気密性を高く保持することができ、かつ金属製の動力伝達部材21を回転摺動自在かつ上下方向摺動自在に挿通することができるシール材25が設けられる。
異種材料である黒鉛製の上側撹拌部材20と金属製の動力伝達部材21との接続は、例えば図2に示すように、直線運動の伝達を確保するために、動力伝達部材21の端部フランジ21a外周に形成した雄ねじ部21b(図中、端部フランジ21aの断面をハッチングにて示している)に、上側撹拌部材20の端部フランジ20bに係合するカップリング部材26の内周に形成した雌ネジ部26aを螺合し、そしてまた、回転運動の伝達を確保するために、これら上側撹拌部材20及び動力伝達部材21の軸心を避けて、それらの端部フランジ20b,21aに形成したキー溝に、キー27を嵌合すればよい。
熱処理部の加熱帯H位置に対応するガイドシャフト7内部には、下方から上方へ向けて、ガイドシャフト7内に充満される粉体材料Pをガイドシャフト7内面からその中央にわたって撹拌・流動させるための下側撹拌部材5が挿入される。下側撹拌部材5は、上側撹拌部材20に対し、ガイドシャフト7の高さ方向に距離を隔てて配置される。従って、ガイドシャフト7内には、撹拌部材5,20が存在しない領域Zが設定される。
下側撹拌部材5は上側撹拌部材20と同様に、先端が尖ったロッド状であって、その周面には、周方向に間隔を隔ててかつ長さ方向に多段に撹拌用のパドル5aが設けられる。下側撹拌部材5も、耐熱性に優れる黒鉛製で形成される。
炉体シェル2の挿通部6直下には下部架台28が取り付けられ、下部架台28に搭載された下部駆動手段29の出力軸に、下側撹拌部材5が直結される。挿通部6下端には、下側撹拌部材5を挿通させる下部貫通孔30が形成される。これにより、下側撹拌部材5は、下部架台28側からガイドシャフト7内方へ挿入されて設置される。
下部駆動手段29は、上部駆動手段23と同様に、出力軸から、正逆往復回転運動及び上下方向往復直線運動を出力し、これにより下側撹拌部材5を、ガイドシャフト7内で正逆回転作動と同時に上下方向往復作動する。
下部貫通孔30には、上部貫通孔24と同様に、気密性を保持しつつ、下側撹拌部材5を回転摺動自在かつ上下方向摺動自在に挿通させるシール材31が設けられる。下側撹拌部材5に対しても、上側撹拌部材20と同様に、金属製動力伝達部材を連結し、この動力伝達部材をシール材31に対し挿通して、気密性を高めるようにしても良い。
ガイドシャフト7には、粉体熱処理装置1の運転を制御するために、装入された粉体材料Pの粉面位置を検出するレーザー式の位置センサ32や、内部温度を検出するための温度センサ33が設けられる。位置センサ32は、高温な熱処理部Hに対し、ガラスなどの透明な素材で遮断して取り付けられる。
次に、本実施形態に係る粉体熱処理装置1の作用について説明する。加熱帯Hから冷却帯C及び挿通部6にわたって粉体材料Pが充満している運転状態に際し、下方排出部4から熱処理した粉体Pを排出するのに応じて、上方装入部3から粉体材料Pを供給することにより、ガイドシャフト7により粉体材料Pを重力方向下方へ案内して、連続的に粉体材料Pの熱処理が行われる。
運転制御における粉体材料Pの装入タイミングは、ロータリーディスク15による排出操作と対応させつつ、例えば粉体材料Pの温度が1,500℃となる高さ位置に、位置センサ32による検出ポイントを設定しておき、位置センサ32で粉体材料Pが検出されなくなったならば、新たに粉体材料Pを装入したり、あるいは温度センサ33で検出される粉面位置の温度が例えば1,500℃に達したならば、新たに粉体材料Pを装入するように、開閉弁13が制御される。
上方装入部3から加熱部Hに新たに装入される粉体材料Pは、シュート14により、既にガイドシャフト7内部に充満している粉体材料Pの上に積み上げられ、粉面部分を形成する。装入直後の粉体材料Pには、不純物が含有されていて、粉面部分及びそれより深さ方向下方を含む周辺に滞留する粉体材料Pからは、ヒータ8で加熱されて順次昇温していく過程で、不純物がガス化する。
正逆回転作動及び上下方向往復作動される上側撹拌部材20は、粉面部分及びその周辺の粉体材料Pを撹拌して流動化させるので、発生したガスを、粉体材料P相互間に滞留させることなく、流動する粉体材料P相互間から、そしてまた上側撹拌部材20に沿って、粉面上方へと円滑に放出することができる。
また、上側撹拌部材20による撹拌作用により、当該上側撹拌部材20周囲であっても、ガイドシャフト7内面近傍であっても、粉体材料Pを均質に加熱処理することができると同時に、ムラなくガスを放出させることができる。このように、耐熱性を有する黒鉛製の上側撹拌部材20によって、粉面部分及びその周辺部分の粉体材料Pからの脱ガス処理を的確に行うことができる。放出されたガスは、ガス排出管18から排出される。
さらに、上側撹拌部材20の正逆回転作動及び上下方向往復作動により、ガイドシャフト7内面から遠隔な粉面部分に埋没されている粉体材料Pを掘り出して高温の内部雰囲気に晒すことができる。これにより、加熱に有利なガイドシャフト7内面近傍の粉体材料Pと対比しても、上側撹拌部材20周りの粉体材料Pを遜色なく加熱処理することができる。
下方排出部4の排出操作で重力方向下方へ移動する粉体材料Pは、上側撹拌部材20よりも下方に達すると、ヒータ8により安定的に加熱され、適切に黒鉛化処理される。
粉体材料Pは、さらに下方へ移動されると、上側撹拌部材20と同様に、黒鉛製の下側撹拌部材5による撹拌作用を受け、これによりガイドシャフト7内での流動性が高められる。このように高い流動性を確保できることで、粉体材料Pが部分的に急冷されることを防止できると共に、熱処理速度を一定化することができ、さらに下側撹拌部材5周りの粉体材料Pとガイドシャフト7内面近傍の粉体材料Pとを、均質に熱処理することができる。
加熱帯Hで加熱処理された粉体材料Pはその後、冷却ジャケット10を備える冷却帯Cへ移動し、下方排出部4へ達するまでの間に、冷却処理される。冷却処理された粉体Pは、下方排出部4から排出される。冷却帯Cに移動する前に、下側撹拌部材5で粉体材料Pの流動性を高めて部分的な急冷を防止しているので、冷却帯Cでブリッジが発生することを防止することができる。
詳細には図5(a)に示すように、上側撹拌部材20と下側撹拌部材5を連結して一連に形成した単一の撹拌部材Gを使用する場合を考えると、当該撹拌部材Gの回転及び上下動により、撹拌部材G周りの粉体材料Pが撹拌部材Gに沿って早々と流下して、粉体上面Sに窪みDが生じてしまう。すなわち、ガイドシャフト7の内面近傍と、撹拌部材Gの周囲近傍で、粉体材料Pの移動速度V,v(V>v)が異なってしまうため、必要な熱処理を適切に施すことができない。
これに対し、本実施形態では図5(b)に示すように、上記単一の撹拌部材Gを寸断した形態で、上側撹拌部材20に対し、距離を隔てて下側撹拌部材5を設けるようにしていて、これにより、ガイドシャフト7内部に撹拌部材5,20が存在しない領域、すなわち粉体材料Pの滞留領域Zを形成することができる。これにより、上側撹拌部材20近傍での流下を止めることができるため、粉体材料Pは上部で循環移動を生じることとなり、粉体材料Pに対する加熱処理及びガス放出を十分に行うことができる。また同時に、下側撹拌部材5の近傍でも、粉体材料Pに循環移動を生じさせることができる。
また、図1に示すように、ガイドシャフト7内部の温度分布は、ガイドシャフト7における上端開口部7a側の加熱帯H上端(図中、7Uで示す)が、新規に装入される低温の粉体材料Pや上部シェル11からの熱的影響によって比較的温度が低いと共に、ガイドシャフト7における冷却帯Cに連なる加熱帯H下端(図中、7Lで示す)も、冷却帯Cからの伝熱などの熱的影響を受けて比較的温度が低いのに対し、ガイドシャフト7中央部(図中、7Cで示す)において最大温度となる。
撹拌部材を、上側撹拌部材20及び下側撹拌部材5として、それらの間に最大温度となる滞留領域Zが設定されるようにしたので、この滞留領域Zで粉体材料Pを十分に加熱することができると同時に、撹拌部材5,20が過度の高温に晒されることを防止して、撹拌部材5,20の耐久性を確保することができる。
また、上述したように、ガイドシャフト7の下部においても、下側撹拌部材5で粉体材料Pの循環移動を生じさせることができるため、粉体材料Pが冷却され始めてブリッジを発生しやすい状況を回避することができる。
以上のように、上側撹拌部材20及び下側撹拌部材5により、脱ガス処理及び粉体材料Pの均一加熱を確保することができ、ガス放出を促進し、ブリッジも回避できるため、これまで困難であったガイドシャフト7の口径を大径化することができ、生産性を向上することができる。
上側撹拌部材20に金属製動力伝達部材21を連結し、この動力伝達部材21を、上部シェル11にシール材25を介して回転・摺動自在に挿通するようにしたので、炉体シェル2内部の熱処理部に高い気密性を確保することができる。
特許文献1を前提技術として、円筒状シャフトの内部に、粉体を処理する一般的な設備に適用されて撹拌作用で粉体のブリッジを防止する、特許文献2〜6に係る技術を適用することが考えられるが、上述したように、1,500℃以上という高温の熱処理に対し、これら特許文献に示されている、ほぼ常温で使用されるホッパー装置等に設備されるブリッジ防止機構等をそのまま適用することはできない。加えて、本実施形態に係る粉体熱処理装置1では、単に撹拌操作するにとどまらず、上側撹拌部材20と下側撹拌部材5を備え、これら撹拌部材5,20同士を、距離を隔てて配置する構成を採用していて、これにより粉体材料Pが早々と流下してしまうことを防止し撹拌部材5,20間に粉体材料Pを滞留させるようにし、ガイドシャフト7の上部及び下部で粉体材料Pの循環流動を生じさせて、ガス放出や加熱・均熱を促進し、ブリッジを回避できることにより、熱処理性能を向上できたり、ガイドシャフト7を大口径化して生産性を向上することができる等、これら特許文献の単なる組み合わせによっては得ることのできない多様で有利な作用効果が得られる。
図3及び図4には、撹拌部材5,20の変形例が示されている。上記実施形態では、撹拌用として、パドル5a,20aを設けるようにしたが、表面積の大きなパドル5a,20aでは熱的影響を受けて変形したり損傷することが考えられる場合には、パドル5a,20aに代えて、撹拌部材5,20をその径方向に貫通する多数の軸体34を設け、これら軸体34で撹拌するようにしても良い。このような変形例であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
また、図6に示すように、下側撹拌部材5の内部に、加熱装置35を内蔵し、当該下部撹拌部材5の回転及び上下動を吸収できるフレキシブルコード36を介して外部電源37と接続するようにすれば、当該加熱装置35により、ガイドシャフト7の下部において、昇温時間の短縮、粉体材料Pの熱履歴の改善を確保することができる。もちろん、上側撹拌部材20にも同様にして加熱装置35を内蔵すれば、ガイドシャフト7の上部に対しても同様の作用効果を確保することができる。
1 粉体熱処理装置
2 炉体シェル
3 上方装入部
4 下方排出部
5 下側撹拌部材
5a パドル
6 挿通部
7 ガイドシャフト
7a ガイドシャフトの上端開口部
7b ガイドシャフトの下端開口部
8 ヒータ
9 断熱材
10 水冷ジャケット
11 上部シェル
12 供給ホッパー
13 開閉弁
14 シュート
15 ロータリーディスク
15a 切り出し穴
16 ディスクハウジング
16a 排出ポート
17 回転モータ
18 ガス排出管
19 調節弁
20 上側撹拌部材
20a パドル
20b 上側撹拌部材の端部フランジ
21 動力伝達部材
21a 動力伝達部材の端部フランジ
21b 雄ねじ部
22 上部架台
23 上部駆動手段
24 上部貫通孔
25 シール材
26 カップリング部材
26a 雌ネジ部
27 キー
28 下部架台
29 下部駆動手段
30 下部貫通孔
31 シール材
32 位置センサ
33 温度センサ
34 軸体
35 加熱装置
36 フレキシブルコード
37 外部電源
C 冷却帯
D 窪み
G 単一の撹拌部材
H 加熱帯
P 粉体材料(粉体)
S 粉体上面
V 単一の撹拌部材の周囲近傍の粉体材料の移動速度
v ガイドシャフトの内面近傍の粉体材料の移動速度
W 冷却水
Z 滞留領域

Claims (3)

  1. 粉体材料を装入する上方装入部と、該上方装入部の下方に連設され、装入された粉体材料を重力方向下方へ案内しつつ熱処理する熱処理部と、該熱処理部の下方に連設され、熱処理された粉体を排出する下方排出部と、上記熱処理部の上方から下方へ向けて挿入され、該熱処理部内の粉体材料の粉面部分及びその周辺を撹拌するための上側撹拌部材と、上記熱処理部の下方から上方へ向けて、上記上側撹拌手段に対し距離を隔てて挿入され、該熱処理部内の粉体材料を撹拌するための下側撹拌部材と、これら上側撹拌部材及び下側撹拌部材を駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とする粉体熱処理装置。
  2. 前記上側撹拌部材は黒鉛製であり、該上側撹拌部材には金属製動力伝達部材が連結され、該金属製動力伝達部材が前記熱処理部にシール材を介して回転・摺動自在に挿通されることを特徴とする請求項1に記載の粉体熱処理装置。
  3. 前記上側撹拌部材及び前記下側撹拌部材の少なくともいずれか一方には、その内部に加熱装置が内蔵されていることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体熱処理装置。
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